JPH06262622A - 長繊維強化合成樹脂ペレットおよび長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射出圧縮成形方法 - Google Patents

長繊維強化合成樹脂ペレットおよび長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射出圧縮成形方法

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JPH06262622A
JPH06262622A JP5604793A JP5604793A JPH06262622A JP H06262622 A JPH06262622 A JP H06262622A JP 5604793 A JP5604793 A JP 5604793A JP 5604793 A JP5604793 A JP 5604793A JP H06262622 A JPH06262622 A JP H06262622A
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JP
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synthetic resin
pellet
molding
resin
layer
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JP5604793A
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Koichi Hashimoto
孝一 橋本
Ryosaku Kadowaki
良策 門脇
Kei Takara
圭 高良
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面性状が良好で、かつ耐衝撃性等の諸特性
に優れた長繊維強化合成樹脂成形品を得ることができる
ペレットおよび成形方法を見出す。 【構成】 樹脂含浸率の高い層と樹脂含浸率の低い層が
複合された構造を有する長繊維強化合成樹脂ペレット、
該ペレットを用いた射出もしくは射出圧縮成形方法、ま
たは樹脂含浸率の高いペレットと低いペレットを混合し
て成形する長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射
出圧縮成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形、射出圧縮成
形における製造原料として使用される長繊維強化合成樹
脂ペレットおよび長繊維強化合成樹脂成形品の成形方法
に関し、詳細には、樹脂含浸率の高い層と樹脂含浸率の
低い層が複合された構造を有する成形用ペレット、該ペ
レットを用いた成形方法もしくは樹脂含浸率の高いペレ
ットと低いペレットを混合して成形する長繊維強化合成
樹脂成形品の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】OA機器やAV機器等をはじめとする様
々な機器のケーシング材や構造材として用いられている
プラスチック成形品に高強度・高弾性を付与し、あるい
は導電性を付与するための成形材料として、合成樹脂と
強化繊維を複合した成形用ペレットが知られている。一
般に、このような成形用ペレットは強化用短繊維をラン
ダムに樹脂含浸させたものが使用されているが、FRP
のさらなる高強度化要求に伴ない、これら従来の短繊維
成形用ペレットでは満足のいく強化効果が得られなくな
ってきた。
【0003】そこで、長繊維状の強化繊維を複合したペ
レットが考案され、それなりに優れた強化効果を発揮し
ている(特開平2-153714号、特開平1-286824号、特開平
2-292008号、特開平2-292009号)。しかしこれらの長繊
維ペレットは流動性が悪いので、射出成形する際には大
きな射出圧力が必要となり、長繊維の切断が起こったり
成形品の表面性状が劣ってしまうことや、流動性を上げ
るために射出時のシリンダーの温度を上げると、樹脂の
熱劣化や物性低下を招くという問題がある。また強化の
ために長繊維を使用しても、樹脂含浸が良好になると長
繊維はモノフィラメント状に分散することとなって、成
形品の耐衝撃強度が期待する程向上しないという問題が
あった。
【0004】このため、ペレット中の樹脂含浸状態を低
くして長繊維がモノフィラメント状に分散しない様に繊
維束状態を残存させたペレットを用いると、耐衝撃性は
向上するが、繊維束はほとんど樹脂含浸されていないの
で、ペレットの溶融時にペレットからぬけ落ちた繊維が
成形時に絡み合って毛玉状になり、成形品の表面外観を
損ねてしまう。表面外観向上を考慮して溶融ペレットを
良く混練してから射出成形を行なおうとすると、混練中
に繊維が破損してしまい耐衝撃性の向上効果が発現しな
い。また、このようなペレットを樹脂のみのペレットと
混合して使用してもこれらの問題は解決できない。従っ
て良好な表面外観を与え、高耐衝撃性・高強度・高弾性
な成形品を与え得る長繊維強化ペレットは得られていな
いのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面性状が
良好で、かつ耐衝撃性等の諸特性に優れた長繊維強化合
成樹脂成形品を得ることができるペレットおよび成形方
法を見出すことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、長繊維強化合
成樹脂製品成形用ペレットが、樹脂含浸率の高い層と、
樹脂含浸率の低い層によって構成されているところに要
旨を有する。また上記記載のペレットを成形原料として
用いる長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射出圧
縮成形方法、および樹脂含浸率の高い長繊維強化合成樹
脂製品成形用ペレットと、樹脂含浸率の低い長繊維強化
合成樹脂製品成形用ペレットを混合して成形用原料とす
る射出もしくは射出圧縮成形方法も本発明の範囲内であ
る。さらに、樹脂含浸率の高い層を構成する合成樹脂が
樹脂含浸率の低い層を構成する合成樹脂よりも低融点ま
たは低軟化点であるとき、樹脂含浸率の低い層を構成す
る合成樹脂の融点または軟化点以上で射出もしくは射出
圧縮(以下「射出(圧縮)」と省略する)成形方法は本
発明の好ましい実施態様である
【0007】
【作用】本発明の基本的技術思想は、長繊維の耐衝撃性
強化効果を最大限に発揮させるために、長繊維が引き揃
えられた状態でしかもあまり樹脂と含浸していない層
(樹脂含浸率の低い層)と、良好に繊維が樹脂含浸して
いる層(樹脂含浸率の高い層)とが、射出(圧縮)成形
段階で混在していることである。従って、上記低含浸層
と高含浸層が1つのペレット中に混在していても、また
低含浸ペレットと高含浸ペレットを混合して用いても上
記基本思想に含まれる。本発明はこの基本思想に従うこ
とによって、低含浸層中の長繊維束で耐衝撃性の向上を
図り、低含浸層だけの使用では不可能な良好な表面性状
の成形品を高含浸層の併用で得られる様にしたものであ
る。
【0008】なお本発明では、「樹脂含浸率(体積
%)」とは(樹脂のみの体積)を(繊維の体積+樹脂の
体積+空隙の体積)で割った値と定義する。樹脂含浸率
が高いということは、繊維束内部まで樹脂が含浸してい
ることを示す。また後述の「繊維含有率(重量%)」と
は(繊維重量)を(繊維の重量+樹脂の重量)で割った
値と定義する。
【0009】低含浸層と高含浸層が1つのペレット中に
混在している場合、低含浸層1に対して高含浸層を1〜
30倍(重量基準)となることが好ましい範囲である。
高含浸層が低含浸層より少なくなると(1倍未満)、繊
維の絡み合いが起こって成形品の表面性状が悪くなる。
また高含浸層が30倍を超えると低含浸層が少なくなる
ので成形品中に含まれる繊維束の量が少なくなることに
なり耐衝撃性向上効果がほとんど発現しない。低含浸ペ
レットと高含浸ペレットを併用する時の重量比も同様の
理由で低含浸ペレット1に対して高含浸ペレットが1〜
30倍(重量基準)用いるのが好ましい。
【0010】低・高それぞれの含浸層における繊維含有
率は、それぞれの含浸層の上記配合比率と関連させて決
めればよいが、一般的には低含浸層における長繊維含有
率は合成樹脂に対して10〜90%、より好ましくは3
0〜60%(重量)の範囲である。長繊維量が90%よ
り多いと、繊維束がペレットから抜け落ちることがある
ため好ましくなく、一方10%より少ないと強化効果が
発現しにくい。また高含浸層における長繊維含有率は合
成樹脂に対して0〜70%、より好ましくは0〜60%
(重量)の範囲である。長繊維量が70%より多いと、
含浸不足になる不都合が生じることがある。低含浸ペレ
ットと高含浸ペレットを併用する場合も同様である。
【0011】1つのペレット中での低含浸層と高含浸層
の存在状態は、前者がコアで後者がシェルのコア・シェ
ル構造をとったり、前者が「島」で後者が「海」のいわ
ゆる海島構造(この場合海と島の相溶性を問題にしてい
るのではなく、複数の島が海の中に存在している構造と
いう意味である)となったり、サイドバイサイドの様に
2分されていてもよい。コア・シェルや海島構造の場合
はそれぞれ前記の構成と逆であっても良く、樹脂のみの
層が存在していても良い。
【0012】各層に用いられる合成樹脂は、従来公知の
FRP用マトリックス樹脂のいずれも使用することがで
きるが、エポキシ、不飽和ポリエステル、ビニルエステ
ル、フェノール、ポリイミド等の熱硬化性樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポ
リアクリレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂が挙
げられる。
【0013】ただし、本発明の好ましい実施態様として
は、低含浸層中の繊維束を射出成形工程中に保護する目
的で、低含浸層の合成樹脂を高含浸層の合成樹脂より高
融点または高軟化点とすることが推奨される。すなわ
ち、高含浸層の樹脂は低含浸層の樹脂より低融点または
低軟化点であるため、射出成形時にシリンダー温度を低
含浸層の合成樹脂の融点または軟化点より少し(+5〜
20℃程度)高い温度に設定してやれば、高含浸層の樹
脂はすでに良好な流動状態となっているので、低含浸層
を包み込んだまま射出されることとなり、低含浸層の繊
維束が射出時のシェアによる破壊や含浸進行から守られ
るのである。
【0014】このような低含浸層保護効果を発現させる
ためには、低含浸層の樹脂の融点または軟化点を高含浸
層より少なくとも5℃以上高く設定することが好まし
い。具体的に好ましく使用される各層の構成樹脂は、前
述のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセ
タール、ポリアクリレート、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の熱可
塑性樹脂が挙げられ、上記融点または軟化点の限定を満
足し、層間剥離が起こらない様に樹脂を組み合わせれば
良い。低含浸ペレットと高含浸ペレットを併用する場合
も同様である。
【0015】本発明の成形用ペレットの製法は特に限定
されないが、公知の長繊維強化ストランドまたはペレッ
トの製法を応用することによって得ることができる。一
般的に実施されている長繊維強化ストランドの溶融含浸
法は、たとえば開繊状態で強化用長繊維束が導入される
含浸ヘッドにスクリューもしくはプランジャー型押出装
置の合成樹脂液吐出口を配置し、上記含浸ヘッド内に圧
入された溶融合成樹脂中に前記繊維束を通し、含浸ロー
ラを介して繊維束に樹脂を含浸させながら含浸ヘッドの
出口ノズルから引取り後に巻取るものである。これを長
繊維強化ストランドとし、さらに任意の長さ(通常数〜
数十mm程度)に切断することによって長繊維強化樹脂
ペレットを得ている。このような溶融含浸法は、含浸ロ
ーラの稼働数を制御することによって高含浸ペレットや
低含浸ペレットを製造することができる。複数ラインの
含浸ローラを含浸ヘッド内に設けてラインの含浸度合い
を変更させてやれば、1つのストランドまたはペレット
中に高含浸層と低含浸層を混在させることもできる。
【0016】また、連続した繊維束を押出機先端に設け
られたクロスヘッドダイに供給して押出機から供給され
る樹脂で繊維束を被覆しながら繊維強化ストランドを製
造する方法(電線被覆方法という)は低含浸ペレットの
製造に適用できる。さらに、1つのペレット中に低含浸
層と高含浸層を有するペレットを製造する場合には、長
繊維ロービングをまず低含浸層用含浸ヘッドまたは樹脂
浴内へ導入してロービング周辺のみに樹脂が含浸する様
に含浸ローラの使用を制限し、この低含浸ロービングと
別の長繊維ロービングを別の含浸ヘッドまたは樹脂浴に
導入して、高含浸層を低含浸ロービングの回りに形成さ
せる方法、中に仕切りがあり左右または上下または内外
から別々の溶融樹脂を圧入できる2重構造の含浸ヘッド
を用いて加圧含浸ローラ等で含浸率を変える方法等、種
々の方法を適宜選択することができる。後は従来法と同
様にして合成樹脂の引取り・切断を行なう。また、撚り
をかけながら引き取っても良い。ペレットの長さと長繊
維の長さは実質的に同じとなるが、3〜50mmが好ま
しい範囲である。またペレットの直径は0.5〜6mm
が好ましい。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲
で変更を加えて実施することももちろん可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0018】実施例1 ポリカーボネート(PCと略す)樹脂(帝人化成(株)
製、L-1225、軟化点140℃)を連続炭素繊維束(12
K=12000 本)に溶融含浸させて直径4mmの炭素繊維
強化PC樹脂ストランドを製造し、6mmに切断してペ
レット(1) を得た。このペレット(1) は炭素繊維25重
量%を含んでおり、良好な含浸状態であった。次にペレ
ット(1) と同じ材料を用いて、電線被覆方法で低含浸の
炭素繊維強化PC樹脂ストランド(4mmφ)を製造
し、6mmに切断して低含浸ペレット(2) を得た。この
ペレット(2) は炭素繊維60重量%を含んでいた。ペレ
ット(1) :ペレット(2) =10:1となる様に混合し、
射出成形機(住友重機械工業(株)製、SG220U)を用い
てシリンダー温度320℃で肉厚1.5mm、100×
100mmの平板成形品を得た。この平板成形品から試
験片を切出し、アイゾット衝撃試験(ノッチ付き:JI
S K 7110)を行なった。結果を表1に示した。ま
た、成形品表面性状を目視観察した結果、および炭素繊
維含有率を表1に併記した。
【0019】実施例2 連続炭素繊維束(12K=12000 本)4本を含浸ヘッド
内に導入し、そのうち3本は充分にポリカーボネート
(実施例1と同じ)が含浸し、1本は繊維束の周囲に被
覆する程度の含浸状態となる様に含浸ローラを配置し
て、ヘッドのノズル部で4本を束ね、1つの炭素繊維強
化PC樹脂ストランドを製造した(4mmφ)。これを
6mmに切断し、1つのペレット中に低含浸層と高含浸
層を有するペレット(3) を得た。低含浸層中の繊維含有
率は50重量%で、高含浸層中は20重量%であった。
ペレット(3) を用いて実施例1と同様に射出成形および
成形品評価を行ない、結果を表1に併記した。
【0020】比較例1 実施例1のペレット(1) と同様にして炭素繊維含有量3
0重量%の高含浸ペレット(4) を製造し、このペレット
(4) のみを用いて実施例1と同様に射出成形および成形
品評価を行ない、結果を表1に併記した。
【0021】比較例2 実施例1のペレット(2) と同様にして炭素繊維含有量3
0重量%の低含浸ペレット(5) を製造し、このペレット
(5) のみの成形を行なった。ペレットから抜け落ちた炭
素繊維が成形機のホッパーの中で毛玉状になりスムーズ
な成形ができなかったが、なんとか成形を終え、実施例
1と同様に成形品評価を行ない、結果を表1に併記し
た。
【0022】比較例3 実施例1のペレット(2) と同様にして炭素繊維含有量6
0重量%の低含浸ペレット(6) を製造し、このペレット
(6) と、PC樹脂のみのニートペレットが1:1となる
様に混合し、実施例1と同様に射出成形および成形品評
価を行ない、結果を表1に併記した。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1、2はいずれも耐衝撃性、表面性
状共に良好であった。1つのペレット中に高・低含浸層
が共存しているものを用いた実施例2の方が均一性が良
好であるので、若干耐衝撃性が実施例1よりも良かっ
た。一方比較例1は高含浸ペレットのみの成形品なので
表面性状は良好であるが、耐衝撃性が悪く、比較例2は
低含浸ペレットのみの使用なので表面性状が悪い。比較
例3は低含浸ペレットと樹脂ペレットを混合したタイプ
であるがやはり表面性状が良くなかった。
【0025】実施例3 ポリプロピレン樹脂(PPと略す)(チッソ(株)製、
K5230 、ビカット軟化点153℃)を連続炭素繊維束
(12K=12000 本)に溶融含浸させて直径4mmの炭
素繊維強化PP樹脂ストランドを製造し、6mmに切断
してペレット(7)を得た。このペレット(7) は炭素繊維
25重量%を含んでおり、良好な含浸状態であった。次
にナイロン66(PA66と略す)(東レ(株)製、CM
3007、融点265℃)を用いて、電線被覆方法で低含浸
の炭素繊維強化PA66樹脂ストランド(4mmφ)を
製造し、6mmに切断して低含浸ペレット(8) を得た。
このペレット(8) は炭素繊維60重量%を含んでいた。
ペレット(7) :ペレット(8)=10:1となる様に混合
し、実施例1で使用した射出成形機を用いてシリンダー
温度280℃で肉厚1.5mm、100×100mmの
平板成形品を得た。後は実施例1と同様に成形品評価を
行ない、結果を表2に併記した。
【0026】比較例4 実施例3のペレット(7) と同様にして炭素繊維含有量3
0重量%の高含浸ペレット(9) を製造し、このペレット
(9) のみを用いてシリンダー温度220℃で実施例3と
同様に射出成形および成形品評価を行ない、結果を表2
に併記した。
【0027】比較例5 実施例3のペレット(8) の樹脂をPPに変えて同様にし
て炭素繊維含有量30重量%の低含浸ペレット(10)を製
造し、このペレット(10)のみを用いてシリンダー温度2
20℃で実施例3と同様に射出成形および成形品評価を
行ない、結果を表2に併記した。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3は耐衝撃性、表面性状共に良好で
あった。比較例4は高含浸ペレットのみであるので表面
性状は良好だが耐衝撃性は実施例3より低く、逆に比較
例5は低含浸ペレット率のみであるので表面性状は悪い
が耐衝撃性は実施例3と同じであった。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、樹
脂の含浸率が低く長繊維束のままの状態を保つことがで
きる低含浸層と、樹脂の含浸率が高く長繊維が引き揃え
られた状態で良好に含浸している高含浸層が1つのペレ
ット中に共存しているため、この成形用ペレットから製
造される成形品は低含浸層中の長繊維束で耐衝撃性の向
上が可能となった上に、高含浸層との併用で、従来低含
浸層だけでは不良であった表面性状を良好に改善するこ
とができた。また、これらの効果は低含浸ペレットと高
含浸ペレットを併用することでも得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維強化合成樹脂製品成形用ペレット
    が、樹脂含浸率の高い層と、樹脂含浸率の低い層によっ
    て構成されたものであることを特徴とする長繊維強化合
    成樹脂ペレット。
  2. 【請求項2】 上記樹脂含浸率の高い層を構成する合成
    樹脂が上記樹脂含浸率の低い層を構成する合成樹脂より
    も低融点または低軟化点である請求項1に記載の長繊維
    強化合成樹脂ペレット。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のペレットを成形用原料
    として用いることを特徴とする長繊維強化合成樹脂成形
    品の射出もしくは射出圧縮成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のペレットを成形用原料
    として用い、上記樹脂含浸率の低い層を構成する合成樹
    脂の融点または軟化点より高い温度で成形することを特
    徴とする長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射出
    圧縮成形方法。
  5. 【請求項5】 長繊維強化合成樹脂製品成形用ペレット
    を用いて長繊維強化合成樹脂成形品を成形するにあた
    り、樹脂含浸率の高い長繊維強化合成樹脂ペレットと、
    樹脂含浸率の低い長繊維強化合成樹脂ペレットを混合し
    て成形用原料とすることを特徴とする長繊維強化合成樹
    脂成形品の射出もしくは射出圧縮成形方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の樹脂含浸率の高い成形
    用ペレットを構成する合成樹脂が請求項5に記載の樹脂
    含浸率の低い成形用ペレットを構成する合成樹脂よりも
    低融点または低軟化点である成形用原料を用いて、上記
    樹脂含浸率の低い成形用ペレットを構成する合成樹脂の
    融点または軟化点より高い温度で成形することを特徴と
    する長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射出圧縮
    成形方法。
JP5604793A 1993-03-16 1993-03-16 長繊維強化合成樹脂ペレットおよび長繊維強化合成樹脂成形品の射出もしくは射出圧縮成形方法 Withdrawn JPH06262622A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016124887A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 炭素長繊維/ポリカーボネート樹脂複合材料及び炭素長繊維/ポリカーボネート樹脂複合ペレットの製造方法
JP2021028374A (ja) * 2019-08-09 2021-02-25 住友化学株式会社 樹脂組成物及び成形体

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