JPH06287881A - 塩素不含木材パルプ及び製造法 - Google Patents

塩素不含木材パルプ及び製造法

Info

Publication number
JPH06287881A
JPH06287881A JP26468491A JP26468491A JPH06287881A JP H06287881 A JPH06287881 A JP H06287881A JP 26468491 A JP26468491 A JP 26468491A JP 26468491 A JP26468491 A JP 26468491A JP H06287881 A JPH06287881 A JP H06287881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
oxygen
stage
delignification
bleaching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26468491A
Other languages
English (en)
Inventor
Malcolm Cronlund
マルコム・クロンランド
Jairo H Lora
ジャイロ・エイチ・ローラ
Jeanne L Powers
ジャンヌ・エル・パワーズ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ARUSERU TECHNOL Inc
Alcell Technologies Inc
Original Assignee
ARUSERU TECHNOL Inc
Alcell Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ARUSERU TECHNOL Inc, Alcell Technologies Inc filed Critical ARUSERU TECHNOL Inc
Publication of JPH06287881A publication Critical patent/JPH06287881A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/147Bleaching ; Apparatus therefor with oxygen or its allotropic modifications
    • D21C9/153Bleaching ; Apparatus therefor with oxygen or its allotropic modifications with ozone
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/1057Multistage, with compounds cited in more than one sub-group D21C9/10, D21C9/12, D21C9/16
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/147Bleaching ; Apparatus therefor with oxygen or its allotropic modifications
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/16Bleaching ; Apparatus therefor with per compounds

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はパルプの脱リグニン及び漂白のため
の漂白濾液の向流的リサイクルを行うバッチ及び連続プ
ロセスを提供する。 【構成】 パルプの酸素脱リグニンがカッパ数で測定し
て50%以上達成され、一方パルプ粘度は約8cps 以下で
ごく僅かしか減少しない。脱リグニンパルプの漂白は過
酸化合物及びオゾンで達成され、約82乃至88ISOのパ
ルプ白色度が、塩素ベースの漂白薬品からのTOX含量
がゼロレベルで、漂白濾液中のAOXがゼロレベルで達
成され得るであろう。約90乃至約92の白色度のより高い
白色度が又非常に低いレベルの塩素ベース漂白薬品の添
加により達成され得る。対応する漂白流出物のAOX含
量は 200以下である。漂白濾液はパルプ洗浄のため及び
オルガノソルブパルプ化プロセスに使用するためリサイ
クル可能で、顕著なエネルギー節約と塩素ベースの漂白
に典型的組み合っている汚染が除かれなくてもその緩和
を生ずる。本発明は又プロセスから導かれる漂白パルプ
製品とプロセスを遂行するための装置に係わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】近年、環境中に排出される産業廃棄流出
物、放出物及び固体廃棄物についての国民的関心が増大
している。市場及び規制の圧力が今や凡ての産業の分野
における製造業者に環境へのこの廃棄物の負荷を最小に
することを要求している。
【0002】パルプ漂白産業においては、パルプ工場の
漂白プラントからの流出物が公衆の及び政府の精査を受
けている。かかる流出物は塩素化された有機漂白反応生
成物を含み、これらは一般にそれらの吸着可能な有機ハ
ロゲン(AOX)によって測定される。漂白されたパル
プは又塩素化された有機残渣を含有し得るが、これらは
一般にそれらの総有機ハロゲン(TOX)により測定さ
れる。
【0003】トロント大学のアール(Earl)及びリーブ(R
eeve) は、漂白プラントにおけるAOXのレベルを研究
し、そして漂白プロセス中で生成されるAOXのレベル
を予報するための実験的関係を発展させた。リーブのグ
ループによれば、漂白プラント流出物中のAOXは漂白
プロセスに使用される分子状塩素(Cl2) の重量の約10
%、又二酸化塩素(ClO2)の重量の 5.3%であるであろ
う。“通常の”漂白テクノロジーで、軟材クラフトパル
プを漂白するのに慣用される塩素及び二酸化塩素の量を
用いると、未処理の漂白プラント流出物中のAOXは漂
白されたパルプのトン当り5乃至8kgAOXの範囲であ
ることがわかる。二次的処理システムはこのAOXの追
加の40%乃至60%を除き、これは受け取る水へ排出され
るAOXの範囲がトン当り約2乃至 6.8kgAOXである
だろうことを指示する。現状の規制のターゲットはトン
当り約 2.5kgAOXのマキシマムを許可し、予見し得る
将来においてトン当り 1.5gへ更に制限する様に思われ
る。
【0004】塩素ベース漂白薬品の使用は付加的にパル
プ中にいくらかの塩素化された有機残渣を残す。リーブ
のグループによる最近の研究は、カナダの工場(そこで
は殆どの工場が酸素脱リグニンをもたない)からの漂白
された軟材クラフトパルプ中の合計のTOXが 400乃至
600百万当り部(ppm) の範囲であり、且つ漂白された硬
材クラフトパルプに対しては2,000ppmという高い値が決
定されたことを示している。
【0005】それ故殆どクラフトプロセス型の伝統的パ
ルプ工場は木材パルプの脱リグニンを増大するための新
しい蒸煮条件を工夫し、又塩素含有漂白剤の消費を減少
するために漂白の前に酸素脱リグニンを行うことを企て
た。酸素脱リグニンにおける他の企図は分子状塩素に対
する二酸化塩素の置換を含み、これは原子状塩素のずっ
とより低いレベルで均等な漂白を与えるためである。こ
れらのテクノロジーの組合せはクラフト工場がトン当り
1.5kgAOX上限に適合するための手段を提供する筈で
ある。
【0006】他方、塩素不含漂白薬品を含む新しい漂白
プロセスが発達されつつある。通常のクラフト軟材パル
プに対しては、酸素、オゾン及び過酸化水素を用いる漂
白プロセスが発達された。酸素及び過酸化水素で漂白さ
れた軟材クラフトパルプは低い白色度のものであり、問
題のある強度的特性を有する。クラフト及びサルファイ
トパルプ化プロセスについての他の発展は塩素含有漂白
剤の使用を除去するための努力においてオゾン漂白装置
の導入を含む。
【0007】併しながら、硬材種又は軟材種の何れに対
してもパルプ強度に対し産業の標準を構成するクラフト
パルプについては、塩素又は二酸化塩素を漂白剤として
得られた白色度レベルと比較すると、より低い白色度レ
ベルしか達成されていない。
【0008】産業廃棄流出物のリサイクルの可能性を含
んで、非塩素漂白剤の使用からは、付加的な環境的及び
経済的利益がある。更に、非塩素漂白剤を用いる漂白プ
ロセスは凡ての漂白プラント残渣を燃焼により処置する
という潜在的可能性を有する。現在、酸素脱リグニンを
用いる漂白プロセスはこの段から工場の薬品回収システ
ムへ漂白流出物をリサイクルすることができる。そこに
付随する利益は、二次的処理システムへの要求の減少及
び化学的処理費用の減少を含む。それに加えて、流出物
がリサイクル及びより清浄な産業廃棄流出物の排出を通
して、産業廃棄処理に伴う費用は減少する。それ故、リ
サイクルされた流出物を使用し、新鮮な水の要求が少な
く、且つ産業廃棄物の排出が少なく、それらの凡てがプ
ラント操業費用における全体的減少を生ずる様な工業的
プロセスを考案することは有利である。
【0009】上述の目的をもって設計された工業的プロ
セスは“密閉された工場(Closed-Mill) ”というコンセ
プトを使用する。このコンセプトは水を含み凡てのプロ
セスの薬品がリサイクルされ、且つ又熱を含む殆ど凡て
の廃棄物が再使用されることを要求する。
【0010】例えば、米国特許第4,100,016号及び
4,764,596号に述べられている如きリグニンセルロ
ース質(lignocellulosic)材料のオルガノソルブ(organo
solv) パルプ化(又ALCELLプロセスとも呼ばれて
いる)により製造される木材パルプは、アルコール抽出
を使用する。かかるプロセスはまとめて「オルガノソル
ブプロセス」は呼ばれるであろうが、強度、白色度及び
清浄性(cleanliness)において同じ木材種から製造され
たクラフトパルプに匹敵する市販可能な品質の硬材パル
プを提供する一方、パルプ工場を密閉することに対しあ
る明白な利益を提供する。かかるプロセスにおいては、
本発明の方法により、漂白プラント流出物は最小の処理
でパルプ工場に戻され得る。
【0011】併しながら、最適なパルプ強度のために
は、オルガノソルブパルプはクラフトパルプに比較して
オルガノソルブパルプ中のより高い残留リグニンが存在
する様に蒸煮(cooking) により消化(digest)されねばな
らない。この段におけるパルプはブラウンストック(bro
wnstock)と呼ばれ、パルプのブラウンストック中の残留
リグニンはカッパ(kappa) 数と呼ばれる単位により測定
される。オルガノソルブパルプに対する典型的カッパ数
は木材種及びその他の因子によりほぼ25乃至35であり、
一方クラフト硬材パルプに対するカッパ数は同じ因子に
従い典型的には約17と21の間で変化するであろう。オル
ガノソルブパルプにおけるより高いカッパ数の結果は、
クラフトパルプに比較して一般に漂白薬品のより大きな
量が同じ白色度レベルにおいて漂白パルプを製造するた
めに使用されねばならないということである。併しなが
らクラフトパルプに比較して、本発明の方法は、インタ
ーナショナル オーガニゼーション フォー スタンダ
ージゼーション(Internatio-nal Organization for Sta
ndardization, ISO)により測定された時同様な白色度を
もつ漂白パルプを達成するために、酸素及び水酸化ナト
リウム以外に、より少ない量の漂白化合物しか必要とし
ない。
【0012】パルプ強度の一つの指標である粘度(セン
チポイズ、cps 、TAPPIスタンダードT−230)
は又パルプの重要な特性の一つである。オルガノソルブ
パルプのブラウンストックの典型的粘度は約45乃至20cp
s の範囲であり、より低い数はより低い粘度又は強度を
指示する。漂白プロセスの間に粘度における減少はでき
るだけ小さいのが望ましいが、それは粘度の損失は普通
の引張、破裂及び引裂強度により測定されたパルプ強度
における減少と通常関連しているからである。
【0013】クラフトプロセスの一つの不利は、クラフ
トパルプのブラウンストックの酸素脱リグニンが50%を
超える時、これはブラウンストックのカッパ数の50%超
の減少に相当するが、このパルプの酸素脱リグニンが許
容し得る限界以上のパルプ強度の減少を生ずることであ
る。
【0014】これに対比して、本発明の方法は塩素含有
漂白薬品の使用なしにパルプが85ISO以上に漂白され
得ることを示す。正味の結果は非常に低いレベルの吸着
可能な有機ハロゲン(AOX)及び総有機ハロゲン(T
OX)しか漂白流出物及び漂白パルプ中にそれぞれ存在
しないということである。それに加えて、もし85ISO
以上の白色度が要求されるならば、それは未処理漂白プ
ラント流出物中の有機ハロゲンがパルプトン当り約 0.5
kgAOXである様な低いレベルの二酸化塩素の使用で達
成され得る。
【0015】
【発明の総括】本発明の主たる目的は、パルプの残留リ
グニンが50%を超えて減少され、且つパルプ粘度におけ
る減少が殆ど又は全くない、パルプの酸素脱リグニンの
ためのプロセスを提供することである。
【0016】本発明の主たる目的は、パルプの残留リグ
ニンが好ましくは約50%乃至約76%を超えて減少され、
且つパルプ粘度における減少が僅か又は全くない、パル
プの酸素脱リグニンのためのプロセスを提供することで
ある。
【0017】本発明の他の目的は、パルプの残留リグニ
ンが約80%乃至約90%を超えて減少され、パルプ粘度に
おける減少は殆ど又は全くなく、約2乃至5cps 以内で
ある、パルプのオゾンによるそれ以上の脱リグニンのた
めのプロセスを提供することである。
【0018】本発明の他の目的は、塩素をベースとする
漂白薬品を用いることなく約70ISO乃至88ISOを超
える白色度まで脱リグニンパルプを漂白するためのプロ
セスを提供することである。
【0019】本発明の他の目的は、同じ木材種からのク
ラフトパルプと比較して相対的に高いカッパ数をもつオ
ルガノソルブパルプを、高い白色度レベルへ且つ強度の
損失なしに脱リグニンし漂白することである。
【0020】本発明の一つの観点において、パルプの残
留リグニンが50%を超えて減少し、パルプ粘度において
は殆ど又は全く減少がないパルプの酸素脱リグニンのた
めのプロセスが提供される。
【0021】発明の一つの観点において、パルプの残留
リグニンが好ましくは約50%乃至約76%を超えて減少さ
れ、パルプ粘度においては殆ど又は全く減少がないパル
プの酸素脱リグニンのためのプロセスが提供される。
【0022】本発明の他の観点においては、パルプのブ
ラウンストックを、酸素脱リグニンの前に、過酢酸又は
過酸化水素の如き過酸化合物で前処理することからな
る、酸素脱リグニンの効果を増大するためのプロセスが
提供される。
【0023】本発明の他の観点においては、パルプのブ
ラウンストックを、酸素脱リグニンの前にオゾンで前処
理することからなる、酸素脱リグニンの効果を増大する
ためのプロセスが提供される。
【0024】本発明の他の観点においては、脱リグニン
されたパルプを過酢酸又は過酸化水素の如き過酸化合物
で処理することからなる、酸素脱リグニンの効果を増大
するためのプロセスが提供される。
【0025】本発明の他の観点においては、脱リグニン
されたパルプをオゾンで処理することからなる、酸素脱
リグニンの効果を増大するためのプロセスが提供され
る。
【0026】本発明のまだ他の観点においては、パルプ
のブラウンストックを酸素脱リグニンを実施する前に過
酸化合物で前処理し、そして生ずるパルプを過酢酸又は
過酸化水素の如き過酸化合物で処理することからなる、
酸素脱リグニンの効果を増大するためのプロセスが提供
される。
【0027】本発明のまだ他の観点においては、パルプ
のブラウンストックを酸素脱リグニンを実施する前にオ
ゾンで前処理し、そして生ずるパルプを過酢酸又は過酸
化水素の如き過酸化合物で処理することからなる、酸素
脱リグニンの効果を増大するためのプロセスが提供され
る。
【0028】本発明の尚他の観点においては、酸素脱リ
グニンを実施し、生ずるパルプを過酢酸、過酸化水素か
又は過酢酸と過酸化水素の両者の組み合わせの二つの漂
白段で処理することからなる酸素脱リグニンの効果を増
大するためのプロセスが提供される。
【0029】本発明の尚他の観点においては、酸素脱リ
グニンを実施し、生ずるパルプを過酢酸、過酸化水素及
びオゾンで、又は過酢酸及び過酸化水素又はオゾンの両
者の組み合わせの二つの漂白段で処理することからなる
酸素脱リグニンの効果を増大するためのプロセスが提供
される。
【0030】本発明の他の観点においては、漂白濾液(f
iltrate)がパルプのブラウンストックを洗浄するために
用いられ、その後連続パルプ化プロセスにおける再使用
のためリサイクルされる、パルプの脱リグニン及び漂白
のための連続的プロセスが提供される。
【0031】本発明の他の特徴及び利益は、以下の好ま
しい実施態様についての叙述から明らかであろう。
【0032】
【好適実施態様の詳細な説明】本発明は一般にクラフト
及びオルガノソルブパルプ化プロセスから得られるパル
プの脱リグニン及び漂白に関する。プロセスの脱リグニ
ン及び漂白工程は、バッチ又は連続方法の何れでも遂行
され得る。パルプは酸素で脱リグニンされ且つ漂白され
得て、カッパ(kappa) 値はパルプ粘度における何ら著し
い減少なしに50%を超えてそして好ましくは約50%から
約76%までの範囲減少され得る。商業的に許容され得る
高い白色度のレベルも又達成され得る。本発明の実施か
らの漂白流出流は厳しい環境規制に合致し又はそれを超
えている。
【0033】本発明のバッチ又は連続プロセスの何れに
よっても、オルガノソルブパルプの酸素脱リグニンは約
50%を超えそして好ましくは約76%までのカッパ数の削
減を約8cps より少なく、好ましくは約2乃至5cps 以
内という、粘度値における著しい減少なしに達成する。
【0034】図1は29という当初のカッパ数をもつアル
セル(ALCELL)パルプの様なオルガノソルブパル
プが約10のカッパ数まで酸素を用いて脱リグニンされ得
ること、即ち約67%の脱リグニンを示す。併しながら黒
丸(closed circle) により図2に示す如く、アルセルパ
ルプの粘度は増大する脱リグニンと共には本質的に変化
がない。対比的に、図2で白丸(open circle) により示
す如く、クラフト軟材のブラウンストックは増加する脱
リグニンと共に直線的な粘度減少を示し、他者より報告
される通りである。一般にクラフト硬材パルプは酸素脱
リグニンで粘度における同様な減少を示す。約50%の脱
リグニンにおいて、パルプ粘度はそれ以上の脱リグニン
がパルプの強度特性をひどく損ない始めるであろう点ま
で減少する。図2は更に酸素で脱リグニンされたパルプ
のカッパ数が比較的にブラウンストックのカッパ数から
は独立しており、最終のカッパ数が酸素脱リグニンに対
しては約9乃至13の範囲であることを示す。より温和な
反応条件を提示する酸化抽出により脱リグニンされたパ
ルプに対する最終のカッパ数は約16乃至18の範囲であ
る。
【0035】図3、4及び4図の叩解曲線に関しては、
オルガノソルブパルプに対する強度特性は同じ木材種に
ついてはクラフトパルプのそれらと同等であるというこ
とが見られ得る。叩解曲線はPFI機叩解曲線(mill be
ating curve)であり、TAPPIスタンダード248O
M−85により得られる。曲線上に示された物理的性質
は、TAPPIスタンダード220OM−88、43、
OM−85、414OM−88及び494OM−88に
より測定される。使用される漂白順序は実施例16、1
4及び19に述べられるものと類似であった。
【0036】更に、パルプの脱リグニン及び漂白は、商
業的に許容し得る白色度レベルを達成するため、再び著
しい粘度損失なしに、パルプを過酢酸又は過酸化水素の
何れかと単独で、段をつけた露出(staged exposures)
で、又は酸素脱リグニンに引き続き、又は酸素脱リグニ
ンの前又は後の何れかで接触させることにより増大され
得る。オゾン段が又酸素脱リグニンと組み合わせて、且
つ過酸化水素又は過酢酸の前又は後の何れが用いられ得
る。ここでも再び、商業的に許容可能な白色度レベルが
達成される。
【0037】一般に、オルガノソルブパルププロセスは
約20乃至約40の典型的なカッパ数での残留リグニン含量
をもつ硬材パルプ繊維をつくり出す。本発明の方法によ
り、約40のブラウンストックカッパ数をもつオルガノソ
ルブパルプは一つの処理段(stage) で約10のカッパ数へ
脱リグニンされ得て、これは酸素段のみで約75%の減少
である。さもなくば、パルプがオゾンで酸素脱リグニン
段の前又は後の何れかで処理される時、パルプは約80%
から約90%までのカッパ数へ脱リグニンされる。
【0038】パルプのブラウンストックの過酸化水素又
は過酢酸の如き過酸化合物での処理は、過酢酸又は過酸
化水素の何れかに対して、絶乾(oven dry, o.d.)パルプ
に対し約 0.5%から約4%(w/w) 過酸化合物の範囲で、
酸素脱リグニン後カッパ数の減少を生ずる。即ち単一の
酸素脱リグニン段後のカッパ数と比較して、約5から約
7までのカッパ数へと、約追加の50%という減少を生ず
る。
【0039】過酸化合物による前処理をして、又は前処
理なしに酸素脱リグニン後、過酢酸又は過酸化水素の何
れかで処理したパルプは同様に処理したクラフトパルプ
と比較して増大した漂白レスポンスを示す。酸素脱リグ
ニン後過酸化合物でのパルプ処理の結果は、より少ない
漂白段階しか特定の白色度レベルに到達するのに要求さ
れず、又より低い量の漂白薬品しか要求されないという
ことである。
【0040】増大した漂白レスポンスは、パルプが酸素
脱リグニンの前に過酸化合物で前処理され、次いで過酸
化合物による一又は以上の段で処理される時得られる。
約83から86ISOまでの白色度が達成され得るが、これ
はパルプが過酸化合物で前処理されないが、しかし塩素
ベースの漂白薬品で処理された時得られるのと同じ白色
度の範囲である。一つのそれに加えての利点は、これら
のパルプが塩素ベース漂白薬品からのTOX含有量がゼ
ロレベルであり、それに対応して漂白流出物も又AOX
含有量がゼロレベルであることである。
【0041】増大した漂白レスポンスは又パルプが酸素
脱リグニンの前又は後の何れかでオゾンで処理され、酸
素脱リグニンに続いて一又は以上の過酸化合物段で処理
する時又得られる。これらのパルプは約82から86のIS
Oの白色度を有し、これはパルプがオゾンで処理されな
いが、しかし塩素ベースの漂白薬品で処理された時得ら
れるのと同じ白色度の範囲である。再び、これらのパル
プが塩素ベース漂白薬品からのTOX含有量がゼロレベ
ルであり、それに対応して漂白流出物も又AOX含有量
がゼロレベルであるというそれに加えての利点がある。
【0042】増大した漂白レスポンスは又、パルプが連
続的脱リグニン及び漂白プロセスで処理され、その際過
酸化合物で酸素脱リグニンの前又は後に処理し、引き続
き過酸化合物又はオゾンの何れかでの漂白段で処理する
時得られる。約83から約88のISOの白色度が得られ得
る。さもなくばパルプが二酸化塩素段で処理される時、
約90から約92ISOの白色度値が得られ得る。
【0043】一般に、脱リグニン又は漂白の前に、パル
プのブラウンストックはアルコール溶液で洗浄される。
このアルコール溶液は次のものからなる;約40から約80
%(容量)までの水混和性の1乃至4炭素原子の低級脂
肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール又は3級ブタノール);約20から約60%
までの水;及びもし必要なら、脱リグニン又は漂白の前
に可溶性リグニンを除くための鉱酸(例えば塩酸、硫
酸、燐酸又は硝酸)又は有機酸(例えば蓚酸、好ましく
は酢酸、蟻酸又は過酸)の如き水溶性強酸の少量。アル
コールで洗浄されたパルプは再び水で洗浄されて残留ア
ルコールを除去し、バッチ又は連続方法の何れかで脱リ
グニンされ且つ漂白される。
【0044】パルプのブラウンストックは過酸化合物
で、例えば過酢酸(PA)又は過酸化水素(P)を用い
て約 1.5から約11までのpHで、好ましくは過酢酸(P
A)については約2から約6までのpHで、又は好ましく
は過酸化水素(P)については約8.5から約11までのpH
で、且つ絶乾(o.d.)パルプの量当りの過酸化合物の重量
で約 0.2から約2%までの量で、好ましくは約 0.5から
約 1.5%(w/w) の量で処理され得る。過酸化水素が用い
られる時は、最終pHは好ましくは約 8.5から約11までで
あり、且つ苛性ソーダの添加によりその様なレベルに保
持される。パルプは約8%から約55%までの任意の濃度
であり得るが、好ましくは約10%から約20%までの間で
ある。反応時間は約 0.3乃至約3時間であり、約40℃と
約90℃の間の温度で反応される。
【0045】さもなくば、過酸化合物での処理と共に、
パルプのブラウンストックは又別の段階で遷移金属キレ
ート剤で絶乾(o.d.)パルプ当り約0.05乃至約1%(w/w)
金属キレート剤の量で、キレート化を保証するに十分長
い反応時間で、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(E
DTA)又はジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTP
A)を用いて処理され、遷移金属イオン(マンガン、銅
及び鉄の様な)により過酸化合物の触媒的分解を防ぐ様
にする。遷移金属キレート剤による処理は、過酸化合物
処理段階に先立って、又はその間の何れでも実施され得
る。キレート化に対する別法として、パルプはこれを水
で洗浄しそれを通して二酸化硫黄(SO2)ガスをpHが約2
乃至約3になる様にバブルさせることにより、パルプを
又、最初に亜硫酸(H2SO3) で酸洗い(sour)され得る。亜
硫酸に対する別法として、硫酸の如き鉱酸が又使用され
得る。酸洗いされたパルプ又は金属キレート剤で前処理
されたパルプは次いで過酸化合物処理に付される。過酸
化合物処理の後、パルプは水で洗浄される。さもなく
ば、もし次の処理段階が酸素脱リグニンであるならば、
洗浄段階は省略され得る。絶乾(o.d.)パルプ当り約 0.1
%乃至約 1.0%(w/w)硫酸マグネシウムで、硫酸マグネ
シウムが又パルプの粘度保護のために添加され得る。
【0046】オゾン段(Z)は又酸素脱リグニンの前の
前処理(順序ZO)又は酸素脱リグニンに続いて(順序
OZ)、パルプのブラウンストックを処理するために使
用され得る。オゾンでのパルプブラウンストックの処理
は約 1.5から約5まで、好ましくは約2から約3までの
pHで、約20℃から約60℃まで、好ましくは25℃乃至約30
℃の温度で行われる。pHは酸(例えば酢酸又は硫酸)を
用いて適当なレベルへ調節され得る。パルプ濃度が約10
%から約55%まで、好ましくは約42%であるのに十分な
水が加えられるか又は公知の手法により取り除かれる。
例えば、エタノールの様な触媒が、絶乾(o.d.)パルプ当
り約 0.5%から約1%まで、好ましくは約 0.8%(w/w)
エタノールのレベルで加えられ得る。オゾンは公知の手
法を用いて発生させられる。高濃度パルプが約20から約
50%パルプ固形分で用いられる時、パルプは分離された
繊維へとけば立たせられ、繊維は急速にオゾンガスと絶
乾(o.d.)パルプ当り約0.2%から約2%(w/w)オゾンの濃
度で混合される。中程度の濃度のパルプが用いられる
時、オゾンはパルプへオゾン含有溶液としてか又はガス
としてかの何れかで導入される。オゾン溶液はまずオゾ
ンを水の上に高圧力で圧縮し、この圧力はオゾン濃度が
オゾン溶液がパルプと混合された時絶乾(o.d.)パルプ当
り約 0.2%から約2%(w/w) オゾンである様に十分なオ
ゾンが溶解するに十分である様にする。未反応オゾンは
排ガスとして除去可能であり、公知の手法を用いて監視
され得る。オゾン処理段に続いて、パルプpHは苛性ソー
ダを用いて約9から約11までのpHへ調節可能で、次いで
もし必要ならパルプは更に引き続く水での洗浄により中
性のpHへ調節され得る。
【0047】さもなくば、オゾン段がパルプブラウンス
トックの酸素脱リグニンに続いて用いられる時(順序O
Z)、前節におけると同じ条件が一般的に行われる。併
しながら、酸素脱リグニンに続いて、パルプ中の残留苛
性ソーダは水を用いてパルプから洗浄され、pHは酸の添
加により約2から約5までのpHへ調節され得る。
【0048】ブラウンストックのパルプの酸素脱リグニ
ン(O)は一般に第一段として用いられるか(順序O
P、O(PA)、OZ)又は過酸化合物処理段又はオゾ
ン処理段に引き続いて用いられるか(順序PO、(P
A)O、ZO)の何れかであり得る。酸素脱リグニンは
約9%から約15%まで、好ましくは約10%から約12%ま
でのパルプ固形分の重量による濃度のパルプスラリーを
例えば水酸化ナトリウムを含む苛性溶液と混合すること
により行われる。添加される苛性アルカリの量は絶乾
(o.d.)パルプ当り好ましくは約2%から約8%まで、よ
り好ましくは約3%から約6%(w/w) までの苛性アルカ
リである。この様にして得られたパルプスラリーは更に
高いシェアー(shear) において酸素ガスの重量が絶乾
(o.d.)パルプ当り約 0.5%から約2%まで、好ましくは
約 0.8%から約 1.5%(w/w) までである様に酸素ガスと
混合される。反応混合物の温度は約60℃から約 110℃ま
で、より好ましくは約70℃から約90℃までの間であり、
酸素圧力は約30から約100psig までの間、より好ましく
は約80から約100psig の間である。反応時間は約6から
約60分までの間で、より好ましくは約25から約45分まで
の間である。追加の化学薬品が強度特性を保持するのを
助けるために添加可能であり、約 0.1%乃至約1%の硫
酸マグネシウム、約 0.1%乃至 0.5%のジエチレントリ
アミンペンタ酢酸(DTPA)、及び約 0.5%乃至約3
%の珪酸ナトリウムを含む。
【0049】一般に、酸化抽出段(Eo)は又第一の過
酸化合物漂白段に続いて、好ましくは過酢酸第一漂白段
に続いて(順序O(PA)Eo 、(PA)Eo )、オゾ
ン漂白段に続いて(順序OZEo 、ZEo)又は第一二
酸化塩素漂白段に続いて(順序ODEoD)、パルプを
脱リグニンするために用いられ得る。酸化抽出段は又第
一二酸化塩素漂白段の前に(順序EoDED)用いられ
得る。パルプスラリーはパルプ固形分重量による約9%
から約40%まで、好ましくは約10%から約12%までの濃
度で絶乾(o.d.)パルプ当り約2%乃至約5%、好ましく
は約 2.5%乃至4%(w/w)水酸化ナトリウムの苛性アル
カリ溶液と混合される。約0.1%乃至約1%の硫酸マグ
ネシウムがパルプ混合物に添加される。酸素ガスが約30
乃至約 100psig、好ましくは約30乃至60psigで導入さ
れ、パルプと高いシェアーにおいて適当な混合を保証す
るに十分な長さの時間混合される。反応混合物の温度は
約60℃から約 110℃までの間、好ましくは約70℃から約
90℃までの間であり、酸素圧力は約30psigから約100psi
g までの間、好ましくは約30から約60psigまでの間に維
持される。酸素との総反応時間は約6から約60分の間で
ある。最初の10乃至15分間は酸素の圧力は大気圧に減少
され、パルプは次いで酸素リッチな雰囲気に約20乃至約
40分間留まる。
【0050】一般に酸素で脱リグニンされたパルプ
(O)は二酸化塩素(D)で、引き続く第一の漂白段
(順序OD)として処理され得る。オゾンで処理された
酸素脱リグニンパルプ(順序OZ)は又二酸化塩素で処
理(順序OZD)され得るし、そしてオゾン処理は又過
酸処理段の後に用いられ得る(順序OPD、O(PA)
D)。二酸化塩素は絶乾(o.d.)パルプ当り約 0.2%乃至
約 1.5%(w/w) の二酸化塩素の範囲で用いられる。パル
プ濃度は約9%乃至約15%、好ましくは約10%乃至約12
%である。酸素脱リグニンに続く二酸化塩素での漂白段
はpH約2乃至約3の最終pHまで遂行され、苛性アルカリ
は必要に応じpHをこの範囲内に維持するため添加され得
る。二酸化塩素での処理は約30℃乃至約70℃の温度で、
約 0.3乃至約3時間、好ましくは 0.3乃至2時間進行す
る。任意に、二酸化塩素を用いる第二の漂白段が二酸化
塩素による第一の漂白パルプに対する酸化抽出段
(Eo)又は通常のアルカリ抽出段に引き続いて使用さ
れ得る(順序ODED、ODEoD)。アルカリ抽出段
はパルプブラウンストックを約 0.5%乃至約2%の苛性
アルカリと、約40℃乃至約70℃の温度で且つ約 1.5乃至
3時間混合し、引き続いて水で洗浄して二酸化塩素漂白
反応生成物を凡て溶解及び除去することからなる。条件
は一般に二酸化塩素第一漂白段におけると同じである
が、しかし、好ましい最終pHは約 3.5乃至約4.5 であ
り、これは苛性アルカリの適当な添加により達成され得
て、好ましい反応時間は約 1.5乃至約2時間の間であ
る。
【0051】パルプブラウンストックは連続方式で脱リ
グニン及び漂白され得る。図6, 7及び8に示す如く、
次の漂白又は脱リグニン段から得られた漂白濾液はより
前の段におけるパルプブラウンストック洗浄のための洗
浄水としてリサイクルされ得る。更にパルプブラウンス
トック洗浄後、これらの漂白濾液は水と混合されて、米
国特許出願第07/649,683号に記載される如き
連続的オルガノソルブパルプ化プロセスに使用されるア
ルコール/水溶媒の一部となるか、又はかかるプロセス
においてリグニンを沈澱させるために用いられ得る。他
の選択としては、これらの漂白濾液は又好ましくは蒸発
により蒸発器濃縮物を生成する様に濃縮されることがで
き、かかる蒸発器濃縮物は上述の如くパルプブラウンス
トック洗浄のために使用され得る。蒸発器濃縮物は又米
国特許出願第07/649,683号に記載される如き
連続的オルガノソルブパルプ化プロセスに使用されるア
ルコール/水溶媒の一部となるか、又はかかるプロセス
においてリグニンを沈澱させるために用いられ得る。更
に他の選択においては、漂白濾液は濃縮されて、濃縮さ
れた物質はエネルギー回収をもって燃焼され得る。苛性
アルカリの如き物質も又回収され得る。
【0052】図6に示す如く、パルプブラウンストック
は連続方式で脱リグニン及び漂白され得る。任意の所与
の処理段におけるパルプブラウンストックは、向流様式
で次の処理段におけるパルプ洗浄から得られる漂白濾液
で洗浄され得る。当初は約10%乃至約15%のパルプ固形
分の濃度のパルプブラウンストック10がライン20を通し
てポンプで送られる。パルプはミキサー21で例えば過酢
酸(PA)又は過酸化水素(P)を用いる過酸化合物
と、約 1.5乃至11のpHにおいて且つ絶乾(o.d.)パルプ当
り約 0.2%乃至2%(w/w) の量で混合される。
【0053】過酸化水素が用いられる時、液体流76にお
いてミキサー21内の反応混合物中に導入される。最終pH
は好ましくは約 8.5乃至約11であり、これは反応混合物
に対して流体流76中へ水酸化ナトリウム又はカリウムの
如き苛性アルカリの添加により維持され得る。パルプは
任意の濃度であり得るが、しかし好ましくはパルプ固形
分の重量で約10乃至約12%の間である。過酢酸が過酸化
合物として用いられる時、最終pHは好ましくは約2から
約5までである。
【0054】商業的に利用可能な過酢酸が用いられる
時、それは液体流76において導入され得る。過酢酸は又
米国特許第4,764,596号及び米国特許出願第0
7/649,683号に記載される如きオルガノソルブ
パルプ化プロセスにおいて溶媒を回収するために用いら
れる溶剤回収塔からの蒸発器濃縮物70中に存在する酢酸
を回収し且つ転化(convert) することによっても得られ
得る。蒸発器濃縮物70はプロセス装置71中にポンプで送
られるが、この装置は一般に膜濃縮の様な通常の回収装
置、又は蒸留、凍結濃縮等との適当な組み合わせで使用
され得る溶剤抽出装置を含む。プロセス装置71におい
て、濃縮物70中に存在する酢酸は好ましくは100%純度
まで回収され、ボトム流72は又水溶液として回収され、
これは洗浄器6において61で導入される水と共に使用す
るためリサイクルされ得る。プロセス装置71における酢
酸の回収後、酢酸はプロセス装置73中へポンプで送られ
る。プロセス装置73は一般に転化反応器(conversion re
actor)を含み、この中で酢酸は一部が過酢酸に転化され
る。プロセス装置73において過酸化水素が液体流82にお
いて導入され、所与のプロセスパラメータにおける酢酸
の過酢酸への転化を最適化する様に注意深く選択され得
る適当な比率で酢酸と混合される。硫酸が液体流82にお
いてプロセス装置73中の反応混合物に対し添加可能で、
反応は酢酸の過酢酸への転化を最適化するための適当な
プロセス条件において進行する様にさせられる。さもな
くば商業的に利用可能な酢酸が液体流82において導入さ
れて、プロセス装置73内で過酢酸へ転化され得る。
【0055】過酸化合物との混合後、パルプはライン22
を通して容器23中へポンプで送られるが、この容器23は
通常の漂白装置から選択され、反応時間が好ましくは約
0.3から約3時間までであり、反応温度が約40℃及び約
90℃の間、好ましくは約50℃乃至70℃である様にされ、
この温度は蒸気注入の如き通常の加熱手法を用いること
により維持され得る。
【0056】過酸化合物処理の後、過酸で処理されたパ
ルプはライン25を通してポンプで送られ、後続の処理段
からライン44を通してポンプで送られる漂白濾液を用い
て洗浄機3で洗浄される。洗浄機3でパルプを洗浄後、
漂白濾液はライン34を通して除去され、上記の如くリサ
イクルされ得る。洗浄機3及び洗浄機4,5及び6は、
ドラム、ベルト、圧縮バッフル(compaction baffle) 又
は圧力拡散洗浄機の如き通常の洗浄装置から選択され得
る。選択された装置によって、パルプは大気圧において
洗浄され、水は真空吸引、機械的吸引、又は圧力集中リ
ング(pressureconcentric ring)の何れかにより除かれ
る。洗浄機3及び続く洗浄機4,5及び6におけるパル
プ洗浄の時間は、又選択された装置により定まる。洗浄
機3における洗浄後、パルプはライン30を通してミキサ
ー31中へポンプで送られるが、このミキサー31は好まし
くは高シェアーミキサーで、プロセスにより要求される
操作圧力に耐え得るものである。パルプはパルプ固形分
の重量で約9乃至約40%濃度である。ミキサー31内のパ
ルプは液体流80において導入される苛性アルカリ溶液、
例えば水酸化ナトリウム溶液と混合される。添加される
苛性アルカリの量は好ましくは絶乾(o.d.)パルプに対し
約2%から約8%までの間、更に好ましくは約3%から
約6%(w/w)苛性アルカリの間である。かくして得られた
パルプスラリーは更に高いシェアーで液体流79を通して
ライン30において導入される酸素ガスと混合される。ミ
キサー31内の反応混合物の温度は好ましくは約60℃及び
約 110℃の間、更に好ましくは約70℃乃至約90℃であっ
て、これは蒸気注入により達成され得る。ミキサー31内
の酸素圧力は好ましくは約30及び約100psig の間、更に
好ましくは約80乃至約100psig の間に保持される。パル
プ強度特性を持続させるのを助けるために液体流79中へ
添加され得る追加の化学剤は約 0.1%乃至約1%の硫酸
マグネシウム、約 0.1%乃至約1%のジエチレントリア
ミンペンタ酢酸(DTPA)及び約 0.5%から約3%ま
での珪酸ナトリウムを含む。パルプはライン32を通して
容器33中へポンプで送られるが、これは通常の漂白装置
から選択され得るが、しかし一般的に容器33は耐圧容器
であり、要求される反応時間及び温度を達成する様に選
択される。容器33内の反応混合物の温度は好ましくは約
60℃と約 110℃の間、更に好ましくは約70℃と約90℃の
間であり、容器33内の反応混合物の加熱は必要なら蒸気
注入により達成され得る。容器33内の酸素圧力は好まし
くは約30及び約100psig の間、更に好ましくは約80及び
約100psig の間に保持され、そして反応時間は好ましく
は約6乃至60分の間、更に好ましくは約25乃至50分の間
である。
【0057】酸素脱リグニン後、パルプはライン35を通
って洗浄機4中にポンプで送られ、ライン54からの向流
の漂白濾液を用いて洗浄される。洗浄機4中での洗浄
後、脱リグニンされたパルプはライン40を通って装置41
中にポンプで送られる。装置41はパルプが過酸化合物で
処理される時はミキサーであり、又高濃度パルプがオゾ
ンで処理される時は脱水プレスであり得る。パルプはミ
キサー41中で過酸化合物、例えば過酢酸(PA)又は過
酸化水素(P)と、約3から約11までのpHで且つ絶乾
(o.d.)パルプに対して約 0.2乃至約2%(w/w) 過酸化合
物の量で混合される。過酸化水素が用いられる時、それ
は液体流77で反応混合物中へミキサー41において導入さ
れる。最終pHは好ましくは約 8.5乃至11であり、これは
液体流77中への水酸化ナトリウム又はカリウムの如き苛
性アルカリの添加により保持され得る。パルプは任意の
濃度であり得るが、しかし好ましくはパルプ固形分重量
で約10%乃至約12%の間である。過酢酸(PA)が過酸
化合物として用いられる時、最終pHは好ましくは約2か
ら約7であり、過酢酸は液体流77においてか、又はプロ
セス装置71及び73における酢酸回収及び転化からのライ
ン75を通しての何れかで導入され得る。過酸化合物との
混合後、パルプはライン42を通って容器43中にポンプで
送られ、この容器43は通常の漂白装置から選択され得
る。一般に容器43は容器43中の反応時間が約 0.3から約
3時間までであり、反応温度が約40℃と90℃の間、好ま
しくは50乃至70℃である様に選択され、この温度は蒸気
注入の様な通常の加熱手法を用いて保持され得る。
【0058】別の選択として、オゾン段が又容器43内で
パルプブラウンストックを処理するために用いられ得
る。オゾンによるパルプの処理は約 1.5から約5まで、
好ましくは約2から約3までのpHで、且つ約20℃乃至約
60℃、好ましくは25乃至30℃の温度で実施される。二つ
の択一的なオゾン漂白の方法が使用され得る。一つの方
法においては、約20%乃至50%の高濃度パルプについて
パルプは装置41で脱水されるが、この装置は好ましくは
高濃度パルプ脱水プレスである。脱水後、パルプはライ
ン42を通して容器43へ運ばれ、この容器は通常の漂白装
置から選択され得るが、しかし好ましくは高濃度オゾン
漂白塔である。容器43において、パルプは当業界に公知
の手法を用いてけば立たせられ、オゾンガスは容器43中
にライン46を通して導入され且つパルプ繊維と絶乾(o.
d.)パルプに対し約 0.2乃至約2%(w/w) オゾンの濃度
において反応される。別法として、中間濃度のパルプが
使用される時、オゾンはパルプに対してオゾン溶液又は
オゾンガスとしてミキサー41において導入され、このミ
キサーは好ましくは高圧ミキサーである。オゾン溶液は
最初にオゾンガスを水の上で圧縮させ、その圧力をオゾ
ン溶液がパルプと混合された後オゾン濃度が絶乾(o.d.)
パルプに対し約 0.2%乃至約2%(w/w) オゾンである様
にするに十分なオゾンを水中に溶解させるに十分な高い
圧力とする。オゾン溶液はミキサー41中に液体流77を通
して導入され、パルプと混合される。得られた反応混合
物はライン42を通して容器43中にポンプで送られるが、
この容器は通常の漂白塔であって、好ましくは反応パラ
メータに適合する様に選択される。最終pHはミキサー41
中に液体流77で導入され得る硫酸の如き酸を用いて適当
なレベルに調節され得る。パルプは次いでライン45を通
って洗浄機5へとポンプで送られ、そしてもし必要な
ら、パルプpHは液体流47において苛性アルカリを用いて
約9から11までのpHへ調節され、そして更にライン64か
らの向流の濾液での引き続く洗浄によりほぼ中性のpHへ
と調整され得る。
【0059】第一の過酸化合物処理段又はオゾン処理段
の後パルプはライン45を通して洗浄機5へとポンプで送
られ、ライン64からの向流の漂白濾液を用いて洗浄され
る。洗浄機5における洗浄後、パルプはライン50を通っ
てミキサー51中へポンプで送られる。パルプはミキサー
51で過酸化合物、例えば過酢酸(PA)又は過酸化水素
(P)と約3乃至約11のpHにおいて、且つ絶乾(o.d.)パ
ルプに対し約 0.2%乃至約2%(w/w) 過酸化合物の量で
混合される。過酸化水素が用いられる時、それは液体流
81で反応混合物中へミキサー51において導入される。最
終pHは好ましくは約 8.5乃至約11であり、これは液体流
81中への水酸化ナトリウム又はカリウムの如き苛性アル
カリの添加により保持され得る。パルプは任意の濃度で
あり得るが、しかし好ましくはパルプ固形分重量により
約10%乃至約12%の間である。過酢酸が過酸化合物とし
て用いられる時、最終pHは好ましくは約2乃至約7であ
り、そして過酢酸は液体流81においてか、又はプロセス
装置71及び73における酢酸回収及び転化からのライン78
を通してかの何れかで導入され得る。過酸化合物との混
合後、パルプはライン52を通って容器53中へとポンプで
送られるが、この容器は通常の漂白装置から、反応時間
が好ましくは約 0.3乃至約3時間であり、反応温度が約
40℃及び約90℃の間、好ましくは50℃乃至約60℃であっ
て、蒸気注入の如き通常の加熱手法を用いることにより
温度が保持される様に選ばれる。脱リグニンされ且つ漂
白されたパルプはライン62で除去され、次の加工又は乾
燥へと適当に処置され得る。
【0060】別の選択として、図7に示す如く約9%乃
至約40%パルプ固形分の濃度のパルプブラウンストック
10は、ライン120 を通ってミキサー121 中へとポンプで
送られ、ミキサーは好ましくは高シェアーミキサーであ
って、プロセスに対し要求される操作圧力に耐え得るも
のである。ミキサー121 内のパルプは液体流176 で導入
される例えば水酸化ナトリウム溶液の如き苛性アルカリ
溶液と混合される。添加される苛性アルカリの量は好ま
しくは絶乾(o.d.)パルプ当り約2%乃至約8%の間であ
り、更に好ましくは約3%乃至約6%(w/w) である。こ
の様にして得られたパルプスラリーは更に高いシェアー
でライン120 にライン179 を通って導入される酸素ガス
と混合される。ミキサー121 中の反応混合物の温度は好
ましくは約60℃及び約 110℃の間であり、更に好ましく
は約70℃から約90℃までであり、これは蒸気注入により
達成され得る。ミキサー121 中の酸素圧力は好ましくは
約30及び約100psig の間、より好ましくは約80乃至約10
0psig の間に保持される。液体流176 中にパルプの強度
特性を持続させるのを助けるために添加され得る追加の
化学剤は、約 0.1%乃至約1%の硫酸マグネシウム、約
0.1%乃至約1%のジエチレントリアミンペンタ酢酸
(DTPA)及び約 0.5%から約3%までの珪酸ナトリ
ウムを含む。パルプはライン122を通って容器123中へポ
ンプで送られるが、この容器は通常の漂白装置から選択
される。しかし一般的に容器123 は耐圧容器であり、要
求される反応時間及び温度を達成する様に選択される。
容器123内の反応混合物の温度は好ましくは約60℃と約
110℃の間、更に好ましくは約70℃と約90℃の間であ
り、反応混合物の加熱は蒸気注入により達成され得る。
容器123 内の酸素圧力は好ましくは約30及び約100psig
の間、更に好ましくは約80及び約100psig の間に保持さ
れ、そして反応時間は好ましくは約6乃至60分の間、更
に好ましくは約25乃至50分の間である。
【0061】酸素脱リグニンの後、パルプはライン125
を通って洗浄機13中へポンプで送られ、160で導入され
る水を用いて洗浄される。洗浄機13及び洗浄機14,15及
び16は、ドラム、ベルト、圧縮バッフル(compaction ba
ffle) 又は圧力拡散洗浄機の如き通常の洗浄装置から選
択され得る。選択された装置によって、パルプは大気圧
において洗浄され、水は真空吸引、機械的吸引、又は圧
力集中リング(pressureconcentric ring)の何れかによ
り除かれる。洗浄機13及び洗浄機14,15 及び16における
パルプ洗浄の時間は、又選択された装置により定まる。
洗浄機13におけるパルプの洗浄後、濾液はライン134 を
通って除去され、上述の如くリサイクルされ得る。
【0062】洗浄機13における洗浄後、脱リグニンされ
たパルプはライン130 を通ってミキサー131 中へポンプ
で送られる。ミキサー131 中の脱リグニンされたパルプ
は液体流180 で導入され且つ絶乾(o.d.)パルプに対し約
0.1%から約2%(w/w) の範囲の二酸化塩素を含有する
二酸化塩素の液体溶液と混合される。ミキサー131 内の
反応混合物の温度は約30℃乃至70℃であって、蒸気注入
により達成され得る。反応混合物はライン132 を通って
容器133 中へポンプで送られるが、この容器は通常の漂
白装置から選択され得るが、しかし一般に容器133 は必
要な反応時間及び温度を達成する様に選択される。容器
133 中の反応は約30乃至約70℃の温度で進行し、反応時
間は約 0.3乃至約3時間、好ましくは 0.3乃至2時間で
ある。容器133 内の二酸化塩素漂白反応は約2から約3
までの最終pHで前進せしめられ、苛性アルカリ又は酸が
この範囲にpHを保持するために必要に応じて液体流180
において添加され得る。二酸化塩素で漂白されたパルプ
はライン135 を通してポンプで送られ、洗浄機14でライ
ン154 を通してポンプで送られた漂白濾液での向流の洗
浄を用いて洗浄される。洗浄機14でパルプを洗浄するこ
とから生ずる濾液はライン140 を通ってポンプで送ら
れ、塩素及び塩素化生成物を除去するための通常の処理
に付される。処理後、得られた漂白濾液はライン134 か
らの漂白濾液と結合されて、上述の如くリサイクルされ
得る。
【0063】洗浄機14での洗浄後、洗浄されたパルプは
パルプ固形分の重量により約9乃至約15%、好ましくは
約11乃至約12%の濃度でライン142 を通してミキサー14
1 中へポンプで送られ、このミキサーは好ましくは高シ
ェアーミキサーでプロセスにより要求される操作圧力に
耐え得るものである。ミキサー141 中のパルプスラリー
は液体流177 で導入され、絶乾(o.d.)パルプに対し約2
%から約5%まで、好ましくは約 2.5%乃至約4%(w/
w) の水酸化ナトリウムを含む苛性アルカリ溶液と混合
される。この様にして得られたパルプスラリーは更に高
いシェアーで酸素ガスと混合されるが、このガスはライ
ン140 においてライン182 を通して導入される。ミキサ
ー141 中の反応混合物の温度は好ましくは約60℃及び約
110℃の間であり、より好ましくは約70℃と約90℃の間
であり、これは蒸気注入により達成され得る。ミキサー
141中の酸素圧力は好ましくは約30乃至約100psigの間、
更に好ましくは約30乃至約60psigに保持される。追加の
化学剤は液体流177 中に添加でき、約 0.1%乃至約1%
の硫酸マグネシウムの如きである。パルプは容器143中
へポンプで送られるが、この容器は通常の漂白装置から
選択され得るが、一般に容器143 は要求される反応時間
及び温度を達成する様に選択される。容器143内の反応
混合物の温度は好ましくは約60℃及び約 110℃の間、更
に好ましくは約70℃及び約90℃の間であり、これは蒸気
注入により達成でき、容器143 内の酸素との総反応時間
は好ましくは約6及び約60分の間である。容器143 内の
酸素圧力は最初の10乃至15分間に大気圧へ減少され、パ
ルプは容器143 内の酸素に富む雰囲気中で約20乃至約40
分間留まる。
【0064】別法として洗浄機14での洗浄後、アルカリ
抽出段においてミキサー141 内のパルプスラリーは液体
流177 において導入され、絶乾(o.d.)パルプに対し約
0.5%乃至約2%(w/w) の苛性アルカリを含む苛性アル
カリ溶液と混合され得る。ミキサー141 内の反応混合物
の温度は好ましくは約40℃と約70℃の間であり、これは
蒸気注入により達成され得る。追加の化学剤は約 0.1%
から約1%までの硫酸マグネシウムの如く、液体流177
中に添加され得る。パルプは容器143 中へポンプで送ら
れるが、容器143 は通常の漂白装置から選択可能で、一
般的に要求される反応時間及び温度を達成する様に選択
される。容器143 内の反応混合物の温度は好ましくは約
40℃と約70℃の間であり、これは蒸気注入により達成可
能で、容器143 内の酸素との総反応時間は約 1.5乃至約
3時間、好ましくは 1.5乃至2時間である。
【0065】酸化抽出段又はアルカリ抽出段の後に、パ
ルプはライン145 を通って洗浄機15中にポンプで送られ
る。パルプはライン164 を通してポンプで送られ、且つ
洗浄機14内でパルプを洗浄することにより得られた漂白
濾液を用いて洗浄される。洗浄機15で得られた漂白濾液
はライン154 を通してポンプで送られ、洗浄機14内でパ
ルプを洗浄するために用いられる。パルプを洗浄機15で
洗浄後、脱リグニンパルプはライン150 を通ってミキサ
ー151中へポンプで送られる。ミキサー151内の脱リグニ
ンパルプは液体流181で導入され、且つ絶乾(o.d.)パル
プに対し約0.2%乃至約2%(w/w) 二酸化塩素の範囲で
二酸化塩素を含む二酸化塩素の液体溶液と混合される。
ミキサー151 内の反応混合物の温度は約30℃乃至約70℃
であって、これは蒸気注入により達成され得る。反応混
合物はライン152 を通して容器153中へポンプで送ら
れ、これは通常の漂白装置から選択され得るが、容器15
3 は要求される反応時間及び温度を達成する様に選択さ
れる。容器153 中の反応は約30乃至約70℃の温度で進行
し、反応時間は約 0.3乃至約3時間、好ましくは 1.5乃
至約3時間である。容器153 内の反応は約 3.5乃至約
4.5の最終pHで進行せしめられ、苛性アルカリがpHをこ
の範囲内に保持するために液体流181 で添加され得る。
容器153 内の二酸化塩素で漂白されたパルプはライン15
5 を通してポンプで送られ、ライン161 で導入される水
を用いて洗浄機16で洗浄される。漂白濾液は洗浄機16か
らライン164 を通して除去され、洗浄機15でパルプを洗
浄するのに使用され得る。脱リグニン及び漂白されたパ
ルプはライン162 で除去され、適当に次の加工又は乾燥
に付され得る。
【0066】別の選択として、図8に示す如く、約9%
乃至約40%パルプ固形分の濃度のパルプブラウンストッ
ク10は、ライン220 を通ってミキサー221 中へとポンプ
で送られ、ミキサーは好ましくは高シェアミキサーであ
って、プロセスに対し要求される操作圧力に耐え得るも
のである。ミキサー221 内のパルプは液体流276 で導入
される例えば水酸化ナトリウム溶液の如き苛性アルカリ
溶液と混合される。添加される苛性アルカリの量は好ま
しくは絶乾(o.d.)パルプ当り約2%乃至約8%の間であ
り、更に好ましくは約3%乃至約6%(w/w) である。こ
の様にして得られたパルプスラリーは更に高いシェアー
でライン220 にライン279 を通って導入される酸素ガス
と混合される。ミキサー221 中の反応混合物の温度は好
ましくは約60℃及び約 110℃の間であり、更に好ましく
は約70℃から約90℃までであり、これは蒸気注入により
達成され得る。ミキサー221 中の酸素圧力は好ましくは
約30及び約100psig の間、より好ましくは約80乃至約10
0psig の間に保持される。液体流276 中にパルプの強度
特性を持続させるのを助けるために添加され得る追加の
化学剤は、約 0.1%乃至約1%の硫酸マグネシウム、約
0.1%乃至約1%のジエチレントリアミンペンタ酢酸
(DTPA)及び約 0.5%から約3%までの珪酸ナトリ
ウムを含む。パルプはライン222を通って容器223中へポ
ンプで送られるが、この容器は通常の漂白装置から選択
される。しかし一般的に容器223 は耐圧容器であり、要
求される反応時間及び温度を達成する様に選択される。
容器223内の反応混合物の温度は好ましくは約60℃と約
110℃の間、更に好ましくは約70℃と約90℃の間であ
り、反応混合物の加熱は蒸気注入により達成され得る。
容器223 内の酸素圧力は好ましくは約30及び約100psig
の間、更に好ましくは約80及び約100psig の間に保持さ
れ、そして反応時間は好ましくは約6乃至60分の間、更
に好ましくは約25乃至50分の間である。
【0067】酸素脱リグニンの後、パルプはライン225
を通って洗浄機23中へポンプで送られ、ライン224 から
の向流の漂白濾液を用いて洗浄される。洗浄機23及び洗
浄機24及び25は、ドラム、ベルト、圧縮バッフル(compa
ction baffle) 又は圧力拡散洗浄機の如き通常の洗浄装
置から選択され得る。漂白濾液は洗浄機23からライン23
4 を通して除去され、上述の如くリサイクルされ得る。
パルプは任意の濃度であり得るが、しかし好ましくはパ
ルプ固形分重量で約10%乃至約12%の間である。過酢酸
(PA)が過酸化合物として用いられる時、最終pHは好
ましくは約2から約5であり、過酢酸は液体流280 にお
いてか、又はプロセス装置71及び73における酢酸回収及
び転化からのライン275 を通しての何れかで導入され得
る。過酸化合物との混合後、パルプはライン232 を通っ
て容器233 中にポンプで送られ、この容器は通常の漂白
装置から反応時間が約 0.3から約3時間までであり、反
応温度が約40℃と90℃の間、好ましくは50乃至60℃であ
る様に選択され、この温度は蒸気注入の様な通常の加熱
手法を用いて保持され得る。
【0068】別の選択として、オゾン段が又容器233 内
でパルプブラウンストックを処理するために用いられ得
る。オゾンによるパルプの処理は約 1.5から約5まで、
好ましくは約2から約3までのpHで、且つ約20℃乃至約
60℃、好ましくは25乃至30℃の温度で実施される。二つ
の択一的なオゾン漂白の方法が使用され得る。一つの方
法においては、約20%乃至50%の高濃度パルプについて
パルプは装置231 で脱水されるが、この装置は好ましく
は高濃度パルプ脱水プレスである。脱水後、パルプはラ
イン232 を通して容器233 へ運ばれ、この容器は通常の
漂白装置から選択され得るが、しかし好ましくは高濃度
オゾン漂白塔である。
【0069】容器233 の頂部において、パルプはけば立
たせられ、オゾンガスは容器233 中にライン236を通し
て導入され且つパルプ繊維と絶乾(o.d.)パルプに対し約
0.2乃至約2%(w/w) オゾンの濃度において反応され
る。別法として、中間濃度のパルプが使用される時、オ
ゾンはパルプに対してオゾン溶液又はオゾンガスとして
ミキサー231 において導入される。オゾン溶液は最初に
オゾンガスを水の上で圧縮させ、その圧力をオゾン溶液
がパルプと混合された後オゾン濃度が絶乾(o.d.)パルプ
に対し約 0.2%乃至約2%(w/w) オゾンである様にする
に十分なオゾンを水中に溶解させるに十分な高い圧力と
する。オゾン溶液はミキサー231 中に液体流280 を通し
て導入され、パルプと混合される。得られた反応混合物
はライン232を通して容器233 中にポンプで送られる
が、この容器は通常の漂白塔であって、好ましくは反応
パラメータに適合する様に選択される。pHは液体流281
においてミキサー231 中にライン230 で導入され得る硫
酸の如き酸を用いて適当なレベルに調節され得る。パル
プは次いでライン235 を通って洗浄機24へとポンプで送
られ、そしてもし必要なら、パルプpHは液体流237 にお
いて苛性アルカリを用いて約9から11までのpHへ調節さ
れ、そして更にライン263 において導入される水による
引き続く洗浄により中性のpHへと調整され得る。
【0070】過酸化合物処理段又はオゾン処理段の後パ
ルプはライン235 を通して洗浄機24へとポンプで送られ
る。パルプは洗浄機24においてライン263 で導入される
水で洗浄される。洗浄機24におけるパルプの洗浄後、パ
ルプはライン240 を通ってミキサー241 中へポンプで送
られる。ミキサー241 中のパルプは液体流277 で導入さ
れ且つ絶乾(o.d.)パルプに対し約 0.1%から約2%(w/
w) の範囲の二酸化塩素を含有する二酸化塩素の液体溶
液と混合される。ミキサー241 内の反応混合物の温度は
約30℃乃至70℃であって、蒸気注入により達成され得
る。反応混合物はライン242 を通って容器243 中へポン
プで送られるが、この容器は通常の漂白装置から選択さ
れ得るが、しかし一般に容器243 は必要な反応時間及び
温度を達成する様に選択される。容器243 中の反応は約
30乃至約70℃の温度で進行し、反応時間は約 0.3乃至約
3時間、好ましくは 1.5乃至3時間である。容器243 内
の二酸化塩素漂白反応は約2から約 4.5までの最終pHで
前進せしめられ、苛性アルカリがこの範囲にpHを保持す
るために必要に応じて液体流277 において添加され得
る。容器243 内の二酸化塩素で漂白されたパルプはライ
ン245 を通してポンプで送られ、洗浄機25でライン261
を通して導入された水を用いて洗浄される。洗浄機25で
パルプを洗浄することから生ずる濾液はライン254 を通
ってポンプで送られ、塩素及び塩素化生成物を除去する
ための通常の処理に付される。処理後、得られた漂白濾
液はライン234 からの漂白濾液と結合されて、上述の如
くリサイクルされ得る。脱リグニン及び漂白されたパル
プはラインにおいて除去され、適当に次の加工又は乾燥
に付され得る。
【0071】
【実施例】別に付記した場合を除いては、以下の実施例
において凡てのパルプはオルガノソルブ(organosolv)パ
ルプ化プロセスを用いて調製されるオルガノソルブパル
プである。パルプ化後、パルプは冷却され、抽出容器か
ら除去され、そして更にパルプ化の現場において慣用さ
れている様に篩別されて、各実施例中に指示されたカッ
パ数と粘度を有するパルプブラウンストックを得る。
【0072】オルガノソルブパルプで証明された高めら
れた新規な効果はパルプ一般に応用可能であると信ぜら
れる。それ故以下の例は本発明をある特定のパルプに限
定するものと解さるべきではない。次の二つの例はオル
ガノソルブパルプの酸素脱リグニンの効果を示す。
【0073】例1 順序O カバノキ/カエデ/ポプラ(Birch/maple/aspen) のオル
ガノソルブパルプを4%水酸化ナトリウム及び 0.5%Mg
SO4 と12%の濃度で混合し、クアンタム テクノロジー
ズ マークII(Quantum Technologies Mark II)高シェア
ーミキサーの混合室内に置かれる。室は次いで蓋がさ
れ、O2ガスをフラッシュして室にO2で圧力をかけたり解
放したりし、次いで室を最終の100psig のO2圧力へと充
填する。パルプは次いでこの圧力で4秒間高速度で混合
され、そして約85℃で45分間、低速度で時々攪拌して反
応される。結果は以下に示す。
【0074】 カッパ数 粘度(cps) 1. オルガノソルブブラウンストック 36.1 23.8 2. 酸素脱リグニン 8.1 22.4 容易にわかる様に、脱リグニンされたパルプのカッパ数
は約63%減少されたが、一方粘度は実質上同一に留まっ
た。
【0075】例2 順序O ポプラのオルガノソルブパルプを、酸素圧力が80psigに
保持されたことを除いて、例1と同様に処理した。
【0076】 カッパ数 粘度(cps) 1. オルガノソルブブラウンストック 36.6 20.7 2. 酸素脱リグニン 9.0 18.9 カッパ数の減少は約75%で、粘度は2cps の小さな減少
であった。例1及び例2の両者においてカッパ数におけ
る減少は9乃至13の範囲における最終カッパ数へと約70
%であり、粘度においては約2cps 又は以下のオーダー
の小さな減少であった。
【0077】例3 ブリチッシュ コロンビア、プリンス ルパート、スキ
ーナ セルロース インコーポレイテッド(Skeena Cell
ulose Incorporated, Prince Rupert, BritishColumbi
a) から得られたクラフト軟材ブラウンストックが例1
におけると同様に処理された。図2において黒丸により
示した如く、オルガノソルブパルプの粘度は増加した酸
素脱リグニンについて実質上不変であった。これと対照
的に、クラフトブラウンストックのパルプは白丸で示し
た様に、増加する酸素脱リグニンと共に直線的な粘度減
少を示す。例4及び5において酸化抽出(Eo)プロセ
スが第一段としてオルガノソルブパルプを脱リグニンす
るために用いられた。
【0078】例4 順序Eo ポプラオルガノソルブパルプがクアンタム テクノロジ
ーズ マークIIの高シェアーの混合室に置かれた。4%
水酸化ナトリウム及び 0.5%MgSO4 の仕込量が11%乃至
12%濃度において密封された室中に注入された。酸素は
32psigで高シェアーミキサー中で4秒間混合された。次
の12分間に亘って酸素圧力は次第に解放され、圧力が大
気圧になるまで行われた。パルプはミキサー中に70℃に
おいて次の45分間留まり、低速度で時々攪拌された。
【0079】 カッパ数 粘度(cps) 1. オルガノソルブブラウンストック 32.2 29.8 2. 酸素抽出(Eo ) 16.7 26.7例5 順序Eo カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブパルプが当
初の酸素圧力が60psigであることを除いては例4におけ
ると同様に処理された。
【0080】 カッパ数 粘度(cps) 1. オルガノソルブブラウンストック 36.7 17.6 2. 酸素抽出(Eo ) 18.2 17.8 例4及び5は酸化抽出条件が用いられる時、パルプのカ
ッパ数は約50%減少し、16乃至18の範囲の最終カッパ数
となるが、粘度においては約3cps 又は以下のオーダー
での僅かな減少であった。酸化抽出を用いる一つの利点
は、それが漂白プラント構造又は設計の観点からより低
い資本投資しか必要としないことである。次の例におい
ては、パルプは最初に酸素で脱リグニンされ、次いで過
酢酸で処理される。
【0081】例6 順序O(PA) カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブパルプは例
1と同様に10.3のカッパ数まで酸素で脱リグニンされ、
次いで過酢酸で処理された。酸素脱リグニンはパルプス
ラリーを約12%の濃度でNaOHの4%溶液と、85℃、100p
sig で45分間混合することにより遂行された。 1.0%Mg
SO4 が又反応混合物に対し添加された。過酢酸段は 2.7
%又は 1.3%の何れかの過酢酸と 2.5%NaOH又は 4.0%
NaOHとそれぞれ10%濃度で混合することにより遂行され
た。それに加え、 0.5%DTPA、 0.5%MgSO4 及び
4.0%Na2SiO4 がそれぞれの反応混合物の両者に対し加
えられた。反応時間は60℃で1時間であった。
【0082】これらの処理の結果は下記に示される: カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 29.0 22.9 − 2. 酸素脱リグニン 10.3 22.5 36.4 3. 酸素脱リグニン +1.3%過酢酸 5.3 24.1 58.5 4. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 4.0 22.3 64.7 パルプの酸素脱リグニンに過酢酸処理段が続く時、約65
%の酸素脱リグニンがカッパ数 5.3乃至4へとほぼ更に
50%だけ著しく増加され、粘度においては実質上全く減
少がないことを示す。かかる処理段階は又パルプの白色
度を約37ISOから約59乃至65ISOへと増加する。次
の例においては、酸素で脱リグニンされたパルプが酸素
脱リグニン後、過酸化合物への二段の露出により処理さ
れた。
【0083】例7 順序O(PA)(PA)及びO(PA)P 例6の酸素脱リグニンパルプが次いで例6で述べられて
いる 1.3%又は 2.7%過酢酸処理段の何れかで処理され
た。第三の処理段は 1.3%過酢酸又は 1.0%過酸化水素
の何れかで行われた。過酢酸による第三の処理段は 1.3
%過酢酸、 2.5%NaOH、 0.1%MgSO4 、0.1%DTPA
及びNa2SiO4を1時間60℃で10%濃度で反応させること
により遂行された。過酸化水素による第三の処理段はパ
ルプを 1.0%H2O2、 1.0%NaOH、MgSO4 、 0.2%DTP
A及び 0.4%Na2SiO4 と60℃及び10%濃度で1時間反応
させることにより遂行された。過酸化水素による第四の
処理段はパルプを1%H2O2、 0.8%NaOH及び 0.5%DT
PAと12%濃度において60分70℃で反応させることによ
り達成される。
【0084】これらの処理の結果は下記に示される: カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 29.0 22.9 − 2. 酸素脱リグニン 10.3 22.5 36.4 3. 酸素脱リグニン +1.3%過酢酸 +1.3%過酢酸 −* 17.5 68.1 4. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 +1.3%過酢酸 −* 21.7 76.5 5. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 +1.0%過酸化水素 −* 14.8 76.5 * カッパ数は余りに低くて正確には測定できなかった。
【0085】実験3及び4における酸素脱リグニンに続
く順次の過酢酸処理段は68.1ISO及び76.5ISOとい
う高い白色度レベルに到り、又粘度における小さな減少
(それぞれ5及び1cps)を伴うのみであった。実験5に
おける過酸化水素での処理は、白色度レベルは又76.5I
SOであるけれども、粘度における著しくより大きな減
少を生ずる様に見える。上述の白色度レベルは何ら塩素
含有漂白化合物なしに達成され、それ故脱リグニン及び
漂白されたパルプは塩素ベースの漂白薬品からのTOX
含有量はゼロレベルであり、それに対応して漂白流出物
はAOX含有量がゼロレベルであることが注目さるべき
である。
【0086】例8 順序O(PA)DおよびO(PA)DD 例5からのオルガノソルブパルプは例6における如く酸
素でカッパ数10.3へ脱リグニンされた。パルプは次いで
過酢酸及び二酸化塩素の引き続く処理を用いて漂白され
た。脱リグニン及び過酢酸による第二段処理は例7と同
様に遂行された。 0.4%及び 0.8%の二酸化塩素による
第三の処理段はそれぞれ 0.4%ClO2及びNaOHなしでパル
プと10%濃度で3時間か、又は 0.8%ClO2及び0.35%Na
OHをパルプと同じ条件かの何れかで反応させることによ
り遂行された。 0.4%二酸化塩素による第四の処理段は
0.4%ClO2及び 0.1%NaOHと10%濃度で3時間70℃で反
応させることにより遂行された。これらの処理の結果を
下記に示す。
【0087】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. 酸素脱リグニン 10.3 22.5 36.4 2. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 4.0 22.3 64.7 3. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 +0.4%二酸化塩素 −* 21.9 75.9 4. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 +0.8%二酸化塩素 −* 20.8 86.3 5. 酸素脱リグニン +2.7%過酢酸 +0.4%二酸化塩素 +0.4%二酸化塩素 −* 19.8 89.6 * カッパ数は余りに低くて正確には測定できなかった。
【0088】凡ての場合において、パルプ白色度は、過
酢酸及び二酸化塩素による引き続く処理段により、粘度
においては僅かしか減少せず(3cps又は以下)に著しく
増大されたが、二酸化塩素処理段を含んだ処理は白色度
において80ISOを超えるレベルへと著しい増加を生じ
た。特に実験4及び5の間の差、即ち二酸化塩素処理段
を通常の洗浄段により分割することは顕著な3ポイント
も白色度レベルを上昇させた。89ISO超の白色度レベ
ルを達成するに要求された二酸化塩素の量は十分低く、
漂白プラント流出物が未処理流出物中のパルプのトン当
り0.5kg 以下のAOXしか含まないものであった。次の
例においては、過酸化水素処理段が酸素による脱リグニ
ンに先行した。脱リグニン段の中のあるものは種々の過
酸処理段を伴っていた。
【0089】例9 順序PO、POP、PO(PA)及びPO(PA)P カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブパルプがパ
ルプの酸素脱リグニンの前に過酸化水素で処理された。
前処理すなわち第一段処理は 2.0%H2O2、 2.8%NaOH、
0.5%DTPA及び 0.5%MgSO4 で12%濃度、70℃で1
時間遂行された。酸素脱リグニンの第二段は 4.0%NaO
H、 0.5%MgSO4 で12%濃度、85℃で45分遂行された。
第三段の過酸化水素処理は処理されたパルプを2%H
2O2、1%NaOH、 0.5%MgSO4 及び 0.5%DTPAと70
℃で45分間反応させることにより達成された。第三段の
過酢酸処理は 1.5%過酢酸、1.5%NaOH、0.5%DTPA
及び0.5%MgSO4 を12%濃度で70℃3時間反応させるこ
とにより達成された。第四段の過酸化水素処理は1%H2
O2、 0.8%NaOH及び 0.5%DTPAを12%濃度で60分間
70℃で反応させることにより遂行された。
【0090】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 36.4 22.6 25.7 2. 2.0%過酸化水素 +酸素脱リグニン 6.1 19.4 51.4 3. 2.0%過酸化水素 +酸素脱リグニン +2.0%過酸化水素 3.0 15.1 66.4 4. 2.0%過酸化水素 +酸素脱リグニン +1.5%過酢酸 2.3 20.1 72.3 5. 2.0%過酸化水素 +1.5%過酢酸 +1.0%過酸化水素 −* 14.8 83.0 * カッパ数は余りに低くて正確には測定できなかった。
【0091】凡ての場合において、パルプの酸素脱リグ
ニン前の過酸化水素による前処理と引き続く過酸処理
は、大いに減少したカッパ数(83%又は以上) 、粘度の
小さな損失(8cps又は以下)及び66.4ISO乃至83IS
Oの範囲の白色度レベルを有するパルプをつくり出し
た。特に何らの塩素化合物の使用なしに、又14以上の粘
度を保持して83の白色度レベルが得られた。図5はこの
例の順序PO(PA)Pで脱リグニンされ且つ漂白され
たオルガノソルブパルプに対する叩解曲線である。PO
(PA)Pの順序でパルプ強度の著しい損失なしに83I
SOの白色度が得られ得る。かかるオルガノソルブパル
プは二酸化塩素なしに且つ塩素ベースの漂白薬品からの
TOX含有量がゼロレベルで、且つ対応して漂白流出物
のAOX含有量がゼロレベルで83ISOまで漂白され
る。次の例では過酢酸での前処理の効果又は酸性の過酢
酸処理段の効果が示される。
【0092】例10 順序(PA)O、(PA)O(PA)、(酸性PA)
O、(酸性PA)O(PA)、(酸性PA)OP及び
(酸性PA)ODED カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブブラウンス
トックがパルプが酸素脱リグニンされる前に2%過酢酸
を用いて漂白されるか、又は最初に H2SO3洗浄を用いて
酸性化され、次いで2%過酢酸で処理された。パルプは
更に二酸化塩素、過酸化物及び/又は過酢酸を用いて漂
白された。2%過酢酸の第一処理段はパルプを2%過酢
酸、 0.5%DTPA及び 0.5%MgSO4 と12%濃度で2時
間70℃で反応させることにより遂行された。2%過酢酸
の第三の処理段はパルプを2%過酢酸、 0.5%DTP
A、 0.5%MgSO4 と12%濃度で2時間70℃で反応させ、
苛性アルカリの添加によりpH5乃至7へとアルカリpH調
整されることにより遂行された。酸性化過酢酸洗浄はパ
ルプを SO2ガスがpH2乃至3へバブルされた水で洗浄す
ることにより達成された。酸素脱リグニンは4%NaOH及
び 0.5%MgSO4 で12%濃度において100psig 85℃45分間
で遂行された。実験5の第三段二酸化塩素処理はパルプ
を 0.5%ClO2と2時間70℃で反応させることにより遂行
された。これには漂白技術では慣用のやり方である様に
水酸化ナトリウム抽出の第四段が続き、そこでパルプは
2%NaOHで12%濃度において70℃で2時間抽出された。
第五段では、パルプは 0.6%ClO2、0.22%NaOHと12%濃
度で3時間70℃で反応させられた。実験6のための第三
段処理段は 2.2%NaOH、0.5%DTPA及び 1.0%Na2Si
O4 を15%濃度で2時間70℃で反応することにより達成
された。実験7に対しては、第三段は1%過酸化水素処
理がパルプを1%H2O2、1%NaOH、1%NaSiO2、 0.5%
DTPAと70℃で1時間反応させることにより遂行され
た。結果は下記に示す。
【0093】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 36.3 15.0 − 2. 2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン 5.6 13.6 50.6 3. 2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン +2.0%過酢酸 −* 13.3 73.6 4. H2SO3 洗浄 +2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン 5.0 12.4 53.8 5. H2SO3 洗浄 +2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン +0.5%二酸化塩素 +2.0%アルカリ抽出 +0.6%二酸化塩素 −* 10.9 89.8 6. H2SO3 洗浄 +2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン +1.0%過酢酸 −* 12.7 72.2 7. H2SO3 洗浄 +2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン +1.0%過酸化水素 −* 10.0 72.0 * カッパ数は余りに低くて正確には測定できなかった。
【0094】凡てのケースにおいてカッパ数が十分70%
以上減少し、粘度の減少は2乃至5cps のオーダーで、
且つ達成された白色度レベルは約50乃至約89ISOの範
囲であることがわかる。
【0095】例11 順序(PA)O この例においては、発生された過酢酸と市販で入手可能
の過酢酸との間で比較がなされた。カバノキ/カエデ/
ポプラのオルガノソルブブラウンストックが例10によ
り最初に 1.1%過酢酸で処理され、そして次いで酸素脱
リグニンされた。
【0096】結果は下記に示す: カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 29.7 25.3 − 2. 発生過酢酸 +酸素脱リグニン 5.5 24.8 53.2 3. 市販過酢酸 +酸素脱リグニン 5.7 22.7 51.6 この例において、パルプは発生された、又は市販入手可
能の過酢酸の何れでも処理され得る。過酢酸を発生する
ために用いられ得る技術の一つは酢酸の過酸化水素存在
下の酸性条件下の転化によるものである。過酸化水素及
び酢酸は所与のプロセスパラメータでの過酢酸への転化
を最適にする様に選択された適当な比率で混合される。
この例は同じ反応条件下で、同様な白色化のレスポンス
が発生された又は市販の過酢酸の何れを用いても得られ
ることを示す。例12及び13はクラフトパルプについ
て、それらが過酢酸で前処理される時でさえ達成された
より低いレベルの酸素脱リグニンを示す。それに加え、
本発明の方法により同様に処理されたパルプに比較した
時の粘度のより大きな損失及びより低い白色度のレベル
がある。
【0097】例12 順序(PA)O スキーナ セルロース インコーポレイテッド(プリン
スルパート、ブリチッシュ、コンロビア)から得られた
クラフト軟材ブラウンストックがそれを 3.0%NaOHと80
℃で30分間反応させることにより酸素で脱リグニンされ
た。ブラウンストックは脱リグニンの前にパルプを 1.0
%過酢酸、 2.2%NaOH、 0.5%DTPA及び 0.5%MgSO
4 と11のpHで2時間70℃で反応させることにより前処理
された。
【0098】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. クラフトブラウンストック 33.2 44.2 − 2. 酸素脱リグニン 21.1 28.8 25.6 3. 1.0%過酢酸 +酸素脱リグニン 19.0 23.3 34.5 明らかにカッパ数における減少は同様に処理されたオル
ガノソルブパルプよりも36%及び42%とずっと少なかっ
た。同時に粘度における損失は著しく(21乃至14cps)、
一方達成された白色度レベルは同様に処理されたオルガ
ノソルブパルプに達成された値には及ばなかった。次の
例に於いてはクラフト軟材ブラウンストックの追加の過
酢酸漂白の効果を示す。
【0099】例13 順序(PA)O(PA) 例10のクラフト軟材ブラウンストックが過酢酸で前処
理され、次いで酸素で脱リグニンされた。酸素での脱リ
グニン後、パルプは例10における如く過酢酸で処理さ
れた。
【0100】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. クラフトブラウンストック 33.2 44.2 22.8 2. 2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン 16.8 17.3 29.2 3. 2.0%過酢酸 +酸素脱リグニン +1.4%過酢酸 9.4* 17.6 44.9 * 25ml過マンガン酸塩数(permanganate number) がカッ
パ数が低い時リグニン含量の指標として用いられ得る。
概算の推定としてカッパ数は過マンガン酸塩数の約 1.5
倍である。
【0101】粘度減少は同様に処理されたオルガノソル
ブパルプよりずっと大きく、又白色度レベルもそれ程高
くなかった。本発明の他の観点において、酸素脱リグニ
ンされたオルガノソルブパルプは二つの二酸化塩素漂白
(D)段とそれらの間のアルカリ洗浄(ODED段)を
用いて高い白色度レベルまで漂白され得る。
【0102】例14 順序ODED オルガノソルブパルプは例1の条件を用いて酸素でカッ
パ数9.7 まで脱リグニンされた。このパルプは更に0.97
%ClO2と10%のパルプ濃度2時間70℃で接触された。洗
浄後パルプは 2.0%NaOHと12%濃度で2時間70℃で接触
された。このパルプは次いで洗浄され、 0.7%ClO2及び
0.3%NaOH 3時間70℃で接触された。
【0103】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 35 24.3 − 2. 酸素脱リグニン 9.7 20.1 − 3. 酸素脱リグニン +第一のClO2段 +アルカリ抽出 +第二のClO2段 − 15.9 91 例15 順序ODED オルガノソルブパルプは例1の条件を用いて酸素でカッ
パ数12.9まで脱リグニンされた。このパルプは更に1.42
%ClO2と10%のパルプ濃度2時間70℃で接触された。洗
浄後パルプは 2.0%NaOHと12%濃度で2時間70℃で接触
された。このパルプは次いで洗浄され、 0.7%ClO2及び
0.3%NaOH 3時間70℃で接触された。
【0104】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. ブラウンストック 37.4 17.6 − 2. 酸素脱リグニン 12.9 16.1 − 3. 酸素脱リグニン +第一のClO2段 +アルカリ抽出 +第二のClO2段 − 11.0 90.2 この例のパルプは残留塩素有機物含量を測るため分析さ
れ、次のレベルを有することが見出された。
【0105】 全TOX 158.0 ppm 水で浸出可能のAOX 5.4 ppm アルコール−ベンゼンで抽出可能のAOX 15.0 ppm 抽出不能の有機塩素 137.0 ppm この例は順序ODEDにより漂白されたパルプが低レベ
ルの二酸化塩素を用いて非常に高い白色度を達成するこ
とを示す。この例における未処理流出物中のAOXはパ
ルプのトン当り約 1.1kgAOXであることが予測され
る。パルプ中のTOX残渣は他のパルプに比較して又極
めて低い。
【0106】例16 順序EoDED カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノパルプが4.5%水
酸化ナトリウム及び0.5%MgSO4 の仕込で例4と同様に
処理された。酸素はパルプと50psigで混合された。次の
6分間にわたり酸素圧力は徐々に解放され、酸素圧力が
大気圧になるに到った。パルプはミキサー中に60℃で更
に45分間留まり、低速度で時折攪拌された。酸素脱リグ
ニンされたパルプは次いで二酸化塩素及びアルカリ抽出
で、例14における様に第一の漂白段において2.67%二
酸化塩素を用いて処理された。結果は下記に示す。
【0107】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 39.7 − − 2. 酸素抽出(Eo ) 22.3 27.2 − 3. 酸素抽出 +第一のClO2段 +アルカリ抽出 +第二のClO2段 − 19.0 91 容易にわかる様にオルガノソルブパルプはより温和な酸
化抽出(Eo) で脱リグニンされ、そして尚91ISOの
高い白色度を達成し得る。
【0108】例17 順序Z カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブパルプが硫
酸でpH約2乃至3へ酸性化され、次いでけば立たされ
た。はば立たされた酸性化パルプはオゾンと絶乾(o.d.)
パルプに対し約 1.3%(w/w) オゾンで接触され、オゾン
はガス相キャリヤーとして酸素中に存在する。パルプ混
合物はオゾン化の間攪拌された。
【0109】 カッパ数 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 20.7 − 2. 1.3%オゾン 6.6 48.3 容易にわかる様に、単一のオゾン段でカッパ数は約68%
減少される。
【0110】例18 順序OZ カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブパルプが例
1の条件を用いてカッパ数9.9の酸素で脱リグニンされ
た。脱リグニンパルプは例17における如く0.5%オゾ
ンで処理された。オゾン処理の後、パルプpHはNaOHを用
いて11に調整された。NaOHでの調整後、パルプは水で中
性のpHまで洗浄された。
【0111】 カッパ数 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 35 − 2. 酸素脱リグニン 9.9 − 3. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン 2.0* 65.6 * 25ml過マンガン酸塩数がカッパ数が低い時リグニン含
量の指標として用いられ得る。概算の推定として、カッ
パ数は過マンガン酸塩数の 1.5倍である。
【0112】容易にわかる様に、酸素脱リグニンとそれ
に続くオゾン段を用いて、カッパ数は90%減少され得、
達成された白色度レベルは65ISO以上である。
【0113】例19 順序OZ(edta)P、OZ(PA)、OZ(edta)PD、O
Z(PA)D カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノソルブパルプが酸
素で脱リグニンされ、例18における如くオゾンで処理
された。パルプは次いで約 0.5%EDTAで90分間70℃
で処理された。最終pHは約5乃至7であった。12%濃度
のEDTA処理パルプは過酸化水素で約2%で処理され
た。DTPAは約 0.2%で70℃で3時間添加された。過
酸化物処理パルプは更に 0.2%二酸化塩素で70℃3時間
処理された。最終pHが 3.5乃至 4.5になるのに十分なNa
OHが加えられた。カバノキ/カエデ/ポプラのオルガノ
ソルブパルプが酸素で脱リグニンされ、例18における
如くオゾンで処理された。パルプは次いで2%過酢酸で
12%濃度で処理された。約5乃至7のpHになるに十分な
NaOHが加えられた。DTPAは約0.2%で加えられ、反
応は約3時間70℃で行われた。過酢酸処理パルプは更に
0.2%二酸化塩素で70℃において3時間処理された。最
終pHが約 3.5乃至 4.5によるのに十分なNaOHが加えられ
た。
【0114】 カッパ数 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 36.3 − 2. 酸素脱リグニン 9.9 − 3. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン 2.0* 65.6 4. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン +0.5%EDTA +2%過酸化水素 − 81.1 5. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン +2%過酢酸 − 84.1 6. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン +0.5%EDTA +2%過酸化水素 +0.2% ClO2 − 89.1 7. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン +2%過酢酸 +0.2% ClO2 − 89.6 * 25ml過マンガン酸塩数がカッパ数が低い時リグニン含
量の指標として用いられ得る。概算の推定として、カッ
パ数は過マンガン酸塩数の 1.5倍である。
【0115】容易にわかる様に、84ISO以上の白色度
が二酸化塩素の添加なしに達成され得る。かかるパルプ
は塩素ベースの漂白薬品からのTOX含有量はゼロレベ
ルで、対応して漂白流出物のAOX含有量はゼロレベル
であろう。
【0116】例20 順序ZO カエデ/ポプラ/カバノキのオルガノソルブパルプが
0.5%オゾンで例17における如く処理され、次いで例
1の条件を用いて酸素で脱リグニンされた。
【0117】 カッパ数 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 20.7 − 2. 0.5%オゾン 6.6 48.3 3. 0.5%オゾン +酸素脱リグニン 4.2 58.3 この例はオゾン段は酸素脱リグニン段の前及び後でパル
プを更に脱リグニンし得ることを示す。約80%のカッパ
数における減少が達成され得る。
【0118】例21 順序ZO(edta)P カエデ/ポプラ/カバノキのオルガノソルブパルプが例
20における如く処理された。パルプは次いで過酸化水
素で処理された。過酸化水素段は 2.5%過酸化水素と最
終pH10までのNaOHを3時間混合することにより達成され
る。EDTAは約 0.5%で約10乃至12%の濃度において
90分間70℃で添加された。結果は下記に示す。
【0119】 カッパ数 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 20.7 − 2. 0.5%オゾン 6.6 48.3 3. 0.5%オゾン +酸素脱リグニン 4.2 58.3 4. 0.5%オゾン +酸素脱リグニン +0.5%EDTA +2.5%過酸化水素 − 86 この例は約86ISOが一つのオゾン段に続く酸素脱リグ
ニンと過酸化水素段で達成され得ることを示す。二酸化
塩素なしに約86ISOまで漂白されたかかるオルガノソ
ルブパルプは塩素ベース漂白薬品からのTOX含有量は
ゼロレベルで、対応して漂白流出物のAOX含有量もゼ
ロレベルであろう。
【0120】例22 順序OZD 例18のオルガノソルブパルプが例8における如く二酸
化塩素で漂白された。
【0121】 カッパ数 白色度(ISO) 1. オルガノソルブブラウンストック 35 65.6 2. 酸素脱リグニン 9.9 3. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン 2.0* 65.6 4. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン +0.8% ClO2 − 89 5. 酸素脱リグニン +0.5%オゾン +0.4% ClO2 +0.4% ClO2 − 90 * 25ml過マンガン酸塩数がカッパ数が低い時リグニン含
量の指標として用いられ得る。概算の推定として、カッ
パ数は過マンガン酸塩数の 1.5倍である。
【0122】容易にわかる様に、一段又は二つの連続段
における二酸化塩素の少量は白色度を90ISOまで改良
した。次の例はオルガノソルブ及び軟材クラフトブラウ
ンストックパルプの混合物の連続的脱リグニン及び漂白
を示す。
【0123】例23 順序EoDEp この例は漂白濾液の向流リサイクルによる連続的脱リグ
ニン及び漂白を示す。脱リグニン及び漂白の段の間にパ
ルプは次の処理段の漂白濾液を用いて洗浄された。80%
のオルガノソルブパルプと20%のクラフトブラウンスト
ックパルプを含む約11%乃至15%濃度の混合ブラウンス
トックパルプがEoDEpD段を用いて脱リグニン及び漂
白された。(Eo)段においては混合パルプは例4にお
ける如く約3.2%の水酸化ナトリウム仕込みを用いて酸
化抽出段で処理された。酸化抽出の後、パルプは(Ep)
段の濾液で洗浄された。次の段において、混合されたパ
ルプは第一の二酸化塩素段で絶乾(o.d.)パルプ当り二酸
化塩素約3%(w/w) で例14に類似の条件下で処理され
た。二酸化塩素漂白パルプは(Ep) 段に続く第二の二
酸化塩素漂白段からの漂白濾液で洗浄された。二酸化塩
素漂白パルプはアルカリ抽出段に付されたが、これは
0.2%過酸化水素の添加を含み、例と同じ条件を用いて
約 0.7%の水酸化ナトリウム仕込みで行われた。第二の
二酸化塩素段は 1.2%ClO2で続いて行われ、pHは水酸化
ナトリウムを用いて約 3.5乃至 4.5の範囲に調整され
た。結果は以下に示す。
【0124】 カッパ数 粘度(cps) 白色度(ISO) 1. ブラウンストック 30 − − 2. 酸化抽出 24 − − 3. 酸化抽出 +第一のClO2段 +アルカリ抽出 − 27.5 67 4. 酸化抽出 +第一のClO2段 +アルカリ抽出 +第二のClO2段 − 21 89 この例は図7に示した如くプロセスを用いた現場試験を
示す。併しながらこの例においては、より温和な脱リグ
ニン処理である酸化抽出(Eo) が酸素脱リグニンの代
わりに用いられた。図7のアルカリ抽出段階(E)へ、
低いレベルの過酸化水素が漂白パルプの白色度を増大す
るために添加された。89ISOのパルプ白色度が得られ
た。
【0125】本発明はその好ましい特定の実施態様に関
連して記載されたが、上述の記述並びに例は本発明を説
明するためのもので、その範囲を限定することを意図し
ないものである。本発明の範囲内で他の観点、利益及び
変形が本発明に属する分野の当業者には明らかであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素脱リグニン(O2)(Δ)後及び酸化抽出
(Eo)(o)後のアルセル(ALCELL)パルプのカ
ッパ数における減少を示すグラフである。
【図2】アルセル及びクラフトパルプの酸素脱リグニン
後のカッパ数及び粘度値の減少を比較するグラフであ
る。
【図3】順序EoDEDで88ISOまで漂白されたオル
ガノソルブカバノキパルプに対する叩解曲線である。
【図4】順序ODEDで88ISOまで漂白されたオルガ
ノソルブカバノキ/ポプラ/カエデパルプに対する叩解
曲線である。
【図5】順序PO(PA)Pで83ISOまで漂白された
オルガノソルブカバノキ/ポプラ/カエデパルプに対す
る叩解曲線である。
【図6】パルプブラウンストックの溶剤及び漂白濾液の
向流洗浄及びリサイクルを用い且つ次の順序を用いる連
続酸脱リグニン及び漂白のためのプロセスのフローチャ
ートである:(過酸)O(過酸)(過酸)及び(過酸)
OZ(過酸)。ここで(過酸)は過酸化水素又は過酢酸
の何れかである。
【図7】パルプブラウンストックの溶剤及び漂白濾液の
向流洗浄及びリサイクルを用い且つ次の順序を用いる連
続酸脱リグニン及び漂白のためのプロセスのフローチャ
ートである:ODEoD及びODED。
【図8】パルプブラウンストックの溶剤及び漂白濾液の
向流洗浄及びリサイクルを用い且つ次の順序を用いる連
続酸脱リグニン及び漂白のためのプロセスのフローチャ
ートである:O(過酸)D及びOZD。ここで(過酸)
は過酸化水素又は過酢酸の何れかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャイロ・エイチ・ローラ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19063メ ディア,キャンビィ・チェイス・7 (72)発明者 ジャンヌ・エル・パワーズ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19342グ レン・ミルズ,ソーントン・ロード・416

Claims (67)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプの酸素脱リグニンにより、該パル
    プの残留リグニンが50%超減少し、且つ該パルプの粘度
    が約8cps 未満減少するパルプの脱リグニン方法。
  2. 【請求項2】 該パルプの残留リグニンが約50%から約
    76%までの範囲で減少する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 該パルプ粘度が約2乃至約5cps 未満で
    減少する請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 該酸素脱リグニンが該パルプを絶乾パル
    プに対し約2%乃至約8%(w/w) の水酸化ナトリウムと
    約60乃至 110℃の温度、約30乃至 100psigの酸素圧力及
    び約6乃至60分の反応時間で反応することにより行われ
    る請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 更に該パルプを該酸素脱リグニンを実施
    する前に、過酢酸及び過酸化水素からなる群から選ばれ
    た過酸化合物を用いる少なくとも一つの処理段で前処理
    することからなる請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 該過酸化合物が過酢酸である請求項5の
    方法。
  7. 【請求項7】 該過酢酸が絶乾パルプに対し約 0.5%乃
    至約4%(w/w) の範囲内である請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 該過酸化合物が過酸化水素である請求項
    7の方法。
  9. 【請求項9】 該過酸化水素が絶乾パルプに基づき約
    0.5%乃至約4%(w/w)の範囲内である請求項8の方
    法。
  10. 【請求項10】 該過酸処理段より前に酸洗浄段がある
    請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 該酸洗浄液が、該パルプが約2乃至約
    3のpHになるまで、二酸化硫黄をバブリングすることか
    らなる請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 該過酸処理段より前に遷移金属キレー
    ト剤による処理段があり、該遷移金属キレート剤がエチ
    レンジアミン4酢酸及びジエチレントリアミン5酢酸か
    らなる群から選ばれる請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 該金属キレート剤が絶乾パルプに対し
    約0.05%乃至約1%(w/w)金属キレート剤である請求項
    12の方法。
  14. 【請求項14】 更に該酸素脱リグニンパルプを過酢酸
    及び過酸化水素からなる群から選ばれた過酸化合物を用
    いる少なくとも一つの処理段で処理することからなる請
    求項4の方法。
  15. 【請求項15】 該過酸化合物が過酢酸である請求項1
    4の方法。
  16. 【請求項16】 該過酢酸が絶乾パルプに対し約 0.5%
    乃至約4%(w/w)過酢酸の範囲である請求項15の方
    法。
  17. 【請求項17】 該過酢酸が過酸化水素である請求項1
    6の方法。
  18. 【請求項18】 該過酸化水素が絶乾パルプに対し約
    0.5%乃至約4%(w/w)過酸化水素の範囲である請求項
    17の方法。
  19. 【請求項19】 該過酸処理段に先行して酸洗浄段があ
    る請求項18の方法。
  20. 【請求項20】 該酸洗浄段が、該パルプが約2乃至3
    のpHになるまで、二酸化硫黄をバブリングすることから
    なる請求項19の方法。
  21. 【請求項21】 該過酸処理段より前に遷移金属キレー
    ト剤による処理段があり、該遷移金属キレート剤がエチ
    レンジアミン4酢酸及びジエチレントリアミン5酢酸か
    らなる群から選ばれる請求項14の方法。
  22. 【請求項22】 該金属キレート剤が絶乾パルプに対し
    約0.05%乃至約1%(w/w)金属キレート剤である請求項
    21の方法。
  23. 【請求項23】 該過酸処理段のあとに該パルプを更に
    脱リグニンするための酸化抽出段が続く請求項14の方
    法。
  24. 【請求項24】 該酸化抽出段が該パルプを絶乾パルプ
    当り約2%乃至約5%(w/w)の水酸化ナトリウムと、約
    60乃至 110℃の温度、約30乃至100psig の酸素圧力及び
    約6乃至60分の反応時間で反応させることにより行わ
    れ、そして該パルプが約9%乃至40%のパルプ固形分の
    濃度である請求項23の方法。
  25. 【請求項25】 該酸素脱リグニンを実施する前に、更
    にオゾンガスを用いる少なくとも一つの処理段で該パル
    プを予備処理することからなる請求項4の方法。
  26. 【請求項26】 該オゾン処理段が約 1.5乃至5のpHに
    おいて、約20乃至約60℃の温度で行われ、且つ該パルプ
    が約10%乃至50%パルプ固形分の濃度であり、且つ該オ
    ゾンガスが絶乾パルプ当り約 0.2%乃至2%(w/w)オゾ
    ンである請求項25の方法。
  27. 【請求項27】 更に該酸素脱リグニンパルプをオゾン
    ガスを用いる少なくとも一つの処理段で処理することか
    らなる請求項4の方法。
  28. 【請求項28】 該オゾン処理段が約 1.5乃至5のpHに
    おいて、約20乃至約60℃の温度で行われ、且つ該パルプ
    が約10%乃至50%パルプ固形分の濃度であり、且つ該オ
    ゾンガスが絶乾パルプ当り約 0.2%乃至2%(w/w)オゾ
    ンである請求項27の方法。
  29. 【請求項29】 該オゾン処理段のあとに該パルプを更
    に脱リグニンするための酸化抽出段が続く請求項27の
    方法。
  30. 【請求項30】 該酸化抽出段が該パルプを絶乾パルプ
    当り約2%乃至約5%(w/w)の水酸化ナトリウムと、約
    60乃至 110℃の温度、約30乃至100psig の酸素圧力及び
    約6乃至60分の反応時間で反応させることにより行わ
    れ、そして該パルプが約9%乃至40%のパルプ固形分の
    濃度である請求項29の方法。
  31. 【請求項31】 該オゾン脱リグニンのあとに少なくと
    も一つの二酸化塩素処理段が続く請求項4の方法。
  32. 【請求項32】 該二酸化塩素処理段が該パルプを絶乾
    パルプ当り約 0.2%乃至約 1.5%(w/w)の二酸化塩素
    と、約2乃至3のpHで約30乃至70℃の温度、約0.3乃至
    2時間の反応時間で反応させ、該パルプは9%乃至約15
    %パルプ固形分である請求項31の方法。
  33. 【請求項33】 該オゾン処理段のあとに該パルプを更
    に脱リグニンするための酸化抽出段が続く請求項25の
    方法。
  34. 【請求項34】 該酸化抽出段が該パルプを絶乾パルプ
    当り約2%乃至約5%(w/w)の水酸化ナトリウムと、約
    60乃至 110℃の温度、約30乃至100psig の酸素圧力及び
    約6乃至60分の反応時間で反応させることにより行わ
    れ、そして該パルプが約9%乃至40%のパルプ固形分の
    濃度である請求項33の方法。
  35. 【請求項35】 該過酸処理段のあとに少なくとも一つ
    の二酸化塩素処理段が続く請求項14の方法。
  36. 【請求項36】 該二酸化塩素処理段が該パルプを絶乾
    パルプ当り約 0.2%乃至約 1.5%(w/w)の二酸化塩素
    と、約2乃至3のpHで約30乃至70℃の温度、約0.3乃至
    2時間の反応時間で反応させ、該パルプは9%乃至約15
    %パルプ固形分である請求項35の方法。
  37. 【請求項37】 該二酸化塩素処理段のあとに該パルプ
    を更に脱リグニンするための酸化抽出段が続く請求項3
    6の方法。
  38. 【請求項38】 該酸化抽出段が該パルプを絶乾パルプ
    当り約2%乃至約5%(w/w)の水酸化ナトリウムと、約
    60乃至 110℃の温度、約30乃至100psig の酸素圧力及び
    約6乃至60分の反応時間で反応させることにより行わ
    れ、そして該パルプが約9%乃至40%のパルプ固形分の
    濃度である請求項37の方法。
  39. 【請求項39】 該オゾン処理段のあとに少なくとも一
    つの二酸化塩素処理段が続く請求項25の方法。
  40. 【請求項40】 該二酸化塩素処理段が該パルプを絶乾
    パルプ当り約 0.2%乃至約 1.5%(w/w)の二酸化塩素
    と、約2乃至3のpHで約30乃至70℃の温度、約0.3乃至
    2時間の反応時間で反応させ、該パルプは9%乃至約15
    %パルプ固形分である請求項39の方法。
  41. 【請求項41】 パルプの脱リグニン及び漂白により該
    パルプの残留リグニンを50%超減少し且つ該パルプの粘
    度が約8cps 未満だけ減少する連続的方法であって、次
    の段階からなる方法: (1) 該パルプを約10%乃至約15%パルプ固形分の濃度
    で、少なくとも一つの過酸化合物で処理し、該過酸化合
    物は過酸化水素及び過酢酸からなる群から選ばれ、又該
    過酸化合物は絶乾パルプ当り約 0.2%乃至2%(w/w) 過
    酸化合物であり、約 8.5乃至約11の最終pH、約40乃至90
    ℃の温度で、且つ約 0.3乃至3時間の反応時間である; (2) 該過酸処理パルプを、絶乾パルプ当り約2%乃至約
    8%(w/w) 水酸化ナトリウムで、約60乃至 110℃の温
    度、約30乃至100psig の酸素圧力及び約6乃至60分の反
    応時間で酸素脱リグニンする; (3) 該酸素脱リグニンしたパルプを約10%乃至約12%の
    パルプ固形分で、少なくとも一つの過酸化合物で処理
    し、該過酸化合物は過酸化水素及び過酢酸から選ばれ、
    且つ該過酸化合物は絶乾パルプ当り約 0.2%乃至2%(w
    /w) 過酸化合物であり、約 8.5乃至約11の最終pH、約40
    乃至90℃の温度で、且つ約 0.3乃至約3時間の反応時間
    である。
  42. 【請求項42】 パルプの脱リグニン及び漂白により該
    パルプの残留リグニンを50%超減少し且つ該パルプの粘
    度が約8cps 未満だけ減少する連続的方法であって、次
    の段階からなる方法: (1) 該パルプを約10%乃至約15%パルプ固形分の濃度
    で、少なくとも一つの過酸化合物で処理し、該過酸化合
    物は過酸化水素及び過酢酸からなる群から選ばれ、又該
    過酸化合物は絶乾パルプ当り約 0.2%乃至2%(w/w) 過
    酸化合物であり、約 8.5乃至約11の最終pH、約40乃至90
    ℃の温度で、且つ約 0.3乃至3時間の反応時間である; (2) 該過酸処理パルプを、絶乾パルプ当り約2%乃至約
    8%(w/w) 水酸化ナトリウムで、約60乃至 110℃の温
    度、約30乃至100psig の酸素圧力及び約6乃至60分の反
    応時間で酸素脱リグニンする; (3) 該酸素脱リグニンしたパルプを約20%乃至約50%の
    パルプ固形分で、オゾンガスで約 1.5乃至5のpHで約20
    ℃乃至約60℃の温度で処理し、該オゾンガスは絶乾パル
    プ当り約 0.2%乃至2%(w/w) オゾンである; (4) オゾン処理パルプを約10%乃至約12%のパルプ固形
    分で、少なくとも一つの過酸化合物で処理し、該過酸化
    合物は過酸化水素及び過酢酸から選ばれ、且つ該過酸化
    合物は絶乾パルプ当り約0.2%乃至2%(w/w)過酸化合物
    であり、約8.5乃至約11の最終pH、約40℃乃至90℃の温
    度で、且つ約 0.3乃至約3時間の反応時間である。
  43. 【請求項43】 パルプの脱リグニン及び漂白により該
    パルプの残留リグニンを50%超減少し且つ該パルプの粘
    度が約8cps 未満だけ減少する連続的方法であって、次
    の段階からなる方法: (1) パルプを、絶乾パルプ当り約2%乃至約8%(w/w)
    水酸化ナトリウムで、約60℃乃至 110℃の温度、約30乃
    至100psig の酸素圧力及び約6乃至60分の反応時間で酸
    素脱リグニンする; (2) 該酸素脱リグニンパルプを約10%乃至約12%パルプ
    固形分の濃度で、少なくとも一つの過酸化合物で処理
    し、該過酸化合物は過酸化水素及び過酢酸からなる群か
    ら選ばれ、又該過酸化合物は絶乾パルプ当り約 0.2%乃
    至2%(w/w) 過酸化合物であり、約 8.5乃至約11の最終
    pH、約40℃乃至90℃の温度で、且つ約 0.3乃至3時間の
    反応時間である; (3) 該過酸処理パルプを二酸化塩素で処理し、その際該
    パルプを絶乾パルプ当り約 0.2乃至 1.5%(w/w) の二酸
    化塩素と、約2乃至3のpH、約30℃乃至70℃の温度、及
    び約 0.3乃至2時間の反応時間で反応させ、且つ該パル
    プは約9%乃至約15%のパルプ固形分の濃度である。
  44. 【請求項44】 パルプの脱リグニン及び漂白により該
    パルプの残留リグニンを50%超減少し且つ該パルプの粘
    度が約8cps 未満だけ減少する連続的方法であって、次
    の段階からなる方法: (1) パルプを、絶乾パルプ当り約2%乃至約8%(w/w)
    水酸化ナトリウムで、約60℃乃至 110℃の温度、約30乃
    至100psig の酸素圧力及び約6乃至60分の反応時間で酸
    素脱リグニンする; (2) 該酸素脱リグニンパルプを約20%乃至約50%パルプ
    固形分の濃度で、オゾンガスで約 1.5乃至5のpHにおい
    て、約20℃乃至約60℃の温度で処理し、且つ該オゾンガ
    スは絶乾パルプ当り約 0.2%乃至2%(w/w) である; (3) 該オゾン処理パルプを二酸化塩素で処理し、その際
    該オゾン処理パルプを絶乾パルプ当り約 0.2乃至 1.5%
    (w/w) の二酸化塩素と、約2乃至3のpH、約30℃乃至70
    ℃の温度、及び約 0.3乃至2時間の反応時間で反応さ
    せ、且つ該パルプは約9%乃至約15%のパルプ固形分の
    濃度である。
  45. 【請求項45】 パルプの脱リグニン及び漂白により該
    パルプの残留リグニンを50%超減少し且つ該パルプの粘
    度が約8cps 未満だけ減少する連続的方法であって、次
    の段階からなる方法: (1) パルプを、絶乾パルプ当り約2%乃至約8%(w/w)
    水酸化ナトリウムで、約60℃乃至 110℃の温度、約30乃
    至100psig の酸素圧力及び約6乃至60分の反応時間で酸
    素脱リグニンする; (2) 該酸素脱リグニンパルプを二酸化塩素で第一の漂白
    段において処理し、その際該オゾン処理パルプを絶乾パ
    ルプ当り約 0.2乃至 1.5%(w/w) の二酸化塩素と約2乃
    至3のpH、約30℃乃至70℃の温度及び約 0.3乃至2時間
    の反応時間で反応させ、且つ該パルプは約9%乃至約15
    %のパルプ固形分である; (3) 該第一漂白パルプを酸化抽出段において、絶乾パル
    プ当り約2%乃至約5%(w/w) の水酸化ナトリウムで、
    約60℃乃至 110℃の温度、約30乃至100psig の酸素圧力
    及び約6乃至60分の反応時間で処理し、且つ該パルプは
    約9%乃至40%パルプ固形分の濃度である;及び (4) 該(3) 段のパルプを二酸化塩素で第二の漂白段にお
    いて処理し、その際該パルプを絶乾パルプ当り約 0.2乃
    至 1.5%(w/w) の二酸化塩素と約2乃至3のpH、約30℃
    乃至70℃の温度及び約 0.3乃至2時間の反応時間で反応
    させ、且つ該パルプは約9%乃至約15%のパルプ固形分
    である。
  46. 【請求項46】 パルプの酸素脱リグニン及び漂白によ
    り、該パルプの残留リグニンが50%超減少し、且つ該パ
    ルプの粘度が約8cps 未満減少し、該パルプは塩素ベー
    スの漂白薬品からの総TOXレベル200ppm未満であるパ
    ルプの酸素脱リグニン及び漂白方法。
  47. 【請求項47】 塩素ベース漂白薬品からの総TOXレ
    ベルが 200ppm 未満である木材パルプ。
  48. 【請求項48】 パルプの白色度(brightness)が91IS
    Oである請求項47の木材パルプ。
  49. 【請求項49】 塩素ベース漂白薬品からのゼロレベル
    のTOXを有する請求項47の木材パルプ。
  50. 【請求項50】 該パルプの白色度が約83乃至約86のI
    SOである請求項49の木材パルプ。
  51. 【請求項51】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項1の方法。
  52. 【請求項52】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項4の方法。
  53. 【請求項53】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項14の方法。
  54. 【請求項54】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項23の方法。
  55. 【請求項55】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項25の方法。
  56. 【請求項56】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項27の方法。
  57. 【請求項57】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項29の方法。
  58. 【請求項58】 該パルプがオルガノソルブ(organosol
    v)パルプである請求項31の方法。
  59. 【請求項59】 該パルプの白色度が約52乃至約83IS
    Oである請求項5の方法による漂白パルプ。
  60. 【請求項60】 該パルプの白色度が約52乃至約83IS
    Oである請求項14の方法による漂白パルプ。
  61. 【請求項61】 該パルプの白色度が約86ISOである
    請求項25の方法による漂白パルプ。
  62. 【請求項62】 該パルプの白色度が約65乃至約85IS
    Oである請求項27の方法による漂白パルプ。
  63. 【請求項63】 該パルプの白色度が約89乃至約91IS
    Oである請求項31の方法による漂白パルプ。
  64. 【請求項64】 該パルプの白色度が約83乃至約88IS
    Oである請求項41の方法による漂白パルプ。
  65. 【請求項65】 該パルプの白色度が約83乃至約88IS
    Oである請求項42の方法による漂白パルプ。
  66. 【請求項66】 該パルプの白色度が約90乃至約92IS
    Oである請求項43の方法による漂白パルプ。
  67. 【請求項67】 該パルプの白色度が約90乃至約92IS
    Oである請求項44の方法による漂白パルプ。
JP26468491A 1990-10-12 1991-10-14 塩素不含木材パルプ及び製造法 Pending JPH06287881A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US59676590A 1990-10-12 1990-10-12
US596765 1990-10-12
US77062891A 1991-10-03 1991-10-03
US770628 1991-10-03

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06287881A true JPH06287881A (ja) 1994-10-11

Family

ID=27082622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26468491A Pending JPH06287881A (ja) 1990-10-12 1991-10-14 塩素不含木材パルプ及び製造法

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP0480469A3 (ja)
JP (1) JPH06287881A (ja)
AU (2) AU8575691A (ja)
BR (1) BR9104455A (ja)
CA (1) CA2053035C (ja)
FI (1) FI914766A (ja)
MX (1) MX9101558A (ja)
PT (1) PT99205A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316997A (ja) * 2000-02-28 2001-11-16 Oji Paper Co Ltd 中性紙
JP2016524053A (ja) * 2013-06-13 2016-08-12 レール・リキード・ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード マグネシウムイオンの存在下におけるオゾンでの処理により化学パルプを処理するための方法
JP2016537521A (ja) * 2013-11-26 2016-12-01 レンツィング アクチェンゲゼルシャフト 再生セルロースからの成形体の製造において使用される回収綿繊維を前処理する方法

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE122421T1 (de) * 1990-05-17 1995-05-15 Union Camp Patent Holding Umweltfreundlicheres verfahren zum bleichen von lignocellulosischen materialien.
SE512137C2 (sv) 1992-10-29 2000-01-31 Eka Chemicals Ab Förfarande för blekning av lignocellulosahaltig massa
MX9307415A (es) * 1992-11-27 1994-07-29 Eka Nobel Ab Proceso para la deslignificacion de pulpa que contiene lignocelulosa.
US6007678A (en) * 1992-11-27 1999-12-28 Eka Nobel Ab Process for delignification of lignocellulose-containing pulp with an organic peracid or salts thereof
BE1006881A3 (fr) * 1993-03-02 1995-01-17 Solvay Interox Procede pour la delignification d'une pate a papier chimique.
CA2163389A1 (en) * 1994-11-23 1996-05-24 Malcolm Cronlund Chlorine-free organosolv pulps
WO1997036040A1 (en) * 1996-03-25 1997-10-02 Alcell Technologies Inc. Ozone-bleached organosolv pulps
SE532370C2 (sv) * 2008-02-28 2009-12-29 Metso Paper Inc Metod för blekning av en massa
BRPI1012052A2 (pt) 2009-05-28 2017-12-26 Gp Cellulose Gmbh fibras kraft hidrolisadas e quimicamente modificadas e métodos de produção e de branqueamento de fibras kraft
US9512563B2 (en) 2009-05-28 2016-12-06 Gp Cellulose Gmbh Surface treated modified cellulose from chemical kraft fiber and methods of making and using same
US9511167B2 (en) 2009-05-28 2016-12-06 Gp Cellulose Gmbh Modified cellulose from chemical kraft fiber and methods of making and using the same
US9512237B2 (en) 2009-05-28 2016-12-06 Gp Cellulose Gmbh Method for inhibiting the growth of microbes with a modified cellulose fiber
WO2012166997A2 (en) 2011-05-31 2012-12-06 Clean Chemistry, Llc Electrochemical reactor and process
CN104812706B (zh) 2012-09-07 2019-06-25 清洁化学公司 用于产生活性氧物质的系统和方法以及其应用
KR102180512B1 (ko) * 2013-02-08 2020-11-19 게페 첼루로제 게엠베하 개선된 알파 셀룰로스 함량을 갖는 연재 크래프트 섬유 및 화학적 셀룰로스 제품의 생산에서의 그의 용도
WO2014140852A2 (en) 2013-03-14 2014-09-18 Gp Cellulose Gmbh A method of making highly functional, low viscosity kraft fiber using an acidic bleaching sequence and a fiber made by the process
CN105143547B (zh) 2013-03-15 2018-05-01 Gp 纤维素股份有限公司 具有增高羧基含量的低粘度牛皮纸纤维及其制造和使用方法
WO2016037149A1 (en) 2014-09-04 2016-03-10 Clean Chemistry, Inc. Method of water treatment utilizing a peracetate oxidant solution
US10472265B2 (en) 2015-03-26 2019-11-12 Clean Chemistry, Inc. Systems and methods of reducing a bacteria population in high hydrogen sulfide water
CA3007778C (en) 2015-12-07 2023-09-26 Clean Chemistry, Inc. Methods of microbial control
US10883224B2 (en) 2015-12-07 2021-01-05 Clean Chemistry, Inc. Methods of pulp fiber treatment
US11136714B2 (en) 2016-07-25 2021-10-05 Clean Chemistry, Inc. Methods of optical brightening agent removal
US10865519B2 (en) 2016-11-16 2020-12-15 Gp Cellulose Gmbh Modified cellulose from chemical fiber and methods of making and using the same
US11311012B1 (en) 2017-09-07 2022-04-26 Clean Chemistry, Inc. Bacterial control in fermentation systems
US11591751B2 (en) * 2019-09-17 2023-02-28 Gpcp Ip Holdings Llc High efficiency fiber bleaching process

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2219505C3 (de) * 1972-04-21 1974-10-17 Deutsche Gold- Und Silber-Scheideanstalt Vormals Roessler, 6000 Frankfurt Chlorfreie Mehrstufenbleiche von Zellstoff
SE462919B (sv) * 1979-05-11 1990-09-17 Sunds Defibrator Ind Ab Saett att genomfoera alkaliextraktion av cellulosamassa i naervaro av syre
AT373303B (de) * 1981-08-06 1984-01-10 Chemiefaser Lenzing Ag Verfahren zur herstellung von zellstoffen mit niedrigem ligningehalt
US4619733A (en) * 1983-11-30 1986-10-28 Kooi Boon Lam Pollution free pulping process using recycled wash effluent from multiple bleach stages to remove black liquor and recovering sodium hydroxide from the black liquor
ATE90404T1 (de) * 1988-01-25 1993-06-15 Acetocell Gmbh & Co Kg Verfahren zur behandlung von lignin enthaltender cellulosemasse mit ozon.
AT395028B (de) * 1990-02-07 1992-08-25 Chemiefaser Lenzing Ag Verfahren zum chlorfreien bleichen von kunstfaserzellstoff

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316997A (ja) * 2000-02-28 2001-11-16 Oji Paper Co Ltd 中性紙
JP2016524053A (ja) * 2013-06-13 2016-08-12 レール・リキード・ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード マグネシウムイオンの存在下におけるオゾンでの処理により化学パルプを処理するための方法
JP2016537521A (ja) * 2013-11-26 2016-12-01 レンツィング アクチェンゲゼルシャフト 再生セルロースからの成形体の製造において使用される回収綿繊維を前処理する方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU1018395A (en) 1995-03-09
BR9104455A (pt) 1992-06-09
FI914766A0 (fi) 1991-10-09
MX9101558A (es) 1992-06-05
CA2053035C (en) 1997-09-30
EP0480469A2 (en) 1992-04-15
FI914766A (fi) 1992-04-13
PT99205A (pt) 1992-09-30
EP0480469A3 (en) 1994-06-01
CA2053035A1 (en) 1992-04-13
AU8575691A (en) 1992-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06287881A (ja) 塩素不含木材パルプ及び製造法
US4459174A (en) Process for the delignification and bleaching of chemical and semi-chemical cellulosic pulps
JPH08260371A (ja) 塩素不含オルガノソルブパルプ
US5785812A (en) Process for treating oxygen delignified pulp using an organic peracid or salt, complexing agent and peroxide bleach sequence
FI67242B (fi) Saett att avlaegsna lignin fraon oblekt kemisk pappersmassa
FI118475B (fi) Menetelmä sellun valmistamiseksi
US6007678A (en) Process for delignification of lignocellulose-containing pulp with an organic peracid or salts thereof
US5366593A (en) Bleaching of lignocellulosic material with in-situ-generated dioxirane
US20040026051A1 (en) Environmentally-friendly fiberline for producing bleached chemical pulp
NO176810B (no) Fremgangsmåte ved delignifisering av lignocellulosefibre
US5645687A (en) Process for manufacturing bleached pulp with reduced chloride production
JPH1025685A (ja) 化学パルプの脱リグニンおよび漂白方法
USH1690H (en) Process for bleaching kraft pulp
AU2008202566A1 (en) Processes and Systems for the Bleaching of Lignocellulosic Pulps Following Cooking with Soda and Anthraquinone
WO1997036040A1 (en) Ozone-bleached organosolv pulps
JP3360694B2 (ja) 製紙用化学パルプの脱リグニン漂白方法
JPH08507332A (ja) 製紙用化学パルプの脱リグニン方法
EP0720676A1 (en) Improved method for bleaching lignocellulosic pulp
US20030168190A1 (en) Method for controlling the delignfication and bleaching of a pulp suspension
PL171990B1 (pl) Sposób selektywnej delignifikacji chemicznej masy papierniczej PL
JPH06158573A (ja) 製紙用化学パルプの漂白方法
JP3915682B2 (ja) 漂白パルプの製造方法
WO2000008251A1 (en) An improved method for bleaching pulp
RU2097462C1 (ru) Способ делигнификации и отбеливания лигноцеллюлозосодержащей пульпы
JPH0453991B2 (ja)