JPH06267627A - 画像形成装置における回転部給電・信号送受装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像形成装置の回転部へ電源の供給と信号の
送受を行う回転部給電・信号送受装置において、接触抵
抗の増加もしくは信号へのノイズの重畳を防止するとと
もに、画像形成装置の回転部との脱着を容易とする。 【構成】 回転部の軸１０ａに接合されて回転する中心
軸１が、電極ケ−ス６によって回転可能に支持される。
電極ケ−ス６に支持された固定電極３は、中心軸の周囲
に固定された回転電極２に摺札され、回転部への電源の
供給が行なわれる。一方、信号の送受は中心軸１の先端
と、これと対向する位置とに設けた発光素子４および発
光素子５によって行う。これにより、信号へのノイズの
重畳防止するとともに、電極ケ−ス６と中心軸１とを一
体としたまま回転部１０との脱着が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機・プリンタ等の
画像形成装置における回転部へ電源を供給するととも
に、信号の送受を行う回転部給電・信号送受装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】画像形成装置の回転部には、フルカラー
機等で用いられる回転可動式の現像装置のように回転部
内に駆動系と信号源とを有しているものがある。つま
り、回転可動式の現像装置は回転部の周囲に異なる色の
現像剤を収容した複数の現像器が設けられており、それ
ぞれの現像器の現像ロール等を駆動するとともに現像用
バイアス電圧を印加しなければならない。また、それぞ
れの現像器には濃度センサーが設けられ、これらのセン
サーからの信号を画像形成装置内のＣＰＵに伝達しなけ
ればならない。

【０００３】従来、このような回転可動式の現像装置等
の回転部に電源の供給と信号の送受を行う場合には、回
転部の軸の周囲に導電体のリングを設け、これに導電性
のブラシ等を摺擦させることによって電気的に接続して
いる。このような装置はスリップリングと称して多くの
ものが提案されており、例えば、特開昭６０−２５０５
７５号公報、特開平１−２５５１８１号公報、特開平１
−２６０７７５号公報に開示されるもの等がある。

【０００４】また、上記のようなスリップリング機構を
光カップリング機構と組み合わせ、電気的に固定部側と
回転部側とを接続するとともに、光信号化された制御信
号を送受することができる装置が特公平４−４５４３９
号公報に開示されている。この装置はタワー旋回クレー
ンやクローラクレーンなどの回転部へ電力を供給すると
ともに制御信号を送受するためのものであり、中空の垂
直管軸を固定して起立させ、回転部側には垂直管軸の周
面のスリップリングに摺擦される導電ブラシを設けてい
る。さらに垂直管軸の先端には光カップリング機構を備
えている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような装置を複写機等の画像形成装置に用いる場合、以
下の問題点がある。従来のいわゆるスリップリングを用
いる場合には、周囲の環境の影響等により、接触子とし
て用いるブラシが汚れ、接触抵抗が増加するという問題
点がある。接触抵抗が増加すると、供給電圧の変動、電
気的接地不良、信号出力へのノイズ重畳、の発生が大き
な問題となる。また、回転部の回転中は静止時に比べて
接触抵抗が大きく、信号へ重畳するノイズ成分が増大す
るので、信号の送受を回転部が静止しているときに限る
こととすれば、信号の送受のタイミングが著しく制限さ
れることになる。一方、接触抵抗の増加を防止するため
にブラシの材質等を改良することは装置の高価格化を招
くことになる。

【０００６】特開平４−４５４３９号公報に記載のスリ
ップリング装置では、光カップリング機構で送受される
信号についてはノイズの重畳が回避されるが、本装置は
大型機械への大電力の供給を目的とするものであり、画
像形成装置のように装置を小型化し、低電圧で電力を供
給するものには適さない。また、画像形成装置では保守
点検等のためにスリップリング機構を容易に脱着可能と
しておく必要があるが、上記装置ではこのような要請に
適合しないという問題点がある。

【０００７】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、回転部への電源供給と信
号の送受を行うに際し、接触抵抗の増加もしくは信号へ
のノイズの重畳を防止することができるとともに、画像
形成装置の回転部との脱着が容易な画像形成装置におけ
る回転部給電・信号送受装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明に係る画像形成装置における回転部給電・
信号送受装置は、 回転部の軸に接合されて回転する
中心軸と、 前記中心軸の周囲に固着された環状の回転
電極と、 前記回転電極を覆い、前記中心軸を回転可能
に支持するとともに、固定部分によって支持される電極
ケースと、 前記電極ケースに支持され、前記回転電極
に摺擦される固定電極と、 光変換された信号の送受を
行なう発光素子と受光素子とを有し、 前記発光素子又
は受光素子が前記中心軸の一端に支持され、該発光素子
又は受光素子と信号の送受を行なう受光素子又は発光素
子が、前記中心軸の軸線上の、前記中心軸に固定された
発光素子又は受光素子と対峙する位置に固定支持される
ものとする。

【０００９】また、前記請求項１に記載の画像形成装置
における回転部給電・信号送受装置において、 前記回
転電極が円盤状をなし、 前記固定電極が前記円盤状の
回転電極をその厚さ方向に挟むように摺擦するものとす
るのが望ましい。

【００１０】上記回転部は画像形成装置内において回転
駆動されるとともに、その回転部内に電源の供給と信号
の送受を行う必要があるものである。例えば、フルカラ
ー画像形成装置で用いられる回転式現像ユニット等があ
る。上記回転部の軸と上記中心軸との接合は回転駆動力
を伝達でき、脱着可能な構造であればよく、機械的係合
によるもの、ボルトによって締め付けるもの等宜設計す
ることができる。上記電極ケースが接合される固定部分
は、例えば、画像形成装置のフレーム等であり、回転駆
動される部分に対して通常の使用状態で静止している部
分である。上記回転電極と固定電極とは対をなすもので
あり、入出力数に応じ、それぞれを複数個備えることが
できる。

【００１１】上記発光素子と受光素子とは、回転部から
画像形成装置本体側すなわち固定部分側に信号を送る場
合には発光素子を中心軸の一端に支持し、受光素子を固
定部分側の発光素子と対峙する位置に支持する。また、
固定部分側から回転部に信号を送る場合には発光素子及
び受光素子の位置を逆にし、双方向の信号の送受を行う
場合には発光素子と受光素子との双方を中心軸の一端及
びこれと対峙する位置に設けるものである。

【００１２】

【作用】上記のような構成の画像形成装置における回転
部給電・信号送受装置では、回転する回転電極と固定支
持された固定電極とが摺擦され、これにより、回転部へ
の給電および電気的接地等が行われる。一方、回転部と
固定部分との間の信号送受は、電気的信号を発光素子に
よって光変換し、これを受光素子によって再び電気信号
に戻すことによって行われる。従って回転部と固定部分
との間の信号の送受が非接触で行われ汚れ等による接触
抵抗の増加にともなう信号へのノイズの重畳がなくな
り、安定した信号の送受が行われる。また、回転部が静
止しているか駆動状態かを問わず常に安定した信号の送
受ができるので回転部への信号送受のタイミングに制限
がなくなり、信号送受の制御が容易になる。

【００１３】さらに上記回転部給電・信号送受装置で
は、電極ケースが、固定電極を支持するとともに中心軸
を回転可能に支持するようになっているので、回転電極
が固着された中心軸、固定電極および電極ケースを一体
として取り扱うことが可能となる。また、中心軸を回転
部の軸と接合して回転駆動力を伝達するようになってい
るので、この回転部給電・信号送受装置と回転部との間
で脱着が可能となり、保守・点検等のために回転部を取
りはずしたり交換することが容易となる。また、上記電
極ケースは回転電極及びこれと摺擦される固定電極とを
覆うようになっているので、摺擦部への粉塵の侵入を防
止し、接触抵抗の増加を防止する効果もある。上記回転
電極を円盤状とし、固定電極は円盤上の回転電極を厚さ
方向に挟むように摺擦するものでは、接触面積が拡大さ
れ、さらに接触抵抗の変動が低減される。

【００１４】

【実施例】以下本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図１は、本発明の第１の実施例であるところの、画
像形成装置における回転部給電・信号送受装置を示す概
略断面図である。この画像形成装置における回転部給電
・信号送受装置は回転式現像ユニット１０の軸１０ａに
接合して回転駆動力が伝達される中空の中心軸１と、こ
の中心軸１の増圧部周面に設けられた環状の回転電極２
と、この回転電極２に摺擦される固定電極３と、上記回
転電極２及び固定電極３を覆うように設けられた電極カ
バー６と、上記中心軸１の先端部に取り付けられたＬＥ
Ｄ４と、このＬＥＤ４と対峙する位置で固定支持された
フォトトランジスタ５とによって主要部が構成されてい
る。

【００１５】上記中心軸１は回転式現像ユニットの軸１
０ａの先端と係合して回転駆動力が伝達されるものであ
り、中空部には回転電極２又はＬＥＤ４と接続される導
電線が配置されている。上記回転電極２は外周面に周方
向の溝を有しており、固定電極３はこの溝の底部と摺擦
されるようになっている。一方、固定電極３は、弾性的
に変形が可能な２本の棒状の導電性部材からなり、一端
が支持部７に支持され、回転電極２に対して弾性的に押
圧されている。これらの回転電極２、固定電極３は軸方
向に３対設けられている。

【００１６】上記電極ケース６は、ナイロンによって形
成されており、回転電極２と固定電極３とを覆うととも
に２つの軸受８，８によって中心軸１を回転可能に支持
するものである。またこの電極ケース６は図１（ｃ）に
示すように画像形成装置本体のフレームに固定支持され
ることにより、中心軸１および回転電極２と一体に支持
される。したがって、回転部である可動式現像ユニット
１０をこの給電・信号送受装置と容易に分離して取りは
ずし、交換等が可能となっている。上記ＬＥＤ４は電気
信号に基づいて点滅し、光信号化して、フォトトランジ
スタ５に対して照射するものである。このフォトトラン
ジスタ５はＬＥＤ４と約３０ｍｍ離間した位置に設けら
れている。

【００１７】また、上記回転式現像ユニット１０は、図
２に示すように周囲に４つの現像装置１２ａ，１２ｂ，
１２ｃ，１２ｄを備えて回転可能に支持されており、４
つの現像装置にはそれぞれシアン、イエロー、マゼン
タ、ブラックのトナーが収容されている。これらの現像
装置１２は感光体９に形成された、それぞれの色に対応
する潜像にトナーを付着させて可視化するものであり、
回転式現像ユニット１０が回転することにより、順次す
べての現像装置が感光体９と対向するようになってい
る。それぞれの現像装置１２は現像ロール１３、現像剤
攪拌用オーガー１４等の回転駆動される部材と、現像ロ
ール上のトナー層の濃度を測定する濃度センサー１５を
備えており、回転駆動される部材及び濃度センサー１５
への給電と、濃度センサー１５からの信号の出力が行わ
れる。

【００１８】図３は上記のような回転部給電・信号送受
装置により、回転式現像ユニット１０への給電と回転式
現像ユニット１０からの信号の出力を行う場合の概略構
成を示す図である。回転部給電・信号送受装置２０の固
定電極３及び回転電極２を介して回転式現像ユニット１
０にＤＣ＋１２Ｖ、ＤＣ−１２Ｖとが供給され、電気的
接地が行われる。回転式現像ユニット１０は現像装置用
電源供給回路１６を有しており、現像装置等の回転駆動
される部材へはＤＣ＋１２Ｖ及びＤＣ−１２Ｖ、濃度セ
ンサー１５へは変圧してＤＣ＋５Ｖが供給される。な
お、図３中符号１２は現像装置を示すものであるが枠内
の図は濃度センサー１５の構成のみを示している。

【００１９】この濃度センサー１５は、ＬＥＤ１５ａの
発光により、現像ロール面１３ａを照射し、その反射光
を第１のフォトトランジスタ１５ｂで検知する。一方、
ＬＥＤ１５ａからの照射される光を直接受光する第２の
フォトトランジスタ１５ｃを設けこの第２のフォトトラ
ンジスタ１５ｃの出力を基準として上記第１のフォトト
ランジスタ１５ｂの出力と比較し、濃度を検出するもの
である。得られた濃度信号はアナログ信号として出力さ
れるが、４つの現像装置からの出力を信号変換部１７に
集めＡ／Ｄ変換される。このデジタル化された信号によ
り、ＬＥＤ４をＯＮ／ＯＦＦし、受光部２１のフォトト
ランジスタ５へ向けて光を照射する。受光部２１では信
号の光電変換及びＩ／Ｖ変換を行った後、画像形成装置
を制御するＣＰＵ（図示せず）に送る。

【００２０】このようにして回転式現像ユニット１０へ
の電源供給及び現像装置からの信号出力が行われ、光変
換された信号へノイズが重畳することがなく、常に安定
した信号の送受が行われる。

【００２１】図４は、本発明の第２の実施例である画像
形成装置における回転部給電・信号送受装置を示す概略
断面図である。この回転部給電・信号送受装置は、上記
第１の実施例における棒状の固定電極３に換えて、弾性
変形が可能な板状の固定電極３３を備えるものである。
この固定電極３３は支持部３７から中心軸３１を挟むよ
うに張り出し、中心軸３１の周面に沿って湾曲するとと
もに、弾性的に回転電極３２に圧接されるものである。
回転電極３２は、中心軸３１の増厚部周面に固着され円
筒状の外周面を有し、上記板状の固定電極３３と広い面
積で接触するようになっている。

【００２２】光変換した信号の送電を行うＬＥＤ３４、
フォトトランジスタ３５及び電極カバー３６は上記第１
の実施例と同じものである。また、中心軸３１と回転部
との接合部も同じ構造を有するものである。上記のよう
な構成の画像形成装置における回転部給電・信号送受装
置でも上記第１の実施例と同様に安定した電源の供給、
ノイズに影響されない信号の送受が可能である。

【００２３】図５は、本発明の第３の実施例である画像
形成装置における回転部給電・信号送受装置を示す概略
断面図である。この回転部給電・信号送受装置は、回転
電極４２が中心軸４１の増厚部の周囲に設けられた環状
の導電体であって、全周に軸線と直角方向に張り出した
円盤状部分を有するものとなっている。また、固定電極
４３はこの円盤状部分を厚さ方向に挟むように対向して
張り出した２枚の板状部材を有し、板状部材が弾性変形
することにより、その復元力で弾性的に回転電極４２を
挟み付けるようになっている。その他、ＬＥＤ４４、フ
ォトトランジスタ４５、電極カバー４６、中心軸４１等
は第１の実施例と同様のものである。上記のような構成
の回転部給電・信号送受装置では、上記第１の実施例と
同様に電源の供給、信号の送受が可能であるとともに、
固定電極４３と回転電極４２との接触面積を大きくする
ことができ、経時的な接触抵抗の変動を小さくすること
ができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る、画像
形成装置における回転部給電・信号送受装置では、回転
部への給電は回転電極とこれに摺擦される固定電極を介
して行われ、信号の送受は発光素子とこれと対峙する受
光素子を介し、光変換して非接触で行われるので、信号
へのノイズの重畳がなくなり、常に安定した信号の送受
が可能となる。また、電極ケースによって固定電極、中
心軸が支持され、さらに中心軸によって回転電極が支持
されるので、これらを一体として取り扱うことが可能と
なり、回転部との間で脱着が可能となって回転部等の保
守・点検及び部材の交換等が容易となる。さらに、電極
ケースを備えることによって固定電極と回転電極との接
触部における防塵効果が得られ、接触抵抗の増加を防止
することができる。回転電極を円盤状とし、固定電極は
円盤状の回転電極を厚さ方向に挟むように摺擦するもの
では、両者の接触面積を拡大し、経時的な接触抵抗の増
加を防止することができる。これらにより、供給電圧の
降下、電圧変動の防止が可能となり、電源供給に対して
信頼性の高い装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例である画像形成装置にお
ける回転部給電・信号送受装置を示す概略断面図及び外
観図である。

【図２】上記図１中のＩ−Ｉ線における断面図である。

【図３】上記図１の実施例の画像形成装置における回転
部給電・信号送受装置およびこれに接続される回転式現
像ユニットの概略回路図である。

【図４】本発明の第２の実施例である画像形成装置にお
ける回転部給電・信号送受装置を示す概略断面図であ
る。

【図５】本発明の第３の実施例である画像形成装置にお
ける回転部給電・信号送受装置を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１，３１，４１ 中心軸 ２，３２，４２ 回転電極 ３，３３，４３ 固定電極 ４，３４，４４ 発光素子 ５，３５，４５ 受光素子 ６，３６，４６ 電極ケース ７，３７，４７ 支持部 ８，３８，４８ 軸受 ９ 感光体 １０ 回転式現像ユニット １１ フレーム １２ 現像装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０３Ｇ 15/08 １１５ 9222−2Ｈ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転部の軸に接合されて回転する中心
   軸と、 前記中心軸の周囲に固着された環状の回転電極と、 前記回転電極を覆い、前記中心軸を回転可能に支持する
   とともに、固定部分によって支持される電極ケースと、 前記電極ケースに支持され、前記回転電極に摺擦される
   固定電極と、 光変換された信号の送受を行なう発光素子と受光素子と
   を有し、 前記発光素子又は受光素子が前記中心軸の一端に支持さ
   れ、該発光素子又は受光素子と信号の送受を行なう受光
   素子又は発光素子が、前記中心軸の軸線上の、前記中心
   軸に固定された発光素子又は受光素子と対峙する位置に
   固定支持されていることを特徴とする画像形成装置にお
   ける回転部給電・信号送受装置。
2. 【請求項２】 前記請求項１に記載の画像形成装置に
   おける回転部給電・信号送受装置において、 前記回転電極が円盤状をなし、 前記固定電極が前記円盤状の回転電極をその厚さ方向に
   挟むように摺擦するものであることを特徴とする画像形
   成装置における回転部給電・信号送受装置。