JPH06268963A - ディジタル信号記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はディジタル信号記録方法に関するも
ので、特に特殊再生時にも高画質の映像信号を得ること
が可能な方法を提供する。 【構成】 高速再生を行なって再生可能な音声信号領域
１４のデータは、音声信号であれば現実には利用不可能
であるため、音声信号ではなく映像信号または映像信号
に基づく情報を記録することにより、利用できる映像信
号を増加させることができ、高画質の高速再生が可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気媒体に映像信号と
音声信号をディジタル記録する方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のディジタル信号記録方法を説明す
る。従来のディジタル信号記録方法を用いて磁気テープ
上に記録されたパターンを、図２に示す。図２におい
て、１は磁気テープ、２はトラックスタート位置情報領
域、３はタイムコード領域、４は音声信号領域、５は映
像信号領域である。タイムコード領域３にはタイムコー
ド・頭出し信号・タイトル等の情報を、音声信号領域４
には音声信号を、映像信号領域５には映像信号を記録し
ている。

【０００３】映像信号記録機器では、タイトルや頭出し
信号のような情報の追加記録、音声のアフター・レコー
ディング、あるいは映像のインサート記録などの機能が
必須とされ、タイムコード等の情報、音声信号、映像信
号を独立に編集ができなくてはならない。各領域毎の編
集を行なうためには、このように各領域を分割し、間隔
をあけて記録することが必要である。さらに、各領域の
始まる位置を正確に把握する必要があり、その位置情報
をトラックスタート位置情報領域２に記録している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなディジタ
ル信号記録方法を用いて記録するディジタルＶＴＲ等に
おいては、高速再生を多用することが予想される。高速
再生時には、音声信号を音声として出力することは期待
されないが、映像信号を映像として出力しなくてはなら
ない。高速再生時にはヘッドがトラックを横切りながら
再生を行なっており、再生信号は部分的にしか得られな
い。従って、全ての映像信号を集めることができなくな
り、また映像信号に高能率符号化がなされている場合に
は部分的に得られた再生信号のさらに一部しか利用でき
ないため、大きく画質が劣化するという課題を有する。

【０００５】本発明はこのような従来のディジタル信号
記録方法の課題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、音声信号と高
能率符号化された映像信号を領域を分けて記録する記録
方法において、前記音声信号領域の一部を映像信号また
は映像信号に基づく情報に割り当てることを特徴とする
ディジタル信号記録方法である。

【０００７】

【作用】本発明は、音声信号記録領域の一部にも映像信
号を記録しておくことにより、特殊再生時にも高画質の
映像信号を得ることが可能なディジタル信号記録方法を
構成する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明によるディジタル信号記録方法
の実施例を図面をもとに説明する。

【０００９】本発明の実施例では、映像信号を１０フレ
ーム内高能率符号化を行ない、１００トラックに記録す
る構成とする。このように記録されたテープを、回転シ
リンダ１８０゜巻付け・９０００ｒｐｍ・１８０゜対向
１ｃｈヘッド・ダブルアジマス、のデッキで＋１０倍の
高速再生を行なうことを前提とした記録方法とする。

【００１０】図１は本発明の実施例におけるディジタル
信号記録方法による記録パターンを示すものである。図
１において、１１は磁気テープ、１２はトラックスター
ト位置情報領域、１３はタイムコード領域、１４は音声
信号領域、１５は映像信号領域である。回転シリンダへ
の磁気テープの巻き付け角度にして、トラックスタート
位置情報領域１２を２゜〜４゜に、タイムコード領域１
３を７゜〜８゜に、音声信号領域１４を１２゜〜２７゜
に、映像信号領域１５を３１゜〜１７８゜に割り当てる
ものとする。

【００１１】このように記録されたパターンの＋１０倍
速再生を行なった場合のヘッドの軌跡を図１に示す。ま
た、各トラックにおいて再生可能である範囲を（表１）
に示し、各トラックの音声信号領域１４において再生可
能である範囲を図１中の斜線部に示す。トラック番号
は、１０フレーム単位に、１００本のトラックに対して
記録される順序通りの番号を与えている。

【００１２】

【表１】

【００１３】トラック番号が、１１、３１、５１、７
１、９１であるものについては、＋１０倍速再生を行な
った場合に音声信号領域１４は再生可能であるが、再生
されたデータが音声信号であっても利用不可能であるた
め、映像信号または映像信号に基づく情報を記録するこ
とにすれば映像信号として利用可能である。

【００１４】以上のように、高速再生時に利用できない
音声領域には映像信号または映像信号に基づく情報を記
録すれば、高速再生時に利用できる映像信号を増加させ
ることができ、高画質の高速再生が可能になる。利用で
きる映像信号は、映像信号そのものであってもよいし、
映像信号に対して付加される誤り訂正符号の検査記号で
もよい。

【００１５】なお、本実施例では映像信号には高能率符
号化がなされているものとしているが、これはなされて
いなくても同様の効果が得られる。但し、高能率符号化
を行なった場合には、信号により重要度が異なり、かつ
重要度の高い信号が揃えば映像信号の概要が判明する符
号化方法が一般的であるため、この重要度の高い信号を
映像信号領域だけでなく音声信号領域にも記録して、そ
れが失われる可能性を低くすることにより、大きな効果
を得ることができる。

【００１６】また、本実施例における手法はあくまでも
一例であり、他の手法、例えば映像信号の処理単位、映
像信号の最小処理単位を記録するために必要なトラック
数、記録パターン上の領域の割当方法、記録パターン上
の領域の種類、１トラック内の各種の領域それぞれの個
数は任意であってよく、デッキの構成、高速再生の設定
速度等が異なっていても、本発明は実現可能である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、音
声信号領域の一部を映像信号または映像信号に基づく情
報に割り当てることにより、特殊再生時に利用できる再
生データの量を増加させることができ、その実用的効果
は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のディジタル信号記録方法によ
る記録パターンの説明図

【図２】従来のディジタル信号記録方法による記録パタ
ーンの説明図

【符号の説明】

１１ 磁気テープ １２ トラックスタート位置情報領域 １３ タイムコード領域 １４ 音声信号領域 １５ 映像信号領域

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】音声信号と高能率符号化された映像信号と
   を領域を分けて記録する記録方法において、前記音声信
   号領域の一部を映像信号または映像信号に基づく情報に
   割り当てることを特徴とするディジタル信号記録方法。
2. 【請求項２】映像信号または映像信号に基づく情報に割
   り当てる音声信号領域は、特殊再生時に再生可能な部分
   とすることを特徴とする請求項１記載のディジタル信号
   記録方法。
3. 【請求項３】音声信号領域の一部に割り当てられる映像
   信号または映像信号に基づく情報は、特殊再生時のみ利
   用することを特徴とする請求項２記載のディジタル信号
   記録方法。
4. 【請求項４】音声信号領域の一部に割り当てられる映像
   信号は高能率符号化により重要度が高いと判断される情
   報であることを特徴とする請求項３記載のディジタル信
   号記録方法。
5. 【請求項５】音声信号領域の一部に割り当てられた映像
   信号に基づく情報は誤り訂正符号の検査記号であること
   を特徴とする請求項３記載のディジタル信号記録方法。