JPH06291020A - 位置合わせ方法 - Google Patents

位置合わせ方法

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JPH06291020A
JPH06291020A JP5079414A JP7941493A JPH06291020A JP H06291020 A JPH06291020 A JP H06291020A JP 5079414 A JP5079414 A JP 5079414A JP 7941493 A JP7941493 A JP 7941493A JP H06291020 A JPH06291020 A JP H06291020A
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JP
Japan
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wafer
substrate
regions
processed
shot
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Withdrawn
Application number
JP5079414A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Irie
信行 入江
Shigeru Hirukawa
茂 蛭川
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Priority to US08/222,868 priority patent/US5596204A/en
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Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエハ上に局所的に非線形歪みがある場合で
も、各露光ショットを高精度に且つ高いスループットで
位置合わせする。 【構成】 1枚目のウエハについて外周サンプルショッ
トRSA1 〜RSA16のステージ座標系での座標値を計
測し、それら座標値からそれぞれEGA計算により求め
た計算上の座標値を差し引いて、非線形誤差ベクトル
(〈AD1 〉等)を求める。2枚目のウエハについて
も、同じ配列の外周サンプルショットRSA1〜RSA
16の非線形誤差ベクトルを求め、それら非線形誤差ベク
トルの相関より2枚のウエハの歪み状態が合致するとき
の回転角を求める。2枚目のウエハについては、1枚目
のウエハで定めた重み分布をその回転角だけ回転させた
重みを用いて、重み付きEGA方式でアライメントを行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば統計処理により
算出した配列座標に基づいてウエハの各ショット領域上
に順次レチクルのパターン像を転写する投影露光装置に
おいて、ウエハの各ショット領域を順次位置合わせする
場合に適用して好適な位置合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子又は液晶表示素子等をフォト
リソグラフィ工程で製造する際に、フォトマスク又はレ
チクル(以下「レチクル」と総称する)のパターン像を
投影光学系を介して感光材が塗布されたウエハ上の各シ
ョット領域に投影する投影露光装置が使用されている。
この種の投影露光装置として近年は、ウエハを2次元的
に移動自在なステージ上に載置し、このステージにより
ウエハを歩進(ステッピング)させて、レチクルのパタ
ーン像をウエハ上の各ショット領域に順次露光する動作
を繰り返す、所謂ステップ・アンド・リピート方式の露
光装置、特に、縮小投影型の露光装置(ステッパー)が
多用されている。
【0003】例えば半導体素子はウエハ上に多数層の回
路パターンを重ねて形成されるので、2層目以降の回路
パターンをウエハ上に投影露光する際には、ウエハ上の
既に回路パターンが形成された各ショット領域とレチク
ルのパターン像との位置合わせ、即ちウエハとレチクル
との位置合わせ(アライメント)を精確に行う必要があ
る。従来のステッパー等におけるウエハの位置合わせ方
法は、概略次のようなものである(例えば特開昭61−
44429号公報参照)。
【0004】即ち、ウエハ上には、ウエハマークと呼ば
れる位置合わせ用のマークをそれぞれ含む複数のショッ
ト領域(チップパターン)が形成されており、これらシ
ョット領域は、予めウエハ上に設定された配列座標に基
づいて規則的に配列されている。しかしながら、ウエハ
上の複数のショット領域の設計上の配列座標値(ショッ
ト配列)に基づいてウエハをステッピングさせても、以
下のような要因により、ウエハが精確に位置合わせされ
るとは限らない。
【0005】(1) ウエハの残存回転誤差θ (2) ステージ座標系(又はショット配列)の直交度誤差
w (3) ウエハの線形伸縮(スケーリング)Rx,Ry (4) ウエハ(中心位置)のオフセット(平行移動)O
x,Oy
【0006】この際、これら4個の誤差量(6個のパラ
メータ)に基づくウエハの座標変換は一次変換式で記述
できる。そこで、ウエハマークを含む複数のショット領
域が規則的に配列されたウエハに対し、このウエハ上の
座標系(x,y)を静止座標系としてのステージ上の座
標系(X,Y)に変換する一次変換モデルを、6個の変
換パラメータa〜fを用いて次のように表現することが
できる。
【0007】
【数1】
【0008】この変換式における6個の変換パラメータ
a〜fは、例えば最小自乗近似法により求めることがで
きる。この場合、ウエハ上の複数のショット領域(チッ
プパターン)の中から幾つか選び出されたショット領域
の各々に付随した座標系(x,y)上の設計上の座標が
それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、‥‥、(x
n,yn)であるウエハマークに対して所定の基準位置
への位置合わせ(アライメント)を行う。そして、その
ときのステージ上の座標系(X,Y)での座標値(XM
1,YM1)、(XM2,YM2)、‥‥、(XMn,
YMn)を実測する。
【0009】また、選び出されたウエハマークの設計上
の配列座標(xi,yi)(i=1,‥‥,n)を上述
の1次変換モデルに代入して得られる計算上の配列座標
(Xi,Yi)とアライメント時の計測された座標(X
Mi,YMi)との差(△x,△y)をアライメント誤
差と考える。この一方のアライメント誤差△xは例えば
(Xi−XMi)2 のiに関する和で表され、他方のア
ライメント誤差△yは例えば(Yi−YMi)2 のiに
関する和で表される。
【0010】そして、それらアライメント誤差△x及び
△yを6個の変換パラメータa〜fで順次偏微分し、そ
の値が0となるような方程式をたてて、それら6個の連
立方程式を解けば6個の変換パラメータa〜fが求めら
れる。これ以降は、変換パラメータa〜fを係数とした
一次変換式を用いて計算した配列座標に基づいて、ウエ
ハの各ショット領域の位置合わせを行うことができる。
あるいは、一次変換式では近似精度が良好でない場合に
は、例えば2次以上の高次式を用いてウエハの位置合わ
せを行うようにしてもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
においては、被露光ウエハに非線形な歪みがある場合に
は、その非線形歪み分の残留誤差が位置合わせ誤差とな
ってしまうという不都合があった。このため、本出願人
は、そのような歪みがある場合のアライメント方法とし
て、露光対象とするショット領域(以下、「露光ショッ
ト」という)又は被露光ウエハ内の所定の基準点からの
距離が小さいほど歪みによる非線形誤差の影響も小さい
とした、所謂重み付けEGA方式を提案している。
【0012】この重み付けEGA方式では、露光ショッ
ト又は被露光ウエハ内の基準点(歪みの中心等)からの
距離が小さいサンプルショットほど大きな重み付けをし
て、重み付け方式の線形近似が行われ、各露光ショット
毎にウエハのオフセット、回転、スケーリング、直交度
の補正成分を求めた上で、各露光ショットの位置をそれ
らの補正成分だけ補正して得た位置に設定して露光が行
われる。この重み付けEGAでは、単純に露光ショット
又は所定の基準点に近いサンプルショットほど歪みの影
響が小さいとしていたが、実際には歪みの量はショット
間の距離又は基準点との間の距離には依存しない場合が
ある。例えば局所的な歪みがある場合には、ショット間
の距離又は基準点との間の距離に依らず、歪みが大きい
ことがある。このため、上記の重み付けEGA方式で
も、非線形歪みの影響による位置ずれ誤差を小さくでき
ない場合があった。
【0013】本発明は斯かる点に鑑み、処理対象とする
ウエハ上のサンプルショットの位置を予め実際に計測し
て得られた結果に基づいて、統計処理により変換パラメ
ータを求め、この変換パラメータを用いて算出された計
算上の配列座標に基づいてウエハ上の各ショット領域の
位置合わせを行う位置合わせ方法において、ウエハ上に
局所的に非線形歪みがある場合でも高精度に位置合わせ
できるようにすることを目的とする。
【0014】また、そのように高精度に位置合わせがで
きるとしても、スループットが低下することは望ましく
ない。そこで、本発明は、ウエハ上に局所的に非線形歪
みがある場合でも、高精度に且つ高いスループットで各
露光ショットの位置合わせができる位置合わせ方法を提
供することをも目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による位置合わせ
方法は、例えば図1及び図5〜図9に示すように、基板
(W)上に設定された試料座標系(x,y)上の配列座
標に基づいて基板(W)上に配列された複数の被加工領
域(ESi)の各々を、基板(W1)の移動位置を規定す
る静止座標系(X,Y)内の所定の加工位置に対して位
置合わせするに当たって、複数の被加工領域(ESi)の
内、少なくとも3つの予め選択された被加工領域の静止
座標系(X,Y)上における座標位置を計測し、これら
計測された複数の座標位置を統計計算することによっ
て、基板(W)上の複数の被加工領域(ESi)の各々の
静止座標系(X,Y)上における配列座標を算出し、こ
れら算出された複数の被加工領域(ESi)の各々の配列
座標に従って基板(W1)の移動位置を制御することに
よって、複数の被加工領域(ESi)の各々をその加工位
置に対して位置合わせする方法に関するものである。
【0016】そして、本発明は、予め選択された被加工
領域のそれぞれに対して複数の被加工領域(ESi)の内
の位置決め対象とする被加工領域毎に重み係数を割り当
てる第1工程(ステップ101,102)と、予め選択
された被加工領域のそれぞれの静止座標系(X,Y)上
における座標位置を計測する第2工程(ステップ10
1)と、予め選択された被加工領域のそれぞれの試料座
標系(x,y)上の配列座標から1組の変換パラメータ
を用いて求めた静止座標系(X,Y)上の配列座標と、
その計測された配列座標との差分の自乗にその重み係数
を乗じて得られた誤差成分を、予め選択された被加工領
域の全部について加算して得られる残留誤差成分が最小
になるように、複数の被加工領域(ESi)毎にその1組
の変換パラメータの値を定める第3工程(ステップ10
4)と、複数の被加工領域(ESi)毎に求められたその
1組の変換パラメータの値を用いて、基板(W1)上の
複数の被加工領域の各々の静止座標系(X,Y)上にお
ける配列座標を算出する第4工程(ステップ104)と
を有するものである。
【0017】この場合、その第1工程(ステップ10
1,102)において、基板(W1)上の複数の被加工
領域(ESi)が配列されている領域の歪み状態を計測
し、このように計測された歪み状態に応じて、予め選択
された被加工領域のそれぞれに対して複数の被加工領域
(ESi)の内の位置決め対象とする被加工領域毎に重み
係数を割り当てることが望ましい。
【0018】また、本発明の第2の位置合わせ方法は、
その第1の位置合わせ方法を改良したものであり、複数
の被加工領域が形成された第1の基板(W1)に対し
て、所定の歪み計測領域(RSA1 〜RSA16)の歪み
の状態を計測した後、その第1工程から前記第4工程ま
で(ステップ101〜104)を実行し、次に、複数の
被加工領域が形成された第2の基板(W2)に対して、
その所定の歪み計測領域に対応する領域(図9のRSA
1 〜RSA16)の歪みの状態を計測する(ステップ10
7)。そして、それら計測された2つの歪みの状態の相
関が高い場合に、第1の基板(W1)の歪みの状態と第
2の基板(W2)の歪みの状態との回転角を求め(ステ
ップ108)、第2の基板(W2)に対するその第1工
程において、第1の基板(W2)をその回転角だけ回転
した場合と等しい重み係数を、その予め選択された被加
工領域のそれぞれに対して複数の被加工領域(ESi)の
内の位置決め対象とする被加工領域毎に割り当てるもの
である。
【0019】
【作用】斯かる本発明の第1の位置合わせ方法によれ
ば、例えば基板(W1)上の全部の被加工領域(E
i )の座標位置を計測すること(全点計測)により、
各被加工領域(ESi )の設計上の座標位置からの非線
形な歪み量を求める。そして、例えば図5(a)に示す
ように、或る被加工領域(ESj )の計算上の座標位置
を求める際には、その被加工領域(ESj )と異なる傾
向の非線形な歪み量を有する被加工領域(ESj-2 )が
存在する領域(C1)を超える領域の予め選択された被
加工領域(サンプルショット)には値が小さい重み係数
を付与する。そして、重み付けEGAにより各被加工領
域(ESi )のアライメントを行うようにする。
【0020】また、本発明の第2の位置合わせ方法によ
れば、第1の基板(W1)及び第2の基板(W2)の所
定の歪み計測領域に対して、それぞれ歪の状態が計測さ
れ、これら2つの歪の状態の相関が高い場合に、それら
2つの基板の歪みの状態の回転角が求められる。また、
第1の基板(W1)に対して上述の第1の位置合わせ方
法により全面の歪みの状態を求め、この歪みの状態から
重み係数を求めておく。そして、第2の基板(W2)で
はその第1の基板(W1)での重み係数の分布を回転し
た重み係数を使用することにより、重み係数を決定する
際の時間が短縮される。
【0021】
【実施例】以下、本発明による位置合わせ方法の第1実
施例につき図1〜図8を参照して説明する。図2は本実
施例の位置合わせ方法を適用するのに好適な投影露光装
置の概略的な構成を示し、この図2において、超高圧水
銀ランプ1から発生した照明光ILは楕円鏡2で反射さ
れてその第2焦点で一度集光した後、コリメータレン
ズ、干渉フィルター、オプティカルインテグレータ(フ
ライアイレンズ)及び開口絞り(σ絞り)等を含む照明
光学系3に入射する。不図示であるが、フライアイレン
ズはそのレチクル側焦点面がレチクルパターンのフーリ
エ変換面(瞳共役面)とほぼ一致するように光軸AXと
垂直な面内方向に配置されている。
【0022】また、楕円鏡2の第2焦点の近傍には、モ
ーター38によって照明光ILの光路の閉鎖及び開放を
行うシャッター(例えば4枚羽根のロータリーシャッタ
ー)37が配置されている。なお、露光用照明光として
は超高圧水銀ランプ1等の輝線の他に、エキシマレーザ
(KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ等)等
のレーザ光、あるいは金属蒸気レーザやYAGレーザの
高調波等を用いても構わない。
【0023】図2において、照明光学系3を射出したレ
ジスト層を感光させる波長域の照明光(i線等)IL
は、その大部分がビームスプリッター4で反射された
後、第1リレーレンズ5、可変視野絞り(レチクルブラ
インド)6及び第2リレーレンズ7を通過してミラー8
に至る。そして、ミラー8でほぼ垂直下方に反射された
照明光ILが、メインコンデンサーレンズ9を介してレ
チクルRのパターン領域PAをほぼ均一な照度で照明す
る。レチクルブラインド6の配置面はレチクルRのパタ
ーン形成面と共役関係(結像関係)にあり、駆動系36
によりレチクルブラインド6を構成する複数枚の可動ブ
レードを開閉させて開口部の大きさ、形状を変えること
によって、レチクルRの照明視野を任意に設定すること
ができる。
【0024】本実施例のレチクルRにおいては、遮光帯
に囲まれたパターン領域PAの4辺のほぼ中央部にそれ
ぞれアライメントマークとしてのレチクルマークが形成
されている。これらレチクルマークの像をウエハWのレ
ジスト層上に投影することにより、そのレジスト層上に
それらレチクルマークの像が潜像として形成されるもの
である。また、本実施例ではそれらレチクルマークが、
ウエハWの各ショット領域とレチクルRとの位置合わせ
を行う際のアライメントマークとしても共用される。そ
れら4つのレチクルマークは同一構成(但し、方向は異
なる)であり、例えば或る1つのウエハマークは、Y方
向に配置された7個のドットマークから成る回折格子マ
ークを、X方向に所定間隔で5列配列したマルチマーク
である。それらウエハマークは、レチクルRの遮光帯中
に設けられた透明窓内にクロム等の遮光部により形成さ
れる。更に、レチクルRにはその外周付近に2個の十字
型の遮光性マークよりなるアライメントマークが対向し
て形成されている。これら2個のアライメントマーク
は、レチクルRのアライメント(投影光学系13の光軸
AXに対する位置合わせ)に用いられる。
【0025】レチクルRは、モータ12によって投影光
学系13の光軸AXの方向に微動可能で、且つその光軸
AXに垂直な水平面内で2次元移動及び微小回転可能な
レチクルステージRS上に載置されている。レチクルス
テージRSの端部にはレーザ光波干渉測長器(レーザ干
渉計)11からのレーザビームを反射する移動鏡11m
が固定され、レチクルステージRSの2次元的な位置は
レーザ干渉計11によって、例えば0.01μm程度の
分解能で常時検出されている。レチクルRの上方にはレ
チクルアライメント系(RA系)10A及び10Bが配
置され、これらRA系10A及び10Bは、レチクルR
の外周付近に形成された2個の十字型のアライメントマ
ークを検出するものである。RA系10A及び10Bか
らの計測信号に基づいてレチクルステージRSを微動さ
せることで、レチクルRはパターン領域PAの中心点が
投影光学系13の光軸AXと一致するように位置決めさ
れる。
【0026】さて、レチクルRのパターン領域PAを通
過した照明光ILは、両側テレセントリックな投影光学
系13に入射し、投影光学系13により1/5に縮小さ
れたレチクルRの回路パターンの投影像が、表面にレジ
スト層が形成され、その表面が投影光学系13の最良結
像面とほぼ一致するように保持されたウエハW上の1つ
のショット領域に重ね合わせて投影(結像)される。
【0027】ウエハWは、微小回転可能なウエハホルダ
(不図示)に真空吸着され、このウエハホルダを介して
ウエハステージWS上に保持されている。ウエハステー
ジWSは、モーター16によりステップ・アンド・リピ
ート方式で2次元移動可能に構成され、ウエハW上の1
つのショット領域に対するレチクルRの転写露光が終了
すると、ウエハステージWSは次のショット位置までス
テッピングされる。ウエハステージWSの端部にはレー
ザ干渉計15からのレーザビームを反射する移動鏡15
mが固定され、ウエハステージWSの2次元的な座標
は、レーザ干渉計15によって例えば0.01μm程度
の分解能で常時検出されている。レーザ干渉計15は、
ウエハステージWSの投影光学系13の光軸AXに垂直
な一方向(これをX方向とする)及びこれに垂直なY方
向の座標を計測するものであり、それらX方向及びY方
向の座標によりウエハステージWSのステージ座標系
(静止座標系)(X,Y)が定められる。即ち、レーザ
干渉計15により計測されるウエハステージWSの座標
値が、ステージ座標系(X,Y)上の座標値である。
【0028】また、ウエハステージWS上にはベースラ
イン量(後述)の計測時等で用いられる基準マークを備
えた基準部材(ガラス基板)14が、ウエハWの露光面
とほぼ同じ高さになるように設けられている。基準部材
14には基準マークとして、光透過性の5組のL字状パ
ターンから成るスリットパターンと、光反射性のクロム
で形成された2組の基準パターン(デューティ比は1:
1)とが設けられている。一方の組の基準パターンは、
Y方向に配列された7個のドットマークをX方向に3列
配列してなる回折格子マークと、3本の直線パターンを
X方向に配列してなる回折格子マークと、Y方向に延び
た12本のバーマークとを、X方向に配列したものであ
る。他方の組の基準パターンはその一方の組の基準パタ
ーンを90°回転したものである。
【0029】さて、光ファイバー(不図示)等を用いて
基準部材14の下へ伝送された照明光(露光光)によっ
て、基準部材14に形成されたスリットパターンが下方
(ウエハステージ内部)から照明されるように構成され
ている。基準部材14のスリットパターンを透過した照
明光は、投影光学系13を介してレチクルRの裏面(パ
ターン面)にスリットパターンの投影像を結像する。更
に、レチクルR上の4個のレチクルマークの何れかを通
過した照明光は、メインコンデンサーレンズ9、リレー
レンズ7,5等を通ってビームスプリッター4に達し、
ビームスプリッター4を透過した照明光が、投影光学系
13の瞳共役面の近傍に配置された光電検出器35によ
り受光される。光電検出器35は照明光の強度に応じた
光電信号SSを主制御系18に出力する。以下では、光
ファイバー(不図示)、基準部材14及び光電検出器3
5をまとめてISS(Imaging Slit Sensor)系と呼ぶ。
【0030】また、図2中には投影光学系13の結像特
性を調整できる結像特性補正部19も設けられている。
本実施例における結像特性補正部19は、投影光学系1
3を構成する一部のレンズエレメント、特にレチクルR
に近い複数のレンズエレメントの各々を、ピエゾ素子等
の圧電素子を用いて独立に駆動(光軸AXに対して平行
な方向の移動又は傾斜)することで、投影光学系13の
結像特性、例えば投影倍率やディストーションを補正す
るものである。
【0031】次に、投影光学系13の側方にはオフ・ア
クシス方式のアライメントセンサー(以下「Field Imag
e Alignment 系(FIA系)」という)が設けられてい
る。このFIA系において、ハロゲンランプ20で発生
した光をコンデンサーレンズ21及び光ファイバー22
を介して干渉フィルター23に導き、ここでレジスト層
の感光波長域及び赤外波長域の光をカットする。干渉フ
ィルター23を透過した光は、レンズ系24、ビームス
プリッター25、ミラー26及び視野絞りBRを介して
テレセントリックな対物レンズ27に入射する。対物レ
ンズ27から射出された光が、投影光学系13の照明視
野を遮光しないように投影光学系13の鏡筒下部周辺に
固定されたプリズム(又はミラー)28で反射され、ウ
エハWをほぼ垂直に照射する。
【0032】対物レンズ27からの光は、ウエハW上の
ウエハマーク(下地マーク)を含む部分領域に照射さ
れ、当該領域から反射された光はプリズム28、対物レ
ンズ27、視野絞りBR、ミラー26、ビームスプリッ
ター25及びレンズ系29を介して指標板30に導かれ
る。ここで、指標板30は対物レンズ27及びレンズ系
29に関してウエハWと共役な面内に配置され、ウエハ
W上のウエハマークの像は指標板30の透明窓内に結像
される。更に指標板30には、その透明窓内に指標マー
クとして、Y方向に延びた2本の直線状マークをX方向
に所定間隔だけ離して配置したものが形成されている。
指標板30を通過した光は、第1リレーレンズ系31、
ミラー32及び第2リレーレンズ系33を介して撮像素
子(CCDカメラ等)34へ導かれ、撮像素子34の受
光面上にはウエハマークの像と指標マークの像とが結像
される。撮像素子34からの撮像信号SVは主制御系1
8に供給され、ここでウエハマークのX方向の位置(座
標値)が算出される。なお、図2中には示していない
が、上記構成のFIA系(X軸用のFIA系)の他に、
Y方向のマーク位置を検出するためのもう1組のFIA
系(Y軸用のFIA系)も設けられている。
【0033】次に、投影光学系13の上部側方にはTT
L(スルー・ザ・レンズ)方式のアライメントセンサー
17も配置され、アライメントセンサー17からの位置
検出用の光がミラーM1及びM2を介して投影光学系1
3に導かれている。その位置検出用の光は投影光学系1
3を介してウエハW上のウエハマーク上に照射され、こ
のウエハマークからの反射光が投影光学系13、ミラー
M2及びミラーM1を介してアライメントセンサー17
に戻される。アライメントセンサー17は戻された反射
光を光電変換して得られた信号から、ウエハW上のウエ
ハマークの位置を求める。
【0034】図3は、図2中のTTL方式のアライメン
トセンサー17の詳細な構成を示し、この図3におい
て、本例のアライメントセンサー17は、2光束干渉方
式のアライメント系(以下「LIA系」という)とレー
ザ・ステップ・アライメント方式のアライメント系(以
下「LSA系」という)とをその光学部材を最大限共有
させて組み合わせたものである。ここでは簡単に説明す
るが、より具体的な構成は特開平2−272305号公
報に開示されている。
【0035】図3において、光源(He−Neレーザ光
源等)40から射出されたレーザビームはビームスプリ
ッター41で分割され、ここで反射されたレーザビーム
はシャッター42を介して第1ビーム成形光学系(LI
A光学系)45に入射する。一方、ビームスプリッター
41を透過したレーザビームは、シャッター43及びミ
ラー44を介して第2ビーム成形光学系(LSA光学
系)46に入射する。従って、シャッター42及び43
を適宜駆動することにより、LIA系とLSA系とを切
り換えて使用することができる。
【0036】さて、LIA光学系45は2組の音響光学
変調器等を含み、所定の周波数差△fを与えた2本のレ
ーザビームを、その光軸を挟んでほぼ対称に射出する。
更に、LIA光学系45から射出された2本のレーザビ
ームは、ミラー47及びビームスプリッター48を介し
てビームスプリッター49に達し、ここを透過した2本
のレーザビームはレンズ系(逆フーリエ変換レンズ)5
3及びミラー54を経て、装置上で固定されている参照
用回折格子55に、互いに異なる2方向から所定の交差
角で入射して結像(交差)する。光電検出器56は、参
照用回折格子55を透過してほぼ同一方向に発生する回
折光同士の干渉光を受光し、回折光強度に応じた正弦波
状の光電信号SRを主制御系18(図2参照)内のLI
A演算ユニット58に出力する。
【0037】一方、ビームスプリッター49で反射され
た2本のレーザビームは、対物レンズ50によって視野
絞り51の開口部で一度交差した後、ミラーM2(図2
中のミラーM1は図示省略)を介して投影光学系13に
入射する。更に、投影光学系13に入射した2本のレー
ザビームは、投影光学系13の瞳面で光軸AXに関して
ほぼ対称となって一度スポット状に集光した後、ウエハ
W上のウエハマークのピッチ方向(Y方向)に関して光
軸AXを挟んで互いに対称的な角度で傾いた平行光束と
なって、ウエハマーク上に異なる2方向から所定の交差
角で入射する。ウエハマーク上には周波数差△fに対応
した速度で移動する1次元の干渉縞が形成され、当該マ
ークから同一方向、ここでは光軸方向に発生した±1次
回折光(干渉光)は投影光学系13、対物レンズ50等
を介して光電検出器52で受光され、光電検出器52は
干渉縞の明暗変化の周期に応じた正弦波状の光電信号S
DwをLIA演算ユニット58に出力する。LIA演算
ユニット58は、2つの光電信号SR及びSDwの波形
上の位相差からそのウエハマークの位置ずれ量を算出す
ると共に、レーザ干渉計15からの位置信号PDsを用
いて、当該位置ずれ量が零となるときのウエハステージ
WSの座標位置を求め、この情報をアライメントデータ
記憶部61(図4参照)に出力する。
【0038】また、LSA光学系46はビームエクスパ
ンダー、シリンドリカルレンズ等を含み、LSA光学系
46から射出されたレーザビームはビームスプリッター
48及び49を介して対物レンズ50に入射する。更
に、対物レンズ50から射出されるレーザビームは、一
度視野絞り51の開口部でスリット状に収束した後、ミ
ラーM2を介して投影光学系13に入射する。投影光学
系13に入射したレーザビームは、その瞳面のほぼ中央
を通った後、投影光学系13のイメージフィールド内で
X方向に伸び、且つ光軸AXに向かうような細長い帯状
スポット光としてウエハW上に投影される。
【0039】スポット光とウエハW上のウエハマーク
(回折格子マーク)とをY方向に相対移動したとき、当
該ウエハマークから発生する光は投影光学系13、対物
レンズ50等を介して光電検出器52で受光される。光
電検出器52は、ウエハマークからの光のうち±1次〜
3次回折光のみを光電変換し、このように光電変換して
得られた光強度に応じた光電信号SDiを主制御系18
内のLSA演算ユニット57に出力する。LSA演算ユ
ニット57にはレーザ干渉計15からの位置信号PDs
も供給され、LSA演算ユニット57はウエハステージ
WSの単位移動量毎に発生するアップダウンパルスに同
期して光電信号SDiをサンプリングする。更に、LS
A演算ユニット57は、各サンプリング値をデジタル値
に変換してメモリに番地順に記憶させた後、所定の演算
処理によってウエハマークのY方向の位置を算出し、こ
の情報を図4のアライメントデータ記憶部61に出力す
る。
【0040】次に、図2の主制御系18の構成につき図
4を参照して説明する。図4は本例の主制御系18及び
これと関連する部材を示し、この図4において、LSA
演算ユニット57、LIA演算ユニット58、FIA演
算ユニット59、アライメントデータ記憶部61、EG
A演算ユニット62、記憶部63、ショットマップデー
タ部64、システムコントローラ65、ウエハステージ
コントローラ66及びレチクルステージコントローラ6
7より主制御系18が構成されている。これらの部材の
内で、LSA演算ユニット57、LIA演算ユニット5
8及びFIA演算ユニット59は、供給される光電信号
から、各ウエハマークのステージ座標系(X,Y)での
座標位置を求め、この求めた座標位置をアライメントデ
ータ記憶部61に供給する。アライメントデータ記憶部
61の計測された座標位置の情報はEGA演算ユニット
62に供給される。
【0041】ショットマップデータ記憶部64には、ウ
エハW上の各露光ショットに属するウエハマークのウエ
ハW上の座標系(x,y)での設計上の配列座標値が記
憶され、これら設計上の配列座標値もEGA演算ユニッ
ト62に供給される。EGA演算ユニット62は、計測
された座標値及び設計上の座標値に基づいて、最小自乗
法によりウエハW上の座標系(x,y)での設計上の配
列座標値からステージ座標系(X,Y)での計算上の配
列座標値を求めるための6個の変換パラメータ((数
1)の変換パラメータa〜fに対応するもの)を求め、
これら変換パラメータa〜fを記憶部63に供給する。
【0042】更に、EGA演算ユニット62は、そのよ
うに記憶された変換パラメータa〜fを用いてウエハW
上の座標系(x,y)での設計上の配列座標値からステ
ージ座標系(X,Y)での計算上の配列座標値を求め、
この計算上の配列座標値をシステムコントローラ65に
供給する。これに応じて、システムコントローラ65
は、ウエハステージコントローラ66を介してレーザ干
渉計15の計測値をモニターしつつ、モーター16を介
して図2のウエハステージWSを駆動して、ウエハW上
の各ショット領域の位置決め及び各ショット領域への露
光を行う。また、システムコントローラ65は、レチク
ルステージコントローラ67を介してレーザ干渉計11
の計測値をモニターしつつ、モーター12を介して図2
のレチクルステージRSを駆動して、レチクルRの位置
調整を行う。
【0043】次に、本例で1ロット分のウエハについ
て、順次各露光ショットの位置決めを行って、各露光シ
ョットにそれぞれレチクルRのパターン像を投影露光す
る際の動作につき図1のフローチャートを参照して説明
する。先ず図1のステップ101において、1枚目のウ
エハW1を図2のウエハステージWS上にロードする。
このウエハW1上の露光ショットの配列及びアライメン
トマークとしてのウエハマークの形状等につき説明する
が、露光ショットの配列及びウエハマーク等の形状は残
りのウエハも同じである。
【0044】図5(a)はウエハW1上の露光ショット
の配列を示し、この図5(a)において、ウエハW1上
にはウエハW1上に設定された座標系(x,y)に沿っ
て規則的に露光ショットES1,ES2,‥‥,ESN が形
成され、各露光ショットES i にはそれまでの工程によ
りそれぞれチップパターンが形成されている。また、各
露光ショットESi はx方向及びy方向に所定幅のスト
リートラインで区切られており、各露光ショットESi
に近接するx方向に伸びたストリートラインの中央部に
アライメントマークとしてのX方向のウエハマークが形
成され、各露光ショットESi に近接するy方向に伸び
たストリートラインの中央部にY方向のウエハマークが
形成されている。X方向用のウエハマーク及びY方向用
のウエハマークはそれぞれx方向及びy方向に所定ピッ
チで3本の直線パターンを並べたものであり、これらの
パターンはウエハWの下部に凹部又は凸部のパターンと
して形成したものである。図5(a)では、露光ショッ
トES1 に属するウエハマークMx1及びMy1だけを
図示している。
【0045】そして、本例では、その1枚目のウエハW
1の全部の露光ショットES1 〜ESN についてステー
ジ座標系(X,Y)上での座標を計測する。各露光ショ
ットESi にはそれぞれX方向用及びY方向用のウエハ
マークが近接して形成されている。本例ではこれらの位
置を計測することにより、各露光ショットESi のステ
ージ座標系(X,Y)上での座標位置を計測する。具体
的にウエハマークMx1の撮像信号が、例えば図2の撮
像素子34を介して図4のFIA演算ユニット59に供
給され、FIA演算ユニット59では設定された計測パ
ラメータのもとでそのウエハマークMX1のX方向の位
置検出を行う。
【0046】図6は図2のFIA系の撮像素子34で撮
像されるウエハマークMx1の様子を示し、そのときに
得られる撮像信号は図3のFIA演算ユニット59に供
給される。図6に示すように、撮像素子34の撮像視野
VSA内には、3本の直線状パターンからなるウエハマ
ークMx1と、これを挟むように図2の指標板30上に
形成された指標マークFM1,FM2とが配置されてい
る。撮像素子34はそれらウエハマークMx1及び指標
マークFM1,FM2の像を水平走査線VLに沿って電
気的に走査する。この際、1本の走査線だけではSN比
の点で不利なので、撮像視野VSAに収まる複数本の水
平走査線によって得られる撮像信号のレベルを、水平方
向の各画素毎に加算平均することが望ましい。これによ
り、ウエハマークMx1のX方向の位置が計測され、同
様にY方向用のFIA系により、ウエハマークMy1の
Y方向の位置が計測される。
【0047】図5(b)はウエハマークの他の例を示
し、この図5(b)において、計測方向であるX方向に
対して所定ピッチの回折格子状のパターンからなるウエ
ハマークMAxが形成されている。このウエハマークM
Axの位置検出を行うには、図2のアライメントセンサ
ー17中のLIA光学系45(図3参照)から射出され
る2本のレーザビームBM1 及びBM2 を所定の交差角
でそのウエハマークMAx上に照射する。その交差角及
びウエハマークMAxのX方向のピッチは、レーザビー
ムBM1 によるウエハマークMAxからの−1次回折光
1(-1) 及びレーザービームBM2 によるウエハマーク
MAxからの+1次回折光B2(+) が平行になるように
設定される。これら−1次回折光B1(-1) 及び+1次回
折光B2(+)の干渉光が図3の光電検出器52で光電信号
SDwに変換され、この光電信号SDwがLIA演算ユ
ニット58に供給され、LIA演算ユニット58では、
参照信号としての光電信号SRと光電信号SDwとの位
相差より、ウエハマークMAxのX方向の位置ずれ量を
算出する。
【0048】図5(c)はウエハマークの更に他の例を
示し、この図5(c)において、計測方向であるX方向
に垂直なY方向に対して所定ピッチで配列されたドット
マークからなるウエハマークMBxが形成されている。
このウエハマークMBxの位置検出を行うには、図2の
アライメントセンサー17中のLSA光学系46(図3
参照)から射出されたレーザビームを、そのウエハマー
クMBxの近傍にY方向に長いスリット状のスポット光
LXSとして照射する。そして、図2のウエハステージ
WSを駆動して、ウエハマークMBxをそのスポット光
LXSに対して走査すると、スポット光LXSがウエハ
マークMBx上を走査している範囲では、ウエハマーク
MBxから所定の方向に回折光が射出される。この回折
光を図3の光電検出器52で光電変換して得られた光電
信号SDiがLSA演算ユニット57に供給され、LS
A演算ユニット57は設定された計測パラメータのもと
でウエハマークMBxのX方向の位置を求める。
【0049】同様に、他の露光ショットES2 〜ESN
のステージ座標系(X,Y)での座標値が計測され、こ
れら計測された座標値は図4のアライメントデータ記憶
部61を介してEGA演算ユニット62に供給され、ス
テップ102において、EGA演算ユニット62は、ウ
エハマークの設計上の座標値及び計測された座標値よ
り、(数1)を満足する6個の変換パラメータa〜fの
値を例えば単純な最小自乗法を用いて求める。即ち、n
番目の露光ショットESn のステージ座標系上での計測
された座標値を(XMn ,YMn )、設計上の座標値か
ら(数1)に基づいて計算された座標値を(Xn
n )とすると、残留誤差成分を次式で表す。
【0050】
【数2】
【0051】そして、この残留誤差成分が最小になるよ
うに、(数1)の変換パラメータa〜fの値を定める。
これがEGA計算と呼ばれる計算である。次に、EGA
演算ユニット62は、計測された座標値(XMn ,YM
n )から、そのようにして求めた変換パラメータa〜f
を用いて計算した計算上の配列座標値(Xn ,Yn )を
差し引いて、全露光ショットESn の配列誤差の内の非
線形誤差量を求める。これらの非線形誤差量は図4の記
憶部63に供給される。
【0052】例えば、図5(a)の露光ショットESi
における非線形誤差量は非線形誤差ベクトル〈Di 〉で
表され、この非線形誤差ベクトル〈Di 〉の始点P1
は、露光ショットESi の計算上の座標値(線形誤差量
を含む座標値)、そのベクトル〈Di 〉の終点P2は、
露光ショットESi の計測された座標値を表す。他の露
光ショットの非線形誤差量もそれぞれ非線形誤差ベクト
ルにより表されている。但し、各非線形誤差ベクトルは
実際の値よりも誇張して表されている。そして、各露光
ショットESi を非線形誤差量の方向及び大きさに応じ
ていくつかのグループに分類し、そのグループをもと
に、各露光ショットESi 毎に重み付け定数を決定す
る。重み付け定数の決定方法は、基本的に「あるグルー
プに所属する露光ショットの露光位置計算には、他のグ
ループに所属するサンプルショットの計測結果に所定値
以上の重みがかからないようにする。」というものであ
る。従って、非線形誤差量の大きさが露光ショットのそ
れと大きく異なるようなショットの計測結果には、大き
な重み付けがされないように重み付け定数が設定され
る。
【0053】具体的に、或る露光ショットESi の位置
合わせを行う場合に、計測結果が利用されるサンプルシ
ョットSAn に対して付与される重みWinを、露光ショ
ットESi からサンプルショットSAn までの距離をL
Knとして次のように定める。但し、パラメータSiは
重み付けの度合いを変更するためのパラメータである。
【0054】
【数3】
【0055】この式から明かなように、露光ショットE
Si までの距離LKnが短いサンプルショットSA
n 程、そのアライメントデータに与える重みWinが大き
くなるようになっている。また、パラメータSiは、そ
の露光ショットESi の周囲で非線形歪み量の傾向が異
なる最初の露光ショットまでの距離が短い場合程、小さ
な値に設定される。
【0056】具体的に、図5(a)の場合では、露光シ
ョットESj の非線形誤差量と傾向が異なる非線形誤差
量を有する最初のショットは露光ショットESj-2 であ
り、露光ショットESk の非線形誤差量と傾向が異なる
非線形誤差量を有する最初のショットは露光ショットE
k-1 である。また、露光ショットESj と露光ショッ
トESj-2 との距離はLK1であり、露光ショットES
k と露光ショットES k-1 との距離はLK2であり、
(LK1>LK2)が成立している。従って、露光ショ
ットESjのパラメータSjの値は、露光ショットES
k のパラメータSkの値より大きく設定される。これ
は、露光ショットESjについては、半径LK1の円周
C1を超えるサンプルショットの計測結果は重みが小さ
くなり、露光ショットESk については、半径LK2の
円周C2を超えるサンプルショットの計測結果は重みが
小さくなることを意味する。
【0057】なお、ウエハW1の全面で非線形歪み量が
ほぼ等しい場合には、パラメータSiの値は共通に例え
ば次の式のSi0 に設定される。この式において、Dは
重みパラメータであり、オペレータが重みパラメータD
の値を所定値に設定することにより、自動的にパラメー
タSi0 、ひいては重みWinが決定される。
【0058】
【数4】Si0 =D2 /(8・loge10) この重みパラメータDの物理的意味は、ウエハ上の各シ
ョット領域の座標位置を計算するのに有効なサンプルシ
ョットの範囲(以下、単に「ゾーン」と呼ぶ)である。
即ち、ゾーンが大きい場合は有効なサンプルショットの
数が多くなるので、従来のEGA方式で得られる結果に
近くなる。逆に、ゾーンが小さい場合は、有効なサンプ
ルショットの数が少なくなるので、ダイ・バイ・ダイ方
式で得られる結果に近くなる。
【0059】また、共通のパラメータSi0 を決定する
式は(数4)に限定されず、例えば次式を用いることも
できる。但し、ウエハの面積をA[mm2 ]、サンプル
ショットの数をm、補正係数(正の実数)をCとしてい
る。
【0060】
【数5】Si0 =A/(m・C) この式はウエハサイズ(面積)やサンプルショットの数
の変化をパラメータSの決定に反映させることで、当該
決定に際して使用すべき補正係数Cの最適値があまり変
動しないようにしたものである。その補正係数Cが小さ
い場合はパラメータSi0 の値が大きくなり、従来のE
GA方式で得られる結果に近くなり、補正係数Cが大き
い場合は、パラメータSi0 の値が小さくなるので、ダ
イ・バイ・ダイ方式で得られる結果に近くなる。
【0061】但し、本実施例ではウエハW1上の非線形
歪み量に応じてパラメータSiの値を露光ショット毎に
変えているが、パラメータSiの値を設定する際には、
例えば(数4)又は(数5)のパラメータSi0 の値を
基準として、この基準の値を増減しても良い。
【0062】次に、図1のステップ103において、図
5(a)に示すウエハW1のステージ座標系(X,Y)
上の座標位置が計測された全部の露光ショットES1
ES N の内から、予めウエハ中心からの距離がほぼ等し
い位置のウエハ周辺部の所定数の露光ショット(以下、
「外周サンプルショット」と呼ぶ)を選択しておく。図
7は、ウエハW1上の外周サンプルショットの一例を示
し、この図7において、ウエハ中心に対して所定半径の
円周にほぼ沿って、且つ反時計回りに順番に外周サンプ
ルショットRSA1 ,RSA2 ,‥‥,RSA16が選択
されている。本例では、これら外周サンプルショットの
みからも線形誤差量を取り除いた非線形誤差ベクトルを
求める。
【0063】即ち、(数2)に対応する形で、外周サン
プルショットRSA1 〜RSA16のみについて、計測さ
れた座標値と、(数1)に基づいて計算された座標値と
の差の自乗和を求め、この自乗和(残留誤差成分)が最
小になるように、(数1)の変換パラメータa〜fの値
を定める。そして、それら外周サンプルショットの計測
された座標値から、そのように定めた変換パラメータa
〜fと設計上の配列座標とから求めた計算上の座標値を
差し引いて非線形誤差ベクトルを求め、これら非線形誤
差ベクトルを図4の記憶部63に記憶させる。図7にお
いては、外周サンプルショットRSA1 ,RSA2 及び
RSA16の非線形誤差ベクトル〈AD1〉,〈AD2
及び〈AD16〉が誇張して示してある。i番目の外周サ
ンプルショットRSAi の非線形誤差ベクトル〈A
i 〉のX方向成分をpi、Y方向成分をqiとする。
従って、次式が成立する。
【0064】
【数6】 〈AD1 〉=(p1,q1), 〈AD2 〉=(p2,q2), ‥‥ 〈AD16〉=(p16,q16)
【0065】次に、図1のステップ104において、ス
テップ102で定めたパラメータSiに基づいて算出し
た重みWinを用いて、重み付けEGA方式でアライメン
トを行って、各露光ショットESi へレチクルRのパタ
ーンを順次露光する。即ち、この1枚目のウエハW1に
ついては、図5(a)において、全ての露光ショットE
1 〜ESN をサンプルショットとして、任意の露光シ
ョットESi のアライメントを行う際に、サンプルショ
ットESn の計測された座標値(XMn ,YM n )と、
設計上の座標値から(数1)に基づいて計算された座標
値(Xn ,Yn)と、(数3)の重みWinとより残留誤
差成分Eiを次式で表す。
【0066】
【数7】
【0067】そして、この残留誤差成分が最小になるよ
うに、(数1)の変換パラメータa〜fの値を定める。
次に、EGA演算ユニット62は、設計上の座標値及び
そのようにして求めた変換パラメータa〜fを(数1)
に代入して、その露光ショットESi の計算上の配列座
標を求める。このようにして算出された各露光ショット
ES1 〜ESN の配列座標は図4のシステムコントロー
ラ65に供給される。また、FIA系、LIA系及びL
SA系のアライメントセンサーの計測中心と投影光学系
13の露光フィールド内の基準点との間隔であるベース
ライン量はそれぞれ予め求められている。そこで、シス
テムコントローラ65は、EGA演算ユニット62で算
出された配列座標にベースライン量の補正を行って得ら
れた計算上の座標値に基づいて、順次各ショット領域E
i の位置決めを行って、それぞれレチクルRのパター
ン像を露光する。
【0068】次に、ステップ105において、2枚目の
ウエハW2を図2のウエハステージWS上にロードす
る。その後、ステップ106において、ウエハW2の全
露光ショットの中から予め選択されているサンプルショ
ットのステージ座標系(X,Y)上での座標値を計測し
て、図4のアライメントデータ記憶部61に記憶させ
る。
【0069】図8はその2枚目のウエハW2のショット
配列を示し、この図8において、ウエハ中心に対して所
定半径の円周にほぼ沿った配列された16個の露光ショ
ットSA1,SA2,SA3,‥‥,SA16と、露光中心の近
傍の4個の露光ショットSA 17,‥‥,SA20とがサン
プルショットを構成する。これらサンプルショットSA
1 〜SA20は、図7に示す1枚目のウエハW1の外周ア
ライメントショットRSA1 〜RSA16を含み、且つ重
み付けEGAを行うのに適したものにする。これは、1
枚目のウエハW1と2枚目のウエハW2との非線形誤差
ベクトルのパターンが同じかどうかを調べて重み付けE
GAを行うためである。
【0070】また、ステップ102と同様に、サンプル
ショットSA1 〜SA20のみについてEGA計算を行
い、各サンプルショットSAi の計測された座標値か
ら、EGA計算により求めた変換パラメータa〜fを用
いて計算した計算上の配列座標値を差し引いて、全サン
プルショットの配列誤差の内の非線形誤差量を求める。
これらの非線形誤差量は図4の記憶部63に供給され
る。
【0071】そして、ステップ106において、図8の
サンプルショットSA1 〜SA20の内の16個の外周サ
ンプルショットのみからも線形誤差量を取り除いた非線
形誤差ベクトルの成分を求め、図4の記憶部63に記憶
させる。図9はその2枚目のウエハW2の外周サンプル
ショットの配列を示し、この図9において、ウエハ中心
から所定半径の円周にほぼ沿って反時計方向に外周サン
プルショットRSA1〜RSA16が配列されている。こ
れらウエハW2の外周サンプルショットは、図7に示す
1枚目のウエハW1の外周サンプルショットと同じ配列
である。
【0072】図9においては、ウエハW2の外周サンプ
ルショットRSA1 ,RSA2 及びRSA16の非線形誤
差ベクトル〈BD1 〉,〈BD2 〉及び〈BD16〉が誇
張して示してある。i番目の外周サンプルショットRS
i の非線形誤差ベクトル〈BDi 〉のX方向成分をx
i、Y方向成分をyiとする。従って、次式が成立す
る。
【0073】
【数8】 〈BD1 〉=(x1,y1), 〈BD2 〉=(x2,y2), ‥‥ 〈BD16〉=(x16,y16)
【0074】次に、ステップ108において、1枚目の
ウエハW1の非線形誤差ベクトルののパターンと2枚目
のウエハW2の非線形誤差ベクトルのパターンとが、ウ
エハを回転させることによって、同一とみなせるかどう
かを確かめるために以下のような作業を行う。先ず、1
枚目のウエハW1の外周サンプルショットRSA1 〜R
SA16の非線形誤差ベクトルの成分(p1,q1)〜
(p16,q16)と、2枚目のウエハW2の外周サン
プルショットRSA1 〜RSA16の非線形誤差ベクトル
の成分(x1,y1)〜(x16,y16)とを使用し
て、ウエハW1のi番目の外周サンプルショットRSA
i の非線形誤差ベクトル〈ADi 〉を基準として、ウエ
ハW2のi番目の外周サンプルショットRSAi の非線
形誤差ベクトル〈BDi 〉の回転角θi の余弦cosθ
i を次式より求める(1≦i≦16)。
【0075】
【数9】
【0076】そして、16個のcosθi の平均値及び
標準偏差を求める。その後、ステップ109において、
cosθi の標準偏差が所定の許容値以下かどうかを調
べ、その標準偏差がその許容値以下であるときにはステ
ップ110において、1枚目のウエハW1を回転角θi
及び−θi だけ回転させたときの、図9のウエハW2の
各外周サンプルショットRSAi に対応する非線形誤差
ベクトル〈ADi+〉及び〈ADi-〉を求める。そして、
それら非線形誤差ベクトル〈ADi+〉及び〈ADi-〉を
(数9)のベクトル〈ADi 〉の代わりに代入して、再
度余弦cosθ i の標準偏差を求め、その標準偏差がそ
の許容値以下になるときの回転角θi 又は−θi を改め
て回転角θi とする。この場合、1枚目のウエハW1を
その角度θi だけ回転させることにより、1枚目のウエ
ハW1の非線形誤差ベクトルと2枚目のウエハW2の非
線形誤差ベクトルとが重なると考えられる。
【0077】そこで、ステップ111に移行して、1枚
目のウエハW1を反時計方向に回転角θi だけ回転さ
せ、2枚目のウエハW2の露光ショットESi とほぼ同
じ位置にある、回転後のウエハW1の各露光ショットE
j に設定されている(数3)の重みWjnを決定するた
めのパラメータSjを、そのウエハW2の露光ショット
ESi に対するサンプルショットSAn に割り当てる。
但し、2枚目のウエハW2のサンプルショットの個数は
20個であり(図8参照)、1枚目のウエハW1のサン
プルショットの個数は全露光ショットの個数であるた
め、2枚目のウエハW2の各露光ショットESi のパラ
メータSi′としては、そのパラメータSjの値を変更
したものを使用し、1枚目のウエハW1の場合より広い
領域のサンプルショットの計測結果を利用できるように
する。そのパラメータSi′を(数3)のパラメータS
iとして代入することにより、ウエハW2の各露光ショ
ットESi のアライメントを行うときに、図8の各サン
プルショットSAn に割り当てる重みWin′が求められ
る。
【0078】その後、ステップ112において、ウエハ
W2の各露光ショットESi を重み付けEGA方式でア
ライメントして、それぞれレチクルRのパターンを露光
する。即ち、各露光ショットESi のアライメントを行
う際に、サンプルショットSAn の計測された座標値
(XMn ,YMn )と、設計上の座標値から(数1)に
基づいて計算された座標値(Xn ,Yn )と、重み
in′とより残留誤差成分Ei′を次式で表す。以下の
式でのmの値は20である。
【0079】
【数10】
【0080】そして、この残留誤差成分が最小になるよ
うに、(数1)の変換パラメータa〜fの値を定め、設
計上の座標値及びそのようにして求めた変換パラメータ
a〜fを(数1)に代入して、その露光ショットESi
の計算上の配列座標を求める。この計算上の配列座標に
基づいてその露光ショットESi の位置合わせ及び露光
が行われる。ウエハW2の全露光ショットへの露光が終
わると、動作はステップ113へ移行して、次のウエハ
への露光が行われる。
【0081】次に、ステップ109で、cosθi の値
の標準偏差が所定の許容値より大きい場合、ステップ1
14へ移行して、図7の1枚目のウエハW1の非線形誤
差ベクトル〈ADi 〉(1≦i≦16)を反時計方向に
1ショット分だけ回転させる。更に、ステップ115で
その回転角が360°に達したかどうかを調べ、その回
転角が360°より小さい場合にはステップ108に戻
り、回転後の新しい非線形誤差ベクトル〈ADi′〉を
使用して(数9)の余弦cosθi の計算を再度行い、
cosθi の平均値及び標準偏差を求める。その標準偏
差が所定の許容値以下になるまでステップ109,11
4,115,108を繰り返し、その標準偏差がその許
容値以下になったときにステップ110に移行する。
【0082】例えば、図7のウエハW1の非線形誤差ベ
クトル〈ADi 〉を反時計回りに4ショット分回転させ
ると、回転後の非線形誤差ベクトル〈ADi ′〉と、図
9のウエハW2の非線形誤差ベクトル〈BDi 〉との余
弦cosθi が全て0となり、図7のウエハW1を反時
計回りに90°回転させると、回転後の非線形誤差ベク
トルが図9のウエハW2の非線形誤差ベクトルと重なる
ようになる。
【0083】一方、図7の非線形誤差ベクトル〈A
i 〉を360°回転させても、cosθi の標準偏差
が所定の許容値以下にならない場合は、1枚目のウエハ
W1と2枚目のウエハW2との配列誤差の歪みの傾向が
異なると考えらるため、動作はステップ115からステ
ップ116へ移行する。そして、2枚目のウエハW2で
は、各露光ショットESi のパラメータSiとして例え
ば(数4)又は(数5)のパラメータSi0 を使用して
重みWin′を設定し、この重みWin′を用いて重み付け
EGA方式でアライメントを行って、各露光ショットE
i へのレチクルRのパターン像の露光を行う。但し、
ウエハW2についても、1枚目のウエハW1と同様に、
全露光ショットの座標位置の計測を行って新たに各露光
ショット毎の重みを求め、この重みを用いて重み付けE
GA方式でアライメントを行っても良い。その後、ステ
ップ117において、次のウエハへの露光が行われる。
【0084】なお、上述実施例では、パラメータSiよ
り(数3)に基づいて重みWinが定められているが、パ
ラメータSiより次のような計算式で求めた重みWin
を使用しても良い。この場合、ウエハの変形中心点(例
えば非線形歪みの点対称中心)、例えばウエハセンター
と、ウエハ上の露光ショットESi との間の距離(半
径)をLEiとして、ウエハセンターとm個(図8の例
ではm=20)のサンプルショットSA1 〜SAm のそ
れぞれとの間の距離(半径)をLW1〜LWmとする。
そして、距離LEi及び距離LW1〜LWmに応じて、
m個のサンプルショットSA1 〜SAm の計測結果の各
々に次式で定義される重みWin″を与える。
【0085】
【数11】
【0086】また、上述実施例ではステップ101にお
いて、ウエハW1の全露光ショットの位置を計測するこ
とにより、各露光ショットの非線形歪み量を求めている
が、その全露光ショットから選択されたサンプルショッ
トについてステージ座標系での座標位置を計測するだけ
でも、各露光ショットの非線形歪み量を求めることがで
きる。即ち、例えばそれらサンプルショットについて求
めた非線形誤差量を補間することにより、各露光ショッ
トの非線形歪み量を求めることができる。
【0087】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0088】
【発明の効果】本発明の第1の位置合わせ方法によれ
ば、例えば基板上の歪み状態に応じて各被加工領域に独
立に重み係数を割り当て、重み付けEGA方式でアライ
メントを行うようにしているため、基板上に局所的に歪
みがある場合でも、各被加工領域を高精度に位置合わせ
できる利点がある。
【0089】また、第2の位置合わせ方法によれば、2
枚の基板の歪みの状態の相関から2枚の基板の歪み状態
が合致するときの回転角を求め、第1の基板の重み係数
の分布をその回転角だけ回転させた重みを第2の基板の
各被加工領域で使用するようにしているため、2枚の基
板の歪み状態が似ている場合には、2枚目の基板の各被
加工領域を高精度且つ高いスループットで位置合わせで
きる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置合わせ方法の一実施例を含む
露光方法を示すフローチャートである。
【図2】図1の露光方法が適用される投影露光装置を示
す構成図である。
【図3】図2中のTTL方式のアライメントセンサー1
7の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図2中の主制御系18等の詳細な構成を示すブ
ロック図である。
【図5】(a)は実施例で露光される1枚目のウエハ上
の露光ショットの配列及び非線形誤差量を示す平面図、
(b)はLIA系用のウエハマークの検出方法の説明
図、(c)はLSA系用のウエハマークの検出方法の説
明図である。
【図6】FIA系のアライメントセンサーの撮像素子の
観察領域を示す図である。
【図7】1枚目のウエハの外周サンプルショットの線形
誤差ベクトルを示す平面図である。
【図8】実施例で露光される2枚目のウエハ上のサンプ
ルショットの配列及び露光ショットの非線形誤差量を示
す平面図である。
【図9】2枚目のウエハの外周サンプルショットの線形
誤差ベクトルを示す平面図である。
【符号の説明】
1 水銀ランプ 3 照明光学系 9 メインコンデンサーレンズ R レチクル 13 投影光学系 W ウエハ WS ウエハステージ 15 レーザ干渉計 17 TTL方式のアライメントセンサー 18 主制御系 ES1 〜ESN 露光ショット SA1 〜SA20 サンプルショット RSA1 〜RSA16 外周サンプルショット Mx1 X方向のウエハマーク My1 Y方向のウエハマーク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設定された試料座標系上の配列
    座標に基づいて前記基板上に配列された複数の被加工領
    域の各々を、前記基板の移動位置を規定する静止座標系
    内の所定の加工位置に対して位置合わせするに当たっ
    て、前記複数の被加工領域の内、少なくとも3つの予め
    選択された被加工領域の前記静止座標系上における座標
    位置を計測し、該計測された複数の座標位置を統計計算
    することによって、前記基板上の複数の被加工領域の各
    々の前記静止座標系上における配列座標を算出し、該算
    出された複数の被加工領域の各々の配列座標に従って前
    記基板の移動位置を制御することによって、前記複数の
    被加工領域の各々を前記加工位置に対して位置合わせす
    る方法において、 前記予め選択された被加工領域のそれぞれに対して前記
    複数の被加工領域の内の位置決め対象とする被加工領域
    毎に重み係数を割り当てる第1工程と、 前記予め選択された被加工領域のそれぞれの前記静止座
    標系上における座標位置を計測する第2工程と、 前記予め選択された被加工領域のそれぞれの前記試料座
    標系上の配列座標から1組の変換パラメータを用いて求
    めた前記静止座標系上の配列座標と、前記計測された配
    列座標との差分の自乗に前記重み係数を乗じて得られた
    誤差成分を、前記予め選択された被加工領域の全部につ
    いて加算して得られる残留誤差成分が最小になるよう
    に、前記複数の被加工領域毎に前記1組の変換パラメー
    タの値を定める第3工程と、 前記複数の被加工領域毎に求められた前記1組の変換パ
    ラメータの値を用いて、前記基板上の複数の被加工領域
    の各々の前記静止座標系上における配列座標を算出する
    第4工程と、を有することを特徴とする位置合わせ方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程において、前記基板上の前
    記複数の被加工領域が配列されている領域の歪み状態を
    計測し、該計測された歪み状態に応じて、前記予め選択
    された被加工領域のそれぞれに対して前記複数の被加工
    領域の内の位置決め対象とする被加工領域毎に重み係数
    を割り当てることを特徴とする請求項1記載の位置合わ
    せ方法。
  3. 【請求項3】 複数の被加工領域が形成された第1の基
    板に対して、所定の歪み計測領域の歪みの状態を計測し
    た後、前記第1工程から前記第4工程までを実行し、 次に、複数の被加工領域が形成された第2の基板に対し
    て、前記所定の歪み計測領域に対応する領域の歪みの状
    態を計測し、 前記計測された2つの歪みの状態の相関が高い場合に、
    前記第1の基板の歪みの状態と前記第2の基板の歪みの
    状態との回転角を求め、 前記第2の基板に対する前記第1工程において、前記第
    1の基板を前記回転角だけ回転した場合と等しい重み係
    数を、前記予め選択された被加工領域のそれぞれに対し
    て前記複数の被加工領域の内の位置決め対象とする被加
    工領域毎に割り当てることを特徴とする請求項1記載の
    位置合わせ方法。
JP5079414A 1993-04-06 1993-04-06 位置合わせ方法 Withdrawn JPH06291020A (ja)

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JP5079414A JPH06291020A (ja) 1993-04-06 1993-04-06 位置合わせ方法
US08/222,868 US5596204A (en) 1993-04-06 1994-04-05 Method for aligning processing areas on a substrate with a predetermined position in a static coordinate system

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5903891B2 (ja) * 2010-01-18 2016-04-13 株式会社ニコン 露光方法、露光装置、及びデバイス製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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