JPH06285358A - 徐放性金属酸化物中空微粒子及びその製造方法 - Google Patents

徐放性金属酸化物中空微粒子及びその製造方法

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JPH06285358A
JPH06285358A JP10506393A JP10506393A JPH06285358A JP H06285358 A JPH06285358 A JP H06285358A JP 10506393 A JP10506393 A JP 10506393A JP 10506393 A JP10506393 A JP 10506393A JP H06285358 A JPH06285358 A JP H06285358A
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oxide hollow
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Kentaro Oshima
賢太郎 大島
Keiichi Den
慶一 傳
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Kao Corp
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    • C01P2006/14Pore volume

Abstract

(57)【要約】 【構成】多孔質かつ中空構造を有する金属酸化物中空微
粒子の多孔部内および/または中空部内に、一種類又は
複数種類の液状物質を含有する徐放性金属酸化物中空微
粒子、並びにその製造方法。 【効果】本発明の徐放性金属酸化物中空微粒子を用いる
と、熱的、物理的、化学的に安定な金属酸化物中空微粒
子から、液状物質を徐々に放出することができる。該液
状物質として、香気物質、医薬物、農薬物、肥料などを
用いることにより、該液状物質の機能を長時間持続させ
る効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、徐放性金属酸化物中空
微粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、一種
類又は複数種類の液状物質を微粒子の多孔部内および/
または中空部内に含有し、その液状物質の有する効果を
長時間持続させる徐放性金属酸化物中空微粒子、並びに
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般に、
金属酸化物微粒子は、熱的、物理的、化学的に安定であ
り、光導電性、圧電性、蛍光性、触媒効果等の性能を利
用して様々な工業分野で利用されており、例えば、酸化
亜鉛(ZnO)微粒子は、種々の工業製品、医薬品、ゴ
ムの加硫促進剤、触媒、バリスター(可変抵抗器)、塗
料等に用いられ、最近では紫外線遮蔽材としてUV化粧
品にも用いられている。その他に、例えば、酸化チタン
(TiO2 )微粒子も広範な工業的価値を有し、白色顔
料、研磨材、医薬品等、最近では酸化亜鉛微粒子と同様
に紫外線遮蔽材として用いられている。その他の金属酸
化物微粒子も、同様に様々な工業的価値を持つ。
【0003】従って、一般に金属酸化物はその工業的価
値は極めて大きく、その機能を最大限に発現させるに
は、多孔質化および微粒子化が重要である。即ち、多孔
質化および微粒子化することにより、比表面積が極めて
大きく増大し、微粒子を構成する全分子数中に占める微
粒子表面に位置する分子の数の割合が大きくなって微粒
子の表面エネルギーが増大するため、その機能が極めて
大きく発現されるからである。更には、金属酸化物微粒
子の微細構造を中空化することにより、その中空部に機
能性物質を入れ込む一方で、微粒子の粒径及び孔径を制
御することにより、微粒子からの機能性物質の放出量を
制御することができる。これにより、機能性物質の有す
る効果を長い時間持続させることが可能となり、前述の
金属酸化物微粒子にそのような新規機能が付与されるこ
とになる。このことは、省資源、省エネルギー的な視野
にたって考えれば、大きな意味を持つと思われる。
【0004】前述のように、今後極めて重要な工業的価
値を有すると考えられる徐放性微粒子の材質には、大き
く分けて有機物質と無機物質があり、製造法もそれぞれ
の場合で異なる。有機物質としては、例えば高分子重合
体より形成されるマイクロカプセルがあり、製造法とし
ては、生理活性物質を緩衝液中に溶解させた後、ビニル
重合性単量体を含む複合エマルジョンを作製し、それを
重合させることにより、マイクロスフェア状徐放性複合
体を得る方法(特開昭57−112321号公報)があ
る。その他の製造法としては、水溶性薬物及び薬物保持
物質を含む液を内水層とし、これを特定の粘度に増粘な
いし固化し、次に高分子重合物を含む溶液を油層として
乳化物を作り、これを水中乾燥法により徐放性マイクロ
カプセルを得る方法(特開昭60−100516号公
報)がある。
【0005】前記の有機物質で構成される徐放性微粒子
の場合、無機物質の場合に比べて、熱的、物理的、化学
的に弱いという欠点がある。これは、その徐放性微粒子
の使用環境を考えれば、制限を受けるという点で不利で
ある。又、製造法については、徐放性微粒子に含有れさ
る物質である生理活性物質や薬物等を、重合性単量体と
液相内反応場で共存させるので、それらの含有物質の活
性や薬効性を損ねることなく重合反応を行わせる必要が
あり、重合反応条件である温度、重合性単量体の濃度、
pH等にかなりの制限がある。従って、生成するマイク
ロカプセルの物性も大きく制限され、場合によっては高
分子重合体や含有物質の組合せの選択が困難な場合も多
々あると考えられる。
【0006】無機物質としては、例えば、アルカリ金属
の無機酸塩もしくは炭酸塩およびアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物から選ばれた少なくとも1種の無機化合物の
水溶液に、防食もしくは防汚塗料用顔料粉末を懸濁させ
た懸濁液および有機溶媒を混合してw/o型乳濁液とな
し、次いでアルカリ土類金属のハロゲン化物、無機酸の
アンモニウム塩およびアルカリ金属の炭酸塩から選ばれ
た化合物であって且つ上記無機化合物との水溶液反応に
よって水不溶性沈澱を生成する化合物の水溶液を上記乳
濁液と混合して、上記顔料粉末を含有する微小球状の多
孔性無機質粉体を得ることを特徴とする無機粉体の製造
方法(特開昭54−6251号公報)がある。その他
に、アルカリ金属の珪酸塩及びアルカリ土類金属のハロ
ゲン化物もしくは硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の
無機化合物の水溶液と有機溶媒とを混合してw/o型乳
濁液となし、次にその乳濁液中の上記無機化合物と反応
して水溶性沈澱を生成する無機化合物の水溶液を、上記
乳濁液と混合することを特徴とした微小球の製法(特開
昭57−55454号公報)がある。
【0007】前記の無機物質で構成される多孔性微粒子
の場合、原料及び水溶液反応の制約上、多孔性無機質粉
体の金属元素としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属
を含むものに限られるが、微粒子に含有される顔料とし
ては、その無機質粉体と顔料との反応が無いような組合
せを選択せねばならず、金属元素に制限があるために、
その選択が困難となる場合が多く生じる。
【0008】上記の有機、無機微粒子の他に、微粒子の
構造上、徐放性微粒子となる可能性のある多孔性中空構
造を有する微粒子としては、例えば、炭酸コバルト(I
I)から構成され、平均粒子径が約0.1〜20μmの
ほぼ完全な球状を呈し、多孔性中空構造を有し、且つ約
10〜80Aの平均細孔径を有することを特徴とする微
小球状多孔性炭酸コバルト(II)粒子及びその製造法と
して、コバルト(II)塩水溶液と有機溶媒を混合して得
られるw/o型乳濁液と、アルカリ金属及び(又は)ア
ンモニウムの炭酸水素塩水溶液とを混合反応させる方法
(特開昭55−37492号公報)がある。
【0009】前記の微粒子の場合、炭酸コバルト(II)
微粒子は、無機物質の微粒子に比べて、熱的、化学的に
不安定である。例えば、真空中350℃でCO2 を放出
して酸化コバルト(II)粒子に変化し、又、酸性溶液中
では、即、CO2 を放って溶解する性質がある。従っ
て、上記の従来技術を考えた場合、熱的、物理的、化学
的に安定な材質から構成された、多孔性で、かつ中空構
造を持った徐放性微粒子の開発が課題となっていた。
又、製造法としては、そのような徐放性微粒子につい
て、広範囲の種類の微粒子を、簡便なプロセスにより、
連続的に安価に製造する方法の開発が課題であった。そ
こで、有望視されるのが無機物質の中では金属酸化物中
空微粒子であるが、金属酸化物で構成され、徐放性機能
を持った多孔性中空微粒子は未だ知られていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のご
とく、熱的、物理的、化学的に安定な材質から構成され
た徐放性微粒子として、多孔性かつ中空構造を持った金
属酸化物中空微粒子が適していることを発見し、また、
一種類又は複数種類の金属塩を含む溶液を噴霧熱分解す
るという簡便なプロセスにより、多孔性の金属酸化物中
空微粒子を連続的に安価に製造して捕集した後、該微粒
子内部が外側より低い圧力となる条件下で、一種類又は
複数種類の液状物質と該微粒子を接触させることによ
り、該微粒子の多孔部内および/または中空部内に該液
状物質を含有させ、徐放性金属酸化物中空微粒子を製造
することができることを発見し、さらに鋭意研究を進め
て本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明の要旨は、(1)多孔質かつ
中空構造を有する金属酸化物中空微粒子の多孔部内およ
び/または中空部内に、一種類又は複数種類の液状物質
を含有することを特徴とする徐放性金属酸化物中空微粒
子、並びに(2)一種類又は複数種類の金属塩を含む溶
液を平均液滴径が0.1〜500μmの液滴とし、該液
滴をキャリアーガスを用いて気液混相の状態で高温反応
炉内へ送り、該反応炉内部で液滴に含まれる金属塩を熱
分解して多孔質かつ中空構造を有する金属酸化物中空微
粒子を生成した後、該微粒子内部が外側より低い圧力と
なる条件下で、一種類又は複数種類の液状物質と該微粒
子を接触させることにより、該微粒子の多孔部内および
/または中空部内に液状物質を含有させることを特徴と
する徐放性金属酸化物中空微粒子の製造方法に関する。
【0012】本発明に用いられる金属酸化物中空微粒子
は、多孔質であり、かつ中空構造を有するものである。
金属酸化物中空微粒子としては、生成する金属酸化物中
空微粒子の歩留まりや微粒化による機能向上を考慮し
て、平均粒子径が通常0.01〜100μmの範囲、好
ましくは0.05〜50μmの範囲の粒径のものが挙げ
られる。このような粒径の制御は、噴霧溶液濃度、原料
霧化装置の型式、キャリアーガスと金属塩溶液との重量
比等の条件を適当に設定することにより行なうことがで
きる。尚、金属酸化物中空微粒子の粒径は、種々の方法
で測定できるが、例えば走査型または透過型電子顕微鏡
により測定できる。
【0013】また、金属酸化物中空微粒子の平均細孔径
は、5〜1000Aが好ましいが、7〜500Aが更に
好ましく、10〜100Aが最も好ましい。5Aより小
さい細孔からは液状物質の放出が困難であり、1000
Aより大きい細孔では、液状物質の放出速度が大きくな
りすぎるため徐放性が得られない。細孔径は、種々の方
法で測定できるが、水銀圧入法を利用したポロシメータ
ー等により測定できる。
【0014】金属酸化物中空微粒子の中空度は、中空球
形部の直径をdp、金属酸化物中空微粒子の直径をDP
とするとき、dp/DP=0.3〜0.95、好ましく
は0.5〜0.95である。これは、dp/DPが0.
3より小さい場合、金属酸化物中空微粒子の殻厚が大き
すぎて液状物質が金属酸化物中空微粒子の殻内部を通過
することが困難となり、dp/DPが0.95より大き
い場合、金属酸化物中空微粒子の殻厚が小さすぎて金属
酸化物中空微粒子が壊れ易くなるからである。中空度は
断面をカットした金属酸化物中空微粒子の電子顕微鏡写
真により求めることができる。
【0015】以上のような形状を有する金属酸化物とし
ては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金
属等の金属の酸化物が挙げられる。具体的にはアルカリ
金属としては、Li,Na,K,Rb,Cs,Fr,ア
ルカリ土類金属としてはBe,Mg,Ca,Sr,B
a,Ra、遷移金属としては周期表第4周期のSc,T
i,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,
Ge,Ga,As、第5周期のY,Zr,Nb,Mo,
Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,S
b、第6周期のLa,Hf,Ta,W,Re,Os,I
r,Pt,Au,Hg,Tl,Pb,Bi等の他に、A
l,Si等が挙げられる。金属酸化物の具体例として
は、例えばMO,MO2 ,M2 3 (ここで、Mは、上
記の金属を示す)等が挙げられる。本発明においては、
これらの金属酸化物を単独で用いてもよく、2種以上を
混合したものであってもよい。これらの金属酸化物のう
ち、工業的に有用であること、安価であること、等の点
から、酸化亜鉛、酸化チタン又はそれらの混合物が好適
に用いられる。このような金属酸化物中空微粒子の製造
方法としては、後述のような本発明の方法を好適に用い
ることができる。
【0016】本発明の徐放性金属酸化物中空微粒子は、
前記の金属酸化物中空微粒子の多孔部内および/または
中空部内に、一種類又は複数種類の液状物質を含有する
ことを特徴とするものである。即ち、本発明においては
液状物質が多孔部内または中空部内のいずれかに少なく
とも含有されていればよいが、徐放性の長期持続の点か
ら、多孔部内と中空部内の両方に液状物質が含有されて
いることが好ましい。
【0017】用いられる液状物質としては、動植物体や
それ以外の物体に何等かの効果を及ぼす機能を有してい
る物質であれば特に限定されることなく、例えば香気物
質、医薬物、農薬物または肥料等が挙げられる。ここで
液状とは、本発明における金属酸化物中空微粒子の多孔
部内や中空部内に前記のような物質を流入させ得る性状
をいう。香気物質とは、芳香をもち吸気と共に鼻から入
って臭覚を刺激する物質であり、動植物体から抽出した
芳香油(精油)からなる天然香料と、合成香料とに分か
れる。動物体から抽出された芳香油としては、ムスク、
シベット、カスター、アンバーグリース等が、又、植物
体から抽出された芳香油としてはテルペン類等、又、種
々の合成香料等、様々の香料が使用できる。医薬物に
は、消炎剤、解熱剤、血圧降下剤、睡眠剤、栄養剤、抗
癌剤等、様々の医薬物が使用できる。農薬物には、除草
剤、除虫剤等、様々の農薬物が使用できる。肥料には、
窒素源補給肥料、リン酸源補給肥料、カリウム源補給肥
料等、様々の肥料が使用できる。本発明の徐放性金属酸
化物中空微粒子において、含有される液状物質の量は、
金属酸化物中空微粒子の多孔部や中空部などの空隙部分
に対して、通常20〜100体積%、好ましくは40〜
100体積%である。
【0018】次に、以上の徐放性金属酸化物中空微粒子
を得るための、本発明の製造方法について、図面に基づ
きながら詳細に説明する。図1は本発明に好適に用いら
れる金属酸化物中空微粒子の製造装置の一例を示す概略
図であり、図2は本発明に好適に用いられる、該微粒子
に液状物質を含有させる装置の一例を示す概略図であ
る。本発明の製造方法においては、図1の装置で得られ
た微粒子を、図2の装置に使用することにより、一連の
工程を行なうことができる。
【0019】液槽1内にある一種類又は複数種類の金属
塩を含む溶液を液送用ポンプ2を用いて、微小な原料液
滴を発生する原料霧化装置3へ連続供給し、該原料液滴
をキャリアーガス供給装置4より供給されるキャリアー
ガスに同伴させて高温の加熱体5を有する反応管6へ送
り込み、反応管6内で液滴の熱分解反応を行なわせて気
固混相状態で金属酸化物中空微粒子を生成させ、金属酸
化物中空微粒子捕集装置7内にて生成した金属酸化物中
空微粒子を捕集する。次に、得られた微粒子を金属酸化
物中空微粒子の貯槽8に入れ、密閉容器9内を真空ポン
プ10を用いて所定の圧力まで減圧した後、液状物質の
貯槽11から液状物質を金属酸化物中空微粒子の貯槽8
へ徐々に投入し、微粒子内部が外側の液状物質より低い
圧力となる条件下で、微粒子を液状物質と接触させ、多
孔部内および/または中空部内に液状物質を含有させ
て、徐放性金属酸化物中空微粒子を製造する。このと
き、微粒子内部が外側の液状物質より低い圧力となる条
件とは、微粒子内部と液状物質の圧力差により液状物質
が該微粒子内部の多孔部や中空部内に浸入するような圧
力状態をいい、上記のように微粒子内部を減圧後、大気
圧等で両者を接触させる方法の他、両者を接触させた
後、その状態で両者の混合液を加圧する方法、また減圧
と加圧を組合せた方法等が挙げられる。
【0020】液槽1は、その形状、大きさ及び材質を特
に限定しないが、原料溶液を安定に貯槽できれば良い。
液送用ポンプ2は、特に限定されないが、原料液滴を一
定量供給できる定量ポンプ等が好ましい。原料霧化装置
3としては、超音波振動による霧化装置や二流体式加圧
噴霧装置等が挙げられるが、液滴径分布が狭く、かつ微
少な液滴を得るには、超音波振動による霧化装置が好ま
しい。キャリアーガス供給装置4は、特に限定されない
が、長時間にわたり一定流量のキャリアーガスを供給で
きるものが良く、その流量制御装置としては、例えば、
質量式流量計が使用できる。
【0021】反応管6の材質には、例えばステンレス、
セラミックス、石英ガラス等が使用できる。反応管の形
状は、特に限定されないが、円筒形が好ましい。反応炉
としての反応管は、管軸方向および半径方向に対して、
等温部がなるべく広く保たれるように加熱体5を温度制
御できるようにしなくてはならない。反応管内の温度
は、金属塩の種類及び溶媒の種類によって適当に設定す
れば良く、通常50〜2000℃の範囲が好ましく、1
00〜1500℃の範囲が更に好ましく、300〜13
00℃の範囲が特に好ましい。50℃未満では熱分解反
応速度が低く、また2000℃を超えると溶媒の急激な
蒸発が起こり、粒子径制御が困難となり好ましくない。
【0022】熱分解反応を例示すると、 Ti(SO4 2 → TiO2 + SOx CuSO4 → CuO + SOx Zn(NO3 2 → ZnO + NOx Ca(NO3 2 → CaO + NOx MgCO3 → MgO + CO2 等が挙げられる。
【0023】金属酸化物中空微粒子捕集装置7には、フ
ィルター式、静電捕集式等が有効であるが、長期運転用
には、電気集塵器または拡散荷電型静電捕集器等が好ま
しい。金属酸化物中空微粒子の貯槽8は、微粒子を安定
に貯槽できるものであれば任意の材質及び形状で良い。
材質には、例えば、ガラス、セラミックス、ステンレス
等が使用できる。密閉容器9は、密閉容器内部の圧力を
安定に保てるような構造であれば、任意の材質及び形状
で良い。真空ポンプ10は、密閉容器9内部の圧力を安
定して減圧できるものであれば良い。例えば、ダイヤフ
ラム式ポンプ、ロータリー式ポンプ、分子拡散式ポンプ
等が使用できる。前述のように、加圧により微粒子の内
部に液状物質を含有させる場合、真空ポンプの代わりに
吐出圧の高い圧送ポンプ等の加圧手段が用いられる。
【0024】液状物質の貯槽11は、液状物質を安定に
貯槽できるものであれば任意の材質及び形状で良い。そ
の下部には、液状物質を密閉容器9へ徐々に投入するた
めに、液状物質の投入速度を変えれるようなバルブ12
等の付いた液状物質の流入管が取り付けられる。又、加
圧下にて微粒子と液状物質を接触させる場合には、貯槽
11には圧送ポンプ機構(図示せず)を持つものが良
い。液状物質の貯槽の材質には、例えば、ガラス、セラ
ミックス、ステンレス等が使用できる。
【0025】次に、前記の装置を用いる本発明の製造方
法について説明する。本発明おいては、前記の微粒子の
品種に応じた一種類又は複数種類の金属塩を含む溶液が
用いられる。ここで、金属塩の種類としては、塩酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、また2種
類以上の塩で構成されている複塩、錯イオンを含む錯塩
等が挙げられ、無水塩及び含水塩のどちらでも良い。金
属塩の具体例としては、Ti(SO4 2 ,CuSO4
・5H2 O,Zn(NO3 2・6H2 O,Ca(NO
3 2 ・4H2 O,CaCl2 ,MgCO3 ,Fe
3 (PO4 2 ,Cu(CH3 COO)2 ,複塩ではK
MgCl3 ,AlK(SO42 等が、錯塩としては、
3 [Fe(CN)6 ],[CoCl(NH3 5 ]C
2 等が挙げられる。これらの金属塩は単独又は混合物
で用いられる。混合物を用いる場合、例えばチタン塩と
亜鉛塩の混合物を用いた場合は熱分解温度により、酸化
亜鉛と酸化チタンの混合物又は複合物であるチタン酸亜
鉛(Zn2 TiO4 )が得られる。
【0026】このような金属塩溶液の溶媒としては、水
あるいは有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の例
としては、メタノール、エタノール等のアルコールや、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶媒が挙げら
れる。金属塩溶液濃度は10-5mol/L〜20mol
/Lの範囲が好ましく、望ましくは10-4mol/L〜
10mol/Lの範囲が良い。その理由は、溶液濃度が
10-5mol/Lより低い場合、金属酸化物中空微粒子
の生成量が極端に少なくなり、また20mol/Lより
高い場合、溶液の粘度が増加し過ぎて微小液滴化が困難
となるからである。
【0027】液滴化される金属塩溶液の平均液滴径は、
0.1〜500μm、好ましくは0.1〜100μm、
更に好ましくは0.1〜50μmの範囲で、液滴径分布
はなるべく狭いものが好ましい。平均液滴径が0.1μ
mより小さい場合、その程度の大きさの液滴を発生させ
ることは現実には困難であり、また、500μmより大
きい場合、生成する金属酸化物中空微粒子の粒子径が大
きくなり、金属酸化物中空微粒子の微粒化が困難とな
る。なお、液滴径は気液混相の状態で測定することが好
ましく、例えば、光散乱式粒度分布計測機で測定でき
る。
【0028】キャリアーガスとしては、不活性ガスある
いは熱分解反応の進行を妨げないガスが用いられ、例え
ばヘリウム、空気、窒素等が用いられる。キャリアーガ
スの流量は、反応管内における原料液滴を含むキャリア
ーガスの滞留時間が1秒より短くならないようにキャリ
アーガスの流量を調節することが望ましい。
【0029】以上のようにして製造された金属酸化物中
空微粒子の特徴は、多孔質かつ中空構造を有し、ほぼ球
形状で、単分散性が良いといったことが挙げられる。生
成機構としては、金属塩を含む液滴の外側から溶媒の蒸
発及び金属塩分子の熱分解がほぼ同時に並行して起こる
ために、まず、金属酸化物で構成される殻が生成する。
その後、殻内部の溶媒の蒸発及び金属塩分子の熱分解が
起こるために、微粒子内部に多孔部や中空部を有した、
多孔性の金属酸化物中空微粒子が生成すると考えられ
る。また、金属酸化物中空微粒子が形成される際の酸素
源としては、金属塩の分子内酸素又は、溶媒の分子内酸
素が用いられる。
【0030】次に、前記の微粒子内部が外側の液状物質
より低い圧力となる条件下で、一種類又は複数種類の液
状物質と該微粒子を接触させる方法について説明する。
密閉容器内の圧力は、特に限定されることなく、加圧又
は減圧、いずれでも良い。但し、金属酸化物中空微粒子
内部の圧力と外部の圧力との差が、金属酸化物中空微粒
子の外側にある液状物質が圧力差を推進力として該微粒
子内部へ浸入できるような、加圧又は減圧状態とする必
要がある。
【0031】金属酸化物中空微粒子の貯槽8への液状物
質の投入は徐々に行なうことが好ましい。それは、液状
物質を急激に金属酸化物中空微粒子の粉体層に投入した
場合、金属酸化物中空微粒子の粉体層を飛散させ、金属
酸化物中空微粒子と液状物質の有効な接触が行なわれな
くなるからである。液状物質の投入量は、貯槽8内の金
属酸化物中空微粒子の粉体層の体積以上とすることが好
ましい。金属酸化物中空微粒子と液状物質の接触時間
は、液状物質が金属酸化物中空微粒子内部へ浸入し、金
属酸化物中空微粒子内部の圧力と外部の圧力とが平衡に
なるまでの時間以上にすることが好ましいが、液状物質
の含有量が少なくてもよい場合等、適宜接触時間を調整
してもよい。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0033】実施例1 図1に示す熱分解反応装置を用いて、酸化亜鉛(Zn
O)中空微粒子の製造を行なった。硝酸亜鉛六水和物
(Zn(NO3 2 ・6H2 O)と純水を用いて、硝酸
亜鉛水溶液10-4mol/Lを調製し、原料霧化装置に
より原料液滴(平均液滴径5.5μm)を発生させ、流
量を1L/minに制御された窒素キャリアーガスを用
いて900℃に温度制御されたセラミックス製反応管
(内径30mm、外径40mm、加熱部の長さ500m
m)に送り、反応管内部で原料液滴を熱分解させZnO
中空微粒子を生成させ、気固混相の状態で得られるZn
O中空微粒子を反応管出口直後に取り付けた拡散荷電型
静電捕集器により回収した。上記条件により得られたZ
nO中空微粒子の結晶相はアモルファスで一部六方晶系
が混在しており、ZnO中空微粒子の平均粒子径は個数
基準で約0.2μmであり、その粒子径分布は、0.1
μm以下が9%、0.1〜0.2μmにおいて42%、
0.2〜0.3μmにおいて42%、0.3μm以上は
7%であった。ZnO中空微粒子の平均細孔径は20A
であり、また、微粒子の中空度(=dp/DP)は0.
8であった。
【0034】次に、図2に示されるような、微粒子に液
状物質を含有させる装置を用いて、香気物質であるα−
ピネンを含有する本発明の徐放性ZnO中空微粒子の製
造を行なった。まず、上記のZnO中空微粒子1gを微
粒子の貯槽であるガラスビーカーに分取し、ガラス製密
閉容器内に放置する。その後、真空ポンプにより、密閉
容器内を10-2Torrに減圧し、α−ピネンの貯槽で
ある分液ロートから、分液ロートのコックを調節しなが
ら徐々にα−ピネンをZnO中空微粒子の粉体層へ投入
し、投入後、20分間放置し、その後、その微粒子粉体
層を大気へ開放した。尚、このとき、粉体層の重量増加
分は2.8gであり、その重量増加分はα−ピネンがZ
nO中空微粒子内に吸着し、微粒子内に含有されたもの
と考えられる。この微粒子をミクロトームにより超薄切
片とし、その微粒子断面をX線マイクロアナライザーに
より分析した結果、微粒子中空部及び多孔部に有機物
質、すなわちα−ピネンが存在していることがわかっ
た。
【0035】上記のα−ピネンを含有するZnO中空微
粒子1gを、デシケーター(容量1L)中に静置し、そ
のデシケーター内に窒素ガスを0.02L/min流し
て、デシケーターから排出されるガス(流量0.02L
/min)をメタノール入りの洗浄ビン(容量100m
L)に通して、ZnO中空微粒子から放出されたα−ピ
ネンをメタノール中に回収した。時間の経過と共に増加
するメタノール中のα−ピネン濃度は、メタノール1μ
Lをマイクロシリンジにより分取して、ガスクロマトグ
ラフィーにより測定した。図3は、測定値より求めた、
メタノール中へのα−ピネン放出濃度を経時的に示した
ものである。即ち、前記のガスクロマトグラフィーによ
る測定曲線の傾きより求めた、1日あたりのメタノール
中へのα−ピネンの放出濃度(%/日)を、時間経過と
ともにチャート化したものである。図3より約10日間
にわたり、α−ピネン濃度が徐々に増加しており、これ
により、放出の遅延効果、すなわち徐放効果が認められ
た。
【0036】後述の実施例2及び比較例1でも上記と同
様の方法にて、時間経過に対するα−ピネン放出濃度を
測定した。尚、平均液滴径は光散乱式粒度分布計測機
(パーティクルサイザー、日本レーザー(株)製)を用
いて測定し、生成したZnO中空微粒子の結晶相はX線
回析装置により測定した。また、微粒子径は走査型電子
顕微鏡を用いて測定し、平均細孔径はポロシメーター
(POROUS MATERIALS社製)により測定し、微粒子の中空
度は微粒子断面の透過型電子顕微鏡による直接観察法に
より求めた。後述の実施例2、比較例1でも、同様の方
法で測定を行なった。
【0037】実施例2 図1に示す熱分解反応装置を用いて、酸化チタン(Ti
2 )中空微粒子の製造を行なった。四塩化チタンと純
水を用いて、四塩化チタン水溶液10-4mol/Lを調
製し、その後、実施例1と同じ装置及び方法により、T
iO2 中空微粒子を回収した。上記条件により得られた
TiO2 中空微粒子の結晶相はアモルファスで一部アナ
ターゼ型結晶が混在しており、TiO2 中空微粒子の平
均粒子径は個数基準で約0.2μmであり、その粒子径
分布は、0.1μm以下が10%、0.1〜0.2μm
において40%、0.2〜0.3μmにおいて41%、
0.3μm以上は9%であった。TiO2 中空微粒子の
平均細孔径は35Aであり、また、微粒子の中空度(=
dp/DP)は0.8であった。
【0038】次に、実施例1と同様の方法で、α−ピネ
ン放出型の本発明の徐放性TiO2中空微粒子の製造を
行なった。尚、上記のTiO2 中空微粒子1gに対し
て、粉体層の重量増加分は2.9gであり、その重量増
加はα−ピネンがTiO2 中空微粒子内に吸着し、微粒
子内に含有されたものと考えられる。この微粒子をミク
ロトームにより超薄切片とし、その微粒子断面をX線マ
イクロアナライザーにより分析した結果、微粒子中空部
及び多孔部に有機物質、すなわちα−ピネンが存在して
いることがわかった。
【0039】上記のα−ピネンを含有したTiO2 中空
微粒子1gを、実施例1と同様の方法で、時間の経過と
共に増加するメタノール中へのα−ピネン放出濃度を測
定した。その測定結果を図3に示す。図3より、実施例
1と同様に、長期間にわたり、α−ピネン濃度が徐々に
増加しており、これにより、放出の遅延効果すなわち徐
放効果が認められた。しかし、実施例1のZnO中空微
粒子よりも平均細孔径が大きいため、経過時間の初期で
はα−ピネンの放出濃度は実施例1の場合よりも多く、
その分だけ経過時間の後期ではα−ピネンの放出濃度は
実施例1の場合よりも少なくなっていることがわかる。
【0040】比較例1 市販のZnO中実微粒子(三井金属製、亜鉛蒸気と空気
との接触酸化、すなわちフランス法による)を用いて、
実施例1、2と同様な方法でα−ピネン放出型の徐放性
ZnO微粒子の製造を行なった。上記のZnO微粒子の
結晶相はアモルファスで一部六方晶系が混在しており、
そのZnO粒子の平均粒子径は個数基準で約0.2μm
であり、その粒子径分布は、0.1μm以下が10%、
0.1〜0.2μmにおいて40%、0.2〜0.3μ
mにおいて44%、0.3μm以上は6%であった。上
記のZnO微粒子の走査型及び透過型電子顕微鏡による
観察の結果、上記のZnO微粒子に細孔はなく、また中
空構造を有していなかった。また、ZnO微粒子1gに
対して、粉体層の重量増加分は1gであった。この微粒
子をミクロトームにより超薄切片とし、その微粒子断面
をX線マイクロアナライザーにより分析した結果、微粒
子表面にのみα−ピネンが存在していることがわかっ
た。上記のα−ピネンを含有したZnO微粒子1gを、
実施例1と同様の方法で、時間の経過と共に増加するメ
タノール中へのα−ピネン放出濃度を測定した。その測
定結果を図3に示す。図3より、α−ピネン放出濃度は
経過時間の初期に高く、6日目でほとんどゼロとなり、
実施例1、2と比べて、放出の遅延効果、すなわち徐放
効果が認められなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の徐放性金属酸化物中空微粒子を
用いると、熱的、物理的、化学的に安定な金属酸化物中
空微粒子から、液状物質を徐々に放出することができ
る。該液状物質として、香気物質、医薬物、農薬物、肥
料などを用いることにより、該液状物質の機能を長時間
持続させる効果があり、これは省資源、省エネルギーの
効果をもたらすことになる。また、本発明の製造方法に
よると、金属塩を含む溶液を噴霧熱分解して金属酸化物
中空微粒子を製造するという簡便なプロセスにより、多
孔性の金属酸化物中空微粒子を連続的に安価に製造し、
次いで該微粒子を該液状物質と特定の圧力条件下にて接
触させるという簡単な方法で、該微粒子に該液状物質を
含有させて徐放性金属酸化物中空微粒子を安価に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に好適に用いられる金属酸化物
中空微粒子の製造装置の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明に好適に用いられる、微粒子に
液状物質を含有させる装置の一例を示す概略図である。
【図3】図3は、実施例1、2及び比較例1で得られた
金属酸化物中空微粒子からの液状物質の放出濃度を示す
図である。
【符号の説明】
1 液槽 2 液送用ポンプ 3 原料霧化装置 4 キャリアーガス供給装置 5 加熱体 6 反応管 7 金属酸化物中空微粒子捕集装置 8 金属酸化物中空微粒子の貯槽 9 密閉容器 10 真空ポンプ 11 液状物質の貯槽 12 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 9/02 A 23/04 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質かつ中空構造を有する金属酸化物
    中空微粒子の多孔部内および/または中空部内に、一種
    類又は複数種類の液状物質を含有することを特徴とする
    徐放性金属酸化物中空微粒子。
  2. 【請求項2】 金属酸化物中空微粒子の平均粒子径が
    0.01〜100μmである請求項1記載の徐放性金属
    酸化物中空微粒子。
  3. 【請求項3】 金属酸化物中空微粒子の平均細孔径が5
    〜1000Aである請求項1又は2記載の徐放性金属酸
    化物中空微粒子。
  4. 【請求項4】 液状物質が香気物質、医薬物、農薬物ま
    たは肥料である請求項1、2又は3記載の徐放性金属酸
    化物中空微粒子。
  5. 【請求項5】 金属酸化物が酸化亜鉛、酸化チタン又は
    それらの混合物である請求項1〜4いずれか記載の徐放
    性金属酸化物中空微粒子。
  6. 【請求項6】 一種類又は複数種類の金属塩を含む溶液
    を平均液滴径が0.1〜500μmの液滴とし、該液滴
    をキャリアーガスを用いて気液混相の状態で高温反応炉
    内へ送り、該反応炉内部で液滴に含まれる金属塩を熱分
    解して多孔質かつ中空構造を有する金属酸化物中空微粒
    子を生成した後、該微粒子内部が外側より低い圧力とな
    る条件下で、一種類又は複数種類の液状物質と該微粒子
    を接触させることにより、該微粒子の多孔部内および/
    または中空部内に液状物質を含有させることを特徴とす
    る徐放性金属酸化物中空微粒子の製造方法。
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