JPH06275203A - マグネトロン陽極体 - Google Patents
マグネトロン陽極体Info
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- JPH06275203A JPH06275203A JP5064035A JP6403593A JPH06275203A JP H06275203 A JPH06275203 A JP H06275203A JP 5064035 A JP5064035 A JP 5064035A JP 6403593 A JP6403593 A JP 6403593A JP H06275203 A JPH06275203 A JP H06275203A
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Abstract
動作にも対応しうるように、ストラップリングの耐久性
を向上して信頼性を維持すると共に、コストを低く抑え
る。 【構成】 陽極円筒1の内周面に放射状にベイン2が配
置され、ベイン2の軸方向端部にベイン2を1枚おきに
接続する小径ストラップリング3と大径ストラップリン
グ4が1mm以上の間隔で配置され、小径ストラップリ
ング3はジルコニウム入り無酸素銅で形成され、他の部
材は無酸素銅で形成される。
Description
する。さらに詳しくは、マグネトロンの高出力化に対し
てもストラップリングが熱により破損することがないマ
グネトロンの陽極体に関する。
ネトロンの陽極は図3に示されるような構造になってい
る。
図であり、(b)は(a)のA−A線断面図で、陽極体
は陽極円筒1と、その内周面に放射状に配列された偶数
枚のベイン2と、該ベイン2を1枚おきに連絡した小径
ストラップリング3および大径ストラップリング4とか
ら構成されている。ストラップリング3、4はベイン2
の軸方向の一端側のみに設けられるばあいもあるし、図
3に示すようにベイン2の軸方向両端部に設けられるば
あいもあるが、ストラップリングは大小2個のストラッ
プリングでそれぞれ別々のベインを接続するのが一般的
である。この構造で、2枚のベイン2と陽極円筒1の周
壁とで囲まれた小空洞5を偶数個形成し、その全体によ
りマグネトロンの共振空洞を形成している。マグネトロ
ンは通常πモードで発振させるため、各小空洞5はπラ
ジアンずつ位相をずらして発振させている。そのため、
マグネトロンの発振を安定させるため、1つおきのベイ
ンを径小および径大のストラップリング3、4で同電位
になるよう連結している。
片(図示せず)が配設され、陽極円筒1の中心軸上で、
ベイン2の先端2a部対向部分に配設される陰極(図示
せず)とベイン2とのあいだの作用空間に印加される高
電圧とあわせて直交静電磁界を形成すべく図示してない
磁石により磁場が形成されている。
構成する素材としては、熱伝導や電気伝導が良好で、し
かもガス放出の少ない無酸素銅が一般に使用されてい
る。ところが陽極体の中で陰極に近いベイン2の先端2
a部およびベイン2の先端部に設けられたストラップリ
ング3、4は高温になり易く、ストラップリングはとく
に細いリングであるため、無酸素銅で製造されたストラ
ップリング3、4は高い熱応力の繰返しに対し折れや曲
がりなどの変型をおこし易く最終的には破断に至る。各
小空洞はストラップリング間の容量(C)やストラップ
リングとベインとのあいだの容量(C)、ベインのイン
ダクタンス(L)などにより共振周波数が定められてい
るため、ストラップリングが破断したり、変形したりす
ると共振周波数が変わり、ひいては発振周波数が変動す
る。またストラップリングが切断すると前述の同電位の
ベインを連結して発振を安定させるというストラップリ
ングの目的が達せられずマグネトロン特性が低下する。
傾向として、出力が従来の500 〜600 W程度から700
W、さらには1000Wの出力にする動きもあり、そのよう
な高出力化に伴い、高温に耐えうるマグネトロン素材の
研究がすすめられている。
121932号公報に記載されているように、ジルコニ
ウムを添加し、機械的強度を向上させた析出硬化型金属
をストラップリングなどに使用することが提案されてい
る。
ニウム入り無酸素銅は高価であり、導電率の点でも劣っ
ている。また、ストラップリングはベインにロウ材など
でロウ接されるが、ジルコニウム入り無酸素銅はこのロ
ウ接用材料である銀ロウに対するぬれ性が劣り、ロウづ
け作業の効率や信頼性を低下させるという問題がある。
コニウム入り無酸素銅の使用を最小限に止め、かつ、機
械的強度を保持して電子レンジなどの高出力化に対応で
きる、安価で信頼性の高いマグネトロン陽極体を提供す
ることを目的とする。
ン陽極体は、陽極円筒と、該陽極円筒の内周面に放射状
に配設された複数枚のベインと該ベインを1枚おきに、
電気的に接続する大径ストラップリングおよび小径スト
ラップリングとからなるマグネトロン陽極体であって、
前記小径ストラップリングがジルコニウム入り無酸素銅
からなり、前記大径ストラップリングが前記小径ストラ
ップリングに対して1mm以上の間隙を有して配置され
てなることを特徴とするものである。
ジルコニウム入り無酸素銅で形成され、外側の大径スト
ラップリングを小径ストラップリングより1mm以上の
間隙をおいて配置しているため、大径ストラップリング
の温度上昇を低く抑えることができ無酸素銅を使用して
も充分に機械的強度を保つことができる。
は、陰極に最も近いベインの先端部の温度が電子の衝突
や陰極からの輻射熱により最も上昇する。このベイン先
端部の熱量は無酸素銅で形成されたベインを伝わって反
対側の陽極円筒に流れ外部へ放散され、温度勾配ができ
る。そのため、ベイン先端側の小径ストラップリングは
温度が高くなるが、大径ストラップリングは小径ストラ
ップリングより温度が下がり、しかもベイン先端部から
遠ざかるにつれて温度が下がる。小径ストラップリング
の位置はできるだけベイン先端の電位の高い位置を連結
するのが好ましいが、大径ストラップリングは位置によ
る特性への影響が少ないので、ストラップリングとベイ
ンとのあいだの容量などを調整することにより、発振周
波数を同じに保ってベイン先端側から遠い位置に配置す
ることができる。その結果小径ストラップリングより1
mm以上の間隔をおいた位置に大径ストラップリングを
配置することにより温度は余り高くならず、無酸素銅で
形成しても小径ストラップリングよりも先に破損するこ
とがない。
説明する。図1は本発明のマグネトロン陽極体の一実施
例のベインとストラップリング部分を示す断面説明図で
ある。図1において符号1〜4は図3と同じ部分を示
し、Lは小径ストラップリング3と大径ストラップリン
グ4との間隔である。
しては図3に示した構造と同様に、陽極円筒1の内周面
に放射状に複数枚のベイン2がその根元でロウづけされ
ており、また、ベイン2を1枚おきに連結する小径スト
ラップリング3および大径ストラップリング4がベイン
に設けられたストラップリング用溝内にロウづけされて
いる。その1枚のベイン部分を図1に示す。
枚おきの電位の等しいベイン2を連結してπモード発振
を安定させるもので、電位の高いところで連結するのが
効果的であり、小径ストラップリングはベイン2の先端
に近い方が望ましい。しかしベインの先端にストラップ
リングを配置するための凹溝6(通常はベインを金型で
打抜き成形する際に同時に形成される)を形成する加工
上の問題から、通常は先端からの距離Mが2〜4mm程
度に形成され、本実施例においても2.8 mm程度で形成
されている。大径ストラップリングの位置は、従来は小
型化の点から定められ、小径ストラップリングとの間隔
Lが0.6 〜0.8 mm程度に設定されていたが、本実施例
では1mm以上に設定されている。なお、本実施例の8
分割の陽極で、2450MHzの発振周波数のマグネトロン
にするばあい、ベイン2の長さNは12mm程度、ストラ
ップリングの幅Pは0.6 〜1.0 mm程度である。本実施
例においては、小径ストラップリング3の材質はジルコ
ニウム入り無酸素銅(ジルコニウムが0.005 〜0.3 重量
%、残部が無酸素銅)からなっており、陽極体の他の部
品である大径ストラップリング4、陽極円筒1、ベイン
2の材質は無酸素銅である。すなわち、小径ストラップ
リングはベインの先端部にロウ接されているため、ジル
コニウム入り無酸素銅を使用して機械的強度を維持する
必要があるが、大径ストラップリングはその配設位置に
より温度を低く抑えることができるとの観点の下に、本
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、小径ストラップリン
グはジルコニウム入り無酸素銅を使用すると共に従来と
同様にベイン先端側にロウづけし、大径ストラップリン
グは小径ストラップリングより1mm以上の間隔をおい
て配設することにより、無酸素銅のみからなる大径スト
ラップリングでも破損しないことを見出したものであ
る。
り、破損したりすると、小空洞の集合からなる共振器を
有するマグネトロンの発振周波数が数十MHz程度変動
することが知られている。そこで本発明者らは小径スト
ラップリング3にジルコニウム入り無酸素銅を使用し、
大径ストラップリング4などには無酸素銅を使用すると
共に、小径ストラップリング3の位置を変えないで、大
径ストラップリング4の位置のみを種々変えて小径スト
ラップリング3との間隔(図1のL)が0.6 mm、0.8
mm、1.0 mm、1.2 mm、1.4 mmの5種類のマグネ
トロン(発振周波数はすべて2450MHzに調整)を製作
し、過酷条件による動作試験を行い、発振周波数のずれ
が生じる時間を調べた。動作条件としては、マグネトロ
ンを電子レンジに装着し、無負荷に近い状態(マイクロ
波が吸収されないため大きな反射電力がマグネトロンに
戻り、ベイン先端の温度も上昇し易い)で2分間ON、
1分間OFFのヒートショックを与える条件で動作させ
た。この動作を繰り返して発振周波数が10MHz変化し
たときの時間をそれぞれ調べた結果を図2に示す。図2
において横軸は小径ストラップリング3と大径ストラッ
プリング4との間隔を示し、縦軸は発振周波数が10MH
z変化する(すなわち、ストラップリングが破損する)
までの時間を示す。図2に示すように、ストラップリン
グの間隔が0.6 から0.8 mmまでのあいだは間隔を広く
する程ストラップリングの破損に至るまでの時間が長く
なるが、ストラップリング間隔が1mm以上になると一
定になる。この原因はストラップリングの間隔が1mm
に至るまでは大径ストラップリング4が破損し発振周波
数が変化するもので、ストラップリングの間隔が1mm
以上になると小径ストラップリング3が破損に至るため
であることを見出した。この動作条件は通常の電子レン
ジにおける動作条件より過酷な条件で行っているため小
径ストラップリングの破損に至っているが、通常の動作
ではジルコニウム入り無酸素銅からなる小径ストラップ
リング3が破損することはなく、無酸素銅からなる大径
ストラップリング4も小径ストラップリングを1mm以
上の間隔になるように配置することにより大きな変形や
破損には至らない。
形成したばあいは、ストラップリングの間隔にかかわら
ず、80時間程度で発振周波数の10MHzのずれが発生す
る。
グ3をジルコニウム入り無酸素銅で形成し、大径ストラ
ップリング4を無酸素銅で形成し、その大小2つのスト
ラップリングの間隔を1mm以上になるように配置すれ
ば、ストラップリングの変動がなく、マグネトロンの信
頼性、耐久性が増し、高出力化、高温化に対応しうる安
価なマグネトロンをうることができる。
いて大径ストラップリングより先に破断をおこしやすい
小径ストラップリングのみ、機械的強度の優れたジルコ
ニウム入り無酸素銅で形成し、大径ストラップリングな
ど他の部材は安価で導電性の高い無酸素銅で形成し、そ
の間隔が1mm以上になるように大径ストラップリング
を離して配置することにより、マグネトロンの高出力化
に対しても充分な耐久度と発振効率がえられると共に、
大径ストラップリングとして安価で作業性のよい無酸素
銅を使用できるため、コストダウンも図れる。その結
果、安価で高出力化に対応できるマグネトロンがえられ
る。
拡大断面図である。
素銅で形成し、大径ストラップリングを無酸素銅で形成
したマグネトロンの過酷動作において、ストラップリン
グの間隔と発振周波数のずれが10MHzに達する時間と
の関係を示す図である。
平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 陽極円筒と、該陽極円筒の内周面に放射
状に配設された複数枚のベインと該ベインを1枚おき
に、電気的に接続する大径ストラップリングおよび小径
ストラップリングとからなるマグネトロン陽極体であっ
て、前記小径ストラップリングがジルコニウム入り無酸
素銅からなり、前記大径ストラップリングが前記小径ス
トラップリングに対して1mm以上の間隙を有して配置
されてなるマグネトロン陽極体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06403593A JP3397826B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | マグネトロン陽極体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06403593A JP3397826B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | マグネトロン陽極体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06275203A true JPH06275203A (ja) | 1994-09-30 |
JP3397826B2 JP3397826B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=13246468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06403593A Expired - Fee Related JP3397826B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | マグネトロン陽極体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3397826B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100320464B1 (ko) * | 1999-09-22 | 2002-01-16 | 구자홍 | 마그네트론용 스트랩 |
-
1993
- 1993-03-23 JP JP06403593A patent/JP3397826B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100320464B1 (ko) * | 1999-09-22 | 2002-01-16 | 구자홍 | 마그네트론용 스트랩 |
Also Published As
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---|---|
JP3397826B2 (ja) | 2003-04-21 |
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