JPH0626687U - 簡易便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 肘付きや背もたれが形成されたフレームを備
え、しかも足腰の弱った老人や病人の使用に際しても安
全性の高い簡易便器を提供する。 【構成】 便器本体の周囲に配置されるパイプ製フレー
ムの４本の脚２１・・２４を、下方に延びるに従ってそれ
ぞれが互いに離反してゆく末広がりの形状に形成し、さ
らに、それら４本の脚のうち、少なくとも後部側の２本
の脚２３，２４の下端に、各脚が広がる方向へと向かっ
て延びる面を備えた安定補助板３を装着している。この
ような構造により、フレームの背もたれ等に大荷重が掛
かってもフレームが転倒する危険性がなくなる結果、初
期の目的を達成できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、老人や病人の使用に適した腰掛け式の簡易便器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

簡易便器としては、持ち運びが可能で内部にポットが収容される便器本体と、 その上部に便座が取り付けられた腰掛け式のもの（一般にはポータブルトイレと 称される）がある。

【０００３】 この種の腰掛け式の簡易便器は、老人や病人向けとして使用されることが多い ことから、肘付き（手すり）や背もたれを設けて、楽に使用できるように配慮さ れている。さらに、持ち運びの作業性を考慮して、肘付きや背もたれを４本の脚 に一体的に形成したパイプ製フレームを、便器本体の周囲に配置するタイプのも のある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のパイプ製フレームによれば、左右の肘付き間の幅と、左右の 脚間の幅がほぼ同じで、さらに、肘付きと背もたれが構成される部分の前後方向 における長さが、前後の脚間の幅とほぼ同じ構造となっており、このため、腰掛 け時や立ち上がる際に、左右の肘付きのいずれか一方に偏った力が掛かったり、 また、腰掛けた状態で、背もたれに大きな荷重を掛けたりしたときには、転倒す る虞れがあって危険であった。特に、使用者が足腰の弱い老人や病人である場合 に、その危険が及ぶ可能性が高いといった問題があり、これを解消することを目 的として、本出願人は、既に、４本の脚が下方に向けて末広がりの形状とした構 造のものを提案している（実願平４−０４５５３４号）。

【０００５】 本考案は、その提案にさらに改良を加えたもので、その目的とするところは、 老人や病人などが、背もたれ等に寄り掛かっても、倒れる危険性のないパイプ製 フレームを有する簡易便器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための構成を、実施例に対応する図１を参照しつつ説明 すると、本考案の簡易便器は、前後にそれぞれ２本づつの脚２１・・２４に左右の 肘付き２５ａ，２５ｂ、および背もたれ２６が一体に形成された構造で、便器本 体１の周囲に配置されるパイプ製フレーム２を備えており、そのフレーム２の４ 本の脚２１・・２４は、下方に延びるに従ってそれぞれが互いに離反してゆく、末 広がりの形状に形成されているとともに、それら４本の脚２１・・２４のうち、少 なくとも後部側の２本の脚２３，２４の下端には、床面に沿って当該脚が広がる 方向に向けて延びる面を備えた安定補助板３が装着されていることによって特徴 づけられる。

【０００７】

【作用】

パイプ製フレーム２は、背もたれ２６に荷重が掛かったときに、特に転倒し易 いが、フレームの各脚２１・・２４を末広がりの構造として、フレーム２の姿勢の 安定化をはかり、さらに、少なくとも後部の脚２３，２４に安定補助板３を装着 することによって、背もたれ２６に大荷重が掛かっても、パイプ製フレーム２が 容易に倒れる危険性がなくなる。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を、以下、図面に基づいて説明する。 図１は本考案実施例の構造を示す全体斜視図である。

【０００９】 この便器は、持ち運びが可能な便器本体１と、この便器本体１の周囲に配置さ れるフレーム２によって主に構成されている。 便器本体１は、内部にポット（図示せず）が収納されるタイプのもので、その 胴周壁１１の後部上縁には、便蓋１２が便座１３とともに回転自在に支承されて いる。この便蓋１２は、後述する背もたれ２６との干渉を避けるために、二分割 の折り畳み構造となっている。

【００１０】 さて、フレーム２は、パイプ材を折り曲げや溶接などで加工したもので、前後 にそれぞれ２本づつの４本の脚２１・・２４に、肘付き２５ａ，２５ｂおよび背も たれ２６が一体に形成されている。

【００１１】 また、フレーム２の４本の脚２１・・２４は下方に向けて末広がりの形状となっ ており、その左右の脚２１，２３と２２，２４との間における幅は、左右の肘付 き２５ａと２５ｂとの間の幅よりも大きく設定されている。また、背もたれ２６ は、後部側の脚２３，２４の下端部の位置よりも前方側に配置されており、さら に、この背もたれ２６から、これと連なる肘付き２５ａ，２５ｂの前方端部まで の長さは、前後の脚２１，２２と２３，２４との下端部間における幅よりも狭く 設定されている。

【００１２】 そして、フレーム２の４本の脚２１・・２４のうち、後部の２本の脚２３，２４ の下端には、それぞれ、安定補助板３が差し込みによって装着されている。 この安定補助板３は、図２に示すように、円形金属板３ａに装着用の棒材３ｂ を、フレーム脚２３，２４の傾きに応じた角度で溶接によって固着した構造で、 その裏面には合成ゴム（硬質）あるいは樹脂などの滑り止め材３ｃ・・３ｃが貼着 されている。また、安定補助板３は、各脚２３，２４に装着した状態で、装着用 の棒材３ａの側面から、円形金属板３ａの周縁までの距離が、４本のフレーム脚 ２１・・２４の左右と前後の２本の脚が並ぶ方向，Ｘ方向とＹ方向のそれぞれに対 して４５°となる方向が最大となるように装着用の棒材３ａが溶接されている。 従って、このような安定補助板３の装着により、フレーム２の前後方向における 安定性がさらに向上し、背もたれ２６に大荷重が掛かったりしても、フレーム２ が転倒する虞れがなくなる。

【００１３】 ここで、以上の実施例では、安定補助板３を円形平板としているが、これに限 られることなく、矩形平板などの他の形状を採用してもよいが、足の爪先の引っ 掛かり等の危険防止を考慮すると、円形もしくはそれに近い形状の平板が好まし い。

【００１４】 また、安定補助板３の装着脚は後部側に限定されることなく、フレーム２の安 定性をさらに高めたい場合には、前部側の２本の脚２１，２２にも設けておく。 なお、安定補助板の脚下端への装着構造としては、上記の差し込みによる固定 に限られることなく、他の同等の装着手段に代替可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の簡易便器によれば、便器本体の周囲に配置され るパイプ製フレームの４本の脚を、下方に延びるに従ってそれぞれが互いに離反 してゆく末広がりの形状に形成し、それら４本の脚のうち、少なくとも後部側の ２本の脚の下端に安定補助板を装着したので、フレーム自体の安定性が向上し、 しかも、フレームの背もたれに大きな荷重が掛かっても転倒する危険性もなくな る結果、足腰の弱った老人や病人の使用に際しても安全性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の全体構造を示す斜視図

【図２】その実施例の安定補助板のみを抽出して示す図
で、(a) は上方側から見た斜視図，(b) は裏面側から見
た斜視図

【符号の説明】

１・・・・便器本体 ２・・・・フレーム（パイプ製） ２１・・２４・・・・脚 ２５ａ，２５ｂ・・・・肘付き ２６・・・・背もたれ ３・・・・安定補助板 ３ａ・・・・円形金属板 ３ｂ・・・・装着用の棒材 ３ｃ・・・・滑り止め材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 持ち運びが可能な構造の便器本体と、前
   後にそれぞれ２本づつの脚に、左右の肘付き、および背
   もたれが一体に形成された構造で、上記便器本体の周囲
   に配置されるパイプ製フレームを備えた簡易便器におい
   て、上記フレームの４本の脚は、下方に延びるに従って
   それぞれが互いに離反してゆく、末広がりの形状に形成
   されているとともに、それら４本の脚のうち、少なくと
   も後部側の２本の脚の下端には、床面に沿って当該脚が
   広がる方向に向けて延びる面を備えた安定補助板が装着
   されていることを特徴とする簡易便器。