JPH0629158A - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサの製造方法

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JPH0629158A
JPH0629158A JP20754792A JP20754792A JPH0629158A JP H0629158 A JPH0629158 A JP H0629158A JP 20754792 A JP20754792 A JP 20754792A JP 20754792 A JP20754792 A JP 20754792A JP H0629158 A JPH0629158 A JP H0629158A
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JP
Japan
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driving
salt
ethylene glycol
capacitor
capacitor element
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Application number
JP20754792A
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English (en)
Inventor
Shuichi Tanno
修一 丹野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marcon Electronics Co Ltd
Original Assignee
Marcon Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中高圧用としての特性を維持し、電極腐食の
危険性がなく、長寿命で、かつ、引火の危険性のない電
解コンデンサの製造方法の提供。 【構成】 エチレングリコール及び/又はジエチレング
リコールを溶媒とし有機カルボン酸又はその塩を溶質と
した駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子を、エチレ
ングリコールを溶媒としホウ酸又はその塩を溶質とした
駆動用電解液槽に浸漬−引上げて、コンデンサ素子周囲
をエチレングリコールを溶媒としホウ酸又はその塩を溶
質とした駆動用電解液にて包囲する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長寿命化に貢献でき、
過電圧,逆電圧印加時においても安全な電解コンデンサ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム電解コンデンサ
は、アルミニウム箔からなる陽極箔と陰極箔との間にセ
パレータを介在して巻回したコンデンサ素子に、駆動用
電解液を含浸し、このコンデンサ素子を外装ケース内に
収納し、このケースの開口部を封口体にて密閉した構造
を有している。
【0003】しかして、アルミニウム電解コンデンサ
は、許容電圧に応じて、低圧用と中高圧用に大別される
が、中高圧用のアルミニウム電解コンデンサの駆動用電
解液としては、エチレングリコールを主溶媒とし、セバ
シン酸,アゼライン酸,安息香酸などの有機カルボン酸
又はその塩を溶質としたものが知られている。
【0004】しかしながら、これらの駆動用電解液を使
用した電解コンデンサでは、過電圧や逆電圧印加など誤
った使い方をした場合で、防爆弁が正しく動作した場合
は別として、防爆弁動作に至る前に破壊した場合、前記
駆動用電解液は燃え易いことからコンデンサ素子を構成
するセパレータを含めて燃えることによって重大事故を
起こす危険性を有していた。
【0005】近年、これら重大事故防止は緊急な課題で
あり、防爆弁の適切な動作とともに破壊時に燃えないア
ルミニウム電解コンデンサの出現が望まれ、色々な角度
からこの課題達成のための努力が成されている。
【0006】しかして、これらの課題達成のため駆動用
電解液を難燃化することもその一手段であり、そのため
の駆動用電解液として、エチレングリコールを溶媒と
し、ホウ酸アンモニウムを溶質としたものが以前から知
られているが、エチレングリコールとホウ酸の間で起こ
るエステル化反応によって生ずる水分のため、100℃
を越える条件下で使用すると、電解液中の水分が水蒸気
となり、電解コンデンサの内圧上昇やコンデンサ素子を
構成する陰極及び陽極としてのアルミニウム箔が劣化
し、また、低温での使用においては、電解液の粘度上昇
による損失の増大などの問題があり、これらエチレング
リコールを溶媒とし、ホウ酸アンモニウムを溶質とした
駆動用電解液を含浸剤として用いることによって難燃化
の課題達成はできても、所望の電解コンデンサとしての
特性を得ることができず、結局、長寿命で難燃性の電解
コンデンサとしてはいまだ不十分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来一
般化している電解コンデンサによれば、所望のコンデン
サ特性を長時間保ち、かつ、難燃性の市場要求を満足す
ることにはならず対策が望まれていた。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、電解コンデンサ本来の特性を満足し長
寿命で、難燃性の中高圧用の電解コンデンサの提供を可
能とした電解コンデンサの製造方法を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明になる電解コンデ
ンサの製造方法は、アルミニウム箔からなる陽極箔と陰
極箔との間にセパレータを介在して巻回したコンデンサ
素子に、エチレングリコール及び/又はジエチレングリ
コールを溶媒とし有機カルボン酸又はその塩を溶質とし
た駆動用電解液を含浸した後、そのコンデンサ素子の周
囲をエチレングリコールを溶媒としホウ酸又はその塩を
溶質とした駆動用電解液で包囲し、外装ケース内に収納
するとともに、この外装ケース開口部を封口体にて密閉
することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】以上のような構成になる電解コンデンサの製造
方法によれば、コンデンサ特性を決定するコンデンサ素
子内部に含浸する駆動用電解液は、電極箔を腐食するこ
となく、低損失で高温でも安定なコンデンサ特性を発揮
できる。
【0011】また、含浸剤としての駆動用電解液を含浸
したコンデンサ素子を浸漬する駆動用電解液は、含浸剤
としてコンデンサ素子に含浸する駆動用電解液に比べ絶
対量が少なく、粘度が高く、かつ単なる浸漬処理である
ため、コンデンサ素子内部に含浸された含浸剤としての
駆動用電解液と混じり難く、コンデンサ素子周囲を包囲
した状態となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例に基づき説明する。
【0013】すなわち、表面積をエッチング処理によっ
て拡大したアルミニウム箔の表面に酸化皮膜を形成し任
意の箇所に陽極端子を取付けた陽極箔と、表面積をエッ
チング処理によって拡大したアルミニウム箔の任意の箇
所に陰極端子を取付けた陰極箔との間にセパレータを介
在し巻回してコンデンサ素子を形成する。そしてこのコ
ンデンサ素子にエチレングリコール及び/又はジエチレ
ングリコールを溶媒とし有機カルボン酸又はその塩を溶
質とした駆動用電解液を公知の手段で減圧含浸し、しか
る後、前記コンデンサ素子をエチレングリコールを溶媒
としホウ酸又はその塩を溶質とした駆動用電解液槽内に
浸漬−引上げて、前記コンデンサ素子の周囲を包囲材と
してのエチレングリコールを溶媒としホウ酸又はその塩
を溶質とした駆動用電解液を溶質とした駆動用電解液で
包囲する。
【0014】次に、上述したように含浸処理及び周囲を
包囲処理したコンデンサ素子を、例えばアルミニウム金
属からなる外装ケースに収納し、前記コンデンサ素子か
ら導出した陰極端子及び陽極端子と固着した封口体で前
記外装ケース開口部を密閉してなるものである。
【0015】以上のような構成になる電解コンデンサの
製造方法によれば、コンデンサ特性を決定するコンデン
サ素子内部に含浸する駆動用電解液がエチレングリコー
ル及び/又はジエチレングリコールを溶媒とし、有機カ
ルボン酸又はその塩を溶質としたものであるため、低損
失で高温でも安定な中高圧用の特性を得ることができ
る。
【0016】また、このような駆動用電解液を含浸した
コンデンサ素子をエチレングリコールを溶媒としホウ酸
又はその塩を溶質とする駆動用電解液に浸漬したとして
も、この包囲材としての駆動用電解液は、含浸剤として
のエチレングリコール及び/又はジエチレングリコール
を溶媒としホウ酸又はその塩を溶質とした駆動用電解液
に比べ絶対量が少なく、粘度が高いため、含浸剤として
コンデンサ素子内部に含浸されたエチレングリコール及
び/又はジエチレングリコールを溶媒とし有機カルボン
酸又はその塩を溶質とした駆動用電解液と混じり難く、
コンデンサ素子周囲を包囲した状態となる。すなわち、
燃え易い前記含浸剤としての駆動用電解液及びセパレー
タとしてのコンデンサペーパが、難燃性の強いエチレン
グリコールを溶媒とし、ホウ酸又はその塩を溶質とする
駆動用電解液によって包囲されたものとなり、長寿命で
難燃性の電解コンデンサ提供に貢献できる。
【0017】以下、本発明と従来例との特性比較につい
て述べる。
【0018】すなわち、表1に示すような駆動用電解液
構成とし製作した実施例A〜Cと従来例D〜Fにおける
初期特性及び85℃50Hz1.2A/個のリプル試験
後の特性変化と、試験後分解による電極腐食を調べた結
果、表2及び表3に示すようであった。
【0019】また、表1に示すと同様な駆動用電解液構
成とし製作した実施例A〜Cと従来例D〜Fにおける8
00Vの過電圧を印加し強制的に破壊させたときの引火
状況を調べた結果、表4に示すようであった。
【0020】なお、試料はいずれも定格400V−22
0μFでそれぞれ50個とした。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】表2及び表3から明らかなように、静電容
量,tanδ,漏れ電流の初期値及び試験後の静電容量
変化,tanδ,漏れ電流の値は実施例及び従来例とも
ほとんど変わらないが、試験後における電極の腐食にお
いて明確な差を生み、本発明における電極腐食の防止効
果がわかる。
【0026】また、表4から明らかなように、従来例の
ものは6〜8%の高い率で引火し、安全上極めて問題で
あるのに対し、実施例のもので引火したものは皆無で、
高い安全性を実証した。
【0027】なお、上記実施例ではコンデンサ素子に含
浸する駆動用電解液を構成する溶媒としてエチレングリ
コール及び/又はジエチレングリコールを用い、溶質と
して有機カルボン酸又はその塩を用い、また、含浸済コ
ンデンサ素子の包囲材として駆動用電解液の溶質として
ホウ酸又はその塩を使用したものを例示して説明した
が、これらに通常知られている添加剤、例えばパラニト
ロフェノール,パラニトロ安息香酸,リン酸又はその
塩,ソルビット,マンニットなどを添加しても同様の効
果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、電極を腐食することな
く、低損失で高温でも安定なコンデンサ特性が発揮で
き、長寿命で、難燃性を保持した電解コンデンサの製造
方法を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム箔からなる陽極箔と陰極箔
    との間にセパレータを介在して巻回したコンデンサ素子
    に、エチレングリコール及び/又はジエチレングリコー
    ルを溶媒とし有機カルボン酸又はその塩を溶質とした駆
    動用電解液を含浸した後、そのコンデンサ素子の周囲を
    エチレングリコールを溶媒としホウ酸又はその塩を溶質
    とした駆動用電解液で包囲し、外装ケース内に収納する
    とともにこの外装ケース開口部を封口体にて密閉するこ
    とを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
JP20754792A 1992-07-10 1992-07-10 電解コンデンサの製造方法 Pending JPH0629158A (ja)

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