JPH06290563A - 磁気ヘッド及び磁気記録・再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気記録・再生装置

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JPH06290563A
JPH06290563A JP5073398A JP7339893A JPH06290563A JP H06290563 A JPH06290563 A JP H06290563A JP 5073398 A JP5073398 A JP 5073398A JP 7339893 A JP7339893 A JP 7339893A JP H06290563 A JPH06290563 A JP H06290563A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic recording
temperature
magnetic head
head
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JP5073398A
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English (en)
Inventor
Kenichi Nishimori
賢一 西森
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッドスライダーのABSの温度を長期間に
わたって安定して正確に監視しつつ磁気記録・再生を行
うことを可能にする磁気ヘッド及びこの磁気ヘッドを用
いた磁気記録・再生装置を提供する。 【構成】 磁気ヘッド10を、磁気記録又は再生を行う
磁気回路部2を備えて磁気記録媒体上を滑動又は浮上走
行するヘッドスライダー1の滑動面たるABS7に、温
度検知機能を有する熱電対薄膜たる薄膜3,4を形成し
た構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体上を滑動
又は浮上走行するヘッドスライダーに磁気回路部を設け
た磁気ヘッド及びこの磁気ヘッドを用いた磁気記録・再
生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】種々のコンピュータの外部記憶装置とし
て用いられるフロッピーディスク装置やハードディスク
装置等の磁気記録・再生装置は、通常、磁気回路を設け
たヘッドスライダーを磁気記録媒体たる磁気ディスク上
を滑動又は浮上走行させて相対的に移動させることによ
り、情報の記録または再生を行う方式を採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの磁
気記録・再生装置においては、磁気記録媒体における情
報が記録されている磁性層中の磁化が何等かの原因で変
化し、その記録された情報の再生が不可能になることを
防止し、かつ装置自体が長時間にわたり安定して動作す
ることが必須条件である。
【0004】ところが、上記のような記録方式は、その
原理状、ヘッドスライダーとディスクとが接触摺動する
ことを避けることができないため、そこから派生する様
々なトライボロジー現象が、上記技術的課題を克服する
上で大きな問題となっている。特に、数m/s〜数十m
/sもの高い相対速度により、ヘッドスライダー/ディ
スク間(Head Disk Interface ;以下、HDIという)
で、接触摺動(滑動)状態と浮上状態が繰り返し行われ
るCSS(Contact Start Stop)方式が主流であるハー
ドディスク装置においては、上記トライボロジー現象に
よる問題の解決がより重要となる。
【0005】ここで、磁性層からの再生出力を低下さ
せ、読み取りエラーを誘発させるトライボロジー的問題
として、HDIにおける高速摺動状態下で発生する摩擦
力がディスク側に機械的な摩擦損傷を与え、磁性層自体
をも破壊してしまうヘッドクラッシュ現象がよく知られ
ており、その対策も比較的よく検討されているが、その
外に、両者の接触部において発生した摩擦熱による温度
上昇によってディスク表面が変質する過熱現象が考えら
れる。
【0006】この過熱現象としては、温度の上昇と共に
磁性体の磁化が減少しはじめ、その材料に固有の温度
(キュリー点)にいたって磁化がほとんどゼロになると
いう過熱減磁効果に基づく過熱減磁現象や、ディスク表
面上に塗布されているフッ素系潤滑剤等を分解・蒸発さ
せる現象、あるいは、ディスク表面に形成された異種物
質間に化学反応を起こさせて変質させる現象等の多岐に
わたる現象が考えられ、ハードディスク装置において磁
性層の再生出力の低下や変動が起こる原因の1つと考え
られているが、いまだ十分な解明がなされているとはい
えず、また、その対策も十分に考えられていないのが実
状である。
【0007】しかも、近年、磁気記録装置の高密度記録
化の要請が益々高まっているが、高密度記録化の実現の
ためには、ヘッドスライダーとディスク表面との間のス
ペーシングを小さく、かつ、両者をより高速度で相対移
動させる必要がある。そうすると、上述の過熱現象に起
因する問題がより大きな問題として浮かび上がってく
る。
【0008】この過熱現象問題の解決策としては、磁気
記録媒体自体の耐熱性を向上させることが考えられる
が、これには限界がある。このため、ヘッドスライダー
のディスク表面との接触面(ヘッドスライダーエアベア
リング表面;以下、ABSという)の温度を監視し、こ
の温度が所定以上の温度にならないように磁気記録・再
生装置を制御することが考えられる。しかしながら、A
BSの温度を監視しつつ磁気記録・再生ができる磁気ヘ
ッドがいまだ開発されていないために、この方法はいま
だ実現されていない。
【0009】すなわち、ABSの温度を測定する試みと
しては、例えば、ヘッドスライダーに熱電対を埋め込ん
で測温した報告例がある(IEEE Trans.Magn.,25,5(198
9) pp3728-3730 参照)。しかし、この方法では、熱電
対の温度測定面とABSとを完全に一致させることが難
しく、また、一旦一致させても測温中に熱膨張差等によ
りずれてしまうおそれがあるとともに、ABSの1点の
温度しか測定できないために、この点以外の場所の温度
の監視ができない。このため、実験的にABSの測温を
行うことは可能であっても、実際の磁気記録・再生装置
に適用した場合には、ABSの温度を長期間にわたって
安定して正確に監視しつつ磁気記録・再生を行うことは
事実上著しく困難である。また、ヘッドスライダーに熱
電対取り付け孔等を設け、かつ、この孔に熱電対の先端
部をABSにのぞかせるようにして固定する必要がある
が、これによってヘッドスライダーの浮上特性を大きく
変動させてしまうおそれもある。しかも製造及び調整が
著しく煩雑でコストがかさむという問題もある。
【0010】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、ヘッドスライダーのABSの温度を長期間に
わたって安定して正確に監視しつつ磁気記録・再生を行
うことを可能にする磁気ヘッド及びこの磁気ヘッドを用
いた磁気記録・再生装置を提供することを目的としたも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明にかかる磁気ヘッドは、 (構成1) 磁気記録媒体上を滑動又は浮上走行するヘ
ッドスライダーに磁気記録又は再生を行う磁気回路部を
設けた磁気ヘッドであって、前記ヘッドスライダーの滑
動面に、温度検知機能を有する薄膜を形成したことを特
徴とする構成とし、この構成1の態様として、 (構成2) 構成1の磁気ヘッドにおいて、前記薄膜
は、熱電対を構成する1組の物質でそれぞれ構成された
2層の薄膜が重ねて形成されたものであることを特徴と
した構成、及び、 (構成3) 構成1の磁気ヘッドにおいて、前記薄膜
は、電気抵抗の温度依存性を利用して温度を測定する測
温抵抗体を構成する薄膜であることを特徴とした構成と
した。
【0012】また、本発明にかかる磁気記録・再生装置
は、 (構成4) 磁気記録媒体を保持して回転駆動する磁気
記録媒体駆動部と、前記磁気記録媒体上を滑動及び浮上
走行して磁気記録をし又は記録されている磁気信号を再
生する磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを保持して該磁気
ヘッドの前記磁気記録媒体に対する位置を制御する磁気
ヘッド保持部と、これら磁気記録媒体駆動部、磁気ヘッ
ド及び磁気ヘッド保持部を制御する制御回路部とを有
し、磁気記録・再生を行う磁気記録・再生装置におい
て、前記磁気ヘッドとして、構成1ないし3のいずれか
に記載の磁気ヘッドを用い、前記制御回路部に、前記磁
気ヘッドの温度検知機能を有する薄膜から温度信号をう
けて温度を測定する測温回路を設けたことを特徴とする
構成とした。
【0013】
【作用】上述の構成1によれば、ヘッドスライダーの滑
動面に、温度検知機能を有する薄膜を形成したことによ
り、ヘッドスライダーのABSの温度を測定することが
できる。この場合、この薄膜はABS上に極めて薄くか
つ強固に密着して形成することが可能であるから、温度
測定面とABSとをほぼ完全に一致させることができ、
また、測温中に熱膨張差等によりずれてしまうようなお
それもない。さらに、ABSの全面に薄膜を形成した場
合には全面の平均的温度を測定できるため、ABSの全
面についての温度の監視ができる。しかも、ABSを薄
膜で覆うことによってABSの耐久性や滑動特性あるい
は浮上特性を向上させることも可能となる。したがっ
て、ABSの温度を長期間にわたって安定して正確に監
視しつつ良好な磁気記録・再生を行うことが可能にな
る。さらに、ABSに薄膜を形成させるだけであるか
ら、ヘッドスライダーの浮上特性を大きく変動させてし
まうようなおそれもなく、さらには、製造が比較的容易
で調整箇所もないので低コストで得ることが可能であ
る。
【0014】また、構成2及び3によれば、比較的形成
が容易でしかも単純な膜構成によって、温度検知機能を
有する薄膜を形成させることができる。
【0015】さらに構成4によれば、過熱現象による磁
気記録媒体の劣化を未然に防止しつつ磁気記録・再生が
できる磁気記録・再生装置を得ることが可能になる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述するが、以下の
説明では、まず、第1〜3実施例の構成を説明し、次い
で、各実施例の作用効果を説明する。
【0017】第1実施例の構成 図1は本発明の第1実施例にかかる磁気ヘッドの構成を
示す斜視図、図2は本発明の第1実施例にかかる磁気記
録・再生装置の構成を示す一部破断斜視図である。以
下、これらの図面を参照にしながら、まず、第1実施例
にかかる磁気記録・再生装置を説明し、次に磁気ヘッド
を説明する。なお、この実施例は、磁気ヘッドに熱電対
構成する薄膜を形成した例である。
【0018】図2に示されるように、第1実施例の磁気
記録・再生装置は、磁気記録・再生装置本体部20と制
御回路部30とで構成されている。
【0019】磁気記録・再生装置本体部20は、密閉箱
たる本体ケース11と、該本体ケース11内に固定され
たスピンドルモータ13、このスピンドルモータ13の
回転軸に固定金具13aによって固定された磁気ディス
ク12、この磁気ディスク12上を走行するようにスイ
ングアーム14の先端に取り付けられた磁気ヘッド1
0、並びに、スイングアーム14を軸15の回りに回転
駆動し、磁気ヘッド10を磁気ディスク12の所定の情
報トラックに位置(シーク)させるボイスコイルモータ
16とを有する。なお、ここで、本実施例の磁気ヘッド
10は、後で詳述するように、磁気ディスク12上をC
SS走行するヘッドスライダーに磁気記録又は再生を行
う磁気回路部を設けたものであって、ヘッドスライダー
の滑動面(ABS)に、温度検知機能を有する薄膜を形
成し、この薄膜からの温度信号を外部に取り出せるよう
にしたものである。
【0020】制御回路部30は、スピンドルモータ1
3、ボイスコイルモータ16及び磁気ヘッド10と電気
的に接続されており、これらとの間で情報を交換してス
ピンドルモータ13及びボイスコイルモータ16を制御
する回路、並びに、磁気ヘッド10を介して磁気ディス
ク12に磁気記録し、又は、磁気ディスク12に磁気記
録されている情報を再生するための情報処理を行う回路
を内蔵している。
【0021】さらに、制御回路部30は、磁気ヘッド1
0から送出される温度信号を入力して温度を測定すると
ともに、この温度を必要に応じて図示しない外部表示装
置に表示するとともに、この温度が所定以上になった場
合に、スピンドルモータ13又はボイスコイルモータ1
6を制御して磁気ヘッド10を磁気ディスク12から離
すか、あるいは、スピンドルモータ13の回転を停止も
しくは減速させることによって、過熱現象による磁気デ
ィスク12の損傷を防止する処理制御回路を内臓してい
る。
【0022】磁気ヘッド10は、ヘッドスライダー1
と、このヘッドスライダー1に取り付けられた磁気回路
部2と、熱電対を構成するようにヘッドスライダー1の
表面に積層された1組の薄膜3,4とを備えたものであ
る。
【0023】ヘッドスライダー1は、Al2 3 ーTi
C合金を直方体形状に形成し、この直方体の長方形をな
した1面にその長手方向の中心線に沿って中央溝5を形
成し、この中央溝5の両側に2つの突条部6を形成し、
かつ、この突条部6の一方の端部(前方部)近傍を斜め
に切除して浮上走行できるようしたものである。
【0024】磁気回路部2は、ヘッドスライダー1の突
条部6の他方の端部(後方部)壁面に、突条部6の表面
に磁気回路のギャップがのぞむようにして固定されてい
る。この磁気回路部2はリード線2aによって外部回路
部に接続されるようになっている。
【0025】2つの突条部6の表面は、ヘッドスライダ
ーエアベアリング面(ABS)7であり、この2つのA
BS7が磁気デイスク12の表面を滑動又は浮上走行す
る。2つのABS7には、それぞれ熱電対を構成する+
側膜3及び−側膜4並びに保護膜8が順次積層して形成
されている。+側膜3及び−側膜4にはそれぞれ+側電
極3a及び−側電極4aが接続され、これら各電極はヘ
ッドスライダー1の側壁に設けられており、リード線3
a,4aによって外部回路に接続されるようになってい
る。なお、+側膜3及び+側電極3aは鉄(Fe)の薄
膜で構成され、−側膜4に及び−側電極4aはコンスタ
ンタン(NiCu合金)で構成されている。
【0026】この磁気ヘッド10は、市販の磁気ヘッド
のABSに次のようにして薄膜を形成することにより製
作できる。
【0027】まず、市販の磁気ヘッドのヘッドスライダ
ー1を、HCFC溶媒(旭ガラス製AK−225)中で
約5分間超音波洗浄する。次に、この洗浄工程を経たヘ
ッドスライダー1のABS7上及び側壁にRFマグネト
ロンスパッタリング法により+側膜3を構成する鉄膜及
び−側膜4を構成するコンスタンタン膜を厚さ100n
mに順次成膜する。次に、レーザトリミングその他のド
ライエッチング手法等によりヘッドスライダー側壁部に
成膜されたFe層及びコンスタンタン膜を部分的に除去
し、電極3a,4aを形成する。しかる後に、−側膜膜
4上に、保護膜8として、SiO2 膜を10nm積層し
て本実施例の磁気ヘッドを得る。
【0028】なお、熱電対及び電極を構成する薄膜形成
の際のスパッタリング条件は、雰囲気ガスに純度99.
9%のアルゴンガスを使用し、ガス圧を10mTorrt、投
入電力を200W、背圧を10-7Torrにそれぞれ設定
し、サンプル加熱なしの条件で行う。また、保護膜8の
形成の際のスパッタリング条件は、雰囲気ガス純度9
9.9%のアルゴンガス、および純度99.9%の酸素
ガスを使用し、ガス圧を5mTorr(ガス流量、Ar:O
2 =10:5SCCM)、投入電力を200W、背圧を
10-7Torrに設定し、サンプル加熱なしの条件で成膜す
る。
【0029】また、市販の磁気ヘッドとしては、例え
ば、IBM3370タイプのインライン型を用いること
ができる。この磁気ヘッドは、ヘッドスライダー材質が
Al23 ーTiCであり、ヘッド荷重が6.5gf、
ABS幅が350μm、F.Hが0.085μm(ヘッ
ドスライダー/ディスク間の相対速度が5.86m/s
において)である。
【0030】第2実施例の構成 図3は本発明の第2実施例にかかる磁気ヘッドの構成を
示す斜視図である。なお、この実施例は、磁気ヘッドに
測温抵抗体を構成する薄膜を形成した例であり、薄膜の
構成以外の構成は上述の第1実施例と共通するので、共
通する部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。また、この実施例の磁気ヘッドを用いた磁気記録・
再生装置の構成は上述の第1実施例とほぼ同一であるの
でその説明も省略する。
【0031】図3に示されるように、この実施例の磁気
ヘッド10aは、はヘッドスライダー1のABS上に膜
厚100nmの白金低抗体膜30を形成し、この白金低
抗体膜30によって3線方式ブリッジによる抵抗温度計
測を行うためにヘッドスライダー1の側壁部に白金膜か
らなる3つの電極31,32,33を設け、リード線3
1a,32a,33aによって外部回路に接続できるよ
うにしたものである。また、白金低抗体膜30の上に、
保護層8として、SiO2 膜を10nm積層した。な
お、白金低抗体膜30及びその電極、並びに、保護層8
のスパッタリング条件は、第1実施例における薄膜形成
の条件とほぼ同様の条件で行う。
【0032】第3実施例の構成 図4は本発明の第3実施例にかかる磁気ヘッドの構成を
示す斜視図である。なお、この実施例も、磁気ヘッドに
測温抵抗体を構成する薄膜を形成した例であり、薄膜の
構成以外の構成は上述の第1実施例と共通するので、共
通する部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。また、この実施例の磁気ヘッドを用いた磁気記録・
再生装置の構成も上述の第1実施例とほぼ同一であるの
でその説明も省略する。
【0033】図3に示されるように、この実施例の磁気
ヘッド10bは、第2実施例における白金低抗体30の
代わりに膜厚100nmのSiC膜からなるサーミスタ
膜80を形成し、Au膜からなる2つの電極81,82
を設け、リード線81a,82aによって外部回路に接
続できるようにしたものである。なお、この実施例で
は、サーミスタ膜80が保護膜としての機能も果たすこ
とができるので、保護膜を別個に設けていない。
【0034】実施例の作用効果 図5及び図6は第1〜第3実施例の感度特性(温度に対
する熱起電力又は抵抗値の変化率)を示したものであ
る。図中の縦軸は、室温(25°C)における値(V0
、R0 )により規格化したものである。図から明らか
なように、第1実施例および第3実施例では、温度にほ
ぼ正比例して熱起電力並びに抵抗値が増加し、第2実施
例では、温度に対し指数関数的に抵抗値が変化すること
わかる。
【0035】次に、上記第1〜第3実施例の磁気記録・
再生装置に磁気ディスク12として市販の磁気ディスク
を用いて連続摺動試験を行い、その間の熱起電力、また
は抵抗値の変化率を調べた結果を示す。
【0036】この試験では、まず、最初に図7に示すご
とく、両者間に発生する摩擦力(F)の相対速度依存性
を調べ、摩擦力が最大(Fmax)になるヘッドスライ
ダー/ディスク間(HDI)の相対速度(v1 )を見い
だし、その相対速度において連続摺動試験を行ってい
る。上記第1〜第3実施例における磁気ヘッドと市販の
磁気ディスクの組み合わせにおいて、上記v1 を調べた
結果、0.834m/sで摩擦力が最大になることがわ
かった。
【0037】上記求めたv1 において連続摺動試験を行
った際の、熱起電力、または抵抗値の変化率と摺動時間
の関係を図8に示す。本測定は、クリーン清浄度100
のクリーンルーム内で行っており、その際の室温は23
°C、湿度は40%R.Hであった。
【0038】図8から明らかなように、第2及び第3実
施例では摺動試験開始後、熱起電力および抵抗値が増加
してそれがほぼ一定値を取るまでに20〜25秒程度要
しているが、第3実施例では約10秒間で一定値になっ
ており、第2及び第3実施例に比べ、応答性が高く、か
つ摺動試験初期において、その変化率が最も著しいこと
がわかる。これは、図6に示されるように、SiCによ
る測温抵抗体が、実施例中、最も感度特性に優れてると
同時に、SiC自体が耐摺動性に優れているために保護
膜を設ける必要がなく、より直接的で、かつ正確にHD
Iにおける摩擦温度を測定できることに起因していると
考えられる。
【0039】このように、上述の各実施例の磁気ヘッド
によれば、ヘッドスライダー1の滑動面たるABS7上
に、温度検知機能を有する薄膜を形成したことにより、
ヘッドスライダー1のABS7の温度を測定することが
できる。この場合、これら温度検知機能を有する薄膜は
ABS7上に極めて薄くかつ強固に密着して形成するこ
とが可能であるから、温度測定面とABSとをほぼ完全
に一致させることができ、また、測温中に熱膨張差等に
よりずれてしまうようなおそれもない。さらに、ABS
7の全面の平均的温度を測定できるため、ABS7の全
面についての温度の監視ができる。しかも、ABS7を
薄膜で覆うことによってABS7の耐久性や滑動特性あ
るいは浮上特性を向上させることも可能となる。したが
って、ABS7の温度を長期間にわたって安定して正確
に監視しつつ磁気記録・再生を行うことが可能になる。
さらに、ABS7に薄膜を形成させるだけであるから、
ヘッドスライダー1の浮上特性を大きく変動させてしま
うようなおそれもなく、さらには、製造が比較的容易で
調整箇所もないので低コストで得ることが可能である。
【0040】また、各実施例の磁気記録・再生装置によ
れば、ヘッドスラーダーのABSの温度が所定以上、例
えば、磁気ディスク12が過熱現象により損傷を受ける
おそれのある温度になったことを検知して、ABSが磁
気ディスク上を摺動する動作を中止させることができる
から、過熱現象による磁気記録媒体の劣化を未然に防止
しつつ磁気記録・再生を行うことが可能になる。
【0041】なお、熱電対を構成する組み合わせとして
は、第1実施例でかかげた外にも、例えば、白金ロジウ
ム(+側)と白金(−側)、クロメル(NiCr合金、
+側)とアルメル(NiAl合金、−側)、鉄(+側)
とコンスタンタン(NiCu合金、−側)、銅(+側)
とコンスタンタン(NiCu合金、−側)、タングステ
ン・レニウム(+側)とタングステン・レニウム(−
側)、白金ロジウム(+側)と白金ロジウム(−側)、
タングステン(+側)とタングステン・レニウム(−
側)、クロメル(NiCr合金、+側)と金・鉄(−
側)、クロメル(NiCr合金、+側)とニッケル・シ
リコン(−側)、ニッケル(+側)とニッケル・モリブ
デン(−側)、白金・パラジウム・金(+側)とパラジ
ウム・金(−側)などの組成が異なる2種類の金属ある
いは合金の薄膜の組、あるいは、半導体タイプとして、
非晶質Si(p型(+側)、n型(−側))薄膜を成膜
したもの等を用いることができる。
【0042】また、測温低抗体薄膜を構成する材料とし
ては、金属タイプのものでは、Ptの外にCu、Ni等
を用いることができ、半導体タイプ(サーミスタ)とし
ては、SiCの外に、Mn、Co、Ni、Feなどの遷
移金属の酸化物を焼結したもの等用いることができる。
【0043】さらに、第1及び第2実施例のように、熱
電対薄膜、あるいは、測温抵抗体薄膜の耐摺動性、耐腐
食性をより向上させるために、それらの薄膜上に、保護
膜を設けてもよく、また、第3実施例のように、熱電対
薄膜、あるいは、測温抵抗体薄膜自体が十分な機械的・
化学的強度を有する場合は保護膜を設けなくてもよい。
【0044】保護膜を構成する材料としては、SiO2
の外に、例えば、Al2 3 、ZrO2 ーY2 3 、C
2 3 、MgO、TiO2 、SnO2 、Ta2 5
23 、La2 3 、TiC、TiN、Si3 4
AlN、BN、サイアロン等を用いることができる。
【0045】さらに、上記各実施例の磁気ヘッドでは、
ヘッドスライダー材質がAl2 3ーTiCである市販
の磁気ヘッドを用いてこれに薄膜形成を行ったが、これ
に限らず、どのようなサスペンション形式、スライダー
材質、インラインあるいはトランスバースタイプのヘッ
ドを用いてもよい。
【0046】また、上記各実施例では、ABS全面に温
度検知機能を有する薄膜を形成してHDIにおける接触
面全面の温度を監視できるようにした例をかかげたが、
目的によっては、必ずしもABS全面に薄膜を形成する
必要はなく、例えば、ヘッドスライダー後部の磁気回路
部の近傍にのみ設けてこの周辺の温度のみを監視するよ
うにしてもよいことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、磁気ヘ
ッドを、磁気記録媒体上を滑動及び浮上走行するヘッド
スライダーに磁気記録又は再生を行う磁気回路部を設け
た磁気ヘッドであって、前記ヘッドスライダーの滑動面
に、温度検知機能を有する薄膜を形成したことを特徴と
する構成としたことにより、ヘッドスライダーのABS
の温度を長期間にわたって安定して正確に監視しつつ磁
気記録・再生を行うことを可能にした磁気ヘッド及びこ
の磁気ヘッドを用いた磁気記録・再生装置を得ているも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる磁気ヘッドの構成
を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる磁気記録・再生装
置の構成を示す一部破断斜視図ある。
【図3】第2実施例の磁気ヘッドの構成を示す斜視図で
ある。
【図4】第3実施例の磁気ヘッドの構成を示す斜視図で
ある。
【図5】第1実施例の温度検知機能を有する薄膜の感度
特性(温度に対する熱起電力の変化率)を示す図であ
る。
【図6】第2〜第3実施例の温度検知機能を有する薄膜
の感度特性(温度に対する抵抗値の変化率)を示す図で
ある。
【図7】第1〜第3実施例の磁気ヘッドと市販の磁気デ
ィスクとの組み合わせにおいて、ヘッドスライダー/デ
ィスク間(HDI)に発生する摩擦力(F)の相対速度
(v)依存性を示す図である。
【図8】第1〜第3実施例の磁気ヘッドと市販の磁気デ
ィスクとの組み合わせにおいて、連続摺動試験を行った
際の熱起電力、または、抵抗値の変化率と摺動時間との
関係を示す図である。
【符号の説明】
1…ヘッドスライダー、2…磁気回路部、3…+側膜、
4…−側膜、7…滑動面たるエアベアリング面(AB
S)、8…保護膜。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体上を滑動又は浮上走行する
    ヘッドスライダーに磁気記録又は再生を行う磁気回路部
    を設けた磁気ヘッドであって、前記ヘッドスライダーの
    滑動面に、温度検知機能を有する薄膜を形成したことを
    特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ヘッドにおいて、 前記薄膜は、熱電対を構成する1組の物質でそれぞれ構
    成された2層の薄膜が重ねて形成されたものであること
    を特徴とした磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気ヘッドにおいて、 前記薄膜は、電気抵抗の温度依存性を利用して温度を測
    定する測温抵抗体を構成する薄膜であることを特徴とし
    た磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体を保持して回転駆動する磁
    気記録媒体駆動部と、前記磁気記録媒体上を滑動又は浮
    上走行して磁気記録をし又は記録されている磁気信号を
    再生する磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを保持して該磁
    気ヘッドの前記磁気記録媒体に対する位置を制御する磁
    気ヘッド保持部と、これら磁気記録媒体駆動部、磁気ヘ
    ッド及び磁気ヘッド保持部を制御する制御回路部とを有
    し、磁気記録・再生を行う磁気記録・再生装置におい
    て、 前記磁気ヘッドとして、請求項1ないし3のいずれかに
    記載の磁気ヘッドを用い、 前記制御回路部に、前記磁気ヘッドの温度検知機能を有
    する薄膜から温度信号をうけて温度を測定する測温回路
    を設けたことを特徴とする磁気記録・再生装置。
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