JPH06263133A - 再充填可能な飲料水用ポリプロピレン系樹脂容器およびその製造方法 - Google Patents

再充填可能な飲料水用ポリプロピレン系樹脂容器およびその製造方法

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JPH06263133A
JPH06263133A JP7770293A JP7770293A JPH06263133A JP H06263133 A JPH06263133 A JP H06263133A JP 7770293 A JP7770293 A JP 7770293A JP 7770293 A JP7770293 A JP 7770293A JP H06263133 A JPH06263133 A JP H06263133A
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JP
Japan
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preform
mold
polypropylene
container
injection
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JP7770293A
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English (en)
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Yoshinori Nakamura
喜則 中村
Noriyoshi Nakajima
徳義 中島
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Nissei ASB Machine Co Ltd
Original Assignee
Nissei ASB Machine Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 PETボトルでは達成することのできない高
温殺菌が可能で、アルカリ洗浄を不要とする洗浄方法を
適用することができ、特に飲料水用の容器として有用な
再充填可能なポリプロピレン系樹脂容器およびその製造
方法を提供する。 【構成】 再充填可能な飲料水用ポリプロピレン系樹脂
容器20は、ポリプロピレン系合成樹脂によって成形さ
れたプリフォーム10を二軸延伸吹込成形して得られる
容器であって、市場からの回収,洗浄,再充填および市
場への提供を1サイクルとして複数サイクルの繰り返し
使用ができ、かつ前記洗浄はアルカリ洗浄を経ない湿熱
洗浄によることが可能である。この容器20は、射出キ
ャビティ型30および射出コアロッド32の型締めによ
り形成されるキャビティ内にポリプロピレン系合成樹脂
を射出してプリフォーム10を形成し、このプリフォー
ム10を延伸適温に温調し、前記プリフォーム10内に
配置される延伸ロッドの縦軸駆動と、前記プリフォーム
10内へのブローエアの導入とにより、胴部16および
底部18が二軸配向されて成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再利用可能な、いわゆ
るリフィーラブル−リターナブルボトル(以下、これを
「R−Rボトル」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】市場からの回収,洗浄,再充填及び市場
への提供を1サイクルとし、複数サイクル繰り返し使用
される熱可塑性樹脂製容器が既に実用化され、特開昭63
-42 号公報などにこの種の提案がある。それらの容器は
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で成形され
ている。
【0003】しかしながら、このように再使用される容
器は回収される度に洗浄され、洗浄工程は非常に苛酷な
条件の下で行われる。通常洗びん剤としては、苛性ソー
ダ(水酸化ナトリウム)溶液を使用する。苛性ソーダの
濃度は、充填される内容物によって異なるが、清涼飲
料,果汁飲料などについては、通常1〜4%である。こ
のようなアルカリ性溶液を用いた洗浄においては、アル
カリがPET樹脂を侵蝕し、ストレスクラックやクレー
ジングを発生、促進させるだけでなく、アルカリ洗浄後
に苛性ソーダを完全に除去するリンシング工程を必要と
し、さらに排水汚染を防止するための浄水処理を要する
という問題を有する。
【0004】苛性ソーダ濃度と同様に洗浄に重要な要素
は、洗浄液の温度である。通常、洗浄温度を上げれば、
苛性ソーダの濃度を下げることと、洗浄時間を短くする
ことができる。また、洗浄温度を高くすることによっ
て、殺菌も同時に行うことが可能になり、ラベル剥がし
も容易になるという利点がある。
【0005】PET樹脂においては、延伸成形された容
器が70℃前後で著しく収縮変形を生ずるため、通常6
0℃以下に洗浄液温度を保って洗浄が行われている。し
かしながら、このように洗浄温度が低いと、洗浄液の苛
性ソーダ濃度を高くし、かつ洗浄時間を長くしなければ
ならず、前述したような問題点、すなわち容器の劣化促
進、洗浄工程の複雑化、排水汚染などを生ずる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な背景のもとになされたものであり、その目的とすると
ころは、PETボトルでは達成することのできない高温
殺菌が可能で、アルカリ洗浄を不要とする洗浄方法を適
用することができ、特に飲料水用の容器として有用な再
充填可能なポリプロピレン系樹脂容器およびその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の再充填可能な飲
料水用ポリプロピレン系樹脂容器は、ポリプロピレン系
合成樹脂によって成形されたプリフォームを二軸延伸吹
込成形して得られる容器であって、市場からの回収,洗
浄,再充填および市場への提供を1サイクルとして複数
サイクルの繰り返し使用ができ、かつ前記洗浄はアルカ
リ洗浄を経ない湿熱洗浄によることが可能なことを特徴
とする。
【0008】また、本発明の再充填可能な飲料水用ポリ
プロピレン系樹脂容器の製造方法は、射出キャビティ型
および射出コア型の型締めにより形成されるキャビティ
内にポリプロピレン系合成樹脂を射出してプリフォーム
を形成し、射出成形時の熱を保有した前記プリフォーム
を延伸適温に温調し、前記プリフォーム内に配置される
延伸ロッドの縦軸駆動と、前記プリフォーム内へのブロ
ーエアの導入とにより、胴部および底部が二軸配向され
た容器を成形することを特徴とする。
【0009】
【作用】二軸延伸されたポリプロピレン系合成樹脂(以
下、これを「PP」という)は、後に詳述するように、
耐熱性に優れ、およそ80〜100℃の高温に耐え得る
ため、熱水のみによる殺菌,洗浄が可能であり、アルカ
リ洗浄を必要としない。このことにより、以下のような
利点がある。
【0010】(イ)アルカリによる容器に対するダメー
ジがなく、リサイクルの回数を飛躍的に向上させること
ができ、通常20回以上、好ましくは30回以上のリサ
イクルが可能である。
【0011】(ロ)高温散水あるいは高温水に浸漬する
湿熱洗浄によって容器の洗浄を行なうことができ、かつ
アルカリを除去するリンシング工程並びにアルカリ溶液
を中和するなどの廃液処理工程を必要としないため、洗
浄工程数を少なくすることができ、プロセスの簡易化を
達成することができる。
【0012】(ハ)アルカリによる排水汚染を生ずるこ
とがなく、環境面での管理が容易である。
【0013】また、PPの特徴の一つとして、食品包装
材として安全性が高いこと、しかも臭気が発生しないこ
とが挙げられる。例えば、PETを用いた容器は、アセ
トアルデヒドが発生するため、この種の匂いによって飲
みごこちや味覚が著しく損なわれる飲料水用のボトルと
しては不向きであるが、PPを用いた容器では、このよ
うな問題を生じない。
【0014】PPは、プロピレンとその他のα−オレフ
ィン化合物とのランダムあるいはブロック共重合体であ
ることが好ましい。前記α−オレフィン化合物として
は、エチレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセ
ン等を挙げることができる。このような共重合体におい
て、α−オレフィン化合物は、共重合体に対し、0.5
〜8重量%の割合で含まれることが好ましい。このよう
な共重合体を用いることにより、プロピレンの単独重合
体を用いた場合に比較して、透明性に優れ、さらに偏肉
の少ない容器を得ることができる。
【0015】また、PPは、そのJIS K7210に
よるメルトフローインデックス(MFI)が好ましくは
0.9〜10.0(g/10分)、より好ましくは1.
0〜5.0(g/10分)である。MFIが小さすぎる
と、溶融樹脂が流れにくくなるためプリフォームの射出
成形が困難となり、一方MFIが大きすぎると、溶融樹
脂の張力が小さくなり過ぎてボトルの肉厚分布を設定し
にくくなる。
【0016】さらに、本発明において、プリフォームを
二軸延伸吹込成形して得られる配向結晶化PP容器は、
湿熱洗浄において80℃で30分間熱処理したときの容
積収縮率が、好ましくは5%以下、より好ましくは3%
以下である。表1に、二軸延伸によって結晶化されたP
P(「6200E」)の容積収縮率を示す。また、比較
のためにPETの容積収縮率を併記する。この容積収縮
率は、所定温度で30分間の熱処理を施した状態で、P
PあるいはPETを二軸延伸して得られたボトルサンプ
ルにおける容積収縮率を測定したものである。なお、ボ
トルサンプルの容積は、PPボトルが1リットルであ
り、PETボトルが1.5リットルである。
【表1】 表1に示すデータからも判るように、PPボトルは70
℃までほとんど容積収縮がなく、100℃においても5
%程度で、その値はPETに比較して極めて小さい。こ
れに対し、PETボトルは、50℃程度から容積収縮が
生じ、70℃で10%を超える値となり、80℃以上で
は変形が著しく、容器としての機能を果たし得ないこと
が判明した。
【0017】このように、二軸延伸によって配向結晶化
されたPP容器は耐熱性が高く、80℃以上の高温殺菌
処理が可能であり、したがってアルカリ洗浄を必要とし
ない。また、本発明のPPボトルはミネラルウォータ
ー,ナチュラルウォーター,スプリングウォーターなど
といわれる飲料水用であって、ジュースなどのように強
度の有機物の残留がないため、この点でも強アルカリに
よる洗浄の必要性が小さいといえる。
【0018】本発明において、PP容器を湿熱洗浄する
際には、好ましくは80〜100℃、より好ましくは8
5〜95℃の熱水を用いて、好ましくは1〜30分間、
より好ましくは2〜15分間行われる。この際、洗浄方
法としては、ジェット洗浄、浸漬洗浄、散水洗浄あるい
はこれらの幾つかを組合わせた洗浄方法を用いることが
できる。そして、洗浄温度は連続的あるいは不連続的に
変化させることもできる。また、必要に応じて、界面活
性剤、中性塩、アルコール類等の洗浄助剤を用いること
ができる。さらに、通常用いられる予洗,後洗浄,乾燥
等の工程を付加することができる。
【0019】また、本発明の製造方法において、離型工
程の初期段階において、プリフォームと射出キャビティ
型の相対位置関係は、型締め時の状態を維持したまま、
まず射出コア型において、射出コア型とプリフォーム内
壁の間にギャップが形成されることが好ましい。このギ
ャップにエアが導入されることで、射出コア型の先端と
プリフォームの低部内壁間を非接触とする駆動時の抵抗
を緩和できる。また、このとき、プリフォームの周囲に
配置された射出キャビティ型のキャビティ面により、プ
リフォームがその半径方向に変形することを規制でき
る。射出コア型の先端とプリフォームの底部内壁間を非
接触とする駆動時に、抵抗が最大となることに起因して
離型不良が生ずるが、この最大抵抗が作用する際にプリ
フォームの変形を防止できるので、その後にプリフォー
ムの離型不良はほとんど発生しない。
【0020】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例について、
図面を参照して具体的に説明する。 (第1実施例)まず、本実施例に用いられるプリフォー
ムと、最終成形品であるボトルとについて、図1
(A),(B)を参照して説明する。
【0021】プリフォーム10は、全体として有底筒状
のPPによって形成され、その開口端側にネック部12
が設けられ、その下方に向けて肩部14,胴部16と続
き、閉鎖端側を底部18としている。このプリフォーム
10の肩部14はネック部12に向かうに従い薄肉とな
り、胴部16はその軸方向においてほぼ均一の肉厚とな
っている。また、底部18の肉厚は胴部16に比べて薄
肉に成形されている。
【0022】このプリフォーム10を二軸配向して得ら
れるR−Rボトル20は、ほとんど延伸されることなく
前記ネック部12とほぼ同一形状のネック部22と、二
軸配向された胴部24と、比較的延伸率の低い底部26
とから構成される。R−Rボトル20の底部26におけ
る肉厚をT1 とし、胴部24の肉厚をT2 としたとき、
好ましくは0.3mm≦T2 ≦2mmでかつT1 はT2
より大きく、より好ましくは1mm≦T1 ≦3mmであ
る。
【0023】次に、R−Rボトル20の成形方法の一例
について説明する。
【0024】1ステージの射出延伸吹込成形装置におい
ては、プリフォーム射出成形工程,温調工程,ブロー成
形工程およびエジェクト工程に、ネック型を一定の成形
サイクルタイムに従って移動する。図2は、プリフォー
ムの射出成形工程を示している。
【0025】同図において、射出キャビティー型30,
射出コアロッド32およびネック型50を型締めし、射
出キャビティー型30の下端にあるゲート30aより溶
融PPを充填して、プリフォーム10を射出成形する。
射出キャビティー型30には冷媒ジャケット30bが設
けられ、射出コアロッド32にも図示しない冷媒通路が
設けられている。
【0026】射出成形ステーションにて射出成形された
プリフォーム10は、図3に示す温調ステーションに搬
送されてくる。
【0027】この温調ステーションには、温調コア36
および温調ポット38が配置される。
【0028】温調ポット38は、プリフォーム10の肩
部14に接触するリング38aと、その下方にゾーン分
割して配置され、プリフォーム10の胴部16及び底部
18の外壁に接触するリング38b〜38dとから構成
されている。リング38a〜38dによるプリフォーム
10の温調は、温調コア36より予備ブローエアを導入
することで、プリフォーム10の外壁と各リング38a
〜38dの内面との密着性を高めることで促進される。
【0029】このPP製プリフォーム10の胴部16肉
厚としては、その口径及び樹脂重量によりある範囲が定
まるが、好ましくは2.7〜8mm、さらに好ましくは
3.5〜4.8mmとするのが良い。この肉厚が2.7
mmより薄いと熱容量が小さくなるため上述の温調が困
難となり、また、射出成形時にショートショットを生じ
て成形が困難となる場合がある。一方、プリフォームの
肉厚が8mmより厚いと、射出型内での冷却時間を長く
しなければならず、成形サイクルの短縮に障害となるだ
けでなく肉厚分布の制御が困難となる。
【0030】この温調されたプリフォーム10は、二軸
延伸吹込成形工程に搬送され、前記プリフォーム10内
に配置される延伸ロッドの縦軸駆動と、前記プリフォー
ム10内へのブローエアの導入とにより、胴部16およ
び底部18が二軸配向されて前記R−Rボトル20が完
成することになる。 (第2実施例)次に、PP製プリフォームの離型工程に
好適に適用される実施例について図4〜図7を参照して
具体的に説明する。
【0031】図4は、プリフォーム10の離型工程の初
期段階を示している。この実施例においては、射出コア
型140が上昇駆動され、射出キャビティ型130が下
降駆動されて離型工程が実現され、ネック型120の位
置は不動である。
【0032】本実施例方法において特徴的なことは、離
型工程の初期段階において、射出コア型140を先に離
型駆動していることである。図4に示す離型工程の初期
段階では、射出コア型140のコアピン144の先端面
146が、プリフォーム10の底部18内壁に対して非
接触な状態までコアピン144が引き抜かれている。
【0033】また、ネック型120の下端面側には環状
テーパ部122が突出形成され、射出キャビティ型13
0にはこれに対応するテーパ穴138が形成されてい
る。この環状テーパ部122およびテーパ穴138は、
図7に示すように、各金型の型締め状態時に接触状態と
なっている。この接触状態を確保することで、ネック型
120が図7の左右方向に型開きすることが防止され
る。これにより、プリフォーム10の射出工程時におい
て、充填圧力によりネック型120が左右に型開きされ
ることが防止される。図4に示す離型工程の初期段階に
おいても、環状テーパ部122およびテーパ穴138の
接触状態が確保されている。
【0034】図5は、射出コア型140および射出キャ
ビティ型130の駆動タイミングを示している。同図に
示す通り、まず射出コア型140が上方に離型駆動さ
れ、その後時間Δtだけ遅れたタイミングで射出キャビ
ティ型130の下方への離型駆動が開始される。この時
間差Δtとしては、少なくとも0.1〜0.3秒が必要
である。
【0035】時間差Δt後の射出キャビティ型130の
離型駆動が開始された後については、射出コア型140
の離型駆動としては、図5の実線に示すように離型駆動
を一旦停止しその後再開させてもよいし、あるいは破線
に示すように離型駆動を中断せずに連続して行ってもよ
い。
【0036】図6は、射出キャビティ型130および射
出コア型140の離型駆動が終了する直前の状態を示し
ている。最終的には、射出キャビティ型130はその上
面がプリフォーム10の下端部より下方になる位置まで
下降駆動され、射出コア型140はそのコアピン144
の先端面146がネック型120の上面よりも上方に位
置するまで引き抜かれる。その結果、ネック型120が
プリフォーム10のネック部12を保持した状態で水平
搬送が可能となり、次工程である温調あるいはブロー成
形ステーションへの搬入が可能となる。
【0037】本実施例方法によれば、コアピン144の
先端面146がプリフォーム10の底部18内壁と非接
触となるための駆動を、離型工程の初期段階にて実現し
ている。コアピン144の先端面146がプリフォーム
10の底部18内壁と非接触とするための引き抜き駆動
時には、コアピン144に作用する引き抜き抵抗が最大
となるが、図9に示すような離型不良が下記の理由から
発生しない。 (1)図4に示すように、射出コア型140を最初に引
き抜き駆動すると、射出コア型140の基端部142の
環状テーパ部142aと、ネック型120のテーパ穴1
24との対向面間にギャップが生ずる。また、射出コア
型140のコアピン144およびその外壁面によって規
定されるプリフォーム10の内壁面にはそれぞれ抜きテ
ーパが形成されている。したがって、射出コア型140
を最初に上方駆動することで、コアピン144およびプ
リフォーム10の内壁面における各抜きテーパ面間にも
ギャップが生ずることになる。このように、射出コア型
140の引き抜き駆動の当初の段階にて上述したギャッ
プが形成されるので、図4の矢印A方向よりエアが導入
され、コアピン144およびプリフォーム10の内壁の
間にエアが入り込むことになる。このエアが導入される
ことで、コアピン144の先端面146とプリフォーム
10の底部18内壁とを非接触とするための駆動時に発
生する抵抗を緩和することができる。
【0038】このように、本実施例方法によれば、離型
工程の初期段階において、コアピン144およびプリフ
ォーム10の内壁間にエアを導入していることが、従来
のようにコアピン144およびプリフォーム10の密着
状態を増長させるようなエアの導入状態(図8参照)と
顕著に相違している。 (2)図9に示す従来の離型不良が生ずるためには、プ
リフォーム10の外壁がその半径方向に変形する自由度
がなければならない。これに対して図4に示す本実施例
方法では、コアピン144に最大の引き抜き抵抗が生ず
る際に、プリフォーム10は射出キャビティ型130の
キャビティ面132によって半径方向への変形の自由度
を持たない。したがって、この状態にてコアピン144
を引き抜き駆動しても、その先端面146とプリフォー
ム10の底部18内壁とが密着してともに上方駆動され
ることを防止できる。 (3)本実施例方法によれば、コアピン144に最大の
引き抜き抵抗が作用する際に、プリフォーム10のネッ
ク部12がネック型120より脱落して、コアピン14
4とともに上方駆動されることを防止できる。これは、
この離型工程の初期段階においても、型締め状態と同様
に、ネック型120の環状テーパ部122と、射出キャ
ビティ型130のテーパ穴138との接触状態が確保さ
れるからである。この接触状態が確保されることで、一
対の割型120a,120bにて構成されたネック型1
20が、図4の左右方向に型開きされることが規制され
る。
【0039】本実施例方法によれば、上述した(1)〜
(3)の理由により、PETに比べて熱収縮率が高く、
かつ、熱伝導率の低いPP製のプリフォーム10を離型
する場合にも、図9に示すようないわゆる巻き上げと称
される離型不良を生ずることなく、射出成形時の原形を
維持したままプリフォーム10の離型を実現することが
できる。
【0040】ちなみに、PPの熱収縮率はほぼ15/1
000であり、PETの熱収縮率であるほぼ5/100
0に対してかなり大きい。また、PP製プリフォーム1
0の熱伝導率は2×10-4〜4×10-4cal/cm・
sec・℃であり、PET製プリフォームの熱伝導率で
ある5.8×10-4〜7.8×10-4cal/cm・s
ec・℃と比較してかなり低くなっている。そのため、
PP製プリフォーム10の内側スキン層の温度が比較的
高く、PP製プリフォーム10の離型不良が増発する理
由の一つとなっている。
【0041】また、PP製プリフォーム10の場合に
は、PETに比べて、コアピン144とプリフォーム1
0とが密着しやすい条件となるが、上記実施例方法の採
用により、プリフォーム10を離型不良を生ずることな
く離型駆動することができる。この結果、その後のブロ
ー成形工程においては、PP製プリフォームを延伸適温
にてブロー成形することができ、付形性および透明性等
の優れた品質の高い中空体を成形することができる。
【0042】さらに加えて、このように高い離型温度に
てプリフォーム10の離型駆動を行うことができるた
め、プリフォーム10の射出成形後に型締め状態を維持
したまま行われる冷却工程のための時間を短縮でき、特
に射出成形ステーションでの処理時間によってサイクル
タイムが決定されるいわゆる1ステージの射出延伸吹込
成形装置において、そのサイクルタイムを大幅に短縮す
ることができる。
【0043】上述した実施例では、射出コア型140を
上方に離型駆動し、射出キャビティ型130を下方に離
型駆動する場合を例にとり説明したが、これ以外の離型
駆動にも同様に適用できる。例えば、射出キャビティ型
130を固定とし、ネック型120および射出コア型1
40を上方に離型駆動する場合にあっては、従来のよう
にネック型120および射出コア型140を一体的に離
型駆動するのでなく、まず射出コア型140のみを上方
に離型駆動すればよい。 (洗浄例)次に、本発明のPP製容器の洗浄例を以下に
示す。 予洗 容器に付着している粗大な異物を散水等によって落す。 湿熱洗浄 容器に付着している不純物を軟化あるいは溶解するとと
もに、殺菌を行なう。このとき用いられる洗浄水は、苛
性ソーダを含まない。この洗浄工程では、温度80℃,
15分間の高温殺菌工程が含まれている。また、この工
程においては、必要に応じて界面活性剤等の洗浄助剤を
含むことができる。 洗剤ジェットによる洗浄 例えば界面活性剤を含む洗浄水によってジェット洗浄を
行なう。なお、ジェットの水量が多いと界面活性剤が発
泡するため、場合によっては消泡剤の添加が必要とな
る。 洗剤除去 温水浸漬またはジェットにより、容器に付着した洗剤を
除去あるいは薄める。 ブラシまたは水ジェットによる洗浄 湿熱洗浄によって軟化した異物を洗い落す。 新水ジェットによるリンシング 容器に付着している洗剤分と汚れとを十分に洗い流す。 水切り 容器を排出するまでの間に20〜40秒間水切りを行な
い、びん内に残留している水を排出させる。通常、許容
されるびん内残留水は1ml以下である。
【0044】本発明の容器は、上記のような洗浄工程に
よって完全な洗浄を行なうことができ、また排水にはア
ルカリを含まないため、浄水工程を必要としない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、R−Rボトルの樹脂材
料としてポリプロピレン系合成樹脂を用いることによ
り、PETボトルでは達成することができない高温殺菌
が可能で、アルカリ洗浄を不要とする洗浄方法を採用す
ることができ、したがって、苛酷なアルカリ洗浄による
ダメージがなく、多数回に亘るリサイクルが可能な飲料
水用ポリプロピレン系樹脂容器を提供することができ
る。
【0046】また、本発明の製造方法によれば、ポリプ
ロピレン系樹脂固有のブロー成形温度に容易に温調する
ことができ、成形サイクルを短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、第1実施例のR−Rボトルを成形す
るためのプリフォームの概略断面図、(B)は、R−R
ボトルの概略断面図である。
【図2】図1に示すR−Rボトルを成形するために用い
るプリフォームの射出成形工程を示す概略断面図であ
る。
【図3】図1(A)に示すプリフォームを温調するため
の工程を示す概略断面図である。
【図4】本発明を適用した第2実施例における離型工程
の初期段階を示す概略断面図である。
【図5】図4の離型工程を実施するための射出コア型お
よび射出キャビティ型離型駆動タイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【図6】図4に示す実施例方法での離型工程の終期段階
を示す概略断面図である。
【図7】射出成形ステーションでの型締め状態を示す概
略断面図である。
【図8】従来方法による離型工程の初期段階を示す概略
断面図である。
【図9】図8に示す従来方法により生ずる離型不良を説
明するための概略断面図である。
【符号の説明】
10 プリフォーム 12 ネック部 16 胴部 18 底部 20 ボトル 26 底部 30 射出キャビティ型 32 射出コアロッド 36 温調コア 38 温調ポット 120 ネック型 130 射出キャビティ型 140 射出コア型

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系合成樹脂によって成形
    されたプリフォームを二軸延伸吹込成形して得られる容
    器であって、市場からの回収,洗浄,再充填および市場
    への提供を1サイクルとして複数サイクルの繰り返し使
    用ができ、かつ前記洗浄はアルカリ洗浄を経ない湿熱洗
    浄によることが可能なことを特徴とする、再充填可能な
    飲料水用ポリプロピレン系樹脂容器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ポリプロピレン系合成樹脂は、プロピレンとその他
    のα−オレフィン化合物とのランダムあるいはブロック
    共重合体であることを特徴とする、再充填可能な飲料水
    用ポリプロピレン系樹脂容器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記ポリプロピレン系合成樹脂は、そのメルトフローイ
    ンデックスが0.9〜10.0(g/10分)であるこ
    とを特徴とする、再充填可能な飲料水用ポリプロピレン
    系樹脂容器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 前記湿熱洗浄は、温度80〜100℃で1〜30分間行
    われることを特徴とする、再充填可能な飲料水用ポリプ
    ロピレン系樹脂容器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかにお
    いて、 前記二軸延伸吹込成形して得られる容器は、湿熱洗浄に
    おいて80℃で30分間熱処理したときの容積収縮率が
    5%以下であることを特徴とする、再充填可能な飲料水
    用ポリプロピレン系樹脂容器。
  6. 【請求項6】 射出キャビティ型および射出コア型の型
    締めにより形成されるキャビティ内にポリプロピレン系
    合成樹脂を射出してプリフォームを形成し、 射出成形時の熱を保有した前記プリフォームを延伸適温
    に温調し、 前記プリフォーム内に配置される延伸ロッドの縦軸駆動
    と、前記プリフォーム内へのブローエアの導入とによ
    り、胴部および底部が二軸配向された容器を成形するこ
    とを特徴とする、再充填可能なポリプロピレン系樹脂容
    器の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、射出キャビティ型お
    よび射出コア型の型締めにより形成されるキャビティ内
    にポリプロピレン系合成樹脂を射出してプリフォームを
    成形し、このプリフォームを前記各型より離型するに際
    し、 離型工程の初期段階において、前記プリフォームおよび
    射出キャビティ型の相対的位置関係を維持したまま、前
    記プリフォームに対して相対的に前記射出コア型を移動
    させて、少なくとも前記射出コア型の先端を前記プリフ
    ォームの底部内壁と非接触とする工程を含むことを特徴
    とする、再充填可能な飲料水用ポリプロピレン系樹脂容
    器の製造方法。
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