JPH06268065A - 配線ディレイ制御による配線設計装置及びその方法 - Google Patents

配線ディレイ制御による配線設計装置及びその方法

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JPH06268065A
JPH06268065A JP5055343A JP5534393A JPH06268065A JP H06268065 A JPH06268065 A JP H06268065A JP 5055343 A JP5055343 A JP 5055343A JP 5534393 A JP5534393 A JP 5534393A JP H06268065 A JPH06268065 A JP H06268065A
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wiring
delay
delay value
line
designated
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Application number
JP5055343A
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Inventor
Mitsuo Seki
光穂 関
Takeshi Inoue
健士 井上
Shunichi Kobayashi
俊一 小林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Design And Manufacture Of Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ある始点終点間に指示されたディレイで始点終
点間を配線する。 【構成】メモリ402は端子位置情報や指定ディレイを
含むネットリストを格納し、パラメータ入力部401は
ディレイ計算用のパラメータを入力する。ディレイ設定
部502は予め指定されたディレイや配置状態から決定
したディレイを各ネットに与える。第1配線部503は
ネットの各端子間を配線する。配線ディレイ算出部50
4は第1配線部503が作成した配線のディレイを計算
し、ディレイ比較部506が各端子に設定されたディレ
イと比較する。設定されたディレイが実現されていない
場合は、第2配線部が設定ディレイを実現するまで繰り
返し実行される。 【効果】本発明では任意の2点間を指定ディレイで配線
できるので、配線ディレイだけでなく配線スキューも管
理できる。また、意図的にディレイを大きくすることも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速なLSIを実現する
ための配置配線設計の分野に係り、特に配線ディレイを
所定の値にする配線ディレイ制御による配線設計装置及
びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体設計の分野においては、出力端子
は始点と、入力端子は終点と同義である。スキューとは
1つの出力端子から出た信号が複数の入力端子に到達す
るまでのディレイの差(もしくは到達時間差)のことを言
う。配線ディレイは、配線による信号の遅延を言い、配
線ディレイ値は、その遅延時間のことを言う。
【0003】これより、配線ディレイ及び配線スキュー
と言う場合はディレイやスキューがセル間を結ぶ配線に
よって生じるものを指す。これらの用語はこの公知例特
有のものではなく、この分野で一般的なものである。
【0004】一般に、この分野の設計装置では、あらか
じめ用意された基本的機能の単位ごとにセルが複数個あ
り、そのセル群の間の結線関係を表現したネットリスト
が、メモリに格納されている。配線位置の決定は、メモ
リから入力されたネットリストを基に行う。配線は、あ
る特定のネットについて配線スキューを考慮して配線を
制御する。これをスキュー制御配線と言う。
【0005】この技術として、例えば、南文裕ほか,
“RC遅延を考慮したスキュー最小化方式”,電子情報
通信学会,VLD91ー130,PP15ー21があ
る。
【0006】スキュー制御配線は図25(a)に示すよ
うに2分木の配線パターンを用いて出力端子1から各入
力端子3までの配線ディレイそれぞれを等しくするもの
である。
【0007】2つの入力端子をペアにしてその間を配線
し、配線された経路の途中にある各入力端子への配線デ
ィレイが等しい点120−1を求める。さらにこれらの
点を結んで、新たな各入力端子への配線ディレイが等し
い点120−2を求める。これを繰り返して階層的に配
線し、最後に出力端子1と結線する。
【0008】点120の求め方を図25(b)に示す。
端子ペア間を配線するとその配線長Lが求まる。その配
線長Lを1:1ーxに分割すると点Zから各入力端子3
への配線長が仮定でき、点Zからの配線長と単位当たり
の配線抵抗P・配線容量Q及び入力端子の入力容量C
1,C2から各入力端子への総配線容量と総配線抵抗が
求まる。配線ディレイは配線抵抗と配線容量の積で近似
できるから、配線長Lxの経路と配線長L(1ーx)の経
路の配線ディレイが等しいと置いてxを求めることがで
きる。
【0009】このための処理手順を図26に示す。まず
単位長当たりの配線容量・配線抵抗を入力する。次に既
に配置された入力端子群を端子ペアに分割する。できる
だけ近いところにある入力端子をペアにする。入力端子
数が奇数の時は余った端子はそのままにしておく。
【0010】次に端子ペア間を配線する。この時には配
線長は特に考えず、任意のパターンで配線する。端子ペ
ア間の配線が終わったら各入力端子の入力容量を入力す
る。そして上に述べた方法で点120を求める。点12
0はこの段階で(入力端子数/2)個できる(入力端子
が奇数個の時は余った入力端子も点120とみなすので
+1個)。
【0011】最終的に出力端子につなぐためにはさらに
点120間をつながなければならない。それは点120
を入力端子とみなした上で説明した処理を繰り返せばよ
い。そのために入力端子の入力容量に相当する点120
につながる総配線容量を求める。これは端子ペア間の総
配線容量と入力端子の入力容量の和であるから端子ペア
間の配線長に単位長当たりの配線容量を乗じたものに入
力端子の入力容量を加えることによって求められる。
【0012】上記の処理を繰り返し、出力端子と結線し
たら配線終了である。この方法では常に2つの入力端子
への配線ディレイが等しい点を求めて次々とその点間を
結んでいくので全入力端子への配線スキューが最小にで
きる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法では各入力
端子までの配線スキューは最小化できるが、指示された
配線ディレイで各入力端子まで配線することができない
ので、他の信号とのタイミングが合わないときがある。
なぜなら配線スキューを0にするということは、単に各
入力端子までの配線ディレイが等しいというだけであ
り、指定された配線ディレイが実現されることとは違う
からである。
【0014】さらに、点120を求めるときには端子ペ
ア間の配線長を単にx:1−xに分配しているだけであ
る。従って、異なった配線層にまたがって配線を行うこ
とについては考慮されていない。つまり、上述の方法に
よると、端子ペア間の配線に対する単位長当たりの配線
容量・配線抵抗が1種類でなければならないにもかかわ
らず、実際の端子ペア間の配線は必ずしも1種類の配線
層で行われるとは限らないからである。そのため、配線
層単位に単位長当たりの配線容量・配線抵抗が異なる場
合は考慮できない。また、ある配線と交差・並行してい
る他の配線により、寄生容量が生じ、全体の配線容量の
増加を考慮できない、という問題がある。
【0015】本発明の目的は、ある始点からある終点ま
でが指示された配線ディレイ値になるように配線するこ
とにある。この場合、始点と終点は1ネットにおける出
力端子と入力端子でもよいし、始点と終点が幾つかのネ
ットを介していてもよい。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、少なくとも端子位置を示す端子位置情報を含むネッ
トリストを格納するメモリと、所定のディレイ値を設定
する指定ディレイ値設定手段と、上記端子位置情報から
上記端子間の配線を行う第1の配線手段と、上記配線の
線分の配線容量と配線抵抗を算出し、配線ディレイ値を
算出する配線ディレイ変換手段と、上記配線ディレイ値
が上記指定ディレイ値になるように上記配線経路を変更
して配線する第2の配線手段とから成ることを特徴とす
る。
【0017】
【作用】指定ディレイ値になるように支線長を配線ディ
レイ値で制御するので、配線のディレイ値を所定の値に
することができる。
【0018】始点から終点までを指示されたディレイで
配線できることにより、終点に同じ信号到着時間を指定
すれば配線スキューも最小化できるし、意図的にディレ
イを大きくすることも可能である。
【0019】また、指定ディレイ値になるように配線を
行うので、交差・並行線分の容量や多種類の単位長当た
りの配線容量・配線抵抗の増加や減少を制御をできる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図24を用
いて説明する。
【0021】ある始点からある終点までが指示されたデ
ィレイ値になるように配線するための配線ディレイ制御
装置の概略を図1に示す。
【0022】まず、配置されたセルの端子位置や端子が
持つ特性情報(ネットリスト)をメモリ402から入力
する。端子が持つ特性を入力するのは、セルの中にはト
ランジスタと2入力NANDなどの基本的な機能を実現
している配線が有り、トランジスタの違いや配線の違い
によって配線ディレイに与える影響が異なるからであ
る。さらに、パラメータ入力部401が配線層ごとに異
なる単位あたりの配線容量や配線抵抗の値、及び配線交
差・並行による寄生配線容量増加の計算パラメータを入
力する。
【0023】入力されたデータにより、まずディレイ設
定部502が各ネットに配線ディレイを設定する。それ
と並行して第1配線部がネットの配線を行う。第1配線
部ではある経路パターンを想定して配線する。一旦経路
が求まると、配線ディレイ算出部504により各入力端
子への配線ディレイを求めることができる。そこでディ
レイ比較部506がディレイ設定部502によって設定
されたディレイと配線ディレイ算出部504で求められ
たディレイを比較する。比較したとき設定ディレイと一
致しなければ、第2の配線部が配線経路を変更する。こ
の変更は、配線ディレイを増加させることも減少させる
こともできる。そして指定ディレイになるまでこれを繰
り返す。
【0024】上記に示した配線ディレイ制御装置の一例
を図2に示す。まず図1のディレイ設定部502に相当
する部分を説明する。指示されたある始点から終点まで
のディレイを実現する時、始点から終点までに存在する
一つ一つのネットについてあらかじめ指定ディレイを与
える方法と一つ一つのネットについては特に制約を与え
ず始点から終点全体でディレイを満足させる方法の2つ
が考えられる。前者の時は指定ディレイ入力部400か
ら入力されたディレイを、指定ディレイ設定部403が
各ネットに対して出力端子から各入力端子へのディレイ
として与える。これによりLSI設計者の意図を正確に
伝えることができる。後者の場合には指定ディレイ設定
部403が各ネットが幾つのセルをつなぐものかを判断
して全体ディレイを分配し一応の目安を各ネットに与え
る。
【0025】次に配置位置決定部404は与えられたネ
ットディレイからそのネットにつながるセル個々の実配
置位置を決定する。配置位置決定部404の処理につい
て図22により説明する。まず、図22(a)に示すよ
うに、指示されたディレイとそのネットを構成するセル
数からそれらのセル群が収納されるべき矩形を設定し、
その中にセル群を配置する。矩形の決定方法は次のよう
に行う。最初矩形を正方形と仮定して一辺をXとする。
ネットのセル数に応じて2X(正方形の半周長)の1次式
でネットの配線長を予想する経験的な式を用いてそのネ
ットの配線長を推定する。この配線長をやはり経験的な
式によりディレイに変換する。こうすると推定ディレイ
がXの関数となり、このディレイが指定されたディレイ
値よりも小さいとしてXの最大値を求めることができ
る。Xが求まれば2Xが半周長であり、配線長の推定は
Xの1次式で行うので半周長が2X以内なら矩形は正方
形でなくとも配線長制約を満たす。1ネット内のセルは
他のネットにもつながっているので矩形を正方形に限定
しないことによって他のネットのディレイ制約を同時に
満たす可能性を大きくすることができる。
【0026】次に図22(b)に示すように、配置され
たセル群に関して仮想配線パターンを用いて各終点でデ
ィレイを満たすかを判定する。まず配置されたセル群の
重心を通る幹線5を発生する。配置段階では詳細な配線
パターンは考慮しないので、この幹線は1直線である。
次に幹線5から各セルに向かって支線4を垂直に降ろ
す。この配線パターンを仮定するとディレイ計算式を用
いて各入力端子でのディレイを近似することができる。
この近似は配線部406の中の指定ディレイ配線部20
0で用いる支線長計算部202を用いることにより可能
である。支線長計算部202については配線部406の
所で詳細に説明する。各終点でのディレイが求まったら
指定ディレイと比較する。そしてディレイを満たさない
終点に関して図22(c)の様に配置位置修正を行う。
配置位置決定部404では仮想経路でのディレイが少な
くともネットに指定されたディレイより小さくなるよう
にセルを配置するので、配線が多少迂回しても指定ディ
レイが実現できる。
【0027】配置位置決定部404では各ネットのディ
レイを満たすように配置するが、それぞれの制約を持っ
たネットにつながるセルを多数配置するため必ずしも全
てのネットに対して与えられたネットディレイを満足で
きるとはいえない。つまり、あるネットはディレイに余
裕があるがあるネットはディレイを満足できないという
ことが生じる。一般には全ネットに対して与えられたデ
ィレイを満足する必要はなく、幾つかのネットを含む始
点から終点で指定ディレイを満たせばよいので、ディレ
イ再決定部405は図23に示すように配置状態に応じ
て各ネットのディレイ値を再設定する。
【0028】図23において始点を432,終点を43
3とする。そして始点から終点のディレイはDが指定さ
れ、始点432から終点433の間のセルにd11,d
21,d31がそれぞれ指定ディレイ設定部403によ
り与えられていたとする。もし配置位置決定部404で
配置修正を行っても他のネットのディレイ制約のために
セル433のディレイがd31よりもαだけ大きくなっ
てしまったとき、ディレイ再設定部405はそのαの分
を他のネットに分配し、始点432から終点433まで
でディレイが満たせるようにする。もしαの分の解消が
他のネットでできないときはもう一度配置位置決定部4
04に処理を戻す。
【0029】以上で説明したように、指定ディレイ設定
部403,配置位置決定部404及びディレイ再設定部
405が図1のディレイ設定部502に相当する。
【0030】配線部406は3つのモードを持つ。入力
端子にそれぞれ異なるディレイが設定されているため指
定されたディレイで配線するもの、同じタイミングで動
作すればよいのでディレイは多少違反してもスキューは
最小にするもの、その他ディレイやスキューを気にする
必要のないものである。これらのモード指定はあらかじ
め指定ディレイ設定部403で入力端子でのディレイ設
定を判定して決定される。もし、ディレイ再設定部40
5でネット指定ディレイが変更されるとそれに応じて変
更される。
【0031】配線部406は図3に示すように詳細化さ
れる。
【0032】一般配線モードは特に配線ディレイを考慮
しないモードである。このときは、配線するネットに含
まれる端子対の数分だけ2点間配線部221を実行す
る。2点間配線部221は配線ディレイを考えず図16
(a)に示すような2点間を最短で結ぶ配線部である。
【0033】ディレイモードの処理では、まず各ネット
の終点で守るべき指定ディレイ値を入力し、次に指定デ
ィレイ配線部200を実行する。このモードの時には単
に各終点までのディレイを同じにするのではなくて、各
終点にそれぞれの異なるディレイ値が指定された時、そ
れらすべてを満足する配線を行う。例えば図21に示す
ような各入力端子3への配線パターンになる。
【0034】スキューモード配線は各終点へのディレイ
を等しくするモードであり、1ネットの入力端子数に応
じて指定ディレイ配線200と配線スキュー階層的最小
化部220の2通りの配線方法がある。それは各終点に
指定された同じディレイをそれぞれ実現することによっ
て配線スキューを0にする場合と、かならずしも指示さ
れたディレイは満足できないが配線スキューのみを0に
する場合にそれぞれ対応する。各終点に指定された同じ
ディレイをそれぞれ実現することによって配線スキュー
を0にする場合にはディレイモードの処理を行うので、
指定ディレイ値を入力した後指定ディレイ配線部200
を実行する。また配線スキューのみを0にする場合は配
線スキュー階層的最小化部220を実行する。詳細は後
述するが、入力端子数が多いときは配線スキュー階層的
最小化部220で、入力端子数が少ないときは指定ディ
レイ配線部200で配線する。なぜなら、入力端子数が
多いときほど配線長が長くなり、各終点へのディレイを
指示どおりに実現するのが難しくなるからである。
【0035】指定ディレイ配線200は、図9に示すよ
うな幹線2を1本引きその幹線から出力端子1に支線5
を、各入力端子3に支線4を引く配線パターンを作成
し、指定ディレイになる配線を実現する。指定ディレイ
配線200は図1の部502〜506を組み合わせた一
実施例であり、6つの部からなる。それは図4に示すよ
うに(1)幹線作成部201,(2)支線長計算部20
2,(3)支線長を配線ディレイに変換する部203,
(4)2点間指定ディレイ配線部204、(5)初期パ
ターン設定部331、そして(6)交差・並行線分による
配線容量計算部205である。このうち部201,20
5,331が第1配線部503に、部202,203が
ディレイ設定部502に、部204が第2配線部50
5,ディレイ比較部506,配線ディレイ算出部504
に相当する。
【0036】指定ディレイを満たすための配線方法を詳
細に説明する。図9は本発明により1ネットにおいて出
力端子1から各入力端子3へ指示された配線ディレイを
実現しかつ配線スキューを0にするための典型的な配線
パターンである。本発明では配線パターンの一例として
1ネットに対して1つの幹線2と入力端子3の数だけの
支線4を用いる。支線4と幹線2の交点を7,幹線2と
出力端子1との交点を6とする。この配線パターンを実
現するために指定ディレイ配線部200を実行する。各
部201から204のさらに詳細な部の構成を図5〜図
8に示す。
【0037】まず第1配線部503に相当する部分から
説明する。幹線作成部201の構成は図5に示される。
幹線作成部201によって1ネットに含まれる端子群に
対して1本の幹線2を引くが、そのための準備として概
略格子を決定する部301により配線領域上に概略格子
131を設定する。この概略格子131は配線領域をほ
ぼ等分割して設定する。そして配線混雑度を予想する部
302により他の配線が配線領域内のどの当りを通過す
るかを予測し、概略格子131の上に混雑度を定義す
る。これは各ネットに対して端子の配置位置分布を求
め、それらを含む最小矩形内に配線が確率的に一様に分
布すると仮定して求める。これにより配線混雑を考慮す
ることができる。
【0038】幹線2を引くにはネットを構成する入力端
子の分布を求める部303によりまずディレイの指定さ
れたネットに含まれる全ての端子の配置位置分布を求
め、それらを含む最小矩形を求める。図15にはこの様
子を示す。次に配線混雑が定義された概略格子131の
上で幹線の概略パターンを発生する部304により仮想
的な幹線130を引く。この時折れ曲がり2以内の配線
経路をすべて幹線候補として発生し、その中でもっとも
配線混雑の少ないところを通過する幹線候補を見つけ幹
線の概略パターンとする。これにより配線領域全体を見
て配線混雑が起きないようなところに幹線を設定するこ
とができる。
【0039】概略パターンが決定したら、図9の配線パ
ターンのように仮想的に入出力端子に向かって垂線を引
き、その垂線の長さをもとに仮想ディレイ計算を行う。
ディレイ計算の方法は次に説明する支線長計算部202
における支線長計算式と同じである。ディレイ計算によ
って求まったディレイが指定ディレイよりも小さければ
その概略経路パターンを採用する。そうでないときは他
の概略経路パターンを同様にして調べる。幹線作成部2
01は、図9のパターンのうち幹線を実現するが、幹線
の位置によってはディレイが守られないことがあるので
それを防ぐようにも作用する。
【0040】最終的な概略経路パターンが決定したら、
幹線の端点を決定する部305によりその両端点を決
め、幹線130の概略パターンに添って2点間配線部2
21により実際の幹線を配線する。これは2点間配線部
221に対して概略格子の座標による配線領域限定を行
うことにより達成できる。
【0041】幹線の配線が終了したら2点間配線部によ
る初期パターン配線部331が図16(a)に示すよう
に、幹線から入力端子に向かって最短の支線を引く。こ
れを全ての入力端子について行う。そうすると、各入力
端子への配線ディレイを求めることができる。
【0042】次にディレイ設定部502に相当する部分
について説明する。この段階でのディレイ設定は入力端
子におけるディレイ設定ではなく、各支線に対するディ
レイ設定である。なぜなら、既に幹線は決定されている
ので、各入力端子へのディレイを決定するのは支線長の
みだからである。
【0043】支線長計算部202について説明する。図
6に支線長計算部202をさらに詳細化したときの各部
について示す。まず、幹線と支線の交点を求める部31
1により幹線作成部201が引いた幹線から支線を出す
位置(これを幹線2と支線4の交点7とする)を決定す
る。この交点7は原則として各入力端子3から幹線2に
対して垂線を引いた交点であるが、配線経路どうしの間
隔やスルーホール(異なる2つの配線層間の接続穴)ど
うしの間隔の規定である配線ルールに違反しないように
決定される。したがって交点7は既に配線領域上に存在
する配線経路やスルーホールに対してもそれらとの間隔
が規定に違反しないように決定される。次に複数の交点
7によって区切られた幹線上の線分の配線容量と配線抵
抗を求める。ここで単位長当たりの配線抵抗・配線容量
を入力しておく。図18は支線長計算部202における
配線ディレイ計算のモデルを示したものである。配線デ
ィレイは配線容量と配線抵抗の積で求められる。実際に
は線分の配線長に単位長当りの配線容量を乗じたものが
その線分の配線容量,単位長当たりの配線抵抗を乗じた
ものが配線抵抗となる。
【0044】次に支線長計算式に指定ディレイを代入す
る部314によって支線長計算式にディレイを代入する
のであるが、まず支線長計算のモデルと支線長計算式に
ついて説明する。図18(a)に示すように1つの線分
には配線抵抗R111と配線容量C112があるが、こ
れを線分の中央にRが、線分の両端にC/2が2つ付い
たπモデルで考える。これは形がギリシャ文字のπに似
ているところから付いた名前で、配線ディレイ計算に現
在最も一般的に用いられているモデルである。図18
(b)はそれを複数の線分からなる配線パターンに当て
はめたものである。114はこのネットで出力端子1を
もつセル、115はこのネットで入力端子3をもつセル
である。幹線2は1本の長い線分であるが、配線抵抗1
11と配線容量112は幹線2と支線4の交点7で区切
られる線分単位に設定される。さらに、出力端子1をも
つセルには配線抵抗111のみ、入力端子3をもつセル
には配線容量112のみが設定される。そしてその幹線
2と出力端子1を配線5によって結ぶ。この配線5は最
短で配線する。配線5は全入力端子への共通配線部分だ
から短いほど配線ディレイが小さくなる。
【0045】高速なLSIではある始点から終点のディ
レイを小さくするだけでなく、あるディレイ以上にする
ことも必要になる。配線ディレイを意図的に大きくする
ためには各支線4を長くする方法もあるが、幹線2と出
力端子1を結ぶ配線5を長くすることも有効である。な
ぜなら幹線1本と多数支線の配線パターンでは配線5の
所が他の配線区間に比べて最もディレイが大きいからで
ある。したがって、次に説明する支線長計算式で幹線と
支線が既に与えられたとして配線5に必要なディレイを
求めて配線すればよい。
【0046】さて支線長計算式を次のように導出する。
図19は本発明の幹線1本と多数の支線による配線ディ
レイ計算のモデルを示している。まず記号の定義や仮定
を説明する。2つの破線で囲まれる分布定数回路内で
は、配線ディレイは配線に仮定される配線抵抗Rと配線
容量Cの積で近似されると仮定する。幹線上の各分岐点
bi間の配線長をLi(ただし、幹線2と出力端子1を
結ぶ配線5の配線長をL0),各支線長をXiとする。
また、配線の単位当たりの配線抵抗をr,単位当たりの
配線容量をc,出力バッファの配線抵抗をr0,入力端
子の配線容量をc0とする。そしてT=rc,t0=r
0・cとする。
【0047】幹線上の分岐点bj−1からbjまでの配
線ディレイをDjとすると、
【0048】
【数1】
【0049】右辺第1項は線分Ljの配線抵抗(配線デ
ィレイD1の場合はrLjが出力抵抗r0となる),右
辺第2項は支線Xj〜Xnの配線容量和,右辺第3項は
幹線上の線分Lj+1〜Lnの配線容量和,右辺第4項
は幹線上の線分Ljの配線容量(ここではπモデルによ
り1/2),最後に右辺第5項は入力端子Cj〜Cnの
配線容量和である。さて出力バッファの配線抵抗による
配線ディレイをD0とすると次のように書ける。
【0050】
【数2】
【0051】上の2つの式を次のように書き直す。
【0052】
【数3】
【0053】
【数4】
【0054】
【数5】
【0055】このDjをもとに、各入力端子ekへの配
線ディレイD(k)を求めると次のようになる。
【0056】
【数6】
【0057】(数3)〜(数4)より次のようにまとめ
る。
【0058】
【数7】
【0059】
【数8】
【0060】
【数9】
【0061】ここでM=(D(1),D(2),…,D
(n))が各入力端子に指定された配線ディレイである
からこれを入力する。
【0062】次は支線長計算式を解く部315によりこ
の支線長計算式を解く。各入力端子3から幹線2に向か
って降ろした垂線の長さのベクトルをd=(d(1),d
(2),…,d(n))とすると、支線はd以上でなけれ
ば配線出来ないからX≧d≧0の解を求める。もしX≧
d≧0の解がないときは幹線を移動したり、入出力端子
3を移動しなければならない。
【0063】さて(数7)〜(数9)がX≧d≧0の解
を持つためには少なくとも次の条件を満たさなければな
らない。
【0064】
【数10】
【0065】ここで新たに次の方程式を考える。
【0066】
【数11】
【0067】(数11)の解はX>0の領域では(数7)〜
(数9)の解と一致する。したがって(数11)を考えれば
よい。(数4)より行列Aは正値対称行列なので(数1
1)の解は1つしかない。そこで次の微分方程式を考え
る。
【0068】
【数12】
【0069】この微分方程式のヤコビ行列A+dF
(X)は正値対称行列なのでただ1つの(数11)の解
に収束する。そこで(数12)をオイラー法で解き、各
入力端子への支線長を求める。そしてその解がX>dを
満たすかどうか判定すればよい。もし満たさない場合に
は、配線容量Cに対して(数11)はフルランクの線形
方程式なのでX=dを代入して最適な負荷容量を見つけ
る。これらは一般的な数学の理論を用いている。
【0070】各入力端子への支線長が求まったので次は
この支線長を配線ディレイに変換する部203を実行す
る。この部の構成は図7に示される。支線長計算部20
2で求められた支線は実配線パターンではないため1本
の線分を仮定しているのと同じに考えられる。そこで支
線の配線ディレイは単位長当たりの配線容量と配線抵抗
を入力してそれぞれ支線長に乗じ、さらにそれらを掛け
合わせることによって求められる。
【0071】配置位置決定部404内における、各入力
端子3での配線ディレイを求めるときは(数7〜数9)
に対して、Xが既知でDが未知であるとすればよいから
支線長をXとして与える。
【0072】また、配線5を長くして意図的に配線ディ
レイを大きくするときには、(数7〜数9)においてL
の中でL1のみが未知でその他のLi,X,Dは既知と
考えればよいから、(数7〜数9)からL1を求めるこ
とができる。
【0073】以上で目標とする各支線長のディレイが設
定できたので、これ以降はこのディレイ値と比較しなが
ら支線の配線を制御することによって、各入力端子に与
えられたディレイを実現する。
【0074】各支線を上で決定された支線ディレイで配
線する部について説明する。これが2点間指定ディレイ
配線部204である。この部は図1における配線ディレ
イ算出部504,ディレイ比較部506及び第2配線部
505に相当する一実施例である。この部204の詳細
な構成を図8に示す。そしてこの図8の各部について図
16を用いて詳細に説明する。
【0075】まず、実ディレイ計算部334によって2
点間配線部による初期パターン配線部331によって作
成された支線の初期パターンの配線ディレイを求める。
ここでは他の配線の交差・並行及び配線層毎に異なる単
位長当たりの配線抵抗・配線容量も考慮する。支線配線
パターンは入力端子から順次幹線2と支線4の交点7ま
で線分を辿れば配線ディレイが近似できるので、各線分
単位に他の配線の交差・並行及び配線層毎に異なる単位
長当たりの配線抵抗・配線容量が考慮できる。初期パタ
ーンの支線ディレイが求まると支線長計算部202と支
線長を配線ディレイに変換する部203によってあらか
じめ求められた支線のディレイ値と比較することがで
き、ディレイ差計算部335によって初期パターンによ
る配線ディレイが支線のディレイとどのぐらい差がある
かが計算できる。もし初期パターンの配線ディレイが指
定ディレイよりも小さいときは配線長拡張部332によ
り図16(b)に示すようなU字型の迂回パターンを考
える。U字型の迂回と決めておけばディレイの不足分の
迂回はU字型の3線分の各配線ディレイの和から簡単に
求められる。また他の配線の交差・並行も考慮できる
し、3線分の配線層が異なる場合でもそれぞれの配線層
の配線抵抗・配線容量を参照して計算できる。初期パタ
ーンによる配線ディレイが支線のディレイよりも大きい
ときは図16(c)に示すように配線長縮小部333に
よって配線長を縮小する。これは初期パターンでU字型
になっている配線パターンを見つけ、その部分の配線長
が短縮できる方向に中継点105を設定し、中継点10
5を経由して新たな配線経路を求める。中継点105は
初期パターンによる配線ディレイと指定ディレイの差に
よって決める。
【0076】配線長拡張部332と配線長縮小部333
は指定ディレイとの差によっていつでも起動できる。
【0077】以上によって図21に示す配線パターンが
実現できる。図1との対応を考えると、実ディレイ計算
部334は配線ディレイ計算部504,ディレイ差計算
部335はディレイ比較部506、そして配線長拡張部
332および配線長縮小部333が第2配線部505に
相当する。
【0078】さて、各入力端子3までの配線スキューを
0にするときには、出力端子1から各入力端子3までの
配線ディレイが同じにならなければならない。配線長が
長いほど配線ディレイは大きくなるから、幹線2と配線
5の交点6から遠い(遠いとは、幹線がX方向線分だか
らX座標でみて遠いということを言う)入力端子への支
線長は交点6から近い入力端子に比べて短くならなけれ
ばならない。したがって、図9に示すように幹線2と出
力端子1からの配線5の交点6付近を中心として支線長
が長く、幹線の端に行くにしたがって支線長が短くなる
ようないわゆる傘状のパターンができる。支線長の大小
関係は幹線2と配線5の交点6からの距離によるので図
10に示すように幹線2は1つもしくは2つ以上の折れ
曲がりをもっていてもよい。
【0079】図9で支線4が最短で配線されているが各
入力端子3をもつセルがそのような位置に配置されると
は限らない。そこで図11に示されるように幹線2と配
線5の交点7から各入力端子3へ迂回して配線し、必要
な配線ディレイを実現する。また、各入力端子3を含む
セルが幹線に関して一方向にあるとは限らないので幹線
の上下どちらにあっても図12に示すように支線長の関
係さえ満たせば配線スキューが最小化できる。
【0080】図13(a)は出力端子1と幹線2を結ぶ
線分5がなく、出力端子1から直接幹線を引いた場合で
ある。線分5があると線分5による配線抵抗が配線ディ
レイを増加させるので、ネットに対して小さな配線ディ
レイが指定されているときはこの様な幹線パターンが有
効になる。また、図13(b)では幹線2を太くしてい
る。例えば、出力端子1がクロック信号を出すものであ
るとすると、短い周期で電流のパルスが起こるため出力
端子1につながる配線に多量の電流が流れ、細い配線で
は電流の強さに耐えられず断線することがある。配線を
太くすると電流に対する配線抵抗が小さくなるので断線
が起こりにくくなる。ただし、配線が太くなると配線容
量が大きくなるので配線ディレイが大きくなり遅延時間
の設計に関しては注意が必要である。
【0081】図14(a)は図13(a)と同様に出力
端子1と幹線2を結ぶ線分5がなく、出力端子1から直
接幹線を引いた例であるが、幹線2の端点に出力端子1
がある場合である。図9の時の議論と同様に考えて出力
端子1から遠い入力端子への支線長は出力端子1から近
い入力端子に比べて短くならなければならないから、図
9が傘を開いたときのような形とすれば図14(a)は
傘を閉じたときのような形を取る。図14(b)は図1
3(b)と同様である。
【0082】図17は交差・並行線分による配線容量計
算部205における他の信号の影響考慮の状況を示した
ものである。配線容量は1本の線分の配線容量だけでな
く、その線分と交差する線分及び並行して走る線分によ
って決まる。なぜなら配線層の異なる他信号の配線経路
が支線と交差すると3次元的に(例えば第1配線層の上
に第2配線層が形成される)コンデンサの原理が当ては
まり、そこに配線容量が発生するからである。また、同
じ配線層の配線経路が並行して走ると今度は2次元的に
コンデンサの原理が当てはまり、やはりそこに配線容量
が発生するのである。
【0083】交差・並行線分による配線容量計算部20
5は自線分と交差している配線の本数,自線分と並行し
て走っている配線の長さを計算して自線分の配線容量に
加える。配線ディレイは配線経路の配線容量と配線抵抗
の積で近似されるが、配線が微細化するにつれて配線抵
抗が大きくなり、配線容量が少し変化すると配線ディレ
イが大きく変化するのでこれを考慮する。考慮方法とし
ては配線交差については交差する本数,並行配線につい
ては並行する長さを計算してそれにある倍率を乗じて加
え、部分支線104自体の配線容量に加えて部分支線1
04の配線容量とする。
【0084】次に配線スキュー階層的最小化部220に
ついて説明する。配線スキュー階層的最小化部220は
図20(a)に示す配線パターンを実現するために、
(1)入力端子をグループ分けする部210,(2)各
グループのうち最大配線ディレイを持つものを求める部
211,(3)指定ディレイ配線200,(4)グルー
プ内の総配線容量を求める部212,(5)各グループ
を入力端子とみなす部213からなる。
【0085】図9で示したように、各入力端子3への幹
線2からの支線長は出力端子1と幹線2の交点6から近
いものほど長くなり、セルの配置状態によっては、図1
1に示したように支線長の長さを実現するために迂回し
た経路が必要になることがある。そうすると配線ディレ
イを考慮しないネットに比べてこのネットの配線長が長
くなり、配線が広い面積に広がるので、(1)他の数多
くの一般の信号の配線の障害になること、(2)半導体
の製造品質がばらつくことによる誤差(広い面積では必
ずしも一様に製造できないため)の可能性が大きくな
り、これらによってディレイのばらつきが生じること、
の2つが問題となる。入力端子数が多いときは配線長が
長くなりやすくこの傾向が顕著になるので、2段階に分
けて配線をグループ単位に集め配線長を短くする。入力
端子数がより多いときにはさらに階層的に配線すればよ
い。入力端子数が少ないときは迂回長がさほど大きくな
らないので階層的には配線しない。
【0086】まず、入力端子をグループ分けする部21
0によって入力端子群をN分割する。Nはパラメータと
して与えるが、入力端子数をほぼ等分割するように設定
する。グループ分けの評価関数としてグループ内の仮想
的な配線長+Σ(入力端子の入力容量)が同じになるよ
うにグループ分けを行う。最初に座標値でソートした順
に適当に分割し、各グループの仮想的な配線長+Σ(入
力端子の入力容量)を求める。その後、グループの端子
を含む最小矩形の重なりを認めながらグループ間で端子
を入れ替え、各グループの端子を含む仮想的な配線長+
Σ(端子の入力容量)がほぼ等しくなるようにする。こ
れは配線長を配線容量としてみたとき、各グループの全
体配線容量が等しくなるようにするので、結果的にスキ
ューが小さくなるように作用する。
【0087】入力端子のグループ分けが終了したら、各
グループのうち最大配線ディレイを求める部211が図
9に示した配線パターンを仮定し、支線長計算部202
の逆を行い各グループ内での仮想配線ディレイを計算す
る。仮想的な配線長+Σ(端子の入力容量)はグループ
間で全く同じにはならないのでそのうち最大のものを求
め、ある程度の配線の迂回を考えて各グループ内を同じ
配線ディレイで結べるように目標配線ディレイを設定す
る。そのグループのディレイ値で他のグループも配線す
る。グループ内の配線は指定ディレイ配線200によっ
て行われるが、グループ内配線の幹線の中点17に出力
端子があると仮定する。
【0088】グループ内の配線が終わるとグループ内配
線の総配線容量を求める部212がグループ内総配線容
量を求める。これは配線経路上にある各線分と各スルー
ホールの配線容量の和である。グループを入力端子とみ
なす部213はグループをあたかも入力端子のようにみ
なすために入力端子に持つ情報を揃える。具体的には配
線容量と端子位置(グループ内の幹線の中点)である。
そして入力端子とみなされたグループ数がN以下になる
まで繰り返し階層的に配線を行う。
【0089】各配線モードに対して配線が完了すると配
線表示部412が配線パターンとディレイ情報を表示す
る。表示の特徴は終点のディレイだけでなく配線を構成
している各線分単位にディレイや配線容量・配線抵抗が
表示できることである。これは実際の配線やディレイが
どのようになっているか確認できるように作用する。ま
た、配線パターン修正部413によって配線をどの程度
修正するかの判断情報となり、配線パターンを容易に修
正することもできる。配線パターン修正部413はもしデ
ィレイが満たされていないときに配線パターンを修正し
て正しいディレイを実現できるように作用する。
【0090】配線が終了するとそれぞれのネットの配線
経路が出力部411によりメモリに書き出される。それ
らは半導体を製造するためのデータとなる。
【0091】
【発明の効果】本発明では1ネットのある始点から終点
までに指定されたディレイ及び複数のネットを介したあ
る始点から終点までに指定されたディレイを守ることが
できるので、ある始点から複数の終点までの配線スキュ
ーを最小にできるだけでなく、各終点に各々ディレイ値
が設定されたときもそのディレイ値を実現できる。ま
た、支線と交差・並行する他の配線によって発生する配
線容量及び配線層毎に単位長当たりの配線容量・配線抵
抗が異なっても考慮できるので配線容量を精度良く考慮
できる。
【0092】さらに、各終点でのディレイだけでなく詳
細な配線区間で容量・抵抗・ディレイを表示できるの
で、配線パターンの修正も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の構成。
【図2】本発明の装置を含んだ配置配線設計装置実施例
の構成。
【図3】配線部406の構成。
【図4】指定ディレイ配線200の構成。
【図5】幹線作成部201の詳細構成。
【図6】支線長計算部202の詳細構成。
【図7】支線長を配線ディレイに変換する部203の詳
細構成。
【図8】2点間指定ディレイ配線部204の詳細構成。
【図9】幹線1本と支線配線による配線ディレイ制御の
うち配線スキュー制御を行う典型例。
【図10】配線スキュー制御において幹線に折れ曲がり
がある場合の例。
【図11】配線スキュー制御において各入力端子が幹線
の下側の任意位置にある場合の例。
【図12】配線スキュー制御において各入力端子が幹線
の上下の任意位置にある場合の例。
【図13】配線スキュー制御において幹線が出力端子か
ら直接出力端子と垂直に出る場合の例。
【図14】配線スキュー制御において幹線が出力端子か
ら直接出力端子と平行に出る場合の例。
【図15】幹線探索方法の例。
【図16】指示された配線ディレイで2点間を配線する
方式例。
【図17】交差配線や並行配線の例。
【図18】配線ディレイ計算モデル。
【図19】幹線1本を用いた配線ディレイ計算モデル。
【図20】配線スキュー制御において階層的に配線する
場合の例とその処理構成。
【図21】幹線1本と支線配線による配線ディレイ制御
の典型例。
【図22】配置位置決定部404の処理説明。
【図23】ディレイ再設定部の処理説明。
【図24】配線パターン表示の例。
【図25】配線スキューを最小化するための従来手法の
説明。
【図26】配線スキューを最小化するための従来装置の
部構成。
【符号の説明】
1…出力端子、2…幹線、3…入力端子、4…支線、5
…出力端子と幹線を結ぶ配線、6…出力端子と幹線を結
ぶ配線5と幹線2の交点、7…支線4と幹線2の交点、
12…階層配線時のグループ内の幹線、14…階層配線
時のグループ内の支線、16…階層配線時のグループ内
における支線14と幹線12との交点、17…階層配線
時のグループ内の幹線12とグループ間配線の支線4と
の交点、101…配線領域、103…禁止領域、104
…支線の一部分、105…中継点、106…支線と並行
に走る線分、107…支線と交差する線分、111…配
線抵抗、112…配線容量、114…出力端子をもつセ
ル、115…入力端子をもつセル、120…従来例にお
いて2つの入力端子間の配線経路上で各入力端子への配
線ディレイが等しい点、130…仮想的な幹線、131
…配線領域上に設定する概略格子、200…指定ディレ
イ配線部、201…幹線作成部、202…支線長計算
部、203…支線長を配線ディレイに変換する部、20
4…2点間指定ディレイ配線部、205…交差・並行線
分による配線容量計算部、210…入力端子をグループ
分けする部、211…各グループのうち最大配線ディレ
イを求める部、212…グループ内配線の総配線容量を
求める部、213…各グループを入力端子とみなす部、
220…階層的配線スキュー最小化部、221…2点間
配線部、301…概略格子を決定する部、302…配線
混雑度を予想する部、303…ネットを構成する入力端子
の分布を求める部、304…幹線の概略パターンを発生
する部、305…仮想ディレイ計算部、306…幹線の
端点を決定する部、311…幹線と支線の交点7を求め
る部、312…単位長当たりの配線抵抗・配線容量を入
力する部、313…幹線と支線の交点7によって区切ら
れた幹線上の線分の配線抵抗と配線容量を求める部、3
14…支線長計算式に指定ディレイを代入する部、31
5…支線長計算式を解く部、322…支線長計算部20
2によって求められた支線長に単位長当たりの配線抵抗
・配線容量を乗じる部、331…2点間配線部221に
よる初期パターン配線部、332…配線長拡張部、333
…配線長縮小部、334…実ディレイ計算部、335…
ディレイ差計算部、400…指定ディレイ入力部、40
1…パラメータ入力部、402…メモリ部、403…指
定ディレイ設定部、404…配置位置決定部、405…
ディレイ再設定部、406…配線部、407…配線モー
ド決定部、408…ディレイ配線部、409…スキュー
配線部、410…一般配線部、411…出力部、412
…配線パターン表示部、413…配線パターン修正部、
421…従来例パラメータ入力部、422…従来例メモ
リ部、423…従来例配置位置決定部、424…従来例
配線部、425…従来例配線モード決定部、426…従
来例スキュー配線部、427…従来例一般配線部、42
8…従来例出力部、502…ディレイ設定部、503…
第1配線部、504…配線ディレイ算出部、505…第
2配線部、506…ディレイ比較部。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも端子位置を示す端子位置情報を
    含むネットリストを格納するメモリと、 所定のディレイ値を設定する指定ディレイ値設定手段
    と、 上記端子位置情報から上記端子間の配線を行う第1の配
    線手段と、 上記配線の線分の配線容量と配線抵抗を算出し、配線デ
    ィレイ値を算出する配線ディレイ変換手段と、 上記配線ディレイ値が上記指定ディレイ値になるように
    上記配線の経路を変更して配線する第2の配線手段とか
    ら成ることを特徴とする配線ディレイ制御による配線設
    計装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記第2の配線手段は、上記指定ディレイ値と上記配線
    ディレイ値を比較するディレイ値比較手段を有し、上記
    比較結果に応じて配線を行うことを特徴とする配線ディ
    レイ制御による配線設計装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 上記ディレイ値比較手段は、上記指定ディレイ値と上記
    配線ディレイ値との差を求め、上記差に応じて配線長を
    変更することを特徴とする配線ディレイ制御による配線
    設計装置。
  4. 【請求項4】請求項2において、 上記ディレイ値比較手段は、上記指定ディレイ値と上記
    配線ディレイ値との差を求め、上記差に応じて配線経路
    を変更することを特徴とする配線ディレイ制御による配
    線設計装置。
  5. 【請求項5】少なくとも端子位置を示す端子位置情報を
    含むネットリストを格納するメモリと、 所定のディレイ値を設定する指定ディレイ値設定手段
    と、 上記端子位置情報から幹線を作成する幹線作成手段と、 上記幹線から上記端子を結ぶ支線を作成し、上記支線と
    上記幹線との交点を求め、上記交点によって区切られた
    幹線上の線分の配線容量と配線抵抗を算出し支線長を求
    める支線長計算手段と、 上記支線長から配線ディレイ値を算出する配線ディレイ
    変換手段と、 上記配線ディレイ値が上記指定ディレイ値になるように
    支線の長さを制御して配線する配線手段とから成ること
    を特徴とする配線ディレイによる配線設計装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 上記配線手段は、上記幹線と出力端子を結ぶ交点に近い
    支線ほど支線長が長く、上記幹線の端にある支線長ほど
    短くなるように配線をして、配線スキューを最小化する
    ことを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計装
    置。
  7. 【請求項7】請求項5において、 配線された配線パターンの表示は、始点から各終点まで
    の区間,各終点と上記幹線と上記支線の交点とで挾まれ
    る区間,始点と上記幹線を結ぶ区間及び支線により区切
    られる幹線の区間の少なくとも1つの配線ディレイ値を
    表示することを特徴とする配線ディレイ制御による配線
    設計装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、 表示する上記区間のいずれかの配線を変更したときに
    は、表示される区間全ての配線ディレイ値を更新して表
    示することを特徴とする配線ディレイ制御による配線設
    計装置。
  9. 【請求項9】請求項5において、 上記幹線と始点を結ぶ配線は迂回しないことを特徴とす
    る配線ディレイ制御による配線設計装置。
  10. 【請求項10】請求項5において、 上記幹線と上記始点を結ぶ配線長を長くすることによ
    り、配線ディレイ値を大きくし、指定ディレイ値にする
    ことを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計装
    置。
  11. 【請求項11】請求項5において、 上記支線長計算手段の配線容量算出は、配線経路内の各
    線分と交差もしくは並行する他の線分により発生する配
    線容量を計算する交差・並行寄生容量算出手段を有する
    ことを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計装
    置。
  12. 【請求項12】請求項5において、 上記支線長計算手段は、単位長当たりの容量値・抵抗値
    が異なる配線層ごとに上記線分の配線容量・配線抵抗を
    算出することを特徴とする配線ディレイ制御による配線
    設計装置。
  13. 【請求項13】少なくとも指定ディレイ値を含むパラメ
    ータを入力する入力手段と、 少なくとも端子位置を示す端子位置情報を含むネットリ
    ストを格納するメモリと、 上記端子位置情報から上記端子の配置をする端子配置手
    段と、 上記配置された端子間を上記指定ディレイ値になるよう
    に配線する指定ディレイ配線手段とを具備することを特
    徴とする配線ディレイによる配置配線設計装置。
  14. 【請求項14】少なくとも指定ディレイ値を含むパラメ
    ータを入力する入力手段と、 少なくとも端子位置を示す端子位置情報を含むネットリ
    ストを格納するメモリと、 上記端子位置情報から上記端子の配置をする端子配置手
    段と、 上記配置された端子間を上記指定ディレイ値になるよう
    に配線する指定ディレイ配線手段と、 上記配置された端子間を最小スキュー値になるように配
    線する最小スキュー配線手段と、 上記配置された端子間を配線する通常配線手段と、 上記指定ディレイ配線手段と上記最小スキュー配線手段
    と上記通常配線手段とを上記入力手段から入力されたパ
    ラメータによって切り替える切り替え手段とを具備する
    ことを特徴とする配線ディレイによる配置配線設計装
    置。
  15. 【請求項15】少なくとも指定ディレイ値を含むパラメ
    ータを入力する入力手段と、 少なくとも端子位置を示す端子位置情報を含むネットリ
    ストを格納するメモリと、 上記端子位置情報から上記端子の配置をする端子配置手
    段と、 上記配置された端子間を上記指定ディレイ値になるよう
    に配線する指定ディレイ配線手段と、 上記指定ディレイ配線手段によって配線された配線が最
    小スキュー値になるように配線する最小スキュー配線手
    段と、 上記配置された端子間を配線する通常配線手段と、 上記指定ディレイ配線手段と上記最小スキュー配線手段
    と上記通常配線手段とを上記入力手段から入力されたパ
    ラメータによって切り替える切り替え手段とを具備する
    ことを特徴とする配線ディレイによる配置配線設計装
    置。
  16. 【請求項16】少なくとも端子位置を示す端子位置情報
    を含むネットリストをメモリに格納し、 所定のディレイ値を設定し、 上記端子位置情報から上記端子間の仮配線を行い、 上記仮配線の線分の配線容量と配線抵抗を算出し、 上記配線容量と配線抵抗から配線ディレイ値を算出し、 上記配線ディレイ値が上記指定ディレイ値になるように
    上記配線の経路を変更して配線することを特徴とする配
    線ディレイ制御による配線設計方法。
  17. 【請求項17】請求項16において、 上記配線ディレイ値と上記指定ディレイ値とを比較し、 上記比較結果に応じて、上記配線の経路を変更して配線
    することを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計
    方法。
  18. 【請求項18】請求項16において、 上記配線ディレイ値と上記指定ディレイ値との差を求
    め、 上記差に応じて、上記配線の経路を変更して配線するこ
    とを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計方法。
  19. 【請求項19】請求項16において、 上記配線ディレイ値と上記指定ディレイ値との差を求
    め、 上記差が0になるように、上記配線の経路を変更して配
    線することを特徴とする配線ディレイ制御による配線設
    計方法。
  20. 【請求項20】少なくとも端子位置を示す端子位置情報
    を含むネットリストをメモリに格納し、 所定のディレイ値を設定し、 上記端子位置情報から幹線を作成し、 上記幹線から上記端子を結ぶ支線を作成し、 上記支線と上記幹線との交点を求め、 上記交点によって区切られた幹線上の線分の配線容量と
    配線抵抗を算出し、 上記配線容量と配線抵抗から支線長を求め、 上記支線長から配線ディレイ値を算出し、 上記配線ディレイ値が上記指定ディレイ値になるように
    支線の長さを制御して配線することを特徴とする配線デ
    ィレイによる配線設計方法。
  21. 【請求項21】請求項20において、 上記配線ディレイ値と上記指定ディレイ値とを比較し、 上記比較結果に応じて、上記配線の経路を変更して配線
    することを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計
    方法。
  22. 【請求項22】請求項20において、 上記配線ディレイ値と上記指定ディレイ値との差を求
    め、 上記差に応じて、上記配線の経路を変更して配線するこ
    とを特徴とする配線ディレイ制御による配線設計方法。
  23. 【請求項23】請求項20において、 上記配線ディレイ値と上記指定ディレイ値との差を求
    め、 上記差が0になるように、上記配線の経路を変更して配
    線することを特徴とする配線ディレイ制御による配線設
    計方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021205895A1 (ja) * 2020-04-09 2021-10-14 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 信号処理装置、センシングモジュール

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