JPH06277055A - グルコシダーゼの保存法 - Google Patents
グルコシダーゼの保存法Info
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- JPH06277055A JPH06277055A JP5089497A JP8949793A JPH06277055A JP H06277055 A JPH06277055 A JP H06277055A JP 5089497 A JP5089497 A JP 5089497A JP 8949793 A JP8949793 A JP 8949793A JP H06277055 A JPH06277055 A JP H06277055A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】グルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ及び/又
はβ−グルコシダーゼ)を液状化した状態で長期間安定
に保存する。 【構成】グルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ及び/又
はβ−グルコシダーゼ)の含有溶液にトリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン若しくはその塩及び/又はイミ
ダゾール類化合物若しくはその塩を含有させる。
はβ−グルコシダーゼ)を液状化した状態で長期間安定
に保存する。 【構成】グルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ及び/又
はβ−グルコシダーゼ)の含有溶液にトリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン若しくはその塩及び/又はイミ
ダゾール類化合物若しくはその塩を含有させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルコシダーゼ、すな
わちα−グルコシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼ
の長期保存法に関する。
わちα−グルコシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼ
の長期保存法に関する。
【0002】
【従来の技術】グルコシダーゼは、α−アミラーゼの活
性測定用試薬のキットに、凍結乾燥製品、あるいは溶液
製品として組み込まれているが、後者ものが、現在では
主に使用されている。血清又は尿等の生体体液中に含ま
れているα−アミラーゼの活性測定は、臨床診断や生化
学的研究における重要な基礎データを提供するもであ
り、広く実施されている。そのためにグルコシダーゼは
需要が多い重要な酵素である。ところで、グルコシダー
ゼは、液状化した状態では不安定な酵素であるために、
溶液状態で長期間保存が出来ないという欠点をもってい
る。この解決策として、酵素溶液の酵素濃度を高くする
等の手段が講じられてきたが、グルコシダーゼは安価な
酵素でないことから、α−アミラーゼの活性測定用試薬
のキットの製造コストが高くなるという問題が生じてい
た。
性測定用試薬のキットに、凍結乾燥製品、あるいは溶液
製品として組み込まれているが、後者ものが、現在では
主に使用されている。血清又は尿等の生体体液中に含ま
れているα−アミラーゼの活性測定は、臨床診断や生化
学的研究における重要な基礎データを提供するもであ
り、広く実施されている。そのためにグルコシダーゼは
需要が多い重要な酵素である。ところで、グルコシダー
ゼは、液状化した状態では不安定な酵素であるために、
溶液状態で長期間保存が出来ないという欠点をもってい
る。この解決策として、酵素溶液の酵素濃度を高くする
等の手段が講じられてきたが、グルコシダーゼは安価な
酵素でないことから、α−アミラーゼの活性測定用試薬
のキットの製造コストが高くなるという問題が生じてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決し、グルコシダーゼの含有溶液において、
該酵素を安定に長期間保存する方法を提供することを目
的としてなされたものである。
問題点を解決し、グルコシダーゼの含有溶液において、
該酵素を安定に長期間保存する方法を提供することを目
的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討した結果、グルコシダーゼの
含有溶液に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
(以下トリスと略称する)若しくはその塩及び/又はイ
ミダゾール類化合物若しくはその塩を安定化剤として添
加することにより、その目的を達成しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
を達成するために鋭意検討した結果、グルコシダーゼの
含有溶液に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
(以下トリスと略称する)若しくはその塩及び/又はイ
ミダゾール類化合物若しくはその塩を安定化剤として添
加することにより、その目的を達成しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、グルコシダーゼの含
有溶液にトリス若しくはその塩及び/又はイミダゾール
類化合物若しくはその塩を添加することを特徴とするグ
ルコシダーゼの長期保存法である。
有溶液にトリス若しくはその塩及び/又はイミダゾール
類化合物若しくはその塩を添加することを特徴とするグ
ルコシダーゼの長期保存法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、グルコシダーゼとは、α−グルコシダーゼ(E
C3.2.1.20)及びβ−グルコシダーゼ(EC
3.3.2.21)を意味し、そして、これらは単独又
は両者混合して用いられる。グルコシダーゼの起源は、
動物、植物或いは微生物等、いずれであってもよく、特
に制限されない。α−グルコシダーゼとしては、例えば
酵母(例えばSaccharomyces carls
bergensis)等を起源とするもの、β−グルコ
シダーゼとしては、例えばアーモンド等を起源とするも
のが挙げられる。
おいて、グルコシダーゼとは、α−グルコシダーゼ(E
C3.2.1.20)及びβ−グルコシダーゼ(EC
3.3.2.21)を意味し、そして、これらは単独又
は両者混合して用いられる。グルコシダーゼの起源は、
動物、植物或いは微生物等、いずれであってもよく、特
に制限されない。α−グルコシダーゼとしては、例えば
酵母(例えばSaccharomyces carls
bergensis)等を起源とするもの、β−グルコ
シダーゼとしては、例えばアーモンド等を起源とするも
のが挙げられる。
【0007】本発明において、トリス、イミダゾール類
化合物は安定化剤として用いられるが、イミダゾール類
化合物としては、例えばイミダゾール、2−(−ナフチ
ルメチル)−1−イミダゾール、4−フェニルイミダゾ
ール、ベンジルイミダゾール、4,4−ジミチルイミダ
ゾリン等が好適なものとして挙げられる。トリス及びイ
ミダゾール類化合物は、その塩としても用いられるが、
この塩を形成する物質として、例えば、塩酸、硫酸、リ
ン酸等の無機酸類、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、コハク
酸等の有機酸類、アスパラギン酸等のアミノ酸類等が挙
げられる。そして、これらの化合物は、高純度、例えば
試薬級のものを使用するのが好ましい。
化合物は安定化剤として用いられるが、イミダゾール類
化合物としては、例えばイミダゾール、2−(−ナフチ
ルメチル)−1−イミダゾール、4−フェニルイミダゾ
ール、ベンジルイミダゾール、4,4−ジミチルイミダ
ゾリン等が好適なものとして挙げられる。トリス及びイ
ミダゾール類化合物は、その塩としても用いられるが、
この塩を形成する物質として、例えば、塩酸、硫酸、リ
ン酸等の無機酸類、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、コハク
酸等の有機酸類、アスパラギン酸等のアミノ酸類等が挙
げられる。そして、これらの化合物は、高純度、例えば
試薬級のものを使用するのが好ましい。
【0008】グルコシダーゼの含有溶液にトリス若しく
はその塩、イミダゾール類化合物若しくはその塩は各々
単独又は組合せて添加する。その添加濃度は、特に制限
されないが、好ましくは0.001〜20mM、より好
ましくは0.01〜10mMである。その濃度が0.0
01mM未満の場合は、グルコシダーゼの安定性が低下
し、又、20mMを超える場合は、α−アミラーゼの活
性測定時におけるグルコシダーゼ活性の阻害がみられる
ようになるので好ましくない。
はその塩、イミダゾール類化合物若しくはその塩は各々
単独又は組合せて添加する。その添加濃度は、特に制限
されないが、好ましくは0.001〜20mM、より好
ましくは0.01〜10mMである。その濃度が0.0
01mM未満の場合は、グルコシダーゼの安定性が低下
し、又、20mMを超える場合は、α−アミラーゼの活
性測定時におけるグルコシダーゼ活性の阻害がみられる
ようになるので好ましくない。
【0009】グルコシダーゼの含有溶液にトリス若しく
はその塩及び/又はイミダゾール類化合物若しくはその
塩を添加する場合は、グルコシダーゼの含有溶液に直接
添加するか、又はそれらの水溶液、若しくはpH5〜
9、好ましくは6〜8に調節したそれらの水溶液として
添加すればよい。もしそれを添加することによりpHが
5〜9、好ましくは6〜8の範囲からはずれるときは、
例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類、リンゴ酸、ク
エン酸、酢酸、コハク酸等の有機酸類等の添加でpHが
この範囲内におさまるように調節するのが好適である。
はその塩及び/又はイミダゾール類化合物若しくはその
塩を添加する場合は、グルコシダーゼの含有溶液に直接
添加するか、又はそれらの水溶液、若しくはpH5〜
9、好ましくは6〜8に調節したそれらの水溶液として
添加すればよい。もしそれを添加することによりpHが
5〜9、好ましくは6〜8の範囲からはずれるときは、
例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類、リンゴ酸、ク
エン酸、酢酸、コハク酸等の有機酸類等の添加でpHが
この範囲内におさまるように調節するのが好適である。
【0010】グルコシダーゼの含有溶液における該酵素
の濃度は特に制限されないが、例えば、α−グルコシダ
ーゼでは10〜200単位/ml、好ましくは50〜1
00単位/mlであり、β−グルコシダーゼでは3〜5
0単位/ml、好ましくは5〜20単位/mlである。
この酵素の含有溶液にはグルコアミラーゼ(EC.3.
2.1.3)を、30単位〜200単位/ml、好まし
くは50単位〜150単位/mlの濃度で含有させるこ
ともできる。
の濃度は特に制限されないが、例えば、α−グルコシダ
ーゼでは10〜200単位/ml、好ましくは50〜1
00単位/mlであり、β−グルコシダーゼでは3〜5
0単位/ml、好ましくは5〜20単位/mlである。
この酵素の含有溶液にはグルコアミラーゼ(EC.3.
2.1.3)を、30単位〜200単位/ml、好まし
くは50単位〜150単位/mlの濃度で含有させるこ
ともできる。
【0011】また、上記グルコシダーゼの含有溶液に
は、本発明の目的達成に適する緩衝剤を含有させてもよ
く、その緩衝剤としては、pH6〜9、好ましくは6.
6〜7.6に強い緩衝作用をもつものから選択されるの
が好ましい。具体例としてはリン酸塩、グットバッファ
ー、β−グリセロリン酸塩、酢酸塩等である。その使用
濃度は5〜200mM、好ましくは30〜70mMであ
る。
は、本発明の目的達成に適する緩衝剤を含有させてもよ
く、その緩衝剤としては、pH6〜9、好ましくは6.
6〜7.6に強い緩衝作用をもつものから選択されるの
が好ましい。具体例としてはリン酸塩、グットバッファ
ー、β−グリセロリン酸塩、酢酸塩等である。その使用
濃度は5〜200mM、好ましくは30〜70mMであ
る。
【0011】さらに、抗生物質、サルファ剤等の化学療
法剤、キレート剤(エチレンジアミン四酢酸塩等)、ボ
バインセーラムアルブミン(bovine serum
albumin:BSA)、α−アミラーゼ活性促進
剤(カルシウム塩、NaCl等)等を含有させてもよ
い。
法剤、キレート剤(エチレンジアミン四酢酸塩等)、ボ
バインセーラムアルブミン(bovine serum
albumin:BSA)、α−アミラーゼ活性促進
剤(カルシウム塩、NaCl等)等を含有させてもよ
い。
【0013】
【発明の効果】本発明の方法は、グルコシダーゼを液状
化した状態で、約0〜20℃において少なくとも6ケ月
間は安定に保存することができ、しかも、保存したグル
コシダーゼの含有溶液は直接にα−アミラーゼの活性測
定に利用できる。このときのグルコシダーゼは、少なく
とも95%の残存活性をもっている。
化した状態で、約0〜20℃において少なくとも6ケ月
間は安定に保存することができ、しかも、保存したグル
コシダーゼの含有溶液は直接にα−アミラーゼの活性測
定に利用できる。このときのグルコシダーゼは、少なく
とも95%の残存活性をもっている。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明方法においては、グルコシダーゼの残
存活性測定は以下のように行った。 α−グルコシダーゼの残存活性:0.5Mのグリシン−
NaOH緩衝液(pH8.0)、5mMのp−ニトロフ
ェニル−α−D−グルコシド及びグルコシダーゼの保存
した含有溶液を含む全容2mlを37℃で15分間反応
させた。反応開始から2分間の、反応溶液の405nm
における吸光度の変化を測定した。この操作を5回繰り
返し、平均の吸光度変化量を計算した。但し、保存した
該酵素溶液の残存活性は1日保存した該酵素溶液におけ
る吸光度変化量を100%としたときの相対量(%)と
して表わした。なお、対照溶液(トリス若しくはその塩
及び/又はイミダゾール類化合物若しくはその塩を含有
させないもの)についても同様な操作を行って残存活性
を測定した。 β−グルコシダーゼの残存活性:p−ニトロフェニル−
α−D−グルコシドの代りにp−ニトロフェニル−β−
D−グルコシドを用いる以外は上記方法と同様である。
る。なお、本発明方法においては、グルコシダーゼの残
存活性測定は以下のように行った。 α−グルコシダーゼの残存活性:0.5Mのグリシン−
NaOH緩衝液(pH8.0)、5mMのp−ニトロフ
ェニル−α−D−グルコシド及びグルコシダーゼの保存
した含有溶液を含む全容2mlを37℃で15分間反応
させた。反応開始から2分間の、反応溶液の405nm
における吸光度の変化を測定した。この操作を5回繰り
返し、平均の吸光度変化量を計算した。但し、保存した
該酵素溶液の残存活性は1日保存した該酵素溶液におけ
る吸光度変化量を100%としたときの相対量(%)と
して表わした。なお、対照溶液(トリス若しくはその塩
及び/又はイミダゾール類化合物若しくはその塩を含有
させないもの)についても同様な操作を行って残存活性
を測定した。 β−グルコシダーゼの残存活性:p−ニトロフェニル−
α−D−グルコシドの代りにp−ニトロフェニル−β−
D−グルコシドを用いる以外は上記方法と同様である。
【0015】実施例1 フィルター殺菌した蒸留水700mlを、オートクレー
ブ殺菌したガラス容器に取り、緩衝液を調製した。すな
わち、β−グリセロリン酸10.8g(50mol)を
加えて溶解し、5Nの苛性ソーダでpHを7.0に調節
した。この緩衝液に次の成分〜を加え、溶解した。
ブ殺菌したガラス容器に取り、緩衝液を調製した。すな
わち、β−グリセロリン酸10.8g(50mol)を
加えて溶解し、5Nの苛性ソーダでpHを7.0に調節
した。この緩衝液に次の成分〜を加え、溶解した。
【0016】トリス121mg(1mmol)及びイ
ミダゾール68.1mg(1mmol)(但し、上記緩
衝液に溶解後、リン酸でpH7.6に調節した) α−グルコシダーゼ〔酵母Saccharomyce
s carlsbergensisからS.Chiba
(Agric. Biol. Chem.、26巻、7
87〜793ページ、1962年)の方法により精製し
た酵素、比活性:110単位/mg蛋白質)〕1600
00単位 β−グルコシダーゼ(アーモンド由来、ベーリンガー
社製、20単位/mg蛋白質)16000単位 NaCl2.9g(50mmol) CaCl2110g(1mmol) NaN3650mg(10mmol)
ミダゾール68.1mg(1mmol)(但し、上記緩
衝液に溶解後、リン酸でpH7.6に調節した) α−グルコシダーゼ〔酵母Saccharomyce
s carlsbergensisからS.Chiba
(Agric. Biol. Chem.、26巻、7
87〜793ページ、1962年)の方法により精製し
た酵素、比活性:110単位/mg蛋白質)〕1600
00単位 β−グルコシダーゼ(アーモンド由来、ベーリンガー
社製、20単位/mg蛋白質)16000単位 NaCl2.9g(50mmol) CaCl2110g(1mmol) NaN3650mg(10mmol)
【0017】次いで、殺菌した蒸留水で上記溶液を1l
にし、更にこの溶液を0.45μmのフィルターで濾過
殺菌した。この溶液をオートクレーブ殺菌した500m
l容量のガラス容器に330ml宛分注して、トリス1
mM、イミダゾール1mMを含有するグルコシダーゼの
含有溶液を調製した。またトリス及びイミダゾールを添
加しないこと以外は上記と同様にして 、対照のグルコ
シダーゼの含有溶液を調製した。本発明方法によるグル
コシダーゼの含有溶液と対照の溶液を20℃、1〜18
0日間の保存試験を行ってグルコシダーゼの残存活性を
求めた。その結果を表1に示す。
にし、更にこの溶液を0.45μmのフィルターで濾過
殺菌した。この溶液をオートクレーブ殺菌した500m
l容量のガラス容器に330ml宛分注して、トリス1
mM、イミダゾール1mMを含有するグルコシダーゼの
含有溶液を調製した。またトリス及びイミダゾールを添
加しないこと以外は上記と同様にして 、対照のグルコ
シダーゼの含有溶液を調製した。本発明方法によるグル
コシダーゼの含有溶液と対照の溶液を20℃、1〜18
0日間の保存試験を行ってグルコシダーゼの残存活性を
求めた。その結果を表1に示す。
【0018】 表1 ───────────────────────────────── 保存期間(日) 本発明溶液の残存活性(%) 対照溶液の残存活性(%) α β α β ───────────────────────────────── 1 100 100 100 100 5 100 100 100 90 20 100 100 90 85 30 99 99 80 80 180 96 97 70 60 ───────────────────────────────── 但し、α:α−グルコシダーゼ、β:β−グルコシダーゼ
【0019】上記のように、トリスが1mM、イミダゾ
ールが1mMとなるように添加したグルコシダーゼの含
有溶液は、20℃、180日間保存しても、その残存活
性は各々95%以上で、長期間安定に保存できる。それ
に対してトリス及びイミダゾール無添加の対照溶液は、
20日間の保存でさえ、その残存活性が90%以下と低
下し、短期間の保存もできないことが分る。なお、20
℃、180日間保存した本発明のグルコシダーゼの含有
溶液は、勿論直接にα−アミラーゼの活性測定に使用で
きた。
ールが1mMとなるように添加したグルコシダーゼの含
有溶液は、20℃、180日間保存しても、その残存活
性は各々95%以上で、長期間安定に保存できる。それ
に対してトリス及びイミダゾール無添加の対照溶液は、
20日間の保存でさえ、その残存活性が90%以下と低
下し、短期間の保存もできないことが分る。なお、20
℃、180日間保存した本発明のグルコシダーゼの含有
溶液は、勿論直接にα−アミラーゼの活性測定に使用で
きた。
【0020】実施例2 フィルター殺菌した蒸留水700mlを、オートクレー
ブで殺菌したガラス容器に取り、50mMのリン酸緩衝
液を調製した。すなわちリン酸一カリ塩6.8gを蒸留
水に加えて溶解し、5Nの苛性ソーダでpHを6.8に
調節した。この緩衝液に次の成分〜を加え、溶解し
た。 イミダゾール68.1mg(1mmol)(但し、上
記緩衝液に溶解後、さらにリン酸でpH6.8に調節し
た) β−グルコシダーゼ(実施例1と同じ)15000単
位 グルコアミラーゼ〔Rhizopus delema
rからT.Takahashi(J.Bioche
m.、84巻、1183〜1194ページ、1978
年)の方法により精製した酵素、比活性:50単位/m
g蛋白質〕140000単位 NaCl2.9g(50mmol) CaCl2110mg(1mmol) NaN3650mg(10mmol)
ブで殺菌したガラス容器に取り、50mMのリン酸緩衝
液を調製した。すなわちリン酸一カリ塩6.8gを蒸留
水に加えて溶解し、5Nの苛性ソーダでpHを6.8に
調節した。この緩衝液に次の成分〜を加え、溶解し
た。 イミダゾール68.1mg(1mmol)(但し、上
記緩衝液に溶解後、さらにリン酸でpH6.8に調節し
た) β−グルコシダーゼ(実施例1と同じ)15000単
位 グルコアミラーゼ〔Rhizopus delema
rからT.Takahashi(J.Bioche
m.、84巻、1183〜1194ページ、1978
年)の方法により精製した酵素、比活性:50単位/m
g蛋白質〕140000単位 NaCl2.9g(50mmol) CaCl2110mg(1mmol) NaN3650mg(10mmol)
【0021】次いで、殺菌した蒸留水で上記溶液を1l
にし、更にこの溶液を0.45μmのフィルターで濾過
殺菌した。この溶液をオートクレーブ殺菌した500m
l容量のガラス容器に333ml宛分注して、イミダゾ
ール1mMを含有するβ−グルコシダーゼの含有溶液を
調製した。またイミダゾールを添加しないこと以外は上
記と同様にして 、対照のβ−グルコシダーゼの含有溶
液を調製した。本発明の方法と対照のβ−グルコシダー
ゼの含有溶液を20℃で、1〜180日間の保存試験を
行って、β−グルコシダーゼの残存活性を求めた。その
結果を表2に示す。
にし、更にこの溶液を0.45μmのフィルターで濾過
殺菌した。この溶液をオートクレーブ殺菌した500m
l容量のガラス容器に333ml宛分注して、イミダゾ
ール1mMを含有するβ−グルコシダーゼの含有溶液を
調製した。またイミダゾールを添加しないこと以外は上
記と同様にして 、対照のβ−グルコシダーゼの含有溶
液を調製した。本発明の方法と対照のβ−グルコシダー
ゼの含有溶液を20℃で、1〜180日間の保存試験を
行って、β−グルコシダーゼの残存活性を求めた。その
結果を表2に示す。
【0022】 表2 ────────────────────────────────── 保存期間(日) 本発明溶液の残存活性(%) 対照溶液の残存活性(%) ───────────────────────────────── 1 100 100 5 100 100 20 100 95 30 100 80 180 96 65 ──────────────────────────────────
【0023】上記のようにイミダゾールが1mMとなる
ように添加した本発明方法のβ−グルコシダーゼの含有
溶液は、180日間保存してもその残存活性は95%以
上と安定に保存できる。それに対してイミダゾール無添
加の対照溶液は、30日間の保存でさえ、その残存活性
が80%と著しく低下し、その保存期間が極めて短いこ
とが分る.なお、20℃、180日間保存した本発明の
β−グルコシダーゼの含有溶液は、勿論直接にα−アミ
ラーゼの活性測定に使用できた。
ように添加した本発明方法のβ−グルコシダーゼの含有
溶液は、180日間保存してもその残存活性は95%以
上と安定に保存できる。それに対してイミダゾール無添
加の対照溶液は、30日間の保存でさえ、その残存活性
が80%と著しく低下し、その保存期間が極めて短いこ
とが分る.なお、20℃、180日間保存した本発明の
β−グルコシダーゼの含有溶液は、勿論直接にα−アミ
ラーゼの活性測定に使用できた。
Claims (1)
- 【請求項1】 グルコシダーゼの含有溶液にトリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン若しくはその塩及び/又
はイミダゾール類化合物若しくはその塩を添加すること
を特徴とするグルコシダーゼの長期保存法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5089497A JPH06277055A (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | グルコシダーゼの保存法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5089497A JPH06277055A (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | グルコシダーゼの保存法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06277055A true JPH06277055A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=13972405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5089497A Pending JPH06277055A (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | グルコシダーゼの保存法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06277055A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7611701B2 (en) | 1997-06-04 | 2009-11-03 | Basf Aktiengesellschaft | Preparation of phytase-containing granulates for use in animal feed |
-
1993
- 1993-03-25 JP JP5089497A patent/JPH06277055A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7611701B2 (en) | 1997-06-04 | 2009-11-03 | Basf Aktiengesellschaft | Preparation of phytase-containing granulates for use in animal feed |
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