JPH06283781A - エキシマレーザ装置およびその運転方法 - Google Patents

エキシマレーザ装置およびその運転方法

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JPH06283781A
JPH06283781A JP7030793A JP7030793A JPH06283781A JP H06283781 A JPH06283781 A JP H06283781A JP 7030793 A JP7030793 A JP 7030793A JP 7030793 A JP7030793 A JP 7030793A JP H06283781 A JPH06283781 A JP H06283781A
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JP
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gas
laser
excimer laser
laser device
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JP7030793A
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Fumio Sakai
文雄 酒井
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ用ガス媒体を浄化しつつ、循環させて
使用するエキシマレーザに関し、長期間一定のレーザ出
力を得ることの容易なエキシマレーザ装置の運転方法、
およびエキシマレーザ装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 エキシマレーザのレーザチェンバに、コール
ドトラップ(2)を含むAガスラインと、冷却した活性
炭吸着剤を充填した深冷吸着塔(4)を含むBガスライ
ンとを並列に接続し、レーザガス媒体に発生する不純物
を除去する。KrFガスレーザの場合、SiF4 とHF
とはAガスラインのコールドトラップ(2)によって効
率的に除去し、コールドトラップでは除去できないCF
4 はBガスラインの深冷吸着塔(4)によって除去す
る。深冷吸着塔を含むガスラインの使用を制限すること
により、消費する必要ガス成分を低減し、ガス精製シス
テムの寿命を長くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エキシマレーザに関
し、特にレーザ用ガス媒体を浄化しつつ、循環させて使
用するエキシマレーザに関する。
【0002】
【従来の技術】以下、KrFエキシマレーザを例にとっ
て説明するが、本発明はKrFエキシマレーザに限るも
のではない。ArFエキシマレーザその他に適用でき
る。
【0003】KrFエキシマレーザは、金属、ガラス、
プラスチック、セラミック等で形成されたレーザ管にレ
ーザガス媒体として約95〜99%のNe、約1〜5%
のKr、約0.1〜0.5%のF2 の混合ガスを収容
し、両端にミラーを配置し、レーザ用ガス媒体を放電発
光させ、共振を生じさせることによって動作させる。
【0004】ところで、フッ素ガスは反応性が強く、特
に放電や他の励起手段によって励起されたフッ素ガスは
反応性が強いため、放電によってフッ素ガスとレーザ容
器の構成材料との反応が生じる。このため、レーザガス
中にあるレベルの不純物が発生し、これらの不純物の存
在によりKrFエキシマレーザのレーザ出力は放電パル
ス回数が増大すると共に減少する。
【0005】図3にこのような従来の技術による、Kr
Fエキシマレーザの特性を示す。図3(A)図中に示す
ように、レーザ管51は、その一端にミラー52、他端
に所望の反射率と透過率を有するハーフミラー53を有
し、ガス源54から原料ガスを供給する。
【0006】レーザ管51内を排気弁55を介して排気
し、ガス源54から新鮮な原料ガスを充填し、レーザ発
振を生じさせた時の時間経過に伴う特性の変化を以下に
説明する。図3(A)はレーザ出力を示し、図3
(B)、(C)は、レーザ管51内のガス成分の濃度を
示す。横軸は各図とも時間を分で示す。
【0007】図3(A)に示すように、未だ発振を生じ
ない間はレーザ出力は0であり、発振を開始すると急激
に大きな値に達する。ところが、フッ素の欠乏と不純物
濃度の増加により、発振時間の経過と共にレーザ出力は
次第に減少する。
【0008】図3(B)、(C)に示すように、レーザ
発振が生じる前の状態においては、レーザ管51内のガ
ス成分はほぼ一定であり、不純物であるN2 、O2 、H
F、SiF4 がわずかに存在する。なお、主成分である
NeとKrは図示していないが、濃度はほぼ一定に保た
れる。
【0009】レーザ発振が開始すると、図3(C)に示
すCF4 、HF、SiF4 等の不純物濃度は徐々に増大
する。一方、レーザ用ガス媒体の成分であるF2 は徐々
にその濃度が低下する。レーザ出力の低下は、これらの
不純物成分の増加とレーザ用ガス媒体であるF2 の減少
に起因するものと考えられる。
【0010】一定のレーザ出力を得るためには、図3
(A)に示す構成において、ガス源54から常に新鮮ガ
スを供給し、排気弁55から排気を行なってレーザ管5
1内を一定の圧力に保つことが必要となろう。
【0011】しかし、この方法によれば、高価な希ガス
であるNe、Krを浪費するのみでなく、原料ガス供
給、排気の制御が複雑となる。なお、F2 も通常Ne中
に希釈した状態で取扱われるため、F2 の補給もNeの
補給を意味し、高価なものとなる。
【0012】そこで、レーザ管内のガスを液体窒素トラ
ップを介して循環させ、生成したハロゲン化物および他
の不純物を除去する方法が提案されている。ハロゲン化
物を除去すると、レーザ管内のフッ素成分濃度が減少す
るため、不足するフッ素ガスを適宜レーザ管内に注入す
る。
【0013】ところで、液体窒素トラップを用いると、
不純物であるハロゲン化物の他、Krガスもトラップさ
れ、その量が減少する。レーザ出力の長期一定保持を行
なうためには、Krの添加量を厳しく制御することが必
要となる。
【0014】また、カルシウム、チタン等を用いたゲッ
タトラップを用いてハロゲンの分離とハロゲンの全量を
トラップする方法が提案されている。この場合は、F2
が全量トラップされるため、上述のようにNeに希釈し
たF2 を供給する必要があり、ランニングコストが上昇
すると共に厳しい添加量制御が必要とされる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の技術による多成分ガス媒体を用いるKrFエキシ
マレーザ等においては、ガスを精製しないと長期間一定
のレーザ出力を得ることが困難であった。
【0016】本発明の目的は、長期間一定のレーザ出力
を得ることの容易なエキシマレーザ装置の運転方法、お
よびエキシマレーザ装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のエキシマレーザ
装置の運転方法は、希ガスを含むエキシマレーザ用多成
分ガス媒体を循環させながらレーザ発振を行なうエキシ
マレーザ装置の運転方法であって、前記多成分ガス媒体
を所定温度に冷却したコールドトラップを介して循環さ
せる第1の工程と、前記多成分ガス媒体を所定温度に冷
却した活性炭吸着剤を介して循環させる第2の工程とを
含む。
【0018】好ましくは、前記第1の工程が発生する不
純物のうち一部の成分以外を除去できるものであり、前
記第2の工程が前記一部の成分も除去できるものであ
る。また、本発明のガスレーザ装置は、ガス精製装置を
備えたエキシマレーザ装置であって、所定温度に冷却す
ることのできるコールドトラップを有する第1ガス循環
系と、所定温度に冷却することのできる活性炭吸着塔を
有する第2ガス循環系とを有する。
【0019】
【作用】エキシマレーザ用多成分ガス媒体を、コールド
トラップを介して循環させる工程と、所定温度に冷却し
た活性炭吸着剤を介して循環させる工程とを併用するこ
とにより、両工程の長所を組み合わせて利用することが
できる。
【0020】コールドトラップが、エキシマレーザ発振
によって発生する不純物のうち、一部の成分以外を除去
できるものであり、冷却した活性炭吸着剤を介して循環
させる工程がその一部の成分を除去できるものである場
合、多成分ガス媒体を活性炭吸着剤を介して循環させる
工程は、一部の成分を除去できるのに必要な分のみに制
限することができる。
【0021】たとえば、KrFエキシマレーザの場合、
多成分ガス媒体はNe、Kr、F2を成分として含み、
発生する不純物の主なものは、SiF4 、HF、CF4
である。ここで、多成分ガス媒体の必要成分であるKr
と、不純物であるCF4 は、その蒸気圧の温度依存性が
極めて接近している。
【0022】コールドトラップを利用する場合、Kr
と、CF4 とを分離し、不純物であるCF4 のみをトラ
ップし、必要成分であるKrを通過させることは困難で
ある。必要成分であるKrを通過させると、不純物であ
るCF4 も通過してしまう。不純物のCF4 が蓄積され
ると、レーザ出力は低下してしまう。
【0023】一方、冷却した活性炭吸着剤を用いれば、
不純物であるCF4 を除去することは可能である。しか
し、レーザガス媒体を活性炭に通過させると、レーザガ
スの必要成分であるF2 が活性炭と化合し、F2 が失わ
れ、活性炭吸着剤が劣化する。したがって、冷却した活
性炭吸着剤を介して多成分ガス媒体を循環させると、F
2 の消費が大きく、かつ活性炭吸着剤の劣化が早い。
【0024】所定温度に冷却したコールドトラップと、
所定温度に冷却した活性炭吸着剤とを併用することによ
り、レーザ発振の必要成分であるF2 の消費量を抑え、
不純物ガスであるCF4 の発生を抑制することが可能と
なる。
【0025】
【実施例】本出願人の出願による特願平3−13291
4号は、冷却した活性炭等の吸着剤に予め希ガスを吸着
させ、ガスレーザの多成分ガス媒体から不純物を除去し
てガス媒体を精製する方法を提案している。
【0026】まず、この先の提案について説明する。図
4はレーザガスおよび不純物ガスの蒸気圧曲線を示す。
KrFエキシマレーザにおいては、レーザ用ガス媒体は
Ne、Kr、F2 を必要成分とする。主な不純物ガス
は、CF4 、SiF4 、HF等である。ところで、これ
らの必要成分と不純物ガスのうち、KrとCF4 は図4
から明らかなように、かなり接近した蒸気圧曲線を有す
る。また、Krの蒸気圧曲線は、温度が液体窒素温度に
近付くと急激に減少する。コールドトラップでCF4
除去しようとすればKrまで除去してしまう。
【0027】ところで、吸着力の弱いガスを初め吸着剤
に吸着させ、次に吸着力の強いガスを吸着剤に接触させ
ると、吸着力の強いガスが優先的に吸着され、吸着力の
弱いガスは吸着剤から離脱して出口に現われる。
【0028】図5(A)は、先の提案によるガス浄化法
を取入れた多成分ガス媒体循環式のKrFエキシマレー
ザ装置を示す。レーザ管101は、その両端にミラー1
02、103を有し、共振器を構成する。レーザ管10
1はバルブ104、105、106、107を介して、
ガス源用、ガス浄化システム用、排気用等の種々の配管
に接続されている。たとえばバルブ104はレーザ用ガ
ス媒体源に接続され、バルブ105は排気装置に接続さ
れる。
【0029】バルブ106は、活性炭等の吸着剤110
を収納した吸着塔109の内部に接続され、吸着塔10
9の上部空間はポンプ108を介してバルブ107に接
続されている。
【0030】また、吸着塔109はバルブ113、11
4を介して、それぞれパージガス供給源、排気装置に接
続されている。吸着塔109は冷凍機111に接続され
た冷却パイプ112中のガス冷媒によって液体窒素温度
からドライアイス温度の間の温度に任意に冷却すること
ができる。
【0031】KrFエキシマレーザを運転する時は、予
め吸着剤110を活性化させ、その後Krを飽和吸着さ
せておく。また、吸着塔109内部は、冷凍機111に
よりレーザ用ガス媒体の成分が凝固しない液体窒素温度
よりも所定温度高い温度に冷却される。この冷却温度は
レーザ用ガス媒体が凝固しない限り、低ければ低いほど
吸着能力が増大して好ましい。
【0032】KrFエキシマレーザを運転する時は、レ
ーザ管101内に所望成分のレーザ用ガス媒体をバルブ
104を介して導入し、バルブ106、バルブ107を
開いてレーザ用ガス媒体を吸着塔109を通して循環さ
せると共に、放電を開始してレーザ発振を生じさせる。
【0033】レーザ用ガス媒体はバルブ106を通って
吸着塔109内部に導入され、吸着剤によって不純物が
吸着され、浄化されたガスがポンプ108、バルブ10
7を介して再びレーザ管101内に循環する。
【0034】吸着剤110は、レーザ用ガス媒体の成分
でも最も吸着力の強いKrで予め飽和吸着されているた
め、レーザ用ガス媒体の成分で新たに吸着される成分は
なく、不純物が吸着剤に接触すれば、それまで吸着して
いたKrを置換して不純物が優先的に吸着される。
【0035】不純物吸着によって離脱したKrがレーザ
用ガス媒体中に添加されても、不純物の濃度自体は微小
なため、離脱したKrの濃度はレーザ発振条件を変える
ほどの量ではない。
【0036】このため、一定条件の正常なレーザ用ガス
媒体を用いて、長時間のレーザ発振を行なうことができ
る。吸着塔109出口に不純物が現われるころにエキシ
マレーザの運転を休止し、バルブ106、107を閉
じ、冷凍機の運転を停止して吸着塔109の温度を上昇
させ、バルブ113からパージガスを導入すると共に、
バルブ114から排気することによって不純物ガスを吸
着剤110から離脱させることができる。なお、冷却パ
イプ112の他に、ヒータを吸着塔109に設け、積極
的に加熱を行なうことによって吸着剤110の再生を促
進してもよい。
【0037】なお、Krの飽和吸着は、放電開始前にレ
ーザ用ガス媒体源からバルブ104を介してレーザ用ガ
ス媒体を吸着塔109内に導入し、ポンプ108、バル
ブ114を介して排気することによって行なってもよ
い。また、吸着剤110を予め飽和吸着させず、レーザ
用ガス媒体を循環させると共に、吸着されるレーザ用ガ
ス媒体成分をバルブ104を介して補給してもよい。
【0038】ところで、F2 は、液体窒素温度程度では
十分高い蒸気圧を有するが、活性炭等の吸着剤に接触さ
せると、吸着と化学反応を生じてしまう。したがって、
吸着塔109を通過したレーザガス媒体は、F2 の量が
減少する。レーザガス媒体の成分を適性な組成に保とう
とする場合は、バルブ104からF2 を補給する必要が
ある。
【0039】なお、F2 は通常Ne等の希ガスに希釈さ
れた状態で取り扱われるため、F2の補給はNeの補給
となり、そのランニングコストは比較的高いものとなっ
てしまう。
【0040】さらに、F2 と化学反応した活性炭はその
CF4 等の不純物ガス吸着能力を不可逆的に低下させて
しまう。図5(B)は、活性炭によるF2 消費量に対す
るCF4 吸着能力の低下を示すグラフである。
【0041】活性炭によってレーザガス媒体のうち、F
2 が消費されると共に、CF4 吸着能力は次第に低下し
てしまう。したがって、エキシマレーザを運転するにつ
れてF2 を補給する必要があると共に、活性炭の吸着能
力が低下した時には活性炭を交換する必要が生じる。
【0042】一例として、ガス媒体の全容量が200リ
ットルである場合の例について述べる。KrFエキシマ
レーザの運転において、たとえば発生し得る不純物濃度
としてHFが300ppm/106 ショット、CF4
80ppm/106 ショットを仮定する。
【0043】この不純物を除去するために、コールドト
ラップを用い、10リットル/分の流量で循環させる
と、不純物はHF=75ppm、CF4 =1000pp
mとなる。ここで、CF4 =1000ppmの不純物量
はレーザ発振にとって著しい障害となる。
【0044】ところで、活性炭を用いた深冷吸着塔を用
い、10リットル/分の流量で循環させると、発生する
不純物量はHF=75ppm、CF4 =20ppmとな
る。これらの不純物濃度はレーザ発振にとって障害とな
らず、極めて好ましい不純物レベルとなる。ただし、こ
の場合、深冷吸着塔により、F2 が失われ、F2 =10
0cc/分(ただし、Neに10%で希釈したもの)を
添加する必要が生じる。したがって、この場合はランニ
ングコストが高価なものとなる。
【0045】図1は、本発明の実施例によるKrFエキ
シマレーザを示す。図1(A)は、KrFエキシマレー
ザのガスフローシステムを示す概略ブロック図である。
レーザチェンバ1は、電極等を備え、KrFエキシマレ
ーザの発振を行なう。
【0046】レーザチェンバ1には、ガス精製システム
が備えられている。レーザチェンバ1から供給される多
成分ガス媒体は、3方コック5を介してコールドトラッ
プ2を備えた流路(Aガスライン)か、ハロゲンガスト
ラップ3および深冷吸着塔4を備えた流路(Bガスライ
ン)かのいずれかに供給され、3方コック6を介して循
環ポンプ7に送られ、レーザチェンバ1に循環される。
【0047】コールドトラップ2は、たとえば95〜1
00°Kに保たれ、高沸点不純物ガスの凝縮を行なう。
図4から明らかなように、95〜100°Kにおいて
は、不純物の主成分であるSiF4 およびHFは凝縮し
て除去される。他の不純物主成分であるCF4 は、95
〜100Kでは完全には凝縮せず、その一部はレーザチ
ェンバに循環し、次第に蓄積される。ただし、多成分レ
ーザガス媒体の主成分であるKrは、ほとんど凝縮せ
ず、コールドトラップによって消費されることは少な
い。
【0048】ハロゲンガストラップ3は、たとえば常温
に保持した活性炭、固体アルカリ金属化合物、アルカリ
土類金属化合物等によって形成される。ハロゲンガスト
ラップ3は、F2 等のハロゲンガスをトラップするが、
その性能は次第に低下する。ハロゲンガストラップ3の
性能がある程度低下した時にはハロゲンガストラップ3
は交換する。
【0049】深冷吸着塔4は、活性炭等の吸着剤を充填
し、冷凍機等によって100K〜室温程度に冷却されて
いる。なお、吸着剤の温度は低いほど吸着能力は高い
が、100K以下とすると、多成分ガス媒体の主成分で
あるKrも除去されてしまう。
【0050】また、F2 はハロゲンガストラップ3によ
って除去されるが、除去しきれなかったF2 が深冷吸着
塔4に侵入すると、そこでさらに吸収される。なお、コ
ールドトラップ2を含むAガスラインにはバルブ10が
設けられ、任意に排気を行なうことができる。また、循
環ポンプ7とレーザチェンバ1の間には、F2 等のハロ
ゲンガスソース8がバルブ9を介して接続されている。
【0051】図1(A)に示すレーザガスフローシステ
ムの動作を以下に説明する。まず、図1(B)に示すよ
うに、レーザチェンバ1をまずAガスラインに接続す
る。レーザチェンバ1内のガスはコールドトラップ2を
通って循環される。コールドトラップ2は、たとえば9
5〜100K程度に冷凍機等で冷却され、循環するガス
媒体からSiF4 、HF等の不純物を除去する。ただ
し、このモードにおいては、不純物のCF4 は効率的に
は除去されないため、次第に蓄積される。CF4 濃度が
ある程度高くなった時には、図1(C)に示すようにレ
ーザチェンバ1にBガスラインを接続する。
【0052】Bガスラインにおいては、ハロゲンガスト
ラップ3と深冷吸着塔4が直列に接続され、主な不純物
であるCF4 、SiF4 、HFを全て除去する。なお、
この際F2 も除去してしまうが、不足するF2 はハロゲ
ンガスソース8からバルブ9を通って補給される。CF
4 濃度が十分下ったら再びBガスラインからAガスライ
ンに切り換える。
【0053】コールドトラップのみを用いたガス精製に
おいては、CF4 を除去することが困難なため、連続運
転できる時間が制限されてしまう。これに対し、本シス
テムによれば、CF4 の濃度が上昇した時にはAガスラ
インからBガスラインに切り換えることにより、増大し
たCF4 を効率的に除去することができる。
【0054】不足するF2 を補給する時間は、Bガスラ
インを用いる時のみに制限されるため、全運転時間をB
ガスラインを用いてガス精製を行なう時と比べ、消費す
るF 2 の量は著しく減少させることができる。
【0055】なお、レーザチェンバ1の前又は後にCF
4 を測定するモニタを設けることが好ましい。ただし、
一旦測定しておけば、後は運転時間やショット数で不純
物濃度を予測できるのでモニタを省略してもよい。
【0056】図1の実施例においては、コールドトラッ
プと深冷吸着塔とを交互に用いたが、同時に用いること
もできる。図2(A)は、本発明の他の実施例によるK
rFエキシマガスレーザのガスフローシステムを示す。
レーザチェンバ1は、コールドトラップ2を備えたAガ
スラインと深冷吸着塔を有する吸着浄化装置24を備え
たBガスラインに並列に接続されている。なお、Aガス
ライン、Bガスラインにはそれぞれ流量調整弁21、2
2が設けられ、流量FA 、FB を調整できる。
【0057】AガスラインとBガスラインとは流量調整
弁21、22下流で合流され、循環ポンプ7を介してレ
ーザチェンバ1に接続されている。なお、循環ポンプ7
とレーザチェンバ1の間にはハロゲンガスソース8がバ
ルブ9を介して接続されている。また、レーザチェンバ
1とAガスライン、Bガスラインとの接続領域にはバル
ブ23を介して排気装置が接続されている。
【0058】Bガスラインの吸着浄化装置24は、たと
えば図1に示す実施例のハロゲンガストラップ3と深冷
吸着塔4の組み合わせによって形成することができる。
図2(A)に示すガスフローシステムを機能的に示す
と、図2(B)のように表わすことができる。すなわ
ち、レーザチェンバ1にコールドトラップ2を含むAガ
スラインと、吸着浄化装置24を含むBガスラインとが
並列に接続されている。
【0059】Aガスラインでは、不純物のうちSi
4 、HFが除去され、Bガスラインでは不純物のCF
4 、SiF4 、HFが除去されると共に、必要成分のF
2 も消費される。
【0060】Bガスラインの流量は、システムにおける
CF4 の濃度を必要なだけ低下させるのに十分なものに
抑制し、Aガスラインの流量に対し、Bガスラインの流
量を小さくすることが好ましい。このような構成によ
り、図1の実施例同様、補給するF2 の量を抑え、かつ
レーザチェンバ1内における不純物レベルを低く抑制す
ることが可能となる。
【0061】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
Bガスラインにおけるハロゲンガストラップ3を複数個
並列に接続し、ハロゲンガストラップの除去能力が低下
した時には新しいハロゲンガストラップを接続するよう
にしてもよい。
【0062】同様、コールドトラップや深冷吸着塔も複
数列設け、ある程度吸着能力が低下した時にはコールド
トラップや深冷吸着塔を切り換え、それまで使用してい
たコールドトラップや深冷吸着塔を再生してもよい。
【0063】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能なことは当業者に自明であろう。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エキシマレーザ装置における不純物濃度を低く抑え、か
つ消費する必要ガス成分を低く抑制することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるエキシマガスレーザ装置
を示すブロック図である。図1(A)はシステムの構成
を示すブロック図、図1(B)、(C)は動作中におけ
る等価的システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施例によるエキシマガスレーザ
装置を示すブロック図である。図2(A)はシステム構
成を示すブロック、図2(B)は動作における等価回路
を示すブロック図である。
【図3】従来の技術によるガス浄化装置を備えないエキ
シマガスレーザを説明するためのグラフである。
【図4】レーザガスおよび不純物ガスの蒸気圧曲線を示
すグラフである。
【図5】本出願人の先の提案によるエキシマガスレーザ
システムを示す概略図、およびその性能を説明するため
のグラフである。
【符号の説明】
1 レーザチェンバ 2 コールドトラップ 3 ハロゲンガストラップ 4 深冷吸着塔 5、6、9、10 バルブ 7 循環ポンプ 8 ハロゲンガスソース 21、22 流量調整源 23 バルブ 24 吸着浄化装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希ガスを含むエキシマレーザ用多成分ガ
    ス媒体を循環させながらレーザ発振を行なうエキシマレ
    ーザ装置の運転方法であって、 前記多成分ガス媒体を所定温度に冷却したコールドトラ
    ップを介して循環させる第1の工程と、 前記多成分ガス媒体を所定温度に冷却した活性炭吸着剤
    を介して循環させる第2の工程とを含むエキシマレーザ
    装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程が発生する不純物のうち
    一部の成分以外を除去できるものであり、前記第2の工
    程が前記一部の成分も除去できるものである請求項1記
    載のエキシマレーザ装置の運転方法。
  3. 【請求項3】 前記多成分ガス媒体がフッ素ガスを含
    み、 さらに不足するフッ素を補給する工程を含む請求項1ま
    たは2記載のエキシマレーザ装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の工程と前記第2の工程とを交
    互に行なう請求項1〜3のいずれかに記載のエキシマレ
    ーザ装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程で前記一部の成分の濃度
    が所定値以上に増加した時に前記第2の工程を行なう請
    求項4記載のエキシマレーザ装置の運転方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程と前記第2の工程とを同
    時に並列して行なう請求項1〜3のいずれかに記載のエ
    キシマレーザ装置の運転方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程で循環するガス流量を前
    記第2工程で循環するガス流量よりも多く設定する請求
    項1〜6のいずれかに記載のエキシマレーザ装置の運転
    方法。
  8. 【請求項8】 ガス精製装置を備えたエキシマレーザ装
    置であって、 所定温度に冷却することのできるコールドトラップを有
    する第1ガス循環系と、所定温度に冷却することのでき
    る活性炭吸着塔を有する第2ガス循環系とを有するエキ
    シマレーザ装置。
  9. 【請求項9】 さらに、前記第1ガス循環系と前記第2
    ガス循環系とを切り換えることのできる弁手段を有する
    請求項8記載のエキシマレーザ装置。
  10. 【請求項10】 前記第2ガス循環系がさらに吸着塔よ
    り上流側にハロゲンガス除去手段を有する請求項8また
    は9記載のエキシマレーザ装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記第1ガス循環系と前記第
    2ガス循環系のガス流量比を制御することのできる手段
    を有する請求項8〜10のいずれかに記載のエキシマレ
    ーザ装置。
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