JPH06285372A - ニトリル製造用触媒の製造方法 - Google Patents

ニトリル製造用触媒の製造方法

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JPH06285372A
JPH06285372A JP5341915A JP34191593A JPH06285372A JP H06285372 A JPH06285372 A JP H06285372A JP 5341915 A JP5341915 A JP 5341915A JP 34191593 A JP34191593 A JP 34191593A JP H06285372 A JPH06285372 A JP H06285372A
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nitrile
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孝 牛窪
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一典 大島
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健一 清野
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啓 犬丸
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルカンをアンモニアと気相接触酸化反応さ
せてニトリルを製造するのに用いる触媒であって、モリ
ブデン、バナジウムおよびテルルを含む溶液又はスラリ
ーを、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法により乾燥し、得られ
た乾燥物を熱処理することを特徴とするニトリル製造用
触媒の製造方法。 【効果】 本発明方法で製造される触媒によれば、アル
カンを原料として、反応系にハロゲン化物や水等を存在
させることなく、しかも400〜450℃程度の比較的
に低い温度において、高い収率で目的とするニトリルを
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニトリル製造用触媒の製
造方法に関するものである。詳しくは、アルカンを原料
とするニトリルの製造に用いる触媒の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のニトリル類は、合成繊維、合成樹脂、合成ゴム等の
重要な中間体として工業的に製造されているが、その製
造法としては、従来、プロピレン、イソブテン等のオレ
フィンを、触媒の存在下でアンモニアおよび酸素と気相
において高温で接触反応させる方法が最も一般的な方法
として知られている。一方、プロパンとプロピレンとの
間の価格差、あるいは、イソブタンとイソブテンとの間
の価格差のために、プロパン、イソブタン等の低級アル
カンを出発原料とし、触媒の存在下でアンモニアおよび
酸素と気相で接触反応させる、いわゆるアンモ酸化反応
法によりアクリロニトリル、メタクリロニトリルを製造
する方法の開発に関心が高まっている。
【0003】これらの報告の例として、Mo−Bi−P
−O系触媒(特開昭48−16887)、V−Sb−O
系触媒(特開昭47−33783、特公昭50−230
16、特開平1−268668)、Sb−U−V−Ni
−O系触媒(特公昭47−14371)、Sb−Sn−
O系触媒(特公昭50−28940)、V−Sb−W−
P−O系触媒(特開平2−95439)等が知られてい
る。しかしながら、上記の方法はいずれも目的とするニ
トリル類の収率が十分満足できるものではない。また、
一般に500℃前後ないしはそれ以上の極めて高い反応
温度を必要とするため、反応器の材質、製造コスト等の
面で有利ではない。更に、ニトリル類の収率を向上させ
るために、反応系に少量の有機ハロゲン化物、無機ハロ
ゲン化物、イオウ化合物、または水を添加する方法等が
試みられているが、前三者は反応装置の腐食の問題があ
り、また、水は副反応による副生物の生成とその処理等
の問題があり、いずれも工業的実施上難点がある。
【0004】一方、本出願人は、Mo−V−Te−Nb
−O系触媒(特開平2−257)を報告している。該触
媒では、最適な反応温度が400〜450℃と比較的低
温であり、ニトリル類の収率の向上も認められる。ま
た、特開平2−257公報には、該触媒の製造方法とし
て、触媒成分の水溶液を加熱濃縮した後、130℃で蒸
発乾固し、乾固物を350〜650℃で焼成して触媒と
する方法が例示されている。なお,該公報には,触媒を
反応の規模,方式等により適宜に粒径及び形状に成形さ
れ整粒されると旨の一般的な説明がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、アルカンを原料とするニトリルの製造方法
の改良にあり、特に該製造に用いる触媒の調製方法を改
良することにより、より効率よくニトリルを製造するこ
とを可能とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述のM
o−V−Te−Nb−O系触媒の改良を中心にアルカン
を原料とするニトリルの製造法について更に検討を続け
た結果、Mo−V−Te−X−O系触媒(Xは1種また
は複数種の特定元素を表わし、XとしてNbを含んでも
よい。)を見い出している(特願平3−10438
2)。更に、同じMo−V−Te−X−O系触媒の中で
も特定の結晶構造を有するものを使用した場合には、ニ
トリルの収率が著しく向上することを見い出している
(特願平3−199573)。
【0007】本発明者等は以上の最近の研究成果を基礎
に更に検討に注力していたところ、モリブデン、バナジ
ウムおよびテルル系の触媒の製造方法として特定の手段
を用いた場合において、従来よりも更に優れた触媒が得
られることを見出し、本発明に到達したものである。す
なわち、本発明の要旨は、アルカンをアンモニアと気相
接触酸化反応させてニトリルを製造するのに用いる触媒
であって、モリブデン、バナジウムおよびテルルを含む
溶液又はスラリーを、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法により
乾燥し、得られた乾燥物を加熱処理することを特徴とす
るニトリル製造用触媒の製造方法に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
製造されるは、モリブデン、バナジウムおよびテルルを
必須元素として含有する複合酸化物触媒である。そし
て、ニトリル製造のための触媒活性を高めるうえで、更
に、助触媒成分として通常ニオブ、タンタル、タングス
テン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、
マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッ
ケル、パラジウム、白金、アンチモン、ビスマス、ホウ
素、インジウムおよびセリウムからなる群から選ばれる
1以上の元素を含有させる。モリブデン、バナジウムお
よびテルル以外の成分としては、好ましくはニオブ、タ
ンタル、タングステン、チタン、アンチモン、ビスマス
であり、特に好ましくはニオブである。また、各元素の
組成比を考慮した場合、以下の式(1)で表される複合
酸化物が好ましい。
【0009】
【化2】 Moa b Tec X n (1) (式(1)において、XはNb,Ta,W,Ti,A
l,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,N
i,Pd,Pt,Sb,Bi,B,InおよびCeの中
から選ばれた1つまたはそれ以上の元素を表わし、 a=1とするとき、 b=0.01〜1.0 c=0.01〜1.0 x=0〜1.0 であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定され
る。)なお、各元素の係数は、a=1とするとき、b=
0.1〜0.6、c=0.05〜0.4、x=0.01
〜0.6が特に好ましい。
【0010】また、該複合酸化物としては、特定の結晶
構造を有するものが好ましい。具体的には、該複合酸化
物のX線回折ピーク(X線源としてCu−Kα線を使
用)のパターンとして、特定の回折角2θにおいて以下
に示す5つの主要回折ピークが認められるものである。
【0011】
【表2】 X 線 格 子 面 回折角2θ(°) 間隔中央値(Å) 相対強度 22.1±0.3 4.02 100 28.2±0.3 3.16 20〜150 36.2±0.3 2.48 5〜60 45.2±0.3 2.00 2〜40 50.0±0.3 1.82 2〜40 X線回折ピーク強度は各結晶の測定条件によってずれる
場合があるが、2θ=22.1°のピーク強度を100
とした場合の相対強度は通常上記の範囲にある。また、
一般的には2θ=22.1°及び28.2°のピーク強
度が大きく表われる。
【0012】次に、以上の複合酸化物触媒の調製方法に
ついて説明する。まず、初めに触媒の必須元素を含有す
る溶液を調製する。この含有液は,均一の溶液でも,懸
濁状のスラリーでもよい。この場合の溶媒としては,一
般に水が使用されるが,アルコール類,エステル類,エ
ーテル類,カルボン酸類等の有機溶媒を用いることもで
きる。触媒の必須元素を含有する溶液の調製方法は特に
制限はなく、目的とする複合酸化物の組成に応じた原料
を所定量準備して、水等の溶媒に混合すればよい。混合
液において、均一な溶液又はスラリーが形成されれば、
特に加温したり、長時間の撹拌混合を行う必要はない。
【0013】例えば、モリブデン、バナジウム、テル
ル、およびニオブからなる複合酸化物の触媒を調製する
ような場合、メタバナジン酸アンモニウム塩を含む水溶
液に、テルル酸の水溶液、シュウ酸ニオブアンモニウム
塩の水溶液およびパラモリブデン酸アンモニウム塩の水
溶液を各々の金属元素の原子比が所定の割合となるよう
な量比で順次添加し、触媒成分を含む溶液又はスラリー
を調製する。このときの溶液又はスラリーの濃度は特に
限定はなく、触媒の原料化合物の総量が通常10〜60
重量%の溶液又はスラリーに調整する。
【0014】なお、上記の複合酸化物の原料は前述した
ものに限定されるのではなく、例えば、MoO3 ,V2
5 ,V2 3 ,TeO2 ,Nb2 5 等の酸化物、M
oCl5 ,VCl4 ,VOCl3 ,NbCl5 等のハロ
ゲン化物、またはオキシハロゲン化物、Mo(OC2
5 5 ,Nb(OC2 5 5 ,VO(OC
2 5 3 ,モリブデナセチルアセトナート等のアルコ
キシド、有機金属化合物等広範に使用可能である。次い
で、上記の溶液又はスラリーを噴霧乾燥法又は凍結乾燥
法により乾燥する点が本発明の最も特徴的な部分であ
る。
【0015】ここで、噴霧乾燥とは、溶液又はスラリー
を噴霧し、微細な液滴を生じさせる工程を含む乾燥法を
いい、市販の噴霧乾燥機を用いて実施することができ
る。噴霧乾燥の条件は、噴霧乾燥機の仕様、対象物の量
などで適宜設定すればよいが、噴霧乾燥機の中心部の温
度が通常80〜400℃、好ましくは120〜280℃
とし、加熱した空気、窒素、アルゴン等の乾燥ガスを流
通させる。乾燥ガスは、溶液又はスラリー中の水分など
を蒸発させるのに必要な熱量以上を保有すべきであり、
乾燥ガスの温度が低い場合には、より多量のガス量が必
要となる。また、給液量とディスクの回転数を調節し
て、噴霧乾燥により得られる固体粒子の粒子径を調節す
ることも可能であり、通常、平均粒径を例えば100ミ
クロン以下、特に20〜80ミクロン等に調節する。
【0016】また、凍結乾燥法とは溶液又はスラリーを
凍結させた後、昇華により溶媒を除去する方法をいい、
市販の凍結乾燥機を用いて実施することができる。触媒
原料の均一溶液又はスラリーを、ドライアイス溶液、液
体窒素などで冷却して凍結後、凍結乾燥機を用いて乾燥
する方法が一般的である。乾燥条件は、各凍結乾燥機の
仕様に応じた条件を設定すればよく、通常0.01〜1
0mmHg程度の減圧下で行なわれる。乾燥物の粒径分
布については特に限定されるものでなく、また、凍結乾
燥により恒量に到達したような乾燥物中に水分が数%程
度残存していても触媒の性能に特に影響を与えるもので
はない。なお、本発明では、以上の噴霧乾燥法と凍結乾
燥法の両者を組み合わせて噴霧凍結乾燥も可能である。
【0017】以上の特定の乾燥方法により触媒の性能が
向上する理由は明かでないが、噴霧乾燥法もしくは凍結
乾燥法の採用により、結晶構造、結晶粒子径、細孔容
積、比表面積、触媒最表面の組成などがニトリルの生成
に適した物性になっているものと考えられる。例えば、
初めにモリブデン、バナジウム及びテルルの金属成分を
主とした複合酸化物の前駆体が溶液又はスラリー中です
でに形成される。次に、この溶液又はスラリーより、水
等の揮発性成分を瞬間的に除去すると、溶液又はスラリ
ー中ですでに形成された前駆体がその基本構造を維持し
ながら乾燥物が残る。そして、該混合物を熱処理するこ
とで特定の結晶構造を有する複合酸化物触媒に変換され
る、などと推定される。
【0018】また、いずれの方法も水等の揮発性成分を
瞬間的に除去することに特徴があり、かかる点が触媒性
能の向上に関係していると考えられるので、水等の揮発
性成分を瞬間的に除去する原理による乾燥方法であれ
ば、噴霧乾燥法や凍結乾燥法と同等の効果が期待でき
る。以上の方法で得られた乾燥物は、次に、熱処理に供
される。熱処理の方法は,その乾燥物の性状や規模によ
り任意に方法を設定することが可能であるが,蒸発皿上
での熱処理、あるいは、回転炉、流動焼成炉等の加熱炉
による熱処理が一般的である。また、これらの熱処理操
作を複数種組み合わせてもよい。熱処理条件としては、
通常350〜700℃、好ましくは400〜650℃の
温度で、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜10時
間、熱処理、焼成する。また、熱処理の温度を段階的に
高くしていく方法も採用でき、350〜700℃で焼成
する前に、乾燥物を通常150〜350℃で0.5〜5
時間程度熱処理し、その後、温度を高くして焼成する方
法も採用できる。
【0019】上記の熱処理方法については、酸素雰囲気
中で行なう方法が最も一般的であるが、前述の特定構造
を有する触媒を得るためには、焼成の雰囲気をむしろ実
質的に酸素不存在下とすることが好ましい。具体的に
は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気
中、または真空中で行うことが好ましい。このようにし
て得られた複合酸化物は、そのままでも他の公知のニト
リル製造用触媒と比較し優れた触媒活性を有するもので
あるが、該複合酸化物を粉砕することにより更に触媒活
性を高くすることができる。上記の粉砕方法は、特に制
限はなく公知の一般的方法が採用される。乾式粉砕法と
しては、高速気流下で粗粒相互の衝突による粉砕を起こ
させる気流粉砕機を使用する方法が例示されるし、ま
た、機械的に粉砕を行う他、小規模には乳鉢等を用いて
粉砕する方法も採用できる。
【0020】複合酸化物に水あるいは有機溶媒を加え湿
潤状態で行う湿式粉砕法としては、通常の円筒回転形媒
体粉砕機、媒体攪拌形粉砕機等を用いた方法が実施され
る。円筒回転形媒体粉砕機は、粉砕媒体を収容した容器
を回転させる形式の湿式粉砕機をいい、ボールミル、ロ
ードミル等がある。また、媒体攪拌形粉砕機は。容器中
に収容した粉砕媒体を攪拌装置によって攪拌する形式の
湿式粉砕機をいい、スクリュー回転型、ディスク回転型
等の形式がある。粉砕の条件は、複合酸化物の性状によ
り、また、特に湿式粉砕の場合は溶液の粘度、濃度等、
更には、粉砕装置自体の最適条件に併せて適宜設定すれ
ばよいが、粉砕された複合酸化物の平均粒径が通常20
μm以下、特に5μm以下となるまで粉砕することが好
ましい。かかる範囲まで粉砕することにより触媒性能の
顕著な向上が認められるからである。
【0021】粉砕することにより触媒性能が向上する理
由は明確ではないが、本発明における触媒においては、
粉砕により単に表面積が増大することによるものではな
く、むしろ触媒表面の形状が変化することによるものと
推察される。粉砕の前後における複合酸化物表面を電子
顕微鏡により観察すると、粉砕を行うと粉砕前にはあま
り確認できない結晶状片が複合酸化物表面に多く確認さ
れるので、これらが反応に有効に作用していると考えら
れる。なお、場合によっては、上記の一度、粉砕された
触媒に、更に、溶媒を添加して溶液又はスラリーを形成
せしめ、再度、乾燥することにより、更に触媒としての
活性を高めるとも可能である。溶液又はスラリーの濃度
は特に限定はなく、粉砕された触媒前駆体の原料化合物
の総量が通常10〜60重量%の溶液又はスラリーに調
節する。次いで、この溶液又はスラリーを噴霧乾燥法、
凍結乾燥法,蒸発乾固法、真空乾燥法等で、好ましくは
噴霧乾燥法で乾燥させる。なお、湿式粉砕を行った場合
も同様な乾燥を行えばよい。
【0022】更に、以上の乾燥あるいは前述の乾式粉砕
を行った触媒を、最終的に触媒として使用してもよい
が、更に、通常200〜700℃の温度にて0.1〜1
0時間程度加熱処理を行ってもよい。得られた複合酸化
物は、単独でも固体触媒として用いられるが、周知の担
体、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、アルミノシ
リケート、珪藻土、ジルコニア等と共に使用することも
できる。この場合の担体は、触媒を調製する工程のいづ
れの段階でも添加することができ,担体を含めて粉砕し
てもよい。また、触媒を合成した後に担体を混合使用し
てもよい。また、本発明の方法で製造された触媒は、反
応の規模、方式により適宜の形状および粒径に成型され
る。
【0023】本発明方法で得られた触媒の存在下で、ア
ルカンをアンモニアと気相接触酸化反応させることによ
りニトリルを製造することができる。原料のアルカンと
しては、、特に限られるものではなく、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられるが、得られる
ニトリルの工業的用途を考慮すると、炭素数1〜4の低
級アルカン、特にプロパン、イソブタン、n−ブタンを
用いるのがよい。なお,本発明の方法で得られた触媒
は,プロピレン,イソブテン等のアルケンをアンモニア
と気相接触酸化反応させることによりニトリルを製造す
ることも可能であるので,上記のアルカン中に少量のア
ルケンが含有されていても何ら支障はない。
【0024】気相接触酸化反応の機構の詳細は明らかで
はないが、上述の触媒中に存在する酸素原子、あるいは
供給ガス中に存在させる分子状酸素によって行なわれ
る。供給ガス中に分子状酸素を存在させる場合、分子状
酸素は純酸素ガスでもよいが、特に純度は要求されない
ので、一般には空気のような酸素含有ガスを使用するの
が経済的である。供給ガスとしては、通常、アルカン、
アンモニアと酸素含有ガスの混合ガスを使用するが、ア
ルカンとアンモニアの混合ガスと酸素含有ガスとを交互
に供給してもよい。なお、実質的に分子状酸素が存在し
ないアルカンとアンモニアのみを供給ガスとして気相接
触反応させることもできる。かかる場合は、反応帯域よ
り触媒の一部を適宜、抜き出して、該触媒を酸化再生器
に送り込み、再生後、触媒を反応帯域に再供給する方法
が好ましい。触媒の再生方法としては、触媒を、酸素、
空気、酸化窒素等の酸化性ガスを再生器内の触媒に対し
て、通常300〜600℃で流通させる方法が例示され
る。
【0025】アルカンとしてプロパンを、酸素源として
空気を使用する場合について更に詳細に説明するに、反
応器方式は固定床、流動層等いずれも採用できるが、発
熱反応であるため、流動層方式の方が反応温度の制御が
容易である。反応に供給する空気の割合は、生成するア
クリロニトリルの選択率に関して重要であり、空気は、
通常プロパンに対して25モル倍量以下、特に1〜18
モル倍量の範囲が高いアクリロニトリル選択率を示す。
また、反応に供与するアンモニアの割合は、プロパンに
対して0.2〜5モル倍量、特に0.5〜3モル倍量の
範囲が好適である。なお、本反応は通常大気圧下で実施
されるが、低度の加圧下または減圧下で行なうこともで
きる。他のアルカンについても、プロパンの場合の条件
に準じて供給ガスの組成が選択される。
【0026】本発明方法で得られる触媒を用いた場合、
従来のアルカンのアンモ酸化反応におけるよりも低い温
度、例えば、340〜480℃で実施することができ、
特に好ましいのは400〜450℃程度である。このよ
うな低温においても従来からの技術に比べ、高収率でニ
トリル類を製造することができる。また、気相反応にお
けるガス空間速度SVは、通常100〜10000
-1、好ましくは300〜2000h-1の範囲である。
なお、空間速度と酸素分圧を調整するための希釈ガスと
して、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用い
ることができる。本発明の方法により、プロパンのアン
モ酸化反応を行なった場合、アクリロニトリルの外に、
一酸化炭素、二酸化炭素、アセトニトリル、青酸等が副
生するが、その生成量は少ない。
【0027】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げてさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を超えないかぎりこれ
らの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実
施例における転化率(%)、選択率(%)および収率
(%)は、各々次式で示される。
【0028】
【数1】アルカンの転化率(%)=(消費アルカンのモ
ル数/供給アルカンのモル数)×100 目的ニトリルの選択率(%)=(生成目的ニトリルのモ
ル数/消費アルカンのモル数)×100 目的ニトリルの収率(%)=(生成目的ニトリルのモル
数/供給アルカンのモル数)×100
【0029】実施例1 実験組成Mo1 0.35Te0.23Nb0.1 n /SiO2
(10wt%)を有する触媒を以下のように調製した。
温水810mlに171.2gのパラモリブデン酸アン
モニウム塩、39.7gのメタバナジン酸アンモニウム
塩、51.2gのテルル酸を溶解し、均一な水溶液を調
製した。さらにシリカ含有量20wt%のシリカゾル1
23.6g、およびニオブの濃度が0.5モル/リット
ルのシュウ酸ニオブアンモニウム塩の水溶液193.9
mlを混合し、スラリーを調製した。このスラリーを約
120ml/分の速度で噴霧乾燥機に供給し、加熱され
た空気を供給しつつ水分を除去し乾燥させた。この時、
噴霧乾燥機の中心部分の温度は約160℃であった。こ
の乾燥物をアンモニア臭がなくなるまで約300℃で加
熱処理した後、窒素気流中600℃で2時間焼成した。
【0030】この様にして得た触媒の粉末X線回折測定
を行なったところ(Cu−Kα線を使用)、回折角2θ
(°)として、22.2(100)、28.3(68.
1)、36.3(17.0)、45.2(12.6)、
50.1(10.2)に主要回折ピークが観察された
(数字のカッコ内は、22.2°のピークの強度を10
0としたときの相対ピーク強度を示す)。この様にして
得た触媒0.5mlを反応器に充填し、反応温度420
℃、空間速度SVを1000h-1に固定して、プロパ
ン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比でガ
スを供給し気相接触酸化反応を行なった。その結果を表
−1に示す。
【0031】実施例2 実験組成Mo1 0.4 Te0.2 Nb0.1 n を有する触
媒を以下のように調製した。温水1170mlに15
8.9gのパラモリブデン酸アンモニウム塩、42.1
gのメタバナジン酸アンモニウム塩、41.3gのテル
ル酸を溶解し、均一な水溶液を調製した。さらにニオブ
の濃度が0.5モル/リットルのシュウ酸ニオブアンモ
ニウム塩の水溶液180mlを混合し、スラリーを調製
した。このスラリーを約12ml/分の速度で噴霧乾燥
機に供給し、加熱された空気を供給しつつ水分を除去し
乾燥させた。この時、噴霧乾燥機の中心部分の温度は約
160℃であった。以下、実施例1と同様に加熱処理、
窒素気流中での焼成を行なった。
【0032】この様にして得た触媒の粉末X線回折測定
を行なったところ(Cu−Kα線を使用)、回折角2θ
(°)として、22.1(100)、28.2(92.
5)、36.2(23.0)、45.2(12.5)、
50.0(14.0)に主要回折ピークが観察された
(数字のカッコ内は、22.1°のピークの強度を10
0としたときの相対ピーク強度を示す)。この様にして
得た触媒を使用し、実施例1と同様にプロパンの気相接
触酸化反応を行なった。その結果を表−1に示す。
【0033】比較例1 実施例2と同様のスラリーを調製し、電熱器で加熱され
た蒸発皿上で約100mlのスラリーを加熱し、撹はん
しつつ煮沸させ水分を除去した。水分の除去に約5分を
要した。以下、実施例1と同様に加熱処理、窒素気流中
での焼成を行なった。この様にして得た触媒の粉末X線
回折測定を行なったところ、回折角2θ(°)として、
22.1,28.2などの位置のピークのほかに、2
7.4°,23.3°,12.8°に回折ピークが現わ
れ、かかるピークは、粉末X線回折のデータベースより
斜方晶の三酸化モリブデンと帰属された。この様にして
得た触媒を使用し、実施例1と同様にプロパンの気相接
触酸化反応を行なった。その結果を表−1に示す。
【0034】実施例3 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を28.4g、シリカの含有量が20wt%のシリカ
ゾルの使用量を118.7gとした以外は実施例1と同
様に調製を行ない、実験組成Mo1 0.25Te0.23Nb
0.1 n /SiO2 (10wt%)を有する触媒を得
た。この触媒を使用し、反応温度を410℃とした以外
は実施例1と同様にプロパンの気相接触酸化反応を行な
った。結果を表−1に示す。
【0035】実施例4 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を28.4g、シリカの含有量が20wt%のシリカ
ゾルの使用量を122.3g、ニオブの濃度が0.5モ
ル/リットルのシュウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量
を290.9mlとした以外は実施例1と同様に調製を
行ない、実験組成Mo1 0.25Te0.23Nb0.15n
SiO2 (10wt%)を有する触媒を得た。この触媒
を使用し、反応温度を400℃とした以外は実施例1と
同様にプロパンの気相接触酸化反応を行なった。結果を
表−1に示す。
【0036】実施例5 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を34.0g、シリカの含有量が20wt%のシリカ
ゾルの使用量を122.6g、ニオブの濃度が0.5モ
ル/リットルのシュウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量
を232.7mlとした以外は実施例1と同様に調製を
行ない、実験組成Mo1 0.3 Te0.23Nb0.12n
SiO2 (10wt%)を有する触媒を得た。この触媒
を使用し、反応温度を410℃とした以外は実施例1と
同様にプロパンの気相接触酸化反応を行なった。結果を
表−1に示す。
【0037】実施例6 実施例1におけるシリカの含有量が20wt%のシリカ
ゾルの使用量を127.2g、ニオブの濃度が0.5モ
ル/リットルのシュウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量
を290.9mlとした以外は実施例1と同様に調製を
行ない、実験組成Mo1 0.35Te0.23Nb0.15n
SiO2 (10wt%)を有する触媒を得た。この触媒
を使用し、実施例1と同様にプロパンの気相接触酸化反
応を行なった。結果を表−1に示す。
【0038】実施例7 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を45.4g、シリカの含有量が20wt%のシリカ
ゾルの使用量を129.6g、ニオブの濃度が0.5モ
ル/リットルのシュウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量
を290.9mlとした以外は実施例1と同様に調製を
行ない、実験組成Mo1 0.4 Te0.23Nb0.15n
SiO2 (10wt%)を有する触媒を得た。この触媒
を使用し、実施例1と同様にプロパンの気相接触酸化反
応を行なった。結果を表−1に示す。
【0039】実施例8 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を34.0g、テルル酸の使用量を66.8g、シリ
カの含有量が20wt%のシリカゾルの使用量を12
9.2g、ニオブの濃度が0.5モル/リットルのシュ
ウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量を232.7mlと
した以外は実施例1と同様に調製を行ない、実験組成M
1 0.3 Te0.3 Nb0.12n /SiO2 (10wt
%)を有する触媒を得た。この触媒を使用し、反応温度
を410℃とした以外は実施例1と同様にプロパンの気
相接触酸化反応を行なった。結果を表−1に示す。
【0040】実施例9 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を34.0g、テルル酸の使用量を44.5g、シリ
カの含有量が20wt%のシリカゾルの使用量を11
9.7g、ニオブの濃度が0.5モル/リットルのシュ
ウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量を232.7mlと
した以外は実施例1と同様に調製を行ない、実験組成M
1 0.3 Te0.2 Nb0.12n /SiO2 (10wt
%)を有する触媒を得た。この触媒を使用し、反応温度
を410℃とした以外は実施例1と同様にプロパンの気
相接触酸化反応を行なった。結果を表−1に示す。
【0041】実施例10 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を34.0g、テルル酸の使用量を35.6g、シリ
カの含有量が20wt%のシリカゾルの使用量を11
6.0g、ニオブの濃度が0.5モル/リットルのシュ
ウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量を232.7mlと
した以外は実施例1と同様に調製を行ない、実験組成M
1 0.3 Te0.16Nb0.12n /SiO2 (10wt
%)を有する触媒を得た。この触媒を使用し、反応温度
を410℃とした以外は実施例1と同様にプロパンの気
相接触酸化反応を行なった。結果を表−1に示す。
【0042】実施例11 実施例1におけるメタバナジン酸アンモニウム塩の使用
量を34.0g、テルル酸の使用量を28.9g、シリ
カの含有量が20wt%のシリカゾルの使用量を11
3.1g、ニオブの濃度が0.5モル/リットルのシュ
ウ酸ニオブアンモニウム塩の使用量を232.7mlと
した以外は実施例1と同様に調製を行ない、実験組成M
1 0.3 Te0.13Nb0.12n /SiO2 (10wt
%)を有する触媒を得た。この触媒を使用し、反応温度
を430℃とした以外は実施例1と同様にプロパンの気
相接触酸化反応を行なった。結果を表−1に示す。
【0043】
【表3】
【0044】実施例12 実験式Mo1 0.3 Te0.23Nb0.12n を有する触媒
を次のように調製した。温水47mlにパラモリブデン
酸アンモニウム(NH4 6 Mo7 24・4H2 O7.
06gを溶解し、これにメタバナジン酸アンモニウムN
4 VO3 1.41g、テルル酸H6 TeO6 2.11
gを順次添加し、均一な水溶液を調製した。この溶液
に、ニオブの濃度が0.396mol/kgのシュウ酸
ニオブアンモニウム水溶液12.13gを混合した。こ
の溶液を、液体窒素により冷却したガラス製フラスコに
滴下し凍結させた。これから凍結乾燥法により水分を除
去し、乾燥物を得た。この乾燥物を窒素気流中600℃
で2時間焼成した。
【0045】このようにして得た触媒の粉末X線回折測
定を行なったところ(Cu−Kα線を使用)、回折角2
θ(°)として、22.1(100)、28.2(7
8.3)、36.2(20.2)、45.1(15.
1)、50.0(12.4)に主要回折ピークが観察さ
れた(数字のカッコ内は、22.1°のピークを100
としたときの相対ピーク強度を示す)。この様にして得
た触媒0.35gを反応器に充填し、反応温度410
℃、空間速度SVを約1500h-1に固定して、プロパ
ン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比でガ
スを供給し気相接触酸化反応を行なった。その結果を表
−2に示す。
【0046】実施例13 実験式Mo1 0.3 Te0.2 Nb0.14n を有する触媒
を次のように調製した。温水65mlにパラモリブデン
酸アンモニウム(NH4 6 Mo7 24・4H2 O7.
06gを溶解し、これにメタバナジン酸アンモニウムN
4 VO3 1.41g、テルル酸H6 TeO6 1.84
gを順次添加し、均一な水溶液を調製した。この溶液に
ニオブの濃度が0.387mol/kgのシュウ酸ニオ
ブアンモニウム水溶液14.46gを混合した。この溶
液を液体窒素により冷却したガラス製フラスコの内壁に
噴霧し、凍結させた。これから凍結乾燥法により水分を
除去し、乾燥物を得た。この乾燥物を窒素気流中600
℃で2時間焼成した。
【0047】この様にして得た触媒0.55gを反応器
に充填し、反応温度410℃、空間速度SVを約920
-1に固定して、プロパン:アンモニア:空気=1:
1.2:15のモル比でガスを供給し気相接触酸化反応
を行なった。その結果を表−2に示す。
【0048】
【表4】
【0049】実施例14 実験式Mo1 0.35Te0.23Nb0.12 n を有する触
媒を以下のように調製した。温水3250mlにパラモ
リブデン酸アンモニウム塩789g,メタバナジン酸ア
ンモニウム塩157g、テルル酸236をgを溶解し、
均一な水溶液を調製した。更に、ニオブの濃度が0.4
56モル/kgのシュウ酸ニオブアンモニウム塩の水溶
液1175mlを混合し、スラリーを調製した。このス
ラリーを加熱して噴霧乾燥した。この乾燥物を窒素気流
中600℃で2時間熱処理した。
【0050】この様にして得た触媒前駆体5gをメノウ
乳鉢中で平均粒径が20μm以下になるまで粉砕し、そ
の後、窒素気流中600℃で2時間熱処理した。この様
にして得た触媒0.5mlを反応器に充填し、反応温度
410℃、空間速度SVを1000h-1に固定して、プ
ロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比
でガスを供給し気相接触酸化反応を行なった。その結果
を表−1に示す。また、上記の触媒の表面の走査型電子
電子顕微鏡写真を図1に示した。図1を観察すると、触
媒表面に多くの結晶状片の存在が確認される。
【0051】実施例15 実施例14と同様な方法で得た触媒前駆体500gに水
2kgを加え、得られたスラリーをボールミルにて1時
間粉砕した。この粉砕により、触媒前駆体の平均粒径は
50μmから0.5μmに変化した。このように粉砕し
た触媒前駆体を含むスラリーを噴霧乾燥し、その後、窒
素気流中600℃で2時間熱処理した。この様にして得
た触媒を実施例1と同様の反応条件でプロパンの気相接
触酸化反応を行なった。その結果を表−3に示す。 実施例16 実施例15の触媒を使用し、空間速度SVを1500h
-1にとした以外は実施例15と同様にプロパンの気相接
触酸化反応を行なった結果を表−3に示す。実
【0052】施例17 実施例15の触媒を使用し、反応温度を420℃とした
以外は実施例16と同様にプロパンの気相接触酸化反応
を行なった結果を表−3に示す。 実施例18 実施例14の触媒前駆体を粉砕することなく、そのまま
触媒として使用し、実施例14と同様にプロパンの気相
接触酸化反応を行なった結果を表−3に示す。また、上
記の触媒の表面の走査型電子電子顕微鏡写真を図2に示
した。実施例14と実施例18を比較すると、粉砕の有
無による触媒表面の状態に差異があることが明らかであ
り(図1と図2参照)、また、粉砕した触媒を用いた実
施例14の方が実施例18よりアクリロニトリル収率が
より高いことがわかる(表−3参照)。
【0053】
【表5】
【0054】実施例19 実験組成Mo1 0.30Te0.23 n を有する触媒を、
シリカゾルとシュウ酸ニオブアンモニウム塩を使用しな
かった以外は実施例1と同様の方法で調製した。この様
にして得た触媒0.5mlを反応器に充填し、反応温度
440℃、空間速度SVを1000h-1に固定して、プ
ロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比
でガスを供給し気相接触酸化反応を行なった。その結果
を表−4に示す。
【0055】比較例2 実験組成Mo1 0.30Te0.23 n を有する触媒を、
調製したスラリーを噴霧乾燥ではなく、電熱器で加熱さ
れた蒸発皿上で約100mlのスラリーを加熱し、撹は
んしつつ煮沸させ水分を除去した以外は実施例19と同
様の方法で調製した。この様にして得た触媒で、反応温
度を460℃にした以外は実施例19と同様の条件で気
相接触酸化反応を行なった。その結果を表−4に示す。
【0056】
【表6】
【0057】実施例20〜22 Mo−V−Te−O系の触媒を、実施例19において原
料化合物の量を適宜調整し、実施例19と同様の方法で
調製した。この様にして得た触媒0.5mlを反応器に
充填し、表−5に示す反応条件下、プロパン:アンモニ
ア:空気=1:1.2:10のモル比でガスを供給し気
相接触酸化反応を行なった。その結果を表−5に示す。
【0058】
【表7】
【0059】比較例3〜5 実験組成Mo1 Te0.5 Al12.8 n を有する触媒
を、アルミニウム原料として硝酸アルミニウムを用い、
その他原料化合物の量を適宜調整し、約20重量%のス
ラリーを調製した。 該スラリーを、電熱器で加熱され
た蒸発皿上で加熱して水分を除去した。この乾燥物を空
気気流中600℃で3時間焼成した。この様にして得た
触媒1.5mlを反応器に充填し、、表−6に示す反応
条件下、プロパン:アンモニア:空気=1:1.2:1
5のモル比でガスを供給し気相接触酸化反応を行なっ
た。その結果を表−6に示す。
【0060】比較例6〜8 比較例3〜5でのスラリーの蒸発方法を噴霧乾燥とした
以外は同じ方法で触媒を調製した。 この様にして得た
触媒1.5mlを反応器に充填し、、表−5に示す反応
条件下、プロパン:アンモニア:空気=1:1.2:1
5のモル比でガスを供給し気相接触酸化反応を行なっ
た。その結果を表−6に示す。表−6より、Mo−
e− Al− O系の複合化合物では噴霧乾燥による触媒
の活性向上は特に認められないことがわかる。
【0061】
【表8】
【0062】
【発明の効果】本発明方法で製造される触媒によれば、
アルカンを原料として、反応系にハロゲン化物や水等を
存在させることなく、しかも400〜450℃程度の比
較的に低い温度において、高い収率で目的とするニトリ
ルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例14で得られた触媒粒子の表面を示す写
真である(倍率50,000倍)。
【図2】実施例18で得られた触媒粒子の表面を示す写
真である(倍率10,000倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 255/08 9357−4H (72)発明者 清野 健一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 犬丸 啓 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 小早川 聡 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化成株 式会社四日市工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカンをアンモニアと気相接触酸化反
    応させてニトリルを製造するのに用いる触媒であって、
    モリブデン、バナジウムおよびテルルを含む溶液又はス
    ラリーを、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法により乾燥し、得
    られた乾燥物を熱処理することを特徴とするニトリル製
    造用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 モリブデン、バナジウムおよびテルルを
    含む溶液又はスラリーを、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法に
    より乾燥し、得られた乾燥物を熱処理し、更に粉砕する
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉砕された触媒の平均粒径が20μm以
    下であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理を酸素不存在下で行うことを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 モリブデン、バナジウムおよびテルルを
    含む溶液又はスラリー中に、ニオブ、タンタル、タング
    ステン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、クロ
    ム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、
    ニッケル、パラジウム、白金、アンチモン、ビスマス、
    ホウ素、インジウムおよびセリウムからなる群から選ば
    れる1以上の元素を含有することを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 触媒が以下の式(1)で表されることを
    特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の
    製造方法。 【化1】 Moa b Tec X n (1) (式(1)において、XはNb,Ta,W,Ti,A
    l,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,N
    i,Pd,Pt,Sb,Bi,B,InおよびCeの中
    から選ばれた1つまたはそれ以上の元素を表わし、 a=1とするとき、 b=0.01〜1.0 c=0.01〜1.0 x=0〜1.0 であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定され
    る。)
  7. 【請求項7】 式(1)でx=0.01〜0.6である
    ことを特徴とする請求項6の製造方法。
  8. 【請求項8】 触媒のX線回折線において、下記に示す
    回折角2θにX線回折ピークを示すことを特徴とする請
    求項1ないし請求項7のいずれかに記載の製造方法。 【表1】回折角2θ(°) 22.1±0.3 28.2±0.3 36.2±0.3 45.2±0.3 50.0±0.3
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