JPH0627120Y2 - 微生物検査用具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は微生物検査用具、更に詳細には微生物の同定試
験や抗菌剤に対する最小発育阻止濃度測定試験の際に使
用される微生物検査用具に関する。

〔従来の技術〕

一般に、細菌の同定等微生物の検査は手数がかかるた
め、近年その効率化を図るべく、予め複数の微生物検査
用筒状凹所に培地を固着せしめた微生物検査用プレート
体と蓋体とから成る検査用具が実用に供されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

而して、斯かる従来検査用具に於けるプレート体への蓋
体の蓋合は、微生物の培養上空気流通性の必要性から単
なる平板状蓋体をプレート体上面に載置し、微生物検査
用筒状凹所自体の閉止は不完全なものとせざるを得なか
った。

そのため、例えば同定試験等に於て、気体が発生する試
薬等を特定の筒状凹所に用いなければならない場合に
は、当該発生する気体が隣接する他の筒状凹所に入り、
悪影響を与えることが往々にして生じる結果、複数の筒
状凹所を有する検査用プレート体は使用し得なかったの
が実状であった。

そこで、本考案者は斯かる従来の欠点を解消すべく鋭意
検討を重ねた結果、気体が発生する試薬専用として特定
の筒状凹所のみの閉止を完全に行い得る本考案微生物検
査用具を案出したものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案は開口部に上方突縁部を備えた複数の
筒状凹所を形設せしめ、かつ当該複数の筒状凹所の中ほ
ぼ中央部に位置する一つの筒状凹所のみの開口縁部を他
の筒状凹所の上方突縁部に比しより高い上方突出周壁と
したプレート体と、天板下面に当該上方突出周壁と嵌合
する二重周壁を下方突設せしめ、かつ他の天板下面を平
坦面とした蓋体とから成る微生物検査用具である。

〔実施例〕

以下本考案をその一実施例を示す図面と共に説明する。

１はプレート体で、開口部に上方突縁部４を備えた微生
物検査用筒状凹所２が適宜数形設せられているものであ
る。この筒状凹所２の具体的形設方法はその如何を問わ
ないが、合成樹脂によりプレート体１ともども一体成型
するのが簡便かつ効果的である。

３は当該複数の筒状凹所の中ほぼ中央部に位置する一つ
の筒状凹所の開口縁部に形設せられた上方突出周壁で、
他の筒状凹所開口部の突縁部４より若干高く形設せられ
ているものである。

尚、プレート体１には、適宜脚壁を兼ねる側壁５を形成
しても良い。

６は蓋体で、平板状天板７下面に、上記プレート体１の
上方突出周壁３を周壁間に嵌合する二重周壁８を下方突
設していると共に、他の天板７下面は平坦面となってい
るものである。この二重周壁８の内外周壁の突出の程度
は両者とも同一であつても良いが、外周壁８１を内周壁
８２に比し、若干短寸とするのが嵌合閉止操作性の点で
有利である。

〔作用〕

以上の如く、本考案は構成されているものであるから、
プレート体１に蓋体６を被冠せしめれば、プレート体１
の上方突出周壁３が蓋体６の二重周壁８間に嵌合され、
ほぼ中央部に位置する当該特定の筒状凹所のみが完全に
閉止される一方、他の筒状凹所は天板７が上方突縁部４
に単なる載置状態になっているに過ぎないため、空気の
流通性が保持せられる。

〔考案の効果〕

従つて、本考案を用いれば、一の筒状凹所に於ける試験
が他の筒状凹所に於ける試験に悪影響を与えることを完
全に阻止することができるので、気体が発生する試薬を
用いなければならない場合に於ても、微生物培養を含む
より確度の高い各種試験検査を効率良く行うことができ
る。また、プレート体と蓋体がほぼ中央部に於て嵌合係
止せられているため、単なる従来の載置とは異なり蓋体
のズレやガタツキの発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は蓋体の底
面図、第２図はプレート体の斜視図、第３図は蓋体とプ
レート体とを分離した状態の断面説明図、第４図はプレ
ート体に蓋体を被冠せしめた状態の要部断面説明図であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口部に上方突縁部を備えた複数の筒状凹
   所を形設せしめ、かつ当該複数の筒状凹所の中ほぼ中央
   部に位置する一つの筒状凹所のみの開口縁部を他の筒状
   凹所の上方突縁部に比しより高い上方突出周壁としたプ
   レート体と、天板下面に当該上方突出周壁と嵌合する二
   重周壁を下方突設せしめ、かつ他の天板下面を平坦面と
   した蓋体とから成る微生物検査用具。