JPH06267694A - イオン・エネルギーの制御方法およびその装置 - Google Patents

イオン・エネルギーの制御方法およびその装置

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JPH06267694A
JPH06267694A JP5075303A JP7530393A JPH06267694A JP H06267694 A JPH06267694 A JP H06267694A JP 5075303 A JP5075303 A JP 5075303A JP 7530393 A JP7530393 A JP 7530393A JP H06267694 A JPH06267694 A JP H06267694A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被処理材へ外部からバイアス電圧を印加するこ
となく、被処理材へ入射されるイオン・エネルギーを制
御することができるようにする。 【構成】電子ビームが被処理材に入射する際の入射角を
変化することにより、被処理材表面に到達する電子の数
を変化し、被処理材表面の浮動電位を変化する。また、
電子ビームが被処理材に入射する際の加速度を変化する
ことにより、被処理材表面に到達する電子の数を変化
し、被処理材表面の浮動電位を変化する。これらのこと
により、イオンシースにかかる電圧が変化されて、イオ
ンシースにかかる電圧により加速されて被処理材表面に
入射されるイオン・エネルギーが制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン・エネルギーの
制御方法およびその装置に関し、さらに詳細には、プラ
ズマ中に位置させた被処理材に衝突するイオン・エネル
ギーを制御するイオン・エネルギーの制御方法およびそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体などのドライ・エッチ
ングあるいは成膜などの技術分野においては、プラズマ
中のイオンを用いることが行われている。
【0003】即ち、プラズマ中に位置させた被処理材
は、電気的に絶縁させた状態では通常は負にバイアスさ
れるため、プラズマ中のイオンは被処理材に向かって加
速されることになる。こうして加速されたイオンのイオ
ン・エネルギーが、ドライ・エッチングあるいは成膜な
どの処理において重要な役割を担っている。
【0004】現在、こうしたイオン・エネルギーを制御
するためには、外部の電源から被処理材の導電性に応じ
て直流(DC)電圧あるいは高周波(RF)電圧などの
バイアス電圧を印加し、外部のバイアス電圧によって被
処理材表面の電位を変化させることにより行っていた。
つまり、被処理材が電気的に導体である場合には、外部
のバイアス電圧としてDC電圧が用いられ、被処理材が
電気的に絶縁体である場合には、外部のバイアス電圧と
してRF電圧を用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような外部のバイアス電圧たるDC電圧あるいはRF
電圧の被処理材への印加は、被処理材表面のプラズマを
乱すことになると考えられており、好ましくないことが
指摘されていた。
【0006】また、導体へのDC電圧の印加は、被処理
材がドライ・エッチングによく用いられるような導体の
上に絶縁物マスクがあるものである場合には、被処理材
表面の電位と絶縁物マスクとの電位とが異なるようにな
り、被処理材表面と絶縁物マスクとの間の電界に歪みを
生じるようになっていた。このため、被処理材へのイオ
ンの入射軌道を曲げてしまうという問題点があった。
【0007】さらに、絶縁体へRF電圧を印加した場合
には、RF電圧のピーク電圧においては、必要以上の電
圧が被処理材に印加されてしまうという問題点があっ
た。
【0008】さらにまた、こうした外部のバイアス電圧
を用いるということは、新たな電源が別途必要になるも
のであり、製造コストの増大を招来するという問題点が
あった。
【0009】本発明は、従来の技術の有するこのような
種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、被処理材へ外部からバイアス電圧を印加
することなく、被処理材へ入射されるイオン・エネルギ
ーを制御することのできるイオン・エネルギーの制御方
法およびその装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるイオン・エネルギーの制御方法は、被
処理材を位置させるとともに所定の反応ガス雰囲気とさ
れたイオン生成領域内へ電子ビームを照射してプラズマ
を発生させ、プラズマ中のイオンを被処理材表面のイオ
ンシースにかかる電圧により加速して、被処理材に衝突
させる際のイオン・エネルギーの制御方法において、電
子ビームが被処理材に入射する際の入射角を変化するこ
とにより、被処理材表面に衝突する電子の数を制御して
被処理材表面の浮動電位を変化し、浮動電位の変化に基
づいてイオンシースにかかる電圧を変化させて、イオン
・エネルギーを制御するようにしたものである。
【0011】また、本発明によるイオン・エネルギーの
制御方法は、被処理材を位置させるとともに所定の反応
ガス雰囲気とされたイオン生成領域内へ電子ビームを照
射してプラズマを発生させ、プラズマ中のイオンを被処
理材表面のイオンシースにかかる電圧により加速して、
被処理材に衝突させる際のイオン・エネルギーの制御方
法において、電子ビームをイオン生成領域内へ照射する
際の加速度を変化することにより、被処理材表面に衝突
する電子の数を制御して被処理材表面の浮動電位を変化
し、浮動電位の変化に基づいてイオンシースにかかる電
圧を変化させて、イオン・エネルギーを制御するように
したものである。
【0012】さらに、本発明によるイオン・エネルギー
の制御装置は、所定の反応ガス雰囲気とされたイオン生
成室と、イオン生成室内に電子ビームを照射してプラズ
マを発生させる電子ビーム照射手段とを有し、プラズマ
中のイオンをイオン生成室内に位置させた被処理材表面
のイオンシースにかかる電圧により加速して、被処理材
に衝突させる電子ビーム励起イオン照射装置におけるイ
オン・エネルギーの制御装置において、被処理材を回転
自在に支持する支持装置を備え、電子ビームが被処理材
に入射する際の入射角が可変となるようにしたものであ
る。
【0013】さらにまた、本発明によるイオン・エネル
ギーの制御装置は、所定の反応ガス雰囲気とされたイオ
ン生成室と、イオン生成室内に電子ビームを照射してプ
ラズマを発生させる電子ビーム照射手段とを有し、プラ
ズマ中のイオンをイオン生成室内に位置させた被処理材
表面のイオンシースにかかる電圧により加速して、被処
理材に衝突させる電子ビーム励起イオン照射装置におけ
るイオン・エネルギーの制御装置において、電子ビーム
の加速度を制御するための電圧を可変制御できる電子ビ
ーム加速用電源を備え、電子ビームをイオン生成室内へ
照射する際の加速度が可変となるようにしたものであ
る。
【0014】
【作用】電子ビームが被処理材に入射する際の入射角が
変化することにより、被処理材表面に到達する電子の数
が変化し、被処理材表面の浮動電位が変化する。このこ
とにより、イオンシースにかかる電圧が変化される。こ
のため、イオンシースにかかる電圧により加速されて被
処理材表面に入射されるイオン・エネルギーを、電子ビ
ームの被処理材への入射角を変化することにより制御で
きる。
【0015】電子ビームが被処理材に入射する際の加速
度が変化することにより、被処理材表面に到達する電子
の数が変化し、被処理材表面の浮動電位が変化する。こ
のことにより、イオンシースにかかる電圧が変化され
る。このため、イオンシースにかかる電圧により加速さ
れて被処理材表面に入射されるイオン・エネルギーを、
電子ビームを被処理材へ入射する際の加速度を変化する
ことにより制御できる。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明によるイオン
・エネルギー制御方法およびその装置の実施例を詳細に
説明するものとする。
【0017】図1には、本発明の一実施例によるイオン
・エネルギー制御装置を備えた電子ビーム励起イオン照
射装置10が示されている。
【0018】この電子ビーム励起イオン照射装置10
は、直径約95mmで全長約110mmの密閉容器12
内に、例えば、タングステンやモリブデンなどの高融点
金属などからなるアノード電極14および電子ビーム加
速用電極16を、約1mmの備間隔で配設している。こ
れらアノード電極14および電子ビーム加速用電極16
は、直径数cm、厚さ0.2mm乃至0.5mm程度の
円板状に形成され、その周辺部を除く領域に、直径0.
5mm乃至1.0mm程度の透孔14a、16bが多数
穿設されている。
【0019】密閉容器12内のアノード電極14と対向
する一方の側壁12aには、熱フィラメントよりなるカ
ソード電極18が、アノード電極14に向けて突出する
ように配設されている。
【0020】また、カソード電極18とアノード電極1
4との間には、貫通孔20aが穿設された電極20が設
けられている。電極20は、熱フィラメントよりなるカ
ソード電極18領域のガス圧を高めることにより、カソ
ード電極18とアノード電極14との間の放電を安定に
したり、後述するイオン生成領域におけるイオン生成の
ための作動ガスとして酸素などの活性ガスを用いた場合
に、カソード電極18領域に導入されるAr(アルゴ
ン)ガスのガス圧を高めて、酸素などの活性ガスが流入
することを防止し、カソード電極18の熱フィラメント
を保護するための隔壁としての作用をする。
【0021】なお、カソード電極18とアノード電極1
4との間のガス圧は、0.1Torr程度に設定され
る。
【0022】さらに、電子ビーム加速用電極16と対向
する他方の側壁12bとの間のイオン生成室12c内に
は、被処理材22を電気的に絶縁した状態で支持する支
持装置24が配設されている。支持装置24は、図2に
示すように、軸心O−O周りに回動自在とされていて、
被処理材22を密封容器12に対して回動自在に支持し
ている。
【0023】さらに、熱電子を放出させるために、カソ
ード電極18としてのフィラメントを約1500°C乃
至1600°Cに加熱するための電圧Vhを印加する直
流あるいは交流のヒータ電源26と、カソード電極18
とアノード電極14との間に放電電圧Vdを印加するた
めの放電電源28と、電子ビーム加速用電源に電子ビー
ムの加速電圧Vaを印加するための電子ビーム加速用電
源30とを備えている。
【0024】以上の構成において、密閉容器12の側壁
12aと電極20との間に配設されたバルブ(図示せ
ず)を介して、密閉容器12内に放電用ガスとしてAr
ガスが導入される。カソード電極18とアノード電極1
4との間には、放電電源28から約60V乃至100V
の低エネルギーの放電電圧Vdが印加されて放電が起こ
され、カソード電極18とアノード電極14との間で放
電プラズマが生成される。
【0025】即ち、カソード電極18とアノード電極1
4との間が、放電電源28により電子ビーム源となる電
子を含むプラズマを生成する領域たるプラズマ領域とな
る。
【0026】この際に、カソード電極18は加熱電源2
6からの加熱電圧Vhにより約1500°C乃至160
0°Cに加熱されて熱電子を放出しており、カソード電
極18とアノード電極14との間の放電開始を容易にし
いる。このために、放電電源28からの約60V乃至1
00Vの低エネルギーの放電電圧Vdにより放電を開始
することができる。
【0027】また、アノード電極14に対して約1mm
の間隔で設けられた電子ビーム加速用電極16には、電
子ビーム加速用電源30により加速電圧Vaが印加され
ていて、カソード電極18とアノード電極14との間で
生成された放電プラズマから電子を引き出して加速し、
電子ビームをイオン生成室12c内に入射する。従っ
て、アノード電極14と電子ビーム加速用電極16との
間が、電子ビーム加速用電源30により電子を加速する
領域たる電子ビーム加速領域となる。
【0028】なお、アノード電極14と電子ビーム加速
用電極16との間は、例えば、0.03Torr程度の
ガス圧とされている。
【0029】イオン生成室12cには、イオン生成のた
めの作動ガスとして、例えば、酸素(O2)あるいはA
rガスが供給されている。そして、イオン生成室12c
内に導入された電子ビームは、イオン生成のための作動
ガスのガス分子に衝突し、濃いプラズマを発生する。こ
うして、電離断面積の大きなエネルギーを有する電子ビ
ームを用いて、ガス圧の少ない領域でプラズマが発生さ
れる。つまり、イオン生成室12c内のガス分子に高速
の電子を衝突させ、ガス分子をプラズマ化してイオンを
生成するものである。
【0030】従って、電子ビーム加速用電極16から側
壁12cまでの領域が、電子ビームによりプラズマを生
成する領域たるイオン生成領域となる。
【0031】なお、イオン生成領域のガス圧は、真空ポ
ンプによって10-4Torr乃至0.1Torr程度に
設定される。
【0032】上記のようにしてイオン生成室12c内で
発生されたプラズマ中のイオンが、支持装置24に支持
された被処理材22に衝突し、被処理材に対してエッチ
ングなどの処理を行うことになる。
【0033】この際に、支持装置24を回動操作するこ
とにより、電子ビームと被処理材22の表面との間の角
度(θ)を垂直から平行まで変化させることにより、被
処理材22に入射されるイオン・エネルギーを変化させ
るように制御できる。
【0034】また、加速電源30を制御して、電子ビー
ムの加速電圧Vaを変化させることによっても、被処理
材22に入射されるイオン・エネルギーを変化させるよ
うに制御できる。
【0035】即ち、プラズマ中に位置された被処理材2
2は、支持装置24によって電気的に絶縁された状態で
支持されている。このため被処理材22は、電子とイオ
ンとの拡散係数の差に起因して、通常は負にバイアスさ
れ、被処理材22の表面にイオンシースが形成される。
このときの被処理材22表面の電位は浮動電位Vfと称
され、イオン生成室12c内のプラズマの空間電位Vs
と浮動電位Vfとの電位差がイオンシースにかかる電圧
となる(図3)。
【0036】イオン生成室12c内のプラズマ中のイオ
ンは、このイオンシースにかかる電圧で加速されるた
め、被処理材22の表面に入射するイオン・エネルギー
をEiとすると、 Ei=q(Vs−Vf) q:電荷 となる。
【0037】従って、被処理材22の表面に入射するイ
オン・エネルギーEiは、空間電位Vsが一定であれ
ば、浮動電位Vfを制御することにより制御できる。
【0038】ところで浮動電位Vfは、プラズマ中の絶
縁物表面での電位であり、その表面では電流は流れない
ので、表面に到達した電子とイオンとは、表面再結合で
電荷を失うことになり、単位時間に到達する電子とイオ
ンとの数は等しくなければならない。即ち、電子電流と
イオン電流とが等しい電位が、浮動電位Vfとなる。
【0039】ここにおいて、電子飽和電流Iesとイオ
ン飽和電流Iisとの比は、 Ies/Iis=0.66(mi/me)1/2 mi:イオンの質量、me:電子の質量 であり、例えば、Arガスでは両者の比は約180と大
きな値である。
【0040】従って、イオン飽和電流Iisは電子飽和
電流Iesに比べて非常に小さいため、被処理材22の
表面に到達するイオンシースの電位差より大きなエネル
ギーを持つ電子の数を少し制御するだけで、浮動電位V
fを変化でき、イオンシースの電位差を制御できること
になる。
【0041】即ち、図3に示すように、ビーム電子が被
処理材22に対して角度θをもつときは、ビーム電子は
同じ角度でイオンシースに入射する。このとき、イオン
シースに入射したビーム電子はイオンシースの中の逆電
場により反発され、被処理材22の表面に対して垂直な
成分のエネルギーが逆電場より大きい電子だけが、被処
理材22の表面に到達するようになる。その結果、図4
に示すようにイオンシースの電位差(Vs−Vf)を制
御できるようになる。
【0042】即ち、図4は、被処理材22へのビーム電
子の入射の角度θに対する、被処理材22の浮動電位V
fの依存性を示している(空間電位Vsは一定であ
る。)。この図4より、浮動電位Vfは、角度θを変化
させることにより制御できることがわかる。
【0043】従って、プラズマの空間電位Vsはアース
電位付近であるので、被処理材22に入射するイオン
は、空間電位Vsと浮動電位Vfとの電位差により加速
されるため、被処理材22に入射されるイオン・エネル
ギーを制御できる。
【0044】また、加速電圧Vaを変化させてビーム電
子の加速度を制御することによっても、被処理材22の
表面に到達する電子の数を制御できる。このため、加速
電圧Vaを変化させると浮動電位Vfも変化し、図4に
示すようにイオンシースの電位差(Vs−Vf)を制御
できるようになる。
【0045】なお、電子ビームが被処理材22に到達し
ないとイオン・エネルギーを制御できないため、イオン
生成領域12c内の作動ガスのガス圧ならびに電子ビー
ム加速用電極16から被処理材22までの距離に制限が
ある。
【0046】即ち、図5に示すように、イオン生成領域
12c内の作動ガスのガス圧(pressure)が高
いと、電子ビームが作動ガスのガス分子と衝突する確率
が極めて高くなり、被処理材22まで到達する電子の存
在確率が極めて低くなる。また、電子ビーム加速用電極
16から被処理材22までの距離が長い場合にも、電子
ビームが作動ガスのガス分子と衝突する確率が極めて高
くなるので、電子が被処理材22まで到達できなくなる
確率が極めて高くなる。従って、ガス圧を所定のレベル
以下に維持するとともに、電子ビーム加速用電極16か
ら被処理材22までの距離を、電子と原子との衝突の平
均自由行程の長さの数倍より短く設定することが必要に
なる。
【0047】図5に示す実験例においては、ガス圧がお
よそ0.01Torr以上となると、空間電位Vsと浮
動電位Vfとの電位差が小さくなり、イオン・エネルギ
ーの制御が困難になっている。
【0048】なお、上記実施例において、イオン生成領
域における作動ガスに不活性ガスを用いるときは、熱フ
ィラメントよりなるカソード電極18を保護する必要が
ないので、電極20を設けなくともよい。
【0049】また、上記実施例においては、プラズマ領
域で生成される放電プラズマとして、直流の放電電源2
8により生成される直流放電プラズマを用いたが、プラ
ズマ領域から電子を引き出して電子ビーム加速領域にお
いて電子を加速できればよいものであるため、高周波
(RF)放電プラズマ、マイクロ波放電プラズマあるい
はECR(Electron Cyclotron L
esonance)プラズマ(電子サイクロトロン共鳴
プラズマ)などを用いてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】電子ビームの被処理材への入射角を変化し
たり、あるいは電子ビームが被処理材へ入射する際の加
速度を変化することにより、被処理材表面に入射される
イオン・エネルギーを制御するようにしたため、被処理
材へ外部からバイアス電圧を印加する必要がないので、
被処理材表面のプラズマを乱れなどの外部からバイアス
電圧に起因する問題点を解決することができ、しかも製
造コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるイオン・エネルギー制
御装置を備えた電子ビーム励起イオン照射装置の構成説
明図である。
【図2】支持装置の拡大説明図である。
【図3】被処理材への電子ビームの入射状態を示す説明
図である。
【図4】被処理材への電子ビームの入射角度θならびに
電子ビームの加速電圧Vaとイオンシースの電位差との
関係を示すグラフである。
【図5】イオン生成領域の作動ガスのガス圧力と空間電
位Vsならびに浮動電位Vfとの関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 電子ビーム励起イオン照射装置 12 密閉容器 14 アノード電極 14a 透孔 16 電子ビーム加速用電極 16a 透孔 18 カソード電極 20 電極 20a 貫通孔 22 被処理材 24 支持装置 26 加熱電源 28 放電電源 30 加速電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理材を位置させるとともに所定の反
    応ガス雰囲気とされたイオン生成領域内へ電子ビームを
    照射してプラズマを発生させ、前記プラズマ中のイオン
    を前記被処理材表面のイオンシースにかかる電圧により
    加速して、前記被処理材に衝突させる際のイオン・エネ
    ルギーの制御方法において、 前記電子ビームが前記被処理材に入射する際の入射角を
    変化することにより、前記被処理材表面に衝突する電子
    の数を制御して前記被処理材表面の浮動電位を変化し、
    前記浮動電位の変化に基づいて前記イオンシースにかか
    る電圧を変化させて、前記イオン・エネルギーを制御す
    るようにしたことを特徴とするイオン・エネルギーの制
    御方法。
  2. 【請求項2】 被処理材を位置させるとともに所定の反
    応ガス雰囲気とされたイオン生成領域内へ電子ビームを
    照射してプラズマを発生させ、前記プラズマ中のイオン
    を前記被処理材表面のイオンシースにかかる電圧により
    加速して、前記被処理材に衝突させる際のイオン・エネ
    ルギーの制御方法において、 前記電子ビームを前記イオン生成領域内へ照射する際の
    加速度を変化することにより、前記被処理材表面に衝突
    する電子の数を制御して前記被処理材表面の浮動電位を
    変化し、前記浮動電位の変化に基づいて前記イオンシー
    スにかかる電圧を変化させて、前記イオン・エネルギー
    を制御するようにしたことを特徴とするイオン・エネル
    ギーの制御方法。
  3. 【請求項3】 所定の反応ガス雰囲気とされたイオン生
    成室と、前記イオン生成室内に電子ビームを照射してプ
    ラズマを発生させる電子ビーム照射手段とを有し、前記
    プラズマ中のイオンを前記イオン生成室内に位置させた
    被処理材表面のイオンシースにかかる電圧により加速し
    て、前記被処理材に衝突させる電子ビーム励起イオン照
    射装置におけるイオン・エネルギーの制御装置におい
    て、 前記被処理材を回転自在に支持する支持装置を備え、前
    記電子ビームが前記被処理材に入射する際の入射角を可
    変としたことを特徴とするイオン・エネルギーの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 所定の反応ガス雰囲気とされたイオン生
    成室と、前記イオン生成室内に電子ビームを照射してプ
    ラズマを発生させる電子ビーム照射手段とを有し、前記
    プラズマ中のイオンを前記イオン生成室内に位置させた
    被処理材表面のイオンシースにかかる電圧により加速し
    て、前記被処理材に衝突させる電子ビーム励起イオン照
    射装置におけるイオン・エネルギーの制御装置におい
    て、 前記電子ビームの加速度を制御するための電圧を可変制
    御できる電子ビーム加速用電源を備え、前記電子ビーム
    を前記イオン生成室内へ照射する際の加速度を可変とし
    たことを特徴とするイオン・エネルギーの制御装置。
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