JPH0628803A - クリアランス及び滑りの測定が可能でヘッド衝突の警告をするディスク・ファイル - Google Patents

クリアランス及び滑りの測定が可能でヘッド衝突の警告をするディスク・ファイル

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JPH0628803A
JPH0628803A JP5086287A JP8628793A JPH0628803A JP H0628803 A JPH0628803 A JP H0628803A JP 5086287 A JP5086287 A JP 5086287A JP 8628793 A JP8628793 A JP 8628793A JP H0628803 A JPH0628803 A JP H0628803A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッド/ディスク間のクリアランスをデジタ
ル的に測定し、ヘッドとディスクとの衝突を予知するこ
と。 【構成】 ディスク・ファイルは、ディスク15の回転
に応答して、ディスク面から読み取った浮動量信号の高
調波に対応する高調波信号を生成する手段24と、ヘッ
ド13の位置決め及びディスク15の回転速度の変更を
行い、クリアランス信号を生成する手段31、32と、
ディスク15の面上の複数に位置でヘッド13の浮動量
を表す間隔信号を生成する手段33と、該間隔手段を記
憶する手段45とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つ以上の剛性ディス
クがデータ記憶用に備えられ、それらのディスクの回転
中に変換器(「ヘッド」)によってデータを書き込み或
いは読み取るような形式のディスク・ファイル記憶装置
に関するものである。特に、本発明は変換器機構とディ
スクとの間の間隔の測定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】剛性ディスク上のデータ記憶について
は、ミーその他著「磁気記録」第2巻(マクグローヒル
社,1988年発行)に広く記載されている。この文献
の第2章には、剛性ディスク・ファイルが「剛性ディス
クの積層物」として記載されており、これらを高速回転
させ、その面にデータを書き込み又はそこからデータを
読み取るのに、アームに取り付けられていてアクチュエ
ータ組立体によって前記表面上に懸垂され位置決めされ
るヘッドを用いている。ヘッドは、ディスクの回転によ
って発生される空気の薄いクッションによって、ディス
ク面に対して支持されている。
【0003】ディスク・ファイルのサーボ・プロセッサ
が、ディスクに対するヘッドの半径方向位置を制御し、
ディスク面上で選択された円周方向トラックにおける書
き込み又は読取りを可能にしている。各ヘッドにはデー
タ・チャンネルが設けられている。データは、あるデー
タ・チャンネルでピーク検出手段によって復元され、デ
ータをディスク面に書き込むためにヘッド駆動回路が設
けられている。
【0004】1枚のディスク上に記録可能なデータ量
(データの「密度」)は、ディスク・ファイルがいかに
良好に動作しているかの主要な指標である。データ密度
に関する重大な制約の1つが「間隔損失」であり、これ
は、本質的にヘッドとディスクの磁気記録面との距離に
相当するものである。これと関連して、ヘッドとディス
クとの間の間隔が小さければ小さいほど、データ密度を
高くできる可能性がある。ディスクの回転中に、この距
離が変動すると、これに対応してデータ密度も変動す
る。したがって、ディスク・ファイルの製造には、ヘッ
ドをディスクに接近して安定的に位置決めするヘッド懸
垂機構だけでなく、面ができるだけ平坦で欠陥のないデ
ィスクが要求される。
【0005】したがって、ディスク・ファイル機構のデ
ィスク・ファイル構成要素及び組立体の製造中になされ
る最も重要な制御評価の1つは、ヘッド/ディスク間の
間隙の測定である。米国特許第4、777、544号は
このヘッド/ディスク間の間隙の測定方法及び手段を開
示している。同特許は、調和比浮動量(HRF:har
monic ratio fly height)技術
を開示し、公称「浮動量」とゼロの「浮動量」とにおい
て、先に記録したクリアランス測定信号トラックを読む
ことによって求められるリードバック(readbac
k)スペクトル振幅比を比較することにより、ヘッド/
ディスク間の間隔の測定値を計算している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第4、77
7、544特許の公称及びゼロの浮動量測定を行なうた
めの手段はアナログ形式の構成要素であり、価格、大き
さ及び性能の理由から、ディスク・ファイル機構に一体
化するのは実用的ではない。更に、同特許は、本質的に
平均浮動量の測定を目的としたもので、トラックに沿っ
た複数の個別点における複数の浮動量測定の形で、円周
方向のディスク・トラックの特性を求めるために何も設
けられていない。
【0007】したがって、本発明の目的は、ディスク面
上の各トラック又は複数のトラックにわたってヘッド/
ディスク間クリアランス特性を与えるヘッド/ディスク
間のクリアランスをデジタル的に測定する方法及び装置
を提供することである。
【0008】また、本発明の別の目的は、前記ヘッド/
ディスク間の間隔を測定する方法及び手段を用いて、デ
ィスク面上の不規則性を検出するための方法及び装置を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明はディスク・ファイル内で実施される。こ
のディスク・ファイルは、少なくとも1枚の剛性ディス
クと、該剛性ディスクを回転させる回転手段と、少なく
とも1つの書き込み/読取り用のヘッドと、前記ヘッド
を前記剛性ディスクのそれぞれの面上を移動させるアク
チュエータ手段と、前記アクチュエータ手段及び前記回
転手段を制御して、前記ヘッドをそれぞれの面に対して
半径方向に位置決めすると共に、前記剛性ディスクの回
転速度を設定するサーボ・プロセッサ手段と、前記ヘッ
ドに接続され、ディスク面から信号を読取り又はそこに
データを書き込むデータ・チャンネル手段とを具備して
いる。本発明は、こうしたディスク・ファイルにおい
て、ヘッドとディスク面との間の距離を測定するための
装置であって、前記ディスク・ファイルに設けられ、前
記ヘッドによって前記剛性ディスクの面から読み取られ
た測定信号の所定の高調波を生成することによって、前
記剛性ディスクの速度を示すクリアランス制御信号に応
答するデジタル信号プロセッサと、前記ディスク・ファ
イルに設けられたクリアランス試験制御機構であって、
前記測定信号が配された面の所定領域に対して前記ヘッ
ドを位置決めし、前記剛性ディスクを所定速度で回転さ
せ、クリアランス信号を発生するクリアランス試験制御
機構と、前記ディスク・ファイルに設けられ、前記デジ
タル信号プロセッサに接続され、前記所定の高調波に応
答して、前記剛性ディスクの面の周線上の複数の所定位
置の各々においてディスク面に対するヘッドの浮動量を
表すクリアランス信号を生成するクリアランス試験分析
機構と、前記ディスク・ファイルに設けられ、前記クリ
アランス試験機構に接続されていて、前記剛性ディスク
の面の複数の周線に対する間隔信号を記憶する記憶手段
と、を具備する装置に関するものである。
【0010】本発明は、ディスク・ファイル機構におい
て、該ディスク・ファイルが製造され組み立てられた時
以降のヘッド/ディスク間のクリアランス履歴を保持
し、選択的に参照する手段を提供する。本発明は、ディ
スク・ファイルにおける予測破損分析機構を支援するも
のであり、こうした特性履歴を保持し更新すると共に、
その履歴を用いてヘッド/ディスク「衝突」に起因する
切迫した破損を予知し警報する。
【0011】更に、本発明は、「滑り試験」として知ら
れている技法を通じて、ディスク面上の凹凸のような機
械的欠陥を検出する能力を提供する。この試験過程は距
離測定装置の構成要素を用いて行なわれ、ディスク上の
測定信号から読み取ったピーク値と平均値との比較が行
われる。ピーク値と平均値との差が所定のしきい値より
大きい場合、それらの値を、ディスクの凹凸に対応する
「接触痕跡」の存在について更に分析する。
【0012】
【実施例】ここに記載する本発明は、剛性電磁ディスク
を含むディスク・ファイルに適用されている。しかしな
がら、本発明はそれに限定されるのではなく、他の機械
的に移動する磁気記憶装置にも同様に適用し得る。
【0013】先に参照した米国特許第4、777、54
4号が指摘しているように、「ヘッド/ディスク間のク
リアランス」と「浮動量」とは当技術分野では相互交換
可能に用いられており、これらの用語は同意語と考えら
れるので、この出願の説明の中でも互いに自由に代用さ
れている。
【0014】図1は、ディスク・ファイル組立体を示す
もので、アーム及びサスペンション12並びに複数のヘ
ッド13が取り付けられたボイスコイル・モータ(VC
M)組立体10を備えている。スピンドル構造体はハブ
14、剛性ディスク15及びスピンドル・モータ16を
備えている。ヘッド13は、ディスク面上に付着された
磁気材料上においてデータの読み取り及び/又は書き込
みを行なう際、ディスク15の上面及び下面上を「浮
動」する。この点について述べると、ヘッドは、ディス
クの高速回転に応答してディスクとヘッドとの間に誘起
される空気の支えによって支持され、ディスク面上を
「浮動」する。
【0015】ヘッドの電磁変換器はデータ・チャンネル
に接続され、その内の1つが参照番号20で示されてい
る。データ・チャンネル20の読み取り及び書き込み電
子回路部は可撓性ケーブルのような通常の手段(図示せ
ず)によって個々のヘッドに接続されている。ディスク
が個々のヘッドに隣接して回転すると、ヘッドの電磁変
換器における電磁検出によって、当該ディスク面上のト
ラックから信号が読み出され、前置増幅器22により増
幅される。前置増幅器22の出力はデータ・チャンネル
読み取り電子回路24に供給され、この増幅された信号
をフィルタ処理し等化する。データ・チャンネル読み取
り電子回路24は、増幅され処理された信号内のデータ
を検出するために、典型的にはピーク検出手順を採用す
る。データ・チャンネル読み取り電子回路24は、デー
タ・クロックを抽出するためのクロック回路を備えてい
てもよい。
【0016】データ・チャンネル20には、ディスク・
トラック上に配置されるデータ信号を事前に準備する書
き込み電子回路25が設けられている。この書き込み電
子回路は、記録されるべき信号をディスク・トラック上
に書き込むための電磁変換器に接続された書き込み駆動
部26に与える。
【0017】図1のディスク・ファイルは、サーボ・プ
ロセッサ30とファイル・マイクロプロセッサ40とを
備えた処理部を備えている。従来より、サーボ・プロセ
ッサ30は、別個のマイクロプロセッサ上に又はファイ
ル・マイクロプロセッサ40上に呼び込み可能なアプリ
ケーション・ランを備えることができる。サーボ・プロ
セッサ30は、スピンドル制御プログラム部31とVC
Mアクチュエータ制御プログラム部32とを備えてい
る。サーボ・プロセッサ30は、VCM10とアーム及
びサスペンション12とを備えたアクチュエータ組立体
を制御し、ディスク15の面上の固定した半径方向位置
にヘッド13を位置決めする。VCMアクチュエータ制
御プログラム部32の位置決め機能は本質的に従来のと
おりであり、ディスク面上に又は面上の専用区間に連続
的に書き込まれたサーボ信号を用いる。これらの信号を
ヘッド13で読み取り、読み取りチャンネル電子回路2
4及び復調器27を介してサーボ・プロセッサ30に帰
還させる。VCMアクチュエータ制御プログラム部32
は、アクチュエータを所望の位置に移動させると共に、
位置決め誤差の減少によって該所望の位置にアクチュエ
ータを維持するように機能する。VCMアクチュエータ
制御プログラム部は、トラックの追尾、トラックの検
索、ヘッドの位置合わせ及びヘッド待機(parkin
g)の機能を実現するが、これらの機能は既によく知ら
れている。
【0018】ファイル・マイクロプロセッサ40は、デ
ィスクに書き込まれるデータ及びそこから読み出される
データの符号化及び復号化を含むインターフェース機能
を行なうデータ・インターフェース部41と、ホスト・
コンピュータに制御及びデータ情報を供給し、そこから
コマンド及びデータを受け取るホスト・インターフェー
ス部42と、マイクロプロセッサの動作モードを設定変
更するモード制御部43とを備えている。
【0019】本発明では、サーボ・プロセッサ30の一
構成要素としてクリアランス及び滑りプログラム部33
を備えている。これは、好適実施例及び最良の態様を例
示するものである。しかしながら、クリアランス及び滑
りプログラム部は、設計を考慮することにより収容する
ことができ、ディスク・ファイルの任意のマイクロプロ
セッサ資源である。加えて、予測破損分析(PFA)プ
ログラム部34、PFA44及びPFA記憶部45が本
発明では設けられている。これらのプログラミング構成
要素については、後に更に詳しく説明する。
【0020】図1に示すディスク・ファイルの構成要素
間の主な相互接続は、ファイル・マイクロプロセッサ4
0のデータ・インターフェース部41とデータ・チャン
ネル20の読み取り電子回路24及び書き込み電子回路
25との間のデータ信号経路50により行われる。コマ
ンド/データ信号経路52は、図1のディスク・ファイ
ルをホスト・インターフェース42を介してホスト・コ
ンピュータ(図示せず)に接続する。復調されたサーボ
信号は、復調器27から信号経路53及び54を経て、
スピンドル制御プログラム部31及びVCMアクチュエ
ータ制御プログラム部32にそれぞれ供給される。信号
経路55aはサーボ制御信号をVCM10に伝える。信
号経路55bはスピンドル制御プログラム部31からの
モータ速度制御信号をスピンドル・モータ16へ伝え
る。
【0021】本発明では、信号経路56、57及び58
が用いられている。信号経路56は、データ・チャンネ
ル読み取り電子回路24をクリアランス及び滑りプログ
ラム部33と接続し、本発明による試験のためにデータ
・チャンネル読み取り電子回路24を構成する制御信号
を伝え、更にクリアランス及び滑り信号を分析のために
クリアランス及び滑りプログラム部33に伝える。クリ
アランス及び滑りプログラム部33は、モード制御部4
3からの信号経路57上の適切な制御信号列によってイ
ネーブルされる。クリアランス及び滑りプログラム部3
3のデータは、従来のプログラミング手段によってサー
ボ・プロセッサ30内の予測破損分析(PFA)プログ
ラム部34に直接伝えられ、更にそこから信号経路58
を経て、ファイル・マイクロプロセッサ40内のPFA
部44及びPFA記憶部45に伝えられる。
【0022】ホスト・コンピュータからのクリアランス
及び滑り試験コマンドを受け取ったとき、又はPFAプ
ログラム部によって要求された際、サーボ・プロセッサ
30のクリアランス及び滑りプログラム部33は、デー
タ・チャンネル読み取り電子回路24、VCMアクチュ
エータ制御プログラム部32及びスピンドル制御プログ
ラム部31の制御権を得、クリアランス及び滑り試験測
定を行なう。このクリアランス及び滑り試験測定の結果
を予備的破損分析のためにPFAプログラム部34に伝
える。予備的破損分析の結果はファイル・マイクロプロ
セッサ40のPFA部44に供給される。本発明によれ
ば、ファイル・プロセッサ40は、更に傾向分析を行な
うために、又はモード制御部43を用いて更なる測定を
要求するために、PFA記憶部45に結果を記憶させ
る。切迫したヘッド衝突その他のヘッド/ディスク間の
インターフェース上の問題状態が検出された場合、ホス
ト・インターフェース部42を用いてホスト・コンピュ
ータに通知される。加えて、PFAデータを、データ・
インターフェース部41を用いて1つ以上のディスク面
上のエラー・ログにセーブしてもよい。また、既にセー
ブしたクリアランス及び滑り試験データが1つ以上のデ
ィスク15に記憶されていれば、データ・インターフェ
ース部41を用いてこのようなデータを検索し、PFA
によって分析することもできる。
【0023】ヘッド/ディスク間のクリアランスの測定 本発明は、そのままの(in−situ)ディスク・フ
ァイル構成要素を用いてディスク・ファイルのファイル
/ディスク間のクリアランスを決定することができない
という問題を克服するものである。本発明は、米国特許
第4、777、544号において詳細に述べられている
HRF技術の理論的基礎を採用し、ヘッド/ディスク間
のクリアランスを計算するためにデジタル電子回路とデ
ィスク・ファイルの処理能力とを利用し、更に予測破損
分析のために、このような測定の履歴ファイルを保持す
る。
【0024】HRF技術は、ディスク・トラック上に書
き込まれた測定信号とディスク速度の多段「スピン・ダ
ウン(spin down)」とを用いて速度対クリア
ランス曲線を得ることができる1組の点を得るものであ
る。ディスク面のトラックに配された測定信号は、該測
定信号の高調波である少なくとも2つの異なる周波数を
含むリードバック信号を発生する一定のスペクトルを有
する。第1高調波及び第3高調波がリードバック信号に
含まれることが好ましい。クリアランス測定手順は、動
作速度でのディスクの回転及びその速度におけるそれら
高調波周波数の瞬時振幅の判定を必要とする。これらの
振幅の比の対数がヘッド/ディスク間のクリアランスを
示す。次に、リードバック信号の瞬時振幅を監視しなが
らディスクの回転速度を減少させる。公知のように、デ
ィスクの回転速度を動作速度から減少させると、ヘッド
に対するエアクッションの圧力を減少させることにな
り、これによってヘッド/ディスク間のクリアランスも
小さくなる。ディスクの速度を減少させながら、振幅の
変化が止まる速度に達するまで、複数の高調波の瞬時振
幅を決定する。振幅の変化が止まった時、ヘッドがディ
スクと接触したと仮定する。動作速度と接触速度との間
の各測定速度において、2つの高調波の瞬時振幅の比を
計算し、数値的方法を用いて、ゼロ・クリアランス速度
を基準として各測定速度における浮動量が求められる。
【0025】図2は、HRF技術によるヘッド/ディス
ク間のクリアランス測定手順を説明するためのグラフで
ある。図2において、測定手順は前記の順序を逆にした
もので、これは本質的に「スピン・アップ(spin
up)」手順である。複数の線分70は時間の関数とし
てスピンドル速度を与える。HRFクリアランス測定に
よって決定されるヘッド/ディスク間のクリアランス量
は曲線80で与えられ、ヘッド/ディスク間のクリアラ
ンスをスピンドル速度の関数として示している。クリア
ランス測定は73にて開始され、これはスピンドル・モ
ータの起動と一致する。垂直な線分70(例えば点73
と74との間の線分)毎に、スピンドル速度は一定に保
たれ、ヘッド/ディスク間のクリアランスを決定するの
に必要なデジタル測定が行なわれる。特定のヘッドに対
して、起動用のデジタル測定はクリアランス対速度の曲
線80上の点85に対応する。起動時(点74で生じ
る)において全てのヘッドを測定した後、スピンドル速
度を点76に上昇させる。その速度において、全てのヘ
ッドに対する測定を繰り返す。以下同様である。この過
程を更に高い速度に対して継続し、点77で示されてい
る公称動作速度において測定を完了する。曲線80によ
って与えられる特定のヘッドに対しては、この点は88
において生じる。
【0026】各速度における各ヘッドに対する測定デー
タは、動的に処理することも、アレイに記憶しておいて
後に処理することも、可能である。いずれの場合でも、
点89における最少クリアランス測定をそれぞれの速度
におけるクリアランス測定から減算することによって、
任意の速度でのクリアランスを見出すことができる。例
えば、動作速度における公称クリアランス(点88)
は、点89におけるクリアランス・バルブ(valv
e)を点88におけるそれから減算することによって求
められる。この決定を各ヘッドに対して行なう。この測
定を行なう最も直接的な方法は、連続的な曲線80に対
して数学的関数形式を仮定し、個々の速度において行な
った測定を基に、選択した関数に最も適合するものを確
立することである。これから、点89における最小クリ
アランスを見出すことができる。このステップの後で
は、各ヘッドに対するクリアランスは、記録済みのクリ
アランス信号の波長によってスケーリングされた公称速
度(点88)と最小速度(点89)とにおいて行なった
デジタル測定の差となる。このクリアランスの大きさは
図2に距離90として示されている。
【0027】図3のA及び図4は、リードバック信号の
空間信号処理を用いて、クリアランス測定信号が書き込
まれている円周方向トラックに沿う一連の位置でクリア
ランス測定を行なう本発明の方法を示したものである。
勿論、相対的な寸法及び記録された信号のフォーマット
は実際より誇張され変更されている。しかしながら、こ
の誇張は明瞭化のためであり、限定を意図するものでは
ない。図4では、高周波のクリアランス測定信号92は
ディスク96の円周方向トラック94に記録されてい
る。ヘッドはトラック94上に位置決めされているとす
る。図3のAは、一定周期のものとしてクリアランス測
定信号を表しており、トラック94の微小区間における
信号の一部を示している。この信号は、本発明によれ
ば、ディスクが動作速度で回転している間に所与の速度
fs(サンプル/秒)でサンプリングされる。図3のA
は、記録されたクリアランス測定信号の1周期当り8個
のサンプルを与えるサンプリング速度を示している。各
サンプルは特定の時刻に取られ、波形92上の点100
a−100hによって表されている。
【0028】次に、ディスクの回転速度を図3のAで表
した速度の半分に低下させ、更にサンプリング速度fs
を図3のAに示した速度の半分に減少させると仮定す
る。この時のクリアランス測定信号を8個のサンプル1
01a−101hで図3のBに示す。図3のA及びBの
信号のサンプルはリードバック信号における正確に同一
の点で生じており、トラック94における同一地点に対
応する。
【0029】図3のA〜B及び図4が意味することは明
瞭である。特定のトラック上のクリアランス測定信号に
応答して、ヘッドによって発生されたリードバック信号
のサンプリング速度が測定信号の周期の逆数に関係する
なら、サンプリング手順において、トラックに沿う一連
の物理的位置に対応する一連のサンプルが発生されると
いうことである。また、別の意味としては、スピン・ダ
ウン中にディスクの回転速度によってサンプリング速度
を直接変更すると、複数組のサンプルを一連の物理的位
置の各々に対して発生することができ、前記のHRFア
ルゴリズムのデジタル形式を用いて、各位置における浮
動量を計算することができるということである。したが
って、トラック94に沿う一連の位置の各々における一
連の個別の浮動量を結ぶ放絡線を含む特性を、前記の空
間サンプリングとHRF測定技術を組み合せて用いるこ
とによって発生することができる。図4では、このよう
な放絡線の一部を、ベクトル104の各々の先端を結ぶ
ことによって示しており、各ベクトルは、当該ベクトル
が配置されているディスク・トラック位置において計算
された瞬時浮動量に比例する1つのリンク(link)
である。
【0030】周知のデジタル技術を用いてサンプルを得
て処理し、前記のように浮動量を計算することができ
る。複数のそのような特性を、ディスク面上の複数のト
ラックの各々に対して生成することができる。これらの
特性を、図5に示したような表形式で、いつ特性を得た
かを示す特性連続番号と共に記憶することができる。し
たがって、例えば、ディスク・ファイル組立体におい
て、トラック1−nは連続番号1が与えられた各々の特
性を有し、次に、ディスク・ファイルが動作に供された
後のある時刻において、トラック1−nに対して別の組
の特性を得て、特性連続番号2を与え、以下同じ様に繰
り返す。
【0031】図6は、クリアランス測定信号に応答して
発生されたリードバック信号を処理するのに必要なデジ
タル構成要素を示すブロック図である。図6では、読み
取りヘッド120がディスク121の面上のトラックか
らクリアランス測定信号を読み取る。ディスクは個別の
スピンドル速度wi(i=1、2、4、...)で回転
する。サンプリング・スイッチ回路105が、ディスク
のスピンドル速度wiに比例した速度(1/Ti)でアー
ム電子回路(AE)増幅器106の出力x(t)をサン
プリングしデジタル化する。ここで、Tiはサンプリン
グ周期である。デジタル・バンドパス・フィルタ107
及び108はサンプリングされた第1高調波及び第3高
調波をそれぞれフィルタ処理して選別する。前記の空間
サンプリングによって、バンドパス・フィルタ107及
び108の係数はスピンドル速度wiとは独立である。
バンドパス・フィルタ107及び108の出力は、それ
ぞれ振幅検出器109及び110に供給される。これら
の振幅検出器はバンドパス・フィルタ107及び108
の出力の平均を取り、第1高調波及び第3高調波の瞬時
振幅を生成する。これらをy1(m)及びy3(m)でそ
れぞれ示す。これらの瞬時振幅の対数比が対数比回路1
12から出力される。対数比回路112によって出力さ
れた信号HRF(m)は、スピンドル速度wiにおける
ヘッド/ディスク間のクリアランス(浮動量)に比例す
る。
【0032】リードバック信号x(t)の小物理空間に
わたって存在する小数の連続するサンプルはHRF
(m)に対する対応値を生成し、この値は、クリアラン
ス測定信号が記録されているトラック上の位置と直接関
連付けることができる。換言すると、対数比回路112
の出力に現れる一連の個別値は、測定信号トラック上の
対応する一連の位置における一連の相対的なヘッド/デ
ィスク間のクリアランスを表し、所定のトラック位置か
ら始めてサンプル数を計数することによって、対数比出
力をこれらの位置に割り当てる(map)ことができ
る。
【0033】図6に示す回路を少し変更すれば、同一の
空間的に割り当てられた一連の信号を、時間を基準にし
た動作によって与えることができる。この点について述
べると、この時間基準動作は、スイッチ回路105のサ
ンプリング速度が1/Tに固定され且つTが一定である
ことを除いて、前記の空間的動作と同様である。この場
合、バンドパス・フィルタ107及び108は、個別の
スピンドル速度wiに関連してスケーリングされたアル
ゴリズム係数を有する。これらの係数の組K1(i)及
びK2(i)は
【数1】 Kj(i)=[Kj(i,0),Kj(i,1),Kj(i,2),...] j=1、2 で表される。これらの係数をリード・オンリ・メモリ内
のルックアップ・テーブルに記憶する。このリード・オ
ンリ・メモリに対して、クリアランス測定の間にディス
ク回転速度の増加に同期してアクセスすることができ
る。これらの条件の下では、対数比回路112の出力は
前記のように空間的に得られたものと同じになる。
【0034】図6に示された、空間的又は時間的に制御
される形式の構成は、クリアランス及び滑りプログラム
部33における呼び込み可能なプロセスとしてデジタル
読み取りチャンネル電子回路24における周知の手段に
より、又はこれらの構成における周知の手段を用いるこ
とにより実施することができる。
【0035】図7は、クリアランス試験手順の制御の実
施例を示すものであり、クリアランス及び滑りプログラ
ム部33の一部として、公知のデジタルプログラミング
技術を用いて実施することができる。クリアランス測定
手順は、ヘッド/ディスク対を選択し、選択したディス
ク・トラックにヘッドを位置決めし、「スピン・アッ
プ」モード又は「スピン・ダウン」モードにおける初期
ディスク速度を選択することによって開始される。ヘッ
ド、トラック及びディスク速度を決定すると、クリアラ
ンス測定制御部はディスク速度に対応したクリアランス
信号を発生する。このクリアランス信号は、ディスク速
度に対するサンプリング回路のサンプリング速度又はバ
ンドパス・フィルタの係数を設定するために与えられ
る。次に、指定されたトラック上で初期位置を選択し、
HRF計算のための高調波を測定する。HRF手順を用
いてヘッド/ディスク間のクリアランスを計算し、その
結果を記憶する。その代りに、高調波成分を記憶し、H
RFによるクリアランスの計算を全ての測定の完了の後
に行なうこともできる。f1及びf3を初期位置で測定し
た後、選択したトラック上の最後の位置での測定を行な
うまで、次々と次のトラック位置に対応する次のサンプ
ルをアクセスし、高調波周波数の計算を行なう。次に、
一連のトラック位置におけるクリアランス信号の発生と
高調波の測定を含むループを、次のディスク速度のため
に再びトラバースし、以下同様に繰り返す。最高(又は
最低)ディスク速度に対する全てのサンプル位置の測定
が完了すると、選択されたヘッドを別のトラックに位置
決めして、そのトラック上の特定の位置において別の組
のHRF測定を行なう。測定は、設計又は動作の考慮上
から要求される数のトラックに対して行なうことがで
き、次に別のヘッド/ディスク対を選択して上記連続動
作を繰り返す。
【0036】滑り測定 滑り試験は、製造過程におけるディスク・ファイル組立
段階に先だって現在行なわれているディスク面の評価で
ある。現在行なわれているように、滑り試験はディスク
の寿命の間に二度と行なわれない一度だけの(once
off)手順である。滑り試験では、測定信号をディ
スクの試験トラック上に記録し、ディスクをその動作速
度で回転させ、そしてこのトラックから、先に測定した
高さに配置されたヘッドからリードバック信号を発生さ
せる。リードバック信号の振幅は、ヘッド/ディスク間
のクリアランスに直接依存する。滑り試験では、リード
バック信号の変化によって表されるヘッド/ディスク間
のクリアランスの変化が求められる。この変化は、おそ
らくは、凹凸のようなディスク面上の不規則性に起因す
る。公知のように、凹凸はヘッドとディスクとの接触に
よる破滅的な故障の原因ともなり得る。
【0037】再び図6において、ディスク・トラック上
に配されたクリアランス測定信号はトラックが形成され
ているディスク面領域の特性を与える連続的な大きさを
持つリードバック信号を提供するという別の目的も果た
すことができる。図6では、滑り試験に用いられる信号
は、振幅検出器109の出力(第1高調波の信号y
1(m))又は振幅検出器110の出力(第3高調波信
号y3(m))のいずれかから得ることができる。選択
された信号は連続変調検出(CMD)信号と呼ばれる。
図6では、第1連続変調検出信号CMD1(m)は第1
高調波信号の瞬時振幅であり、第3連続変調検出信号C
MD3(m)は第3高調波信号の瞬時振幅である。
【0038】本発明によれば、ディスク(例えばディス
ク121)の面を滑り試験手順によって機械的欠陥につ
いて評価する。本発明では、ディスクの機械的欠陥はデ
ィスク面に対するヘッドの変位の量及び形を測定するこ
とにより識別される。変位の測定は、前記の第1連続変
調検出信号又は第3連続変調検出信号の形式のプロセス
・リードバック信号を用いて行なわれる。
【0039】本発明では、ディスク・ファイルの組立時
の初期に滑り試験を行なう。加えて、本発明を用いる
と、組立時以降、ディスク・ファイルの使用期間中は何
時でも、この試験を行なうことができる。滑り試験手順
は以下のとおりである。
【0040】1.滑り試験が行われるべきディスクの部
分を横切って所与のヘッドを半径方向に段階的に移動さ
せる。ディスク上のトラック間の物理的な半径方向距離
は、最低の浮動量及び最も広い幅を有するヘッドのレー
ル(又はパッド)の幅より狭くなければならない。な
お、最低の浮動量のヘッドは、ディスク面に最も接近し
ているヘッドである。この制約を設けることによって、
任意のディスク欠陥がヘッドの最低の浮動レール又はパ
ッドと接触する可能性が保証される。この制約がない場
合、ディスクの欠陥を見逃す恐れがある。
【0041】2.各トラック位置において、トラックの
全体又は一部を測定して欠陥を調べる。この検出段階
は、選択したCMD信号のデジタル化と、デジタル化し
たサンプルからヘッドのディスク欠陥との接触が発生し
たかどうかの決定とによって達成される。これは、「瞬
時」ピーク又は2乗平均(RMS)振幅を「平均」又は
RMS振幅と比較することにより達成される。これらの
値の差が所定のしきい値より大きい場合、同じデジタル
化されたサンプルを分析して「接触の痕跡」があるかど
うかを決定する。図8は、検出段階で見出されるディス
ク欠陥の例を示す。図8において、各サンプル番号はリ
ードバック信号の瞬時振幅又はRMS振幅を表してお
り、リードバック信号の振幅はサンプル番号から決定す
ることができるトラック位置でのディスク・トラック上
の測定信号に応答して発生される。図8では、サンプル
の平均がを参照番号120で示されている。振幅範囲T
は、欠陥「特徴化」モードを継続するために必要な平均
サンプルと最小サンプル値との間のしきい値の差であ
る。測定信号を有するトラック毎に又はトラックの一部
毎に、検出プロセスを用いて、欠陥の特徴化が更に必要
かどうかが決定される。必要でなければ、トラック全体
又はトラックの一部をチェックした後に欠陥を検出し、
測定信号を有する次のトラックにヘッドをアクセス(移
動)させる。次いで検出手順を再開する。
【0042】3.検出モード中に欠陥が検出された場
合、この欠陥を「滑り欠陥」として又は非接触欠陥とし
て特徴化する。重要なことは、滑り欠陥は、実質的にヘ
ッドと接触するディスク欠陥であることである。図8は
発生し得る滑り欠陥を示しているが、サンプル121〜
123の振幅のグラフは、ヘッド/ディスク間のクリア
ランスの急速な減少を示している。更に、ディスク・ト
ラックに沿う点122及び123におけるサンプル値
は、トラックの特徴化を継続するのに必要な平均サンプ
ル値と最少サンプル値との間のしきい値の差Tによって
規定された範囲を下回っている。図8に示す状況では、
サンプル位置122及び123における振幅値を、ヘッ
ドがディスク欠陥と接触すると思われる場合の値と比較
することによって、ヘッドとディスクとの接触が発生す
るか否かを決定することができる。
【0043】4.検出中に識別された全トラック位置を
チェックした後、滑り欠陥がなければ、ヘッドを次のト
ラックに移動させ、検出プロセスを再開する(即ちステ
ップ2に戻る)。
【0044】5.滑り欠陥がトラック上で見つかった場
合、滑り試験を行なっている時期にしたがって処理を実
行する。例えば、滑り試験を行なっているのが製造中で
あるのなら、欠陥のあるディスクを交換する。また、デ
ィスク・ファイルを製造し、既に使用されている時に欠
陥が検出された場合、欠陥の特徴化の結果を予測破損分
析(PFA)手順に送る。
【0045】予測破損分析 PFA手順は数種類の分析を分担する。これらの分析は
以下の質問に対して回答を与える。
【0046】a.滑り欠陥が新しいものか、 b.検出された滑り欠陥に対して、別の接近した滑り欠
陥が隣接するトラックにあるか、 c.滑り欠陥が既に検出されている場合、最後に記録さ
れた測定以後、その見かけ上の高さが増加しているか、 d.欠陥が新しい場合、その高さは臨界しきい値以上で
あるか。
【0047】質問b、c又はdに対して肯定の答が得ら
れた場合、PFA手順はホスト・インターフェース42
を呼び出し、ヘッド/ディスク破損が切迫したものであ
るというメッセージをホスト・コンピュータに与える。
【0048】図1の要素34、44及び45を含む予測
破損分析(PFA)の目的は、本発明を用いて行なわれ
る測定を基に、ヘッド衝突によるディスク・ファイルの
破損が切迫したものか否かを決定することである。PF
Aで得られる情報は、ヘッド/ディスク及び滑り試験測
定手順の間に記憶されたものである。先に論じたよう
に、これらの測定は、試験手順及びサンプル番号によっ
て正確なディスク位置に割り当てられ、PFA手順で用
いるために記憶される。PFA手順は、判定を下すのに
傾向情報及び瞬時情報を用いる。
【0049】ヘッド/ディスク間のクリアランスに対し
て、PFA手順は定期的測定の結果を比較し、クリアラ
ンスが広がる又は狭まる方向の重大な傾向があるかどう
かを決定する。統計的な手法の多くは、PFAプログラ
ム部34及びPFA部44における呼び込み可能な手順
の形式でこの分析を効率的に行なうために利用すること
ができる。重大な傾向が発見された場合、ホスト・コン
ピュータに通知される。
【0050】また、ヘッド/ディスク間クリアランス予
測破損分析では、1つのヘッドが、同一ディスク・ファ
イルの他のヘッドと比較して大幅なクリアランスの変化
を示し、この変化が「重大」な場合(ここで、「重大」
か否かは設計上の選択の問題である)、PFA部はホス
ト・コンピュータに通知する。
【0051】いずれの分析に対しても、上述のように、
ディスク・ファイルの任意の数のディスク上の任意の番
号のトラック上の任意の数の位置において、ヘッド/デ
ィスク間クリアランスが測定される。これらの結果は、
PFA記憶部45とディスク・ログとの両方又は一方に
セーブすることができる。
【0052】図9は、本発明による予測破損分析の流れ
図である。滑り及びクリアランス・データの直接分析及
び傾向分析が行なわれる。両方の種類の分析を用いるこ
とによって、予測破損分析手順は、ディスク・ファイル
における急速に及び緩慢に変化する状態に反応するとが
できる。
【0053】以上のように、本発明は、ヘッド/ディス
ク間のクリアランス及びディスク面特性の測定を、ディ
スクの製造時のみでなく、製造したディスク・ファイル
の動作期間の任意の時点で行ない保持することを可能と
する。これらのパラメータを固有のディスク・ファイル
電子回路を用いて時間的に監視できる能力により、ディ
スク・ファイルの寿命の間にディスク・ファイルの性能
を安価に監視できるという問題が解決され、製造及び組
立の間でのみ現在は用いられている外部の試験用ハード
ウエアが不要となる。ディスク性能試験は、ディスク・
ファイルの寿命の間であれば任意の時点で行なうことが
でき、その結果をセーブして傾向分析を支援することも
できる。既存のディスク・ファイル構成要素を一時的に
用いて測定を行なうことができる。例えば、ディスク・
ファイルがスピン・アップ及び又はスピン・ダウンして
いるとき、サーボ・プロセッサを用いて、その通常のア
イドル期間にクリアランス測定を行なうことができる。
共有のデジタル・フィルタを用いることによって、周波
数領域の分析全てを、ディスク・ファイルに既に記憶さ
れているデータに重大な衝撃を与えることなく行なうこ
とができる。本発明の実施例は用いられる記録チャンネ
ルとは独立したものである。空間フィルタリングを利用
してリードバック信号を空間的にサンプリングすること
により、非常に高いサンプリング速度及びディスク・フ
ァイルの大きなRAM記憶容量に対する要求を除くこと
ができる。空間フィルタリングは、滑り試験のためのバ
ンドパスフィルタの設計に高い柔軟性を持たせることが
できる。
【0054】HRF方法の最適化は公知であり、本発明
に用いることができる。例えば、測定信号の信号対雑音
比の値の改善は、測定精度を最適化する第1高調波及び
第3高調波のみから成る書き込み信号を用いることによ
って実現することができる。同様に、既存のHRF分析
手段の帯域は約20kHzである。これは、空気支承周
波数(air bearing frequency)
が100kHzのオーダーになる将来の滑り試験に対し
ては不十分である。本願で開示した滑り試験方法には、
そのような帯域制限がない。
【0055】アナログ・フィルタリング技術ではなく、
デジタル・フィルタを用いることによって、デジタル操
作は移転可能であり同じであるため、本発明で行なわれ
る測定からは、大幅な一貫性の増加を期待することがで
きる。これが意味することは、クリアランス及び滑り試
験を行なう任意のディスク・ファイルも、別の任意のデ
ィスク・ファイルと同じ測定プロセスを用いるというこ
とである。また、デジタル・フィルタを用いることによ
って、リードバック信号の空間サンプリングがディスク
の回転速度に基づく本発明の実施例の使用により、高調
波の振幅を決定するために個別のフーリエ変換を行なう
必要がなくなる。
【0056】SCSIインターフェースによって試験を
行なうのではなく、本発明によるオンボード信号処理能
力を用いることは、試験手段の動作をより高速にするこ
とができることを意味する。したがって、製造時にスル
ープット率の向上を実現することになる。破損分析を組
み込むことによって、任意のディスク・ファイルの寿命
の自己評価期間にユーザへの衝撃を最少にすることがで
きる。
【0057】公知の実用されているHRF分析器とは異
なり、本発明では、フェーズロック技術はリードバック
信号の高調波の同期検出のためには不要である。これ
は、HRF分析器がフェーズロックすることができない
ときに製造上重要になる。
【0058】最後に、本発明は、ウォレス空間損失関係
を有する任意の記録技術に適用可能である。これには、
誘導性及び磁気抵抗性ヘッド技術を組み込んだディスク
・ファイルが含まれる。
【0059】
【発明の効果】以上、この発明を実施例に基づいて詳細
に説明したところから明らかなとおり、この発明は、デ
ィスク面上の各トラック又は複数のトラックにわたって
ヘッド/ディスク間のクリアランス特性を与えるヘッド
/ディスク間のクリアランスをデジタル的に測定し、デ
ィスク・ファイルに対してクリアランス及び滑り試験の
結果を記憶するようにしたので、ディスク・ファイルに
設けられている電子回路を用いて、ファイルの寿命の間
の任意の時点でヘッドのクリアランス及びディスクの凹
凸を監視することができ、ヘッドとディスク間の衝突に
起因する切迫した破損を予知し警告するという格別の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を組み込んだディスク・ファイルのブロ
ック図。
【図2】一連の個別のディスク速度の関数としてヘッド
/ディスク間のクリアランスを示すグラフ。
【図3】A及びBは、ディスクが全速度(A)及び半分
の速度(B)で回転している時に所与の速度でサンプリ
ングされたクリアランス信号を含むディスク・トラック
の一部の信号振幅を示すグラフ。
【図4】クリアランス信号を含むトラックの一区間にお
けるヘッド/ディスク間クリアランス特性を波形と共に
示す概略図。
【図5】ヘッド/ディスク間クリアランス特性の履歴を
含むディスク・ファイル記憶部に保持されたテーブルを
概略的に表す図。
【図6】本発明によるディスク・ファイルのデータ・チ
ャンネルでのデジタル機構を示す概略図。
【図7】ディスク/ヘッド間クリアランスを測定するた
めのステップを示す流れ図。
【図8】ディスクの欠陥を示す滑り試験信号を含むトラ
ック上で行なわれた測定結果を示す図。
【図9】本発明の予測破損分析構成要素を示す流れ図。
【符号の説明】
10:ボイスコイル・モータ(VCM)組立体、 1
2:アーム及びサスペンション、 13:ヘッド、 1
4:ハブ、 15:剛性ディスク、 16:スピンドル
・モータ、 20:データ・チャンネル、 22:前置
増幅器、 24:データ・チャンネル読み取り電子回
路、 25:書き込み電子回路、 30:サーボ・プロ
セッサ、 31:スピンドル制御プログラム部、 3
2:アクチュエータ制御プログラム部、 33:クリア
ランス及び滑りプログラム部、 34:PFAプログラ
ム部、 40:ファイル・マイクロプロセッサ、 4
2:ホスト・インターフェース部、 44:PFA、
45:PFA記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハル・イァルマル・オッテセン アメリカ合衆国55901、ミネソタ州 ロチ ェスター、ノース・ウエスト、ストーンハ ム・レーン 4230番地 (72)発明者 ゴードン・ジェームズ・スミス アメリカ合衆国55904、ミネソタ州 ロチ ェスター、サウス・イースト、カントリ ー・クリーク・コート 5321番地

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性ディスクと、 該剛性ディスクを回転させる回転手段と、 書き込み/読取り用のヘッドと、 該ヘッドを前記剛性ディスクの面上を移動させるアクチ
    ュエータ手段と、 該アクチュエータ手段と前記回転手段とを制御して前記
    ヘッドを前記面に対して半径方向に位置決めすると共
    に、前記剛性ディスクの回転速度を設定するサーボ・プ
    ロセッサ手段と、 前記ヘッドに接続され、前記ディスクから信号を読み取
    ると共に、そこに信号を書き込むデータ・チャンネル手
    段とを備えたディスク・ファイルであって、 前記ディスク・ファイルに設けられ、前記剛性ディスク
    の速度を示すクリアランス制御信号に応答して、前記ヘ
    ッドによって前記面から読み取った浮動量測定信号の所
    定の高調波に対応する第1の信号を生成するデジタル信
    号処理手段と、 前記サーボ・プロセッサ手段に設けられ、前記浮動量測
    定信号が配されている面の所定領域に対して前記ヘッド
    を位置決めし、前記剛性ディスクの回転速度を選択的に
    変化させ、クリアランス信号を発生する試験状態手段
    と、 前記ディスク・ファイルに設けられ且つ前記デジタル信
    号処理手段に接続され、前記第1の信号に応答して、前
    記面の円周方向トラック上の複数の所定の位置の各々に
    おいて、前記面に対する前記ヘッドの浮動量を表す間隔
    信号を生成する試験実行手段と、 前記ディスク・ファイルに設けられ、前記試験実行手段
    に接続されて、前記面上の複数の周線に対する間隔信号
    を記憶する記憶手段と、を具備するヘッド浮動量測定手
    段を備えることを特徴とするディスク・ファイル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディスク・ファイルにお
    いて、前記浮動量測定信号は、前記面の円周方向トラッ
    ク上の一定周期の周期信号を含むことを特徴とするディ
    スク・ファイル。
  3. 【請求項3】 前記デジタル処理手段が前記浮動量測定
    信号に応答して、前記浮動量測定信号の振幅に比例する
    第2の信号を生成する請求項1記載のディスク・ファイ
    ルであって、前記第2の信号に応答して、前記面上の欠
    陥を示す特性信号を発生するための滑り試験手段を更に
    備えていることを特徴とするディスク・ファイル。
  4. 【請求項4】 前記デジタル処理手段が前記浮動量測定
    信号に応答して、該浮動量測定信号の振幅に比例した第
    2の信号を生成する請求項1記載のディスク・ファイル
    であって、 前記ディスク・ファイルに設けられ、前記第2の信号に
    応答して、前記浮動量測定信号を含む円周方向トラック
    の特性に対応する第3の信号を生成する手段と、 前記ディスク・ファイルに設けられ、前記第3の信号に
    応答して、前記ディスクが回転している間、前記ヘッド
    と前記面との間の接触を示す面特性信号を発生する滑り
    試験手段と、を備えることを特徴とするディスク・ファ
    イル。
  5. 【請求項5】 請求項1、3又は4記載のディスク・フ
    ァイルであって、前記記憶手段に接続され、前記ヘッド
    の浮動量の変化を示す間隔信号と接触信号と前記第3の
    信号とのいずれかに応答して、ディスク・ファイルの破
    損を示す破損信号を発生する予測破損分析手段を更に備
    えていることを特徴とするディスク・ファイル。
  6. 【請求項6】 少なくとも1枚の剛性ディスクと、 前記剛性ディスクを回転させる回転手段と、 少なくとも1つの変換器と、 該変換器を前記剛性ディスクの対応する面上を移動させ
    るアクチュエータ手段と、 前記アクチュエータ手段と前記回転手段とを制御して、
    前記変換器を前記剛性ディスクの面に対して半径方向に
    位置決めすると共に、前記剛性ディスクの回転速度を設
    定するサーボ・プロセッサ手段と、 前記剛性ディスクから信号を読み取り又はそこに信号を
    書き込むための前記変換器毎のデータ・チャンネル手段
    とを備えたディスク・ファイルにおいて、少なくとも1
    つの前記変換器と夫々の前記剛性ディスクの面との間の
    クリアランスを測定する方法であって、 (1)前記ディスク・ファイルにおいて、前記変換器の
    浮動量と夫々の前記面の輪郭とを最初に測定する段階
    と、 (2)前記段階(1)における測定結果を前記ディスク
    ・ファイルに記憶する段階と、 (3)前記ディスク・ファイルを動作させる段階と、 (4)前記ディスク・ファイルにおいて、前記変換器の
    浮動量と夫々の前記面の輪郭とを測定する段階と、 (5)前記段階(2)において記憶された結果と前記段
    階(4)の測定結果との比較によって、前記浮動量の変
    化又は前記面特性の変化が示された場合、前記ディスク
    ・ファイルからディスク・ファイル破損の指示を与える
    段階と、 (6)前記変化が示されない場合、前記段階(4)の測
    定結果を前記ディスク・ファイルに記憶し、前記段階
    (3)−(5)を実行する段階と、を備えることを特徴
    とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法において、前記段階
    (1)及び(4)は、夫々の前記面上の複数の円周方向
    トラックの各々の所定位置に対して前記ヘッドの浮動量
    を測定する段階を含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも1枚の剛性ディスクと、前記
    剛性ディスクを回転させる回転手段と、前記回転手段を
    制御して前記剛性ディスクの回転速度を設定するプロセ
    ッサ手段とを備えたディスク・ファイルにおいて、 一定周期の測定信号が記憶される剛性ディスク面の円周
    方向部分と、 前記剛性ディスクの回転によって前記面上に支持され、
    前記面に隣接して位置決めされる変換器を含むヘッド組
    立体と、 前記変換器に接続され、前記測定信号に応答するリード
    バック信号を前記剛性ディスクの回転に応答して生成す
    る信号処理手段と、 前記ディスク・ファイルに設けられ、前記リードバック
    信号に応答して、前記円周方向部分の複数の位置の各々
    において前記変換器と前記面との間のクリアランスを示
    す第1信号の組を生成するクリアランス測定手段と、 前記ディスク・ファイルに設けられ、前記リードバック
    信号に応答して、前記円周方向部分の複数の位置におい
    て前記面の輪郭測定に対応する第2信号の組を生成する
    滑り測定手段と、 前記クリアランス測定手段及び前記滑り測定手段に接続
    され、前記ディスクの複数の円周方向部分に対して、前
    記第1信号の組及び前記第2信号の組を記憶する記憶手
    段と、 前記ディスク・ファイルに設けられた手段であって、前
    記クリアランス測定手段によって生成された前記第1信
    号の組、前記滑り測定手段によって生成された前記第2
    信号の組及び前記記憶手段に記憶された前記第1信号の
    組及び前記第2信号の組に応答して、前記ディスク・フ
    ァイルの切迫した破損を示す第3信号を生成する破損分
    析手段と、を具備することを特徴とするディスク・ファ
    イル。
JP5086287A 1992-05-19 1993-04-13 クリアランス及び滑りの測定が可能でヘッド衝突の警告をするディスク・ファイル記憶装置及びクリアランス測定方法 Expired - Fee Related JP2711207B2 (ja)

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