JPH06264220A - Cuメタライズ体 - Google Patents

Cuメタライズ体

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JPH06264220A
JPH06264220A JP5428093A JP5428093A JPH06264220A JP H06264220 A JPH06264220 A JP H06264220A JP 5428093 A JP5428093 A JP 5428093A JP 5428093 A JP5428093 A JP 5428093A JP H06264220 A JPH06264220 A JP H06264220A
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JP
Japan
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layer
metallized
active metal
oxide
ceramic substrate
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Withdrawn
Application number
JP5428093A
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English (en)
Inventor
Miho Koyama
美保 小山
Seiichi Suenaga
誠一 末永
Shinji Arai
真次 荒井
Shinichi Nakamura
新一 中村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高結合力を有すると共に、微細パターン等の
形状再現性に優れ、かつ高導電率および高熱伝導率を満
足するCuメタライズ層を有するCuメタライズ体を提供す
る。 【構成】 酸化物系セラミックス基体1と、この酸化物
系セラミックス基体1上に設けられ、活性金属を構成元
素とする化合物、例えば酸化物を主体とする中間層10
と、この中間層10上に設けられたCuメタライズ層8と
を具備するCuメタライズ体である。中間層10は、単斜
晶系の活性金属酸化物9を含む。またCuメタライズ層8
は、再結晶化層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物系セラミックス
基材を用いたCuメタライズ体に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス基体表面の金属化法(メタ
ライズ法)としては、 Mo-Mn法、DBC法、活性金属法
等が知られている。 Mo-Mn法やDBC法は、界面におけ
る化学結合力が低いため、十分な強度や耐疲労性を有す
るメタライズ層が得られないという問題を有している。
また、活性金属法は、Ti等の活性金属のセラミックスに
対する還元作用等を利用しているため、界面における高
い化学的結合性を有するものであり、前述した方法に比
べて、良好な強度や耐疲労性が得られる。
【0003】しかし、上述した 3種のメタライズ法は、
いずれもろう材を溶融させ、ろう材の液相状態を利用し
てメタライズ層を形成する方法であるため、側面へのろ
う材のはみ出し等が生じ易く、微細なパターンを形成す
ることが困難であるという欠点を有していた。
【0004】一方、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成法
によって、セラミックス基体上にメタライズ層を形成す
ることが試みられている。例えば、薄膜形成法によりセ
ラミックス基体上にTi等の活性金属薄膜を形成したり、
また導電性の確保という点からは、Cu薄膜を形成するこ
と等が検討されている。このように、薄膜形成法を適用
することによって、微細なパターンを再現性よく形成す
ることが可能となるものの、単に成膜しただけでは、メ
タライズ層のセラミックス基体に対する結合力が弱く、
十分な強度や耐疲労性等が得られないという問題があ
る。また、スパッタ法等によるCu薄膜は、多量の粒界を
含むことから、高導電率や高熱伝導率等が得られないと
いう問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のメタライズ法では、高結合力は得られるものの、微細
なパターンを形成することが困難であったり、また微細
なパターンを再現性よく形成できるものの、メタライズ
層のセラミックス基体に対する結合力が弱いと共に、高
導電率や高熱伝導率等が得られない等、何等かの問題が
あった。
【0006】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、高結合力を有すると共に、微細パタ
ーン等の形状再現性に優れ、かつ高導電率および高熱伝
導率を満足するメタライズ層を有するCuメタライズ体を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のCuメタラ
イズ体は、酸化物系セラミックス基体と、前記酸化物系
セラミックス基体上に設けられ、活性金属を構成元素と
する化合物を主体とする中間層と、前記中間層上に設け
られたCuメタライズ層とを具備するCuメタライズ体であ
って、前記中間層は単斜晶系の活性金属酸化物を含み、
かつ前記Cuメタライズ層は再結晶化層であることを特徴
としている。
【0008】本発明のCuメタライズ体に用いる酸化物系
セラミックス基体としては、通常の焼結助剤等の添加物
を含むものを用いることが可能であるが、後述するよう
に、メタライズ層の固相拡散反応を利用することから、
できるだけ緻密度および純度の高いものを用いることが
好ましい。また、具体的な材質としては、酸化アルミニ
ウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素
等を主体とするセラミックス焼結体が例示される。
【0009】また、酸化物系セラミックス基体は、表面
平滑性や清浄度の高いものを用いることが好ましい。よ
って、予めセラミックス基体表面に研磨を施して平滑性
を高め、またメタライズ層を形成する前に脱脂処理を施
すことが好ましい。表面清浄度を上げる点からは、逆ス
パッタ処理を施すことが好ましい。
【0010】本発明のCuメタライズ体は、上述したよう
な酸化物系セラミックス基体上に、活性金属の化合物を
主体とする中間層と、Cuメタライズ層とが順に設けられ
たものである。上記中間層を主に構成する活性金属とし
ては、対象とする酸化物系セラミックスを分解し得るも
のであればよく、セラミックス基体の材質によって異な
るが、例えばTi、Zr、Hf、 V、Nb、Ta、Cr、Mo、Sc、
Y、MnおよびNiから選ばれる少なくとも 1種の金属が例
示される。これら活性金属は、単体金属として用いても
よいし、また上記活性金属を含む合金として用いること
も可能である。
【0011】上記中間層は、上述したような活性金属の
化合物から主に構成されたものであって、少なくとも単
斜晶系の活性金属酸化物を含むものである。この単斜晶
系の活性金属酸化物は、酸化物系セラミックス基体と中
間層との界面結合、および中間層とCuメタライズ層との
界面結合を高めるものであり、これによりセラミックス
基体に対して化学的かつ機械的に強固に結合されたCuメ
タライズ層が得られる。この中間層は、全て単斜晶系の
活性金属酸化物で構成しなければならないものではな
く、単斜晶系の活性金属酸化物以外に、一般的な六方晶
系の活性金属酸化物や他の化合物を含んでいてもよく、
中間層を断面方向から見たときに単斜晶系の活性金属酸
化物の占有面積比率が1%以上であればよい。また、単斜
晶系の活性金属酸化物は、中間層中に分散していてもよ
いし、層を形成していてもよい。
【0012】また、Cuメタライズ層は、上述したような
中間層上に設けられているものであり、後述する固相熱
処理によって再結晶化されたものである。このように、
Cuメタライズ層を再結晶化することにより、粒界をほと
んど含まないCu層が得られるため、高導電率および高熱
伝導率を達成することが可能となる。
【0013】本発明のCuメタライズ体は、例えば以下の
ようにして作製される。すなわち、図2(a)に示すよ
うに、酸化物系セラミックス基体1上に、活性金属薄膜
2とCu薄膜3とを順に形成する。ここで、上記活性金属
薄膜2は、少なくとも活性金属を70at% 含んでいればよ
く、活性金属を含む合金薄膜として形成することもでき
る。また、活性金属薄膜2は、単層でも複数層の積層膜
であってもよい。このような活性金属薄膜は、10nm〜15
μm 程度の厚さで形成することが好ましく、より好まし
くは15nm〜 1μm の範囲である。また、Cu薄膜3の厚さ
は、用途にもよるが、50nm〜 100μm 程度とすることが
好ましい。
【0014】これら薄膜2、3の形成方法としては、ス
パッタ法や蒸着法等のPVD法を適用することができ
る。このような薄膜形成法を用いることにより、従来用
いられていたろう材の箔やペースト等では得られない加
工精度と、低温域からの良好な密着性および反応性を得
ることができる。
【0015】次に、上記薄膜2、3の積層膜4を形成し
た酸化物系セラミックス基体1に、各薄膜2、3の融点
以下で、かつ積層膜4間および活性金属薄膜2とセラミ
ックス基体1間の固相反応が進行し得る温度以上の温度
域により、固相熱処理を行う。この固相熱処理の具体的
な条件は後述する。
【0016】上記固相熱処理の昇温過程において、まず
活性金属薄膜2とCu薄膜3との間で合金化が起こり、Cu
3 Tiのような活性金属とCuとの化合物が積層膜4の界面
に生成する。活性金属の種類にもよるが、処理温度(炉
内温度)が約 500℃を超えると、活性金属薄膜2と酸化
物系セラミックス基体1との界面において化学反応が起
こり、酸化物系セラミックス基体1が分解されはじめ、
界面に凹凸が生じる。このような界面反応により、積層
膜4と酸化物系セラミックス基体1との間に、化学的か
つ機械的に良好な結合が行われる。なお、界面反応によ
ってセラミックス基体1から分解された構成金属元素が
積層膜4内に固溶しても、界面反応を抑制しない程度で
あれば許容される。
【0017】上記固相熱処理は、セラミックス基体1表
面や金属積層膜4の清浄度を保つために、真空中あるい
は不活性ガス雰囲気中で行うものとするが、実際には炉
内の雰囲気に若干の酸素が含まれており、この酸素が積
層膜4中に固溶する。炉内温度が約 600℃を超えると、
雰囲気中から積層膜4内に固溶した酸素と、界面反応に
より生成した酸素とにより、昇温過程において積層膜4
の界面に生成したCu3Tiのような活性金属とCuとの化合
物が酸化され、図2(b)に示すように、Cu3Ti3 O の
ような活性金属とCuと酸素との化合物5が、積層膜4の
界面を中心に生成する。一方、酸化物系セラミックス基
体1との界面には、活性金属の酸化物6が生成する。た
だし、この活性金属の酸化物6は、一般的な熱処理によ
っても生じる六方晶系の酸化物である。
【0018】上記したCu3 Ti3 O のような活性金属とCu
と酸素との化合物5の生成は、密着性および結合力の向
上に寄与するが、Cuメタライズ層として利用したいCu
が、該化合物5の形成に消費されてしまい、図2(b)
に示したように、相対的にCu層7の量が減少してしま
う。従って、Cu層の高い導電率や熱伝導率を活用するた
めには、Cu層7の割合を増加させる必要がある。
【0019】このような要求に対し、炉内温度が約 600
℃を超えると、上記活性金属とCuと酸素との化合物5の
分解が明瞭にはじまり、Cu原子が化合物5の結晶格子か
ら抜け出しはじめ、再度Cu層を形成するようになる。ま
た、このときの熱処理温度を十分に高温とすることによ
り、Cu層の再結晶化が起こり、図2(c)に示すよう
に、粒界をほとんど含まないようなCuメタライズ層8と
なる。これに加えて、上記化合物5の結晶格子から抜け
出したCuは、Cu原子の形でたどり着くために、整合性よ
くCuメタライズ層8の形成に寄与する。
【0020】化合物5の結晶格子からCu原子が抜け出し
た後は、活性金属原子と酸素とが残されるが、Cu原子が
抜け出した分だけ結晶格子が歪み、 TiOのような単斜晶
系の活性金属酸化物9が形成される。この単斜晶系の活
性金属酸化物9は、上記再結晶化を経たCuメタライズ層
8と酸化物系セラミックス基体1との結合性を確保する
ものであり、よってCu3 Ti3 O のような活性金属とCuと
酸素との化合物5が分解した後においても、高結合力で
Cuメタライズ層8を酸化物系セラミックス基体1上に形
成することが可能となる。本発明における中間層10
は、単斜晶系の活性金属酸化物9や六方晶系の活性金属
酸化物6により構成されたものとなる。なお、図中11
は活性金属の表面酸化層である。
【0021】なお、炉内温度が約 900℃を超えると、上
記活性金属とCuと酸素との化合物5の分解や、単斜晶系
の活性金属酸化物9の生成がより活性化される。
【0022】上述したような反応挙動によって、単斜晶
系の活性金属酸化物9を含む中間層10を形成すると共
に、Cuメタライズ層8の再結晶化を行わせることによ
り、高い密着性および結合力を有しつつ、予め供給した
Cu薄膜3を粒界や不純物の少ないCuメタライズ層8とし
て、酸化物系セラミックス基体1上に形成することがで
きる。
【0023】上述した固相熱処理は、上記界面反応や生
成・分解反応が起こるような条件で行うものとする。具
体的な条件としては、熱処理雰囲気はセラミックス基体
表面や金属薄膜の清浄度を保つために、真空中あるいは
不活性ガス雰囲気とする。実用上は、 1×10-4Torr以上
の真空中あるいは純度 95%以上のAr等の不活性ガス雰囲
気が好ましい。なお、若干の酸素が雰囲気中に含まれて
いても、活性金属が酸化して界面反応を妨げることがな
ければ、許容可能である。
【0024】また、固相熱処理温度は、 600℃以上、各
金属薄膜の融点未満とすることが好ましい。熱処理温度
が 600℃未満であると、活性金属とCuと酸素との化合物
の分解が起きず、また各薄膜の融点を超えると、積層膜
が溶融して微細パターンの再現性等が低下する。この熱
処理温度は、セラミックス基体への熱衝撃を低減するた
めに、上記界面反応や生成・分解反応が生じる範囲内
で、なるべく低温に設定することが好ましく、具体的に
は 700〜1000℃の範囲とすることが望ましい。
【0025】また、熱処理時間は、活性金属とCuと酸素
との化合物を十分に分解させて、単斜晶系の活性金属酸
化物の生成、およびCuメタライズ層の再生を良好に行う
上で、30分以上とすることが好ましく、望ましくは60分
以上である。
【0026】本発明のメタライズ体においては、活性金
属やCuの溶融状態を経ることなくメタライズ層を形成し
ているため、回り込み等を生じることがなく、精密なパ
ターンのCuメタライズ層が得られる。さらに、密着性や
結合力が高く、かつ粒界や不純物をほとんど含まないCu
メタライズ層の割合をできるだけ増加させることが可能
であるため、導電率や熱伝導率に優れたCuメタライズ層
を有するCuメタライズ体を得ることができる。
【0027】なお、本発明のメタライズ体は、例えば以
下のような用途に用いることができる。すなわち、回路
基板材料等を得る場合には、配線あるいは回路パターン
に合せてマスキングを行い、活性金属薄膜およびCu薄膜
を成膜した後、固相熱処理を行うことによって、容易に
精密なCu配線あるいはCu回路パターンを有する回路基板
を得ることができる。また、リードピン等の接合を行う
場合にも、本発明のCuメタライズ層上に、容易に I/Oピ
ンをろう接することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】実施例1 純度 99%の単結晶アルミナ基板上に、スッパタ法を用い
て、膜厚 150nmのTi薄膜と、膜厚 650nmのCu薄膜とを順
に成膜した。次に、上記薄膜の積層膜を形成したアルミ
ナ基板を熱処理炉内に配置し、純度 98%のAr気流中に
て、 900℃で 180分間熱処理した。この熱処理温度まで
の昇温速度は 6℃/分とした。上記熱処理後は、熱処理
炉から引き抜いて炉冷し、目的とするCuメタライズ基板
を得た。
【0030】また、本発明との比較として、 900℃まで
昇温した時点で熱処理を終了する以外は、上記実施例と
同様にして、Cuメタライズ基板を作製した。
【0031】これら実施例および比較例によるCuメタラ
イズ基板の構成成分を、X線回折法を用いて調べたとこ
ろ、比較例によるCuメタライズ基板においては、Cuと六
方晶系のTi酸化物に加えてCu3 Ti3 O が認められ、単斜
晶系のTi酸化物(TiO)は明瞭には認められなかった。こ
れに対し、実施例によるCuメタライズ基板においては、
Cuと六方晶系のTi酸化物に加えて、単斜晶系のTi酸化物
(TiO)が認められ、逆にCu3 Ti3 O は明瞭には認められ
なかった。
【0032】また、実施例によるCuメタライズ基板の断
面組織をTEM観察により調べたところ、図1の模式図
に示すように、アルミナ基板1上に中間層10として六
方晶系のTi酸化物6と単斜晶系のTi酸化物9が形成され
ており、さらにこの中間層10上に、粒界等をほとんど
含まないCuメタライズ層8が約 630nmの厚さで形成され
ていることを確認した。また、比較例によるCuメタライ
ズ基板をTEM観察したところ、図2の製造工程におけ
る途中工程(b)として示した図と同様に、アルミナ基
板1上にCu3 Ti3 O 5が多量に形成されており、Cu層7
の厚さは約 200nmであった。
【0033】さらに、実施例のCuメタライズ基板におけ
るCuメタライズ層8の組成分析をEDX分析により行っ
たところ、Cuメタライズ層8の組成はCu 97%であり、目
的とする高純度のCuメタライズ層が形成されていること
を確認した。また、実施例および比較例の各Cuメタライ
ズ基板におけるメタライズ面の電気抵抗率を 4端子法に
より測定したところ、実施例のCuメタライズ基板ではバ
ルク体に近い 1.7μΩcmと良好な値が得られたのに対
し、比較例のCuメタライズ基板では 2.5μΩcmであっ
た。
【0034】実施例によるCuメタライズ基板に I/Oピン
をろう接する際においては、Agのみを I/Oピンに塗布す
るだけて、容易にろう接することが可能であった。
【0035】また、上記実施例および比較例による各Cu
メタライズ基板のメタライズ層の接合強度をスクラッチ
試験により評価した。各Cuメタライズ基板のメタライズ
層のスクラッチ試験を5kg/mm2 で実施したところ、比較
例のCuメタライズ基板のCu層は剥離したが、実施例のCu
メタライズ基板のCu層は剥離しなかった。
【0036】実施例2 純度 98%のアルミナ基板上に、蒸着法で Ti-Zr積層膜を
180nm、Cuを 2.5μm順に成膜した。次に、上記薄膜を
順に形成したアルミナ基板を熱処理炉内に配置し、10-5
Torr台の真空中にて、 900℃で 200分間熱処理した。こ
の熱処理温度までの昇温速度は10℃/分とした。上記熱
処理後は、加熱電源を切って炉冷し、目的とするCuメタ
ライズ体を得た。
【0037】このようにして得たCuメタライズ体をX線
回折を用いて測定したところ、Cuと六方晶系の活性金属
酸化物に加えて、単斜晶系の活性金属酸化物のピークが
認められた。また、このCuメタライズ体の断面組織をT
EM観察したところ、実施例1と同様の組織が形成され
ていることが確認された。すなわち、アルミナ基板上
に、六方晶系と単斜晶系の活性金属酸化物からなる層が
あり、この上部に粒界をほとんど含まないCuメタライズ
層が約 2.3μm の厚さで形成されていた。
【0038】また、本発明との比較として、 900℃によ
る保持時間を 3分間とする以外は、上記実施例と同様に
して、Cuメタライズ体を作製した。上記実施例および比
較例による各Cuメタライズ体のメタライズ面における熱
伝導率を測定したところ、実施例によるメタライズ層は
350W/m K であったのに対し、比較例によるメタライズ
層では 250W/m K しか得られなかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
工精度に優れると共に、粒界や不純物をほとんど含まな
いCuメタライズ層を、酸化物系セラミックス基体上に高
結合力で形成することができ、かつこのCuメタライズ層
の割合を高めることが可能であるため、Cuメタライズ層
の導電率や熱伝導率の向上を図ったCuメタライズ体を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるCuメタライズ基板の
断面をTEM観察した結果を模式的に示す図である。
【図2】 本発明のCuメタライズ体の製造工程を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1……酸化物系セラミックス基体 8……Cuメタライズ層 9……単斜晶系の活性金属酸化物 10……中間層
フロントページの続き (72)発明者 中村 新一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物系セラミックス基体と、前記酸化
    物系セラミックス基体上に設けられ、活性金属を構成元
    素とする化合物を主体とする中間層と、前記中間層上に
    設けられたCuメタライズ層とを具備するCuメタライズ体
    であって、 前記中間層は、単斜晶系の活性金属酸化物を含み、かつ
    前記Cuメタライズ層は、再結晶化層であることを特徴と
    するCuメタライズ体。
JP5428093A 1993-03-15 1993-03-15 Cuメタライズ体 Withdrawn JPH06264220A (ja)

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JP5428093A JPH06264220A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 Cuメタライズ体

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