JPH06276684A

JPH06276684A - 自動電圧・無効電力制御装置

Info

Publication number: JPH06276684A
Application number: JP5055573A
Authority: JP
Inventors: Tamotsu Minagawa; 保皆川; Yoshinori Ichikawa; 嘉則市川; Koichi Washimi; 浩一鷲見; Shinji Hayashi; 真司林
Original assignee: Toshiba Corp; Tohoku Electric Power Co Inc
Current assignee: Toshiba Corp; Tohoku Electric Power Co Inc
Priority date: 1993-03-16
Filing date: 1993-03-16
Publication date: 1994-09-30

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、変圧器のタップ制御に対する外乱の
影響を回避し、予測機能を高めて変圧器タップ制御の精
度を向上することを最も主要な目的とする。【構成】本発明は、予測モデルの入力データである有効
電力、電圧、無効電力の各時系列データを平滑化して出
力するデータ平滑化手段と、予測モデルのモデルパラメ
ータを入力し、予測モデルの残差による収束性を判定し
て残差がある値を超えたか、またはモデルパラメータか
ら安定判別手段により不安定と判定された場合に、予測
中止信号を出力するモデル安定判定手段と、予測モデル
の出力である電圧予測値・無効電力予測値の変化幅があ
る値を超えた場合に、予測中止信号を出力する予測値変
化幅判定手段と、予測中止信号が入力されると、予測モ
デルの出力である電圧予測値・無効電力予測値の、電圧
・無効電力制御手段に対する入力を阻止する予測値入力
阻止手段とを備えたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、発電機が変圧器を介し
て接続された電力系統の電圧および無効電力を、変圧器
に設けられたタップ切替器（以下、ＬＴＣと称する）の
タップを切替えることにより目標範囲内に制御する自動
電圧・無効電力制御装置に係り、特に変圧器のタップ制
御に対する外乱の影響を回避すると共に、予測機能を高
めて変圧器タップ制御の精度を向上するようにした自動
電圧・無効電力制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の電圧・無効電力制御装置は、電力
系統の変圧器に設けられたＬＴＣに駆動指令を与え、当
該変圧器のタップを調整することにより、変圧器二次側
の電圧や無効電力を所望の範囲に制御するものである。

【０００３】また、最近では、電力系統の時系列データ
に基づいて、近い将来の電圧と無効電力を予測する電圧
・無効電力予測機能を備えた電圧・無効電力制御装置が
提案されてきている。図３は、この種の従来の電圧・無
効電力制御装置の構成例を示すブロック図である。図３
において、電圧・無効電力制御装置は、電圧・無効電力
予測部１と、電圧・無効電力制御部２とから構成されて
いる。

【０００４】電圧・無効電力予測部１では、図示しない
発電機が変圧器を介して接続された電力系統の有効電力
の時系列データと電圧の時系列データと無効電力の時系
列データを入力し、この各時系列データに基づいて予測
モデルにより演算を行ない、近い将来の電圧の予測値と
無効電力の予測値を出力する。

【０００５】また、電圧・無効電力制御部２では、電力
系統の電圧の測定値および無効電力の測定値、または電
圧・無効電力予測部１からの電圧予測値および無効電力
予測値に基づいて制御演算を行ない、変圧器タップ上げ
／下げ指令を出力する。

【０００６】すなわち、この電圧・無効電力制御部２で
は、あらかじめ設定された範囲から電圧および無効電力
がある時間以上逸脱するか、またはあらかじめ設定され
た範囲から電圧予測値および無効電力予測値がある時間
以上逸脱すると、変圧器のＬＴＣタップ上げ、あるいは
タップ下げの指令が出力され、変圧器の二次側の電圧、
無効電力が常に目標範囲内に存在するように制御演算が
行なわれる。なお、電圧および無効電力の測定値または
予測値が設定範囲内に収まる場合には、タップの切り替
えを行なわない図４は、上記の構成例を示すブロック図
である。

【０００７】図４において、電圧・無効電力予測部１
は、電圧モデル同定部３と、無効電力モデル同定部４
と、有効電力予測部５と、電圧予測部６と、無効電力予
測部７とから構成されている。電圧モデル同定部３で
は、有効電力と電圧の時系列データを入力とし、電圧を
出力とする

【０００８】

【数１】

【０００９】のＡＲＭＡ（auto-regressive moving-ave
rage）モデルのパラメータａｉ，ｂｉを最小２乗法によ
り算出し、そのモデルパラメータおよび有効電力と電圧
の時系列データを電圧予測部６に出力する。ただし、Ｖ
（ｋ−ｉ）は電圧のサンプルデータ、Ｐ（ｋ−ｊ）は有
効電力のサンプルデータ、ｎｖはＡＲモデル次数、ｍｖ
はＭＡモデル次数である。また、無効電力モデル同定部
４では、有効電力と無効電力の時系列データを入力と
し、無効電力を出力する

【００１０】

【数２】

【００１１】のＡＲＭＡモデルのパラメータＣｉ，ｄｊ
を最小２乗法により算出し、そのモデルパラメータおよ
び有効電力と無効電力の時系列データを無効電力予測部
７に出力する。ただし、Ｑ（ｋ−ｉ）は無効電力のサン
プルデータ、Ｐ（ｋ−ｊ）は有効電力のサンプルデー
タ、ｎｑはＡＲモデル次数、ｍｑはＭＡモデル次数であ
る。さらに、有効電力予測部５では、有効電力の時系列
データから有効電力を時間ｔの関数、例えば

【００１２】

【数３】で近似して将来の有効電力を予測し、その予測値を電圧
予測部６および無効電力予測部７に出力する。ただし、
Ｐ₀，Ｐ₁，Ｐ₂はパラメータであり、例えば最小２乗
法で決定する。

【００１３】一方、電圧予測部６では、電圧モデル同定
部３からの出力である電圧モデルのパラメータ、および
有効電力と電圧の時系列データと、有効電力予測部５か
らの出力である有効電力予測値を入力し、近い将来の電
圧の予測値を算出する。

【００１４】また、無効電力予測部７では、無効電力モ
デル同定部４からの出力である無効電力モデルのパラメ
ータ、および有効電力と無効電力の時系列データと、有
効電力予測部５からの出力である有効電力予測値を入力
し、近い将来の無効電力の予測値を算出する。しかしな
がら、このような電圧・無効電力制御装置では、次のよ
うな問題がある。

【００１５】図５は、従来の電圧・無効電力制御装置で
の電圧および無効電力の予測方法の結果の一例を示す図
である。図５において、実線は実際値、破線は予測値を
それぞれ示している。

【００１６】すなわち、電力系統の無効電力、電圧の値
は、変圧器のタップ切替等の外乱によって急激に変化す
る。よって、前述のように、有効電力、無効電力、電圧
の値の急激な変化を予測のためのデータとして使用した
場合には、予測モデルが収束せず、不安定な予測モデル
となる。

【００１７】また、予測モデルの入力データである有効
電力、電圧、無効電力が雑音を多く含んでいる場合に
は、予測結果が実データと大きくずれて図示のように誤
差がでることがある。よって、これらによる電圧、無効
電力の予測結果を利用して、変圧器のタップ制御を行な
った場合には、制御不具合が発生する恐れがある。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
電圧・無効電力制御装置においては、電力系統の過去の
時系列データの雑音、あるいは変圧器のタップ切替等の
外乱により、安定した変圧器のタップ制御を行なえない
という問題があった。

【００１９】本発明の目的は、変圧器のタップ制御に対
する外乱の影響を回避すると共に、予測機能を高めて変
圧器タップ制御の精度を向上することが可能な極めて信
頼性の高い自動電圧・無効電力制御装置を提供すること
にある。

【００２０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、発電機が変圧器を介して接続された電力系統の有
効電力、電圧、無効電力の各時系列データに基づいて予
測モデルにより演算を行ない、近い将来の電圧の予測値
および無効電力の予測値を出力する電圧・無効電力予測
手段と、電力系統の電圧の測定値および無効電力の測定
値、または電圧・無効電力予測手段からの電圧予測値お
よび無効電力予測値に基づいて制御演算を行ない、変圧
器タップ上げ／下げ指令を出力する電圧・無効電力制御
手段とから構成され、電圧・無効電力制御手段からの変
圧器タップ上げ／下げ指令によって変圧器に設けられた
タップ切替器のタップを切替えることにより、電力系統
の電圧および無効電力を目標範囲内に制御する自動電圧
・無効電力制御装置において、

【００２１】まず、請求項１に記載の発明では、電圧・
無効電力予測手段の前段に設けられ、予測モデルの入力
データである有効電力、電圧、無効電力の各時系列デー
タを平滑化し、有効電力、電圧、無効電力の平滑データ
を出力するデータ平滑化手段と、予測モデルのモデルパ
ラメータを入力し、当該予測モデルの残差による収束性
を判定して残差がある値を超えた場合、またはモデルパ
ラメータから安定判別手段により不安定と判定された場
合に、予測中止信号を出力するモデル安定判定手段と、
予測モデルの出力である電圧予測値および無効電力予測
値を入力し、当該電圧予測値、無効電力予測値の変化幅
がある値を超えた場合に、予測中止信号を出力する予測
値変化幅判定手段と、モデル安定判定手段または予測値
変化幅判定手段からの予測中止信号が入力されると、予
測モデルの出力である電圧予測値および無効電力予測値
の、電圧・無効電力制御手段に対する入力を阻止する予
測値入力阻止手段とを備えて構成している。

【００２２】また、請求項２に記載の発明では、電圧・
無効電力予測手段の前段に設けられ、予測モデルの入力
データである有効電力、電圧、無効電力の各時系列デー
タを平滑化し、有効電力、電圧、無効電力の平滑データ
を出力するデータ平滑化手段を備えて構成している。

【００２３】さらに、請求項３に記載の発明では、予測
モデルのモデルパラメータを入力し、当該予測モデルの
残差による収束性を判定して残差がある値を超えた場
合、またはモデルパラメータから安定判別手段により不
安定と判定された場合に、予測中止信号を出力するモデ
ル安定判定手段と、モデル安定判定手段からの予測中止
信号が入力されると、予測モデルの出力である電圧予測
値および無効電力予測値の、電圧・無効電力制御手段に
対する入力を阻止する予測値入力阻止手段とを備えて構
成している。

【００２４】さらにまた、請求項４に記載の発明では、
予測モデルの出力である電圧予測値および無効電力予測
値を入力し、当該電圧予測値、無効電力予測値の変化幅
がある値を超えた場合に、予測中止信号を出力する予測
値変化幅判定手段と、予測値変化幅判定手段からの予測
中止信号が入力されると、予測モデルの出力である電圧
予測値および無効電力予測値の、電圧・無効電力制御手
段に対する入力を阻止する予測値入力阻止手段とを備え
て構成している。

【００２５】

【作用】従って、本発明の自動電圧・無効電力制御装置
においては、電力系統の電圧と無効電力に外乱が混入し
ているかを予測モデルの残差、または予測値の変化幅で
判定し、外乱が混入している場合には、電圧・無効電力
予測手段を除外することにより、変圧器のタップ制御に
対する外乱の影響を回避することができる。

【００２６】また、電圧・無効電力予測手段の予測モデ
ルの入力データを平滑化することにより、予測機能が高
まり、もって変圧器タップ制御の精度を向上することが
できる。以上により、電力系統の過去の時系列データの
雑音、あるいは変圧器のタップ切替等の外乱のある場合
の変圧器タップ制御の不安定を防止することができる。

【００２７】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。図１は、本発明による自動電圧・
無効電力制御装置の構成例を示すブロック図であり、図
３と同一部分には同一符号を付して示している。

【００２８】すなわち、本実施例の自動電圧・無効電力
制御装置は、図１に示すように、データ平滑化手段であ
る３個のフィルタ１１と、電圧モデル・無効電力モデル
同定部／有効電力予測部１２と、電圧・無効電力予測部
１３と、モデル安定判定部１４と、予測値変化幅判定部
１５と、予測値入力阻止手段である予測開閉部１６と、
電圧・無効電力制御部２とから構成している。なお、上
記電圧モデル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部
１２と、電圧・無効電力予測部１３とにより、電圧・無
効電力予測手段を構成している。

【００２９】ここで、３個のフィルタ１１は、図示しな
い発電機が変圧器を介して接続された電力系統の有効電
力、電圧、無効電力の時系列データをそれぞれ各別に平
滑化し、有効電力、電圧、無効電力の各平滑データを出
力するものである。

【００３０】また、電圧モデル・無効電力モデル同定部
／有効電力予測部１２は、フィルタ１１からの有効電
力、電圧、無効電力の各平滑データを入力し、所定の演
算を行なって、無効電力および電圧のモデルパラメータ
と有効電力予測値を出力するものである。

【００３１】さらに、電圧・無効電力予測部１３は、電
圧モデル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部１２
からのモデルパラメータと有効電力予測値を入力し、予
測モデルにより所定の演算を行なって、電圧および無効
電力の予測値を出力するものである。

【００３２】一方、モデル安定判定部１４は、電圧モデ
ル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部１２からの
モデルパラメータと電圧および無効電力の各平滑データ
を入力し、当該予測モデルの残差による収束性を判定し
て残差がある値（雑音レベル等で決まる）を超えた場
合、またはモデルパラメータから安定判別手段（例え
ば、Ｊｕｌｙの安定判別）により不安定と判定された場
合に、予測中止信号を出力する（ＯＮする）ものであ
る。

【００３３】また、予測値変化幅判定部１５は、電圧・
無効電力予測部１３からの出力である電圧および無効電
力の予測値を入力し、当該電圧予測値、無効電力予測値
の変化幅がある値を超えた場合に、予測中止信号を出力
する（ＯＮする）ものである。

【００３４】さらに、予測開閉部１６は、モデル安定判
定部１４または予測値変化幅判定部１５からの予測中止
信号が入力される（ＯＮする）と開動作して、電圧・無
効電力予測部１３からの出力である電圧予測値、無効電
力予測値の、電圧・無効電力制御部２に対する入力を阻
止するものである。

【００３５】さらにまた、電圧・無効電力制御部２は、
電力系統の電圧の測定値および無効電力の測定値、また
は予測開閉部１６からの電圧予測値および無効電力予測
値に基づいて、電力系統の電圧および無効電力が常に目
標範囲内に存在するように制御演算を行ない、変圧器タ
ップ上げ／下げ指令を出力するものである。次に、以上
のように構成した本実施例の自動電圧・無効電力制御装
置の動作について説明する。

【００３６】図１において、フィルタ１１では、雑音の
混入している電力系統の有効電力、電圧、無効電力の時
系列データがそれぞれ平滑化されて、有効電力、電圧、
無効電力の各平滑データが得られる。

【００３７】電圧モデル・無効電力モデル同定部／有効
電力予測部１２では、フィルタ１１からの有効電力、電
圧、無効電力の各平滑データに基づいて所定の演算が行
なわれ、無効電力および電圧のモデルパラメータと有効
電力予測値が出力される。

【００３８】電圧・無効電力予測部１３では、電圧モデ
ル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部１２からの
モデルパラメータと有効電力予測値に基づいて、予測モ
デルにより所定の演算が行なわれ、電圧および無効電力
の予測値が出力される。

【００３９】モデル安定判定部１４では、モデル残差が
ある値よりも小さければ収束していると判定され、予測
中止信号は出力されず（ＯＦＦとし）、モデル残差があ
る値よりも大きければ発散していると判定され、予測中
止信号が出力される（ＯＮとする）か、または安定判別
手段（例えばＪｕｌｙの安定判別）による結果が安定な
らば、予測中止信号は出力されず（ＯＦＦとし）、結果
が不安定ならば、予測中止信号が出力される（ＯＮとす
る）。

【００４０】予測値変化幅判定部１５では、電圧・無効
電力予測部１３による電圧および無効電力の予測値の変
化幅がある値以上の場合は、予測中止信号が出力される
（ＯＮとする）、変化幅がある値よりも小さければ、予
測中止信号は出力されない（ＯＦＦとする）。

【００４１】予測開閉部１６では、通常は、電圧・無効
電力予測部１３からの電圧および無効電力の予測値が電
圧・無効電力制御部２に入力される。また、モデル安定
判定部１４または予測値変化幅判定部１５からの予測中
止信号が入力された時には、開動作して、電圧・無効電
力予測部１３から電圧・無効電力制御部２に対する電圧
予測値、無効電力予測値の入力が阻止される。これによ
り、電圧および無効電力の予測機能が除外される。

【００４２】上述したように、本実施例の自動電圧・無
効電力制御装置は、発電機が変圧器を介して接続された
電力系統の有効電力、電圧、無効電力の時系列データを
それぞれ各別に平滑化し、有効電力、電圧、無効電力の
各平滑データを出力するフィルタ１１と、フィルタ１１
からの有効電力、電圧、無効電力の各平滑データを入力
し、所定の演算を行なって、無効電力および電圧のモデ
ルパラメータと有効電力予測値を出力する電圧モデル・
無効電力モデル同定部／有効電力予測部１２と、電圧モ
デル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部１２から
のモデルパラメータと有効電力予測値を入力し、予測モ
デルにより所定の演算を行なって、電圧および無効電力
の予測値を出力する電圧・無効電力予測部１３と、電圧
モデル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部１２か
らのモデルパラメータと電圧および無効電力の各平滑デ
ータを入力し、当該予測モデルの残差による収束性を判
定して残差がある値を超えた場合、またはモデルパラメ
ータから安定判別手段により不安定と判定された場合
に、予測中止信号を出力するモデル安定判定部１４と、
電圧・無効電力予測部１３からの出力である電圧および
無効電力の予測値を入力し、当該電圧予測値、無効電力
予測値の変化幅がある値を超えた場合に、予測中止信号
を出力する予測値変化幅判定部１５と、モデル安定判定
部１４または予測値変化幅判定部１５からの予測中止信
号が入力される（ＯＮする）と開動作して、電圧・無効
電力予測部１３からの出力である電圧予測値、無効電力
予測値の、電圧・無効電力制御部２に対する入力を阻止
する予測開閉部１６と、電力系統の電圧の測定値および
無効電力の測定値、または予測開閉部１６からの電圧予
測値および無効電力予測値に基づいて、電力系統の電圧
および無効電力が常に目標範囲内に存在するように制御
演算を行ない、変圧器タップ上げ／下げ指令を出力する
電圧・無効電力制御部２とから構成したものである。

【００４３】従って、電力系統の電圧と無効電力を予測
する際に、電力系統の電圧と無効電力に外乱が混入して
いるかを予測モデルの残差、または予測値の変化幅で判
定し、外乱が混入していると判定した場合には、電圧・
無効電力予測機能を除外するようにしているため、変圧
器のタップ制御に対する外乱の影響を回避することが可
能となる。

【００４４】また、電圧モデル・無効電力モデル同定部
／有効電力予測部１２と電圧・無効電力予測部１３から
なる電圧・無効電力予測手段の予測モデルの入力データ
を平滑化しているため、予測機能が高まり、もって変圧
器タップ制御の精度を向上することが可能となる。

【００４５】以上により、電力系統の過去の時系列デー
タの雑音、あるいは変圧器のタップ切替等の外乱のある
場合の変圧器タップ制御の不安定を防止して、安定した
変圧器タップ切替による電圧、無効電力制御を行なうこ
とができ、電圧・無効電力予測機能付の自動電圧・無効
電力制御装置の本来の目的である、タップ切替回数の削
減が可能となる。

【００４６】図２は、本実施例の電圧・無効電力制御装
置での電圧および無効電力の予測方法の結果の一例を示
す図である。図２において、実線は実際値、破線は予測
値をそれぞれ示している。図２に示すように、従来の図
５に示した不安定箇所の改善がなされていることがわか
る。

【００４７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、変
圧器のタップ制御に対する外乱の影響を回避すると共
に、予測機能を高めて変圧器タップ制御の精度を向上す
ることが可能な極めて信頼性の高い自動電圧・無効電力
制御装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動電圧・無効電力制御装置の一
実施例を示すブロック図。

【図２】同実施例における電圧および無効電力の予測結
果の一例を示す図。

【図３】従来の電圧・無効電力制御装置の構成例を示す
ブロック図。

【図４】図３における電圧・無効電力予測部の構成例を
示すブロック図。

【図５】従来における電圧および無効電力の予測結果の
一例を示す図。

【符号の説明】

２…電圧・無効電力制御部、１１…フィルタ、１２…電
圧モデル・無効電力モデル同定部／有効電力予測部、１
３…電圧・無効電力予測部、１４…モデル安定判定部、
１５…予測値変化幅判定部、１６…予測開閉部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者鷲見浩一東京都港区芝浦一丁目１番１号株式会社東芝本社事務所内 (72)発明者林真司東京都府中市東芝町１番地株式会社東芝府中工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】発電機が変圧器を介して接続された電力
系統の有効電力、電圧、無効電力の各時系列データに基
づいて予測モデルにより演算を行ない、近い将来の電圧
の予測値および無効電力の予測値を出力する電圧・無効
電力予測手段と、前記電力系統の電圧の測定値および無
効電力の測定値、または前記電圧・無効電力予測手段か
らの電圧予測値および無効電力予測値に基づいて制御演
算を行ない、変圧器タップ上げ／下げ指令を出力する電
圧・無効電力制御手段とから構成され、前記電圧・無効
電力制御手段からの変圧器タップ上げ／下げ指令によっ
て前記変圧器に設けられたタップ切替器のタップを切替
えることにより、前記電力系統の電圧および無効電力を
目標範囲内に制御する自動電圧・無効電力制御装置にお
いて、前記電圧・無効電力予測手段の前段に設けられ、前記予
測モデルの入力データである有効電力、電圧、無効電力
の各時系列データを平滑化し、有効電力、電圧、無効電
力の平滑データを出力するデータ平滑化手段と、前記予測モデルのモデルパラメータを入力し、当該予測
モデルの残差による収束性を判定して残差がある値を超
えた場合、または前記モデルパラメータから安定判別手
段により不安定と判定された場合に、予測中止信号を出
力するモデル安定判定手段と、前記予測モデルの出力である電圧予測値および無効電力
予測値を入力し、当該電圧予測値、無効電力予測値の変
化幅がある値を超えた場合に、予測中止信号を出力する
予測値変化幅判定手段と、前記モデル安定判定手段または予測値変化幅判定手段か
らの予測中止信号が入力されると、前記予測モデルの出
力である電圧予測値および無効電力予測値の、前記電圧
・無効電力制御手段に対する入力を阻止する予測値入力
阻止手段と、を備えて成ることを特徴とする自動電圧・無効電力制御
装置。
【請求項２】発電機が変圧器を介して接続された電力
系統の有効電力、電圧、無効電力の各時系列データに基
づいて予測モデルにより演算を行ない、近い将来の電圧
の予測値および無効電力の予測値を出力する電圧・無効
電力予測手段と、前記電力系統の電圧の測定値および無
効電力の測定値、または前記電圧・無効電力予測手段か
らの電圧予測値および無効電力予測値に基づいて制御演
算を行ない、変圧器タップ上げ／下げ指令を出力する電
圧・無効電力制御手段とから構成され、前記電圧・無効
電力制御手段からの変圧器タップ上げ／下げ指令によっ
て前記変圧器に設けられたタップ切替器のタップを切替
えることにより、前記電力系統の電圧および無効電力を
目標範囲内に制御する自動電圧・無効電力制御装置にお
いて、前記電圧・無効電力予測手段の前段に設けられ、前記予
測モデルの入力データである有効電力、電圧、無効電力
の各時系列データを平滑化し、有効電力、電圧、無効電
力の平滑データを出力するデータ平滑化手段を備えて成
ることを特徴とする自動電圧・無効電力制御装置。
【請求項３】発電機が変圧器を介して接続された電力
系統の有効電力、電圧、無効電力の各時系列データに基
づいて予測モデルにより演算を行ない、近い将来の電圧
の予測値および無効電力の予測値を出力する電圧・無効
電力予測手段と、前記電力系統の電圧の測定値および無
効電力の測定値、または前記電圧・無効電力予測手段か
らの電圧予測値および無効電力予測値に基づいて制御演
算を行ない、変圧器タップ上げ／下げ指令を出力する電
圧・無効電力制御手段とから構成され、前記電圧・無効
電力制御手段からの変圧器タップ上げ／下げ指令によっ
て前記変圧器に設けられたタップ切替器のタップを切替
えることにより、前記電力系統の電圧および無効電力を
目標範囲内に制御する自動電圧・無効電力制御装置にお
いて、前記予測モデルのモデルパラメータを入力し、当該予測
モデルの残差による収束性を判定して残差がある値を超
えた場合、または前記モデルパラメータから安定判別手
段により不安定と判定された場合に、予測中止信号を出
力するモデル安定判定手段と、前記モデル安定判定手段からの予測中止信号が入力され
ると、前記予測モデルの出力である電圧予測値および無
効電力予測値の、前記電圧・無効電力制御手段に対する
入力を阻止する予測値入力阻止手段と、を備えて成ることを特徴とする自動電圧・無効電力制御
装置。
【請求項４】発電機が変圧器を介して接続された電力
系統の有効電力、電圧、無効電力の各時系列データに基
づいて予測モデルにより演算を行ない、近い将来の電圧
の予測値および無効電力の予測値を出力する電圧・無効
電力予測手段と、前記電力系統の電圧の測定値および無
効電力の測定値、または前記電圧・無効電力予測手段か
らの電圧予測値および無効電力予測値に基づいて制御演
算を行ない、変圧器タップ上げ／下げ指令を出力する電
圧・無効電力制御手段とから構成され、前記電圧・無効
電力制御手段からの変圧器タップ上げ／下げ指令によっ
て前記変圧器に設けられたタップ切替器のタップを切替
えることにより、前記電力系統の電圧および無効電力を
目標範囲内に制御する自動電圧・無効電力制御装置にお
いて、前記予測モデルの出力である電圧予測値および無効電力
予測値を入力し、当該電圧予測値、無効電力予測値の変
化幅がある値を超えた場合に、予測中止信号を出力する
予測値変化幅判定手段と、前記予測値変化幅判定手段からの予測中止信号が入力さ
れると、前記予測モデルの出力である電圧予測値および
無効電力予測値の、前記電圧・無効電力制御手段に対す
る入力を阻止する予測値入力阻止手段と、を備えて成ることを特徴とする自動電圧・無効電力制御
装置。