JPH062752Y2 - 天井埋込型空気清浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、建造物の天井に取付けて室内の空気浄化を
行う天井埋込み型空気清浄機に係り、詳しくは室内空気
を効率よく循環・浄化し得る天井埋込み型天井埋込型空
気清浄機に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種建造物の天井に取付けられる空気清浄機と
しては天井面より下方へ本体が突出される天井吊下げ型
のものと、本体底部が天井面とほぼ同一面に取付けられ
る天井埋込み型のものとがある。この天井吊下げ型の清
浄機６０としては、例えば第４図に示すようにその本体
枠６１が天井１の下面に対し吊下げ状に突出され、その
一側面６２およびこの側面寄り側部に空気の吸入口６３
が設けられるとともに、同本体枠内には順次プリフイル
ター６４、電気集塵装置６５および吸排用ファン６６が
配設されて、本体側面に開設した吹出口６７より浄化さ
れた空気を天井面に沿ってほぼ平行状に送風される。ま
た、天井埋込み型の清浄機６８としては、例えば第６図
に示すように、本体枠６９の底部７０は天井１とほぼ同
一面にして埋設状に取付けられ、同底部７０の中央部に
は空気の吸入口７１が開設され、同吸入口７１の枠内上
方には順次プリフイルター、電気集塵装置７２および吸
排用ファン７３が配設され浄化された空気は吸入口７１
の両側に所定の角度で開設された吹出口７４より下方向
きに送風されるように形成されている。

（解決しようとする問題点） しかしながら、この従来の天井吊下げ型の清浄機６０に
おいてはその浄化された空気が天井面に沿って送風され
ることから第５図に矢印で示すように室内に対する空気
循環は良好となるものの、本体枠６１が天井面により下
方へ大きく露出するするものであるから室内観を極めて
悪化する問題点があり、また、天井埋込み型の清浄機６
８では本体枠６９の底部７０を天井１とほぼ同一面にし
て取付けるものであるから室内観は極めて良好となるも
のの、浄化された空気の送風は下方向きとされるので天
井吊下げ型のものと比較すると室内に対する空気循環が
極めて悪くなる問題点があった。

本考案は上記従来の問題点を解決すべくなされたもの
で、天井埋込み型の清浄機であって、天井吊下げ型とほ
ぼ同等の空気循環をなして室内全体の空気浄化をなし得
ることのできる天井埋込み型の空気清浄機を提供するこ
とを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記技術課題を解決するため、プリフイルタ
ー、電気清浄装置、脱臭フイルターを内蔵した集塵室と
吸排用ファンを設置した送風室とを連通可能に区画した
本体枠を天井に開設した開口部より埋込み状に取付ける
空気清浄機であって、前記本体枠の底板は前記集塵室の
下方の吸入側底部と送風室下方の吹出側底板とが天井下
面に対し所定の傾斜角で若干突出する断面略舟底形状に
形成され、前記吸排用ファンと吹出側底板に開設した吹
出口との間には、ほぼ４５度方向に屈曲して前記吹出口
へ空気を案内する屈曲状の吹出ガイド筒を介装するとと
もに、同吹出ガイド筒内の中央にはその屈曲形状に倣う
中整流板を設け、さらに、前記吹出口には４５度方向よ
り吹出ガイド筒により案内された空気を垂直方向に対し
８０度〜８５度方向へ角度変換する複数枚のフレードを
角度調節可能に設けた角度調節枠を内嵌状に納める構成
とした天井埋込型空気清浄機に存する。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがって説明する
と、図中３は建造物の天井１に開設された開口部２に埋
込み状に取付けられた空気清浄機であって、該清浄機３
は本体枠４と、同本体枠４に内装されるプリフイルター
２１、電気清浄装置２３、脱臭フイルター２７および吸
排用ファン３３とより構成されている。

４は上記した本体枠であって、平板状の天板５と左右の
長手方向の側板６，７と端面側の側面板８，９とにより
下方開放の略箱形状に形成されるとともに、側面板８，
９間に所定の位置には所定の高さを有する仕切り板１０
が取付けられて、集塵室１１および送風室１２に区画形
成されている。

１３は本体枠４の底板であって、この底板１３は吸入側
底板１４と吹出側底板３７とに分割形成されるととも
に、両底板１４，３７は天井１の下面に対し所定の角度
αで、図示のように側面板８，９のほぼ中央部を境とし
て傾斜状に取付けられて底板１３は天井１の下面に対し
僅かに突出する船底形状に形成されている。また、この
吸入側底板１４には所定面積の方形状の吸入孔１５が開
設されるとともに、同吸入孔１５には穴明き鋼板１６が
張着され、同吸入側底板１４は側板６の下部側にヒンジ
部１７を介して回動可能に取付けられている。このよう
にして取付けられた吸入側底板１４の上部の集塵室１１
には下方より順次プリフイルター２１、電気清浄装置２
３および脱臭フイルター２７が取付けられている。

この集塵室１１においては側板６，７間に取付けられた
仕切り枠１８の下部に形成された断面略コ字形状の取付
部１９とこの取付部１９と対向する側面板８側に取付け
られた取付部材２０との間には空気中に混入した繊維、
毛髪等の粗大塵を除去するプリフイルター２１がスポン
ジ部材２２等を介して着脱可能に取付けられている。ま
た、このプリフイルター２１の上部側にはプリフイルタ
ー２１を通過した空気中に混入するタバコの煙等の浮遊
粉塵に空気中へ放電によってプラスの電荷を与えるイオ
ン化部と帯電した浮遊粉塵と静電力により電極板に付着
させて除去する集塵部とを備えた電気清浄装置２３が仕
切り枠１８の下部側に設けられたヒンジ部２４と側面板
８の上部側の所定の位置に張出し状に設けられた仕切り
枠２５のほぼ中央部より垂設された係合支持部材２６に
より水平状に、かつ着脱可能に支持されている。また、
この電気清浄装置２３の上部側には活性炭素繊維からな
る脱臭フイルター２７が仕切り枠２５の先端側に設けら
れた断面略コ字形状の取付部２８とこれと対向する仕切
り枠１８の上部側に設けられた断面略コ字形状の取付部
２９との間のスポンジ部材２２等を介して着脱可能に取
付けられている。また、この脱臭フイルター２７の上部
側の空間部は送風室１２の連通されている。

次に、送風室１２側について説明すると、この送風室１
２は仕切板１０と側板７との所定の位置に床板３０が設
けられて上下の区画され、上部室のほぼ中央部にはモー
ター３１が設置されるとともに、同モーター３１の回転
軸３２には左右に配設した吸排用ファン３３のローター
３４が取付けられている。また、このファン３３の排出
口３５側は床板３０に取付けられるとともに、同床板３
０には排出口３５と整合する開口孔３６が開設されてい
る。この床板３０の開口孔３６と吹出側底板３７との間
には吹出ガイド筒４１が取付けられている。

この吹出側底板３７の傾斜状に設けられたウエブ３８に
は開口孔３６と対応して所定の面積を有する吹出口３９
が形成され、この吹出口３９の四周には図示内側上方へ
折返し状に縁片４０が形成されている。このように形成
された吹出口３９と開口孔３６との間には吹出ガイド筒
４１が取付けられている。この吹出ガイド筒４１は外整
流板４２，４３とそのほぼ中央に設けられる中整流板４
４と側板４５とにより上端側は開口孔３６と整合状に形
成され、また下端側は吹出口３９に内嵌状となる方形状
の上部開口部４６と下部開口部４７を有する湾曲状に形
成され、この各整流板４２，４３，４４はファン３３か
らの空気を下方垂直方向へ案内する垂直案内片４２ａ，
４３ａ，４４ａと垂直降下する空気を角度ほぼ４５度で
吹出側底板３７の吹出口３９へ案内する折曲案内片４２
ｂ，４３ｂ，４４ｂとにより、略くの字形状に形成され
２本の通路４１ａ，４１ｂが形成されている。このよう
に形成された吹出ガイド筒４１の上部開口部４６側は開
口孔３６に整合されてフランジ部を介して床板３０に取
付けられるとともに、下部開口部４７側は吹出口３９に
内嵌状に納められて同下端部側に設けられた連結支持片
４８を介して吹出側底板３７に連結されている。このよ
うに吹出ガイド筒４１を連結した吹出口３９には空気の
吹出角度を調節する角度調節枠４９が嵌込み固定されて
いる。

この角度調節枠４９は長手枠材５０，５１と側部枠材５
２とにより吹出口３９内に内嵌状に納める枠組み体に形
成され、側部枠材５２間には複数本の軸５３が取付けら
れるとともに、同軸５３には所定の幅を有するブレード
５４が図示内側向きに、かつ角度調節可能に取付けられ
て角度４５度で案内された空気を垂直方向に対し８０度
〜８５度方向へ吹出調節可能に設けられている。このよ
うに形成された空気清浄機３は開口部２の下方より挿入
されて取付ボルト５５を介して天井構造材に取付けると
底板１３は天井１下面より若干突出状に取付けられてい
る。

本例空気清浄機３は上記のように構成されたものである
から、吸排用ファン３３を駆動すると汚れた空気が吸入
孔１５より吸入されて集塵室１１側で浄化され、この浄
化された空気は吸排用ファン３３により吹出ガイド筒４
１に送り込まれると整流板４２，４３，４４により下方
垂直方向へ案内され、さらに、４５度方向へ案内される
とともに、吹出口３９においてブレード５４により角度
４５度出案内された空気を垂直方向に対し８０度〜８５
度方向へ吹出されるものである。したがって、この吸排
用ファン３３と吹出側底板３７に開設した吹出口３９と
の間には、ほぼ４５度方向に屈曲して吹出口３９へ空気
を案内する屈曲状の吹出ガイド筒４１を介装するととも
に、同吹出ガイド筒４１内の中央にはその屈曲形状に倣
う中整流板４４を設けたものであるから、同吹出ガイド
筒４１内において空気の流れは２次流れや剥離現象が抑
制されて屈曲状の吹出ガイド筒４１による損失を著減す
ることができて吹出口３９側での速度分布が安定され、
さらに、この吹出し空気流は吹出口３９側に配設された
複数枚のブレード５４によって形成される縮流路を通過
して流速を増すことができて空気流の指向性能が向上さ
れて、遠くまで空気流を延ばすことができる。したがっ
て、この吹出口３９より吹出される浄化された空気流は
その指向性能が向上されて遠くまで天井面とほぼ平行状
に吹出されるので、室内のエアサーキューションを向上
することができて、効率良く集塵・浄化を行うことがで
き、天井より大きく突出しないので室内観を向上するこ
とができる。

（考案の効果） さて、本考案はプリフイルター、電気清浄装置、脱臭フ
イルターを内蔵した集塵室と吸排用ファンを設置した送
風室とを連通可能に区画した本体枠を天井に開設した開
口部より埋込み状に取付ける空気清浄機であって、前記
本体枠の底板は前記集塵室の下方の吸入側底部と送風室
下方の吹出側底板とが天井下面に対し所定の傾斜角で若
干突出する断面略舟底形状に形成され、前記吸排用ファ
ンと吹出側底板に開設した吹出口との間には、ほぼ４５
度方向に屈曲して前記吹出口へ空気を案内する屈曲状の
吹出ガイド筒を介装するとともに、同吹出ガイド筒内の
中央にはその屈曲形状に倣う中整流板を設け、さらに、
前記吹出口には４５度方向より吹出ガイド筒により案内
された空気を垂直方向に対し８０度〜８５度方向へ角度
変換する複数枚のフレードを角度調節可能に設けた角度
調節枠を内嵌状に納める構成としたことにより、とく
に、この吸排用ファンと吹出側底板に開設した吹出口と
の間には、ほぼ４５度方向に屈曲して吹出口へ空気を案
内する屈曲状の吹出ガイド筒を介装するとともに、同吹
出ガイド筒内の中央にはその屈曲形状に倣う中整流板を
設けたものであるから、同吹出ガイド筒内において空気
の流れは２次流れや剥離現象が抑制されて屈曲状の吹出
ガイド筒による損失を著減することができて吹出口側で
の速度分布が安定され、さらに、この吹出し空気流は吹
出口側に配設された複数枚のブレードによって形成され
る縮流路を通過して流速を増すことができて空気流の指
向性能が向上されて、遠くまで空気流を延ばすことがで
きる。したがって、この吹出口より吹出される浄化され
た空気流はその指向性能が向上されて遠くまで天井面と
ほぼ平行状に吹出されるので、室内のエアサーキュレー
ションを向上することができて、効率良く集塵・浄化を
行うことができ、天井より大きく突出しないので室内観
を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は清浄機の断面
図、第２図は集塵室側の略体断面図、第３図は下面図、
第４図ないし第６図は従来例である。 １…天井、２…開口部 ３…天井埋込型空気清浄機 ４…本体枠 １１…集塵室、１２…送風室 １３…底板、１４…吸入側底板 ２１…プリフイルター、２３…電気清浄装置 ３３…吸排用ファン、３７…吹出側底板 ３９…吹出口、４１…吹出ガイド筒 ４２，４３，４４…整流板 ４２ａ，４３ａ，４４ａ…垂直案内片 ４２ｂ，４３ｂ，４４ｂ…折曲案内片 ４９…角度調節枠、５４…ブレード

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリフイルター、電気清浄装置、脱臭フイ
   ルターを内蔵した集塵室と吸排用ファンを設置した送風
   室とを連通可能に区画した本体枠を天井に開設した開口
   部より埋込み状に取付ける空気清浄機であって、前記本
   体枠の底板は前記集塵室の下方の吸入側底部と送風室下
   方の吹出側底板とが天井下面に対し所定の傾斜角で若干
   突出する断面略舟底形状に形成され、前記吸排用ファン
   と吹出側底板に開設した吹出口との間には、ほぼ４５度
   方向に屈曲して前記吹出口へ空気を案内する屈曲状の吹
   出ガイド筒を介装するとともに、同吹出ガイド筒内の中
   央にはその屈曲形状に倣う中整流板を設け、さらに、前
   記吹出口には４５度方向より吹出ガイド筒により案内さ
   れた空気を垂直方向に対し８０度〜８５度方向へ角度変
   換する複数枚のフレードを角度調節可能に設けた角度調
   節枠を内嵌状に納める構成とした天井埋込型空気清浄
   機。