JPH06283514A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
- Publication number
- JPH06283514A JPH06283514A JP6848493A JP6848493A JPH06283514A JP H06283514 A JPH06283514 A JP H06283514A JP 6848493 A JP6848493 A JP 6848493A JP 6848493 A JP6848493 A JP 6848493A JP H06283514 A JPH06283514 A JP H06283514A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- insulating film
- wafer
- substrate
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 枚葉処理方式であるにもかかわらずスループ
ットを向上し、しかも大面積のウエファでも枚葉処理改
善効果の均一性をも改善する絶縁膜を提供するものであ
る。 【構成】 有機シラン系化合物を原料として用いるCVD
によって絶縁膜13を形成するに当たり、この絶縁膜を形
成する前に、有機化合物またはその溶液を基板に瞬間的
に接触塗布させて下地処理を行う。この短時間の下地処
理手段は有機化合物の溶液塗布をディッピング法、カー
テンコート法およびスプレー法により短時間で完結し得
るようにする。
ットを向上し、しかも大面積のウエファでも枚葉処理改
善効果の均一性をも改善する絶縁膜を提供するものであ
る。 【構成】 有機シラン系化合物を原料として用いるCVD
によって絶縁膜13を形成するに当たり、この絶縁膜を形
成する前に、有機化合物またはその溶液を基板に瞬間的
に接触塗布させて下地処理を行う。この短時間の下地処
理手段は有機化合物の溶液塗布をディッピング法、カー
テンコート法およびスプレー法により短時間で完結し得
るようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造方法、
特に半導体基体と金属配線との間の1次絶縁膜、金属配
線間の層間絶縁膜およびパッシベーション膜として作用
する最終絶縁膜として使用することができる絶縁膜を有
機シラン系化合物を原料ガスとして用いる化学気相成長
により形成する方法に関するものである。
特に半導体基体と金属配線との間の1次絶縁膜、金属配
線間の層間絶縁膜およびパッシベーション膜として作用
する最終絶縁膜として使用することができる絶縁膜を有
機シラン系化合物を原料ガスとして用いる化学気相成長
により形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VLSIデバイスの高集積化、高密度
化が急速に進み、半導体加工技術はサブミクロン加工が
必須のものとなってきている。サブミクロン加工が進む
に伴って半導体基体表面の凹凸はますます激しくなり、
アスペクト比が大きくなり、この凹凸がデバイス製造上
の制約となってきている。このような問題の解決のため
に最も強く望まれているのが、層間絶縁膜の平坦化技術
である。
化が急速に進み、半導体加工技術はサブミクロン加工が
必須のものとなってきている。サブミクロン加工が進む
に伴って半導体基体表面の凹凸はますます激しくなり、
アスペクト比が大きくなり、この凹凸がデバイス製造上
の制約となってきている。このような問題の解決のため
に最も強く望まれているのが、層間絶縁膜の平坦化技術
である。
【0003】サブミクロンデバイス用の層間絶縁膜に要
求される特性としては、サブミクロンオーダーのスペー
スを形成することおよび高アスペクト比を持つパターン
に対する優れたステップカバレージを実現することなど
がある。このような要求を満たす層間絶縁膜の形成方法
として有機シランおよび無機シランを原料ガスに用いた
化学気相成長法(CVD法) が知られている。また、CVD 法
としてはプラズマCVD,常圧CVD 法、減圧CVD 法、加圧CV
D 法、光励起CVD 法などが従来より提案されている。
求される特性としては、サブミクロンオーダーのスペー
スを形成することおよび高アスペクト比を持つパターン
に対する優れたステップカバレージを実現することなど
がある。このような要求を満たす層間絶縁膜の形成方法
として有機シランおよび無機シランを原料ガスに用いた
化学気相成長法(CVD法) が知られている。また、CVD 法
としてはプラズマCVD,常圧CVD 法、減圧CVD 法、加圧CV
D 法、光励起CVD 法などが従来より提案されている。
【0004】これらの内、有機シランを原料ガスとし、
これにオゾンガスを加えて常圧CVD法で形成した絶縁
膜、すなわち常圧オゾン−有機シランCVD シリコン酸化
膜は、その平坦性が特に優れていることから最も期待さ
れている方法の一つである。このようなオゾン−有機シ
ランの混合ガスを用いる常圧CVD 法は、例えば特開昭61
-77695号公報や「電気化学」56, No.7(1988), 527 〜53
2 頁などに記載されている。有機シランとしてはTEOS(t
etraethoxysilane), TMOS(tetramethoxysilane),OMCTS
(octamethylcyclotetrasiloxane), HMDS(hexamethyldis
iloxane) などが知られている。
これにオゾンガスを加えて常圧CVD法で形成した絶縁
膜、すなわち常圧オゾン−有機シランCVD シリコン酸化
膜は、その平坦性が特に優れていることから最も期待さ
れている方法の一つである。このようなオゾン−有機シ
ランの混合ガスを用いる常圧CVD 法は、例えば特開昭61
-77695号公報や「電気化学」56, No.7(1988), 527 〜53
2 頁などに記載されている。有機シランとしてはTEOS(t
etraethoxysilane), TMOS(tetramethoxysilane),OMCTS
(octamethylcyclotetrasiloxane), HMDS(hexamethyldis
iloxane) などが知られている。
【0005】また、最終保護膜として用いられる絶縁膜
においても、VLSIデバイスの高集積化、高密度化に伴
い、その平坦性と、素子の信頼性に影響を与える膜質の
向上が強く要求されている。これは主に最終配線の側壁
からの水分等の侵入を防ぐためである。
においても、VLSIデバイスの高集積化、高密度化に伴
い、その平坦性と、素子の信頼性に影響を与える膜質の
向上が強く要求されている。これは主に最終配線の側壁
からの水分等の侵入を防ぐためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
有機シランを原料ガスとするCVD 法による絶縁膜の形成
方法においては、成膜速度の下地依存性により、下地材
質によっては段差間( 配線間) の埋め込み性が悪くなる
とともに膜中にボイドが発生するという欠点がある。こ
のように有機シラン−CVD 膜が大きな下地依存性を有す
ることは、例えば平成3年に発行された「電気学会論文
A」, 111 巻7号の652 〜658 頁に記載されている。こ
のように埋め込み性が悪化したりボイドが形成される
と、配線間のリーク電流が増加したり、素子特性に悪影
響を及ぼすことになる。
有機シランを原料ガスとするCVD 法による絶縁膜の形成
方法においては、成膜速度の下地依存性により、下地材
質によっては段差間( 配線間) の埋め込み性が悪くなる
とともに膜中にボイドが発生するという欠点がある。こ
のように有機シラン−CVD 膜が大きな下地依存性を有す
ることは、例えば平成3年に発行された「電気学会論文
A」, 111 巻7号の652 〜658 頁に記載されている。こ
のように埋め込み性が悪化したりボイドが形成される
と、配線間のリーク電流が増加したり、素子特性に悪影
響を及ぼすことになる。
【0007】さらに、従来の有機シランを用いたCVD 膜
は、膜中に水分等を含む多量の炭素化合物(未反応物)
が混入しているため、膜質が悪く、耐吸湿性が悪いとと
もにクラックが発生する欠点がある。耐吸湿性を補うた
めに厚膜とすると膜中に一層クラックが発生し易くな
り、素子の信頼性を損なう欠点がある。
は、膜中に水分等を含む多量の炭素化合物(未反応物)
が混入しているため、膜質が悪く、耐吸湿性が悪いとと
もにクラックが発生する欠点がある。耐吸湿性を補うた
めに厚膜とすると膜中に一層クラックが発生し易くな
り、素子の信頼性を損なう欠点がある。
【0008】上述した従来の絶縁膜の形成方法の欠点を
軽減するために、即ち、層間絶縁膜の平坦化方法として
狭いガップを埋め込むために自己平坦性を有するCVD
法としてケイ酸エステル等のケイ素の有機化合物とオゾ
ンとを反応させる方法が開発されているが、膜質や成膜
速度、埋め込み性が下地状態に強く影響され、良好な膜
が形成されないと云う問題点があった。
軽減するために、即ち、層間絶縁膜の平坦化方法として
狭いガップを埋め込むために自己平坦性を有するCVD
法としてケイ酸エステル等のケイ素の有機化合物とオゾ
ンとを反応させる方法が開発されているが、膜質や成膜
速度、埋め込み性が下地状態に強く影響され、良好な膜
が形成されないと云う問題点があった。
【0009】一般に、下地依存性を緩和する処置として
下地表面のプラズマ酸化膜をN2,NH3等のガスを用いてプ
ラズマ処理し、その後で有機シランによる常圧CVD 膜を
形成するのが有効であるとされているが、プラズマダメ
ージの問題が懸念されている。さらにプラズマ処理では
埋め込み性は改善されず、またプロセスが不安定である
と云う欠点があった。
下地表面のプラズマ酸化膜をN2,NH3等のガスを用いてプ
ラズマ処理し、その後で有機シランによる常圧CVD 膜を
形成するのが有効であるとされているが、プラズマダメ
ージの問題が懸念されている。さらにプラズマ処理では
埋め込み性は改善されず、またプロセスが不安定である
と云う欠点があった。
【0010】一方、下地表面をエタノールでスピンコー
ト法により処理する方法も提案されているが、処理方式
が枚葉処理方式であるため、スループットが小さく、大
面積のウエファを用いる際有機化合物の溶液処理改善効
果の均一性が悪いと云う問題があった。
ト法により処理する方法も提案されているが、処理方式
が枚葉処理方式であるため、スループットが小さく、大
面積のウエファを用いる際有機化合物の溶液処理改善効
果の均一性が悪いと云う問題があった。
【0011】本発明の目的は上述した従来の絶縁膜形成
時の下地処理方法の欠点を解消し、プラズマダメージが
無しに段差間の埋め込み性および膜中のボイドの解消に
優れており、特にサブミクロンデバイスの絶縁膜として
使用するのに有効であるとともに優れた膜質を有し、ク
ラックの発生もなく、しかも製造工程を減らすことによ
り且つ枚葉処理方式であるにもかかわらずスループット
を向上することができ、しかも大面積のウエファでも枚
葉処理改善効果の均一性をも改善する絶縁膜の形成方法
を提供しようとするものである。
時の下地処理方法の欠点を解消し、プラズマダメージが
無しに段差間の埋め込み性および膜中のボイドの解消に
優れており、特にサブミクロンデバイスの絶縁膜として
使用するのに有効であるとともに優れた膜質を有し、ク
ラックの発生もなく、しかも製造工程を減らすことによ
り且つ枚葉処理方式であるにもかかわらずスループット
を向上することができ、しかも大面積のウエファでも枚
葉処理改善効果の均一性をも改善する絶縁膜の形成方法
を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体装置
の製造方法は、有機シラン系化合物を原料として用いる
化学気相成長によって絶縁膜を形成するに当たり、前記
絶縁膜を形成する前に、有機化合物の溶液を基板にディ
ッピング法またはカーテンフローコート法あるいはスプ
レー法により短時間で塗布させて下地処理を行うように
したことを特徴とするものである。有機化合物としては
次に示すものが挙げられる。 脂肪族飽和一価アルコール類:メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノー
ル、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブ
タノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノ
ール、シクロヘキサノール 脂肪族不飽和一価アルコール類: アリルアルコール、プロパギルアルコール、2−メチル
−3−ブチン−2−オール芳香族アルコール類:ベンジ
ルアルコール、フルフリルアルコール 脂肪族飽和多価アルコール類及びその誘導体:エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノnブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル アルデヒド:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グ
リオキザール エーテル: ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
テトラヒドロフルフリルアルコールケトン・ケトアルコ
ール: アセトン、2−ブタノン、ジアセトンアルコール、γブ
チロラクトン、炭酸プロピレンカルボン酸:ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、乳酸エチル ニトロアルカン:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロ
プロパン、ニトロベンゼン アミン: エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、
ブチルアミン、イソブチルアミン、アリルアミン、アニ
リン、トルイジン、エチレンジアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンイミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、トリn
プロピルアミン、トリnブチルアミンアシルニトリル
類: アセトニトリル、プロピオノニトリル、ブチロニトリ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ベンゾニ
トリル 酸アミド:ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、 複素環式化合物:ピリジン、キノリン、ピロール、ピペ
リジン、ピペラジン、モルホリン、2−ピロリジノン、
1−メチル−2−ピロリジノン
の製造方法は、有機シラン系化合物を原料として用いる
化学気相成長によって絶縁膜を形成するに当たり、前記
絶縁膜を形成する前に、有機化合物の溶液を基板にディ
ッピング法またはカーテンフローコート法あるいはスプ
レー法により短時間で塗布させて下地処理を行うように
したことを特徴とするものである。有機化合物としては
次に示すものが挙げられる。 脂肪族飽和一価アルコール類:メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノー
ル、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブ
タノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノ
ール、シクロヘキサノール 脂肪族不飽和一価アルコール類: アリルアルコール、プロパギルアルコール、2−メチル
−3−ブチン−2−オール芳香族アルコール類:ベンジ
ルアルコール、フルフリルアルコール 脂肪族飽和多価アルコール類及びその誘導体:エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノnブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル アルデヒド:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グ
リオキザール エーテル: ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
テトラヒドロフルフリルアルコールケトン・ケトアルコ
ール: アセトン、2−ブタノン、ジアセトンアルコール、γブ
チロラクトン、炭酸プロピレンカルボン酸:ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、乳酸エチル ニトロアルカン:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロ
プロパン、ニトロベンゼン アミン: エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、
ブチルアミン、イソブチルアミン、アリルアミン、アニ
リン、トルイジン、エチレンジアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンイミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、トリn
プロピルアミン、トリnブチルアミンアシルニトリル
類: アセトニトリル、プロピオノニトリル、ブチロニトリ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ベンゾニ
トリル 酸アミド:ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、 複素環式化合物:ピリジン、キノリン、ピロール、ピペ
リジン、ピペラジン、モルホリン、2−ピロリジノン、
1−メチル−2−ピロリジノン
【0013】前記有機シラン系化合物としては次に示す
ものが挙げられる。 有機シラン テトラアルコシシシラン(オルトケイ酸エステル):テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn
プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラnブトキシシラン アルキルアルコキシシラン:メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリnプロポキ
シシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル
トリnプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジnプロポキシシラン、ジエチルジイソ
プロポキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メ
チルビニルジエトキシシラン メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキ
シシラン ポリシロキサン:テトラキス(ジメチルシロキシ)シラ
ン シクロシロキサン:オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、ペンタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシ
ロキサン、トリメチルシクロトリシロキサンジシロキサ
ン: ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルジメトキシジ
シロキサン、ジメチルテトラメトキシジシロキサン、ヘ
キサメトキシジシロキサン アルキルシラン:モノメチルシラン、ジメチルシラン、
トリメチルシラン、トリエチルシラン、テトラメチルシ
ラン、テトラエチルシラン アリルトリメチルシラン ヘキサメチルジシラン シリルアミン:ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエ
チルトリメチルシリルアミン シラン窒素誘導体:アミノプロピルトリエトキシシラン トリメチルシリルアジド、トリメチルシリルシアナイド シラザン:ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシ
ラザン オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサメチルシク
ロトリシラザン ハロゲン化シランおよび誘導体:トリメチルクロロシラ
ン、トリエチルクロロシラン、トリnプロピルクロロシ
ラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、
クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリ
メチルシラン、クロロプロピルメチルジクロロシラン、
クロロプロピルトリメトキシシラン ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、メ
チルビニルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、
エチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ト
リフロロプロピルトリクロロシラン、トリフロロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリメチルシリルアイオダイ
ド、 さらに、効果の点からは、前記有機化合物としてはエタ
ノールが、また有機シラン系化合物としてはTEOSを主原
料ガスに用いるのが最も好ましい。
ものが挙げられる。 有機シラン テトラアルコシシシラン(オルトケイ酸エステル):テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn
プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラnブトキシシラン アルキルアルコキシシラン:メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリnプロポキ
シシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル
トリnプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジnプロポキシシラン、ジエチルジイソ
プロポキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メ
チルビニルジエトキシシラン メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキ
シシラン ポリシロキサン:テトラキス(ジメチルシロキシ)シラ
ン シクロシロキサン:オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、ペンタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシ
ロキサン、トリメチルシクロトリシロキサンジシロキサ
ン: ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルジメトキシジ
シロキサン、ジメチルテトラメトキシジシロキサン、ヘ
キサメトキシジシロキサン アルキルシラン:モノメチルシラン、ジメチルシラン、
トリメチルシラン、トリエチルシラン、テトラメチルシ
ラン、テトラエチルシラン アリルトリメチルシラン ヘキサメチルジシラン シリルアミン:ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエ
チルトリメチルシリルアミン シラン窒素誘導体:アミノプロピルトリエトキシシラン トリメチルシリルアジド、トリメチルシリルシアナイド シラザン:ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシ
ラザン オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサメチルシク
ロトリシラザン ハロゲン化シランおよび誘導体:トリメチルクロロシラ
ン、トリエチルクロロシラン、トリnプロピルクロロシ
ラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、
クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリ
メチルシラン、クロロプロピルメチルジクロロシラン、
クロロプロピルトリメトキシシラン ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、メ
チルビニルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、
エチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ト
リフロロプロピルトリクロロシラン、トリフロロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリメチルシリルアイオダイ
ド、 さらに、効果の点からは、前記有機化合物としてはエタ
ノールが、また有機シラン系化合物としてはTEOSを主原
料ガスに用いるのが最も好ましい。
【0014】さらに、前記下地処理方法にとしては、次
に示す手段が用いられる。 (1) 貯溜槽に複数枚のウエファを収容した後、処理
化合物の溶液に短時間ディッピングする。このディッピ
ング法において、貯溜槽に処理化合物の溶液を満たす手
段としては貯溜槽に上部から処理化合物の溶液を入れる
場合と、貯溜槽の底部に明けた孔から処理化合物の溶液
を入れる場合とがある。 (2) カーテンフローコートによって形成した処理化
合物の溶液に瞬間的にウエファを通過させる。 (3) 有機化合物の溶液をスプレーでウエファに瞬時
的に吹き付ける。上記ディッピング法はウエファを複数
枚、有機化合物の溶液を満たした貯溜槽に浸して行う。
好適にはウエファをそのカセット毎浸漬する。浸漬時こ
の貯溜槽を攪拌するか或はウエファを搖動させると一層
有利である。上記カーテンコート法は空中に有機化合物
の溶液の液膜を作り、この液膜中にウエファを高速で通
過させるようにする。直径が8インチのウエファであれ
ば、1秒以内の短時間で処理が終了する利点がある。上
記スプレー法は1流体式のシャワーノズル、あるいは2
流体式のミストノズルを用いるのがいずれも好適であ
り、ウエファ全面に液が均一に散布されるようにする。
また、乾燥方法は特に規定しないが、カーテンコート法
およびスプレー法の場合は温風吹き付けがを行うのが好
適であり、ディッピング法の場合は枚葉式のスピンドラ
イヤーを使用するのが処理枚数の観点から好適である。
に示す手段が用いられる。 (1) 貯溜槽に複数枚のウエファを収容した後、処理
化合物の溶液に短時間ディッピングする。このディッピ
ング法において、貯溜槽に処理化合物の溶液を満たす手
段としては貯溜槽に上部から処理化合物の溶液を入れる
場合と、貯溜槽の底部に明けた孔から処理化合物の溶液
を入れる場合とがある。 (2) カーテンフローコートによって形成した処理化
合物の溶液に瞬間的にウエファを通過させる。 (3) 有機化合物の溶液をスプレーでウエファに瞬時
的に吹き付ける。上記ディッピング法はウエファを複数
枚、有機化合物の溶液を満たした貯溜槽に浸して行う。
好適にはウエファをそのカセット毎浸漬する。浸漬時こ
の貯溜槽を攪拌するか或はウエファを搖動させると一層
有利である。上記カーテンコート法は空中に有機化合物
の溶液の液膜を作り、この液膜中にウエファを高速で通
過させるようにする。直径が8インチのウエファであれ
ば、1秒以内の短時間で処理が終了する利点がある。上
記スプレー法は1流体式のシャワーノズル、あるいは2
流体式のミストノズルを用いるのがいずれも好適であ
り、ウエファ全面に液が均一に散布されるようにする。
また、乾燥方法は特に規定しないが、カーテンコート法
およびスプレー法の場合は温風吹き付けがを行うのが好
適であり、ディッピング法の場合は枚葉式のスピンドラ
イヤーを使用するのが処理枚数の観点から好適である。
【0015】
【作用】このような本発明による半導体装置の製造方法
によれば、有機シラン系化合物を原料ガスとするCVD 法
によって絶縁膜を形成する前に、下地表面を前述の有機
化合物またはその溶液で処理( 以下有機物処理とも云
う) すると云うきわめて簡単な処理を行うことによって
下地依存性を大幅に緩和することができ、しかも、基板
を有機化合物の溶液に瞬間的に接触塗布させることによ
って表面処理反応を短時間で完結させることにより埋め
込み性および平坦性に優れているとともにクラックやボ
イドのない優れた膜質を有する絶縁膜を形成することが
でき、さらに製造装置が簡単となるとともにスループッ
トをも著しく改善することができる。
によれば、有機シラン系化合物を原料ガスとするCVD 法
によって絶縁膜を形成する前に、下地表面を前述の有機
化合物またはその溶液で処理( 以下有機物処理とも云
う) すると云うきわめて簡単な処理を行うことによって
下地依存性を大幅に緩和することができ、しかも、基板
を有機化合物の溶液に瞬間的に接触塗布させることによ
って表面処理反応を短時間で完結させることにより埋め
込み性および平坦性に優れているとともにクラックやボ
イドのない優れた膜質を有する絶縁膜を形成することが
でき、さらに製造装置が簡単となるとともにスループッ
トをも著しく改善することができる。
【0016】このように下地表面を有機化合物の溶液で
処理することによって段差間への埋め込み性が良好で膜
質の良好な絶縁膜が形成される理由は明確には解明でき
ていないが、次のように考えることができる。 1.下地絶縁膜表面のエタノール処理による変成 絶縁膜として使われるSiH4あるいはTEOSベースのプラズ
マCVD 酸化膜や熱CVD酸化膜、Siの熱酸化膜はいずれも
非晶質のSiO2あるいはSiO2に近い組成のものである。非
晶質SiO2の最も上側の表面は、プロセス中あるいは大気
雰囲気中の水によって容易に水和され、Si-OH のシラノ
ール型の構造となっていることが多い。このように表面
に存在するSi-OH は、電気陰性度の高いSi側に電子が引
きつけられているため、全体として
処理することによって段差間への埋め込み性が良好で膜
質の良好な絶縁膜が形成される理由は明確には解明でき
ていないが、次のように考えることができる。 1.下地絶縁膜表面のエタノール処理による変成 絶縁膜として使われるSiH4あるいはTEOSベースのプラズ
マCVD 酸化膜や熱CVD酸化膜、Siの熱酸化膜はいずれも
非晶質のSiO2あるいはSiO2に近い組成のものである。非
晶質SiO2の最も上側の表面は、プロセス中あるいは大気
雰囲気中の水によって容易に水和され、Si-OH のシラノ
ール型の構造となっていることが多い。このように表面
に存在するSi-OH は、電気陰性度の高いSi側に電子が引
きつけられているため、全体として
【化1】 の形に強く分極しており、大きな双極子モーメントを持
っている。Si-OH には、この分極のために極性の高い分
子である水やアルコールなどを強く吸着する性質があ
る。比表面積を大きくすることでSi-OH の吸着能を最大
限に高めた重要な応用例が乾燥剤のシリカゲルである。
表面がSi-OH で覆われているSiO2質の絶縁膜に、気体の
有機化合物を吹き付けたり、液体の有機化合物を塗布や
浸漬して作用させることを想定する。多くの有機化合物
はSi-OH の分極の作用で表面に吸着されるが、その吸着
される強さは有機化合物の側の極性で異なってくる。シ
クロヘキサンやベンゼン等の無極性物質は表面に吸着さ
れにくく、低級アルコールやアセトニトリル、低級カル
ボン酸など高い極性の物質は強く吸着される。中程度の
極性を有するジオキサンやケトン類はその中間の強さで
吸着されると予想される。
っている。Si-OH には、この分極のために極性の高い分
子である水やアルコールなどを強く吸着する性質があ
る。比表面積を大きくすることでSi-OH の吸着能を最大
限に高めた重要な応用例が乾燥剤のシリカゲルである。
表面がSi-OH で覆われているSiO2質の絶縁膜に、気体の
有機化合物を吹き付けたり、液体の有機化合物を塗布や
浸漬して作用させることを想定する。多くの有機化合物
はSi-OH の分極の作用で表面に吸着されるが、その吸着
される強さは有機化合物の側の極性で異なってくる。シ
クロヘキサンやベンゼン等の無極性物質は表面に吸着さ
れにくく、低級アルコールやアセトニトリル、低級カル
ボン酸など高い極性の物質は強く吸着される。中程度の
極性を有するジオキサンやケトン類はその中間の強さで
吸着されると予想される。
【0017】一方、Si-OH は、プロトンを放出するLewi
s 酸としても働き、他の活性な水酸基を持つ有機化学物
質と相互作用する。典型的な例がアルコールとの間で起
きるアルコキシル基の交換反応であり、例えばエタノー
ル:C2H5OHとの間で Si-OH +C2H5OH = Si-OC2H5+H2O のようなエステル化反応が起こる。ここで形成されるSi
-OC2H5の結合は極めて強固であり、Siの自然酸化膜の上
に形成されたSi-OC2H5は400 ℃の酸化性雰囲気でも数十
分以上の寿命を有する。したがって、有機化合物による
気相あるいは液相での処理によって、当該有機化合物分
子の化学的吸着が起こり、さらにエタノールのようなア
ルコール類による処理ではエステル化反応も起こるもの
と考えられる。いずれにしても、このように吸着ないし
はエステル化されたシラノールは、以後吸着能力を失
い、不活性な表面状態に変わることになる。絶縁膜表面
への吸着の強さの程度を評価するには、吸着化学種の脱
離温度が目安となり、概ね吸着化学種の極性と同じ傾向
になるが、エステル化反応を起こすようなアルコール類
では特に高い脱離温度を示す。
s 酸としても働き、他の活性な水酸基を持つ有機化学物
質と相互作用する。典型的な例がアルコールとの間で起
きるアルコキシル基の交換反応であり、例えばエタノー
ル:C2H5OHとの間で Si-OH +C2H5OH = Si-OC2H5+H2O のようなエステル化反応が起こる。ここで形成されるSi
-OC2H5の結合は極めて強固であり、Siの自然酸化膜の上
に形成されたSi-OC2H5は400 ℃の酸化性雰囲気でも数十
分以上の寿命を有する。したがって、有機化合物による
気相あるいは液相での処理によって、当該有機化合物分
子の化学的吸着が起こり、さらにエタノールのようなア
ルコール類による処理ではエステル化反応も起こるもの
と考えられる。いずれにしても、このように吸着ないし
はエステル化されたシラノールは、以後吸着能力を失
い、不活性な表面状態に変わることになる。絶縁膜表面
への吸着の強さの程度を評価するには、吸着化学種の脱
離温度が目安となり、概ね吸着化学種の極性と同じ傾向
になるが、エステル化反応を起こすようなアルコール類
では特に高い脱離温度を示す。
【0018】2.O3-TEOS 系の気相化学反応と気相中の
成膜化学種 O3-TEOS の熱CVD 反応では、成膜に寄与する二種類の中
間化学物質(成膜化学種)が気相中に存在するとされて
いる。一つはシラノール基を有するもの:HO-Si(OC2H5)
3 (A) で、次のようなTEOS(Si(OC2H5)4)と原子状酸素
成膜化学種 O3-TEOS の熱CVD 反応では、成膜に寄与する二種類の中
間化学物質(成膜化学種)が気相中に存在するとされて
いる。一つはシラノール基を有するもの:HO-Si(OC2H5)
3 (A) で、次のようなTEOS(Si(OC2H5)4)と原子状酸素
〔0〕の化学反応で生成すると考えられる。なお、TEOS
とO3は直接は反応せず、反応の開始はO3の熱分解で発生
する原子状酸素
とO3は直接は反応せず、反応の開始はO3の熱分解で発生
する原子状酸素
〔0〕から起こるとされている。
【化2】 Si(OC2H5)4 + 6
〔0〕 = HO-Si(OC2H5)3 + 2CO2 + 2H2O −(1) すなわちSiに結合しているエトキシ基が酸素原子による
酸化を受けて分解し、シラノールを残す反応である。
(1) 式では最終的な酸化生成物をCO2 とH2O としたが、
実際にはその中間段階として、エタノール(C2H5OH)、メ
タノール(CH3OH)、アセトアルデヒド(CH3CHO)、フォル
ムアルデヒド(HCHO)、酢酸(CH3COOH) 、ギ酸(HCOOH) な
どを経由するものと考えられる。もう一つの中間体は、
シロキサン重合体:(C2H5O)3 Si-O-Si(OC2H5)3(B)であ
る。これは上記(1) 式で生成するシラノール中間体(A)
の縮合により(2) あるいは(2′) のような反応によって
形成されるものと考えられる。
酸化を受けて分解し、シラノールを残す反応である。
(1) 式では最終的な酸化生成物をCO2 とH2O としたが、
実際にはその中間段階として、エタノール(C2H5OH)、メ
タノール(CH3OH)、アセトアルデヒド(CH3CHO)、フォル
ムアルデヒド(HCHO)、酢酸(CH3COOH) 、ギ酸(HCOOH) な
どを経由するものと考えられる。もう一つの中間体は、
シロキサン重合体:(C2H5O)3 Si-O-Si(OC2H5)3(B)であ
る。これは上記(1) 式で生成するシラノール中間体(A)
の縮合により(2) あるいは(2′) のような反応によって
形成されるものと考えられる。
【化3】 2HO-Si(OC2H5)3 = (C2H5O)3Si-O-Si(OC2H5)3+H2O −(2) Si(OC2H5)4+HO-Si(OC2H5)3 = (C2H5O)3Si-O-Si(OC2H5)3+C2H5OH −(2′)
【0019】気相中でのシラノールの寿命は一般に短い
と考えられるので、シラノール中間体(A) は、比較的短
命で、(2),(2′) などの縮合反応によって容易にシロキ
サン重合体(B) に変化するものと考えられる。
と考えられるので、シラノール中間体(A) は、比較的短
命で、(2),(2′) などの縮合反応によって容易にシロキ
サン重合体(B) に変化するものと考えられる。
【化4】 Si(OC2H5)4→ HO-Si(OC2H5)3 (A) → (C2H5O)3 Si-O-Si(OC2H5)3 (B) シラノール中間体(A) は分子内に活性なSi-OH 基を持っ
ているため高活性であり、重合しやすいという性質があ
る他、分子内の分極も大きく、基板表面に対して吸着さ
れやすい。一方シロキサン中間体(B) は、低活性であ
り、また高沸点・低蒸気圧なので成膜温度程度では液状
になっている可能性が高い。分極も小さいので吸着はさ
れにくいと考えられる。
ているため高活性であり、重合しやすいという性質があ
る他、分子内の分極も大きく、基板表面に対して吸着さ
れやすい。一方シロキサン中間体(B) は、低活性であ
り、また高沸点・低蒸気圧なので成膜温度程度では液状
になっている可能性が高い。分極も小さいので吸着はさ
れにくいと考えられる。
【0020】したがってシラノール中間体(A) が成膜に
主に寄与する機構においては、(A)の基板表面への吸着
が速やかに起こり、次いで吸着された分子の余ったエト
キシ基のオゾン酸化によるポリシラノール(Si(OH)n ,
n>1) 化、そして生成したシラノールが新たな吸着サイ
トとなり、ここへ気相中成膜種(A) が再び吸着する、と
いうように進むと考えられる( 吸着−分解機構)。(A)
は反応活性であるために中間体のライフタイムが短く、
付着係数が大きくなり、(A) の供給されやすい部位への
吸着が高速に起こり、ステップカバレッジは悪化するこ
とになる。またシラノールがそのまま膜内に残存する確
率も上がるので、膜質やその均一性は相対的に悪く、表
面などに吸着される水分量も多い傾向にある。
主に寄与する機構においては、(A)の基板表面への吸着
が速やかに起こり、次いで吸着された分子の余ったエト
キシ基のオゾン酸化によるポリシラノール(Si(OH)n ,
n>1) 化、そして生成したシラノールが新たな吸着サイ
トとなり、ここへ気相中成膜種(A) が再び吸着する、と
いうように進むと考えられる( 吸着−分解機構)。(A)
は反応活性であるために中間体のライフタイムが短く、
付着係数が大きくなり、(A) の供給されやすい部位への
吸着が高速に起こり、ステップカバレッジは悪化するこ
とになる。またシラノールがそのまま膜内に残存する確
率も上がるので、膜質やその均一性は相対的に悪く、表
面などに吸着される水分量も多い傾向にある。
【0021】これと対照的にシロキサン重合体中間体
(B) が成膜に主に寄与する場合、吸着が起こりにくいた
め、基板表面への重合体の界面張力による拡散(流動)
が成膜を支配するものと考えられる。表面に拡がった重
合体は再度オゾン酸化によるシラノール化と重合を受け
るが、表面に現れるフリーのシラノール密度は小さいと
考えられるので、気相中成膜種(B) は再び流動で堆積さ
れると考えられる(重合−流動機構)。中間体(B) のラ
イフタイムが長いので、ステップカバレッジが上がり、
フローライクな形状となる。膜表面及び内部の残存シラ
ノールは減少するため、膜質は相対的に良くなる。
(B) が成膜に主に寄与する場合、吸着が起こりにくいた
め、基板表面への重合体の界面張力による拡散(流動)
が成膜を支配するものと考えられる。表面に拡がった重
合体は再度オゾン酸化によるシラノール化と重合を受け
るが、表面に現れるフリーのシラノール密度は小さいと
考えられるので、気相中成膜種(B) は再び流動で堆積さ
れると考えられる(重合−流動機構)。中間体(B) のラ
イフタイムが長いので、ステップカバレッジが上がり、
フローライクな形状となる。膜表面及び内部の残存シラ
ノールは減少するため、膜質は相対的に良くなる。
【0022】(A),(B) いずれの中間体が支配するにおい
ても、熱あるいは過剰のオゾンによって堆積された化学
種は最終的に分解・酸化されてSi-O-Si のネットワーク
を形成し、化学量論比に近い非晶質SiO2に近づく。ただ
し、(A),(B) のどちらか一方だけが成膜に関与するとい
うことはなく、常に2種の化学種が関与していると考え
られ、オゾン濃度や成膜温度などの成膜パラメータや下
地の表面状態によって(A),(B) の成膜に関与するバラン
スが変化するものと考えられる。
ても、熱あるいは過剰のオゾンによって堆積された化学
種は最終的に分解・酸化されてSi-O-Si のネットワーク
を形成し、化学量論比に近い非晶質SiO2に近づく。ただ
し、(A),(B) のどちらか一方だけが成膜に関与するとい
うことはなく、常に2種の化学種が関与していると考え
られ、オゾン濃度や成膜温度などの成膜パラメータや下
地の表面状態によって(A),(B) の成膜に関与するバラン
スが変化するものと考えられる。
【0023】3.下地の表面状態と気相化学反応の関係 上記メカニズムの説明から明らかなように、気相中の成
膜化学種のバランスによって成膜後の形状は大きな変化
を受けることがわかる。基板にSi-OH 吸着サイトが高い
密度で分布している場合、気相中化学種のうち、シラノ
ール中間体(A) はその大きな分極のため、重合反応を待
たずに直ちに表面に吸着されるものと考えられる。吸着
されたシラノールは、直ちにオゾンあるいは熱による酸
化を受けて新たな吸着サイトとなりうるシラノールが生
成したり、他のシラノール中間体(A) による付加を受け
ることで、以後ずっとシラノール中間体(A) が支配的な
吸着−分解機構による膜堆積が継続して進行する。シロ
キサン重合体(B) による堆積も、割合は少ないがシラノ
ール中間体(A) と平行して進行すると考えられ、二つの
成膜種の混在による膜質の局部的な変動が起こり、これ
がBHF でエッチングしたときのむらの原因となっている
可能性がある。エタノール未処理の酸化膜上でのO3-TEO
S の成膜機構はこのタイプであると考えられる。
膜化学種のバランスによって成膜後の形状は大きな変化
を受けることがわかる。基板にSi-OH 吸着サイトが高い
密度で分布している場合、気相中化学種のうち、シラノ
ール中間体(A) はその大きな分極のため、重合反応を待
たずに直ちに表面に吸着されるものと考えられる。吸着
されたシラノールは、直ちにオゾンあるいは熱による酸
化を受けて新たな吸着サイトとなりうるシラノールが生
成したり、他のシラノール中間体(A) による付加を受け
ることで、以後ずっとシラノール中間体(A) が支配的な
吸着−分解機構による膜堆積が継続して進行する。シロ
キサン重合体(B) による堆積も、割合は少ないがシラノ
ール中間体(A) と平行して進行すると考えられ、二つの
成膜種の混在による膜質の局部的な変動が起こり、これ
がBHF でエッチングしたときのむらの原因となっている
可能性がある。エタノール未処理の酸化膜上でのO3-TEO
S の成膜機構はこのタイプであると考えられる。
【0024】本発明のように下地絶縁膜を有機化合物で
処理し、吸着活性なシラノールを全て潰した場合は、 シ
ラノール中間体(A) が基板に吸着されることはなくな
る。したがって気相中での滞留時間が伸び、シロキサン
重合体(B) に変化する確率が上がるため、気相中成膜化
学種の中でシロキサン重合体(B) の割合が高くなる。シ
ロキサン重合体(B) は、基板表面を界面張力によって覆
うように拡がる。このシロキサン重合体(B) は活性なシ
ラノールを持っていないので、膜表面がシロキサン重合
体(B) で一度覆われると、シラノール中間体(A)は以降
も吸着されず、以後の堆積は全てシロキサン重合体(B)
の流動が主体となって進行することになる。
処理し、吸着活性なシラノールを全て潰した場合は、 シ
ラノール中間体(A) が基板に吸着されることはなくな
る。したがって気相中での滞留時間が伸び、シロキサン
重合体(B) に変化する確率が上がるため、気相中成膜化
学種の中でシロキサン重合体(B) の割合が高くなる。シ
ロキサン重合体(B) は、基板表面を界面張力によって覆
うように拡がる。このシロキサン重合体(B) は活性なシ
ラノールを持っていないので、膜表面がシロキサン重合
体(B) で一度覆われると、シラノール中間体(A)は以降
も吸着されず、以後の堆積は全てシロキサン重合体(B)
の流動が主体となって進行することになる。
【0025】すなわち、成膜前の基板の状態は、後の成
膜機構に最後まで決定的な影響を与え得ることになる。
有機化合物による成膜前処理は、上記メカニズムから推
測されることによれば、活性吸着サイトにすべて吸着さ
れれば完全な効果が得られ、約400 ℃の成膜温度におい
て脱落されない化合物ならばいずれでも構わないのであ
るが、極性の高いアセトニトリルやエステル化作用のあ
る低級アルコールは、この成膜温度においても脱落され
ず安定に残存しており、最も適切なものであろうと考え
られる。
膜機構に最後まで決定的な影響を与え得ることになる。
有機化合物による成膜前処理は、上記メカニズムから推
測されることによれば、活性吸着サイトにすべて吸着さ
れれば完全な効果が得られ、約400 ℃の成膜温度におい
て脱落されない化合物ならばいずれでも構わないのであ
るが、極性の高いアセトニトリルやエステル化作用のあ
る低級アルコールは、この成膜温度においても脱落され
ず安定に残存しており、最も適切なものであろうと考え
られる。
【0026】ただし、界面張力によってシロキサン重合
体(B) が流動する最も初期の過程において、シロキサン
重合体と基板表面の間の界面張力の絶対値は、最終のフ
ロー形状に影響を与える可能性が高い。すなわちシロキ
サン重合体と処理済み基板の濡れ性が問題となり、有機
化合物の処理によって、シロキサン重合体に良く濡れる
化学種を吸着あるいはエステル化させることが、良いフ
ロー形状を得るためには望ましい。シロキサン重合体と
同一の官能基を持つエタノールや2−エトキシエタノー
ルによる処理が好ましい結果を与えていることが実験的
に確かめられているのも、そのためであろうと推測され
る。上述した所は理論および実験の結果に基づいたもの
ではあるが、あくまでも推論であり、本発明はこのよう
な推論によって技術的範囲が限定されるものではないこ
とは勿論である。
体(B) が流動する最も初期の過程において、シロキサン
重合体と基板表面の間の界面張力の絶対値は、最終のフ
ロー形状に影響を与える可能性が高い。すなわちシロキ
サン重合体と処理済み基板の濡れ性が問題となり、有機
化合物の処理によって、シロキサン重合体に良く濡れる
化学種を吸着あるいはエステル化させることが、良いフ
ロー形状を得るためには望ましい。シロキサン重合体と
同一の官能基を持つエタノールや2−エトキシエタノー
ルによる処理が好ましい結果を与えていることが実験的
に確かめられているのも、そのためであろうと推測され
る。上述した所は理論および実験の結果に基づいたもの
ではあるが、あくまでも推論であり、本発明はこのよう
な推論によって技術的範囲が限定されるものではないこ
とは勿論である。
【0027】成膜前の下地表面を処理する化合物の溶液
としては、活性吸着サイトを除去することができる極性
の高い上述した有機化合物が好ましく、中でもエタノー
ルが最も好ましい。
としては、活性吸着サイトを除去することができる極性
の高い上述した有機化合物が好ましく、中でもエタノー
ルが最も好ましい。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は以下に説明する本発明による半導体
装置の製造方法の実施例において有機シラン−CVD 膜を
形成する装置として使用することができる装置の一例の
構成を示すものである。反応チャンバ1の内部にはヒー
タ2を設け、サセプタ3によって支持されたシリコンウ
エファ4を加熱するようにする。さらに、反応チャンバ
1の外部にはオゾン発生装置5と、恒温槽6を設け、こ
の恒温槽の内部にはガスバブラー7を配置する。オゾン
発生装置5には酸素ガスを供給し、オゾンを生成するよ
うにする。このオゾン発生装置5のオゾン生成率は4.0%
である。恒温槽6内に配置したガスバブラー7には窒素
ガスを供給し、ガスバブラー内に収容した有機シラン、
本例ではTEOSのガスを発生させる。このTEOSガスはオゾ
ン発生装置5で発生させたオゾンと一緒に窒素ガスをキ
ャリアガスとして反応チャンバ1に供給する。反応チャ
ンバ1内にはディスパージョンヘッド8を配置し、オゾ
ンとTEOSガスとの混合ガスを層流としてシリコンウエフ
ァ4の表面に当ててシリコンウエファの表面全面に亘っ
て均一な成膜が行われるようにする。さらに、このため
にヒータ2およびサセプタ3とともにシリコンウエファ
4をその平面内で揺動させて成膜の均一性を確保するよ
うにしている。
て説明する。図1は以下に説明する本発明による半導体
装置の製造方法の実施例において有機シラン−CVD 膜を
形成する装置として使用することができる装置の一例の
構成を示すものである。反応チャンバ1の内部にはヒー
タ2を設け、サセプタ3によって支持されたシリコンウ
エファ4を加熱するようにする。さらに、反応チャンバ
1の外部にはオゾン発生装置5と、恒温槽6を設け、こ
の恒温槽の内部にはガスバブラー7を配置する。オゾン
発生装置5には酸素ガスを供給し、オゾンを生成するよ
うにする。このオゾン発生装置5のオゾン生成率は4.0%
である。恒温槽6内に配置したガスバブラー7には窒素
ガスを供給し、ガスバブラー内に収容した有機シラン、
本例ではTEOSのガスを発生させる。このTEOSガスはオゾ
ン発生装置5で発生させたオゾンと一緒に窒素ガスをキ
ャリアガスとして反応チャンバ1に供給する。反応チャ
ンバ1内にはディスパージョンヘッド8を配置し、オゾ
ンとTEOSガスとの混合ガスを層流としてシリコンウエフ
ァ4の表面に当ててシリコンウエファの表面全面に亘っ
て均一な成膜が行われるようにする。さらに、このため
にヒータ2およびサセプタ3とともにシリコンウエファ
4をその平面内で揺動させて成膜の均一性を確保するよ
うにしている。
【0029】(実施例1)まず最初短時間下地処理をデ
ィッピング法により行う場合を説明する。図2に示すよ
うに、シリコンウエファ11の上に高さ1μm のポリシリ
コン12を成膜し、その後エッチングすることによりライ
ンアンドスペースのパターンを形成した。この際のパタ
ーン幅は0.5 μm ,段差は深さ0.8 μm ,幅0.5 μm と
なり、そのアスペクト比は約2となった。図3に示すよ
うに、このウエファ11を複数個、例えば23枚ウエファカ
セット15に収納し、これを把持具16により貯溜槽17内に
入れ、その底部にあけた孔18から30℃に保持されたエタ
ノール19を充満し、浸漬(ディッピング)を行った。次
いで、ウエファ11はカセット15に入れたまま、スピンド
ライヤ(図示せず)にセットし、60℃の窒素ガスを吹き
付けて完全に乾燥させた。この際貯溜槽17内のエタノー
ル19をヒータ20により保温することができる。かかる処
理を施したウエファ11を図1に示す成膜チャンバ1 内に
搬送し、常圧熱CVD 法によりテトラエトキシシランを用
いて厚さが600nm の絶縁膜13を成膜した。このテトラエ
トキシシランは65℃に保温したバブラーに仕込み、約2
slm の窒素ガスでバブリングさせて搬送した。反応ガス
にはオゾンを5%混合した酸素ガスを用い、成膜の温度
は400 ℃とした。 成膜後の断面を観察すると、良好な
フロー形状をなしており、かつ、膜厚のバラツキはウエ
ファ全面で0.5 %以内となり、スピンコート法による値
の1/3と大きく向上した。しかも、このようにして形
成したオゾン−TEOS CVD膜はポリシリコンパターン間の
狭いスペースを埋め、良好なステップカバレージを有し
ているとともに平坦性も優れており、ボイドも形成され
ていない良好の膜質を有するものであった。 この処理
によるウエファ1枚当たりの処理時間は約3秒であり、
スピンコート法の約1分に比べ、大幅な処理時間の短縮
が達成できた。このディッピング法によるエタノールの
貯溜槽は底部に孔を有さないものとし、これに上部から
エタノールを貯溜するものとすることができる。
ィッピング法により行う場合を説明する。図2に示すよ
うに、シリコンウエファ11の上に高さ1μm のポリシリ
コン12を成膜し、その後エッチングすることによりライ
ンアンドスペースのパターンを形成した。この際のパタ
ーン幅は0.5 μm ,段差は深さ0.8 μm ,幅0.5 μm と
なり、そのアスペクト比は約2となった。図3に示すよ
うに、このウエファ11を複数個、例えば23枚ウエファカ
セット15に収納し、これを把持具16により貯溜槽17内に
入れ、その底部にあけた孔18から30℃に保持されたエタ
ノール19を充満し、浸漬(ディッピング)を行った。次
いで、ウエファ11はカセット15に入れたまま、スピンド
ライヤ(図示せず)にセットし、60℃の窒素ガスを吹き
付けて完全に乾燥させた。この際貯溜槽17内のエタノー
ル19をヒータ20により保温することができる。かかる処
理を施したウエファ11を図1に示す成膜チャンバ1 内に
搬送し、常圧熱CVD 法によりテトラエトキシシランを用
いて厚さが600nm の絶縁膜13を成膜した。このテトラエ
トキシシランは65℃に保温したバブラーに仕込み、約2
slm の窒素ガスでバブリングさせて搬送した。反応ガス
にはオゾンを5%混合した酸素ガスを用い、成膜の温度
は400 ℃とした。 成膜後の断面を観察すると、良好な
フロー形状をなしており、かつ、膜厚のバラツキはウエ
ファ全面で0.5 %以内となり、スピンコート法による値
の1/3と大きく向上した。しかも、このようにして形
成したオゾン−TEOS CVD膜はポリシリコンパターン間の
狭いスペースを埋め、良好なステップカバレージを有し
ているとともに平坦性も優れており、ボイドも形成され
ていない良好の膜質を有するものであった。 この処理
によるウエファ1枚当たりの処理時間は約3秒であり、
スピンコート法の約1分に比べ、大幅な処理時間の短縮
が達成できた。このディッピング法によるエタノールの
貯溜槽は底部に孔を有さないものとし、これに上部から
エタノールを貯溜するものとすることができる。
【0030】(実施例2)次に、短時間下地処理をカー
テンフローコート法により行う場合を説明する。本例に
おいても、まず最初、図2に示すように、シリコンウエ
ファ11の上に高さ1μm のポリシリコン12を成膜し、そ
の後エッチングすることによりラインアンドスペースの
パターンを形成した。この際のパターン幅は0.5 μm ,
段差は深さ0.8 μm ,幅0.5 μm となり、そのアスペク
ト比は約2となった。かかるウエファ11を図4に示すよ
うに、2−エトキシエタノールの流れるカーテンフロー
コータ25に通し、その後80℃の窒素ガスを吹き付けて完
全に乾燥させた。即ち、ウエファ11を載置した一連のコ
ンベア26のある箇所にカーテンフローコータ25を配置す
る。このカーテンフローコータ25は貯溜槽27に液溜28
(エタノール)を溜め、これをパイプ29およびポンプ30
を介してスリットノズル31に移送し、ノズル31から液受
け32にエタノール液28を流下させ、これによりエタノー
ルの液膜33(カーテンウォール)を形成し、液受け32の
エタノールを貯溜槽27に戻して、2−エトキシエタノー
ルの循環を行う。上記コンベア26は50cm/sの速度で上記
カーテンウォールを挿通するように配置する。かように
カーテンウォールを通過した後のウエファ11はウエファ
カセット34内に入れ、ノズル35から窒素ガスN2を吹き
付けて乾燥させる。次いで、 実施例1につき説明した所
と同様の方法および成膜条件で常圧熱CVD法により絶縁
膜13の成膜を行った。この処理によるウエファの1枚当
たりの処理時間は約0.5 秒であった。
テンフローコート法により行う場合を説明する。本例に
おいても、まず最初、図2に示すように、シリコンウエ
ファ11の上に高さ1μm のポリシリコン12を成膜し、そ
の後エッチングすることによりラインアンドスペースの
パターンを形成した。この際のパターン幅は0.5 μm ,
段差は深さ0.8 μm ,幅0.5 μm となり、そのアスペク
ト比は約2となった。かかるウエファ11を図4に示すよ
うに、2−エトキシエタノールの流れるカーテンフロー
コータ25に通し、その後80℃の窒素ガスを吹き付けて完
全に乾燥させた。即ち、ウエファ11を載置した一連のコ
ンベア26のある箇所にカーテンフローコータ25を配置す
る。このカーテンフローコータ25は貯溜槽27に液溜28
(エタノール)を溜め、これをパイプ29およびポンプ30
を介してスリットノズル31に移送し、ノズル31から液受
け32にエタノール液28を流下させ、これによりエタノー
ルの液膜33(カーテンウォール)を形成し、液受け32の
エタノールを貯溜槽27に戻して、2−エトキシエタノー
ルの循環を行う。上記コンベア26は50cm/sの速度で上記
カーテンウォールを挿通するように配置する。かように
カーテンウォールを通過した後のウエファ11はウエファ
カセット34内に入れ、ノズル35から窒素ガスN2を吹き
付けて乾燥させる。次いで、 実施例1につき説明した所
と同様の方法および成膜条件で常圧熱CVD法により絶縁
膜13の成膜を行った。この処理によるウエファの1枚当
たりの処理時間は約0.5 秒であった。
【0031】(実施例3)次に、短時間下地処理をスプ
レー法により行う場合を説明する。本例においても、ま
ず最初、図2に示すように、シリコンウエファ11の上に
高さ1μm のポリシリコン12を成膜し、その後エッチン
グすることによりラインアンドスペースのパターンを形
成した。この際のパターン幅は0.5 μm ,段差は深さ0.
8 μm ,幅0.5 μm となり、そのアスペクト比は約2と
なった。 このウエファ11に図5に示すようにスプレー
コータ44により有機化合物の溶液を塗布する。即ち、一
連のロール45上にウエファ11を載置して矢印の方向に搬
送する。この搬送されているウエファ上に2 流体スプレ
ーノズル46を配置し、このノズル46をパイプ47および止
め弁48を介して貯溜槽49の液溜50のメタノール液に連通
する。また、 スプレーノズル46はパイプ51を介してボン
ベ52に接続し、ボンベないの窒素をスプレーノズル46に
供給する。斯様にしてウエファ11にメタノールを2流体
ノズル46から窒素をキャリアとして1kg/cm2 の圧力で
10秒間吹き付けると、霧吹きの原理でメタノール50をス
プレー状にしてウエファ11に塗布し、そのままメタノー
ル50を止め弁48により遮断して、ボンベ52からの窒素を
1秒間吹き付けて完全に乾燥を行う。次いで、 実施例1
につき説明した所と同様の方法および成膜条件で常圧熱
CVD法により絶縁膜13の成膜を行ったところ、効果が同
一で、ウエファ1枚当たりの処理時間は搬送をも含めて
約13秒であった。
レー法により行う場合を説明する。本例においても、ま
ず最初、図2に示すように、シリコンウエファ11の上に
高さ1μm のポリシリコン12を成膜し、その後エッチン
グすることによりラインアンドスペースのパターンを形
成した。この際のパターン幅は0.5 μm ,段差は深さ0.
8 μm ,幅0.5 μm となり、そのアスペクト比は約2と
なった。 このウエファ11に図5に示すようにスプレー
コータ44により有機化合物の溶液を塗布する。即ち、一
連のロール45上にウエファ11を載置して矢印の方向に搬
送する。この搬送されているウエファ上に2 流体スプレ
ーノズル46を配置し、このノズル46をパイプ47および止
め弁48を介して貯溜槽49の液溜50のメタノール液に連通
する。また、 スプレーノズル46はパイプ51を介してボン
ベ52に接続し、ボンベないの窒素をスプレーノズル46に
供給する。斯様にしてウエファ11にメタノールを2流体
ノズル46から窒素をキャリアとして1kg/cm2 の圧力で
10秒間吹き付けると、霧吹きの原理でメタノール50をス
プレー状にしてウエファ11に塗布し、そのままメタノー
ル50を止め弁48により遮断して、ボンベ52からの窒素を
1秒間吹き付けて完全に乾燥を行う。次いで、 実施例1
につき説明した所と同様の方法および成膜条件で常圧熱
CVD法により絶縁膜13の成膜を行ったところ、効果が同
一で、ウエファ1枚当たりの処理時間は搬送をも含めて
約13秒であった。
【0032】
【発明の効果】上述したように、本発明による半導体装
置の製造方法においては、有機シラン系の原料ガスを用
いる化学気相成長法によって絶縁膜を形成する前に、下
地表面を有機物を瞬時的に接触塗布することによって処
理するといったきわめて簡単且つ迅速な処理によってCV
D 絶縁膜の埋め込み性が良く、絶縁膜中にボイドのない
良質の絶縁膜を形成することができる。また、このよう
にして形成された絶縁膜は水分が少なく、耐吸湿性も優
れたものとなるとともに後処理においてクラックが発生
する恐れがなく、素子特性を改善することができる。
置の製造方法においては、有機シラン系の原料ガスを用
いる化学気相成長法によって絶縁膜を形成する前に、下
地表面を有機物を瞬時的に接触塗布することによって処
理するといったきわめて簡単且つ迅速な処理によってCV
D 絶縁膜の埋め込み性が良く、絶縁膜中にボイドのない
良質の絶縁膜を形成することができる。また、このよう
にして形成された絶縁膜は水分が少なく、耐吸湿性も優
れたものとなるとともに後処理においてクラックが発生
する恐れがなく、素子特性を改善することができる。
【図1】図1は、 本発明による半導体装置の製造方法に
おいてオゾン−有機シランCVD膜を形成する化学気相成
長装置の構成を示す線図である。
おいてオゾン−有機シランCVD膜を形成する化学気相成
長装置の構成を示す線図である。
【図2】図2は、本発明による半導体装置の製造方法の
第1の実施例によって形成した半導体装置を示す断面図
である。
第1の実施例によって形成した半導体装置を示す断面図
である。
【図3】図3は、本発明による下地処理手段のディッピ
ングの構成を示す説明図である。
ングの構成を示す説明図である。
【図4】図4は、本発明による下地処理手段のカーテン
フローコータの構成を示す説明図である。
フローコータの構成を示す説明図である。
【図5】図5は、本発明による下地処理手段のスプレー
コータの構成を示す説明図である。
コータの構成を示す説明図である。
1 反応チャンバ 2 ヒータ 3 サセプタ 4 シリコンウエファ 5 オゾン発生装置 6 恒温槽 7 ガスバブラー 8 ディスパージョンヘッド 11 シリコン基板(ウエファ) 12 ポリシリコンパターン 13 オゾン−TEOS CVD絶縁膜 15 ウエファカセット 16 把持具 17 貯溜槽 18 孔 19 貯溜液 20 ヒータ 25 カーテンフローコータ 26 コンベア 27 貯溜槽 28 パイプ 29 貯溜槽 30 ポンプ 31 スリットノズル 32 液受け 33 カーテンウォール 34 ウエファカセット 35 ノズル 44 スプレーコータ 45 ロール 46 スリットノズル 47 パイプ 48 ポンプ 49 貯溜槽 50 液溜 51 パイプ 52 ボンベ
Claims (5)
- 【請求項1】 有機シラン系化合物を原料として用いる
化学気相成長によって絶縁膜を形成するに当たり、前記
絶縁膜を形成する前に、有機化合物の溶液を基板にディ
ッピング法により短時間で塗布させて下地処理を行うよ
うにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 有機シラン系化合物を原料として用いる
化学気相成長によって絶縁膜を形成するに当たり、前記
絶縁膜を形成する前に、有機化合物の溶液を基板にカー
テンフローコート法により短時間で塗布させて下地処理
を行うようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方
法。 - 【請求項3】 有機シラン系化合物を原料として用いる
化学気相成長によって絶縁膜を形成するに当たり、前記
絶縁膜を形成する前に、有機化合物の溶液を基板にスプ
レー法により短時間で塗布させて下地処理を行うように
したことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記有機化合物が、メタノールまたはエ
タノールであることを特徴とする請求項1又は2又は3
に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】 前記有機シラン系化合物が、TEOS、TMO
S、OMTCS 、HMDS、SOB,DADBS およびSOP より成る群か
ら選択されたものであることを特徴とする請求項1又は
2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6848493A JPH06283514A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6848493A JPH06283514A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06283514A true JPH06283514A (ja) | 1994-10-07 |
Family
ID=13375012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6848493A Pending JPH06283514A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06283514A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023171370A1 (ja) * | 2022-03-09 | 2023-09-14 | 日産化学株式会社 | 前処理用組成物 |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP6848493A patent/JPH06283514A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023171370A1 (ja) * | 2022-03-09 | 2023-09-14 | 日産化学株式会社 | 前処理用組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5605867A (en) | Method of manufacturing insulating film of semiconductor device and apparatus for carrying out the same | |
US5532191A (en) | Method of chemical mechanical polishing planarization of an insulating film using an etching stop | |
JP5592327B2 (ja) | 誘電体膜の材料特性を高めるための活性化学的方法 | |
US9257302B1 (en) | CVD flowable gap fill | |
JP4021131B2 (ja) | 低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液および低誘電率シリカ系被膜付基板 | |
JP2001504989A (ja) | 平坦化された誘電層を半導体基板上に堆積させるための方法及び装置 | |
JP3103241B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP3369622B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH0729901A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06283514A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06349817A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP3054289B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP3258427B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06140390A (ja) | 半導体装置の製造装置 | |
JP3133857B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06283523A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH0758100A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06283516A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06310493A (ja) | 半導体装置の製造装置 | |
JPH0669197A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06268082A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06283506A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH06283507A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
KR20160028359A (ko) | 가수 분해 및 응결에 의한 저-k 옥사이드 증착 | |
JPH06283517A (ja) | 半導体装置の製造方法 |