JPH06275133A - 炭素クラスター薄膜を用いた素子およびその製造方法 - Google Patents

炭素クラスター薄膜を用いた素子およびその製造方法

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JPH06275133A
JPH06275133A JP5043730A JP4373093A JPH06275133A JP H06275133 A JPH06275133 A JP H06275133A JP 5043730 A JP5043730 A JP 5043730A JP 4373093 A JP4373093 A JP 4373093A JP H06275133 A JPH06275133 A JP H06275133A
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carbon cluster
cluster thin
indium
carbon
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JP5043730A
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Taku Kamimura
卓 上村
Nobuyuki Okuda
伸之 奥田
Yoshinobu Ueha
良信 上羽
Koji Tada
紘二 多田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 素子は、インジウムを添加した炭素クラスタ
ー薄膜3を、大気中の酸素や水分の透過を阻止する保護
膜4で被覆した。製造方法は、炭素クラスター薄膜3の
形成工程と保護膜4の形成工程を、真空中で、炭素クラ
スター薄膜3を大気に晒すことなく連続的に行う。 【効果】 炭素クラスター薄膜3の劣化を防止して、長
期間に渡って良好な特性を有する素子を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素クラスターからな
る薄膜を利用した素子とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】複数個の炭素原子が球状や回転楕円体状
に繋がった、いわゆるフラーレン(fullerrenes) 構造を
有するC60、C70などの炭素クラスター分子の粉末や薄
膜等にアルカリ金属等の不純物原子をドープすると、有
機電導体や超電導体等が得られることが知られている。
【0003】たとえばカリウム(K)をドープしたC60
の薄膜は500S/cm、ルビジウム(Rb) ドープしたC
60の薄膜は100S/cmの導電度を示すことが報告され
ている(Nature, vol. 350, 320, 28 March, 1991 )。
またカリウムをドープしたKX 60は、マイクロ波吸収
と磁化測定の結果から臨界温度Tc=18K、抵抗測定
の結果から臨界温度Tc=16Kの超電導性を示すこと
が報告されており(Nature, vol. 350, 600, 18 April,
1991 )、ルビジウムをドープしたRbX 60は、臨界温
度Tc=28Kの超電導性を示すことが報告されている
(Physical Review Letters, 1991, 66, 2830 )。さら
にセシウム(Cs)をドープしたCsX 60は臨界温度Tc
=30Kの超電導性を示し、セシウムとルビジウムをド
ープしたCs Rb C60は臨界温度Tc=33Kの超電導性
を示すことも報告されている(Nature, vol. 352, 222,
223, 18 July, 1991 )。
【0004】この他、たとえばアルカリ土類金属である
カルシウム(Ca)やIVb族元素であるスズ(Sn)をドー
プした炭素クラスターが超電導性を示すことも報告され
ている。すなわちカルシウムをドープしたCa5 60は、
臨界温度Tc=8.4Kの超電導性を示したとの報告が
あり(Nature, vol. 355, 529, 6 Feb., 1992 )、スズ
をC60とC70の混合物であるC60/C70にドープしたSn
X 60/C70は、臨界温度Tc=37Kの超電導性を示
したとの報告がある(Solid State Commn., vol. 82, N
o. 3, 167, 1992 )。
【0005】さらに IIIb族元素であるインジウム(I
n)をドープした炭素クラスターは、真空蒸着装置や分
子線エピタキシー(MBE)蒸着装置等を使用したイン
ジウムと炭素クラスターの同時蒸着法により簡単に作る
ことができ、しかもこの同時蒸着法による形成時に、イ
ンジウムの蒸着速度を変えるだけで簡単にドープ量を制
御できるので、ほぼ絶縁体に近いものから半導体程度の
ものまで任意の電気伝導度を有する有機電導体を、極め
て簡単かつ再現性よく製造できるという利点を有するこ
とが、本発明者らの研究によって確認された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが周知のよう
に、アルカリ金属元素は反応性が高く不安定であるた
め、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属
元素をドープした炭素クラスターは、大気中にさらされ
るとこれらアルカリ金属元素が空気中の酸素や水と反応
して炭素クラスター中から抜けてしまい、短期間に上記
の特性が失われてしまうという問題がある。
【0007】この傾向は他の金属元素をドープした炭素
クラスターにおいても多かれ少なかれ見られ、たとえば
アルカリ土類金属であるカルシウムをドープしたC60
粉末は、空気中で1時間放置すると超電導性を失うこと
が、本発明者らの研究により判明している。またスズを
ドープしたC60粉末は、空気中で1日放置後も超電導性
を示すことが先の文献に記載されているが、より長時間
の安定性は不明である。さらにインジウムをドープした
60薄膜も、空気中で短時間に特性が失われることが、
本発明者らの研究により判明している。
【0008】そこで、金属元素をドープした炭素クラス
ターの劣化を防止するために現在一般的に行われている
のが、不活性ガス雰囲気中に封止する方法である。封止
には、不活性ガスを入れたガラス管の端末を溶封したり
エポキシ樹脂で封止したりする技術が採用される。しか
しながらガラス管の端末を溶封する技術では、溶封時の
加熱によって炭素クラスターが劣化するおそれがある。
一方、ガラス管の端末をエポキシ樹脂で封止する技術で
は、ガラスと樹脂の熱膨張率に差があるため、環境温度
の変化により樹脂に割れが生じるおそれがあり、このよ
うな割れが生じると、それ以後はガラス管内に空気中の
酸素や水が入り込むのを防止できなくなるから、特性の
劣化は避けられない。
【0009】また上記のようにガラス管内に封止された
炭素クラスターは、管外への配線等が困難であるため、
素子化するのが難しいという問題もある。本発明は、前
記のように半導体等としての特性にすぐれた、インジウ
ムをドープした炭素クラスター薄膜の劣化を確実に防止
して、長期に亘って良好な特性を保持することができる
素子と、その製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための、本発明の炭素クラスター薄膜を用いた素
子は、インジウムをドープした炭素クラスター薄膜が基
板上に形成されているとともに、少なくともこの炭素ク
ラスター薄膜が、大気中の酸素および水分の透過を阻止
する保護膜で被覆されていることを特徴とする。
【0011】この構成によれば、炭素クラスター薄膜中
のインジウムが、大気中の酸素や水分と反応することが
防止され、インジウムをドープした炭素クラスター薄膜
の特性が長期に亘って良好に保持される。また炭素クラ
スター分子は有機分子であり、Ga As 等の無機物に比べ
て反応性に富むため、種々の官能基で修飾することが可
能である。このため炭素クラスターを種々の官能基で修
飾することにより、インジウムをドープした炭素クラス
ター薄膜に、バラエティーに富んだ特性を付与できる可
能性がある。
【0012】上記の素子は、炭素クラスターとインジウ
ムとを交互または同時に基板上に堆積させることで、当
該基板上に、インジウムをドープした炭素クラスター薄
膜を形成する工程と、少なくとも上記炭素クラスター薄
膜を被覆するように、大気中の酸素および水分の透過を
阻止する保護膜を形成する工程とを含み、かつ上記両工
程を、基板上に形成された炭素クラスター薄膜を大気に
晒すことなく連続的に、真空中で行う本発明の製造方法
により製造することができる。
【0013】この製造方法によれば、炭素クラスター薄
膜および保護膜を一度も大気に晒すことなく素子を製造
できるので、良好な特性を有する素子が得られる。また
真空中で形成される保護膜は緻密な膜とすることができ
るので、酸素や水分の透過を良好に阻止できる。またこ
の製造方法では、インジウムをドープした炭素クラスタ
ー薄膜を、炭素クラスターとインジウムとの同時蒸着法
により形成しているので、前述のように、インジウムの
蒸着速度を変えるだけで簡単にドープ量を制御でき、ほ
ぼ絶縁体に近いものから半導体程度のものまで任意の電
気伝導度を有する炭素クラスター薄膜を、極めて簡単か
つ再現性よく製造できるという利点もある。
【0014】なお上記保護膜としては、シリコンあるい
はシリコンの酸化物、窒化物などが考えられる。シリコ
ン、窒化シリコン(Si3 4 )、二酸化シリコン(SiO
2 )の熱膨張係数はそれぞれ、2.6×10-6、2.9
〜3.2×10-6、1.3×10-6/℃であって、イン
ジウムをドープした炭素クラスター薄膜の熱膨張係数
(3×10-6/℃)と近いため、低温あるいは高温環境
下で素子を使用する際に保護膜に割れが生じるおそれが
ない。すなわち、熱衝撃に対する耐久性が良好になり、
割れの生じた部分から酸素や水分が炭素クラスター薄膜
中に入り込むなどという不具合を回避できる。これによ
り、素子の特性を一層良好に保持できる。シリコンやそ
の酸化物、窒化物の保護膜作製には、MBE蒸着法、真
空一貫プロセスによるCVD法、プラズマCVD法、ス
パッタリング法等を用いることができる。
【0015】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図1は本発明の炭素クラスター
薄膜を用いた素子の、一実施例の構成を示す断面図であ
る。基板1の表面に金電極2がパターン形成されてお
り、この金電極2に接触するように炭素クラスター薄膜
3が形成されている。この炭素クラスター薄膜3は、イ
ンジウム(In) をドープした炭素クラスターInx 60
らなるC60/In同時蒸着層31と、その上に積層された
60単独蒸着層32とで構成されている。C60単独蒸着
層32は、後述する保護膜4を炭素クラスター薄膜3上
に形成する際に、C60/In同時蒸着層31中に保護膜4
を構成する元素(シリコン)が侵入して組成が変化した
り、保護膜4形成時の熱的あるいは物理的な衝撃により
60/In同時蒸着層31の表面が破壊されたりして、素
子の特性を決定するC 60/In同時蒸着層31の特性が劣
化するのを防止する緩衝層として作用する。
【0016】炭素クラスター薄膜3は保護膜4で被覆さ
れている。この保護膜4は、常温で大気中の酸素や水分
の透過を阻止できるように形成されている。具体的に
は、酸素や水分の透過を阻止できる程度に充分に緻密に
形成されるか、または充分に膜厚が厚く形成される。ま
たこの保護膜4は、前記のように熱膨張係数が炭素クラ
スター薄膜3の熱膨張係数に近似しているシリコンで構
成されている。
【0017】この構成では、炭素クラスター薄膜3が保
護膜4で保護されており、大気中の酸素や水分が侵入す
ることがない。このため、炭素クラスター薄膜3中に含
まれるインジウムは、ドープ時と同じ状態で保持される
ことになる。この結果、長期に渡って良好な特定が得ら
れることになる。図2は上記の素子を製造するために用
いられる分子線エピタキシー蒸着装置の構成を示す概念
図である。真空状態(10-7〜10-8Torr程度)に排気
された膜形成室50内に配置したサセプタ51には、基
板1が保持されている。この基板1に対向して、炭素ク
ラスターC60の分子線を発生させる分子線源52と、イ
ンジウムの分子線を発生させる分子線源53と、保護膜
4を構成するシリコンの分子線を発生させる分子線源5
4とが配置されている。各分子線源52,53および5
4に関連して、各分子の発生を制御するシャッタ55,
56,57が配置されている。炭素クラスターC60の分
子線を発生させる分子線源52はクヌーセン・セル(Kn
udsen-Cell、Kセル)で構成された抵抗加熱式のもので
あり、インジウムおよびシリコンの分子線を発生させる
ための分子線源53,54はe型電子銃で構成された電
子衝撃加熱式のものである。
【0018】以下に、本発明者による炭素クラスター薄
膜を用いた素子の作製例を説明する。 〈作製例1〉基板1として、図3(a) に示すように金電
極2を4箇所に形成した厚さ0.5mmの10mm平方の石
英ガラス基板を用い、この基板1を図2の蒸着装置のサ
セプタ51にセットした。また基板1の4箇所の金電極
2には、蒸着装置の外に配置した、4端子法による電気
抵抗の測定装置からの配線を接続した。一方、分子線源
52にはC60粉末を入れ、分子線源53にはインジウム
を入れ、分子線源54にはシリコンを入れた。
【0019】つぎに、膜形成室50内の真空度10-7
10-8Torrの条件下、上記測定装置によって金電極4間
の抵抗値をモニターしながら、まずシャッタ55,56
を開放して、分子線源52,53から炭素クラスターC
60とインジウムとを同時に蒸発させて、室温に保持した
基板1上に、インジウムをドープした炭素クラスターIn
X 60からなる、膜厚350nmのC60/In同時蒸着層3
1を形成した。真空下におけるC60/In同時蒸着層31
の最終的な抵抗率は2〔Ω・cm〕であり、半導体的な抵
抗率を示した。
【0020】つぎにシャッタ56を閉塞して、分子線源
53からのインジウムの蒸発を停止し、分子線源52か
ら炭素クラスターC60のみを蒸発させて、上記C60/In
同時蒸着層31上に、膜厚200nmのC60単独蒸着層3
2を積層して炭素クラスター薄膜3を形成した(図3
(b) )。そしてつぎに、シャッタ55を閉塞して分子線
源52からの炭素クラスターC 60の蒸発を停止し、代わ
ってシャッタ57を開放して分子線源54からシリコン
を蒸発させて、炭素クラスター薄膜3を被覆するように
膜厚600nmの保護膜4を形成して、素子を作製した
(図3(c) )。作製した素子の断面は図1に示されてい
るとおりであり、金電極2は保護膜4外に延び出てい
る。 〈検討1〉上記作製例1で作製した素子を、4端子法に
よるC60/In同時蒸着層31の電気抵抗の測定を続けな
がら大気中に取り出し、さらに大気中でC60/In同時蒸
着層31の電気抵抗の測定を続けたところ、図4に実線
で示すように9日間経過した段階でも、抵抗値はKΩオ
ーダーを維持していることが確認された。
【0021】比較のため保護膜4を形成せずに、C60
In同時蒸着層31の大気中における電気抵抗の変化を測
定したところ、図4に破線で示すように抵抗値は急上昇
し、5分間でGΩオーダーまで達した。このことから、
炭素クラスター薄膜3を保護膜4で被覆すると、大気中
の酸素や水分の侵入を阻止できることが確認された。 〈検討2〉上記作製例1で作製した素子をオージェ電子
分光分析により分析した。図5はオージェ電子分光分析
による素子の厚み方向の組成プロファイルを示してい
る。図の結果より、C60/In同時蒸着層31の組成はIn
56 60であることが判明した。
【0022】また上記C60/In同時蒸着層31中から
は、C60分子1個あたり1.4個の割合で酸素原子が検
出された。保護膜4を形成しなかった場合には、炭素ク
ラスター薄膜3のC60/In同時蒸着層31中に、C60
子1個あたり6.2個の割合で酸素原子が検出されてお
り、この事実からも、保護膜4による酸素遮断効果が明
確に確認された。 〈検討3〉上記作製例1で作製した素子について、C60
/In同時蒸着層31の電気抵抗の、5〜300Kの範囲
での温度依存性を測定した。その結果、図6に示すよう
に半導体的な特性を示し、5KでもKΩオーダーを維持
していることが確認された。またこの変化は昇温過程と
降温仮定で可逆的であり、液体ヘリウム温度程度の低温
でも保護膜4にクラック(割れ)が生じることがなく、
したがって炭素クラスタ超電導膜3への、大気中の酸素
や水分の侵入が阻止されていることがわかった。 〈結論〉以上のように本作成例の素子では、シリコンか
らなる保護膜4が炭素クラスター薄膜3を保護するため
に有効に働き、薄膜3中のインジウムの酸化を防止する
ことがわかる。すなわち、保護膜4が大気中の酸素や水
分の透過を阻止するため、良好な特性が長期に渡って得
られることになる。このような緻密な保護膜4は、膜形
成室10内において、真空中で、炭素クラスター薄膜3
と保護膜4とを連続形成することにより得られたもので
ある。
【0023】また、シリコンはインジウムを添加した炭
素クラスターInX 60との熱膨張係数の差が極めて微小
であるため、保護膜4の熱膨張係数は炭素クラスター薄
膜3とほぼ等しく、このため熱衝撃に対する耐久性も充
分であることが理解される。すなわち、シリコンの熱膨
張係数は、2.6×10-6/℃であり、炭素クラスター
InX 60の熱膨張係数は、3×10-6/℃であり、相互
に近似している。
【0024】また、電気的特性の試験時などに端子の接
続が必要な金電極2は保護膜4外へ延び出ているので、
この金電極2への端子の接続作業は、大気中において炭
素クラスター薄膜3を劣化させることなく行える。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明の炭素クラスター薄
膜を用いた素子によれば、当該炭素クラスター薄膜中の
インジウムが大気中の酸素や水分と反応することが防止
されるので、炭素クラスター薄膜の特性を長期に渡って
良好に保持することができる。また本発明の製造方法に
よれば、真空中で炭素クラスター薄膜とコーティング膜
とを連続形成できるので、炭素クラスター薄膜を一度も
大気に晒すことなく素子を製造することができ、しか
も、真空中で形成されるコーティング膜は緻密な膜とす
ることができる。これにより、酸素や水分が炭素クラス
ター薄膜中に侵入することを確実に防止して、素子の特
性を良好に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素クラスター薄膜を用いた素子の、
一実施例の基本構成を示す断面図である。
【図2】上記実施例の素子を、本発明の製造方法によっ
て製造するための分子線エピタキシー蒸着装置の構成を
簡略化して示す概念図である。
【図3】上記実施例の素子の製造工程を簡略化して示す
平面図である。
【図4】上記実施例の素子における炭素クラスター薄膜
の、素子形成直後からの抵抗率の変化を測定した結果を
示すグラフである。
【図5】オージェ電子分光分析により測定された、上記
実施例の素子の厚み方向の組成プロファイルを示すグラ
フである。
【図6】上記実施例の素子における炭素クラスター薄膜
の抵抗率と、環境温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 3 炭素クラスター薄膜 4 絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 紘二 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インジウムをドープした炭素クラスター薄
    膜が基板上に形成されているとともに、少なくともこの
    炭素クラスター薄膜が、大気中の酸素および水分の透過
    を阻止する保護膜で被覆されていることを特徴とする炭
    素クラスター薄膜を用いた素子。
  2. 【請求項2】炭素クラスターとインジウムとを交互また
    は同時に基板上に堆積させることで、当該基板上に、イ
    ンジウムをドープした炭素クラスター薄膜を形成する工
    程と、少なくとも上記炭素クラスター薄膜を被覆するよ
    うに、大気中の酸素および水分の透過を阻止する保護膜
    を形成する工程とを含み、かつ上記両工程を、基板上に
    形成された炭素クラスター薄膜を大気に晒すことなく連
    続的に、真空中で行うことを特徴とする炭素クラスター
    薄膜を用いた素子の製造方法。
JP5043730A 1992-05-20 1993-03-04 炭素クラスター薄膜を用いた素子およびその製造方法 Pending JPH06275133A (ja)

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JP5043730A JPH06275133A (ja) 1993-03-04 1993-03-04 炭素クラスター薄膜を用いた素子およびその製造方法
EP93106671A EP0570720A1 (en) 1992-05-20 1993-04-23 Stabilized carbon cluster conducting or superconducting material, its production, and use thereof
US08/393,043 US5589281A (en) 1992-05-20 1995-02-23 Stabilized carbon cluster conducting or superconducting material, process for producing the same, device using carbon cluster, and process for producing the device
US08/483,230 US5635455A (en) 1992-05-20 1995-06-07 Process for producing stabilized carbon cluster conducting or superconducting material
US08/483,229 US5637260A (en) 1992-05-20 1995-06-07 Process for producing stabilized carbon cluster conducting material

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029684A1 (ja) * 2005-09-05 2007-03-15 Ideal Star Inc. フラーレン類又はナノチューブ、及び、フラーレン類又はナノチューブの製造方法

Cited By (2)

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WO2007029684A1 (ja) * 2005-09-05 2007-03-15 Ideal Star Inc. フラーレン類又はナノチューブ、及び、フラーレン類又はナノチューブの製造方法
JP5406451B2 (ja) * 2005-09-05 2014-02-05 金子 博之 フラーレン類又はナノチューブ、及び、フラーレン類又はナノチューブの製造方法

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