JPH06267821A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JPH06267821A
JPH06267821A JP5052737A JP5273793A JPH06267821A JP H06267821 A JPH06267821 A JP H06267821A JP 5052737 A JP5052737 A JP 5052737A JP 5273793 A JP5273793 A JP 5273793A JP H06267821 A JPH06267821 A JP H06267821A
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JP
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zone plate
light
optical system
elliptical
image
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JP5052737A
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Hiroshi Nishimura
宏 西村
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置検出用の光学系で発生した非点収差を補
正して、より正確に被検物の2次元的な位置検出を行
う。 【構成】 レチクルRのパターンが投影光学系PLを介
してウエハW上に露光される。投影光学系PLの側面の
アライメント系4において、ウエハW上のウエハークW
Mからのアライメント光が、対物レンズ7、ビームスプ
リッター6、楕円ゾーンプレート8及び楕円ゾーンプレ
ート9を経て焦点板11上にウエハマークWMの像を結
像し、焦点板11上の像が結像レンズ11を介して撮像
素子13M及び13Sで撮像される。楕円ゾーンプレー
ト8,9の絶対回転角、相対回転角又は間隔を変えるこ
とにより、対物レンズ7及びビームスプリッター6によ
り発生する非点収差を相殺する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検物の位置検出を行
うための位置検出装置に関し、特に例えば半導体素子又
は液晶表示素子等の製造に使用される投影露光装置にお
いて、回路パターンが形成されたレチクルと、この回路
パターンが転写される感光基板とを相対的に位置合わせ
(アライメント)するためのアライメント装置に適用し
て好適な位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子又は液晶表示素子等をフォト
リソグラフィ工程で製造する際に、フォトマスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンを
高分解能でフォトレジストが塗布されたウエハ等の感光
基板上に転写する投影露光装置が使用されている。斯か
る投影露光装置としては、ステップ・アンド・リピート
方式の縮小投影型露光装置(所謂ステッパー)が多用さ
れている。一般に半導体素子は、ウエハ上に多数層の回
路パターンを重ね合わせて形成されるため、ステッパー
には、これから露光するレチクルのパターンの投影像
と、それまでの工程によりウエハ上にマトリックス状に
形成されている回路パターン(チップ)とを正確に重ね
合わせるためのアライメント装置が設けられている。
【0003】このようなアライメント装置は、レチクル
に形成されたアライメントマーク(レチクルマーク)
と、それまでの工程によりウエハ上に形成されているア
ライメントマーク(ウエハマーク)との位置関係から、
レチクルとウエハの各ショット領域との位置合わせを行
うものである。従って、アライメント装置では、先ずレ
チクルマーク及びウエハマークの位置検出を行うための
アライメント系が重要な役割を果たしている。
【0004】従来のアライメント装置として、例えば特
開昭60−130742号公報において、TTL(スル
ー・ザ・レンズ)方式で且つレーザ・ステップ・アライ
メント方式のアライメント装置が開示されている。レー
ザ・ステップ・アライメント方式のアライメント系は、
細長い帯状のスポット光を投影光学系を介して回折格子
状のウエハマーク上に照射し、ウエハマークから発生す
る回折光(又は散乱光)を光電検出するものである。
【0005】従来の他のアライメント装置として、所謂
ダイバイダイ方式のアライメント装置が知られている。
この方式は、アライメント光として、主に回路パターン
を露光するときの露光波長の光又は広帯域の白色光等を
使用し、ウエハ上の各ショット領域への露光を行う前に
それぞれレチクルマークとウエハマークとを個別に又は
同時に検出するものである。ダイバイダイ方式用のアラ
イメント系としては、レーザ・ステップ・アライメント
方式と同様にウエハマーク等を光電検出するアライメン
ト系、又はレチクルマーク及びウエハマークの像をCC
Dカメラ等で撮像し、画像データとして処理することに
より位置検出を行うFIA(field image alignment)方
式のアライメント系が使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
の内で、FIA方式のアライメント系でレチクルマーク
及びウエハマークの位置検出を行う場合、通常は1次元
の撮像素子を使用してレチクルマーク及びウエハマーク
を例えばモニター受像機の画面に写し出し、この画面上
の像の状態から各マークの位置ずれを求めていた。
【0007】ところで、検出対象はX座標及びY座標よ
りなる2次元座標での位置であるため、1次元撮像素子
を使用して2次元座標上の位置検出を行うためには、少
なくとも2本の1次元撮像素子を使用するか、1次元撮
像素子を2次元座標内で回転させる必要がある。この場
合、1次元撮像素子を回転させる方式では安定性に欠け
るため、従来は各マークからの光路を分割して1次元撮
像素子を2本使用していた。しかしながら、このように
1次元撮像素子を2本使用した場合には、位置検出用の
光学系の組み立て誤差等により発生する非点収差によ
り、2本の1次元撮像素子に対応する2つの表示画面の
内の一方又は両方の画像にボケが発生してしまい、画像
処理により正確に位置検出を行うことができないという
不都合があった。
【0008】但し、その非点収差の量が固定している場
合には、それら2本の1次元撮像素子の撮像面の位置を
調整することにより、その非点収差の影響を除くことが
できる。しかしながら、この場合でも、温度等の外的条
件により、その非点収差の量が変化した場合には、それ
ら2本の1次元撮像素子の撮像面の位置を再び調整する
必要が生じるが、そのような再調整を行うことは困難で
ある。
【0009】また、FIA方式のアライメント系で例え
ばウエハマークの位置検出を行う場合に、2次元撮像素
子を用いれば光学系が単純化される。しかしながら、2
次元撮像素子を用いた場合には、2つの方向の画像を1
つの撮像面で撮像することになるため、撮像素子の位置
をずらして非点収差の補正を行うことができず、特に位
置検出用の光学系に起因する非点収差の影響が大きくな
る。更に、上述のレーザ・ステップ・アライメント方式
のアライメント系では、撮像素子による撮像は行われな
いが、より正確に位置検出を行うためには、位置検出用
の光学系における非点収差を低減することが望ましい。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、被検物上の計測
用マークからの位置検出用の光を位置検出光学系を介し
て観察面上に導き、この観察面上でのその位置検出用の
光の位置からその被検物の位置を検出する位置検出装置
において、その位置検出用の光学系で発生した非点収差
を補正してより正確に被検物の位置検出を行うことを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の位置
検出装置は、例えば図1及び図11に示す如く、被検物
(W)上の計測用マーク(WM)からの位置検出用の光
を位置検出光学系(6,7)を介して観察面(10)上
に導き、観察面(10)上でのその位置検出用の光の位
置から被検物(W)の位置を検出する装置において、被
検物(W)と観察面(10)との間のその位置検出用の
光の光路に沿って、複数の楕円状の輪帯パターン(45
n)より形成されると共に、それら複数の楕円状の輪帯パ
ターンの第1の方向での各パターンの間隔Pnm及びその
第1の方向に直交する第2の方向での各パターンの間隔
nsの内の少なくとも一方が可変のゾーンプレート(4
4)を配置し、このゾーンプレートを形成するそれら複
数の楕円状の輪帯パターンのその第1の方向での各パタ
ーンの間隔及びその第2の方向での各パターンの間隔の
内の少なくとも一方を変化させる駆動手段(43)を設
け、そのゾーンプレートを形成するそれら複数の楕円状
の輪帯パターンのその第1の方向での各パターンの間隔
及びその第2の方向での各パターンの間隔の内の少なく
とも一方を変化させることにより、その位置検出用の光
に対してその位置検出光学系で発生する非点収差を補正
するようにしたものである。
【0012】また、本発明による第2の位置検出装置
は、例えば図1に示す如く、被検物(W)上の計測用マ
ーク(WM)からの位置検出用の光を位置検出光学系
(6,7)を介して観察面(10)上に導き、この観察
面上でのその位置検出用の光の位置から被検物(W)の
位置を検出する装置において、被検物(W)と観察面
(10)との間のその位置検出用の光の光路に沿って、
それぞれ複数の楕円状の輪帯より形成された第1ゾーン
プレート(8)及び第2ゾーンプレート(9)を配置
し、それら2つのゾーンプレートの内の少なくとも一方
をこのゾーンプレートの光軸を中心に回転自在又はこの
光軸に沿って移動自在に設け、それら2つのゾーンプレ
ートの内の少なくとも一方のゾーンプレートを回転又は
移動することにより、その位置検出用の光に対して位置
検出光学系(6,7)で発生する非点収差を補正するよ
うにしたものである。
【0013】また、本発明による第3の位置検出装置
は、例えば図10に示す如く、マスク(R)上に形成さ
れたパターンの像を投影光学系(PL)を介して感光基
板(W)上に投影する露光装置に設けられ、感光基板
(W)上の計測用マーク(WM)から投影光学系(P
L)を介して得られる位置検出用の光を集光し、観察面
(35の撮像面)上に計測用マーク(WM)の像を形成
する位置検出光学系(PL,28,27,29,54,
36,34)と、その観察面上の計測用マーク(WM)
の像の2次元的な位置ずれ量を検出する計測手段(3
5,41)とを有し、計測用マーク(WM)の像の位置
ずれ量から感光基板(W)の位置を検出する位置検出装
置において、投影光学系(PL)とその観察面との間の
その位置検出用の光の光路に沿ってそれぞれ複数の楕円
状の輪帯より形成される第1ゾーンプレート(8)及び
第2ゾーンプレート(9)を配置し、それら2つのゾー
ンプレートの内の少なくとも一方をこのゾーンプレート
の光軸を中心に回転自在又はこの光軸に沿って移動自在
に設け、それら2つのゾーンプレートの内の少なくとも
一方のゾーンプレートを回転又は移動することにより、
その位置検出用の光に対して投影光学系(PL)で発生
する非点収差を補正するようにしたものである。
【0014】
【作用】斯かる本発明では、例えば図2に示すように、
非点収差を補正する補正光学系として、複数の楕円状の
輪帯パターンZn(n=1,2,‥‥)より形成されるゾ
ーンプレート(以下、「楕円ゾーンプレート」という)
8が使用される。そこで、楕円ゾーンプレート8の結像
特性につき説明する。先ず、図2に示すように、楕円ゾ
ーンプレート8は光軸を含む中心の楕円盤を第1番目の
楕円状の輪帯パターン81として、その外側に順次第2
番目の楕円状の輪帯パターン82、第3番目の楕円状の
輪帯パターン83、‥‥を配置して形成されている。そ
して、図2のように、奇数番目の楕円状の輪帯パターン
81,83,85,‥‥を光透過性にしたものを正のゾ
ーンプレートと呼び、逆に偶数番目の楕円状の輪帯パタ
ーン82,84,86,‥‥を光透過性にしたものを負
のゾーンプレートと呼ぶ。
【0015】そして、第n番目の楕円状の透明輪帯パタ
ーンZn の長径方向をメリジオナル方向、短径方向をサ
ジタル方向とすると、輪帯パターンZn のメリジオナル
方向の半径snmがサジタル方向の半径snsよりも大きく
なっている。また、この場合、各方向の半径に応じてそ
の方向の焦点距離が異なっている。即ち、メリジオナル
方向及びサジタル方向に共通に焦点距離をf、光の波長
をλとすると、その第n番目の楕円状の透明輪帯パター
ンZn のその焦点距離fに対応する方向の半径sn は次
のようになる。但し、正のゾーンプレートの半径をs
n(+)、負のゾーンプレートの半径をsn(-)としている。
【0016】
【数1】
【0017】また、第n番目の楕円状の透明輪帯パター
ンZn の、(数1)で定まる半径方向の幅Δsn は次の
ようになる。但し、正のゾーンプレートの幅をΔs
n(+)、負のゾーンプレートの幅をΔsn(-)としている。
【0018】
【数2】
【0019】逆に、(数1)を焦点距離fについて解く
ことにより、第n番目の楕円状の透明輪帯パターンZn
の、(数1)で定まる半径方向の焦点距離fは次のよう
になる。但し、正のゾーンプレートの焦点距離をf(+)
、負のゾーンプレートの焦点距離をf(-) としてい
る。
【0020】
【数3】
【0021】従って、図2のように、メリジオナル方向
の半径snmとサジタル方向の半径s nsとが異なる楕円状
の透明輪帯パターンZn より構成される楕円ゾーンプレ
ート8は、メリジオナル方向の焦点距離とサジタル方向
の焦点距離とが異なるレンズとして作用する。即ち、楕
円ゾーンプレート8は非点収差を発生する光学素子とし
て作用するため、楕円ゾーンプレート8で発生する非点
収差により、他の光学系で発生する非点収差を相殺する
ことにより、光学系全体としての非点収差を低減するこ
とができる。これが本発明の基本的な原理である。
【0022】先ず、本発明の第1の位置検出装置によれ
ば、図11に示すように、複数の楕円状の輪帯パターン
(45n)の第1の方向での各パターンの間隔Pnm及びそ
の第1の方向に直交する第2の方向での各パターンの間
隔Pnsの内の少なくとも一方が可変のゾーンプレート
(44)が配置されている。このようなゾーンプレート
は、例えば液晶表示素子で発生するパターンの形状を変
えることにより実現できる。また、そのゾーンプレート
(44)において、例えば第1の方向の間隔又は第2の
方向の間隔を変えることにより、第1の方向の焦点距離
又は第2の方向の焦点距離が変化して、ゾーンプレート
(44)により発生する非点収差の量が変化する。
【0023】言い替えると、そのゾーンプレート(4
4)において、第1の方向の間隔又は第2の方向の間隔
を変えることにより、このゾーンプレート(44)を通
過する光に所望の量の非点収差を与えることができる。
従って、その位置検出光学系で発生する非点収差を、そ
のゾーンプレート(44)で発生する非点収差で相殺す
ることにより、計測用マーク(WM)の像の2次元的な
位置を正確に検出することができる。
【0024】また、本発明の第2の位置検出装置におい
ては、第1及び第2光学部材を有し非点収差を補正する
補正光学系を設けており、この第1及び第2光学部材と
しては、2つの楕円状の輪帯よりなるゾーンプレート
(8,9)が使用されている。図3に示すように、一般
に1枚のゾーンプレート(8)に平行光束ALが入射す
ると、ゾーンプレート(8)からは+1次光AL(+1)、
−1次光AL(-1)、+2次光AL(+2)、−2次光AL(-
2)、‥‥が射出される。そして、例えば+1次光AL(+
1)のメリジオナル方向の焦点距離を+fとすると、−1
次光AL(-1)のメリジオナル方向の焦点距離は−fとな
る。そこで、第1のゾーンプレート(8)及び第2のゾ
ーンプレート(9)の各方向の焦点距離が同じであると
して、それら2つのゾーンプレート(8,9)を近接し
て配置して、第1のゾーンプレート(8)では+1次光
AL(+1)を用いて、第2のゾーンプレート(9)ではそ
の+1次光AL(+1)の−1次光AL(+1,-1) を使用する
と、2枚のゾーンプレート(8,9)は屈折力が0のレ
ンズとして作用する。
【0025】次に、屈折力が0の状態から、2枚のゾー
ンプレート(8,9)の相対回転角又は間隔を変えるこ
とにより、所望の非点収差を発生することができる。そ
こで、その位置検出光学系で生じる非点収差をそれら2
つのゾーンプレート(8,9)で発生する非点収差で相
殺することにより、計測用マーク(WM)の像の2次元
的な位置を正確に検出することができる。
【0026】また、本発明の第3の位置検出装置におい
ても、第1及び第2光学部材を有し非点収差を補正する
補正光学系を設けており、この第1及び第2光学部材と
しては、2つのゾーンプレート(8,9)が使用されて
いる。また、本発明では、感光基板(W)上の計測用マ
ーク(WM)からの位置検出用の光は投影光学系(P
L)を介して取り出されるが、投影光学系(PL)は露
光光に対して諸収差が補正されている。従って、特に位
置検出用の光の波長が露光波長と異なる場合には、その
位置検出用の光に対して投影光学系(PL)で非点収差
が発生することがある。そこで、本発明では、それら2
つのゾーンプレートの絶対回転角、相対回転角又は間隔
を調整し、投影光学系(PL)を含むその位置検出光学
系で生じる非点収差をそれら2つのゾーンプレートで発
生する非点収差で相殺することにより、計測用マーク
(WM)の像の2次元的な位置を正確に検出し、ひいて
は感光基板(W)の位置を正確に検出することができ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明による位置検出装置の第1実施
例につき図1〜図8を参照して説明する。本実施例は、
投影露光装置に備えられたオフ・アクシスのFIA方式
のアライメント系に本発明を適用したものである。図1
は本実施例の投影露光装置の要部を示し、この図1にお
いて、図示省略された照明光学系からの露光光によりレ
チクルRのパターンが均一な照度で照明され、レチクル
Rのパターンの像が投影光学系PLを介して、等倍又は
所定の倍率で縮小されてウエハW上の各ショット領域に
露光される。レチクルRのパターン領域の近傍には位置
合わせ用のレチクルマークRMが形成され、それに対応
してウエハW上の各ショット領域の近傍にはそれぞれ位
置合わせ用のウエハマークWMが形成されている。ウエ
ハWはウエハステージ1上に載置され、ウエハステージ
1は、投影光学系PLの光軸AX1に垂直な2次元平面
(この直交座標軸をX軸及びY軸とする)でウエハWの
位置決めを行うXYステージ及びその光軸AX1に平行
なZ方向にウエハWを位置決めするZステージ等より構
成されている。
【0028】レチクルR上にはレチクルマークRMの位
置検出を行うためのレチクルアライメント系用の対物レ
ンズ2が配置され、対物レンズ2とレチクルRとの間に
光路折り曲げ用のミラー3が配置されている。レチクル
アライメント系の光軸AX2は、投影光学系PLを経て
ウエハW側に伸びており、レチクルアライメント系で
は、対物レンズ2を介して例えばレチクルマークRMと
ウエハステージ1上の指標マーク(図示省略)との位置
ずれ量を検出することができる。
【0029】また、投影光学系PLの側面にオフ・アク
シスのFIA方式のアライメント系4が配置され、この
アライメント系4において、光源5から射出された位置
検出用の照明光(アライメント光)の内でビームスプリ
ッター6を透過した光が、対物レンズ7を介して、ウエ
ハW上のウエハマークWM上に照射される。そして、ウ
エハマークWMで反射されたアライメント光が、対物レ
ンズ7を経てビームスプリッター6に戻り、ビームスプ
リッター6で反射されたアライメント光が、第1の楕円
ゾーンプレート8及び第2のゾーンプレート9を経て焦
点板10上にウエハマークWMの像を結像する。
【0030】焦点板10上には指標マークIMが形成さ
れており、焦点板10を透過したアライメント光が、リ
レーレンズ11を経てハーフプリズム12に達し、ハー
フプリズム12を透過した光が、2次元CCDよりなる
第1撮像素子13Mの撮像面にウエハマークWM及び指
標マークIMの像を結像する。また、ハーフプリズム1
2で反射された光が、2次元CCDよりなる第2撮像素
子13Sの撮像面にウエハマークWM及び指標マークI
Mの像を結像する。このアライメント系4の光軸AX3
のウエハWとの交点が、投影光学系PLの光軸AX1に
対してX方向にずれているものとすると、投影光学系P
Lのメリジオナル方向はX方向となり、投影光学系PL
のサジタル方向はY方向となる。
【0031】本例の第1撮像素子13Mは、撮像面にお
いて、メリジオナル方向と共役な方向に水平走査線の方
向が設定されており、第1撮像素子13Mの撮像信号よ
り、ウエハマークWMの像と指標マークIMとのメリジ
オナル方向(本例ではX方向)の位置ずれ量が検出でき
る。一方、第2撮像素子13Sは、撮像面において、サ
ジタル方向と共役な方向に水平走査線の方向が設定され
ており、第2撮像素子13Sの撮像信号より、ウエハマ
ークWMの像と指標マークIMとのサジタル方向(本例
ではY方向)の位置ずれ量が検出できる。
【0032】本例では、第1撮像素子13M及び第2撮
像素子13Sの撮像信号を処理することにより、ウエハ
W上のウエハマークWMの焦点板10上の像と指標マー
クIMとの2次元的な位置ずれ量を求めることができ
る。そこで、予め図1のアライメント系の光軸AX3と
投影光学系PLの光軸AX1との間隔であるベースライ
ン量を求めておき、例えばウエハステージ1を駆動し
て、そのウエハマークWMの像と指標マークIMとの位
置ずれ量を所定の範囲内に追い込んでから、そのベース
ライン量分だけウエハステージ1を移動させることによ
り、そのウエハマークWMが属するショット領域を投影
光学系PLの露光フィールド内に設定することができ
る。
【0033】但し、この際に対物レンズ7や光路の引き
回し用のビームスプリッター6によってアライメント光
に対して非点収差が発生すると、焦点板10上に結像さ
れるウエハマークWMの像にメリジオナル方向とサジタ
ル方向とで焦点ずれが発生する。そのため、仮にウエハ
マークWMの像のメリジオナル方向の焦点位置を焦点板
10上に合わせると、ウエハマークWMの像のサジタル
方向の焦点位置は焦点板10から外れることになり、ウ
エハマークWMの像と指標マークIMとをメリジオナル
方向及びサジタル方向で同時に合焦することができなく
なる。従って、第1撮像素子13M又は第2撮像素子1
3Sの何れか又は両方で、ウエハマークWMの像と指標
マークIMとの位置ずれ量を正確に検出できなくなる。
【0034】そこで、本実施例では、非点収差を補正す
る補正光学系を構成する第1の楕円ゾーンプレート8
(第1光学部材)と第2の楕円ゾーンプレート9(第2
光学部材)との相対回転角又はそれら2枚の楕円ゾーン
プレートの間隔を変えることにより、それら2枚の楕円
ゾーンプレートで発生する非点収差で、対物レンズ7又
はビームスプリッター6で発生した非点収差を相殺させ
る。これにより、ウエハマークWMの像と指標マークI
Mとのメリジオナル方向及びサジタル方向の位置ずれ量
を、それぞれ第1撮像素子13M及び第2撮像素子13
Sの撮像信号から正確に求めることができる。
【0035】また、本実施例では、それら2枚の楕円ゾ
ーンプレートの相対回転角及び間隔をそれぞれ所望の状
態に設定するための設定装置50が設けられている。な
お、本例において、焦点板10と撮像素子13M,13
Sとの間で、即ち例えばリレーレンズ11で非点収差が
生じた場合には、撮像素子13M,13Sの光軸AX3
方向の位置をそれぞれ調整することにより合焦を行うこ
とができる。従って、焦点板10と撮像素子13M,1
3Sとの間のみで非点収差が生じた場合には、楕円ゾー
ンプレート8,9を設置する必要はない。
【0036】次に、図4及び図5を参照して、図1の楕
円ゾーンプレート8,9の相対回転角又は両者の間隔に
より非点収差がどの程度変化するのかを定量的に説明す
る。ここでは、第1の楕円ゾーンプレート8では+1次
光を用いることにより凸レンズとして使用し、第2の楕
円ゾーンプレート9では−1次光を用いることにより凹
レンズとして使用する。また、第1の楕円ゾーンプレー
ト8の長径方向の焦点距離をfm、短径方向の焦点距離
をfsとして、第2の楕円ゾーンプレート9の長径方向
の焦点距離を−fm、短径方向の焦点距離を−fsとす
る。
【0037】A.回転した場合の非点収差の変化 先ず、図4(a)に示すように、光軸AX3を軸として
第2の楕円ゾーンプレート9を第1の楕円ゾーンプレー
ト8に対して角度θだけ回転した場合の非点収差量を求
める。固定の第1の楕円ゾーンプレート8の長径方向を
メリジオナル方向(M方向)として、このM方向に垂直
な方向(第1の楕円ゾーンプレート8の短径方向)をサ
ジタル方向(S方向)とする。ただし、第1の楕円ゾー
ンプレート8と第2の楕円ゾーンプレート9との相対的
な回転角度が0、即ち、第1の楕円ゾーンプレート8の
長径方向(又は短径方向)と第2の楕円ゾーンプレート
9の長径方向(又は短径方向)とが互いに一致している
時には、メリジオナル方向及びサジタル方向では共に合
成の屈折力が0となる。この場合、楕円ゾーンプレート
8,9の間隔をdとすると、2枚の楕円ゾーンプレート
8,9のメリジオナル方向の合成の焦点距離FM 及びサ
ジタル方向の合成の焦点距離FS はそれぞれ次のように
なる。
【0038】
【数4】
【0039】なお、入射光束が平行光束の場合には、角
度θが0で射出光束が集束しないため、以下では、入射
光束が平行光束の平行系と入射光束が収斂光束である結
像系とに分けて説明する。
【0040】A−1.結像系の場合 結像系の場合には、図4(b)において、第1の楕円ゾ
ーンプレート8から物点までの距離をxとして、第1の
楕円ゾーンプレート8と第2の楕円ゾーンプレート9と
の間の距離をd、第2の楕円ゾーンプレート9のメリジ
オナル方向での物点から第2の楕円ゾーンプレート9の
メリジオナル方向での像点までの距離をa、第1の楕円
ゾーンプレート8からその第1の楕円ゾーンプレート8
のメリジオナル方向での像点までの距離をx+a、第2
の楕円ゾーンプレート9のサジタル方向での物点から第
2の楕円ゾーンプレート9のサジタル方向での像点まで
の距離をb、第1の楕円ゾーンプレート8からその第1
の楕円ゾーンプレート8のサジタル方向での像点までの
距離をx+b、第1の楕円ゾーンプレート8のメリジオ
ナル方向(長径方向)での屈折力を1/fm、第1の楕円
ゾーンプレート8のサジタル方向(短径方向)での屈折
力を1/fs、第2の楕円ゾーンプレート9のメリジオナ
ル方向での屈折力をΦm、第2の楕円ゾーンプレート9の
サジタル方向での屈折力をΦs、第1の楕円ゾーンプレー
ト8からメリジオナル方向の結像位置までの距離を(x
+ΔM)、サジタル方向の結像位置までの距離を(x+
ΔS)とする。ΔM及びΔSは、2枚の楕円ゾーンプレ
ート8,9で発生する非点収差の量である。
【0041】まず、メリジオナル方向では結像公式によ
って以下の(数5)に示す関係が成立する。
【0042】
【数5】
【0043】一方、サジタル方向では、結像公式によっ
て以下の(数6)に示す関係が成立する。
【0044】
【数6】
【0045】となる。以上の(数5)の第1及び第2式
より、非点収差量ΔMは次のようになる。
【0046】
【数7】
【0047】但し、第1の楕円ゾーンプレート8と第2
の楕円ゾーンプレート9との相対的な回転角をθ、第1
の楕円ゾーンプレート8の長径方向(メリジオナル方
向)での焦点距離をfm、第1の楕円ゾーンプレート8の
短径方向(サジタル方向)での焦点距離をfs とすると
き、第2の楕円ゾーンプレート9のメリジオナル方向で
の屈折力Φm は、次式の如くなる。
【0048】
【数8】
【0049】また、(数6)の第1及び第2式より、非
点収差量ΔSは次のようになる。
【0050】
【数9】
【0051】但し、第1の楕円ゾーンプレート8と第2
の楕円ゾーンプレート9との相対的な回転角をθ、第1
の楕円ゾーンプレート8の長径方向(メリジオナル方
向)での焦点距離をfm、第1の楕円ゾーンプレート8の
短径方向(サジタル方向)での焦点距離をfs とすると
き、第2の楕円ゾーンプレート9のサジタル方向での屈
折力Φs は次式の如くなる。
【0052】
【数10】 従って、メリジオナル方向の結像位置とサジタル方向の
結像位置との差である非点隔差δRCは、次のようにな
る。この非点隔差δRCが、図4(b)の結像系における
非点収差を定量的に示すものである.
【0053】
【数11】
【0054】A−2.平行系の場合 図4(c)は平行系の光路図を示し、この図4(c)に
示すように、平行系では2枚の楕円ゾーンプレート8,
9の後に焦点距離fの凸レンズ14(結像レンズ)を配
置して、この凸レンズ14による結像位置を考える。そ
して、第1の楕円ゾーンプレート8に光軸AX3に平行
な光束が入射するものとして、第1の楕円ゾーンプレー
ト8と第2の楕円ゾーンプレートとの間の距離をd,第
2の楕円ゾーンプレート9から凸レンズ14までの距離
をd′とする。更に、第1の楕円ゾーンプレート8のメ
リジオナル方向(長径方向)での屈折力を1/fm、第1
の楕円ゾーンプレート8のサジタル方向(短径方向)で
の屈折力を1/fs、第2の楕円ゾーンプレート9のメリ
ジオナル方向での屈折力をΦm、第2の楕円ゾーンプレー
ト9のサジタル方向での屈折力をΦs、第1の楕円ゾーン
プレート8からその第1の楕円ゾーンプレート8のメリ
ジオナル方向での像点までの距離をαm、第1の楕円ゾー
ンプレート8からその第1の楕円ゾーンプレート8のサ
ジタル方向での像点までの距離をαs、第2の楕円ゾーン
プレート9からその第2の楕円ゾーンプレート9のメリ
ジオナル方向での像点までの距離をβm、第2の楕円ゾー
ンプレート9からその第2の楕円ゾーンプレート9のサ
ジタル方向での像点までの距離をβs、凸レンズ14から
メリジオナル方向の結像位置までの距離をcM 、サジタ
ル方向の結像位置までの距離をcS とする。
【0055】まず、メリジオナル方向では結像公式によ
って以下の(数12)に示す関係が成立する。
【0056】
【数12】
【0057】一方、サジタル方向では、結像公式によっ
て以下の(数13)に示す関係が成立する。
【0058】
【数13】
【0059】以上の(数12)の第1式〜第3式より、
距離cMは次のようになる。
【0060】
【数14】
【0061】但し、第1の楕円ゾーンプレート8と第2
の楕円ゾーンプレート9との相対的な回転角をθ、第1
の楕円ゾーンプレート8の長径方向(メリジオナル方
向)での焦点距離をfm、第1の楕円ゾーンプレート8の
短径方向(サジタル方向)での焦点距離をfs とすると
き、第2の楕円ゾーンプレート9のメリジオナル方向で
の屈折力Φm は次式の如くなる。
【0062】
【数15】
【0063】また、(数13)の第1式〜だい3式よ
り、距離cs は次のようになる。
【0064】
【数16】
【0065】但し、第1の楕円ゾーンプレート8と第2
の楕円ゾーンプレート9との相対的な回転角をθ、第1
の楕円ゾーンプレート8の長径方向(メリジオナル方
向)での焦点距離をfm、第1の楕円ゾーンプレート8の
短径方向(サジタル方向)での焦点距離をfS とすると
き、第2の楕円ゾーンプレート9のサジタル方向での屈
折力Φmは次式の如くなる。
【0066】
【数17】
【0067】従って、楕円ゾーンプレート8,9及び凸
レンズ14(結像レンズ)によるメリジオナル方向の結
像位置とサジタル方向の結像位置との差である非点隔差
δRPは、次のようになる。
【0068】
【数18】
【0069】B.間隔を変えた場合の非点収差の変化 図5(a)に示すように、光軸AX3を軸として第1の
楕円ゾーンプレート8と第2の楕円ゾーンプレート9と
の間隔をdに設定した場合の非点収差量を求める。楕円
ゾーンプレート8,9の長径方向が等しいものとして、
この長径方向をメリジオナル方向(M方向)、このM方
向に垂直な方向をサジタル方向(S方向)とする。この
場合、2枚の楕円ゾーンプレート8,9のメリジオナル
方向の合成焦点距離FM は次のようになる。
【0070】
【数19】
【0071】また、2枚の楕円ゾーンプレート8,9の
サジタル方向の合成焦点距離FS は次のようになる。
【0072】
【数20】
【0073】この場合も、入射光束が平行光束の場合の
平行系と入射光束が収斂光束である結像系とに分けて説
明する。
【0074】B−1.結像系の場合 結像系の場合には、図5(b)において、第1の楕円ゾ
ーンプレート8から物点までの距離をxとして、第1の
楕円ゾーンプレート8と第2の楕円ゾーンプレート9と
の間の距離をd、第2の楕円ゾーンプレート9のメリジ
オナル方向での物点から第2の楕円ゾーンプレート9の
メリジオナル方向での像点までの距離をa、第1の楕円
ゾーンプレート8からその第1の楕円ゾーンプレート8
のメリジオナル方向での像点までの距離をx+a、第2
の楕円ゾーンプレート9のサジタル方向での物点から第
2の楕円ゾーンプレート9のサジタル方向での像点まで
の距離をb、第1の楕円ゾーンプレート8からその第1
の楕円ゾーンプレート8のサジタル方向での像点までの
距離をx+b、第1の楕円ゾーンプレート8のサジタル
方向メリジオナル方向(長径方向)での屈折力を1/f
m、第1の楕円ゾーンプレート8のサジタル方向(短径方
向)での屈折力を1/fs、第2の楕円ゾーンプレート9
のメリジオナル方向での屈折力を−1/fm、第2の楕円
ゾーンプレート9のサジタル方向での屈折力を−1/f
s、第1の楕円ゾーンプレート8からメリジオナル方向の
結像位置までの距離を(x+ΔM)、サジタル方向の結
像位置までの距離を(x+ΔS)とする。ΔM及びΔS
は、2枚の楕円ゾーンプレート8,9で発生する非点収
差の量である。
【0075】まず、メリジオナル方向では結像公式によ
って以下の(数21)に示す関係が成立する。
【0076】
【数21】
【0077】一方、サジタル方向では、結像公式によっ
て以下の(数22)に示す関係が成立する。
【0078】
【数22】
【0079】以上の(数21)の第1及び第2式より、
非点収差量ΔMは次のようになる。
【0080】
【数23】
【0081】また、(数22)の第1及び第2式より、
非点収差量ΔSは次のようになる。
【0082】
【数24】
【0083】従って、メリジオナル方向の結像位置とサ
ジタル方向の結像位置との差である非点隔差δGCは、次
のようになる。
【0084】
【数25】
【0085】B−2.平行系の場合 図5(c)は平行系の光路図を示し、この図5(c)に
示すように、平行系では2枚の楕円ゾーンプレート8,
9の後に焦点距離fの凸レンズ14(結像レンズ)を配
置して、この凸レンズ14による結像位置を考える。そ
して、第1の楕円ゾーンプレート8に光軸AX3に平行
な光束が入射するものとして、第1の楕円ゾーンプレー
ト8と第2の楕円ゾーンプレートとの間の距離をd,第
2の楕円ゾーンプレート9から凸レンズ14までの距離
をd′とする。更に、第1の楕円ゾーンプレート8のメ
リジオナル方向(長径方向)での屈折力を1/fm、第1
の楕円ゾーンプレート8のサジタル方向(短径方向)で
の屈折力を1/fs、第2の楕円ゾーンプレート9のメリ
ジオナル方向での屈折力を−1/fm、第2の楕円ゾーン
プレート9のサジタル方向での屈折力を−1/fs、第1
の楕円ゾーンプレート8からその第1の楕円ゾーンプレ
ート8のメリジオナル方向での像点までの距離をαm、第
1の楕円ゾーンプレート8からその第1の楕円ゾーンプ
レート8のサジタル方向での像点までの距離をαs、第2
の楕円ゾーンプレート9からその第2楕円ゾーンプレー
ト9のメリジオナル方向での像点までの距離をΒm、第2
の楕円ゾーンプレート9からその第2楕円ゾーンプレー
ト9のサジタル方向での像点までの距離をΒs、凸レンズ
14からメリジオナル方向の結像位置までの距離を
M、サジタル方向の結像位置までの距離をcS とす
る。
【0086】まず、メリジオナル方向では結像公式によ
って以下の(数26)に示す関係が成立する。
【0087】
【数26】
【0088】一方、サジタル方向では、結像公式によっ
て以下の(数27)に示す関係が成立する。
【0089】
【数27】
【0090】以上の(数26)の第1式〜第3式より、
距離cM は次のようになる。
【0091】
【数28】
【0092】また、(数27)の第1式〜第3式より、
距離cs は次のようになる。
【0093】
【数29】
【0094】従って、楕円ゾーンプレート8,9及び凸
レンズ14(結像レンズ)によるメリジオナル方向の結
像位置とサジタル方向の結像位置との差である非点隔差
δGPは、次のようになる。
【0095】
【数30】
【0096】以上のように、本例では2枚の楕円ゾーン
プレート8,9の相対回転角又は間隔を変えることによ
り、アライメント光に対して所望の非点収差を与えるこ
とができる。従って、図1の実施例における第1及び第
2の楕円ゾーンプレート8,9は、ウエハマークWMか
ら反射するアライメント光が対物レンズ7により集光さ
れて収斂光束となる対物レンズ7と焦点板10との間に
配置されているため、上述の(数11)を満足するよう
に第1の楕円ゾーンプレート8と第2の楕円ゾーンプレ
ート9とを相対的に回転、あるいは上述の(数25)を
満足するように第1の楕円ゾーンプレート8と第2の楕
円ゾーンプレート9との間隔を相対的に変化させること
が好ましい。これにより、アライメント系4内で発生す
る非点収差を補正することができる。
【0097】また、図1の実施例において、2つの楕円
ゾーンプレート8,9と焦点板10との間に、図4
(c)及び図5(c)の如き結像レンズ14を配置し、
ウエハマークWMから反射するアライメント光を対物レ
ンズ7がほぼ平行光束に変換して2つの楕円ゾーンプレ
ート8,9へ導き、その2つの楕円ゾーンプレート8,
9を介したほぼ平行光束を結像レンズ14が焦点板10
上にウエハマークWMの像を形成する構成とすれば、上
述の(数18)を満足するように第1の楕円ゾーンプレ
ート8と第2の楕円ゾーンプレート9とを相対的に回
転、あるいは上述の(数30)を満足するように第1の
楕円ゾーンプレート8と第2の楕円ゾーンプレートとの
間隔を相対的に変化させることが好ましい。これによ
り、アライメント系4内で発生する非点収差を補正する
ことができる。
【0098】次に、図1の実施例において、楕円ゾーン
プレート8,9により対物レンズ7及びビームスプリッ
ター6で発生する非点収差を補正する際の動作の一例に
つき説明する。先ず、図1の焦点板10には、図6
(a)に示すように、L字型の1対のマークよりなる指
標マークIMが形成されているものとして、図1のウエ
ハW上のウエハマークWMの内でメリジオナル方向の位
置検出用のマークは、図6(b)に示すように、メリジ
オナル方向に所定ピッチで配列されたライン・アンド・
スペースパターンよりなるマークWM1であるとする。
この場合、図1の第1撮像素子13Mに接続されたモニ
ター受像機の画面13Maには、図6(c)に示すよう
に、指標マーク像IM′及びマーク像WM1′が重畳し
て結像される。
【0099】図7(a)〜(c)は、その図6(c)の
画像を或る水平走査線LXに沿って走査した場合に得ら
れる撮像信号を示す。また、図7(a)〜(c)は、そ
れぞれ図1のウエハステージ1を介してウエハWの露光
面の高さ(Z方向の位置)を変えた場合に得られる撮像
信号でもあり、撮像信号51及び52はそれぞれ指標マ
ーク像IM′に対応する信号であり、撮像信号53A〜
53Cはそれぞれマーク像WM1′に対応する信号であ
る。図7(a)〜(c)より分かるように、ウエハWの
露光面の高さを変えると、指標マーク像IM′のピーク
とボトムとのコントラストは常に一定であるが、マーク
像WM1′のピークとボトムとのコントラストは次第に
変化する。そして、図7(b)に示すように、撮像信号
53Bのコントラストが最も良好になるときが、ウエハ
WのウエハマークWMがメリジオナル方向で焦点板10
と合焦するときであると考えられる。
【0100】そこで、図1において、ウエハステージ1
をZ方向に走査して、第1撮像素子13Mの撮像信号よ
り、ウエハマークWMがメリジオナル方向で焦点板10
と合焦するときの、ウエハステージ1のZ方向の高さZ
M を求める。同様に、図1において、ウエハステージ1
をZ方向に走査して、第2撮像素子13Sの撮像信号よ
り、ウエハマークWMがサジタル方向で焦点板10と合
焦するときの、ウエハステージ1のZ方向の高さZS
求める。サジタル方向の合焦の検出を行うには、例えば
図6に示すように、ウエハマークWMの内のサジタル方
向に所定ピッチで形成されたライン・アンド・スペース
パターンよりなるマークWM2が使用される。この結
果、メリジオナル方向で合焦するときの高さZM と、サ
ジタル方向で合焦するときの高さZS との差が非点収差
の量を表すことになる。従って、図1の設定装置50に
より、楕円ゾーンプレート8及び9の相対回転角又は間
隔を調整して、その高さZM と高さZS とを一致させる
ことにより、対物レンズ7及びビームスプリッター6に
起因する非点収差が完全に補正される。
【0101】次に本発明の第2実施例につき図9を参照
して説明する。本実施例は、TTL(スルー・ザ・レン
ズ)方式のアライメント系に本発明を適用したものであ
る。図9は本例の投影露光装置の要部を示し、この図9
において、図示省略された照明光学系からの露光光によ
りレチクルRのパターンが投影光学系PLを介してウエ
ハW上に露光される。また、ウエハW上の各ショット領
域の近傍にはそれぞれウエハマークWMが形成されてい
る。本例の投影光学系PLの側面の上方にはTTL方式
のアライメント系15が配置され、このアライメント系
15において、光源16から射出されたアライメント光
が、第1リレーレンズ17、所定の波長の光を選択する
フィルター板18及び第2リレーレンズ19を経てビー
ムスプリッター20に入射する。ビームスプリッター2
1を透過したアライメント光が、対物レンズ21及び光
路折り曲げ用のミラー22を経て投影光学系PLに入射
し、投影光学系PLから射出されたアライメント光がウ
エハマークWM上に照射されている。本例のアライメン
ト光の波長は、ウエハW上の感光材を感光させないよう
に、露光光の波長とは異ならしめてある。
【0102】ウエハマークWMから反射されたアライメ
ント光は、投影光学系PL、折り曲げミラー22を経
て、ウエハWの露光面との共役面R′上にウエハマーク
WMの像を結像する。その共役面R′は、露光光のもと
でウエハWの露光面と共役な面と間隔ΔLだけ離れてい
る。この間隔ΔLは、露光光及びアライメント光に対す
る投影光学系PLにおける色収差に起因する量である。
その共役面R′からのアライメント光は、対物レンズ2
1を経てビームスプリッター20に戻り、ビームスプリ
ッター20で反射されたアライメント光が、倍率色収差
補正用のプリズム23(例えば特開平4−223326
号公報で詳細に開示されている)、第1の楕円ゾーンプ
レート8、第2の楕円ゾーンプレート9及び結像レンズ
24を経て、2次元CCD等よりなる2次元撮像素子2
5の撮像面上にウエハマークWMの像を結像する。
【0103】その2次元撮像素子25の撮像面上でのウ
エハマークWMの像の2次元的な位置より、所定の基準
位置からのウエハマークWMの位置ずれ量を検出するこ
とができる。本例における第1及び第2楕円ゾーンプレ
ート8,9は、ウエハマークWMを反射するアライメン
ト光が投影光学系PL、ミラー22及び対物レンズ21
を介して集光され略平行光束となる対物レンズ21と結
像レンズ24との間に配置されているため、上述の(数
18)を満足するように第1の楕円ゾーンプレート8と
第2の楕円ゾーンプレート9とを相対的に回転、あるい
は上述の(数30)を満足するように第1の楕円ゾーン
プレート8と第2の楕円ゾーンプレート9との間隔を相
対的に変化させることが好ましい。これにより、アライ
メント系15内で発生する非点収差を補正することがで
きる。
【0104】特に、本例においては、TTL方式で露光
光とは別波長の光でアライメントを行っているため、非
点収差が主に投影光学系PLで発生するが、2枚の楕円
ゾーンプレート8,9の相対回転角又は間隔を調整する
ことにより、全体として非点収差を0とすることができ
る。しかも、アライメント光に対して非点収差が投影光
学系PLのみならず、折り曲げミラー22、対物レンズ
21、ビームスプリッター20及び結像レンズ24等で
発生する場合にも、2枚の楕円ゾーンプレート8,9の
相対回転角又は間隔を調整することにより、全体として
非点収差を0とすることができる。これにより、ウエハ
マークWMの2次元的な位置を正確に検出できる。
【0105】また、通常の露光時には折り曲げミラー2
2は障害になるため、投影光学系PLの露光フィールド
を広くするために、露光時には折り曲げミラー22を待
避することが望ましい。しかしながら、折り曲げミラー
22を待避する場合には、再びウエハマークWMの位置
検出を行うため、その折り曲げミラー22をレチクルR
と投影光学系PLとの間に設定するときの位置再現性が
問題となる。即ち、折り曲げミラー22の位置により、
アライメント光に対して発生する非点収差の量が異な
り、ウエハマークWMの正確な位置検出ができなくなる
ためである。
【0106】そこで、折り曲げミラー22の設定位置を
計測するためのセンサーを設け、予め折り曲げミラー2
2の設定位置により非点収差の量を計測しておき、その
後折り曲げミラー22を設定した場合には、その位置に
応じて楕円ゾーンプレート8,9の相対回転角又は間隔
を変えることにより、その折り曲げミラー22の位置に
よる非点収差の変化量を補正すると良い。また、投影光
学系PLの周囲の室温又は気圧等によっても非点収差の
量が変化するため、予め室温及び気圧による非点収差の
変化量を測定しておき、投影露光装置の使用時には、温
度センサー及び気圧センサーの測定結果に応じて楕円ゾ
ーンプレート8,9により発生する非点収差の量を調整
すると良い。
【0107】次に、図10を参照して本発明の第3実施
例につき説明する。本例は、TTR(スルー・ザ・レチ
クル)方式のアライメント系に本発明を適用したもので
ある。図10は本例の投影露光装置の要部を示し、この
図10において、図示省略された照明光学系からの露光
光によりレチクルRのパターンが投影光学系PLを介し
てウエハW上に露光される。また、ウエハW上の各ショ
ット領域の近傍にはそれぞれウエハマークWMが形成さ
れている。本例のレチクルRの上方にはTTR方式のア
ライメント系26が配置され、このアライメント系26
において、光源16から射出されたアライメント光が、
第1リレーレンズ17、所定の波長の光を選択するフィ
ルター板18及び第2リレーレンズ19を経てビームス
プリッター27に入射する。ビームスプリッター27で
反射されたアライメント光が、対物レンズ28及びレチ
クルRを経て投影光学系PLに入射し、投影光学系PL
から射出されたアライメント光がウエハマークWM上に
照射されている。本例のアライメント光の波長は、ウエ
ハW上の感光材を感光させないように、露光光の波長と
は異ならしめてある。
【0108】レチクルR上には位置検出用のレチクルマ
ークRMが形成してあり、対物レンズ28から射出され
たアライメント光はレチクルマークRMにも照射されて
いる。レチクルマークRMからの反射光はそのまま対物
レンズ18に戻る。一方、ウエハマークWMから反射さ
れたアライメント光は、投影光学系PL及びレチクルR
を経て、ウエハWの露光面との共役面R′上にウエハマ
ークWMの像を結像する。その共役面R′は、レチクル
Rのパターン形成面と間隔ΔLだけ離れている。この間
隔ΔLは、露光光及びアライメント光に対する投影光学
系PLにおける色収差に起因する量である。従って、共
通の光学系では、ウエハマークWMの像とレチクルマー
クRMの像とを同時に観察することができないため、本
例では次のようにしている。
【0109】即ち、ウエハマークWMからのアライメン
ト光及びレチクルマークRMからのアライメント光は、
対物レンズ28を経てビームスプリッター27に戻る。
このビームスプリッター27を透過したアライメント光
の内で、更にビームスプリッター29及びミラー30で
反射された光が、平行平板ガラス31、結像レンズ32
及びミラー33を経てビームスプリッター34に至る。
このビームスプリッター34で反射された光が、2次元
CCD等よりなる2次元撮像素子35の撮像面上にレチ
クルマークRMの像を結像する。
【0110】一方、ビームスプリッター27を透過した
後、ビームスプリッター29を透過したアライメント光
が、平行平板ガラス54、第1の楕円ゾーンプレート
8、第2の楕円ゾーンプレート9及び結像レンズ36を
経てビームスプリッター34に達し、ビームスプリッタ
ー34を透過した光が、2次元撮像素子35の撮像面上
にウエハマークWMの像を結像する。この際に、結像レ
ンズ32による光束中にはウエハマークWMからの光が
混入しているが、2次元撮像素子35の撮像面ではその
ウエハマークWMの像はデフォーカスされている。同様
に、結像レンズ36による光束中にはレチクルマークR
Mからの光が混入しているが、2次元撮像素子35の撮
像面ではそのレチクルマークRMの像はデフォーカスさ
れている。従って、2次元撮像素子35の撮像面には、
レチクルマークRMの像とウエハマークWMの像とが重
畳して鮮明に結像される。2次元撮像素子35の撮像信
号が信号処理装置41に供給され、信号処理装置41で
求められたウエハマークWM及びレチクルマークRMの
位置情報が、装置全体の動作を制御する主制御系38に
供給されている。
【0111】信号処理装置41では、その2次元撮像素
子35の撮像面上でのウエハマークWMの像とレチクル
マークRMの像との2次元的な位置ずれより、レチクル
RとウエハWの当該ショット領域との位置ずれ量を検出
する。本例における第1及び第2の楕円ゾーンプレート
8,9は、ウエハマークWMを反射するアライメント光
が投影光学系PL及び対物レンズ28を介して集光され
て略平行光束となる対物レンズ28と結像レンズ36と
の間に配置されているため、上述(数18)を満足する
ように第1の楕円ゾーンプレート8と第2の楕円ゾーン
プレート9とを相対的に回転、あるいは上述の(数3
0)を満足するように第1の楕円ゾーンプレート8と第
2の楕円ゾーンプレート9との間隔を相対的に変化させ
ることが好ましい。これにより、アライメント系15内
で発生する非点収差を補正することができる。
【0112】特に、本例においては、TTR方式で露光
光とは別波長の光でアライメントを行っているため、非
点収差が主に投影光学系PLで発生するが、2枚の楕円
ゾーンプレート8,9の相対回転角又は間隔を調整する
ことにより、全体として非点収差を0とすることができ
る。しかも、アライメント光に対して非点収差が投影光
学系PLのみならず、対物レンズ28、ビームスプリッ
ター27及び29、結像レンズ36、ビームスプリッタ
ー34等で発生する場合にも、2枚の楕円ゾーンプレー
ト8,9の相対回転角又は間隔を調整することにより、
全体として非点収差を0とすることができる。これによ
り、ウエハマークWMのレチクルマークRMに対する2
次元的な位置ずれ量を正確に検出できる。本例では2枚
の楕円ゾーンプレート8,9の相対回転角又は間隔を調
整するための駆動装置37が設けられ、駆動装置37
は、装置全体の動作を制御する主制御系38の指令に基
づいて動作する。
【0113】ところで、レチクルサイズが変わった場合
やアライメントマークの位置が打ち変えられた場合に
は、アライメント系26を投影光学系PLの光軸Ax1
と直交する方向へ移動させて、アライメントを行わなけ
ればならない。しかしながら、投影光学系PLの光軸A
x1に対するアライメントマーク(レチクルマークR
M、ウエハマークWM)の位置が変わる毎に、投影光学
系PLにて発生する非点収差量が変化する問題がある。
【0114】そこで、本例では、アライメント系駆動装
置50によりアライメント系26が投影光学系PLの光
軸Ax1と直交する方向(レチクルRと平行な方向)へ
移動可能に設けられ、このアライメント系駆動装置50
は主制御系38にて制御されている。そして、この主制
御系38の内部のメモリー部には、投影光学系PLの光
軸Ax1に対するアライメントマーク(レチクルマーク
RM、ウエハマークWM)の位置に応じた非点収差量、
換言すれば、投影光学系PLの光軸AX1に対する像高
に応じた非点収差量の情報が予めメモリーされている。
【0115】ここで、レチクルサイズが変わった場合や
アライメントマークの位置が打ち変えられた場合には、
主制御系38は、アライメント系駆動装置50によって
アライメント系26を投影光学系PLの光軸Ax1と直
交する方向へ移動させて所定位置に設定し、その後、投
影光学系PLの光軸Ax1に対するアライメント系26
の光軸位置に応じた非点収差量をメモリー部内の情報に
基づいて求める。そして、主制御系38は、この求めら
れた非点収差量に基づいて、駆動装置37を駆動させ
て、2枚の楕円ゾーンプレート8,9の相対回転角又は
間隔を調整することにより、非点収差が全体として零に
なるように補正することができる。
【0116】以上の如く、本例によれば、レチクルサイ
ズが変わった場合やアライメントマークの位置を打ち変
えた場合にも投影光学系PLにて発生する非点収差を補
正でき、ウエハマークWMとレチクルマークRMとの2
次元的な位置を正確に検出することができる。なお、本
例の如き構成を図9に示すTTL方式の第2実施例の装
置に付加すれば、レチクルサイズが変わった場合やウエ
ハマークWMの位置を打ち変えた場合にも投影光学系P
Lにて発生する非点収差を補正できることは言うまでも
ない。
【0117】また、投影光学系PLの周囲の室温や大気
圧等により、投影光学系PLの投影倍率や歪曲収差等の
結像特性が変化することが分かっている。従って、レチ
クルRのパターン像をより高精度にウエハW上に露光す
るためには、投影光学系PLの結像特性を補正する機構
が必要である。そこで、本例の投影光学系PLには投影
光学系PLの倍率誤差等の結像特性を所定の範囲内で調
整するための結像特性補正装置39が設けられている。
結像特性補正装置39は、一例として、投影光学系PL
を構成する多数のレンズ間の空間(レンズ室)の内、所
定のレンズ室内の気体の圧力が可変になっており、その
レンズ室の気体の圧力を変えることにより、投影光学系
PLの倍率誤差等の結像特性を所定の範囲内で変えるこ
とができる。
【0118】主制御系38には、室温や大気圧を測定す
るための環境センサー40が接続され、主制御系38
は、その環境センサー40の計測結果に応じて結像特性
補正装置39を介して投影光学系PLの結像特性を補正
する。また、室温や大気圧により投影光学系PL及びそ
の他の光学部材における非点収差の量が変化することが
考えられる。そこで、予め環境センサー40による計測
結果とそれら光学部材における非点収差の変化量との関
係を計測しておき、主制御系38は、結像特性補正装置
39を介して投影光学系PLの結像特性を補正するのと
並行して、駆動装置37を介して2枚の楕円ゾーンプレ
ート8,9の相対回転角又は間隔を調整する。これによ
り、環境により変化した非点収差を2枚の楕円ゾーンプ
レート8,9での非点収差の変化量で相殺することがで
きる。
【0119】また、通常の露光時にはアライメント系2
6は障害になるため、露光時にはアライメント系26を
待避できるようになっている。しかしながら、アライメ
ント系26を待避する場合には、再びウエハマークWM
及びレチクルマークRMの位置検出を行うため、そのア
ライメント系26をレチクルR上に設定するときの位置
再現性が問題となる。即ち、アライメント系26の位置
により、アライメント光に対して発生する非点収差の量
が異なり、ウエハマークWMの正確な位置検出ができな
くなるためである。
【0120】そこで、アライメント系26の設定位置を
計測するためのセンサーを設け、予めアライメント系2
6の設定位置に対する非点収差の量を計測しておき、そ
の後アライメント系26を設定した場合には、その位置
に応じてシリンドリカルレンズ9,8の相対回転角又は
間隔を変えることにより、そのアライメント系26の位
置による非点収差の変化量を補正する。
【0121】なお、上述実施例では、2枚の楕円ゾーン
プレート8,9の内の少なくとも一方を光軸を中心とし
て回転させて相対回転角を、又は2枚の楕円ゾーンプレ
ート8,9の内の少なくとも一方を移動させて相対的な
間隔を変えることにより非点収差量を調整しているが、
2枚の楕円ゾーンプレート8,9を一体として光軸の回
りに回転しても非点収差の状態を或る程度変えることが
できる。従って、2枚の楕円ゾーンプレート8,9の一
体としての回転角(以下、「絶対回転角」という)を変
えることにより、位置検出用の光学系で発生する非点収
差を補正するようにしても良い。また、それら楕円ゾー
ンプレート8,9の配置位置は任意であり、例えば図1
の例であれば、ウエハWと焦点板10との間のどこに配
置しても良い。
【0122】また、上述実施例では、明部と暗部とより
なる楕円ゾーンプレート8,9が使用されているが、ガ
ラス基板上に凹凸のパターンで楕円状のパターンを形成
することにより形成した位相型の楕円ゾーンプレートを
使用しても良い。位相型の楕円ゾーンプレートを使用し
た場合には、例えば±1次光のみを効率的に取り出すこ
とができ、アライメント光の利用効率を高めることがで
きる。
【0123】次に、図11を参照して本発明の第4実施
例につき説明する。本例は例えば図1の2つの楕円ゾー
ンプレート8,9の代わりに使用できる非点収差発生装
置に本発明を適用したものである。図11は本例の非点
収差発生装置を示し、この図11において、液晶表示基
板42にパターン発生装置43が接続されている。パタ
ーン発生装置43は液晶表示基板42の透明の背景中に
任意の暗いパターンを発生するものである。そして、本
例では、液晶表示基板42中に複数の楕円状の輪帯パタ
ーンよりなる楕円ゾーンプレートパターン44を形成す
る。この楕円ゾーンプレートパターン44内の第n番目
の透明輪帯45n と第(n+1)番目の透明輪帯45
n+1 との、長径方向(メリジオナル方向)の間隔P
nmと、短径方向(サジタル方向)の間隔Pnsとは、任意
の値に設定することができる。
【0124】本例の液晶表示基板42により、メリジオ
ナル方向の焦点距離とサジタル方向の焦点距離とをそれ
ぞれ所望の値に設定することができ、ひいては所望の非
点収差を発生することができる。従って、その液晶表示
基板42を図1の楕円ゾーンプレート8,9の代わりに
設定することにより、他の光学系で発生する非点収差を
相殺することができる。
【0125】なお、上述実施例ではウエハマークWMの
像を画像処理しているが、それ以外に、レーザ・ステッ
プ・アライメント方式のアライメント系のように、ウエ
ハマークWMからの光を全体として光電変換する場合で
も、本発明のように楕円ゾーンプレートを用いて非点収
差を補正することにより、より正確にウエハマークWM
の位置検出を行うことができる。
【0126】更に、本発明は半導体素子等の製造用の露
光装置のみならず、顕微鏡等にも適用できることは言う
までもない。このように、本発明は上述実施例に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得る。
【0127】
【発明の効果】本発明の第1、第2又は第3の位置検出
装置によれば、それぞれ位置検出用の光学系(例えば対
物レンズ、光路折り曲げ用のミラー等)又は投影光学系
で発生した非点収差を光学部材の交換を行うことなく補
正でき、被検物の2次元的な位置検出をより高精度に行
うことができる利点がある。また、被検物としての基板
等に化学処理などにより反りやうねりなどが存在した場
合に、位置検出用の光学系の作動距離が変化しても、対
応できるという利点もある。
【0128】また、第1の位置検出装置では、1枚のゾ
ーンプレートで非点収差の補正を行うことができるた
め、構成が簡略である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置検出装置の第1実施例が適用
された投影露光装置の要部を示す構成図である。
【図2】楕円ゾーンプレートの一例を示す図である。
【図3】2枚の楕円ゾーンプレートで結像を行う場合の
原理説明図である。
【図4】(a)は第1実施例において2枚の楕円ゾーン
プレートの回転角を変える場合を示す斜視図、(b)は
結像系を示す光路図、(c)は平行系を示す光路図であ
る。
【図5】(a)は第1実施例において2枚の楕円ゾーン
プレートの間隔を変える場合を示す斜視図、(b)は結
像系を示す光路図、(c)は平行系を示す光路図であ
る。
【図6】(a)は指標マークIMを示す拡大図、(b)
はメリジオナル方向用のウエハマークを示す拡大図、
(c)は撮像素子により撮像された画像を示す図であ
る。
【図7】第1実施例において、ウエハWの露光面の高さ
を次第に変えた場合の撮像信号の変化を示す波形図であ
る。
【図8】第1実施例におけるサジタル方向用のウエハマ
ークを示す拡大図である。
【図9】本発明の第2実施例が適用された投影露光装置
の要部を示す構成図である。
【図10】本発明の第3実施例が適用された投影露光装
置の要部を示す構成図である。
【図11】本発明の第4実施例の非点収差発生装置を示
す構成図である。
【符号の説明】
R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ WM ウエハマーク IM 指標マーク 1 ウエハステージ 4 アライメント系 6 ビームスプリッター 7 対物レンズ 8,9 楕円ゾーンプレート 10 焦点板 11 結像レンズ 13M,13S 撮像素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物上の計測用マークからの位置検出
    用の光を位置検出光学系を介して観察面上に導き、該観
    察面上での前記位置検出用の光の位置から前記被検物の
    位置を検出する装置において、 前記被検物と前記観察面との間の前記位置検出用の光の
    光路に沿って、複数の楕円状の輪帯パターンより形成さ
    れると共に、前記複数の楕円状の輪帯パターンの第1の
    方向での各パターンの間隔及び前記第1の方向に直交す
    る第2の方向での各パターンの間隔の内の少なくとも一
    方が可変のゾーンプレートを配置し、 該ゾーンプレートを形成する前記複数の楕円状の輪帯パ
    ターンの前記第1の方向での各パターンの間隔及び前記
    第2の方向での各パターンの間隔の内の少なくとも一方
    を変化させる駆動手段を設け、 前記ゾーンプレートを形成する前記複数の楕円状の輪帯
    パターンの前記第1の方向での各パターンの間隔及び前
    記第2の方向での各パターンの間隔の内の少なくとも一
    方を変化させることにより、前記位置検出用の光に対し
    て前記位置検出光学系で発生する非点収差を補正するよ
    うにしたことを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】 被検物上の計測用マークからの位置検出
    用の光を位置検出光学系を介して観察面上に導き、該観
    察面上での前記位置検出用の光の位置から前記被検物の
    位置を検出する装置において、 前記被検物と前記観察面との間の前記位置検出用の光の
    光路に沿って、それぞれ複数の楕円状の輪帯より形成さ
    れた第1ゾーンプレート及び第2ゾーンプレートを配置
    し、前記2つのゾーンプレートの内の少なくとも一方を
    該ゾーンプレートの光軸を中心に回転自在又は該光軸に
    沿って移動自在に設け、 前記2つのゾーンプレートの内の少なくとも一方のゾー
    ンプレートを回転又は移動することにより、前記位置検
    出用の光に対して前記位置検出光学系で発生する非点収
    差を補正するようにしたことを特徴とする位置検出装
    置。
  3. 【請求項3】 マスク上に形成されたパターンの像を投
    影光学系を介して感光基板上に投影する露光装置に設け
    られ、前記感光基板上の計測用マークから前記投影光学
    系を介して得られる位置検出用の光を集光し、観察面上
    に前記計測用マークの像を形成する位置検出光学系と、
    前記観察面上の前記計測用マークの像の2次元的な位置
    ずれ量を検出する計測手段とを有し、前記計測用マーク
    の像の位置ずれ量から前記感光基板の位置を検出する位
    置検出装置において、 前記投影光学系と前記観察面との間の前記位置検出用の
    光の光路に沿ってそれぞれ複数の楕円状の輪帯より形成
    される第1ゾーンプレート及び第2ゾーンプレートを配
    置し、前記2つのゾーンプレートの内の少なくとも一方
    を該ゾーンプレートの光軸を中心に回転自在又は該光軸
    に沿って移動自在に設け、 前記2つのゾーンプレートの内の少なくとも一方のゾー
    ンプレートを回転又は移動することにより、前記位置検
    出用の光に対して前記投影光学系で発生する非点収差を
    補正するようにしたことを特徴とする位置検出装置。
JP5052737A 1993-03-12 1993-03-12 位置検出装置 Withdrawn JPH06267821A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003255117A (ja) * 2002-03-01 2003-09-10 Hewlett Packard Co <Hp> 選択的光不透過性素子を複数使用する回折式集束装置
JP2019144141A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 株式会社ミツトヨ 位置検出エンコーダ及び位置検出エンコーダの製造方法

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