JPH0627371B2 - ピツチ系炭素繊維の遠心紡糸装置 - Google Patents

ピツチ系炭素繊維の遠心紡糸装置

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JPH0627371B2
JPH0627371B2 JP24271785A JP24271785A JPH0627371B2 JP H0627371 B2 JPH0627371 B2 JP H0627371B2 JP 24271785 A JP24271785 A JP 24271785A JP 24271785 A JP24271785 A JP 24271785A JP H0627371 B2 JPH0627371 B2 JP H0627371B2
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air
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carbon fiber
spinning
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博之 井原
一男 高橋
修 広谷
好和 中村
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Eneos Corp
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Mitsubishi Oil Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置に関する。
更に詳しくは、優れた性状の繊維原糸を円滑に紡糸する
ピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置に関する。
(背景技術と問題点) 従来、ピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置としては、回転
ノズルの回転軸が垂直方向で繊維の吐出方向が水平方向
である遠心紡糸装置が広く使用されている。
なお、遠心紡糸装置で紡糸する場合は、紡糸が短繊維で
あるために延伸装置を用いて延伸することはない。
この遠心紡糸装置は、回転ノズルの高速回転によって生
じる遠心力により、ノズル口から溶解ピッチを噴出させ
て、炭素繊維原糸を紡糸する。
この際、回転ノズル周辺の空気が円滑に流れないと、空
気の流速低下、乱れなどによって、途中でたるみを生じ
紡出糸の糸径が長さ方向に不均一となるネッキング現象
が顕著に現れる。
そして、ネッキング現象の生じた炭素繊維原糸を不融
化、炭化焼成しも、高強度の炭素繊維を得ることができ
ない。
従来は、紡糸工程における空気の流れの制御が不十分で
あり、しかも、空気の流速を低下させないために空気吹
き込み量を増大させると空気流に乱れなどが生じ易くな
るため、ネッキング現象の発生を防止することが困難で
あった。
このため、回転ノズル周辺の空気の流れを十分に制御
し、ネッキング現象の発生を防止する技術の開発が望ま
れていた。
紡出糸の搬送手段としての空気の流れを円滑にする方法
としては、例えば、特開昭59−150106号、特開
昭60−167908号がある。
特開昭59−150106号には、紡出糸状を捕集する
ために、上下の「誘導板」を回転ノズルの周囲に回転方
向に水平に設置し、円滑な搬送風によって紡出糸状を糸
状軸方向に並んだまま搬送することが提案されている。
しかし、この「誘導板」で画成される通路は上下の間隔
が一定であるため、通路内においては外周に向かうにつ
れて搬送風の速度が低下する。
また、流速低下を防ぐため搬送風を増大させた場合に
は、通路内の空気流に乱れが生じ易くなり、紡糸繊維が
振動する他、空気を多量に要し、エネルギーの浪費を招
く。
特開昭60−167908号には、空気導入口及び空気
排出用スリットを有する上下一対の「中空リング」で構
成された紡出繊維の搬送装置が提案されている。
この上下一対の「中空リング」は、上記の特開昭59−
150106号の「誘導板」と同様に、上下平行に設け
られているため、その間隔は一定である。
このため、この装置においても、上下一対の「中空リン
グ」によって画成された搬送通路内では外周に向かうに
つれて空気の速度が低下することが避けられない。
また、この装置は、「中空リング」の相対向する面に、
回転ノズルの半径方向外側に向けて傾斜したスリットを
設け、「中空リング」の空気圧、スリットの幅及び角度
を選択することによって紡出繊維の飛翔の方向、速度、
強さを任意に変化させることができるとしている。
しかし、この場合も、搬送風を増大させると、加圧空気
が多量に必要になるとともに、通路内の空気流に乱れが
生じ易くなる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、炭素繊維原糸の紡糸工程において、ネ
ッキング現象の発生を防止し、高強度の炭素繊維原糸を
円滑に製造することにある。
本発明者らは、実験と検討を重ねて、紡糸工程におい
て、空気の流速がノズル口からその外周方向にわたって
等速もしくは加速するように制御することができれば、
空気量を増大せずにネッキング現象の発生を防止できる
ことを見出だし、試作を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、回転ノズルの回転軸が垂直方向で繊維の吐出
方向が水平方向であるピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置
において、回転ノズルの外周の上下に空気吹き出しノズ
ルもしくはスリットを具備せしめ、さらにその外周の上
下に空気遮断板を設けて、上下の空気遮断板の間隔を外
周に向かうにつれて小さくなるようにした構成である。
そして、空気吹き出しノズルもしくはスリットから上下
の空気遮断板によって画成される紡糸経路内に吹き出さ
れる空気の流速が外周に向かうにつれて等速もしくは加
速されることを特徴とする。
(作用) 本発明は、空気吹き出しノズルもしくはスリットの外周
の上下に空気遮断板を設け、この上下の空気遮断板の間
隔の構造を外周に向かうにつれて小さくなるようにして
いる。
そして、上下の空気遮断板によって画成される紡糸経路
においては、その構造上、空気の流速分布が外周に向か
うにつれて等速もしくは加速されるようになっているた
め、空気の速度低下や乱れが生じない。
このため、本発明の遠心紡糸装置を用いれば、糸径が長
さ方向に均一な繊維、即ち、ネッキング現象のない原糸
を円滑に紡糸することができる。
そして、これを更に不融化工程、焼成工程へと進める
と、高強度のピッチ系炭素繊維を製造することができ
る。
このメカニズムを具体的に説明する。
回転ノズルの外周の上下に空気吹き出しノズルもしくは
スリットがあり、更にその外周の上下に空気遮断板を設
けた場合に、上下の空気遮断板によって画成される紡糸
経路の間隔が平行で一定のときは、紡糸経路開口部円周
の断面積は、外周方向に向かうにつれて大きくなる。
このため、紡糸経路の任意の地点における空気の流速
は、r/R(r:空気吹き出しノズルもしくはスリ
ットの外半径、R:空気の通過する任意の地点の半径、
なお、紡糸経路は上記ノズルもしくはスリットの外周に
位置するため、必ず、r<Rとなる)の値を乗じた速
度となる。
例えば、紡糸経路の或る地点が空気吹き出しノズルもし
くはスリットの半径の2倍のところに位置している場合
には、当該地点における空気の流速は、ノズルもしくは
スリットにおける吹き出し空気の流速の1/2となる。
このため、回転ノズルから噴出する紡糸直後の繊維は、
紡糸経路の途中でたるみを生じ、ネッキングの多い繊維
となる。
これに対して、本発明の場合は、上下の空気遮断板によ
って画成される紡糸経路の間隔が外周に向かうにつれて
小さくなる、即ち、紡糸経路開口部円周の断面積がどの
地点においても等しいか、もしくは、より外周に位置す
る地点の方が小さくなるように構成されている。
このため、その間隔が一定の場合と異なり、紡糸経路に
おける空気の流速が等速もしくは加速されるので、ネッ
キングのない直線性の繊維を紡糸することができる。
(実施例) 本発明の遠心紡糸装置はピッチ系炭素繊維の紡糸に関す
るものであるが、特に、メソフェーズ石油ピッチの紡糸
に有効であるので、以下、これを原料とした実施例につ
いて詳述する。
なお、本発明は、これに限定されるものでない。
(実施例1) 第1図に示すような、回転ノズル1(半径:100mm、
ノズル口径:0.3mm×ノズル長さ:1.2mm、ノズル
穴数:100ホール)、その外周の上下に、内径210
mm、外径230mmの空気吹き出しノズル2及び3(ノズ
ル穴数:200ホール上下共)、更にその外側の上下
に、内径230mm、外径390mmで、断面図が2本の双
曲線の一部を形成する空気遮断板4及び5、から成るピ
ッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置を用いた。
軟化温度280℃のメソフェーズ石油ピッチを原料とし
て、回転ノズルの温度を405℃に制御して、回転数4
000rpm、空気吹き出しノズルからの空気の流速を
50m/sの条件で、遠心紡糸を実施した。
得られた原糸を空気で酸化して不融化し、更に窒素雰囲
気中で1000℃で炭化焼成して炭素繊維を製造した。
この炭素繊維の強度を測定したところ、13.1Ton/cm
2であった。
(実施例2) 第2図に示すような、回転ノズル1(半径:100mm、
ノズル口径:0.3mm×ノズル長さ:1.2mm、ノズル
穴数:100ホール)、その外周の上下に、内径210
mm、外径230mmの空気吹き出しノズル2及び3(ノズ
ル穴数:200ホール)、更にその外側の上下に、内径
230mm、外径390mmで、断面図が相接近する2本の
直線の一部を形成する空気遮断板4及び5、から成るピ
ッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置を用いた。
軟化温度270℃のメソフェーズ石油ピッチを原料とし
て、回転ノズルの温度を390℃に制御して、回転数3
800rpm、空気吹き出しノズルからの空気の流速を
40m/sの条件で、遠心紡糸を実施した。
得られた原糸を空気で酸化して不融化し、更に窒素雰囲
気中で1000℃で炭化焼成して炭素繊維を製造した。
この炭素繊維の強度を測定したところ、12.8Ton/cm
2であった。
(比較例1) 第3図に示すような、回転ノズル1(半径:100mm、
ノズル口径:0.3mm×ノズル長さ:1.2mm、ノズル
穴数:100ホール)、その外周の上下に、内径210
mm、外径230mmの空気吹き出しノズル2及び3(ノズ
ル穴数:200ホール)、更にその外側の上下に、内径
230mm、外径390mmで、断面図が平行な2本の直線
の一部を形成し、多数の穴のあいたパンチングプレート
8及び9から成る、ピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置を
用いた。
軟化温度270℃のメソフェーズ石油ピッチを原料とし
て、回転ノズルの温度を390℃に制御して、回転数3
800rpm、空気吹き出しノズルからの空気の流速を
40m/sの条件で、遠心紡糸を実施した。
得られた原糸を空気で酸化して不融化し、更に窒素雰囲
気中で1000℃で炭化焼成して炭素繊維を製造した。
この炭素繊維の強度を測定したところ、8.8Ton/cm2
であった。
(効果) 本発明のピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置は、上下の空
気遮断板によって画成される紡糸経路の間隔が外周に向
かうにつれて小さくなるようにされており、紡糸経路に
おける空気の流速が等速もしくは加速されることを特徴
とする。
このため、紡糸経路において空気吹き出しノズルないし
スリットから紡糸経路内に吹き出される空気は速度が低
下せず、ネッキングのない直線性の繊維原糸を円滑に紡
糸することができる。
そして、この繊維原糸から、高強度の良質な炭素繊維を
円滑に製造することができる。
本発明の実施例によれば、パンチングプレートの間隔を
平行に設置した比較例に比べ、炭素繊維の強度が45〜
48%向上した。
また、本発明は、紡糸経路における空気速度を制御する
ために、従来技術のように空気吹き出しノズルないしス
リットからの空気吹き込み量を増大させる方法をとらな
いため、エネルギーを浪費することがない。
更に、本発明は簡単な構造であるため、設置が容易で、
経済的である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の遠心紡糸装置の主要部分
の断面図である。 第3図は、従来技術によるピッチ系炭素繊維の遠心紡糸
装置の主要部分断面図である。 1……回転ノズル 2……空気吹き出しノズルもしくはスリット(上) 3……空気吹き出しノズルもしくはスリット(下) 4……空気遮断板(上) 5……空気遮断板(下) 6……整流層 7……双曲線 8……パンチングプレート(上) 9……パンチングプレート(下)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−167908(JP,A) 特開 昭59−150106(JP,A) 特開 昭60−199916(JP,A) 特公 昭47−51966(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ノズルの回転軸が垂直方向で繊維の吐
    出方向が水平方向であるピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装
    置において、回転ノズルの外周の上下に空気吹き出しノ
    ズルもしくはスリットを具備せしめ、さらにその外周の
    上下に空気遮断板を設け、該上下の空気遮断板の間隔を
    外周に向かうにつれて小さくし、該空気吹き出しノズル
    もしくはスリットから該上下の空気遮断板によって画成
    される紡糸経路内に吹き出される空気の流速が外周に向
    かうにつれて等速もしくは加速されることを特徴とす
    る、ピッチ系炭素繊維の遠心紡糸装置。
JP24271785A 1985-10-31 1985-10-31 ピツチ系炭素繊維の遠心紡糸装置 Expired - Lifetime JPH0627371B2 (ja)

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JPS62231008A (ja) * 1986-03-31 1987-10-09 Nitto Boseki Co Ltd 溶融ピツチの遠心紡糸装置における吐出制御方法及び装置

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JPS62104922A (ja) 1987-05-15

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