JPH06274107A - 微小発熱部材、微小発熱表示部材、及び該部材を備えた表示装置 - Google Patents

微小発熱部材、微小発熱表示部材、及び該部材を備えた表示装置

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JPH06274107A
JPH06274107A JP8555393A JP8555393A JPH06274107A JP H06274107 A JPH06274107 A JP H06274107A JP 8555393 A JP8555393 A JP 8555393A JP 8555393 A JP8555393 A JP 8555393A JP H06274107 A JPH06274107 A JP H06274107A
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JP
Japan
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electrodes
electrode
heat
electrode group
layer
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Withdrawn
Application number
JP8555393A
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English (en)
Inventor
Makoto Kobu
真 小夫
Masaki Yoshino
正樹 吉野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃に対する耐性の向上や軽量化とともに、
省電力化、及び製造コストの低減を図ることができる微
小発熱表示部材及び該部材を備えた表示装置を提供す
る。 【構成】 基体7上に感熱体層5を積層し、更に複数の
Y電極3aとX電極3bが略平行に配列したマトリック
ス電極3を交差領域に絶縁層4を挾んで積層し、マトリ
ックス電極3の開口部に、両電極の交差領域を避け、感
熱体層5に接触し、かつ、それぞれ異なるY電極3a及
びX電極3bに接続するように発熱体層2を積層して表
示部材1を構成する。発熱体層2には狭小部2aを設け
てもよい。X電極3bには短パルス電圧からなる画像表
示用電圧を、Y電極3aには走査用電圧を印加する。次
画面の表示の際に可視変化を起こさない画素の発熱体層
2には電流を供給しなくてもよい。表示部材1の外周部
に外枠11を取り付け、スタンド12に着脱自在に装着
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面内に分布する各微
小領域における発熱を制御できるように構成した微小発
熱部材、該微小発熱部材の発熱体に接触又は近接させて
感熱体を設けた微小発熱表示部材、及び該微小発熱表示
部材を備え、プリンタ、ファックス、その他情報機器等
からの情報の表示を行う表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、数字、英字、かたかな、簡単な図
形等を表示するパネル状の表示装置として、発光ダイオ
ード(LED)、プラズマ(PDP)、蛍光表示管(V
DF)、液晶(LCD)、強誘電液晶(FLCD)等を
利用した表示装置が実用化され、又は実用化されようと
している。また、特開昭60−208787号公報で
は、熱によって変色する可逆性のサーモクロミック材料
による示温材層上に透明電極からなる発熱体を形成し、
該発熱体にX電極とY電極を接続した表示装置が提案さ
れている。また、特開平2−87号公報では、熱によっ
て白濁と透明の可視的状態が変化する感熱体を電極で挾
み、該感熱体に選択的に電流を流し、その際に発生する
ジュール熱により該感熱体の光透過率を選択的に変化さ
せて透過光量を制御することにより画像を得る表示装
置、及び感熱体に近接して複数色の画素で形成した着色
層を設けた表示装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記LED
等を利用した従来の表示装置では、該表示装置に用いる
部材または素子を製造する際に、クリーンルームや結晶
成長などの設備が必要であって、製造コストが高くなる
という問題がある。また、上記PDP,LCD,FLC
Dを利用した表示装置では、表示部材としてのガラス板
間に発光する気体や液晶等の液状物質を封入してガラス
板の平行度を保持し、また、上記VDFを利用した表示
装置では、真空度を保持したりする必要があるので、衝
撃に対して表示のための特性を確保するのが容易でな
く、損傷のおそれもあり、また、ガラス板を使うことに
より重量が増加するという問題もある。また、上記特公
昭60−208787号公報で提案された表示装置にお
いては、X電極とY電極が同一平面内にないので、両電
極に挾まれた示温材層にスルーホールを形成してX電極
をY電極側に設けた透明電極からなる発熱体に接続する
必要があり、製造コストが高くなってしまうという不具
合がある。また、感熱体である示温材層が電極間の絶縁
体でもあるので、材料の選択の幅が狭くなってしまうと
いう不具合もある。また、上記特公昭60−20878
7号公報又は上記特開平2−87号公報で提案された表
示装置においては、電極によって挾まれた感熱体におい
てピンホールなどの欠陥によりリーク電流が流れ、発熱
体としての上記透明電極又は発熱体を兼ねた上記感熱体
での発熱効率が低下するおそれがある。本発明は以上の
問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、衝撃に
対する耐性の向上や軽量化とともに、省電力化、及び製
造コストの低減を図ることができる微小発熱部材、微小
発熱表示部材及び該部材を備えた表示装置を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、複数の線状の電極が略平行に
配列した第1電極群と、複数の線状の電極が略平行に配
列し、該第1電極群に対して交差するように配置された
第2電極群と、該第1電極群の電極と該第2電極群の電
極の交差箇所毎に、両電極間を絶縁するように設けられ
た絶縁体と、該第1電極群の電極と該第2電極群の電極
とで区画されるマトリクス領域毎に、該第1電極群の電
極及び該第2電極群の電極に接続するように設けられた
発熱体とを備えたことを特徴とする微小発熱部材であ
る。
【0005】請求項2の発明は、請求項1の微小発熱部
材において、上記発熱体を、上記マトリックス領域にお
いて少なくとも一つの狭小部を有するように設けたこと
を特徴とするである。
【0006】請求項3の発明は、複数の線状の電極が略
平行に配列した第1電極群と、複数の線状の電極が略平
行に配列し、該第1電極群に対して交差するように配置
された第2電極群と、該第1電極群の電極と該第2電極
群の電極の交差箇所毎に、両電極間を絶縁するように設
けられた絶縁体と、該第1電極群の電極と該第2電極群
の電極とで区画されるマトリクス領域毎に、該第1電極
群の電極及び該第2電極群の電極に接続するように設け
られた発熱体と、該発熱体に接触又は近接させて設けら
れた感熱体とを備えたことを特徴とする微小発熱表示部
材である。
【0007】請求項4の発明は、請求項3の微小発熱表
示部材において、上記発熱体と上記感熱体との間に空気
層を設けたことを特徴とするものである。
【0008】請求項5の発明は、加熱によって可視的状
態が変化し、加熱終了後において加熱時の可視的状態が
保持される感熱体を有する微小加熱表示部材を備えた表
示装置において、表示中の画面の表示データと次に表示
する次画面の表示データとの差異に基づいて、該次画面
で加熱駆動画素を判断し、該次画面の表示の際に該加熱
駆動画素の発熱体のみに駆動電流を供給するように制御
する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】請求項6の発明は、請求項5の表示装置に
おいて、上記制御手段を、上記第1の電極群の電極に画
面走査用の第1の電圧を印加し、上記第2の電極群の電
極に、短パルス電圧波形の組み合わせからなる画像表示
用の第2の電圧を該第1の電圧に同期させて印加するよ
うに構成したことを特徴とするものである。
【0010】請求項7の発明は、基体上に少なくとも走
査及び信号電極を有し、外枠で補強され、かつ、外部と
の電気的な接続のための第1の電気接点部を設けた微小
発熱表示部材と、該第1の電気接点部に接触するように
設けられた第2の電気接点部を有し、該微小発熱表示部
材を保持する保持部材とを備えたことを特徴とする表示
装置である。
【0011】請求項8の発明は、請求項7の表示装置に
おいて、上記微小発熱表示部材と上記保持部材とを着脱
自在に構成したことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1の発明においては、上記第1電極群の
電極と上記第2電極群の電極とで区画されるマトリクス
領域毎に設けられた上記発熱体を、上記第1電極群の電
極と上記第2電極群の電極の交差箇所毎に設けられた絶
縁体のない該第1電極群の電極及び該第2電極群の電極
へ直接に接続できるようになるので、従来のようにスル
ーホール等も設けて電極と発熱体との接続を行なう必要
がなく、各電極、発熱体、絶縁体を略同一平面上に順次
積み重ねるように積層して形成することができる。
【0013】また、請求項2の発明においては、上記発
熱体のそれぞれを、上記第1の電極群の電極と上記第2
の電極群の電極とによって形成される開口部において少
なくとも一つの狭小部を有するように設けることによ
り、該狭小部において高い温度の発熱点を形成し、昇温
を早める。
【0014】また、請求項3の発明においては、上記発
熱体に接触又は近接して感熱体を設けることにより、該
発熱体から該感熱体への熱伝達がよくなり、効率良く感
熱体を昇温させる。
【0015】また、請求項4の発明においては、上記発
熱体と上記感熱体との間に空気層を設けることにより、
該感熱体の背面に位置する該発熱体の色の影響を受けな
いようにして、上記白濁又は発色の直視状態でのS/N
比を高くする。また、極度に高い温度に加熱された該発
熱体の熱が該感熱体へ伝達されないようにして、該感熱
体の熱ダメージを防止する。
【0016】なお、上記感熱体としては、加熱によって
可視的状態が変化し、加熱終了後において加熱時の可視
的状態が保持されるものがある。このような感熱体を情
報の書き込みとその消去が繰り返しができるようにシー
ト状またはカード状にしたものの可視的変化の状態を図
2(a)及び(b)に示す。図2(a)の特性図の縦軸
は感熱体の透明、白濁等の可視的状態を示し、横軸は感
熱体の温度を示している。最初に白濁状態Aにある感熱
体を、室温から温度T1まで昇温すると、感熱体は透明
状態Bになる。この温度T1にある感熱体を室温まで下
げると、透明状態Bが保持される。一方、温度T1から
感熱体の温度を更に昇温して温度T2にした後、室温近
傍に感熱体の温度を下げると、温度T0以下から白濁状
態Aになり、室温では白濁状態Aが保持される。このよ
うに感熱体の温度を温度T1又はT2に昇温した後、感
熱体の温度を室温に戻すことにより、可視的な二つの状
態(白濁状態A,透明状態B)を確保できる。
【0017】また、図2(b)に別の感熱材料による感
熱体の特性を示す。図2(b)の特性図の縦軸は感熱体
の消色、発色等の可視的状態を示し、横軸は感熱体の温
度を示している。最初に消色状態Cにある感熱体を室温
から温度T1’を通過してT2’まで昇温すると、感熱
体は発色状態Dになる。この温度T2’にある感熱体を
室温まで下げると、発色状態Dが保持される。一方、温
度T0’以下で室温近傍の発色状態Dにある感熱体を、
温度T0’を通過し温度T1’まで昇温すると、破線で
示すように濃度が下がり消色状態Cになり、再度、感熱
体の温度を室温に下げると消色状態Cが保持される。温
度T1’で消色状態Cにある感熱体を更にT2’まで昇
温すると、感熱体は発色状態Dになり、室温に下げても
発色状態Dが保持される。
【0018】そこで、請求項5の発明においては、上記
制御手段で、表示中の画面の表示データと次に表示する
次画面の表示データとの差異に基づいて、該次画面で加
熱駆動画素を判断し、該次画面の表示の際に該加熱駆動
画素の発熱体のみに駆動電流を供給するように制御する
ことにより、可視変化を起こさせる必要のない画素に対
応する発熱体には電流を供給しないようにする。
【0019】また、請求項6の発明においては、上記第
1の電極群の電極に画面走査用の第1の電圧を印加し、
上記第2の電極群の電極に、短パルス電圧波形の組み合
わせからなる画像表示用の第2の電圧を該第1の電圧に
同期させて印加することにより、該短パルス電圧波形の
個数、電圧値等で上記発熱体の発熱温度及び該発熱体に
よる上記感熱体の加熱温度を制御できるようになる。
【0020】また、請求項7の発明においては、基体上
に少なくとも走査及び信号電極を有し、外枠で補強さ
れ、かつ、外部との電気的な接続のための第1の電気接
点部を設けた微小発熱表示部材と、該第1の電気接点部
に接触するように設けられた第2の電気接点部を有し、
該微小発熱表示部材を保持する保持部材とを備えること
により、表示装置の構成を簡単にする。
【0021】また、請求項8の発明においては、上記微
小発熱表示部材及び上記保持部材を着脱自在に構成する
ことにより、操作性を向上させる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を微小発熱表示部材及び該表示
部材を備えた表示装置に適用した一実施例について説明
する。図1(a)乃至(h)は、本実施例に係る発熱体
層2の構成例を示す平面図である。図1(a)乃至
(h)の各構成例においては、複数の線状のY電極3a
が略平行に配列した第1の電極群と複数の線状のX電極
3bが略平行に配列した第2の電極群とを、互いに交差
するように配置したマトリックス電極3が形成されてい
る。また、感熱体層5を加熱する発熱体層2が、Y電極
3aとX電極3bとで区画されるマトリックス領域毎に
配置され、Y電極3a及びX電極3bに接続されてい
る。また、Y電極3aとX電極3bの交差箇所毎に、両
電極間を絶縁するように設けられた絶縁体層4が設けら
れている。
【0023】図1(a)の構成例は、発熱体層2をマト
リックス電極3の開口部のほぼ面積一杯に形成し、マト
リックス電極3の交差箇所に重ならないように切り欠い
た構造になっている。この理由は、マトリックス電極3
の交差箇所に発熱体層2を積層すると、Y電極3aとX
電極3bとの間の沿面距離が短くなって、漏洩電流や放
電による電流などが流れ、発熱効率が低下するからであ
る。なお、X電極3bと発熱体層2との間に絶縁体層を
介在させて積層した構造で、Y電極3aとX電極3bと
の間の沿面距離を長くし、上記漏洩電流などを防止する
こともできるが、この場合には、X電極3bと発熱体層
2との間に絶縁体層を積層する工程が必要となってく
る。また、図1(b),(c)の構成例は、発熱体層2
の1箇所に狭小部2a(図中の矢印で挾み表示した部
分)を設け、狭小部2aを電極の開口部のほぼ中央位置
に配置した例である。この狭小部2aは、発熱体層2中
の電流密度が大きくなる部分であり、温度も高くなりや
すい。また、図1(d)乃至(f)の構成例は、発熱体
層2の2箇所以上に狭小部2aを設けた例である。な
お、図1(d)及び(f)の構成例は、発熱体層2の内
部の一部を切り欠いて狭小部2aを形成している。ま
た、図1(g)の構成例は、細線が蛇行したパターンを
電極の開口部に均一に分布するように発熱体層2を形成
した例である。また、図1(h)の構成例は、2パター
ンの個別の細線を電極の開口部において均一に発熱する
ように発熱体層2を形成した例である。なお、本構成例
の場合には、発熱体層2の2パターンの細線のそれぞれ
を、異なる材料を用いて抵抗値が異なるように設計する
こともできる。なお、図1(b)及び(c)の構成例で
は、発熱体層2の狭小部2aが電極の開口部の中央部に
1箇所だけ設けられているが、この構成は開口部の縦、
横の寸法比が1:1である場合に有効である。開口部の
縦、横の寸法比が1:1でない場合には、発熱体層2の
狭小部2aを2箇所以上形成して開口部内に分布させる
ことにより、発熱点が拡散させることができ、開口部の
面積が広くても比較的均一に加熱されるものである。
【0024】図3は、図1(a)の一点鎖線で示した破
断面E−Eを矢印の方向から見た微小発熱表示部材1の
断面図である。発熱体層2を電極の開口部に形成してい
るので、発熱した発熱体層2の加熱によって可視的状態
が変化する感熱体層5に直接接触できるように、発熱体
層2を形成することができる。また、図3に示すよう
に、最上層に保護層6を設けてもよい。
【0025】図4は、図3の微小発熱表示部材1の斜視
図である。発熱体層2、マトリックス電極3及び感熱体
層5は、基体7上に形成される。この基体7の材料とし
ては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリアセテート等のプラスチックフィルム等を
用いることができる。また、基体7上の感熱体層5は、
後に述べる樹脂母材中に分有機低分子物質が散された材
料からなり、塗布での成膜が可能である。成膜された感
熱体層5上に、X電極3b、XY電極間絶縁層4、発熱
体層2、Y電極3aの順に、各構成の機能に合致した材
料が重ねられる。電極3a,3bと発熱体層2との接合
部には、導通性と接着性を向上させるための接着層を設
けてもよく、また、感熱体層5の上面に接着層を設けて
もよい。上記発熱体層2、電極3a,3b等は、印刷、
蒸着、スッパッタリング、ホトリソグラフィ、スプレイ
塗布の工法で作成される。
【0026】上記微小発熱表示部材1を備えた表示装置
10では、図3に示すように、ユーザは基体7側から感
熱体層5に書き込まれた情報を見ることになる。感熱体
層5が透明と白濁の可視的状態の変化を起こす材料であ
る場合に、ユーザから見て感熱体層5の背面に位置する
発熱体層2の色が、感熱体層5の白濁度合を低下させる
ことがある。このような場合には、感熱体層5と発熱体
層2との間に空気層を設けることにより、感熱体層5の
白濁度合が低下することなく、可視的状態の変化の際の
S/N比を向上させることができる。この空気層は、例
えば、10μm〜300μmの球形が揃った樹脂球やガ
ラス球を感熱体層5と発熱体層2との間のスペーサと
し、このスペーサを接着で固定することにより形成でき
る。
【0027】また、カラー表示の微小発熱表示部材1を
構成するには、例えば、透明状態及び白濁状態を取り得
る感熱体層5を用いた場合は、電極の各開口部におい
て、基体7上に感熱体層5、着色層、発熱体層2をこの
順序で形成する。このときの空気層は、着色層と感熱体
層5との間に設けられる。また、例えば、発色状態及び
消色状態を取り得る感熱体層5を用いた場合には、電極
の各開口部において、基体7上に感熱体層5、及び発熱
体層2を形成する。ここで、各開口部に形成される各色
(例えば赤、青、緑の組み合わせ)に発色する感熱体層
5は、同じ色が隣り合わないように、例えば、ストライ
プ状又はマトリックス状に配置される。
【0028】上記発熱体層2の材料としては、金属のほ
う化物でランタン、バナジウム、クロム、モリブデン、
チタン、タンタル、ハフニウム、ジルコニウム等を用い
ることができる。その他、タンタル−SiO2の混合
物、窒化タンタル、ニクロム、銀−パラジウム合金、シ
リコン半導体等も用いることができる。このような材料
を蒸着やスパッタリング等で所望の形状に成形しながら
発熱体層2を形成する。また、樹脂にカーボンを分散し
たものを薄層に塗布することによっても、発熱体層2を
形成することができる。また、透過型の微小発熱表示部
材を構成する場合には、発熱体層2は透明である必要が
あり、酸化錫インジウム(ITO)等を使用することが
できる。また、ニッケルクロムやステンレスの金属を電
着によって、又は金属箔に成型することによって薄層の
発熱体層2を形成したり、微量の希土類元素を加え焼き
固めたセラミック半導体を薄層の発熱体層2に用いるこ
ともできる。
【0029】透明と白濁の可視的状態の変化を起こす上
記感熱体層5は、樹脂母材、樹脂母材中に分散された有
機低分子物質、溶剤等によって構成され、有機低分子物
質の粒子の粒径は0.1μm〜5μm程度に設定されて
いる。この粒子の結晶状態が多結晶であれば入射光が多
結晶で散乱し、上記白濁状態Aになり、一方、上記粒子
の結晶状態が比較的大きな結晶となれば、入射光が結晶
で散乱することなく上記透明状態Bになる。
【0030】上記樹脂母材として用いられる樹脂は、皮
膜またはシートを形成することができ、透明性がよく、
かつ、機械的に安定なものが好ましい。このような樹脂
としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合
体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル
系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩
化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステ
ル;ポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタクリレー
ト;アクリレート−メタクリレート共重合体;シリコー
ン樹脂等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上
を混合して使用される。
【0031】上記有機低分子物質は、感熱体層5におい
て熱により多結晶から単結晶に変化するものでよい。一
般に、50〜150℃で変化するものを選択するのが好
ましい。このような材料としては、アルカノール;アル
カンジオール;ハロゲンアルカノール又はハロゲンアル
カンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;
アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロ
ゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シク
ロアルキン;飽和又は不飽和モノ又はジカルボン酸、又
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和
又は不飽和ハロゲン脂肪酸、又はこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸、又はこれ
らのエステル、アミドまたはアンモニウム塩;ハロゲン
アリルカルボン酸、又はこれらのエステル、アミドまた
はアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸、
又はこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム
塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙げられ
る。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用され
る。これらの有機化合物の炭素数は10〜38、特に1
0〜30が好ましい。
【0032】また、溶剤は、上記樹脂母材及び上記有機
低分子物質の種類によって種々選択できるが、例えば、
テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノー
ル、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
【0033】上記樹脂母材と有機低分子物質との割合
は、重量比で2:1〜6:1がより好ましい。樹脂母材
の比率が低すぎると、有機低分子物質を樹脂母材中に保
持した膜を形成することが困難になり、逆に樹脂母材の
比率が高すぎると、不透明の度合が少なくなり、コント
ラストがとれなくなる。
【0034】また、透明と白濁の可視的状態の変化を起
こす感熱体層用いてカラーの微小発熱表示部材を構成す
る際に用いる上記着色層の形成にあたっては、染料と若
干の樹脂成分、パラフィン等を溶剤に分散又は溶解して
印刷する方法や、ホットメルト法、溶剤分散塗布法、又
はスプレー塗布法等が採られる。
【0035】次に、上記感熱体層が青、緑又は赤の発色
状態、及び消色状態を取り得る場合の材料について述べ
る。この感熱体層の材料は、発色剤、顕色剤、バインダ
等で構成される。発色剤としては、トリフェニルメタン
フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジ
ン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフ
タリド系化合物から、青、緑、赤に発色するそれぞれひ
とつの化合物が選択される。また、顕色剤としては、長
鎖アルキルホスホン酸、長鎖アルキルマロン酸、長鎖ア
ルキルリンゴ酸からひとつが選択され、樹脂及び溶剤で
分散させて塗布液とし、電極3上や電極3の間、または
発熱体層2の周囲に、スクリーン印刷法、スプレー法、
ワイヤーバー等の方法で塗布をする。
【0036】青色に発色する発色剤の材料の具体例とし
ては、3、3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3、3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド、3、3−ビス(P−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド
等が挙げられる。また、緑色に発色する発色剤の材料の
具体例としては、2−ジベンジルアミノ−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミ
ノ−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−ニチル−P−トルイジノ)フ
ルオラン等が挙げられる。また、赤色に発色する発色剤
の材料の具体例としては、1−メチル−3−メチル−6
−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、1−メチル−
3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラ
ン、2−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−n
−アミルアミノ)フルオラン、2−メチル−6−(N−
エチル−P−トルイジノ)フルオラン、1、2−ベンゾ
−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラ
ン等が挙げられる。
【0037】また、上記顕色剤の具体例としては、長鎖
アルキルホスホン酸では、ドデシルホスホン酸、テトラ
デシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデ
シルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホス
ホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホ
ン酸、オクタコシルホスホン酸等が挙げられ、また、長
鎖アルキルリンゴ酸では、ドデシルリンゴ酸、テトラデ
シルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデシルリ
ンゴ酸、エイコデシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、テ
トラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラデ
シルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オクタ
デシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコシ
ルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ドデシル
ジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキサ
デシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ酸、
エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、
テトラコシルジチオリンゴ酸等が挙げられ、また、長鎖
アルキルマロン酸では、トデシルマロン酸、テトラデシ
ルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロ
ン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラ
コシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラデシル
マロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマ
ロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、
メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシルマロン
酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシルマロ
ン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルオクタデシ
ルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシ
ルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等が挙げられ
る。
【0038】以上列挙した材料での、赤色への発色状態
と消色状態とを繰り返す感熱体層の材料の組成の一例を
次に示す。 1−メチル−3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン 3部 オクタデシルホスホン酸 9部 塩ビ−酢ビ共重合体(VYHH、ユニオンカーバイト社製) 10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部
【0039】この組成の液体を、ボールミルにて粒径1
μ〜4μになるように粉砕、分散して塗布液とする。こ
れをスクリーン印刷法、スプレー法、ワイヤーバー等の
方法で塗布をして、5μ〜15μの層厚に成膜する。緑
色又は青色の感熱体層を形成するには、ロイコ染料のみ
を変えて、他の組成は同じ塗布液と塗布方法で成膜でき
る。成膜された各色の感熱体層は、発色のロイコ染料が
変わっても、発色温度はいずれも100℃以上で発色を
開始して、120℃〜180℃で最高濃度が得られる。
消色温度はいずれも60℃〜90℃で、最低濃度になる
のは70℃〜80℃である。各色の発色濃度は反射濃度
計の測定で、青色が1.0〜1.5、緑色が1.3〜
1.8、赤色が1.5〜2.0となる。消色時の各色の
反射濃度は0.15〜0.5になり、消去後の濃度を
0.2〜0.3にすることができる。
【0040】次に、上記構成の微小発熱表示部材1の発
熱体層2への通電を制御する駆動制御部としての構成例
について説明する。本実施例では、上記ストライプ状の
X電極3b、Y電極3aを介した発熱体層2への通電を
制御するための駆動制御部に単純マトリックス駆動方式
を採用している。また、前に説明したように、感熱体層
は1度可視状態が変化する温度を与えると、室温ではそ
の状態が維持されるため、本実施例では、可視状態を変
化させたい感熱体層のみを加熱するように構成してい
る。
【0041】図5(a)及び(b)は、5×7のマトリ
ックスで「T」と「C」の文字を表示する例をそれぞれ
示している。マトリックスの位置はX1〜X5、Y1〜
Y7で指定され、X1Y1、X2Y1等が各々1画素で
ある。例えば、「T」の文字では、Y1の列がX1〜X
5まで透明状態になり、また、「C」の文字では、Y1
の列がX2〜X4まで透明状態になる。「T」から
「C」に文字表示が変わる状態をY1の列で説明する
と、X1、X5が可視的状態の変化を起こさせるように
各画素の発熱体層2への通電を制御する。
【0042】図6は、単純マトリックスでのY電極(走
査電極)3aに印加する電圧を順次走査し、X電極(信
号電極)3bで画像信号に基づいた制御をする概略図で
ある。発熱体層は抵抗マークで示され、ひとつの抵抗マ
ークが1画素に対応し、例えば、図2(a)乃至(f)
の形状のいずれか一つの発熱体層が選択されて形成され
ている。図6中の画像信号駆動回路8には、画像データ
信号の入力の他に、データ転送クロック(CLK)、レ
ジスタへのタイミングを与えるラッチパルス(LP)、
X電極3bに印加する電圧のレベルを指定する信号(V
S)等が入力される。また、走査駆動回路9には、回路
に内蔵されているシフトレジスタに順次転送されるため
のクロック(YCLK)、Y電極3aの1選択時間毎に
回路に与えられるクロック(LCLK)、Y電極3aを
選択する選択信号(Y1)、Y電極3aに印加する電圧
の状態を指定する信号(VC)等が入力される。ここ
で、現表示の「Y」の文字から次表示の「C」の文字へ
表示を変える際に、例えば、Y1の列のX1、X5の画
素の感熱体層5のみ可視的状態に変化を起こさせるよう
に制御するためには、図5(a)の現表示データと図5
(b)の次表示データとの表示データの差異に基づいて
Y電極3a及びX電極3bに電圧を印加しなければなら
ない。
【0043】図7は、現表示データと次表示データとの
差異を検知して、Y電極3a及びX電極3bへ印加する
電圧を制御する制御手段としての制御回路10の一例を
示すブロック図である。この制御回路10へはパソコ
ン、CD、ファックス等からの画像のデジタル信号がデ
ータとして入力される。図7の制御回路10において、
入力制御回路10aは、例えばパソコンから送られて来
る水平、垂直同期信号(HD、VD)、クロック(CL
K)と出力制御回路10bからの信号に基づいて、ライ
ンメモリ10c、表示データ用フレームメモリ10d、
参照用フレームメモリ10eへのデータ書き込みを制御
する回路である。また、表示データ用フレームメモリ1
0dは、先のパソコンから送られる1画面分の表示デー
タを保持するメモリである。この表示データ用フレーム
メモリ10dからは、現表示の画面(図5(a))に表
示されている表示データと、次表示の画面(図5
(b))で表示される表示データとの差異の信号となる
データ(RX)が、ラインメモリ10c及び参照用フレ
ームメモリ10eに出力される。また、ラインメモリ1
0cは、表示データ用フレームメモリ10dから出力さ
れるデータRXに基づき、図6の各発熱体層2の各画素
において、現表示の画面の表示データと次表示の画面の
表示データとの間で差異があるかどうかを判断し、各走
査ラインにおいて1つでも上記差異があるか否かの信号
であるライン差異識別データを各Y電極(走査電極)3
a別に保持するためのメモリである。このメモリの保持
のため、それぞれ1ビットの記録領域が準備される。ま
た、参照用フレームメモリ10eは、表示データ用フレ
ームメモリ10dから出力される1画面分のデータRX
を保持するためのメモリである。また、出力側の駆動制
御回路10fは、表示データ用フレームメモリ10dか
ら与えられるデータDOと、参照用フレームメモリ10
eから与えられるデータDREに基づき、図6の各発熱
体層2の駆動を制御するために画像信号駆動回路8及び
走査駆動回路9へ駆動信号等を出力する信号出力回路で
ある。
【0044】図8は、Y電極(走査電極)3aとX電極
(信号電極)3bに印加する電圧波形の一例を示す説明
図である。図8(a)の信号YS の波形は、走査駆動回
路12で制御されるY電極に順次印加される電圧の波形
であり、また、図8(b)乃至(e)の信号XS1〜XS4
の波形は、X電極(信号電極)3bに印加される短パル
ス電圧の波形である。ここで、信号YSの電圧V1と信
号XS1 〜XS4の電圧V1とは同じ値に設定され、Y電
極(走査電極)3aに図8(a)の電圧を印加しなが
ら、X電極(信号電極)3bに図8(b)乃至(e)の
電圧をすると、各発熱体層2にはそれぞれ図8(f)乃
至(i)のHS1〜HS4の電圧が印加されることになる。
図8(f)の電圧波形HS1は、Y電極(走査電極)3a
とX電極(信号電極)3bとの間に電位差が生じない場
合であり、発熱体層2は発熱せず、感熱体層5には可視
的状態変化は生じない。また、図8(g)の電圧波形H
S2は、発熱体層2が低い温度に加熱される一例であり、
感熱体層5の可視的状態変化が透明または消色するもの
である。また、図8(h)又は(i)の電圧波形HS3、
HS4は、発熱体層2が高い温度に加熱され例であり、感
熱体層5の可視的状態変化が白濁または発色するもので
ある。このように、発熱体に印加されるパルス電圧が、
X電極に印加される電圧波形で、種々の発熱体の昇温状
態になる事を示している。昇温状態は表示装置とした場
合、装置の周辺部などで高めの温度を要求する際の制御
で有効になる。
【0045】図5(a)及び(b)に示す「T」と
「C」の文字を表示する例でY1の列で説明すると、
「T」の文字においてはX1〜X5までの画素は透明状
態であり、「C」の文字においてはX2〜X4までの画
素が透明状態になる。「T」から「C」に表示を変えよ
うと、X1及びX5の画素が可視的状態の変化、即ち透
明から白濁状態を起こさせるように制御される。従っ
て、Y1の電極にYsの電圧が印加され、X2〜X4の
電極にはXS1の電圧が印加されることにより、発熱体層
2は発熱せずに感熱体層5の可視的状態は保持される。
また、X1、X5の電極にはXS3またはHS4の電圧が印
加されることにより、発熱体層2が発熱して感熱体層5
の可視的状態が変化する。なお、走査電極列ですべての
画素の感熱体層5の可視的状態の変化がなければ、その
走査電極列には電圧を印加しないで、走査を行うことが
出来る。
【0046】上記発熱層2の発熱は通電の際の電流量や
通電時間で制御できる。X電極(信号電極)3bに印加
される電圧は、パルス電圧で複数のパルス数が与えられ
る。図2に示すように。感熱体層5を透明又は消色状態
に変化させる温度が、白濁又は発色状態に変化させる温
度より低いが、透明または消色状態に変化させる際に、
白濁または発色させるパルス電圧より低い電圧で、かつ
パルス数を多く又はパルス時間を長くして印加すること
で、透明又は消去状態への変化をより確実に実行でき
る。
【0047】また、上記感熱体層面に温度センサを1箇
所乃至複数箇所設けてもよく。この場合には、温度セン
サで検知された温度を、発熱体層2への通電の電流量や
通電時間にフィードバックするように制御が行われるこ
とにより、最適な白濁、透明状態、又は発色、消色状態
への変化が実行される。また、微小発熱表示部材1の全
ての画素の感熱体層5を初期化(全て白濁、透明、又は
消色状態)する際には、電源のON時、OFF時、また
は画面消去信号(制御回路10に内蔵するか、パソコン
からの信号)に基づいて、画素の全てに対応する発熱体
層2を発熱させる。電源のOFF時又は画面消去信号で
機動する際は、先に説明した図7の制御回路10を利用
できる。
【0048】図9は、上記微小発熱表示部材1を備えた
表示装置の構成の一例を示している。本例では、制御装
置14に内蔵された図7の制御回路10をパソコン15
に接続している。外枠11で補強した図4の微小発熱部
材1は、着脱自在の保持部材であるスタンド12で保持
され、観察面の角度の可変もできるようになっている。
スタンド12は制御装置14と微小発熱表示部材1との
間のの電気信号の中継点も兼ねている。図10は、図9
の破断面F−Fを矢印の方から見た断面図である。微小
発熱表示部材1は外枠11に固定され、通気口11bを
形成するための間隙を有する外枠裏面部11aまで含め
て保護されている。外枠11に囲まれた微小発熱表示部
材1の周囲辺は、X、Y電極3a,3bの配線と画像信
号駆動回路8及び走査駆動回路9が形成されており、外
枠11は該配線及び該回路を保護する役目もある。微小
発熱表示部材1からの配線は、外枠11側の電気接点部
材11c、スタンド12側の電気接点部材12a、スタ
ンド12内のリード線12b、ケーブル13等を介し
て、制御装置14内の制御回路10に接続される。ま
た、外枠11に固定された微小発熱表示部材1をスタン
ド12に装着した際には、バネ12cで付勢されること
により、スタンド12に固定されている。また、外枠裏
面部11aと微小発熱表示部材1の間には、微小発熱表
示部材1を冷却し、又は該部材1の温度の高まりを防止
するヒートシンク16が介在している。また、本実施例
では、外枠裏面部11aは、外気がヒートシンク16や
微小発熱表示部材1に流れるように通風孔11bが設け
られた形状になっているが、全面カバーされる形状にす
ることもできる。
【0049】上記ヒートシンク16は、送風された気流
が流れる間隙を有するように構成したり、冷却媒体が循
環するような冷却部材を部分的にまたは全面に微小発熱
表示部材1の裏面に接触するように構成したりすること
ができる。冷却部材としては、ヒートパイプや、多層の
プラスチックフィルムパックに液体の冷却媒体、例えば
パーフロロカーボン液を充填した部材を用いることがで
きる。また、この冷却部材は、液体の冷却媒体を入れた
フィルムパックの大きさを横方向に幾つか分け、微小発
熱表示部材1の裏面を覆うようにすると、ヒートシンク
16の効率が向上する。
【0050】以上、本実施例によれば、基体7上に、感
熱体層5、X電極3b、絶縁体層4、Y電極3a、発熱
体層2の各層を順次積み重ねるように積層して形成する
ことができ、従来のようにスルーホール等も設けて電極
と発熱体層2との接続を行なう必要がないので、製造コ
ストを下げることができる。また、絶縁体層4の材料と
発熱体層2の材料とを独立にそれぞれの機能に応じて選
択することができるので、発熱体層2等の材料の選択の
幅が広がる。また、ガラス板を使う必要がないため、衝
撃に対して破損の危険性が少なく、画像表示のための特
性を確保するのが容易になり、表示装置としての重量を
軽減できるので、落下のトラブルに対して破損が少な
く、搬送性に有利になる。
【0051】また、本実施例によれば、発熱体層2の狭
小部2aにおいて高い温度の発熱点を形成し、昇温を早
めることができるので、発熱体層2を効率よく発熱させ
ることができ、省電力化を図ることができ、また、電極
間の開口部において狭小部2aを二つ以上点在させるこ
とにより、高い温度の発熱点を点在させ、ムラのない昇
温が可能となるので、微小発熱表示部材1の各画素の面
内における均一な温度上昇を達成できる。
【0052】また、本実施例によれば、発熱体層2に接
触又は近接して感熱体層5を配置することにより、発熱
体層2から感熱体層5への熱伝達がよくなり、効率良く
感熱体層を昇温させることができるので、省電力化を図
ることができる。
【0053】また、本実施例によれば、次画面の表示の
際に可視変化を起こさせる必要のない画素に対応する発
熱体層2には電流を供給しないので、表示スピードの向
上及び省電力化を図ることができる。
【0054】また、本実施例によれば、X電極3bに印
加する画像表示用電圧の短パルス電圧波形の個数、電圧
値等を変化させることにより、発熱体層2の発熱温度及
び発熱体層2による感熱体層5の加熱温度が制御しやす
くなるので、画素の位置や発熱体層2の抵抗値のバラツ
キによる温度ムラが減少させ、白濁、又は発色の濃度を
一定にでき、画質の均一性を向上させることができる。
【0055】また、本実施例によれば、外枠11を取り
付けた微小発熱表示部材1をスタンド12に装着して構
成することにより、表示装置の構成が簡単になり、製造
コストを低減でき、また、外枠11を取り付けた微小発
熱表示部材1とスタンド12が着脱自在なので、携帯
性、及び表示部材の交換の際の操作性を向上させること
ができる。
【0056】また、本実施例によれば、外部からの光を
反射させたり透過させたりする受光型の微小発熱表示部
材1であるので、発光型の表示部材とは異なり、ユーザ
の視覚的な疲労が少なくなる。
【0057】なお、本実施例では、微小発熱部材に感熱
体層5を設けた微小発熱表示部材1について説明してき
たが、本発明は、感熱体層5を設けないでマトリックス
電極3、及びその電極3に接続した発熱体層2によって
構成される微小発熱部材を他の用途に用いる場合にも適
用できるものである。
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上記電極、上
記絶縁体、及び上記発熱体を同一平面上に順次積み重ね
るように積層して形成することができ、従来のようにス
ルーホール等も設けて電極と発熱体との接続を行なう必
要がないので、製造コストを下げることができるという
効果がある。また、ガラス板を使う必要がないため、衝
撃に対して破損の危険性が少なく、画像表示のための特
性を確保するのが容易になり、表示装置としての重量を
軽減できるので、落下のトラブルに対して破損が少な
く、搬送性に有利となるという効果がある。
【0059】また、請求項2の発明によれば、上記発熱
体の狭小部において高い温度の発熱点を形成し、昇温を
早めることができるので、発熱体を効率よく発熱させる
ことができ、省電力化を図ることができ、また、電極間
の開口部において該狭小部を二つ以上点在させることに
より、高い温度の発熱点を点在させ、ムラのない昇温が
可能となるので、微小発熱部材の各発熱単位の面内にお
ける均一な温度上昇を達成できるという効果がある。
【0060】また、請求項3の発明によれば、上記感熱
体の各微小面積部を上記発熱体によって加熱制御して可
視的状態を変化させ、該感熱体への画像情報の書き込
み、書き換えを行ことができ、更に、該発熱体に接触又
は近接して該感熱体を配置することにより、該発熱体か
ら該感熱体への熱伝達がよくなり、効率良く感熱体を昇
温させることができるので、省電力化を図ることができ
るという効果がある。また、該絶縁体の材料と該感熱体
の材料とを独立にそれぞれの機能に応じて選択すること
ができるので、該発熱体等の材料の選択の幅が広がると
いう効果がある。また、外部からの光を反射させたり透
過させたりする受光型の微小発熱表示部材であるので、
発光型の表示部材とは異なり、ユーザの視覚的な疲労が
少なくなるという効果がある。
【0061】また、請求項4の発明によれば、上記空気
層により、該感熱体の背面に位置する該発熱体の色の影
響を受けず、上記白濁又は発色の直視状態でのS/N比
が高くなり、感熱体の層厚を薄くできるという効果があ
り、また、極度に高い温度に加熱された該発熱体の熱が
該感熱体への熱伝達しないようになり、該感熱体の熱ダ
メージが防止され、表示部材の耐久性が向上するという
効果がある。
【0062】また、請求項5の発明によれば、次画面の
表示の際に可視変化を起こさせる必要のない画素に対応
する発熱体には電流を供給しなくていいので、表示スピ
ードの向上及び省電力化を図ることができるという効果
がある。
【0063】また、請求項6の発明によれば、上記画像
表示用の第2の電圧の上記短パルス電圧波形の個数、電
圧値等を変化させることにより、上記発熱体の発熱温度
及び該発熱体による上記感熱体の加熱温度が制御しやす
くなるので、画素の位置や該発熱体の抵抗値のバラツキ
による温度ムラが減少させ、白濁、又は発色の濃度を一
定にでき、画質の均一性を向上させることができるとい
う効果がある。
【0064】また、請求項7の発明によれば、表示装置
の構成が簡単になり、製造コストを低減できるという効
果がある。
【0065】また、請求項8の発明によれば、上記外枠
を装着した表示部材及び上記保持部材は着脱自在に構成
することにより、携帯性、及び表示部材の交換の際の操
作性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(h)は、実施例に係る発熱体層の
構成例を示す平面図。
【図2】(a)は、感熱体層の温度変化に対する可視的
状態(透明,白濁)の変化を示す特性図。(b)は、感
熱体層の温度変化に対する可視的状態(発色,消色)の
変化を示す特性図。
【図3】図1(a)のE−E断面を矢印方向から見た微
小発熱表示部材の断面図。
【図4】同微小発熱表示部材の部分斜視図。
【図5】(a)は、「T」の文字を表示する微小発熱表
示部材の画素の説明図。(b)は、「C」の文字を表示
する微小発熱表示部材の画素の説明図。
【図6】図5の画素を表示する微小発熱表示部材の電気
回路の一例を示す説明図。
【図7】実施例に係る表示装置の制御回路のブロック
図。
【図8】(a)は、微小発熱表示部材のY電極に印加す
る電圧波形を示す説明図。(b)乃至(e)は、微小発
熱表示部材のX電極に印加する電圧波形を示す説明図。
(f)乃至(i)は、Y電極に(a)の電圧、X電極に
(b)乃至(e)の電圧を印加したときの発熱体層にお
ける各電位差の波形の説明図。
【図9】実施例に係る表示装置を示す説明図。
【図10】図9のF−F断面を矢印方向から見た微小発
熱部材、外枠及びスタンド等の断面図。
【符号の説明】
1 微小発熱表示部材 2 発熱体層 3 マトリックス電極 3a Y電極 3b X電極 4 絶縁体層 5 感熱体層 6 保護層 7 基体 10 制御回路 11 外枠 12 スタンド 14 制御装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の線状の電極が略平行に配列した第1
    電極群と、 複数の線状の電極が略平行に配列し、該第1電極群に対
    して交差するように配置された第2電極群と、 該第1電極群の電極と該第2電極群の電極の交差箇所毎
    に、両電極間を絶縁するように設けられた絶縁体と、 該第1電極群の電極と該第2電極群の電極とで区画され
    るマトリクス領域毎に、該第1電極群の電極及び該第2
    電極群の電極に接続するように設けられた発熱体とを備
    えたことを特徴とする微小発熱部材。
  2. 【請求項2】上記発熱体を、上記マトリックス領域にお
    いて少なくとも一つの狭小部を有するように設けたこと
    を特徴とする請求項1の微小発熱部材。
  3. 【請求項3】複数の線状の電極が略平行に配列した第1
    電極群と、 複数の線状の電極が略平行に配列し、該第1電極群に対
    して交差するように配置された第2電極群と、 該第1電極群の電極と該第2電極群の電極の交差箇所毎
    に、両電極間を絶縁するように設けられた絶縁体と、 該第1電極群の電極と該第2電極群の電極とで区画され
    るマトリクス領域毎に、該第1電極群の電極及び該第2
    電極群の電極に接続するように設けられた発熱体と、 該発熱体に接触又は近接させて設けられた感熱体とを備
    えたことを特徴とする微小発熱表示部材。
  4. 【請求項4】上記発熱体と上記感熱体との間に空気層を
    設けたことを特徴とする請求項3の微小発熱表示部材。
  5. 【請求項5】加熱によって可視的状態が変化し、加熱終
    了後において加熱時の可視的状態が保持される感熱体を
    有する微小加熱表示部材を備えた表示装置において、 表示中の画面の表示データと次に表示する次画面の表示
    データとの差異に基づいて、該次画面で加熱駆動画素を
    判断し、該次画面の表示の際に該加熱駆動画素の発熱体
    のみに駆動電流を供給するように制御する制御手段を設
    けたことを特徴とする表示装置。
  6. 【請求項6】上記制御手段を、上記第1の電極群の電極
    に画面走査用の第1の電圧を印加し、上記第2の電極群
    の電極に、短パルス電圧波形の組み合わせからなる画像
    表示用の第2の電圧を該第1の電圧に同期させて印加す
    るように構成したことを特徴とする請求項5の表示装
    置。
  7. 【請求項7】基体上に少なくとも走査及び信号電極を有
    し、外枠で補強され、かつ、外部との電気的な接続のた
    めの第1の電気接点部を設けた微小発熱表示部材と、 該第1の電気接点部に接触するように設けられた第2の
    電気接点部を有し、該微小発熱表示部材を保持する保持
    部材とを備えたことを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】上記微小発熱表示部材と上記保持部材とを
    着脱自在に構成したことを特徴とする請求項7の表示装
    置。
JP8555393A 1993-03-19 1993-03-19 微小発熱部材、微小発熱表示部材、及び該部材を備えた表示装置 Withdrawn JPH06274107A (ja)

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