JPH06271836A - ゲル形成体及びゲル、それらの製造及び使用 - Google Patents

ゲル形成体及びゲル、それらの製造及び使用

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JPH06271836A
JPH06271836A JP5291483A JP29148393A JPH06271836A JP H06271836 A JPH06271836 A JP H06271836A JP 5291483 A JP5291483 A JP 5291483A JP 29148393 A JP29148393 A JP 29148393A JP H06271836 A JPH06271836 A JP H06271836A
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aluminum phosphate
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aluminum
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Bonin Wulf Von
ブルフ・フオン・ボニン
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Bayer AG
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 a)必要に応じて1モルのリン酸アルミニウ
ムあたり0.01〜4モルのアルカノールアミンとの反
応生成物の形であってもよい酸性リン酸アルミニウム、
及び b)硼酸とアルカノールアミンとの反応生成物を含み、
そしてa)及びb)は、固体として計算して100:5
5〜100:0.5の重量比で存在する、ゲル形成体ま
たはゲル。 【効果】 前記ゲル形成体またはゲルは、製造容易であ
り、そして防火性ゲルとして適する貯蔵安定性、処理粘
度当の特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水、リン酸アルミニウ
ム、ホウ素及びアミンを含むゲル形成体及びゲル、熱的
にゲル化可能なゲル形成体からのゲルの製造、並びにこ
れらのゲル形成体及びゲルの使用に関する。
【0002】
【発明の背景】ヨーロッパ特許第306 677号明細
書は、防火性ゲルとして、押出可能でゲル状特性を有す
るが火事の場合には溶融されたようになり保護効果に対
して疑いを投げる、80重量%濃度そしてもっと高度に
濃縮された溶液の形の10〜25の重量比のリン酸水素
一アルミニウム及び硼酸の組み合わせを記載している。
このような困難を回避するために、ドイツ国特許出願公
開第4 020 459号明細書は、アクリル酸誘導体
及び光開始剤をリン酸アルミニウム溶液中に溶解しそし
てこの溶液を光への暴露によって重合させるゲルシステ
ムを記載している。実施されるべき重合及びアクリルモ
ノマーの付加的な取り扱いは、不利な複雑さを構成す
る。加えて、このゲルシステムは、濁りを引き起こす結
晶性物質を示す傾向がある。
【0003】ドイツ国特許出願公開第4 023 31
0号及び同4 126 702号明細書は、種々の目的
のために使用することができる、トリス‐リン酸アルミ
ニウムエタノールアミン塩の防火性ゲルを記載してい
る。このようなゲル層は、複雑さを伴わない製造には非
常に適切であるが、炎への応用の溶融挙動に関してはな
お改善に値する。
【0004】出願人の以前の提案(ドイツ国出願第42
26 044.2号)によれば、リン酸アルミニウム
のエタノールアミン塩の水性溶液を1モルのリン酸アル
ミニウムあたり2〜5モルの硼酸(例えばそのエタノー
ルアミン塩の形の)によって改質する。このような溶液
が防火性ゲルとして使用される予定である場合には、他
のタイプのゲル形成体例えばアクリルアミドの添加によ
ってのみ良好な結果が得られる。このようなシステムの
場合には、ホウ素含量が比較的高くそして、ここでま
た、アクリルモノマーの付加的な取り扱い及びそれらの
重合の実際的な必要性が、この製造方法の複雑さを構成
する。
【0005】
【発明の構成】
a)必要に応じて1モルのリン酸アルミニウムあたり
0.01〜4モルのアルカノールアミンとの反応生成物
の形の酸性リン酸アルミニウム、及びb)硼酸とアルカ
ノールアミンとの反応生成物を含み、a)及びb)が、
固体として計算して100:55〜100:0.5の重
量比で存在することを特徴とする、有機ゲル形成体を含
まないゲル形成体がここに見い出された。これらの防火
性ゲル形成体は、今日まで知られているものよりも取り
扱うのが容易である。
【0006】このようなゲル形成体は加熱することによ
ってゲルに転化することができる。この目的のために適
切な温度は、例えば、45〜100℃の範囲の温度であ
る。本発明によるゲル形成体の特に適切な実施態様は、
それらが、約0.5〜85重量%の水、並びにAl:
B:P:アルカノールアミン(1:1.2〜1.8:
2.3〜3.7:2.3〜3.7の原子またはモル比)
でアルミニウム、ホウ素、リン及びアルカノールアミ
ン、特にモノエタノールアミンを含むことを特徴とす
る。
【0007】水含量は、一定の重量に達するまで80℃
及び大気圧で乾燥すると逃げる水の量であるとして理解
される。最後の量の水は困難を伴ってのみシステムから
乾燥されるので、水含量の低い方の限度(0.5重量
%)は大体の数字としてのみ述べることができる。水含
量は好ましくは15〜60重量%である。
【0008】Al:B:P:アルカノールアミンの原子
またはモル比は、好ましくは1:1.3〜1.7:2.
4〜3.6:2.4〜3.6、そして特に好ましくは
1:1.4〜1.6:2.8〜3.2:2.8〜3.2
である。非常に特に好ましくは、Al:B:P:アルカ
ノールアミンの原子またはモル比は、1:1.5:3:
3である。
【0009】適切な酸性リン酸アルミニウムは、例え
ば、水性媒体中で酸性である、リンのオキソ酸の、特に
五価のリンのもののアルミニウム塩である。アルミナ及
び/または水酸化アルミニウムの形の1原子当量のアル
ミニウム(Al3+)と2.3〜3.7、好ましくは2.
8〜3.2モルのオルトリン酸との反応生成物が好まし
い。これらの反応生成物は、90重量%までの濃度で水
性媒体中に存在して良く、そしてそれ故透明な液体であ
る。水性媒体中のこのような反応生成物の濃度は、好ま
しくは50〜85重量%である。
【0010】所望の場合には、リン酸アルミニウムを、
1モルのリン酸アルミニウムに対して0.01〜4モル
のアルカノールアミンと、水性媒体中でこの濃度で、発
熱的に反応させることができる。
【0011】本発明による好ましいゲルは、例えばそし
て好ましくは、まずリン酸アルミニウム形成可能なアル
ミニウム化合物、特に水酸化アルミニウム及びリン酸ア
ルミニウム形成可能なリン化合物、特にオルトリン酸を
所望のAl:Pモル比で水の存在下で例えば70〜12
0℃で反応させてリン酸アルミニウム溶液を生成させる
ことによって製造することができる。これは、例えば、
少なくとも40重量%、好ましくは70〜85重量%の
固体含量を有して良い。この溶液は、10〜40℃で好
ましくは少なくとも2、特に好ましくは4〜40時間熟
成せしめる。
【0012】これとは別に、アルカノールアミン塩形成
可能なホウ素化合物、特にオルト硼酸及びアルカノール
アミン、特にエタノールアミンを、次に、所望のB:ア
ルカノールアミンモル比で水の存在下で合わせ、そして
好ましくは熟成されたリン酸アルミニウム溶液をこの溶
液に所望のモル比で添加することができる。次に、本発
明によるゲル形成体の溶液は、例えば、約75℃〜95
℃への中庸な加熱によって生成する。例えば、45℃未
満への冷却の後では、この溶液は容易に貯蔵することが
できそして低い粘度を有する。
【0013】必要に応じて形状化を含む、本発明による
ゲルの形成は、例えば、3〜80時間、好ましくは10
〜40時間、例えば45〜120℃、好ましくは60〜
95℃の範囲の1以上の温度に加熱することによって達
成することができる。100℃より高い温度では、ゲル
化を閉じたシステム中で実施することが必要であろう。
ゲル形成は、新しく製造されたゲル形成体溶液によって
直接実施することができる。しかしながら、ゲル形成の
前にゲル形成体溶液を少なくとも24時間室温で貯蔵す
ることが好ましい。
【0014】ホウ素/アルカノールアミン溶液は、例え
ば40〜100重量%の固体を含んで良く、そして40
〜75重量%の固体を含む溶液としてのリン酸アルミニ
ウム溶液を、必要な場合には好ましくは適切な希釈の後
で、ホウ素アルカノールアミン溶液と合わせる。
【0015】使用されるアルカノールアミンはまた、エ
ーテル基を含んで良い。好ましいアルカノールアミン
は、アミンまたはアンモニア、好ましくは1以上のアミ
ノ基を有する脂肪族アミンまたはアンモニアと、1つの
NH基あたり50モルまでのアルキレンオキシド、好ま
しくはエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシ
ドとの反応によって得ることができるものである。モノ
エタノールアミンが、アルカノールアミンとして極めて
適切である。アミン混合物もまた使用して良い。所望の
場合には、酸性リン酸アルミニウムとアルカノールアミ
ンとの反応のために1原子当量のアルミニウム(A
3+)あたり0.01〜4モルのアルカノールアミンを
使用して良い。好ましくは、使用されるアルカノールア
ミンの量は、8のpH(水性の50重量%濃度の媒体中
で)を達成するために必要とされる量より多くはない。
リン酸二水素アルミニウム[Al(H2PO43]の場
合には、例えば2〜4モル、好ましくは2.3〜3.7
モルのモノエタノールアミンを使用することが可能であ
る。
【0016】ホウ素のすべてのオキソ酸、特にオルト硼
酸、及びそれらから加水分解の結果としてオルト硼酸が
生成し得るその前駆体、例えば酸化ホウ素及び水和され
た酸化ホウ素が、硼酸として原理的に適切である。リン
酸アルミニウムとの反応に関して上で行った記述は、硼
酸との反応のために使用されるアルカノールアミンに関
しても対応する形で適用できる。ここでもまた、モノエ
タノールアミンが好ましい。
【0017】一般に、硼酸または硼酸前駆体の形のホウ
素(B3+)の1原子当量あたり0.5〜4、好ましくは
1.3〜3.1モルのアルカノールアミンが使用され
る。反応は水の非存在下で実施しても良いが、有利に
は、反応生成物が50〜100、好ましくは60〜10
0重量%の濃度で存在するようになる濃度で水性媒体中
で実施される。
【0018】リン酸アルミニウムとアルカノールアミン
とのそして硼酸とアルカノールアミンとの反応生成物を
含む本発明によるゲル形成体は、好ましくは、2つの反
応生成物の各々中に同じアルカノールアミン若しくはア
ミン混合物またはアルカノールアミン混合物を有する。
【0019】ホウ素含有成分の量が高すぎる場合には、
透明度、耐老化性及びゲル化容量が悪い影響を受ける可
能性がある。
【0020】別の手順においては、例えば1:2〜1:
10、好ましくは1:3〜1:6のアルミニウム対ホウ
素(Al:B)のモル比でアルミニウムも含む別のホウ
素含有成分を、酸性リン酸アルミニウム及び水性媒体中
の硼酸とアルカノールアミンとの反応生成物からまず製
造し、そして次にこのホウ素含有成分を、水性の例えば
50〜70重量%濃度の媒体中で、別の酸性リン酸アル
ミニウムとまたは酸性リン酸アルミニウムとアルカノー
ルアミンとの反応生成物と混合し、そして反応せしめ
る。ここでもまた、上で述べたようなアルミニウム対リ
ン対ホウ素対アルカノールアミンの述べられた全体の重
量比が維持されることを確保するために注意を払わねば
ならない。
【0021】酸性リン酸アルミニウムとアルカノールア
ミンとの反応生成物(この反応生成物は水性媒体中に存
在する)を対応する量の硼酸またはその前駆体と反応さ
せることもまた、それほど好ましくはないが可能であ
り、そして本発明によるそして必要とされる全体の組成
を有する防火性ゲル形成体を生成させることもまた可能
である。匹敵するやり方で、例えば、まずオルトリン酸
をアルカノールアミンと反応させ、次に水性媒体中で硼
酸そして次に水酸化アルミニウムをそれと反応させるこ
とも可能であり、本発明による防火性ゲル形成体もまた
最後に得られる。例えば連続的な手順で及び/または一
釜法で完全にまたは部分的に作業することが望まれる時
には、もう一つのやり方で個々の成分をまた合わせても
良い。例えば、リン酸アルミニウム溶液とアルカノール
アミンとの反応をまず実施しそして次にホウ素化合物を
添加することができるし、またはホウ素及び/またはリ
ン化合物をまずアルカノールアミンと反応させそして次
に、例えば、新たに沈殿した水酸化アルミニウムを添加
することができる。
【0022】これは、本発明によるゲル形成体の製造に
導くステップの順序は広い範囲内で変えることができる
ことを意味する。
【0023】アルミニウム含有成分のそしてホウ素含有
成分の製造は、好ましくは、20〜100℃の温度でそ
してその中で個々の成分が50〜85重量%の濃度で最
後に存在する水性媒体中で実施される。アルミニウム含
有成分とホウ素含有成分との混合は、一般には18〜9
5℃で実施される。必要な場合には、約100℃まで短
時間加熱することも可能である。40℃より高い温度へ
の過剰に長い加熱はすべての成分及び成分混合物の場合
に回避されなければならない。何故ならば、さもないと
早過ぎるゲル化または粘度の増加が起きる可能性がある
からである。
【0024】リン酸アルミニウム溶液及びホウ素/アル
カノールアミン塩溶液がまず製造され、そして次にこれ
らの2つの溶液が撹拌によってまたは連続的なミキサー
中で合わせられる、好ましく使用される二釜法の代わり
に、一釜法もまた使用して良い。
【0025】最初に高い固体濃度を使用しそして次にゲ
ル形成体溶液の生成の前に、その間にまたはその後でこ
れらを希釈によって低減することもまた可能である。
【0026】添加剤、例えば界面活性剤、接着促進剤、
着色剤、細孔核形成剤、充填剤、光安定剤、酸化防止剤
及び/または強化剤を、必要に応じて、本発明によるゲ
ル、それらの製造のための出発物質または本発明による
ゲル形成体に添加して良い。このような添加剤、例えば
ワイヤー、繊維、織布またはネットはそれ自体は知られ
ている。
【0027】本発明によるゲル形成体及びゲルは、防火
の目的のために、防火性ゲル形成体または防火性ゲルと
して格別に適している。
【0028】本発明による防火性ゲル形成体の1つの重
要な利点は、水性媒体中の60重量%より大きい固体含
量においてさえ、それらの粘度が同じ濃度の対応するホ
ウ素を含まないリン酸アルミニウム/アルカノールアミ
ンゲル形成体の粘度よりも相当低いことである。
【0029】これは、本発明による防火性ゲル形成体が
より良い保存寿命を有し、低減した粘度のために、リン
酸アルミニウムを基にしたホウ素を含まないゲル形成体
よりも遥か容易に取り扱うことができることを意味す
る。
【0030】約10重量%の量の硼酸/アルカノールア
ミン成分(硼酸/アルカノールアミン成分及びリン酸ア
ルミニウム成分の和に対して)の添加においてさえ、8
0℃で200時間透明に留まるゲルを形成する大幅に低
減した粘度を有する防火性ゲル形成体が得られる。例え
ば、このやり方で改質されたゲル形成体を120℃で乾
燥することによって得られる乾いた物体は、硼酸/アル
カノールアミン成分を含まない対応する防火性ゲル形成
体から得られる乾いた物体よりも約30容量%だけ多く
600℃の温度で発泡する。
【0031】本発明のゲル形成体溶液は、約40℃まで
の温度でさえ良好な保存寿命を有する。例えば90℃
で、ゲルは、良好な機械的安定性によって区別されそし
て、驚くべきことに、100〜600℃の範囲の温度で
の炎の適用に際して流れる傾向がない、透明で熱に安定
なゲルとして数時間以内に生成する。
【0032】ホウ素アルカノールアミン反応生成物の添
加無しでまたは不十分な量のホウ素成分の添加によって
または過剰な量のホウ素若しくはアルカノールアミンの
使用によって得られるゲルとは対照的に、100℃より
高い温度で本発明によるゲルは、炎の適用に際して流れ
去ることができる、流れる溶融物を形成する傾向がもは
やない。これは、本発明によるゲルの技術的に重要で驚
くべき利点である。
【0033】更にまた、本発明によるゲルは、改善され
た細かな細孔の膨張を有する。本発明のゲル形成体溶液
は、65重量%より大きい固体濃度でさえ比較的低い粘
度を有する。40重量%未満の固体含量への希釈の場合
においてさえ、それらはなおゲル化可能でありそして一
般に5〜6の中庸なpHを有する。それらから形成され
そして付加的なゲル形成体を含まないゲルは、実質的に
減少したクラッキング傾向を有しそして高められた温度
で流れない傾向を有する。一定の高められた温度におい
てさえの良好な貯蔵安定性に加えて、前記ゲルはまた、
変化する温度の条件下での、例えば−18℃、+20℃
及び+80℃の間で変動する温度での貯蔵の間良好な安
定性を有する。
【0034】本発明による防火性ゲル形成体及び防火性
ゲルは、例えば、界面活性剤、例えば有機フッ素、ノニ
オン及び/若しくはイオン界面活性剤、その他の添加さ
れる補助剤、例えば火事の場合に膨張挙動に影響を与え
るための糖若しくはポリアルコール、またはゲルの接着
を改善するための補助剤、並びに着色剤及び/または光
安定剤及び放射線安定剤を必要に応じて付加的に含んで
良い。ゲル化の前後の水含量は、一般的に50重量%未
満、好ましくは20〜40重量%である。
【0035】本発明による防火性ゲル形成体を物質の表
面に付与しそしてそれをゲル化することまたはそこでそ
れを乾燥することが可能である。すると、室温〜150
℃、好ましくは80〜120℃の温度で、20重量%未
満の水含量もまた実現することができる。
【0036】本発明の利点の和は、防火の分野における
かなりの技術的な進歩を構成する。本発明による防火性
ゲルの製造の場合には、好ましい水酸化アルミニウムに
加えてまたはその代わりに、リン酸アルミニウムに転化
することができる他のアルミニウム化合物、例えばアル
ミナ、水和されたアルミナ、揮発性の酸のアルミニウム
塩(例えば塩化、炭酸若しくは酢酸アルミニウム)また
は硼酸アルミニウムもまた必要に応じて使用して良い。
アルミニウム化合物に加えて、例えばアルミニウムに対
して20モル%までの量で、他の金属化合物、例えば元
素の周期表の1〜4主族の並びに/または鉄、コバルト
及び/若しくはニッケルの化合物を使用することが可能
である。
【0037】好ましいオルトリン酸に加えてまたはその
代わりに、リン酸アルミニウムに転化することができる
他のリン化合物、例えばオルトリン酸の脱水された形、
酸化リン、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸エステル
及び/またはリン酸塩(ここでリン酸塩は例えばアンモ
ニウム及び/またはアルカノールアミン塩の形である)
を必要に応じて使用して良い。
【0038】好ましいオルト硼酸に加えてまたはその代
わりに、他のホウ素化合物、例えばオルト硼酸の脱水さ
れた形、酸化ホウ素、硼酸アンモニウム及び/またはそ
の他のアミンの硼酸塩、特にアルカノールアミン硼酸塩
を必要に応じて使用して良い。
【0039】好ましいエタノールアミンに加えてまたは
その代わりに、アンモニアの他のアルコキシル化生成
物、例えばジエタノールアミン及びトリエタノールアミ
ン、及び/または他の好ましくは脂肪族のアミン化合
物、例えばアンモニア、エチレンジアミン、ポリアルキ
レンポリアミン、ピペラジン及び/またはモルホリンを
必要に応じて使用して良い。
【0040】本発明による防火性ゲルは、例えば、防火
性または表面処理性(防曇性、硬さ)コーティング、含
浸物、継目シーラント、セメント、成形品、シールテー
プ、建築用要素、膨張顔料及び/または膨張充填剤の製
造のために使用して良い。これらの応用の場合には、ゲ
ルは例えば0〜90重量%の水を含んで良い。
【0041】本発明によるゲル形成体及びゲルは、本来
アルカリを含まずそして多数の別の利点を有する。かく
して、例えば、モノマー(アクリルアミド)の添加は必
要とされず、そしてその取り扱い及び重合のための複雑
さは省略される。それにもかかわらず、本発明によるゲ
ル形成体及びゲルは、他のゲル形成体またはゲルと、例
えば(ポリ)アクリルアミド、ポリビニルアルコール、
澱粉、ゼラチン、蛋白質またはモントモリロナイトと必
要に応じて合わせて良い。
【0042】本発明のゲル形成体溶液は、必要に応じて
ゲル化前に更に希釈して良い。好ましい希釈剤は水であ
るが、少なくとも釣り合いの取れた量での水混和性有機
溶媒の添加もまた可能である。
【0043】既に述べた添加剤に加えて、炭化するポリ
アルコール、例えば糖、グリコール、グリセロール、ペ
ンタエリトリトール及び/またはポリビニルアルコー
ル、並びにその他の水溶性オリゴマー状またはポリマー
状添加剤の添加もまた適切である。特定の場合には、透
明なゲル層が必要とされない場合には、ポリマー分散液
もまた本発明によるゲルまたはゲル形成体溶液と混合し
て良い。接着促進剤、界面活性剤、光安定剤、UV及び
IRフィルター物質並びに色賦与添加剤を、本発明によ
るゲルに対して例えば3重量%未満、好ましくは1重量
%未満の量で必要に応じて添加する。充填剤及び炭化す
る添加剤を、例えば、全混合物を基にして1〜75重量
%、好ましくは20〜60重量%の量で必要に応じて使
用して良い。
【0044】吸着性物質、例えば粉、繊維、フォーム、
セルロース物質、紙、不織布、織布または混合織布を本
発明によるゲル前駆体溶液によって含浸して良く、そし
て次にゲル化を、必要に応じて形状化の後で実施するこ
とができる。例えばケーブル隔壁、防火巻線及び防火シ
ース、キャビティ充填剤、シール要素及び火事障壁の製
造のための、予防的防火における補助材、エンジニアリ
ング物質または建築要素として使用することができる、
セラミック化(ceramization)のできる良
好な防火作用及び膨張特性を有する物質が、ここにおい
て乾燥無しでまたは部分的な若しくは完全な乾燥の後で
得られる。
【0045】予防的防火においてまたは形のある物品若
しくは軽量エンジニアリング物質の製造において興味が
あるのは、本発明によるゲルと発泡性物質、例えば未発
泡のまたは部分的に若しくは完全に発泡した形の発泡性
シリケートまたはグラファイトとの組み合わせであり、
例えば本発明によるゲルまたはゲル形成体溶液をこのよ
うなグラファイト及び/またはシリケートに添加し、そ
して必要に応じてこの混合物を形状化及び/または例え
ば80〜1000℃での熱的後処理にかけることによ
る。
【0046】本発明によるゲルはまた、粉砕された形ま
たはゲル形成体溶液として、噴霧乾燥された形でまたは
乾燥後粉末化された物質の形で、固体の形でまたは(そ
れらの膨張特性のために)熱的に部分的に若しくは完全
に発泡した形で、絶縁及び防火キャビティ充填剤とし
て、コーティングとしてまたは、必要に応じて鉱物繊
維、有機繊維及び/またはその他の強化要素(例えばワ
イヤーまたは格子)と組み合わせて、別のタイプのシー
トまたは成形品を与えるように圧縮された形で、好まし
くは防火目的のために使用して良い。
【0047】本発明によるゲル形成体溶液はフィルム形
成特性を有するので、それらは含浸剤としてばかりでは
なくまた、特に5〜50重量%の水含量の場合には、堅
いまたは柔軟な基体、例えば金属(例えばアルミニウ
ム)、木材、織物、セラミックまたはプラスチックを仕
上加工または被覆するために適切であり、そしてこれら
の基体に改善された耐火性を賦与する。
【0048】
【実施例】本発明を実施例によって以下に例示する。述
べられた部及びパーセントは、特記しない限り重量に関
する。
【0049】実施例1 1モルの水酸化アルミニウムと3モルの85%濃度のオ
ルトリン酸から水中で100℃で製造された反応生成物
の形の1モルのリン酸アルミニウムの55%濃度の溶液
を、20℃で始めて、3.1モルのエタノールアミンと
共に撹拌した。この手順の間に、温度を75℃に増し
た。数分後に、溶液は透明でありそして20℃に冷却し
た。固体含量は66重量%であった。20℃での16時
間後に、3800mPa.sの粘度が測定された(Ha
ake ViscotesterVT 02/1)。
【0050】1モルのオルト硼酸及び1モルのモノエタ
ノールアミンの反応生成物の水中の66%濃度の溶液を
製造した。
【0051】9部のアルミニウム含有溶液及び1部のホ
ウ素含有溶液を、次に、室温で混合すると、透明な溶液
が得られた。これを20℃で16時間貯蔵しそして次に
粘度を上のように測定した。それは630mPa.sで
あった。
【0052】その後で、この混合物をガラスボトル中に
導入しそして80℃に加熱された加熱オーブン中に置い
た。4時間後には、物質はゲル化していた。12時間後
に、それを加熱オーブンから取り出しそして冷却した。
透明で安定なゲルが生成していた。
【0053】次に、ゲルを含むボトルをもう一度80℃
に加熱された加熱オーブン中に導入しそしてその中に1
80時間放置した。その後で冷却を実施した。ゲルの不
透明さは見い出されなかった。
【0054】実施例2 水中の1モルのリン酸二水素アルミニウムの70%濃度
の溶液をまず製造した。5モルのオルト硼酸及び5モル
のモノエタノールアミンの反応生成物の70%濃度の溶
液を50℃でこの溶液に添加した。穏やかな加熱は透明
な溶液を与えたが、これを66%の含量に希釈した。次
にそれを表中に示した比のリン酸アルミニウム/エタノ
ールアミン成分の66%濃度の溶液(実施例1における
ようにして製造された)と混合し、同様に述べた粘度を
引き続いて実施例1におけるようにして測定した。
【0055】
【表1】
【0056】すべてのこれらの混合物を別々に80℃に
加熱された加熱オーブン中に24時間導入しそして次に
冷却した。50%/50%サンプル以外はすべてのサン
プルが透明で堅いゲルを形成していたことが見い出され
た。50%/50%サンプルはもっと長い加熱によって
さえもゲル化することができなかった。
【0057】2つの最初に述べたサンプル(100%/
0%及び90%/10%)を更に180時間80℃で保
持した。変化は検知できなかった。これは、比較的低い
粘度の結果としての改善された取り扱い特性は耐老化性
における劣化を伴わないことを意味する。
【0058】実施例3 リン酸Al溶液の製造(本発明によらない) 624部のヒドラルジライト(hydrargilli
te)(技術グレードの水酸化アルミニウム)を276
6部の85%濃度のオルトリン酸(Al:Pのモル比=
1:3)及び262部の水中に導入し、そして100〜
110℃で4時間撹拌した。70%の固体含量を有する
透明な溶液が生成した。これを279部の水によって6
5%に希釈しそして室温に冷却した。この溶液を以下で
はAP溶液と呼ぶ。
【0059】実施例4 硼酸/エタノールアミン錯体の溶液の製造(本発明によ
らない) 741.6部のオルト硼酸を1187.6部の水中に分
散させ、そして1464部のエタノールアミン(B:ア
ミンのモル比=1:2)を完全に撹拌しながら添加し
た。温度を約45℃に増すと、透明な65%濃度の溶液
が生成した。この溶液を室温に冷却した。この溶液を以
下ではBE溶液と呼ぶ。
【0060】実施例5 比較の目的のためのAl:P:アミンのモル比=1:
3:3でのAP溶液及びエタノールアミンからのホウ素
を含まない錯体の製造(本発明によらない) 625部のAP溶液(室温で40時間の貯蔵の後で)を
水によって55%に希釈した。次に210部のエタノー
ルアミンを完全に撹拌しながら添加した。反応混合物を
75℃に加熱すると、透明な溶液が生成した。この溶液
を15分の過程にわたって室温に冷却しそして17部の
水によって65%の固体含量に調節した。室温で30時
間熟成した後で、この溶液はHaake Viscot
esterによって20℃で測定して3500mPa.
sの粘度を有していた。この溶液を以下ではAPE溶液
と呼ぶ。
【0061】実施例6 本発明によるゲル形成体溶液の製造 212部のBE溶液を最初に撹拌されたポット中に導入
し、そして244.6部のAP溶液(室温で4時間熟成
された)を完全に撹拌しながら25℃で添加した。モル
比は2:3であったが、これは組成AlB1.53アミン
3に対応する。70℃への加熱は透明な65%濃度のゲ
ル形成体溶液を与えたが、これを直ちに室温に冷却し
た。室温で24時間熟成した後で、この溶液はHaak
e Viscotesterを使用して測定して20℃
で600mPa.sの粘度を有していた。この溶液を以
下ではAPBE溶液と呼ぶ。
【0062】同じ濃度を有する実施例5のホウ素を含ま
ない溶液と比較した粘度における減少は、測定された粘
度から明らかである。
【0063】実施例7(本発明によらない) 比較の目的のためのAPE溶液の、AP溶液のそしてB
E溶液のゲル化 各々の場合において1本の試験管をBE溶液によって、
AP溶液(室温で40時間熟成した)によってそしてA
PE溶液(室温で40時間熟成した)によって半分満た
し、そしてこれらの試験管を閉じた。次に3本の試験管
を水平に置きそして80℃で12時間加熱した。この時
間の後で、BE溶液及びAP溶液はなお液体であった
が、一方APE溶液はゲル化していて、管を室温で垂直
な位置に置いた時に合着しない機械的に安定で透明なゲ
ルを与えた(後者のゲルを以下ではゲル7と呼ぶ)。
【0064】AP溶液及びBE溶液は延長された加熱に
よってさえもゲル化しなかった。
【0065】実施例8 本発明によるゲル形成体溶液APBEのゲル化 実施例7と同様な手順を実施例6からのAPBE溶液に
関して使用した。室温及び80℃の両方で垂直な位置で
合着しない透明で機械的に安定なゲルが同様に得られた
(このゲルを以下ではゲル8と呼ぶ)。
【0066】実施例9 ゲル7及びゲル8の熟成挙動の比較 a)ゲル7及びゲル8を80℃で300時間加熱しそし
て次に評価した:ゲル7はある点で強い不透明さを示
し、一方ゲル8は透明でそして安定に留まっていた。
【0067】b)ゲル7及びゲル8を光の存在下で6ケ
月間室温で貯蔵しそして次に評価した:ゲル7はある点
でかなりの不透明さを示し、一方ゲル8は透明でそして
安定に留まった。
【0068】これらの熟成実験は、本発明によるゲルの
良好な熟成特性を示した。
【0069】実施例10 ゲル7及びゲル8の溶融挙動の比較 a)実施例7及び8に従って得られそして水平な位置で
安定なゲルによって半分満たされた試験管を垂直に置き
そして加熱された空気流れを横に施した。この流れの温
度は30秒の過程で20から300℃に増加しそして次
に300℃で留まった(熱空気ブロアー)。ゲルの溶融
挙動を評価した:ゲル7は30秒以内に溶融しそして垂
直な試験管の底で合着して泡立つ溶融物を与えた。1分
後に、ゲルの主な部分は合着していて試験管の底で溶融
物を形成していた。
【0070】ゲル8の場合には、溶融及び合着は起きな
かった。熱応力の間に、多数の小さなクラック及び小さ
な泡がゲル中に生成したが、後者は液体の形中に流れ去
ることはなかった。60秒の過程で、全体のゲルは流れ
ることなく膨張して、細かな泡を含む物体を与えた。
【0071】b)対応する実験において熱空気流れの温
度を500℃に増した時に同じ現象が観察された。
【0072】実験a)及びb)は、本発明によるゲル形
成体溶液から得られたゲルの良好な溶融安定性を示す。
【0073】実施例11 AP溶液の熟成のゲル特性に対する効果 a)実施例3に従ってAP溶液を製造したが、透明な溶
液が得られた直後に、この溶液を室温に冷却しそしてそ
の直後に実施例6に従って処理してゲル形成体溶液を生
成させた。次に実施例8によるゲル化実験を90℃で実
施しそして評価した:12時間後にゲルは得られなかっ
た。前駆体はなお液体であった。
【0074】b)室温で1時間熟成されたAP溶液に関
して実験を繰り返した。この場合もまた、ゲルは得られ
なかった。
【0075】c)室温で2時間熟成したAP溶液に関し
て再び実験を実施した。垂直な位置に置いた時に合着す
る傾向がある機械的に非常に柔らかいゲルが今度は得ら
れた。
【0076】d)室温で3時間熟成したAP溶液による
別の繰り返しは、機械的に柔らかいが安定で透明なゲル
を与えた。このゲルは熱応力下で殆ど良好な溶融安定性
を示した(実施例10ゲル8参照)。
【0077】実施例12(本発明によらない) ゲル形成体のまたは本発明による組成とは異なるゲルの
組成の場合のゲル特性における変化の実例 a)手順は、その製造において2倍量のエタノールアミ
ンを使用したBE溶液を用いた以外は実施例6における
ようであった。
【0078】実施例8と同様なゲル化実験においては、
ゲルが得られる代わりに物質は液体で留まった。
【0079】b)手順は、1.5倍量のBE溶液を使用
した以外は実施例6と同様であった。
【0080】実施例8と同様なゲル化実験においては、
ゲルが得られる代わりに物質は液体で留まった。
【0081】c)手順は、僅かに0.3倍量のBE溶液
を使用した以外は実施例6と同様であった。
【0082】実施例8と同様なゲル化実験においては、
最初はゲルが得られなかったが24時間より長い加熱の
後でだけ非常に柔らかいゲルが得られた。このゲルは、
実施例10と同様な加熱実験においては、熱応力を受け
たゲルの合着を導く望ましくない溶融を示した。
【0083】これらの実験は、ゲル形成体溶液のゲル化
挙動及び熱応力下の溶融挙動に関して所望の改善された
特性を有するゲルは本発明によるゲル組成によってのみ
得られることを示す。
【0084】実施例13 本発明によるゲル形成体の製造の方法の改質 実施例5に従って得られそして1.2モルのトリスリン
酸アルミニウムの付加物及び3モルのエタノールアミン
を含むAPE溶液を、透明な溶液が形成されるまで水中
の96.4部のオルト硼酸(Al:Bのモル比=1:
1.3)の65%濃度の分散液と共に50℃で完全に撹
拌した。
【0085】室温での30時間の貯蔵の後で、実施例8
と同様なゲル化実験は、実施例8に従ってテストされた
ゲルと同様に振る舞う透明なゲルを与えた。
【0086】実施例14 本発明によるゲル形成体溶液の連続的製造 計量ポンプは、室温で25時間熟成されたAP溶液を1
分あたり74容量部で送った。第二の計量ポンプは、室
温で25時間熟成されたBE溶液を1分あたり94容量
部で送った。
【0087】両方の計量ポンプは、ポリウレタン製造の
ために通常使用されるような撹拌機混合ヘッドに送っ
た。高速混合ヘッドにおいては、成分は非常に急速にそ
して非常に完全に混合された。混合ヘッドの後には10
mの長さの輸送パイプがあり、このパイプは中央に静的
ミキサーを有し、このミキサーによって反応混合物は引
き続いて混合された。次に透明で無色の反応混合物は、
クーラーの上をそして、約35℃で、貯蔵容器中に流
れ、この容器の中でそれは室温に冷却された。
【0088】実施例8と同様なゲル化実験においては、
透明なゲルが得られ、これはその特性において実施例8
に従ってテストされたゲルに対応した。
【0089】実施例15 ゲル形成体溶液の希釈及び充填剤の添加の可能性 a)65%濃度のAPBE溶液を、水によって50、4
0、30、20、10及び5%の固体濃度に希釈した。
次に水平位置の円筒状試験管をこれらの溶液で半分満た
しそして80℃で24時間加熱した。次に試験管を垂直
位置に置きそして評価した:ゲル化はすべての場合に起
こっていた。10%サンプルの場合には、ゲルは、垂直
位置に置いた時に滑る傾向があった。40及び50%サ
ンプルは僅かな不透明さを示し、そして30%及びそれ
より低いサンプルはかなりの不透明さを示し、これは濃
度が減少するにつれて増加した。
【0090】b)ポリウレタンフォームのマット(密度
30kg/m3)を、70%に調節されたAPBE溶液
によって飽和させた。その後で、このマットをポリエチ
レンフィルム中にパックしそして80℃で25時間の過
程でゲル化せしめた。継目、ケーブル隔壁または壁リー
ドスルー(lead−throughs)の柔軟で防火
性の閉鎖のためにそしてケーブルを覆うために適切であ
る柔軟な複合物質が得られた。
【0091】この物質の利点は、未乾燥状態において
は、それは柔軟でありそして任意の形のキャビティにプ
レスすることができそしてこれらに適合することであ
る。それが引き続いて乾燥する時に、それは収縮無しで
所定の形を保ちそして本発明による含浸剤のために火事
に耐えるスペースへの機械的に安定な終端を製造する。
【0092】c)計器の包帯(gauze banda
ge)をAPBE溶液によって飽和させ、巻き上げそし
て溶接によってポリエチレンフィルム中にシールした。
80℃でのゲル化の後で、含浸剤をロール中で固定し
た。それにも拘わらず、このロールは解くことができ
た。次に解かれた包帯をプラスチックパイプ(径5c
m)の回りに6層で巻いた。このパイプは天然ガスバー
ナーによる炎の適用による乾燥の後でさえも崩壊せずそ
して30分の過程で炎中に飛び散らなかった。
【0093】d)100部の60%に希釈されたAPB
E溶液を、100部のガラスマイクロビーズ及び30部
のガラス繊維(商業的なステープルファイバー)と完全
に混合した。この混合物をれんがのサイズを有するプラ
スチックの箱金型中に導入しそして95℃でゲル化させ
た。それから含浸溶液がもはや流れ去らないゲル化され
た物質の固体のブロックを、次に、金型から取り出し
た。
【0094】このようなブロックは、防火障壁として使
用することができまたは、必要に応じて湿った状態での
粉砕の後で、継目及びキャビティを防火加工しそして同
時に充填するためのセメント様物質として役立つことが
できる。
【0095】e)軟質フォームの商業的な柔軟な絶縁チ
ューブを65%に希釈されたAPBE溶液によって飽和
させそして次にマイクロ波の場の中での加熱によってゲ
ル化させた。未乾燥の改質されたチューブはなおまだ完
全に柔軟であったが、含浸剤はその中に固定されてい
た。柔軟な状態のこのチューブは保護されるべきケーブ
ルまたはパイプの回りに置くことができ、そして乾燥さ
れた後では堅い。乾燥に際して堅くなるこのような柔軟
な被覆は、防火目的のために使用することができる。
【0096】f)700部のSOxタイプの商業的な発
泡性グラファイトを、300部のAPBE溶液と混合
し、そして実施例15d)においても使用された箱金型
中に充填しそしてゲル化させた。殆ど収縮無しで乾燥す
る一種のれんがが得られた。予防的防火の目的のための
成形品は、このような物質から機械加工によってまたは
直接の形状化によって製造することができる。180℃
より高い温度への加熱に際して、このような成形品は5
00%より大きい容積増加を伴って膨張し、発泡する発
泡性グラファイトがほこりの形で出て来ることは無い。
それは膨張する物質内部に拘束されて留まった。
【0097】g)270℃で予備発泡された100部の
発泡性グラファイト(かさ密度110g/l)を200
部のAPBE溶液と混合してスラリーを生成させそして
ゲル化させた。このゲル化された物質をボールミル中で
チキソトロピーのスラリーに転化させた。このスラリー
はカートリッジ中に導入することができそして予防的防
火の目的のためのセメントまたは継目充填物質として使
用することができる。乾燥された状態においては、この
物質は炎適用に際して約400容量%だけ膨張する。
【0098】h)650℃で発泡された100部の発泡
性グラファイトを150部の65%濃度のAPBE溶液
と混合し、そしてこのようにして得られた少し湿った物
質を室温でプレスして、0.1kg/cm2の圧力下で
約4cm厚さのパネルを生成させた。
【0099】次にパネルを金型から取り出しそして12
0℃で加熱オーブン中で乾燥させた。約200g/lの
相対密度を有する安定で電気的に伝導性のパネルが得ら
れた。
【0100】この複合パネルは250〜300℃での引
き続く加熱の結果として耐水性になった。
【0101】このようなパネルは遮蔽目的または防火目
的のために使用することができる。それらはまたサンド
イッチ層としても使用することができる。
【0102】実施例16 ペンキ及びコーティング物質 75%濃度のAPBE溶液をペンキとして使用した。こ
の溶液を3mm厚さのブナ合板にブラッシによって1.
5kg/m2の量でたっぷりと塗布した。乾燥の後で、
光沢があり非粘着性でクラックのないそして透明なコー
トが木材の上に得られた。
【0103】このやり方でコートされた10×10×
0.3cmの木材サンプルを、炎が四角なサンプルの中
央でコートされた表面と接触するように約1000℃で
の天然ガスバーナーの炎の上に水平に設置した。60秒
間の炎の適用の後で、炎を消した。
【0104】セラミック化された物質の絶縁性の5mm
高さの細かく細孔が開けられた層がコートされた層の上
に形成されていた。木材サンプルの後ろは実質的に変化
しなかった。継続した燃焼は観察されなかった。
【0105】同じタイプの未処理の合板シートに関して
同じ実験を繰り返した。未処理の木材の板は完全に燃え
尽きた。
【0106】本発明の主なる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0107】1 a)必要に応じて1モルのリン酸アル
ミニウムあたり0.01〜4モルのアルカノールアミン
との反応生成物の形であってもよい酸性リン酸アルミニ
ウム、及び b)硼酸とアルカノールアミンとの反応生成物を含み、
a)及びb)が、固体として計算して100:55〜1
00:0.5の重量比で存在することを特徴とするゲル
形成体。
【0108】2 約0.5〜85重量%の水並びに、A
l:B:P:アルカノールアミン(1:1.2〜1.
8:2.3〜3.7:2.3〜3.7の原子またはモル
比)でアルミニウム、ホウ素、リン及びアルカノールア
ミンを含むことを特徴とする、上記1に記載のゲル形成
体。
【0109】3 リン酸アルミニウム形成可能なアルミ
ニウム化合物とリン酸アルミニウム形成可能なリン化合
物を1:2.3〜1:3.7のモル比で水の存在下で反
応させてリン酸アルミニウム溶液を生成させ、これとは
別にアミン塩形成可能なホウ素化合物とアミンを1:
1.3〜1:3.1のモル比で合わせ、そして前記リン
酸アルミニウム溶液をこの溶液に1:1.2〜1:1.
8のAl:Bのモル比で添加することを特徴とする、上
記1または2に記載のゲル形成体を含む溶液の製造のた
めの方法。
【0110】4 上記1若しくは2に記載のまたは上記
3に記載の製造によるゲル形成体から、ゲル形成体を3
〜80時間45〜120℃の範囲の1以上の温度に加熱
することによって得ることができることを特徴とするゲ
ル。
【0111】5 水酸化アルミニウムの形の1原子当量
のアルミニウム(Al3+)と2.3〜3.7モルまでの
オルトリン酸との反応生成物及び硼酸または硼酸前駆体
の形の1原子当量のホウ素(B3+)と0.5〜4モルの
アルカノールアミンとの反応生成物を含むことを特徴と
する、上記1または2に記載のゲル形成体。
【0112】6 50重量%未満の水を含むことを特徴
とする、上記1または2に記載のゲル形成体。
【0113】7 水酸化アルミニウム、オルトリン酸、
オルト硼酸及びエタノールアミンを使用することを特徴
とする、上記3に記載の方法。
【0114】8 界面活性剤、接着促進剤、着色剤、細
孔核形成剤、充填剤、光安定剤、酸化防止剤、強化剤、
炭化ポリアルコール、オリゴマー状若しくはポリマー状
添加剤、ポリマー分散液及び/または発泡性物質を付加
的に含むことを特徴とする、上記1、2、5及び6のい
ずれか一項に記載のゲル形成体または上記4に記載のゲ
ル。
【0115】9 膨張する及び/若しくは防火性コーテ
ィング、含浸物、継目シーラント、セメント、成形品、
シールテープ、建築用要素、膨張顔料並びに/または膨
張充填剤の製造のための、上記4に記載のゲルの使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/18 6904−4J 5/34 7211−4J C09K 3/10 Q Z 21/10 8318−4H E06B 5/16 // E04B 1/94 T 7521−2E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)必要に応じて1モルのリン酸アルミ
    ニウムあたり0.01〜4モルのアルカノールアミンと
    の反応生成物の形であってもよい酸性リン酸アルミニウ
    ム、及び b)硼酸とアルカノールアミンとの反応生成物を含み、 a)及びb)が、固体として計算して100:55〜1
    00:0.5の重量比で存在することを特徴とするゲル
    形成体。
  2. 【請求項2】 リン酸アルミニウム形成可能なアルミニ
    ウム化合物とリン酸アルミニウム形成可能なリン化合物
    を1:2.3〜1:3.7のモル比で水の存在下で反応
    させてリン酸アルミニウム溶液を生成させ、これとは別
    にアミン塩形成可能なホウ素化合物とアミンを1:1.
    3〜1:3.1のモル比で合わせ、そして前記リン酸ア
    ルミニウム溶液をこの溶液に1:1.2〜1:1.8の
    Al:Bのモル比で添加することを特徴とする、請求項
    1記載のゲル形成体を含む溶液の製造方法。
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