JPH06279709A - 切削加工用鋳物に塗膜を形成する方法 - Google Patents

切削加工用鋳物に塗膜を形成する方法

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JPH06279709A
JPH06279709A JP9077193A JP9077193A JPH06279709A JP H06279709 A JPH06279709 A JP H06279709A JP 9077193 A JP9077193 A JP 9077193A JP 9077193 A JP9077193 A JP 9077193A JP H06279709 A JPH06279709 A JP H06279709A
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JP
Japan
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coating film
casting
pigment
cutting
coating
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JP9077193A
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Satoshi Tachiki
聡 立木
Mitsunori Nishioka
光徳 西岡
Masahiko Sagane
正彦 佐賀根
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜厚60μm 以下で連続塗膜となっており、
かつ切削加工性良好な塗膜を形成できる粉体塗料塗膜形
成方法を提供する。 【構成】 軟化点75〜135℃でエポキシ当量が60
0〜2,800であるビスフェノールA型エポキシ樹脂
を主成分とする樹脂成分100重量部に対して、吸油量
35以下の劈開性顔料を30〜100重量部含有する粉
体塗料を、切削加工用鋳物に塗装、焼付することを特徴
とする切削加工用鋳物に塗膜を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切削加工によって塗膜
のバリを生じない塗膜を切削加工用鋳物に形成する方法
およびこの方法によって塗膜形成された切削加工用鋳物
に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、鋳物には溶剤型塗
料が塗装されていたが、近年、塗装工程における作業環
境を改善するため粉体塗料が使用されてきている。しか
しながら粉体塗料の塗装においては、一般的に塗装膜厚
が厚く塗膜強度も大きいことから、塗装後の切削加工に
おいて切削箇所の塗膜がバリ状に残るため塗膜バリ取り
工程が必要であった。
【0003】そこで鋳物へ粉体塗料の塗膜を形成し、切
削加工した後の塗膜バリ取り工程を省略できる粉体塗料
の塗膜形成方法について検討を行なった。まず粉体塗料
の塗料粉末の粒径を小さくして薄膜塗装化することにつ
いて検討を行なったが、複雑形状をした立体形の鋳物塗
装においては膜厚のバラツキが大きいため膜厚の厚い箇
所を解消することが困難であり、膜厚の厚い箇所を切削
加工した場合には塗膜がバリ状に残るため塗膜バリ取り
工程を省略することは困難であった。
【0004】また粉体塗料塗膜の塗膜強度を弱くし脆く
して切削加工性を向上するため体質顔料を多く配合する
ことについて検討を行なったが、炭酸カルシウム、バリ
タ、クレー、シリカなどの一般的な体質顔料を配合して
も効果が少なく、効果を出すためには塗料の連続塗膜形
成性を極端に低下させるほど多くの量を配合することが
必要であり、この場合には連続塗膜を形成するためには
厚膜が必要となり、かつ得られる塗面の凹凸も非常に大
きくなるため実用的でなかった。
【0005】そこで本発明者らは、膜厚60μm 以下で
連続塗膜となっており、かつ切削加工性良好な塗膜を形
成できる粉体塗料塗膜形成方法について鋭意研究を行な
った。その結果、特定の樹脂に吸油量の低い劈開性の体
質顔料を配合した粉体塗料を使用することによって上記
塗膜形成方法を達成できることを見出し本発明に到達し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は第一
に、軟化点75〜135℃でエポキシ当量が600〜
2,800であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を主
成分とする樹脂成分100重量部に対して、劈開性顔料
を30〜100重量部含有し、かつ該劈開性顔料全体に
おける吸油量が35以下である粉体塗料を、切削加工用
鋳物に塗装、焼付することを特徴とする切削加工用鋳物
に塗膜を形成する方法を提供するものである。
【0007】また本発明は第二に、劈開性顔料がタル
ク、マイカおよびグラファイトから選ばれた少なくとも
1種であることを特徴とする前記の方法を提供するもの
である。
【0008】さらに本発明は第三に、粉体塗料の樹脂成
分が、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ
基に対する当量比が0.6〜2.5となる量の硬化剤を
含有するものである前記の方法を提供するものである。
【0009】また本発明は第四に、前記の方法によって
得られる塗膜形成された切削加工用鋳物を提供するもの
である。
【0010】
【作用】本発明において使用される粉体塗料の樹脂成分
は、軟化点75〜135℃でエポキシ当量が600〜
2,800のビスフェノールA型エポキシ樹脂を主成分
とするものである。上記エポキシ樹脂は、例えばビスフ
ェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン]とエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリ
ンとを反応させて得ることができる。上記エポキシ樹脂
の市販品としては、例えばシェル化学(株)製の、エピ
コート1002、同1004、同1007などを挙げる
ことができ、これらは一種で又は二種以上混合して使用
することができる。
【0011】上記エポキシ樹脂の軟化点が75℃未満で
は粉体塗料の貯蔵中に粉体粒子同志の融着が起こりやす
く、一方、135℃を超えると溶融粘度が高くなりやす
く連続塗膜の形成が困難になる。また上記エポキシ樹脂
のエポキシ当量が600未満では一般に分子量が小さく
なり軟化温度が低くなる。一方、2,800を超えると
一般に分子量が大きくなり軟化温度が高くなる。
【0012】上記樹脂成分は、上記エポキシ樹脂の硬化
剤として、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、環状アミジン、チバガイギー社製の「HT283
3」、「HT2844」、「XB2971」などのジシ
アンジアミド変性体、チバガイギー社製の「HT194
7」などの変性酸無水物、メチレンビス(o−トルイジ
ン)、無水トリメリット酸などの一種又は二種以上を含
有していてもよい。上記硬化剤は、上記エポキシ樹脂の
エポキシ基に対する当量比が0.6〜2.5、望ましく
は0.8〜1.5となる量使用することが好適である。
また上記樹脂成分は、フェノール・ホルムアルデヒド樹
脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂などの上記エ
ポキシ樹脂と反応可能な樹脂、上記エポキシ樹脂以外の
エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを必要に応じて、上記
ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して
45重量部以下配合することができる。
【0013】本発明に使用される粉体塗料は、上記樹脂
成分100重量部に対して、劈開性顔料を30〜100
重量部、好ましくは40〜80重量部含有する。上記劈
開性顔料としては、例えばタルク、マイカ、グラファイ
トなどを挙げることができ、これらは一種で又は二種以
上混合して使用することができる。一種で使用する場
合、その顔料の吸油量は35以下であることが必要であ
り、二種以上で使用する場合は、各劈開性顔料の吸油量
がそれぞれ35以下である必要はなく、使用する劈開性
顔料全体の混合物における吸油量が35以下であればよ
い。劈開性顔料全体における吸油量が35を超えると、
切削加工性が良くなる量配合すると連続塗膜形成膜厚が
60μm を超え実用的でなくなる。また劈開性顔料の量
が樹脂成分100重量部に対して30重量部未満では切
削加工性が不十分であり、一方、100重量部を超える
と連続塗膜形成膜厚60μm を超えやすくなり実用的で
なくなる。
【0014】本発明に使用される粉体塗料は、顔料分と
して上記劈開性顔料以外に、チタン白、ベンガラ、赤色
有機顔料、チタンエロー、黄色有機顔料、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラッ
ク、各種焼成着色顔料などの着色顔料;炭酸カルシウ
ム、バリタ、クレー、シリカなどの体質顔料;ジンクク
ロメート、ストロンチウムクロメート、塩基性ケイ酸鉛
などの防錆顔料などを必要に応じて含有してもよいが、
これらの配合量は樹脂成分100重量部に対して劈開性
顔料を含めた全顔料量が130重量部を超えない範囲で
ある。
【0015】本発明において使用される粉体塗料には、
上記樹脂成分および顔料分以外に、表面調整剤、硬化促
進剤、スベリ性付与剤などの粉体塗料用添加剤が配合さ
れていてもよく、これらの添加剤の配合量の和は、樹脂
成分100重量部に対して通常10重量部以下である。
【0016】本発明方法において、上記粉体塗料は切削
加工用鋳物に塗装され焼付けられることによって塗膜が
形成される。切削加工用鋳物は塗装前にショットブラス
ト処理などの塗装前処理が施されていてもよい。上記切
削加工用鋳物とは、塗装後に所定の形状に所定の精度で
加工が必要な鋳物である。この鋳物としては、例えば自
動車用部品であるブレーキドラム、エンジンブロック、
ギヤボックスなどやネジ加工が必要な鋼管継手鋳物部品
などが挙げられる。
【0017】粉体塗料の塗装膜厚は通常60〜200μ
m の範囲であり、静電粉体スプレー塗装、流動浸漬塗装
などによって塗装される。塗装膜の焼付条件は通常、被
塗物温度150〜200℃で5〜20分程度である。上
記のように切削加工用鋳物に塗膜形成することによって
塗膜外観が良好で切削加工性の良好な塗膜を有する切削
加工用鋳物を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明する。以下、「部」は重量基準によるものとする。
【0019】粉体塗料の製造 製造例1 エピコート1002[シェル化学(株)製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、軟化点約80℃、エポキシ当量
約630]100部、アジピン酸ジヒドラジド6.9
部、ポリフロ−S[共栄社油脂化学工業(株)製、表面
調整剤]1部、三菱カーボンブラックMA−100[三
菱化成工業(株)製、カーボンブラック、吸油量10
0]2部および満州タルクP[竹原化学工業(株)製、
吸油量33のタルク]30部を混合し、エクストルーダ
によって溶融混練し、冷却後、ターボミルによって粉砕
を行ない、さらに100メッシュのフルイにより粗粒子
を分離して粉体塗料を得た。
【0020】 製造例2〜13および製造例14〜22(比較用) 後記表1および表2に示す配合組成とする以外は製造例
1と同様に行ない各例の粉体塗料を得た。
【0021】表1中における(註)は下記のとおりであ
る。 (注1)エピコート1004:シェル化学(株)製、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、軟化点約100℃、エ
ポキシ当量約910。 (注2)エピコート1007:シェル化学(株)製、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、軟化点約125℃、エ
ポキシ当量約2,200。 (注3)ER−8101:日本エステル(株)製、ポリ
エステル樹脂、樹脂酸価約59。
【0022】(注4)Tタルク:竹原化学工業(株)
製、吸油量27のタルク。 (注5)Sタルク:日本滑石製錬(株)製、吸油量25
のタルク。 (注6)グラハイト:中越黒鉛(株)製、吸油量40の
グラファイト。 (注7)シムゴン:日本タルク(株)製、吸油量37の
タルク。 (注8)雲母粉B−31:山口雲母(株)製、吸油量4
8のマイカ粉。 (注9)Hydrocarb :ヘキスト合成(株)製、吸油量1
8の炭酸カルシウム。 (注10)ホモカルD:白石工業(株)製、吸油量28
の炭酸カルシウム。
【0023】実施例1 切削加工用のねずみ鋳鉄鋳物部材(100×300×2
0mm)にショットブラスト処理を施こし、SSPC S
P−5のホワイトメタルとした。このホワイトメタルの
100×300mmの面に前記製造例1で得た粉体塗料を
膜厚が120μm となるように静電塗装し、被塗物温度
150℃で20分間焼付けて硬化塗膜を形成した。
【0024】実施例2〜13および比較例1〜9 粉体塗料として、表1または表2に示す各製造例の粉体
塗料を使用する以外は実施例1と同様に行ない、各々の
硬化塗膜が形成された鋳物部材を得た。
【0025】各実施例および比較例で得た、塗膜形成さ
れた鋳物部材について、切削加工性および耐溶剤性の試
験を行なった。また各製造例で得た粉体塗料について連
続塗膜形成性の試験を行なった。試験結果を後記表1お
よび表2に示す。試験は下記試験方法に従って行なっ
た。
【0026】切削加工性:鋳物部材表面の塗膜面をフラ
イス盤で垂直に切削し、切削箇所の塗面の状態を評価す
る。なお、フライス盤の刃としては鋳物用の荒削り用刃
を使用し、刃の周速100km/ 時、鋳物移動速度200
mm/ 分、切削深さ3mmの条件で切削を行なった。 ○:塗膜バリが認められない。 △:塗膜バリがかなり認められるが、仕上用刃で仕上切
削(切削条件は上記と同じ)すると塗膜バリが認められ
なくなる。 ×:塗膜バリが多く認められ、仕上用刃で仕上切削(切
削条件は上記と同じ)しても塗膜バリがかなり認められ
る。
【0027】耐溶剤性:鋳物部材表面の塗膜面を、キシ
レンを含ませたガーゼで荷重4kg/cm2の条件で約5cmの
長さを10往復こすったときの塗膜面の擦り傷の程度で
目視で評価する。 ○:擦り傷が認められない。 △:わずかに擦り傷が認められる。 ×:かなり多くの擦り傷が認められる。
【0028】連続塗膜形成性:自動車用冷延ダル鋼板
(100×300×0.8mm)に、30cmの長さ方向に
膜厚が40μm から100μm まで徐々に変化するよう
に、各製造例で得た粉体塗料を傾斜塗装し、被塗物温度
150℃で20分間焼付けた。得られた塗装板を塩水噴
霧試験(JIS Z2371)にて48時間試験を行な
ったとき、錆の発生が認められない最低膜厚(μm)を5
μm 単位で表わし、その膜厚を連続塗膜形成膜厚とす
る。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によって、切削加工の際に塗
膜のバリを生じず、かつ連続塗膜形成性の良好な塗膜を
有する切削加工用鋳物が得られるので、切削加工後のバ
リ取り工程を省略できる。また本発明方法における塗装
に粉体塗料が使用されるため、塗装工程における作業環
境を改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJP 8830−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化点75〜135℃でエポキシ当量が
    600〜2,800であるビスフェノールA型エポキシ
    樹脂を主成分とする樹脂成分100重量部に対して、劈
    開性顔料を30〜100重量部含有し、かつ該劈開性顔
    料全体における吸油量が35以下である粉体塗料を、切
    削加工用鋳物に塗装、焼付することを特徴とする切削加
    工用鋳物に塗膜を形成する方法。
  2. 【請求項2】 劈開性顔料がタルク、マイカおよびグラ
    ファイトから選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 粉体塗料の樹脂成分が、前記ビスフェノ
    ールA型エポキシ樹脂のエポキシ基に対する当量比が
    0.6〜2.5となる量の硬化剤を含有するものである
    請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    よって得られる塗膜形成された切削加工用鋳物。
JP9077193A 1993-03-24 1993-03-24 切削加工用鋳物に塗膜を形成する方法 Pending JPH06279709A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003213198A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Nippon Paint Co Ltd 鋳物切削用塗料組成物および鋳物切削方法
US6743842B1 (en) * 1998-12-16 2004-06-01 Daikin Industries, Ltd. Fluorine-containing resin powder coating composition
US7858153B2 (en) 2006-04-26 2010-12-28 Kansai Paing Co., Ltd. Powder primer composition and method for forming coating film

Cited By (3)

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