JPH0628729B2 - 分子ふるい能を有する多孔質微小架橋キチン粒状体の製造方法 - Google Patents

分子ふるい能を有する多孔質微小架橋キチン粒状体の製造方法

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JPH0628729B2
JPH0628729B2 JP2256619A JP25661990A JPH0628729B2 JP H0628729 B2 JPH0628729 B2 JP H0628729B2 JP 2256619 A JP2256619 A JP 2256619A JP 25661990 A JP25661990 A JP 25661990A JP H0628729 B2 JPH0628729 B2 JP H0628729B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高速液体クロマトグラフィー用充填剤として
好適なキチン多孔質微小粒状体の製造方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
従来、キチン多孔質粒状体の製造方法として特開昭58-1
27736号公報及び特開昭59-86640号公報に記載のように
キチンを機械的に粉砕する方法が知られているが、これ
らの方法によって得られるキチン粒状体は不規則な形態
である。本発明者等は、キトサンを酸性水溶液に溶解し
て得た溶解液を塩基性溶液中で凝固再生させたキトサン
を、更にアセチル化して得た再生キチンを水中に分散さ
せて該分散液を高温雰囲気中に吐出乾燥させるキチン超
微小粒状体の製造方法を出願した(特開昭62-100534号
公報)。そして更に平均粒径が20μm以下で粒径分布の
小さな粒の揃った、しかも比表面積の極めて大きいキチ
ン多孔質超微小粒状体を得るために、キトサン酸性水溶
液を高温雰囲気中に噴霧して乾燥した後、塩基性水溶液
中で中和させ、次いでアセチル化させる方法を出願した
(特公平2-12961号公報)。しかし、この方法で得られ
る粒状体は、多孔質を具備しているが、孔径が小さいた
めに大きな分子がその多孔部分の内部に入ることができ
ず、分子ふるい能に劣るために高速液体クロマトグラフ
ィー用充填剤として充分な機能が発揮できない欠点があ
った。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記の従来の方法で得られるキチン多孔質超
微小粒状体は高速液体クロマトグラフィー用充填剤とし
ての粒径、比表面積は充分満足するものの強度的に問題
があり、またその多孔質の孔径が小さいので大きな分子
のものは内部に入りこむ事ができないので、分子ふるい
能が劣っているという点を解決し、高速液体クロマトグ
ラフィー用充填剤として好適なキチン多孔質微小粒状体
の製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の方法は、キトサンと、重合度が1〜20の範囲に
分布しているキトサン分解物の混合物とを酸性水溶液に
溶解し、該溶液を高温雰囲気中に噴霧乾燥造粒し、塩基
性水溶液中で処理し、次いで無水酢酸でアセチル化し、
更に架橋処理を行うことによりキチン多孔質微小粒状体
を得るものである。本発明の製造方法で用いるキトサン
は、通常フレーク状のものを用い、平均分子量が10,000
〜230,000の低分子量キトサンを用いると、添加剤等を
加えずに高濃度の酸性水溶液が得られるので好ましい。
キトサンは、酢酸、蟻酸、ジクロール酢酸等の酸の単独
若しくは混合物の水溶液に溶解する。この際にキトサン
の分解物をキトサンと混合して溶解させるが、このキト
サン分解物は、キトサンを酸素による分解、酸加水分
解、亜硝酸ナトリウムによる分解等のいずれの方法で得
られるものでよいが、水及び塩基性水溶液中に溶解溶出
することが必須で、従って重合度が1〜20の範囲に分布
していることが望ましい。重合度が20以上では塩基性水
溶液にキトサン酸塩を中和させたときに溶解流出しない
ので孔径調節剤としての役割を果せない。又,キトサン
に添加混合させるキトサン分解物の添加量は、キトサン
に対し重量割合として、0.1%以下では効果が無く、5%以
上であると添加量に比較して効果が相対的に現われるこ
とがないので、0.1%〜5%であることが好ましい。
孔径形成剤として、ポリエチレングリコール、ポリビニ
ールアルコール等の分子量分布がシャープな水溶性合成
高分子物質も考えられるが、これらはキトサンとのなじ
みが悪く、キトサン粒状体内で凝集等が生じ易く、キト
サン分解物の如き効果を期待することはできない。キト
サンと重合度が1〜20の範囲に分布しているキトサン分
解物の混合物を酢酸水溶液に溶解した該溶液を高温雰囲
気中に噴霧、乾燥させる。高温雰囲気中の温度は微小粒
状体が乾燥されるのに充分な温度で、100〜200℃の範囲
で自由に選択できる。得られる粒状体の粒径は、高温雰
囲気中に噴霧する際の吐出量と加圧空気の圧力を適宜調
節することにより制御可能である。
乾燥造粒されたキトサン中にキトサン分解物を包含させ
たキトサン多孔質微小粒状体を水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液等の塩基性水溶液で中和を行
った後、中性になる迄充分水洗をする。この際に、混合
させたキトサン分解物が液中に溶出させ、重合度に応じ
て細孔径の異なる多くの細孔が形成される。得られたキ
トサン多孔質微小粒状体をメタノール、エタノール等の
極性有機溶媒中で無水酢酸でアセチル化を行いキチン多
孔質微小粒状体とする。
次いで、高速液体クロマトグラフィー用担体として微小
粒状体の強度を高めておく必要があるので、有機溶媒中
で水酸化カリウムを触媒にして、ジエポキシ等を用いて
架橋処理を行う。
この様にして得られた本発明のキチン多孔質微小粒状体
は、平均粒径が20μm以下で、粒度分布も小さく、多く
の細孔径分布を持ち、強度もあり高速液体クロマトグラ
フィー用担体として分子ふるい能に勝れたキチン多孔質
微小粒状体である。
〔実施例〕
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明は実
施例に限定されるものではない。
実施例1 脱アセチル化度80%、平均分子量45,000のキトサン198g
に、キトサンを亜硝酸ソーダで分解した重合度が1〜15
の範囲に分布しているキトサン分解物2gを混合し、10
0gの酢酸を含む4,800gの水溶液に溶解して溶液とし
た。該溶液を3.0kg/cm2の加圧空気と共に25m/
分の流速で120℃の高温雰囲気中に噴霧乾燥して粒状乾
燥体170gをサイクロンコレクターに捕集した。この100
gを1N−水酸化ナトリウム1溶液中に投入し1時間
攪拌した後、中性になる迄充分水洗した。
次いで、エタノール置換を4回行った後に、エタノール
1中に分散させ、無水酢酸100gを加え、室温で18時
間攪拌して、アセチル化反応を行った。これを1N−水
酸化ナトリウム1で処理後、中性になる迄充分水洗い
し、更にジオキサン置換を4回行い、ジオキサン1中
に分散させ、エチレングリコールジグリシジルエーテル
50gと1N−水酸化カリ10mを加え室温で18時間、更
に80℃で1時間攪拌して架橋させた後、充分水洗して多
孔質微小架橋キチン粒状体200m(試料1)を得た。
該粒状体を走査型電子顕微鏡で調査した結果、平均粒径
は15μmで粒度分布は5〜30μmであった。又、試料を
真空乾燥し、140℃、40分間脱ガス後、比表面積自動測
定装置(島津マイクロメリテックス220型)でBET法
で比表面積を測定した結果75.3m2/gであった。
実施例2 脱アセチル化度90%、平均分子量42,000のキトサン198g
にキトサンを亜硝酸ソーダで分解した重合度が2〜18の
範囲に分布しているキトサン分解物4gを混合し、100
gの酢酸を含む4,800gの水溶液に溶解して溶液とし
た。該溶液を実施例1と同様の条件で操作し、多孔質微
小架橋キチン粒状体200m(試料2)を得た。該粒状
体の平均粒径は13μm、粒度分布は2〜25μmで、比表
面積は80m2/gであった。
比較例1 実施例1及び2ではキトサンに重合度が1〜15及び2〜
18の範囲に分布しているキトサン分解物をキトサンと混
合し酢酸水溶液に溶解して溶液としたが、キトサン単独
でキトサン分解物を混合せずに酢酸水溶液に溶解し、実
施例1と同様の操作を行って、多孔質微小架橋キチン粒
状体200m(試料3)を得た。該粒状体の平均粒径は1
8μm、粒度分布は6〜30μmで、比表面積は75m2/g
であった。
比較例2 脱アセチル化度80%、平均分子量45,000のキトサン198g
に平均分子量2,000のポリエチレングリコール(和光純
薬工業株式会社製)2gを混合し、100gの酢酸を含む
4,800gに溶解して溶液とした。該溶液を実施例1と同
様の条件で操作し、多孔質微小架橋キチン粒状体200m
(試料4)を得た。該粒状体の平均粒径は20μm、粒
度分布は2〜30μmで、比表面積は60m2/gであった。
実施例3 実施例1、2及び、比較例1、2で得られた試料1〜4
の多孔質微小架橋キチン粒状体を夫々ふるい式分級機で
8〜12.5μmの範囲のものに分級した。それぞれを径8
mmφ、長さ300mmのステンレスカラムに充填せしめ、高
速液体クロマトグラフィー用のカラムを調整した。
夫々のカラムに流速0.5m/min、50℃で試料マルト
ヘプタオース、マルトヘキサチオース,マルトペン
タオースーマルトテトラオース、マルトトリオー
ス、マルトース、グルコース及びエチングリコー
ルを混合し、水溶液として同時に流した時に得られたク
ロマトグラムを第1乃至第4図に示した。第1乃至第4
図から明らかな如く、本発明の多孔質微小架橋キチン粒
状体を担体とした場合には、試料〜を完全に分離す
る能力を有しているのに対し、第3図で示した試料3の
担体ではふるい分離能が悪いことが明らかで、又第4図
で示した試料4でも多糖類の分離能において未だ不充分
であることが明らかである。
〔発明の効果〕
本発明は上述の如く、重合度が1〜20の範囲に分布して
いるキトサン分解物をキトサンと混合し、酸性水溶液と
し、高温雰囲気中に噴霧乾燥造粒し塩基性水溶液中に処
理し、更にアセチル化してキチン化した後架橋をせしめ
たものである。そのために、この多孔質微小架橋キチン
粒状体はキトサン分解物が処理中に溶解流出するので、
溶出時に細孔径が均一でなく不均一であるために、小さ
な分子でも大きな分子でも完全に捕集することが可能な
担体となり、高速液体クロマトグラフィー用に用いた時
に分子ふるい能が格段と勝れたものとなった。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係る多孔質微小架橋キチン粒状体及び
比較例で得られた多孔質微小架橋キチン粒状体を担体と
して、高速液体クロマトグラフィーに数種の糖類を流し
た時に得られたクロマトグラムを示す。 第1図、第2図は本発明の担体を用いたもので、第3
図、第4図は比較例の担体を用いた時のクロマトグラム
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサンと重合度が1〜20の範囲に分布し
    ているキトサン分解物の混合物を酸性水溶液に溶解し、
    該溶液を高温雰囲気中に噴霧乾燥造粒し、塩基性水溶液
    中で処理し、次いで無水酢酸でアセチル化し更に架橋処
    理を行うことを特徴とする分子ふるい能を有する多孔質
    微小架橋キチン粒状体の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996026965A1 (en) * 1995-03-02 1996-09-06 Akzo Nobel N.V. High yield preparation of dimeric to decameric chitin oligomers

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WO1998051711A1 (fr) * 1997-05-14 1998-11-19 Japan As Represented By Director General Of National Institute Of Sericultural And Entomological Science Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisherries Perles de chitine, perles de chitosane, leur procede de production, vehicule comprenant lesdites perles, et procede de preparation d'une spore de microsporidie

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WO1996026965A1 (en) * 1995-03-02 1996-09-06 Akzo Nobel N.V. High yield preparation of dimeric to decameric chitin oligomers

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