JPH06278440A - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JPH06278440A
JPH06278440A JP3664193A JP3664193A JPH06278440A JP H06278440 A JPH06278440 A JP H06278440A JP 3664193 A JP3664193 A JP 3664193A JP 3664193 A JP3664193 A JP 3664193A JP H06278440 A JPH06278440 A JP H06278440A
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JP
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pressure
low
fluid
pump
storage means
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JP3664193A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Yamamuro
重明 山室
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費エネルギの低減を図り、さらに、ポンプ
容量不足時の車高低下・姿勢変化の抑制と、長時間駐車
時の車高低下防止と、最低車高付近まで低下した状態に
おけるエンジン始動時の急激な姿勢変動抑制とを、高価
なバルブを用いることなく同時に達成すること。 【構成】 制御弁fの排出流体を貯留する低圧貯留手段
hを設け、ポンプbが低圧貯留手段hの作動流体を吸引
して高圧貯留機構eに吐出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の姿勢を最適状態
に保つ能動型サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、能動型サスペンションとしては、
例えば、特開平4−135906号公報に記載のものが
知られている。
【0003】この従来の能動型サスペンションは、ポン
プ,タンク,リリーフバルブ,アキュムレータ,フィル
タ,オイルクーラなどを構成要素とした流体供給装置
と、オペレートチェックバルブ,リリーフバルブなどを
構成要素とした圧力保持部と、前後左右のそれぞれの車
輪と車体との間に設けられたアクチュエータと、各アク
チュエータの油圧を制御する圧力制御バルブなどからな
る圧力制御部と、この圧力制御部と圧力保持部との間に
設けられたフェイルセーフバルブとから構成されてい
る。
【0004】そして、走行時には、ポンプを常時駆動さ
せておいて、必要に応じて、圧力制御部から最適量のオ
イルをアクチュエータに供給したり、アクチュエータか
らタンク側へ排出したりして姿勢を最適に保つ。この
時、圧力保持部では、ポンプから供給されるオイルの過
剰分はリリーフバルブからタンク側へリークさせる。
【0005】また、電気系統に異常が発生した時には、
フェイルセーフバルブが閉じて、オペレートチェックバ
ルブと協動してアクチュエータ側に油圧を所定の低圧に
保持し、一般的なメカニカルサスペンションの状態とし
て、走行を保証する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、以下に列挙するような解決すべき
問題を残していた。
【0007】 上述の装置のポンプは、連続悪路走行
時のような能動型サスペンションの最大流体圧消費時に
対応できる容量に設定されている。これは、ポンプ容量
が不足してしまうと、車高が低下したり、外力を受けた
時に生じるロールあるいはピッチといった姿勢変化量が
大きくなってしまうといった問題が生じるためである。
このため、連続悪路走行を行わない通常走行時には、リ
リーフ弁から過剰油量を常時リークさせて使用するよう
になっているため、エネルギの消費量が大きくなり、燃
費の悪化を招く。
【0008】 タンクへのライン排出圧力を、大気圧
(1気圧)としていることから、異常発生時にポンプや
圧力制御部の作動を停止させると、流体アクチュエータ
内の作動流体が全て排出されて車高が大きく低下してし
まう。そこで、この車高低下を防止するために、流体ア
クチュエータに作動流体を保持するための高価なフェイ
ルセーフバルブとオペレートチェックバルブとを必要と
しており、これにより、コスト増および重量増を招く。
【0009】 排出ライン圧が、1気圧に設定されて
いるため、長期間放置していると、各部からの油圧漏れ
により車高が下がってしまう。そして、こうして車高が
低下してしまった後に、エンジンを始動させると、作動
流体の供給再開に伴って急に車高が上昇することにな
る。そこで、このような不具合を防止するためには、フ
ロー制御バルブが必要になって(例えば、「新型車解説
書FGY32−1」 日産自動車株式会社 1991年
8月発行 C−50〜73頁参照)、この分、コスト増
および重量増を招く。
【0010】本発明は、上述の従来の問題に着目してな
されたもので、ポンプの消費エネルギの低減,ポンプ容
量不足時の車高低下・姿勢変化の抑制,長時間駐車時の
車高低下防止,最低車高付近まで低下した状態における
エンジン始動時の急激な姿勢変動抑制を、高価なバルブ
を用いることなく達成することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、制御
弁の排出側に作動流体圧を貯留する低圧貯留手段を設け
て上述の目的を達成することとした。
【0012】すなわち、本発明の能動型サスペンション
にあっては、図1のクレーム対応図に示すように、車体
と各車輪との間にそれぞれ介装されて、両者の間隔を変
更可能な流体アクチュエータaと、ポンプbから前記流
体アクチュエータaへ供給する吐出作動流体を高圧で貯
留する高圧貯留手段cおよびこの高圧貯留手段cからポ
ンプbへの逆流を防止するチェックバルブdを有した高
圧貯留機構eと、この高圧貯留機構eと流体アクチュエ
ータaとの間に介在されて、各流体アクチュエータaへ
の作動流体供給量および各流体アクチュエータa側から
の作動流体排出量を個別に制御する制御弁fと、この制
御弁fの作動を車体の姿勢変化に関する入力に基づいて
制御する姿勢制御手段gと、前記ポンプbの吸入側およ
び制御弁fの排出側に接続され、前記流体アクチュエー
タaの必要最小圧よりも低圧の所定圧で流体を貯留する
低圧貯留手段hとを設けた。
【0013】なお、前記高圧貯留機構eの流体圧を、流
体アクチュエータaの必要最大圧よりも高圧の高圧目標
圧域に制御すべく、前記高圧貯留機構eの流体圧を検出
し、この検出圧力が高圧目標圧域の下限圧である第1の
所定圧未満で前記ポンプbを吐出駆動させる一方、前記
検出圧力が高圧目標圧域の上限圧である第2の所定圧を
越えるとポンプbの吐出駆動を停止させる高圧フィード
バック手段nを設けてもよい(請求項2)。また、前記
低圧貯留手段hに向けて作動流体を吐出する低圧側ポン
プpを設け、前記低圧貯留手段hから低圧側ポンプpへ
の逆流を防止すべく両者の間に介在されたチェックバル
ブjと、前記低圧貯留手段hとで低圧貯留機構kを構成
し、前記低圧貯留機構kの流体圧を、流体アクチュエー
タaの必要下限圧よりも低圧の低圧目標圧域に制御すべ
く、前記低圧貯留機構kの流体圧を検出し、この検出圧
力が低圧目標圧域の下限圧である第3の所定圧未満で前
記低圧側ポンプpを吐出駆動させる一方、前記検出圧力
が低圧目標圧域の上限圧である第4の所定圧を越えると
低圧側ポンプpの吐出駆動を停止させる低圧フィードバ
ック手段rを設けてもよい(請求項3)。
【0014】
【作用】車両運転時には、姿勢制御手段gが制御弁fの
作動を制御して、流体アクチュエータaの流体量を最適
に調整して、車両の姿勢制御を行う。この姿勢制御の例
を挙げると、旋回や加減速や悪路走行を行うなどして、
車体にロール,ピッチ,バウンシングを生じさせるよう
な外力が作用した時には、姿勢制御手段gによる制御弁
fの作動に基づいて、流体アクチュエータaに対して流
体を供給あるいは排出させることで伸縮させ、車両姿勢
をフラットに保持する。
【0015】このような姿勢制御時において、制御弁f
は、流体アクチュエータaへ流体を供給する時には、高
圧貯留機構eに貯留されている作動流体を流体アクチュ
エータaに供給し、逆に、流体アクチュエータa内の流
体を排出させる時には、作動流体を低圧貯留手段hに向
けて排出させる。
【0016】そして、低圧貯留手段hに排出された作動
流体は、ポンプbに吸引されて加圧吐出されて再び高圧
貯留機構eに貯留される。このように、ポンプbは、大
気圧よりも高圧の低圧貯留手段hに貯留されている作動
流体を吸引するから、大気圧の作動流体を吸引して加圧
する場合と比較して消費エネルギが少ない。
【0017】また、流体アクチュエータaの作動頻度が
高くなって、仮に、高圧貯留機構eの容量が不足してし
まった時には、高圧貯留機構e内の流体量が減少して流
体圧が低下してしまうが、ポンプbは、低圧貯留手段h
の作動流体を吸入しているから、高圧貯留機構eの流体
圧は、低圧貯留手段hの流体圧と高圧貯留機構eの流体
圧との中間圧よりも低下することはない。したがって、
容量不足が生じても高圧貯留機構eの流体圧が大気圧ま
で低下した時ほどの、車高の低下や外力に抗するための
容量不足は生じない。
【0018】ところで、制御弁fが作動を行うと、高圧
貯留機構eでは作動流体が流体アクチュエータaに供給
されて流体圧が低下するのに対し、低圧貯留手段hでは
制御弁fからの排出により流体圧が上昇する。この場
合、請求項2記載のものでは、高圧貯留機構e内の流体
圧が第1の所定圧未満に低下したら、高圧フィードバッ
ク手段nがポンプbを吐出駆動させ、低圧貯留手段h内
の作動流体を高圧貯留機構eに供給する。この結果、高
圧貯留機構eの作動流体量が増加して流体圧が上昇する
とともに、低圧貯留手段hの流体が送出されて流体圧が
低下し、その後、高圧貯留機構eの流体圧が第2の所定
圧を越えたら高圧フィードバック手段nがポンプbの吐
出駆動を停止させる。
【0019】次に、長時間駐車時には、制御弁fからリ
ークした作動流体が低圧貯留手段hに貯留されるため
に、流体アクチュエータaに連通した系全体の流体圧
は、両貯留機構e,kの中間圧となる。したがって、流
体アクチュエータaにより車重を保持させることがで
き、従来のように流体アクチュエータaが全く重量を保
持できなくなることがない。また、異常発生時におい
て、ポンプbおよび制御弁fの作動を停止させた場合
も、同様に系内に作動流体を保持して車高を所定高さに
保持することができる。なお、この保持される量は、両
貯留機構e,kの貯留手段c,hの容量で決定される。
【0020】上述のように、長時間停車により高圧貯留
機構eが中間圧まで低下した後にエンジンを始動させる
時には、必要に応じて制御弁fが作動して作動流体を給
排するが、流体アクチュエータa内の流体は、従来のよ
うに大気圧から上昇するのではなしに中間圧から上昇す
るから、急激な姿勢変化が生じ難い。したがって、従来
のフロー制御バルブを廃止することが可能である。ま
た、請求項2記載のものでは、このエンジン始動時に
は、高圧フィードバック手段nの作動に基づいてポンプ
bが駆動して高圧貯留機構e内の流体圧を第2の所定圧
を越えるまで上昇させる。
【0021】また、流体アクチュエータaからの流体漏
れなどにより、作動流体が高圧貯留機構e,流体アクチ
ュエータa,低圧貯留機構kを結ぶ系の外へ漏れた時に
は、ポンプbが駆動して低圧貯留機構kの作動流体を吸
引した時に、低圧貯留機構kの流体圧が低圧目標圧の下
限圧である第3の所定圧よりも低下することになる。こ
うした時に、請求項3記載のものでは、低圧フィードバ
ック手段rが低圧側ポンプpを駆動させて低圧貯留機構
kの流体圧が第4の所定圧を越えるまで流体を供給す
る。これにより、作動流体不足が解消される。
【0022】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。図2は、本発明請求項1,
2,3に対応した第1実施例の能動型サスペンションを
示す油圧システム図であって、1FR,1FL,1RR,1RL
は、車体と各車輪との間に介装された油圧シリンダ(流
体アクチュエータ)、2はフロント圧力制御ユニット、
3はリヤ圧力制御ユニットである。なお、本実施例で
は、作動流体としてオイルを用いている。
【0023】前記フロント圧力制御ユニット2には、各
油圧シリンダ1FR,1FLに対して、それぞれ、オイルを
供給・排出する右側圧力制御弁2aおよび左側圧力制御
弁2bが設けられ、かつ、チェックバルブ2c,切換コ
ック2d,アキュムレータ2e,フェイルセーフチェッ
クバルブ2f,2fが設けられている。
【0024】そして、リヤ圧力制御ユニット3にも、各
油圧シリンダ1RR,1RLに対して、それぞれ、オイルを
供給・排出する右側圧力制御弁3aおよび左側圧力制御
弁3bが設けられ、かつ、チェックバルブ3c,切換コ
ック3d,アキュムレータ3e,フェイルセーフチェッ
クバルブ3f,3fが設けられている。
【0025】なお、各制御弁2a,2b,3a,3bの
作動は図示を省略したコンピュータ(姿勢制御手段)に
より作動を制御される。また、以上に述べた構成は、従
来技術で提示した文献に記載されている装置と同じ構成
であるので、詳細な説明は省略する。
【0026】前記各圧力制御ユニット2,3には、高圧
ライン(高圧貯留機構)4と低圧ライン(低圧貯留機
構)5とが接続されている。すなわち、図示のように、
モータML により駆動してリザーバタンクTからオイル
を吸引するロープレッシャポンプ5aと、モータMH
より駆動してロープレッシャポンプ5aの吐出側(低圧
ライン5)のオイルを吸引するハイプレッシャポンプ4
aとが順に直列に設けられている。そして、ハイプレッ
シャポンプ4aの吐出側に、メインチェックバルブ4b
とハイプレッシャアキュムレータ(高圧貯留手段)4c
とライン圧フィルタ4dが設けられ、さらに、フロント
メインアキュムレータ(高圧貯留手段)4eおよびリヤ
メインアキュムレータ(高圧貯留手段)4fが設けら
れ、これらにより各圧力制御ユニット2,3の吸入側に
接続された高圧ライン4が構成されている。
【0027】一方、両ポンプ4a,5aの間には、吐出
チェックバルブ5bと吸入チェックバルブ5cとが設け
られ、各バルブ5b,5cの間と各圧力制御ユニット
2,3の排出側とに接続されて貯留を行うロープレッシ
ャアキュムレータ(低圧貯留手段)5dとラインフィル
タ5eとが設けられ、これらにより低圧ライン5が構成
されている。
【0028】また、各ライン4,5には、それぞれ、高
圧ライン4の油圧を検出して直接モータMH の駆動を制
御する、つまりハイプレッシャポンプ4aの吐出駆動・
駆動停止を制御する信号を出力する高圧側圧力センサ
(高圧フィードバック手段)6と、低圧ライン5の油圧
を検出して直接モータML の駆動を制御、つまりロープ
レッシャポンプ5aの吐出駆動・駆動停止を制御する信
号を出力する低圧側圧力センサ(低圧フィードバック手
段)7とが設けられている。
【0029】すなわち、高圧側圧力センサ6は、スイッ
チ構造に形成されていて、検出圧力が油圧シリンダ1で
必要な最大油圧(図4における外力上限)よりも高圧に
設定されている高圧目標圧域PTHの下限圧である高圧側
設定圧(第1の所定圧)PH0未満ではハイプレッシャポ
ンプ4aを吐出駆動させる一方、検出圧力が前記高圧目
標圧域PTHの上限圧である上限油圧(第2の所定圧)P
H1を越えると、ハイプレッシャポンプ4aの吐出駆動を
停止させる構造となっている。
【0030】前記低圧側圧力センサ7も、同様のスイッ
チ構造に形成されていて、検出圧力が油圧シリンダ1で
必要な最小油圧(図4における外力下限)よりも低圧に
設定されている低圧目標圧域PHLの下限圧である下限油
圧(第3の所定圧)PL0未満ではロープレッシャポンプ
5aを吐出駆動させる一方、検出圧力が前記低圧目標圧
域PHLの上限圧である低圧側設定圧(第4の所定圧)P
L1を越えると、ロープレッシャポンプ5aの吐出駆動を
停止させる構造となっている。なお、前記下限油圧PL0
は、各油圧シリンダ1FR,1FL,1RR,1RL(以後、各
シリンダを4つまとめて指す場合には、符号は単に1と
表す)が、車重を保持することができる大きさに設定さ
れている。なお、上述の各センサ6,7の作動に基づく
各ポンプ4a,5aの吐出駆動および吐出駆動停止の切
り換わり状態を図3に示す。
【0031】次に、実施例の作用について説明する。良
路走行や停車時のように、外力が殆ど作用しない状態で
は、前後左右の4つの油圧シリンダ1の油圧を、ほぼ車
重に相当する圧力に保ち、車両姿勢をフラットに保つ。
【0032】高速急旋回や急加減速や悪路走行などによ
り車体にロール・ピッチ・バウンジングなどが生じるよ
うな外力が働いた時には、車体が左右・前後・上下に傾
こうとする。この時、各圧力制御ユニット2,3の各圧
力制御弁2a,2b,3a,3bの作動に基づき、外力
に対抗するように油を給排することで油圧を高圧側設定
圧PH0と低圧側設定圧PL1との間の範囲で上下させるこ
とにより、油圧シリンダ1がストロークして車両をフラ
ットな姿勢に保って操縦安定性を確保する。
【0033】このような制御において、ロールの場合の
制御例を図4に示している。すなわち、この図は、横軸
に油圧シリンダ1の変位量を表し、縦軸に油圧に換算し
た外力を表している。そして、ロール発生時には、外輪
側の油圧シリンダ1の油圧を高めて、油圧シリンダ1を
中立側に制御する一方、内輪側の油圧シリンダ1の油圧
を低めて、中立側に制御する。
【0034】上述のような制御にともない各圧力制御弁
2a,2b,3a,3bが作動した際には、オイルが高
圧ライン4から各シリンダ1あるいは低圧ライン5に移
動したり、各シリンダ1から低圧ライン5に移動する。
これに伴って、高圧ライン4の油圧が低下し、低圧ライ
ン5の油圧が上昇する。こうして高圧ライン4の油圧が
高圧側設定圧PH0未満に低下すると、高圧側圧力センサ
6のフィードバック作動に基づきハイプレッシャポンプ
4aが吐出駆動を開始する(図3参照)。これにより、
低圧ライン5内のオイルが高圧ライン4に戻されて高圧
ライン4の油圧が高まると共に、低圧ライン5の油圧が
低下し、その後、高圧ライン4の油圧が上限油圧PH1
越えた時点で、ハイプレッシャポンプ4aの吐出駆動が
停止される。
【0035】このように、ハイプレッシャポンプ4aの
駆動に伴って低圧ライン5の油圧が低下するが、油圧シ
リンダ1などにおいてリークがない場合には、両ライン
4,5および油圧シリンダ1内のオイルの総量に変化が
ないことから、低圧ライン5内の油圧は、下限油圧PL0
よりも低下することはない。一方、油圧シリンダ1にお
けるリークなどによりリザーバタンクTへオイルが漏れ
て両ライン4,5および油圧シリンダ1の全体のオイル
量が減っている場合には、ハイプレッシャポンプ4aを
駆動させた時に低圧ライン5の油圧が下限油圧PL0より
も低下することになる。この場合、低圧側圧力センサ7
のフィードバック作動によりロープレッシャポンプ5a
が吐出駆動を行い(図3参照)、低圧ライン5の油圧が
低圧側設定圧PL1を越えるまでリザーバタンクT内のオ
イルが補充される。
【0036】この場合の、各ライン4,5における油圧
の上昇・下降スピードと、各ポンプ4a,5aの吐出駆
動時間は、ハイプレッシャアキュムレータ4c,ロープ
レッシャアキュムレータ5dの貯留容量により決定さ
れ、この貯留容量を大きくすることにより作動時間を短
縮できる。ちなみに、従来のポンプ,フロント・リヤメ
インアキュムレータの統合,リターンアキュムレータで
の代用も可能である。
【0037】また、ロープレッシャポンプ5aの容量
は、低圧ライン5の微小リーク(吐出チェックバルブ5
bにおけるリーク,各シリンダ1のリークのいずれも微
小である)の補充と、車両オフライン,車両修理時のオ
イル補給のみに使われることから、低容量のポンプで充
分である。
【0038】また、ハイプレッシャポンプ4aの容量
は、各シリンダ1の作動頻度から決められ、ハイプレッ
シャアキュムレータ4cの貯留量分だけ少なくてよい。
すなわち、図5は、必要ポンプ流量Qおよび消費パワー
(Q×P)を縦軸,油圧シリンダ作動頻度を横軸にとっ
て従来と本実施例とで比較したもので、実線は、従来の
ポンプの設定流量Qmax および消費パワー(Qmax ・P
H1)を表し、二点鎖線が従来の必要流量Qを表し、一点
鎖線が実施例の必要流量QI を表し、点線が実施例の消
費パワー[QI ×(PH1−PL0)]を表している。
【0039】ところで、各油圧シリンダ1の作動頻度が
極めて高くなって、ハイプレッシャポンプ4aの容量が
不足した場合には、高圧ライン4と低圧ライン5との油
圧がほぼ等しくなり、油圧シリンダ1の油圧もこれと同
圧となる。したがって、油圧シリンダ1は、良路直進時
の通常油圧程度の油圧(高圧目標圧域PTHと低圧目標圧
域PTLの油圧の中間値)に保持されるため、従来のよう
に、油圧が急激に下がって車高が下がったり、外力を受
けた時の変化量(ロール量,ピッチ量)が大きくなると
いった不安はない。
【0040】長時間駐車時や異常発生時には、各圧力制
御弁2a,2b,3a,3bの排出側の低圧ライン5は
吐出チェックバルブ5bにより閉鎖されるため、リーク
が殆どなく、各油圧シリンダ1は、両ライン4,5の中
間圧(通常油圧程度)に保持される。この中間圧は、ハ
イプレッシャアキュムレータ4c,ロープレッシャアキ
ュムレータ5dの容量割合と、高・低ライン圧の設定に
基づいて車重を保つのに充分な中間圧となっており、従
来のようなフェイルバルブやオペレートチェックバルブ
は不要である。
【0041】そして、このように長時間駐車時や異常発
生時に油圧シリンダ1の油圧を中間圧に保持できるか
ら、エンジンの再始動時において、ハイプレッシャポン
プ4aが駆動を開始しても、大気圧から立ち上げるよう
な急激な姿勢変化が生じることがなく、従来のフロー制
御バルブは不要である。
【0042】以上説明してきたように、第1実施例の能
動型サスペンションは、以下に列挙する効果が得られ
る。
【0043】 本実施例では、各ポンプ4a,5aを
常時駆動させるのではなく、高圧ライン4あるいは低圧
ライン5の油圧が所定以下に低下した時のみ吐出駆動さ
せるようにしているため、その消費エネルギは、図5に
示しているように、油圧シリンダ1の作動頻度に比例す
ることになり、消費エネルギが大きく低下して、燃費が
向上するし、各ポンプ4a,5aの寿命も長くなる。し
かも、従来のポンプに相当するハイプレッシャポンプ4
aは、大気圧から加圧するのではなしに所定圧から加圧
するから、これによっても消費エネルギが低下する。ち
なみに、従来は、ポンプ容量(流量Q)を、油圧シリン
ダ1の最大作動頻度を保証できる容量(Qmax )に設定
していて、消費エネルギは、油圧シリンダ1の作動頻度
に関係なく常時最大となっている。
【0044】 に記載したように各ポンプ4a,5
aが常時駆動しないため、オイルが従来のようにリリー
フ弁をリークすることがないとともに、オイルの流量が
大幅に減少し、これによって発熱量が大幅に低下する。
しかも、オイルは、高圧ライン4から各圧力制御ユニッ
ト2,3あるいは油圧シリンダ1を経て低圧ライン5へ
至る長い経路を循環するため、放熱量が大きい。以上に
より、オイルクーラを不要としたり、あるいは、オイル
クーラの容量を小さくできる。
【0045】ちなみに、従来は、図5に示すように、車
両走行の約80%を占める、駐停車時や良路走行時で
は、リリーフ弁から大量にリークしていて、油圧エネル
ギを発熱エネルギとして消費しており、容量の大きなオ
イルクーラが必要である。
【0046】 各ポンプ4a,5aの容量が不足して
も、油圧シリンダ1の油圧は、両ライン4,5の中間圧
よりも低下することがないため、従来のように車高が低
下したり姿勢変化の抑制が全くできなくなることがな
い。また、長時間駐車した時や、異常発生時のように両
ポンプ4a,5aおよび両圧力制御ユニット2,3の作
動を停止させた時にも、同様に、油圧シリンダ1の油圧
が両ライン4,5の中間圧に保持されて大気圧まで低下
することがなく、車高が低下するのを防止できる。そし
て、以上の作用が、従来のように、高価なフェイルバル
ブやオペレートチェックバルブを用いることなく得られ
る。すなわち、安価な構成で、上述の車高低下,姿勢変
化抑制作用が得られる。
【0047】加えて、ロープレッシャポンプ5aは、リ
ークの補充用であるから容量が小さなものでよいが、ハ
イプレッシャポンプ4aについても、本実施例装置は上
述のように容量不足による不具合が生じ難いから、容量
を小さくして重量およびコストの低減を図ることが可能
である。
【0048】 上記のように、長時間駐車時には、
油圧シリンダ1が、両ライン4,5の中間圧に保持され
るため、エンジンを再始動して、両ポンプ4a,5aが
駆動可能になるとともに、両圧力制御ユニット2,3に
より油圧シリンダ1の油圧制御が開始された時には、油
圧シリンダ1の油圧は、中間圧から変化するから、変化
量が少なく、急激な車体姿勢変化は生じない。したがっ
て、フロー制御バルブが不要で、コストダウンを図るこ
とができる。
【0049】次に、他の実施例について説明するが、こ
れら実施例を説明するにあたり、第1実施例と同じ構成
や作用・効果については説明を省略し、その相違点のみ
を説明する。なお、これら他の実施例を説明する図にお
いて、第1実施例と同じ符号は同じ構成を示している。
【0050】図6および図7は、本発明第2実施例の能
動型サスペンションを示す油圧システム図であって、こ
の第2実施例は、常時エンジンから駆動力が入力される
容量可変構造のハイプレッシャポンプ24aとロープレ
ッシャポンプ25aとを用いた例である。すなわち、各
ポンプ24a,25aは、それぞれ、高圧ライン4の油
圧を受けて作動するピストンを有した高圧側圧力センサ
(高圧フィードバック手段)26、あるいは、同様に低
圧ライン5の油圧を受けて作動するピストンを有した低
圧側圧力センサ(低圧フィードバック手段)27の各ピ
ストンに連動して吐出駆動が制御されるよう構成されて
いて、前記ハイプレッシャポンプ24aの場合、図7に
示すように、高圧側圧力センサ26の検出油圧が高圧側
設定圧PH0未満で、最大流量の吐出駆動を行い、高圧側
設定圧PH0から上限油圧PH1の間で、高圧ほど流量が低
下するように油圧に反比例して吐出駆動を行い、上限油
圧PH1よりも高圧で、流量0の吐出駆動停止状態とな
る。また、前記ロープレッシャポンプ25aの場合も同
様に、低圧側圧力センサ27の検出油圧が下限油圧PL0
未満で、最大流量の吐出駆動を行い、下限油圧PL0から
低圧側設定圧PL1の間で、高圧ほど流量が低下するよう
に油圧に反比例して吐出駆動を行い、低圧側設定圧PL1
よりも高圧で流量0の吐出駆動停止状態となる。
【0051】ちなみに、この第2実施例は、請求項1で
述べている第1の所定圧=第2の所定圧=上限油圧PH1
=高圧目標圧域PTHとして高圧目標圧域PTHが圧力幅を
有しないこととし、また、請求項2で述べている第3の
所定圧=第4の所定圧=低圧側設定圧PL1=低圧目標圧
域PTLとして低圧目標圧域PTLが圧力幅を有しないこと
とした例に相当する。
【0052】図8および図9は、本発明第3実施例の能
動型サスペンションを示すシステム図であって、この実
施例は、アンロード機能付き構造のハイプレッシャポン
プ34aおよびロープレッシャポンプ35aを用いた例
である。すなわち、各ポンプ34a,35aの吐出側に
は、フィードバック手段としてのアンロードバルブ3
6,37が設けられている。これらアンロードバルブ3
6,37は、それぞれ、各ライン4,5の油圧を受圧
し、この油圧に応じて各ポンプ34a,35aの吐出側
と吸入側とを連通させたり遮断させたりする構造となっ
ており、これによって各ポンプ34a,35aは、図9
に示すように、第1実施例と同様の駆動を行う。ちなみ
に、本実施例において吐出量0の状態は、各ポンプ34
a,35aが駆動していても吸入側と吐出側の液圧差が
ない状態となっており、この状態では各ポンプ34a,
35aの負荷がなく、消費エネルギは極めて小さい。
【0053】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の能動型サスペンションでは、制御弁の排出流体を
貯留する低圧貯留手段を設け、ポンプが低圧貯留手段の
作動流体を吸引して高圧貯留機構に吐出するようにした
ため、以下に列挙する効果が得られる。
【0055】 ポンプは、低圧貯留手段の作動流体を
吸引して高圧貯留機構へ吐出することから、大気圧から
加圧するのに比べて加圧幅が小さくなり、従来技術より
も消費エネルギを低下させて、燃費を向上させたり、ポ
ンプの耐久性を向上させたりすることができる。
【0056】 長時間駐車時や異常発生時などにおい
てポンプや制御弁の作動を停止させた場合、流体アクチ
ュエータの流体を低圧貯留手段内に留め、流体アクチュ
エータの流体圧を高圧貯留機構と低圧貯留機構との中間
圧(例えば、車重を保持できる圧力)に保持でき、高価
なフェイルバルブやオペレートチェックバルブを用いる
ことなく、安価に車高低下防止および姿勢変化抑制を図
ることができる。
【0057】 ポンプの容量が不足しても、流体アク
チュエータに連通している系内部に流体を保持してこの
系内の流体圧が大きく低下することがなく、容量不足に
よる不具合が生じ難いから、ポンプの容量を小さくして
重量およびコストの低減を図ることが可能である。加え
て、長時間駐車時には、流体アクチュエータが両貯留機
構の中間圧に保持されることから、高価なフロー制御バ
ルブを用いることなく、エンジン再始動時の急激な車体
姿勢変化を防止でき、これによってもコストダウンを図
ることができる。
【0058】さらに、請求項2記載の能動型サスペンシ
ョンにあっては、高圧貯留機構の流体圧を流体アクチュ
エータの必要上限圧よりも高圧の高圧目標域に制御する
高圧フィードバック手段を設けたため、高圧貯留機構の
制御上必要な流体圧よりも低下すれば直ちに低圧貯留機
構から作動流体が供給されて容量不足が生じ難い。
【0059】加えて、請求項3記載の能動型サスペンシ
ョンにあっては、低圧貯留機構に作動流体を吐出する低
圧側ポンプを設け、かつ、低圧貯留機構の流体圧を低圧
目標圧域に制御する低圧フィードバック手段を設けた構
成としたため、流体アクチュエータなどから流体漏れが
あっても、作動流体を随時必要な量だけ的確に補給する
ことができる。また、低圧ポンプは、車両オフライン時
や車両修理時に各貯留機構や流体アクチュエータに作動
流体を供給する時に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の能動型サスペンションを示すクレーム
対応図である。
【図2】第1実施例の能動型サスペンションを示す油圧
システム図である。
【図3】第1実施例の各ポンプのフィードバック駆動特
性を示す特性図である。
【図4】第1実施例の作動例を示す説明図である。
【図5】第1実施例における油圧シリンダの作動頻度に
対応したポンプの必要流量や消費パワーなどを示す作動
頻度特性図である。
【図6】第2実施例の能動型サスペンションを示す油圧
システム図である。
【図7】第2実施例の各ポンプのフィードバック駆動特
性を示す特性図である。
【図8】第3実施例の能動型サスペンションを示す油圧
システム図である。
【図9】第3実施例の各ポンプのフィードバック駆動特
性を示す特性図である。
【符号の説明】
a 流体アクチュエータ b ポンプ c 高圧貯留手段 d チェックバルブ e 高圧貯留機構 f 制御弁 g 姿勢制御手段 h 低圧貯留手段 j チェックバルブ k 低圧貯留機構 n 高圧フィードバック手段 p 低圧側ポンプ r 低圧フィードバック手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と各車輪との間にそれぞれ介装され
    て、両者の間隔を変更可能な流体アクチュエータと、 ポンプから前記流体アクチュエータへ供給する吐出作動
    流体を高圧で貯留する高圧貯留手段およびこの高圧貯留
    手段からポンプへの逆流を防止するチェックバルブを有
    した高圧貯留機構と、 この高圧貯留機構と流体アクチュエータとの間に介在さ
    れて、各流体アクチュエータへの作動流体供給量および
    各流体アクチュエータ側からの作動流体排出量を個別に
    制御する制御弁と、 この制御弁の作動を車体の姿勢変化に関する入力に基づ
    いて制御する姿勢制御手段と、 前記ポンプの吸入側および制御弁の排出側に接続され、
    前記流体アクチュエータの必要最小圧よりも低圧の所定
    圧で流体を貯留する低圧貯留手段と、を備えていること
    を特徴とする能動型サスペンション。
  2. 【請求項2】 前記高圧貯留機構の流体圧を、流体アク
    チュエータの必要最大圧よりも高圧の高圧目標圧域に制
    御すべく、前記高圧貯留機構の流体圧を検出し、この検
    出圧力が高圧目標圧域の下限圧である第1の所定圧未満
    で前記ポンプを吐出駆動させる一方、前記検出圧力が高
    圧目標圧域の上限圧である第2の所定圧を越えるとポン
    プの吐出駆動を停止させる高圧フィードバック手段を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の能動型サスペンシ
    ョン。
  3. 【請求項3】 前記低圧貯留手段に向けて作動流体を吐
    出する低圧側ポンプが設けられ、 前記低圧貯留手段から低圧側ポンプへの逆流を防止すべ
    く両者の間に介在されたチェックバルブと、前記低圧貯
    留手段とで低圧貯留機構が構成され、 前記低圧貯留機構の流体圧を、流体アクチュエータの必
    要下限圧よりも低圧の低圧目標圧域に制御すべく、前記
    低圧貯留機構の流体圧を検出し、この検出圧力が低圧目
    標圧域の下限圧である第3の所定圧未満で前記低圧側ポ
    ンプを吐出駆動させる一方、前記検出圧力が低圧目標圧
    域の上限圧である第4の所定圧を越えると低圧側ポンプ
    の吐出駆動を停止させる低圧フィードバック手段が設け
    られていることを特徴とする請求項1または2記載の能
    動型サスペンション。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190652A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Jtekt Corp 転がり軸受装置
JP2015105016A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 アイシン精機株式会社 車高調整装置

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JP2008190652A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Jtekt Corp 転がり軸受装置
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