JPH0626672U - 洗面器の固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定板が洗面カウンターの裏面から剥離脱落
することがなく、また洗面器のタイプ等の違いにより底
面に形成された位置決め部が異なる場合であっても確実
に固定できる洗面器の固定具を提供する。 【構成】 一端は固定板に着脱自在に固定される固定片
となされ、他端側は洗面器の底面と面対向するボルト支
持片となされた吊り金具の該ボルト支持片に螺着される
支持ボルトにより洗面器を吊り下げ固定する。また、上
記固定片に長孔又は長溝を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洗面カウンターの下面に洗面器を取り付けるために使用される洗面 器の固定具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりトイレや化粧ルームには、洗面カウンターが取り付けられ、図５に示 すように、この洗面カウンターＣの下面には、洗面器Ｓが４つの固定具５０によ り固定されている。この従来の固定具５０は、図６に示すように、上記カウンタ ーＣの下面に上面が接着される平板状の固定板５１と、上記洗面器Ｓを支持する 吊り金具５２と、座金５３と、ワッシャー５４と、これらの固定板５１，吊り金 具５２，座金５３及びワッシャー５４を一体的に固定するボルト５５及びナット ５６とから構成されている。上記固定板５１は、合成樹脂材料により平板状に成 形されてなり、中央にはボルト５５の軸部５５ａが挿通される透孔５１ａが穿設 されてなるとともに、上記洗面カウンターＣに対する接着面（上面）５１ｂには 上記透孔５１ａと連続し該ボルト５５の頭部５５ｂが収納される凹部５１ｃが形 成されている。また、上記吊り金具５２は、金属材料からなり中央に上記ボルト ５５の軸部５５ａが挿通される挿通穴５２ａが開設されてなる平板部５２ｂと、 この平板部５２ｂの中途部からＬ字状に折曲されてなる垂下部５２ｃと、上端側 がこの垂下部５２ｃの一側面にスポット溶着されてなるとともに先端側が略コ字 状に折曲されてなり洗面器Ｓを支持する懸吊部５２ｄとから構成されている。そ して、上記従来の固定金具５０では、上記吊り金具５２に形成された懸吊部５２ ｄの先端を洗面器Ｓの底面に形成された透孔Ｓ₁ に挿入係合させ、図５に示すよ うに、カウンターＣの底面に支持固定するようにされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来の固定具５０では以下に述べる理由から固定板５ １と洗面カウンターＣの裏面との接着強度が低下し又は剥離され更には脱落する こととなる場合が多く、また洗面器Ｓの固定自体が不能となる恐れがある。 すなわち、上記従来の固定具５０を用いて洗面カウンターＣの底面に洗面器Ｓ を固定する作業工程においては、上記ボルト５５に対してナット５６を徐々に螺 着させて行くことにより、懸吊部５２ｄの先端で支持された洗面器Ｓの上面は徐 々にカウンターＣの底面に密着させられるが、このナット５６の螺着の終極段階 に到ると、それまで洗面器Ｓの重量のみであった力に対して更にこの螺着されて 行く力が徐々に加わることになり、最終的には上記カウンターＣの底面からこの 固定具５０を構成する固定板５１が剥離されてしまう。

【０００４】 また、上述のように従来の固定具５０では、吊り金具５２に形成された懸吊部 ５２ｄの先端を洗面器Ｓの底面に形成された透孔に挿入係合させて洗面器Ｓを支 持固定するものであるが、この洗面器Ｓに形成された透孔は、成型工程又は焼成 工程において微妙に変化する場合が多いとともに、固定する洗面器Ｓのタイプに よって必ずしも常に一定の位置に形成されているとは限らない。したがって、従 来の固定具５０では、カウンターＣに固定される洗面器Ｓのタイプやたとえ同じ タイプの洗面器Ｓであってもその透孔の位置に応じて、少なくとも長さの異なる 金具５２を多数を用意する必要があり、一種類の吊り金具５２では全ての洗面器 Ｓを固定することはできない。

【０００５】 そこで、本考案は、上述した従来の洗面器の固定具が有する課題に鑑み提案さ れたものであって、固定板が洗面カウンターの裏面から剥離脱落することなく安 定した洗面器の固定状態を維持することができるとともに、一種類の固定金具に よりタイプが異なる洗面器の全てを固定することができる洗面器の固定具を提供 することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した目的を達成するために提案されたものであり、その第１の 考案は、洗面カウンターの下面に洗面器を固定するために使用される固定具であ って、該固定具は上記洗面カウンターの下面に固定される固定板と、一端側はこ の固定板に着脱可能に固定される固定片とされてなるとともに他端側は凹凸を有 する洗面器の底面の少なくとも一部に対向してなるボルト支持片を有する吊り金 具と、このボルト支持片に穿設されネジが螺刻されてなるネジ孔と、上記ボルト 支持片に螺着され先端において洗面器を支持する支持ボルトと、を備えてなるこ とを特徴とするものである。 また、第２の考案は、上記吊り金具に形成された固定片は、固定板に対してボ ルト及びナットにより固定されてなるとともに、該固定片にはボルトが挿通され る長孔又は長溝の何れかが形成されてなることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案に係る洗面器の固定具によれば、洗面器は吊り金具の他端側に形成され たボルト支持片のネジ孔に螺着される支持ボルトにより、洗面器の底面側で徐々 に螺着されるものであることから、カウンターの底面に固定される固定板が該カ ウンターから剥離されることはなく、また、第２の考案のように、上記吊り金具 に形成された固定片に長孔又は長溝が形成されている場合にあっては、該長孔等 を介して該吊り金具を適宜スライドさせることができるので、洗面器に形成され た透孔の位置が該洗面器のタイプ等により異なる場合であっても全て１種類の固 定具により取り付けることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係る洗面器の固定具の一実施例について図面を参照しながら詳 細に説明する。

【０００９】 この実施例に係る固定具１は、図１に示すように、合成樹脂材料により方形状 に成型され上面がカウンターの底面に接着剤等により固定される固定板２と、こ の固定板２の下面に固定されクランク状に成形された吊り金具３と、上記固定板 ２と吊り金具３の一端側とを固定する第１のボルト４と、この第１のボルト４の 軸部４ａに挿通される座金５及びワッシャ６と、上記第１のボルト４の軸部４ａ に螺着される第１のナット７と、上記吊り金具３の他端側に螺着される支持ボル トとしての第２のボルト８と、この第２のボルト８の軸部８ａに螺着される第２ のナット９とから構成されている。

【００１０】 そして、上記固定板２の中央には第１のボルト４の軸部４ａが挿通される透孔 ２ａが穿設されてなるとともに、洗面カウンターＣに対する接着面（上面）２ｂ には上記透孔２ａと連続し該ボルト４の頭部４ｂが収納される凹部２ｃが形成さ れている。また、上記吊り金具３は、平板状の金属材料を上述のようにクランク 状に折曲されてなるものであって、上記固定板２の裏面に面接合される固定片１ ０と、この固定片１０の一端からＬ字状に折曲され垂下してなる垂直片１１と、 この垂直片１１からＬ字状に折曲されてなるボルト支持片１２とから構成されて いる。そして、この吊り金具３を構成する上記固定片１０には、前記第１のボル ト４の軸部４ａが挿通される長孔１０ａが穿設されている。また、上記ボルト支 持片１２の中央には、前記第２のボルト８が螺着されるネジ孔１２ａが形成され ている。

【００１１】 そして、上述のように構成された本実施例に係る洗面器の固定具１は、図２に 示すように、洗面カウンターＣの裏面に固定されるとともに洗面器Ｓを支持固定 する。すなわち、固定具１を構成する固定板２の上面は、第１のボルト４の頭部 ４ｂが凹部２ｃ内に収納された状態で、洗面カウンターＣの裏面に接着剤Ａによ り接着され、また、吊り金具３は、固定片１０が上記長孔１０ａに挿通された第 １のボルト４の軸部４ａに間に前記座金５及びワッシャ６を介して螺着された第 １のナット７により上記固定板２の底面に締付け固定される。そして、この吊り 金具３に形成されたボルト支持片１２には、該ボルト支持片１２に形成されたネ ジ孔１２ａに第２のボルト８が螺着され、この第２のボルト８の軸部８ａの先端 側には第２のナット９が螺着される。なお、この第２のボルト８の上端は洗面器 Ｓの底面に形成された透孔Ｓ₁ 内に臨んでおり、洗面器Ｓの底面はこの第２のナ ット９の上面に当接されている。

【００１２】 したがって、この実施例に係る洗面器の固定具１では、洗面カウンターＣの裏 面に対する洗面器Ｓの固定は、上記第１のボルト４に対する第１のナット７の締 付けのみならず、上記吊り金具３に形成されたボルト支持片１２に対する第２の ボルト８の螺着によっても行うことができ、最終的な洗面器Ｓの固定はこの第２ のボルト８の螺着によれば、固定板２の剥離脱落を有効に防止することができる 。また、吊り金具３に形成された固定片１０には、長孔１０ａが形成されている ので、この長孔１０ａにより該吊り金具３を矢印Ｘ又はＹ方向にスライドさせる ことができる。したがって、洗面器Ｓのタイプ等により透孔Ｓ₁ の形成位置が多 少変化した場合であっても確実に洗面器Ｓを洗面カウンターＣに固定することが できる。

【００１３】 また、上記固定具１によれば、最終的な洗面器Ｓの固定は、上記第２のボルト ８の螺着操作により行われ、この螺着操作は必ず洗面器Ｓの底面側において行わ れることから、該ボルト８の螺着操作を極めて簡単に行うことができる。また、 例えば図３に示すように、洗面器Ｓに段差部Ｓ₂ が形成されこの段差部Ｓ₂ に透 孔Ｓ₁ が形成されている場合においては軸部１５ａの長い第２のボルト１５を使 用することにより、同様に該ボルト１５の螺着操作を極めて簡単に行うことがで きる。

【００１４】 なお、上記実施例に係る固定具１では、第２のナット９を構成要素としたが、 これは、洗面器Ｓの底面に形成されているの位置決め部が透孔Ｓ₁ である場合に 第２のボルト８のみでは洗面器Ｓを支持できないと言う理由に基づくものである ため、例えば、図４に示すように、洗面器Ｓの底面に形成された位置決め部が凹 部Ｓ₃ である場合であれば、第２のボルト８の先端はこの凹部Ｓ₃ 内に当接する ので、必ずしも前述した第２のナット９を構成要素とする必要がない。 また、上記固定具１では、この固定具１を構成する吊り金具３の固定片１０に 長孔１０ａを形成したものを図示して説明したが、本考案は必ずしもこの長孔ば かりではなく図示しない溝が形成されているものであっても良い。

【００１５】

【考案の効果】 上記本考案の一実施例に係る洗面器の固定具の説明からも明らかなように、本 考案によれば、洗面器は吊り金具の他端側に形成されたボルト支持片のネジ孔に 螺着される支持ボルトにより、洗面器の底面側で徐々に螺着されるものであるこ とから、カウンターの底面に固定される固定板が該カウンターから剥離されるこ とはない。 また、第２の考案のように、上記吊り金具に形成された固定片に長孔又は長溝 が形成されている場合にあっては、該長孔等を介して該吊り金具を適宜スライド させることができるので、洗面器に形成された透孔の位置が該洗面器のタイプ等 により異なる場合であっても全て１種類の固定具により取り付けることができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の一実施例に係る固定具を分解
して示す分解斜視図である。

【図２】図２は、図１に示す固定板により洗面カウンタ
ーの底面に洗面器が固定された状態の要部を示す正面図
である。

【図３】図３は、第２のボルトとして比較的長尺なボル
トを使用して洗面器を固定した状態の要部を示す正面図
である。

【図４】図４は、底面に凹部が形成されているタイプの
洗面器を固定した状態の要部を示す正面図である。

【図５】図５は、従来の固定具を使用して洗面カウンタ
ーの下面に洗面器を固定した状態を示す斜視図である。

【図６】図６は従来の固定具を分解して示す分解斜視図
である。

【符号の説明】

１ 洗面器の固定具 ２ 固定板 ３ 吊り金具 １０ 固定片 １０ａ 長孔 １２ ボルト支持片 １２ａ ネジ孔 Ｃ 洗面カウンター Ｓ 洗面器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗面カウンターの下面に洗面器を固
   定するために使用される固定具であって、該固定具は上
   記洗面カウンターの下面に固定される固定板と、一端側
   はこの固定板に着脱可能に固定される固定片とされてな
   るとともに他端側は凹凸を有する洗面器の底面の少なく
   とも一部に対向してなるボルト支持片を有する吊り金具
   と、このボルト支持片に穿設されネジが螺刻されてなる
   ネジ孔と、上記ボルト支持片に螺着され先端において洗
   面器を支持する支持ボルトと、を備えてなることを特徴
   とする洗面器の固定具。
2. 【請求項２】 上記吊り金具に形成された固定片
   は、固定板に対してボルト及びナットにより固定されて
   なるとともに、該固定片にはボルトが挿通される長孔又
   は長溝の何れかが形成されてなることを特徴とする請求
   項１記載の固定具。