JPH062926U - ファスナー付き円筒状管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーブルの挿通を容易に実施し得るとともに
撓み時の曲率を適正に保持し得るファスナー付き円筒状
管を提供する。 【構成】 ファスナー付き円筒状管１は、可撓性を有す
る薄肉円筒状管１ａ、構造物への接続のために薄肉円筒
状管１ａの両端に設けたフランジ１ｂ，１ｃ、薄肉円筒
状管１ａの外周面の長手方向に亘り所定の間隔で多数配
設して、前記外周面に固着したブロック１ｅ、及び薄肉
円筒状管１ａとブロック１ｅの外周面の１ケ所を長手方
向に亘り切り開いた切り開き部１ｄに取付けたファスナ
ー１ｉを有しており、ケーブル１２及びケーブル先端に
装着された工具（図示せず）がスムーズに挿通されるよ
うにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はファスナー付き円筒状管に関し、特に蒸気発生器の伝熱管検査装置及 び補修装置用の工具のケーブル巻取り・送出し装置に適用して有用なものである 。

【０００２】

【従来の技術】

図３は、蒸気発生器の伝熱管検査装置及び補修装置用の工具のケーブル巻取り ・送出し装置の構成を示す側面図である。同図に示すように、工具・ケーブルバ スケット１３に巻取られ先端に工具を装着したケーブル１２は、ケーブルガイド ２０に案内され、ガイド架台１４の上方に設置した送り装置１５内を経てガイド 架台１４の頂部へ抜ける。ケーブル１２の先端は、工具・ケーブルプッシャー１ ６の下方より挿入され、上方へ抜けて各種工具又は機器（図示せず）に接続され る。プッシャー１６は、上端部を取付け面１９に固着して垂下した支柱１８に沿 って昇降し、ケーブル１２を一定方向に搬送する。ジャバラ状管１１は、ガイド 架台１４の頂部と、支柱１８の下部に設けたジャバラ状管取付用金具１７との間 でケーブル１２を囲撓するとともにその搬送を案内する。

【０００３】 図４は、従来技術に係るジャバラ状管１１を一部破断して示す側面図、図５は 図４の下部を抽出して詳細に示す拡大図、図６は図４のＡ−Ａ線矢視断面図であ る。図４に示すように従来のジャバラ状管１１は、可撓性を有するジャバラ状ゴ ム管１１ａ、構造物への接続のためにジャバラ状ゴム管１１ａの両端に設けたフ ランジ１１ｂ，１１ｃ及び、ジャバラ状ゴム管１１ａの外周面の１ケ所を長手方 向に亘り切り開いた切り開き部１１ｄに取付けたファスナー１１ｆを有しており 、しかも図５に示すように、ジャバラ状ゴム管１１ａの内周面には、ジャバラ状 ゴム管１１ａの横断面形状を円形に保つための補強板１１ｅが一定間隔で長手方 向に亘り配設してある。補強板１１ｅは、図６に示すように円環状の部材であり 、ファスナー１１ｆと相対する位置に切り欠き部分を有する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述の如き従来技術に係るジャバラ状管１１は、以下に示す問題を有している 。 （イ） ジャバラ状ゴム管１１ａの内周面に設けた補強板１１ｅが一定間隔で長 手方向に連続しているため、補強板１１ｅがケーブル１２の送り方向における障 壁となり、ケーブル１２を搬送中、ケーブル１２の先端が補強板１１ｅに引掛り 、ケーブル１２が送れなくなるという不具合及びケーブル１２の先端に装着され た工具を破損する虞があるという不具合を生起する。また、前記引掛りを防止す るためには、ケーブル１２及びケーブル１２の先端の工具に引掛り防止機構を設 ける必要がある。なお、補強板１１ｅは、ジャバラ状管１１においては、ジャバ ラ状管１１の横断面を円形に保つために不可欠である。 （ロ） ジャバラ状管１１は、適度の可撓性を有する必要はあるが、可撓性の調 整を行う配慮が特になく、このため使用時に必要以上にジャバラ状管１１の曲率 半径が小さくなる場合があり、この場合には、ケーブル１２の送り出し、巻取り が困難になる。

【０００５】 本考案は、上記従来技術に鑑み、ケーブルの挿通を容易に実施し得るとともに 、撓み時の曲率を適正に保持し得るファスナー付き円筒状管を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案の構成は、可撓性を有する薄肉円筒状管の外周 面の１ケ所をその長手方向に亘り切り開き、この切り開き部にファスナーを取付 けて開閉可能に形成したファスナー付き円筒状管において、前記薄肉円筒状管の 撓み時の曲率を規制するよう、薄肉円筒状管の外周面の長手方向に亘り所定の間 隔で多数配設して前記外周面に固着したブロックを有することを特徴とする。

【０００７】

【作用】 上記構成の本考案によれば、薄肉円筒状管の内部には、障壁となるような構造 物が存在せず、ケーブル及びケーブル先端に装着された工具は薄肉円筒状管をス ムーズに挿通される。薄肉円筒状管の撓み時の曲率は、隣接するブロックの側面 が当接することにより規制される。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。

【０００９】 図１は、本実施例に係るファスナー付き円筒状管を一部破断して示す側面図、 図２は、図１のＥ部を抽出して詳細に示す拡大図である。

【００１０】 図１に示すようにファスナー付き円筒状管１は、可撓性を有する薄肉円筒状管 １ａ、構造物への接続のために薄肉円筒状管１ａの両端に設けたフランジ１ｂ， １ｃ、薄肉円筒状管１ａの外周面の長手方向に亘り所定の間隔で多数配設して、 前記外周面に固着したブロック１ｅ、及び薄肉円筒状管１ａとブロック１ｅの外 周面の１ケ所を長手方向に亘り切り開いた切り開き部１ｄに取付けたファスナー １ｉを有しており、しかも図２に示すようにブロック１ｅの内部には、円筒状管 １の横断面形状を円形に保つため円環状の補強ワイヤ１１ｆが設けられている。 また、薄肉円筒状管１ａの内周面には、テフロンコーティング１１ｇが施されて いる。

【００１１】 上記実施例によれば、薄肉円筒状管１ａの内部は障壁となるような構造物が存 在しないので、薄肉円筒状管１ａの撓み時の曲率が隣接するブロック１ｅの側面 が当接することにより規制されることと相俟ちケーブル及びケーブル先端に装着 された工具がスムーズに挿通される。しかも、薄肉円筒状管１ａの内周面に施さ れたテフロンコーティング１１ｇによりコーティング面１１ｈが滑らかになり、 前記ケーブル及びケーブル先端に装着された工具が更にスムーズに挿通される。

【００１２】

【考案の効果】 以上実施例とともに具体的に説明したように、本考案は、薄肉円筒状管の内部 に障壁となるような構造物が存在せず、しかも薄肉円筒状管の外周面の長手方向 に亘り所定の間隔で配設したブロックにより、薄肉円筒状管の曲率半径が過度に 小さくなるのを規制することができるので、薄肉円筒状管内の途中でその内部を 挿通させるケーブル及び工具等が引掛ることがなく、これらのケーブル及び工具 の円滑な搬送を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るファスナー付き円筒状管
を一部破断して示す側面図である。

【図２】図１のＥ部を抽出して詳細に示す拡大図であ
る。

【図３】ケーブル巻取り・送り出し装置の構成を示す側
面図である。

【図４】従来技術に係わるファスナー付きジャバラ状管
を一部破断して示す側面図である。

【図５】図４のＦ部を抽出して詳細に示す拡大図であ
る。

【図６】図４のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【符号の説明】

１ ファスナー付き円筒状管 １ａ 薄肉円筒状管 １ｄ 切り開き部 １ｅ ブロック １ｉ ファスナー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性を有する薄肉円筒状管の外周面の
   １ケ所をその長手方向に亘り切り開き、この切り開き部
   にファスナーを取付けて開閉可能に形成したファスナー
   付き円筒状管において、 前記薄肉円筒状管の撓み時の曲率を規制するよう、薄肉
   円筒状管の外周面の長手方向に亘り所定の間隔で多数配
   設して前記外周面に固着したブロックを有することを特
   徴とするファスナー付き円筒状管。