JPH06277287A - 医療用チューブ - Google Patents

医療用チューブ

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JPH06277287A
JPH06277287A JP7196093A JP7196093A JPH06277287A JP H06277287 A JPH06277287 A JP H06277287A JP 7196093 A JP7196093 A JP 7196093A JP 7196093 A JP7196093 A JP 7196093A JP H06277287 A JPH06277287 A JP H06277287A
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JP7196093A
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Tadashi Kozai
正 香西
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の気管内チューブ1は、可撓性を有す
るチューブ本体2と、その長手方向に沿って形成された
メインルーメン3と、これと平行に設けられたインフレ
ーションルーメン5と、チューブ本体2の先端22付近
に、チューブ本体2の外周面を囲むように設けられ、イ
ンフレーションルーメン5と側孔11を介して連通する
拡張・収縮可能なカフ6とを有する。メインルーメン3
の外周のチューブ本体2内には、金属細線を埋め込まれ
た樹脂で構成された螺旋状の補強部材4が、チューブ本
体2の全長に渡って埋設されている。 【効果】 優れたキンク防止機能を有し、長尺物の切断
によるチューブ本体の連続的な成形を可能とすることで
製造の手間およびコストを低減し、しかも最適な形状、
寸法を容易に得ることができ、また安全性が極めて高
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、拡張体を有する医療用
チューブ、特に、手術時の全身麻酔や手術後の人工呼吸
管理、さらには長期呼吸管理等に使用される気管内チュ
ーブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、気管内チューブを始めとする
拡張・収縮可能な拡張体を備えた医療用チューブが使用
されている。
【0003】図4に示すように、気管内チューブ40
は、患者42の気管43に挿入され、シリンジ等を用い
て空気をパイロットバルーン44の後部にある逆止弁4
1を介して圧入することにより、先端部のカフ45が拡
張させられて気管43内に気管を密封するように固定さ
れ、その基端に装着されたコネクタ46、蛇管47を経
て、図示しない麻酔器もしくは人工呼吸器等に接続して
使用される。
【0004】このような気管内チューブは、患者42の
気管43への挿入時に、折れ曲がり(キンク)を生じ、
チューブに形成されたメインルーメンやカフ膨張用く空
気を送るためのインフレーションルーメンを閉塞するこ
とがあるという問題がある。特に、脳や耳鼻科関連の手
術を行う場合、患者をうつぶせ等の特種な体位とするこ
とが多く、そのため、前記気管内チューブのキンクが生
じ易い。
【0005】そこで、補強効果を得るために、チューブ
内に、螺旋状に形成された金属製(ステンレス鋼)の線
材を埋設した医療用チューブが開発されている(特公平
60−15339号公報)。
【0006】しかしながら、このような医療用チューブ
には、以下のような欠点がある。
【0007】[1] チューブの先端を所定の形状に成
形(先端加工)するため、およびチューブの基端にコネ
クタを装着可能とするために、チューブの両端部には、
それぞれ金属線材を有しない部分を形成する必要があ
る。その方法は、例えば金属線材が埋設されていない短
チューブ等の別部材を用意し、これを接合することによ
り行うか、あるいはチューブの製造工程で芯となる内側
のチューブに金属線材を巻き付ける際に、部分的に線材
を巻き付けないようにすることにより行う。しかし、こ
れらの方法では、製造に多大な労力がかかり、また、チ
ューブを1本づつ製造しなければならないので、生産性
が低く、コスト高を招いていた。
【0008】[2] チューブの使用時に、チューブを
症例に応じた長さに調整するためにチューブの基端部を
切断することがあるが、上記[1]で述べたように、チ
ューブの基端部にコネクタの装着に必要な長さの金属線
材が存在しない部分があるため、このような基端部の切
断によるチューブの長さ調整ができないか、または切断
が可能であったとしてもその長さに大幅な制約を受け
る。
【0009】[3] 気管内チューブの場合、その使用
状態を考慮して、外力を付加しないとき(自然状態)に
チューブが湾曲した状態となるように成形されるが、金
属線材を埋設したチューブでは、チューブの自然状態の
形状は、金属線材の弾性に左右されるので、特にチュー
ブがシリコーンのような柔軟性に富んだ材料で構成され
ている場合は、このような曲がりぐせを付け難い。
【0010】[4] チューブ自体は、通常、軟質ポリ
塩化ビニル、シリコーンゴム等の軟質樹脂またはエラス
トマーで構成されているが、これらと埋設された金属線
材との密着性が悪く、金属線材が剥離することがある。
【0011】[5] 万一、歯等でチューブの外表面を
損傷した場合、埋設された金属線材が露出し、人体組織
を傷付けるおそれがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、キン
ク防止機能を有するチューブにおいて、チューブ本体を
連続的に成形することを可能とし、製造の手間およびコ
ストを低減することができるとともに、最適な形状、寸
法を容易に得ることができ、また、より安全性の高い医
療用チューブを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の本発明により達成される。また、下記(2)〜
(5)であるのが好ましい。
【0014】(1) 可撓性を有するチューブ本体と、
前記チューブ本体の長手方向に沿って形成されたメイン
ルーメンと、前記メインルーメンの外周の前記チューブ
本体内に、チューブ本体の全長に渡って埋設され、樹脂
を被覆した金属細線からなり、曲げ剛性が150gf以
上であり、かつ前記チューブ本体の肉厚方向の径が1.
0mm以下である補強部材と、前記チューブ本体の先端部
付近に、チューブ本体の外周面を囲むように設けられた
拡張・収縮可能な拡張体と、前記チューブ本体に設けら
れ、一端部が前記拡張体の内部と連通するインフレーシ
ョンルーメンとを有する医療用チューブ。
【0015】(2) 前記補強部材は曲げ剛性が200
gf以上であり、かつ前記チューブ本体の肉厚方向の径
が0.8mm以下である上記(1)に記載の医療用チュー
ブ。 (3)前記金属細線の径が、0.1〜0.3mmである上
記(1)または(2)に記載の医療用チューブ。
【0016】(4) 前記金属細線は、ステンレス、
鉄、チタン合金、ニッケル合金、コバルト合金の群から
選ばれてなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の医
療用チューブ。
【0017】(5) 前記金属細線は、ステンレス、鉄
のいずれかである上記(1)〜(4)のいずれかに記載
の医療用チューブ。
【0018】
【発明の構成】以下、本発明の医療用チューブを添付図
面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の医療用チューブを気管内
チューブに適用した場合の構成例を示す斜視図、図2
は、図1に示す気管内チューブの拡大縦断面図である。
【0020】これらの図に示すように、気管内チューブ
1は、可撓性を有するチューブ本体2と、その長手方向
に沿って形成されたメインルーメン3と、このメインル
ーメン3と平行に設けられ、チューブ本体2の少なくと
も先端部付近まで延長されたインフレーションルーメン
5と、チューブ本体2の先端部付近に、チューブ本体2
の外周面を囲むように設けられ、インフレーションルー
メン5の一端が内部と連通する拡張・収縮可能な拡張体
であるカフ6と、インフレーション用チューブ8を介し
てインフレーションルーメン5の他端と連通し、カフ6
が拡張しているかどうかを確認するためのパイロットバ
ルーン9とを有している。
【0021】チューブ本体2は、後述する材料で構成さ
れており、麻酔ガス、酸素ガス等を導入するための基端
21から先端22まで貫通したメインルーメン3を有し
ている。
【0022】チューブ本体2の先端22は、先端加工が
施され、図2に示すように、体内への挿入を容易なもの
とするために、なめらかなベベル状に形成されている。
また、チューブ本体2の基端21には、呼吸回路に接続
するためのコネクタ12が取り付けられている。
【0023】チューブ本体2の構成材料としては、気管
内チューブのチューブ本体としての機能を満足するもの
であればいかなるものでもよく、例えば、軟質ポリ塩化
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタ
ン、シリコーンゴム、ポリアミドエラストマー、軟質フ
ッ素樹脂等の軟質樹脂やエラストマーが挙げられる。
【0024】チューブ本体2を形成する管壁には、図2
に示すように、メインルーメン3より細いインフレーシ
ョンルーメン5が、チューブ本体2の長手方向に沿って
設けられている。このインフレーションルーメン5は、
後述するカフ6内にカフ拡張用の気体を送り込むための
ルーメンであり、カフ6内のチューブ本体2の管壁の外
面に形成された側孔(連通孔)11を介して、カフ6の
内部空間と連通している。そして、このインフレーショ
ンルーメン5は、図2に示すように先端22の近傍にお
いて閉塞されている。
【0025】また、インフレーションルーメン5は、図
1に示すように、基端21付近の位置において、チュー
ブ本体2の管壁外面に形成された切欠部7を介して、可
撓性を有するインフレーション用チューブ8と連通して
いる。
【0026】インフレーション用チューブ8とインフレ
ーションルーメン5との接続は、例えば、予め加熱した
マンドレルをインフレーションルーメン5内に挿入し、
このマンドレルの抜去と同時にインフレーション用チュ
ーブ8をインフレーションルーメン5内に挿入し、溶剤
または接着剤を用いて固着する方法などにより行なわれ
る。
【0027】チューブ本体2の先端部付近には、その外
周面を環状に囲むようにして、拡張・収縮可能なカフ6
が設けられている。
【0028】このカフ6は、予め筒状に成形された膜を
側孔11を覆うようにしてチューブ本体2の外周にかぶ
せ、その両端をチューブ本体2の外周面に対し、接着
剤、溶剤により接着するか、または熱、高周波等により
融着することにより、気密的に固着して取り付けられて
いる。
【0029】また、インフレーション用チューブ8の後
端部には、カフ6の拡張・収縮の程度を認識するための
拡張・収縮可能なパイロットバルーン9が、チューブ8
内と連通するように設置されている。
【0030】さらに、パイロットバルーン9の後端側に
は、パイロットバルーン9内への気体の流入は許容する
が、膨張したパイロットバルーン9からの気体の流出は
阻止する機能を有する逆止弁10が設置されている。こ
の逆止弁10にシリンジ等を接続して空気のような気体
を圧入すると、その気体は、パイロットバルーン9内、
インフレーション用チューブ8内、インフレーションル
ーメン5および側孔11を介してカフ6内に送り込ま
れ、カフ6が拡張(膨張)する。
【0031】インフレーション用チューブ8の構成材料
としては、前記チューブ本体2と同様のものを用いるこ
とができる。
【0032】また、パイロットバルーン9の膜の構成材
料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン
等、またはこれらのうちの任意を混合したものが挙げら
れる。
【0033】さて、本発明の気管内チューブ1では、メ
インルーメン3の外周のチューブ本体2内に、後述する
材料で構成された螺旋状の補強部材4が、チューブ本体
2の全長に渡って埋設されている。これにより、チュー
ブ本体2の折れ曲がり(キンク)に対する強度が増し、
キンクによるメインルーメン3やインフレーションルー
メン5の閉塞が防止される。
【0034】図3は補強部材4の断面図である。補強部
材4は樹脂層14と、樹脂層14で被覆された金属細線
13とから構成されている。樹脂層14を構成する樹脂
としては、中心部の金属細線13とともに十分な補強効
果が得られる程度の剛性を有する樹脂であればいかなる
ものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の
ようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンの
ようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボ
ネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタク
リレート(PMMA)、ポリアセタール(PA)、ポリ
アリレート、ポリオキシメチレン(POM)、高張力ポ
リビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVdF)、エチレン−酢酸ビニルケン化物(EV
OH)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニ
レンスルフィド、液晶ポリアリレート、液晶ポリエステ
ルカーボネート、液晶ポリアゾメチン、液晶ポリエステ
ルアミドのような液晶ポリマー単体、またはこれらを含
むポリマーアロイが挙げられる。これらのうちでも、特
に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ
アセタール、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、
ポリアミドが、毒性がなく、成形加工が容易で、安価で
あるという点で好ましい。
【0035】また、補強部材4の好適な樹脂は、チュー
ブ本体2自体の構成材料との関係で選択してもよい。す
なわち、後述する先端加工等を考慮すれば、補強部材4
の構成材料は、チューブ本体2自体の構成材料と相溶性
または接着性のあるものが好ましい。このような構成材
料の組み合わせの具体例を下記表1に示す。
【0036】
【表1】このように、相溶性または接着性のある材料の
組み合わせとすれば、補強部材4の剥離がより確実に防
止され、特に、先端加工により形成された先端22付近
においては、チューブ本体2と補強部材4とが互いに相
溶し、一体となる。
【0037】なお、補強部材4の構成材料中には、例え
ば、硬化剤、軟化剤のような強度(剛性、硬度)を調整
するための添加剤、結合剤、安定剤、着色剤等の種々の
添加剤を配合することができる。
【0038】補強部材4は埋め込まれる金属細線13と
しては、ステンレス、鉄、チタン合金、ニッケル合金、
コバルト合金が挙げられるが、特に、加工性やコストの
点でステンレス、鉄が好ましい。また、金属細線の径と
しては、0.1〜0.3mmが好ましく、0.1未満で強
度向上への寄与がなくなり、また、0.3mmを強度は増
すが、切断することが容易にできなくなるために好まし
くなくなる。
【0039】補強部材4の断面形状は、図示のような円
形に限らず、例えば、楕円形、半円形、半楕円形、三角
形、四角形のような多角形、まゆ形等いかなるものでも
よい。また、例えば楕円形、半円形、半楕円形、長方
形、まゆ形のようなチューブ本体2の長手方向に扁平な
形状(以下、扁平形状という)とすれば、チューブ本体
2の管壁の厚さをより薄くすることができ好ましい。
【0040】補強部材4の断面形状が円形(その他の形
状)の場合、その直径(チューブの肉厚方向の径)は、
0.5〜0.8mm程度、特に0.5〜0.6mm程度とす
るのが好ましい。中心部に金属細線が入っているために
補強部材自体を細くすることが可能となり、したがっ
て、チューブ本体の肉厚自体も薄くすることが可能とな
る。
【0041】補強部材4の曲げ剛性は150gf以上、
特に200gf以上とするのが好ましい。曲げ剛性は1
50gf未満では、チューブ本体を屈曲させた時にメイ
ンルーメンの閉塞が起こる虞れがある。また、曲げ剛性
の上限については特に制限はないが、400gfを越え
ると剛性が強すぎ、操作性が低下するので、好ましくな
い。
【0042】補強部材4の形成ピッチは、1.0〜1
5.0mm程度、特に1.5〜5.0mm程度とするのが好
ましい。この形成ピッチが15.0mmを超えると、用い
る材料によっては補強効果が不十分となり、1.0mm未
満になると、チューブ本体の曲げ性が悪くなる。
【0043】このようなチューブ本体2の製造方法とし
ては、例えば、芯となる内側のチューブの外表面に補強
部材4を螺旋状に巻き付け、さらにこの上に、塗布また
はディッピングにより液状の樹脂を付着させ、これを硬
化させて外側の被覆層(チューブ)を形成する。なお、
内側のチューブの外表面に補強部材4を巻き付けた後、
これに外側のチューブを被せ、両チューブを接着または
融着してもよい。
【0044】また、インフレーションルーメン5は、外
側のチューブを形成する際に、細い芯材を用いて形成
し、その後、先端22付近等の必要部分を加熱によりま
たは充填材を充填して閉塞する。
【0045】このようなチューブ本体2は、1本づつ別
個に製造してもよいが、長尺の連続するチューブ本体を
好ましくは連続的に製造し、これを所定の長さに切断し
て複数のチューブ本体2を得るようにするのが好まし
い。これにより、生産性が大幅に向上し、大幅なコスト
ダウンが図れる。
【0046】このような製造方法から、チューブ本体2
の途中のみならず、チューブ本体2の切断部近傍、すな
わち基端21および先端22においても補強部材4が埋
設されていることとなる。
【0047】なお、チューブ本体の切断は、埋設されて
いる補強部材4が金属単独ではなく容易に切断可能な細
さの金属細線と樹脂で構成されているために、容易に行
うことができ、また切断端面の性状も良好となる。ま
た、気管内チューブでは、使用時にチューブ本体2の基
端21側を所定長さ切断除去して、チューブ本体2を症
例に応じた長さに調整することがあるが、この場合でも
カッター等で容易に切断することができ、また切断する
長さに制限を受けることもなる。
【0048】チューブ本体2の先端22においては、加
熱下での金型成形による先端加工が施されるが、補強部
材4は、上述したような金属細線と樹脂層で構成されて
いるため、先端加工に際し、先端22付近に埋設された
樹脂層もチューブ本体2自体の構成材料と共に熱変形ま
たは溶融し、場合によってはチューブ本体2自体の構成
材料と融合して、所望の金型形状に成形される。なお、
図2では、先端22付近において、補強部材4は、その
原形をとどめた状態で示されているが、実際には、先端
加工により変形、溶融またはチューブ本体2自体の構成
材料と融合した状態となっていることがあり、また、切
断面に存在した金属細線の切断面も溶融した樹脂層で覆
われるために露出することはなくなる。
【0049】また、チューブ本体2の基端21において
は、メインルーメン3内にコネクタ12が嵌入される
が、補強部材4は、上述したような金属細線13と樹脂
層14で構成されているため、加熱により容易に変形
し、メインルーメン3の内径が拡大するので、コネクタ
12が嵌入を容易かつ確実に行うことができる。
【0050】また、チューブ本体2に曲がりぐせを付け
る場合においても、補強部材4は、金属細線及び樹脂層
に曲がりぐせをつけながら加熱することにより容易に変
形するため、チューブ本体2自体の構成材料にかかわら
ず、容易に所望の湾曲形状に成形することができる。
【0051】本発明において、補強部材は、螺旋状のも
のに限定されない。
【0052】以上、本発明の医療用チューブを気管内チ
ューブについて説明したが、本発明はこれに限定され
ず、例えばバルーンカテーテルのような拡張体を有する
医療用チューブであればいかなるものでもよい。
【0053】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0054】(実施例1)直径8mmのステンレス製芯棒
に、巻き径8.6mm、ピッチ2.0mm、線径0.6mmの
ポリエステル(三井石油J−001)製(金属細線とし
て直径0.2mmのステンレス製の針金を用いる)線状補
強部材(曲げ剛性200gf)を螺旋状に巻き付け、こ
れを、軟質ポリ塩化ビニルのペーストレジン溶液(ペー
ストレジン100重量部に対し、可塑剤であるDOPを
70重量部、安定剤であるエポキシ化大豆油を5重量部
配合)に浸漬し、次いで120℃、10分間で硬化させ
た。
【0055】次に、硬化した軟質ポリ塩化ビニルの表面
に、直径0.5mmの針金を載せ、これを前記軟質ポリ塩
化ビニルのペーストレジン溶液に数回浸漬し、次いで1
70℃、30分間で硬化させた。
【0056】前記針金を引き抜いてインフレーションル
ーメンとし、前記ステンレス製芯棒を取り外して図2に
示す構造のチューブ本体とした。このチューブ本体のサ
イズは、外径12.0mm、内径8.0mm(壁部肉厚2.
0mm)、全長400mmであり、その全長に渡って補強部
材が埋設されていた。
【0057】チューブ本体の先端を軸方向に対して斜め
に切断した後、この部分を200℃に加熱された金型内
に挿入して加熱成形による先端加工を施した。この先端
付近の補強部材は、チューブ本体の構成材料であるポリ
塩化ビニルとともに溶融していており、先端縁部は丸み
を帯びた形状(アール形状)となり、金属細線の切断面
を覆い隠していた。なお、この先端加工により、インフ
レーションルーメンの先端側の内腔は閉塞した。
【0058】インフレーションルーメンの基端側に充填
材を充填して閉塞し、これにより得られたインフレーシ
ョンルーメンの先端部付近にカフとの連通孔を設け、基
端部にインフレーション用チューブの取り付け孔(切欠
部)を作製した。この取り付け孔に、基端部に逆止弁を
備え、途中にポリ塩化ビニル製のパイロットバルーンを
有する軟質ポリ塩化ビニル製のインフレーション用チュ
ーブを挿入し、接着剤により気密的に固着した。
【0059】一方、チューブ本体の基端を加熱して軟化
させ、コネクタを嵌入した。
【0060】さらに、金型に加熱加圧成形によりポリ塩
化ビニル製のカフ(膜厚0.2mm)を作製し、このカフ
を前記チューブ本体の先端付近に連通孔を覆うようにか
ぶせ、カフの両端を熱融着してチューブ本体に気密的に
固着し、本発明の気管内チューブを得た。
【0061】(実施例2)実施例1と同様の方法で、外
径11.5mm、内径8.0mm、全長約1mの長尺なチュ
ーブ本体を製造し、これをカッターにより切断して、全
長400mmのチューブ本体を2本得た。各チューブ本体
に対し、実施例1と同様にして先端加工、インフレーシ
ョンルーメンの加工、インフレーション用チューブの装
着、コネクタおよびカフの装着を行い、本発明の気管内
チューブを得た。
【0062】(実施例3)補強部材の構成材料として金
属細線に直径0.3mmの鉄線を用い、樹脂層としてを硬
質ポリ塩化ビニルとした以外は、実施例2と同様にして
気管内チューブを製造した。
【0063】(実施例4)補強部材の樹脂材料をポリエ
チレンテレフタレートとした以外は、実施例3と同様に
して気管内チューブを製造した。
【0064】(比較例1)金属細線がない以外は実施例
1と同様に気管内チューブを作成した。 上記実施例1
〜4、比較例1の各気管内チューブに対し、180°の
屈曲を与え、またチューブの径方向に圧迫を加えたが、
いずれも、メインルーメンおよびインフレーションルー
メン(補強部材の内腔)の閉塞は全く生じなかった。し
かし、比較例1においてはキンクを生じ、メインルーメ
ンが閉塞してしまった。
【0065】この結果から、金属細線が入っている補強
部材の方が、樹脂だけの物に較べて充分強度が維持しな
がら細くすることができ、気管内チューブが同じ外形で
ある場合、内径を大きくとることが可能となる。
【0066】また、特に実施例2においては、チューブ
本体の切断を容易に行うことができ、切断面では、金属
細線の膨張率と樹脂層の膨張率の違いにより、金属細線
が樹脂層ないに埋没し、金属細線の切断が露出すること
がなかった。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の医療用チュ
ーブによれば、湾曲、ねじれ、圧迫等に対する優れた折
れ曲がり(キンク)防止機能を発揮し、メインルーメン
やインフレーションルーメンの閉塞を防止できる。
【0068】また、チューブ本体を製造するにあたり、
長尺のチューブ本体を切断、分割してチューブ本体を得
ることができるので、連続的な製造が可能となり、生産
性が向上し、製造の手間およびコストを大幅に低減する
ことができる。
【0069】さらに、例えば医療用チューブの使用時
に、チューブを症例に応じた長さに調整するために基端
部を切断することが容易に可能であり、しかもその切断
長さを自由に選択することができる。
【0070】また、埋設された補強部材の金属細線が細
くさらに樹脂層で覆われているために、、従来の金属製
補強部材のように、特に先端や基端において補強部材が
チューブ本体から剥離したりチューブ本体の外表面に突
出したりすることがなく、安全性が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】気管内チューブの構成例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す気管内チューブの拡大縦断面図であ
る。
【図3】補強部材の断面図である。
【図4】気管内チューブの使用状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 気管内チューブ 2 チューブ本体 21 基端 22 先端 3 メインルーメン 4 補強部材 5 インフレーションルーメン 6 カフ 7 切欠部 8 インフレーション用チューブ 9 パイロットバルーン 10 逆止弁 11 側孔 12 コネクタ 30 チューブ本体 31 補強部材 32 内腔 33 側孔 35 補強部材 36 リング 37 連結棒 40 気管内チューブ 41 逆止弁 42 患者 43 気管 44 パイロットバルーン 45 カフ 46 コネクタ 47 蛇管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有するチューブ本体と、 前記チューブ本体の長手方向に沿って形成されたメイン
    ルーメンと、 前記メインルーメンの外周の前記チューブ本体内に、チ
    ューブ本体の全長に渡って埋設され、樹脂を被覆した金
    属細線からなり、曲げ剛性が150gf以上であり、か
    つ前記チューブ本体の肉厚方向の径が1.0mm以下であ
    る補強部材と、 前記チューブ本体の先端部付近に、チューブ本体の外周
    面を囲むように設けられた拡張・収縮可能な拡張体と、 前記チューブ本体に設けられ、一端部が前記拡張体の内
    部と連通するインフレーションルーメンとを有すること
    を特徴とする医療用チューブ。
JP7196093A 1993-03-30 1993-03-30 医療用チューブ Pending JPH06277287A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160024097A (ko) * 2014-08-24 2016-03-04 신상우 기도삽관 튜브
KR20160024096A (ko) * 2014-08-24 2016-03-04 신상우 기도삽관 튜브

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160024097A (ko) * 2014-08-24 2016-03-04 신상우 기도삽관 튜브
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