JPH06283581A - シリコン・チヤンク汚染物質の分析法 - Google Patents

シリコン・チヤンク汚染物質の分析法

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JPH06283581A JP5224057A JP22405793A JPH06283581A JP H06283581 A JPH06283581 A JP H06283581A JP 5224057 A JP5224057 A JP 5224057A JP 22405793 A JP22405793 A JP 22405793A JP H06283581 A JPH06283581 A JP H06283581A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不規則形状のシリコンチヤンクの低レベル表
面および本体の汚染物質の分析法を提供すること。 【構成】 本法は、帯域化可能シリコン・チヤンクを選
択し、該シリコン・チヤンクを浮遊帯域化して表面の汚
染物質をシリコン単結晶の本体に分配させることから成
る。浮遊帯域化単結晶シリコンは、次に、低レベルおよ
びバルクの汚染物質の分析に適したウエーハに加工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チヤンク(Chun
k,厚片)にした不規則形状のシリコンの低レベル表面
および、本体の汚染物質を分析する方法に関するもので
ある。該方法は、ゾーン(帯域化)可能シリコン・チヤ
ンクを選び、そのシリコン・チヤンクを浮遊帯域化して
表面の汚染物質をシリコン単結晶本体に分配することか
ら成る。次に浮遊帯域化シリコン単結晶は、低レベルお
よびバルクの汚染物質の分析に適したウエーハ加工され
る。
【0002】
【従来の技術】整流器、トランジスタ、ホトトランジス
タ、コンピュータ・チップ等の電子部品は超高純度の単
結晶シリコンが必要である。工業的な方法において、こ
の単結晶シリコンは、最初にシランを加熱したシリコン
素子の上に化学蒸着(CVD)させることにより多結晶
シリコンを形成させることによって作られている。これ
らの多結晶シリコン・インゴットは、次に浮遊帯域法、
或いは融液から単結晶を引き上げる方法、例えばチヨク
ラルスキ−法によって単結晶シリコンに転化される。浮
遊帯域法は高価であると共に効果的に作って浮遊帯域化
できる多結晶シリコン・インゴットのサイズによって制
限される。従って、チヨクラルスキー法は一般に実施さ
れる工業的方法である。
【0003】チヨクラルスキー法に使用するために、多
結晶シリコン・インゴットは破壊して必要な融液に効率
的に添加するのに適当な大きさのチヤンク(厚片)にし
なければならない。本発明は、多結晶シリコン・インゴ
ットをチヤンクに破壊し、サイジングする間に、シリコ
ンの表面がかなり汚染することを確認している。従っ
て、融液に添加するシリコンと関係がある汚染物質を正
確に決定するために、この表面汚染とシリコン・チヤン
クのバルク汚染の両方を測定する必要がある。
【0004】リンおよびホウ素のような低レベルのシリ
コン汚染物質を分析する最近の最高感度の方法には、単
結晶シリコン・ウエーハが必要である。本発明の前に
は、この単結晶シリコン・ウエーハは多結晶シリコン・
インコットを浮遊帯域化し、そのまま成形又は切断後に
適当な大きさにすることによって調製されてきた。汚染
物質の分析にかかる試料を使用することは、破壊および
サイジング工程にシリコンが汚染する理由にならない。
その上、単結晶シリコン素子のウエーハへの切断工程も
ウエーハの表面をかなり汚染させるので、それは単結晶
シリコン・ウエーハと関係した汚染物質レベルの測定前
に除去しなければならない。従って、表面汚染は正確な
分析のためには無視できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、シリコン・チヤンクに伴うリンおよびホウ素のよう
な全体のバルク(本体)および低レベルの汚染物質の分
析に適した単結晶シリコン・ウエーハを提供することで
ある。本発明者は、この目的が帯域化可能シリコン・チ
ヤンクを浮遊帯域化する改良浮遊帯域法を用いることに
よって達せられることを発見した。この浮遊帯域法は、
シリコン・チヤンクに伴う表面汚染物質をシリコンのバ
ルクにとり入れる。従って、低レベルの汚染物質の分析
中、表面の汚染物質は試料内に保持される。この方法に
よって、シリコン・チヤンクと関係した表面とバルク
(本体)全体の汚染物質がチヨクラルスキー法用に適
し、正確に決定することができる。
【0006】シリコン・ロッドの浮遊帯域法(英国特許
第1,081,827号)は技術的に周知である。クラ
マー(Kramer,Solid State Tec
hnology,Jan.,1983,page 13
7)は、浮遊帯域法に使用される多結晶シリコンは厳し
い公差をもった幾何学的寸法および極めてなめらかな表
面をもたねばならないという当業者の一般的定説を述べ
ている。米国特許第4,912,528号は、リンコン
・ロッドを浮遊帯域化して微量元素分析に適した試料を
提供する同様の方法を教示している。従って、本発明者
らは思いがけなく、不規則形状のシリコン・チヤンクは
浮遊帯域化して汚染物質の正確な分析に適した単結晶シ
リコンを提供できることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明により、(A)帯
域化可能シリコン・チヤンクを選択し、(B)該帯域化
可能シリコン・チヤンクを浮遊帯化して該帯域化可能シ
リコン・チヤンクの表面汚染をシリコンの単結晶に分配
し、(C)該シリコンの単結晶から単結晶シリコンのウ
エーハを調製し、(D)該単結晶シリコンのウエーハに
存在する汚染物質の濃度を測定することから成ることを
特徴とする、不規則形状のシリコン・チヤンク汚染物質
の分析法が提供される。
【0008】
【作用】本発明における用語シリコンの帯域化可能チヤ
ンク(Zonoble Chunk)」は、浮遊帯装置
に使用される誘導コイルの最大直径より小さい最大直径
をもった浮遊帯装置のチヤックにチヤンクを保持させる
ところの長さおよび直径の特徴を有するシリコンの不規
則形状チヤンクである。当業者が認識されるように、帯
域化可能シリコン・チヤンクに必要な特定サイズは使用
する特定の浮遊帯装置依存する。例えば、浮遊帯装置が
米国ニユージャージイ州イースト・ブランズウイックに
在るジーメンス・エネルギー・アンド・オートメーショ
ン社製のガス・ジーメンス・ゾーン装置VZA−3型
(内径が23mmの誘導コイルを使用)の場合には、次
の寸法をもったシリコン・チヤンクが帯域化可能チヤン
クと考えられる:4〜22mmの範囲内の直径および5
〜22cmの範囲内の長さ。
【0009】適当な物理的寸法をもった不規則形状のシ
リコン・チヤンクは、本法によって汚染物質を分析する
ことができる。好適なシリコン・チヤンクはCVD法に
よって調製した半導体グレードのシリコン・インゴット
を破壊することによって調製される。
【0010】帯域化可能シリコン・チヤンクは浮遊帯域
融解して単結晶シリコンにされる。浮遊帯域法は技術的
に記載されている多くの方法の1つであって、ここに記
載のものに限定されない。その浮遊帯域法は、例えば、
シリコン・チヤンクの端部をチヤックでつかんで、真空
又はアルゴンのような保護用不活性ガスを充てんした室
に鉛直に保持する方法にすることができる。帯域化可能
シリコン・チヤンクの反対側の端部は誘導加熱コイルに
よって融解ゾーン(帯域)が形成されるように加熱され
る。その融解ゾーンは単結晶シリコンの種結晶と接触さ
せる。その種結晶は前の処理によって単結晶状に成長し
たテーパ付の棒状部にすることができる。種結晶と接触
した帯域化可能シリコン・チヤンクの浮遊帯域融解は、
誘導コイルと帯域化可能シリコン・チヤンク間を融解ゾ
ーンが帯域化可能シリコン・チヤンクの長方方向に沿っ
て通るように相対移動によって行われる。かかる方法
は、例えば、英国特許第1,081,827号に記載さ
れている。
【0011】望ましい方法における帯域化可能シリコン
・チヤンクは、誘導コイルを介して予備パスして、不規
則な表面を円滑にする。1回以上の予備パスを行って比
較的なめらかな帯域化可能シリコン・チヤンクを得るこ
とができる。予備パスは、帯域化可能シリコン・チヤン
クを固定誘導コイルに通す又は可動誘導コイルを帯域化
可能シリコン・チヤンクの長さに沿って通過させること
によって行うことができる。用語「予備パス」は、シリ
コン・チヤンクが、誘導コイルによってシリコン・チヤ
ンク全体を融解させることなく帯域化可能シリコン・チ
ヤンクの表面を融解させるのに十分加熱されることを意
味する。予備パスは手動又は自動的方法によって行うこ
とができる。しかしながら、予備パスは手動操作によっ
て帯域化可能シリコン・チヤンクの処理を連続的に見な
がら行うことが望ましい。
【0012】単結晶シリコンのウエーハは、帯域化可能
シリコン・チヤンクの浮遊帯域融解によって調製した単
結晶シリコンから調製される。典型的に、単結晶シリコ
ンのウエ−ハは単結晶シリコンの短軸を通って1.0〜
2.0mm厚さのスライスであつて、円形又は卵形であ
る。しかしながら、本発明における用語「ウエーハ」は
浮遊帯域法によって調製した単結晶シリコンから分離さ
れた試料の形状のものも含む。ウエーハの形状は特定の
分析方法に依存する。そのウエーハは、普通の方法は、
例えばダイヤモンド付刃ソー又はコアリング装置を使用
した切断やコアリングによって単結晶シリコンから成形
される。
【0013】シリコンは、単結晶シリコン・ウエーハの
調製中にアルミニウム、ホウ素、炭素、鉄およびリンの
ような汚染物質を容易に拾い上げる。従って、単結晶シ
リコン・ウエーハはきれいにし表面の汚染物を除去し
て、分析用の表面に調製することが望ましい。単結晶シ
リコン・ウエーハは、例えば溶媒洗浄、酸腐食、水洗、
およびそれらの組合せのようなシリコンの通常の清浄法
によって清浄にすることができる。シリコン・ウエーハ
を清浄にする望ましい方法は、フッ化水素酸(HF)、
硝酸(HNO3 )および酢酸(OH3 COOH)の混合
体で腐食し、次に蒸留水ですすぎそして溶媒ですすぐこ
とが望ましい。
【0014】次に、単結晶シリコン・ウエーハに存在す
る汚染物の濃度を測定する。単結晶シリコン中の汚染物
の濃度を測定する最も敏感な分析法は対象となる特定汚
染物に依存する。半導体用の単結晶シリコンにおける典
型的な汚染物質は、例えば、アルミニウム、ホウ素、リ
ン、鉄および炭素である。遷移金属のような他の汚染物
質の濃度も測定される。低レベルのヒ素、アルミニウ
ム、ホウ素およびリンの測定は、例えば、ホトルミネン
ス分析によって行うことができる。ホトルミネセンス分
析の標準法は、例えば田島(Tajima,Jap.A
nn.Rev.Electron.Comput.an
d Telecom.Semicond.Tech.,
p.1−12,1982)によって記載されている方法
である。炭素は、例えばフーリエ変換赤外分光法によっ
て測定することができる。鉄は、米国特許第4,91
2,528号に記載されているようにウエ−ハの抽出物
の原子吸光分析法によって測定することができる。
【0015】
【実施例】次の実施例は特許請求の範囲に記載の方法を
説明するためのものであって、本特許請求の範囲の限定
を意図するものではない。
【0016】
【実施例1】汚染物のレベルを決定する処理に適当な単
結晶シリコン試料を提供するために帯域化可能シリコン
・チヤンクの浮遊帯域融解を用いた方法の再現性を評価
した。 帯域化可能シリコン・チヤンクの浮遊帯域融解
は前記ジーメンス・エネルギー・アンド・オートメーシ
ョン社製のガス・ジーメンス・ゾーナー(VZA−3
型)、5kw無線周波発振器で行った。該ゾーニング装
置は、該装置内でのシリコンの不規則形状の帯域化可能
チヤンクの心合せをさせる3点押さえチヤックを備え
た。
【0017】帯域化可能シリコン・チヤンクは全て水素
ガスの存在下でトリクロロシランのCVDによって調製
した多結晶シリコンの単一インゴットからであった。そ
のシリコン・インゴットを破壊してチヤンクした。帯域
化可能シリコン・チヤンクは5.5g以上の重量、6〜
22mmの範囲内の直径および5〜9cmの範囲内の長
さをもつように選んだ。
【0018】各帯域化可能シリコン・チヤンクに1回以
上の浮遊帯域融解予備パスを行って縁部を丸くし、各帯
域化可能シリコン・チヤンクの均一性を改良した。その
予備パスは手動で行って帯域化可能シリコン・チヤンク
の表面だけが融解するように注意した。予備パスの完了
後、帯域化可能シリコン・チヤンクは通常の自動化法に
よって浮遊帯域融解して単結晶シリコンを提供した。
【0019】その単結晶シリコン・ウエーハは、ダイヤ
モンド付刃ソーでスライスすることによって汚染物質分
析用に調製した。分析前に、ウエーハを硝酸、フッ化水
素酸および氷酢酸がそれぞれ5.7:1.8:2.5の
割合の混合体中で10分間腐食した。腐食したウエーハ
は蒸留水中で水洗し乾燥した。それらの腐食したウエー
ハは、田島(Tajma, Jap.Ann. Re
v. ElectronComput.and Te
lecom. Semicond. Tech.,p.
1−12,1982)によって記載された方法に類似の
方法を用いてホトルミネセンスによってホウ素およびリ
ンの濃度を分析した。
【0020】8個の帯域化可能チヤンクは前記方法によ
って試験した。ホウ素の平均値は0.039ppba
(標準偏差は±0.011ppba)と測定され、リン
の平均値は0.186ppba(標準偏差は±0.02
4ppba)と測定された。
【0021】実施例2 破壊プロセスによってチヤンクにしたシリコンに与えら
れた汚染の変動性は、汚染物レベルを決定する処理に適
当な単結晶シリコン試料を提供する帯域化可能シリコン
・チヤンクの浮遊帯域融解法によって分析した。この実
施例のために実施例1で記載したように調製したシリコ
ン・インゴットを破壊してチヤンクを得た。実施例1で
記載したような帯域化可能シリコン・チヤンクは、7種
類の破壊法の各々の破壊チヤンクから選んだ。これらの
帯域化可能チヤンクを浮遊帯域法で融解し、ウエーハを
実施例1に記載のように調製して分析した。ホウ素の平
均値は0.034ppba(標準偏差は±0.025p
pba)と測定され、リンの平均値は0.142ppb
a(標準偏差は±0.038ppba)と測定された。
比較のために、これらの値は、同様に調製した多結晶シ
リコン・インゴットからコア試料を採取し、腐食そして
すすぎ、標準の方法で浮遊帯域融解し、ウエーハを前記
のように調製し、分析した値と比較することができる。
かかる58個のコアを分析した結果、平均ホウ素レベル
は0.010ppba(標準偏差は±0.012ppb
a)、そして平均リン・レベルは0.107ppba
(標準偏差は±0.034ppba)であった。この比
較は、シリコン・チヤンクを採取した多結晶シリコン・
インゴットのコア内に典型的に見られるホウ素およびリ
ンのレベルと比較して著しく高レベルのホウ素およびリ
ンがシリコン・チヤンクに存在することを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リディア・リー ヨーク・ワング アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランド、 フェアウエイ・プレス 5408 (72)発明者 ジャクイン・エンリク・ルナ アメリカ合衆国ミシガン州サジナウ、トラ イアー 267 (72)発明者 スコット・アレン・ウイーロック アメリカ合衆国ミシガン州フリーランド、 エヌ・クリーナー・ロード 7515

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)帯域化可能シリコン・チヤンクを
    選択し、 (B)該帯域化可能シリコン・チヤンクを浮遊帯化して
    該帯域化可能シリコン・チヤンクの表面汚染をシリコン
    の単結晶に分配し、 (C)該シリコンの単結晶から単結晶シリコンのウエー
    ハを調製し、 (D)該単結晶シリコンのウエーハに存在する汚染物質
    の濃度を測定することから成ることを特徴とする、不規
    則形状のシリコン・チヤンク汚染物質の分析法。
  2. 【請求項2】 帯域化可能シリコン・チヤンクが、浮遊
    帯化装置を予備通過されて、表面の凹凸がなめらかにさ
    れることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 帯域化可能シリコン・チヤンクが、4〜
    22mmの範囲内の直径と5〜20cmの範囲内の長さ
    をもった不規則形状のシリコン・チヤンクであることを
    特徴とする請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 帯域化可能シリコン・チヤンクが、化学
    蒸着法によって調製された半導体グレードのシリコン・
    インゴットの破壊によって調製されることを特徴とする
    請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 単結晶シリコン・ウエーハに存在する汚
    染物質の濃度測定をホトルミネセンス分析法、フーリエ
    変換赤外分光法又は原子吸光分析法によって行うことを
    特徴とする請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 単結晶シリコン・ウエ−ハ中のホウ素濃
    度およびリン濃度をホトルミネセンス分析法によって測
    定することを特徴とする請求項5の方法。
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