JPH06261864A - 角膜内皮細胞計測装置及び計測方法 - Google Patents

角膜内皮細胞計測装置及び計測方法

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JPH06261864A
JPH06261864A JP5081522A JP8152293A JPH06261864A JP H06261864 A JPH06261864 A JP H06261864A JP 5081522 A JP5081522 A JP 5081522A JP 8152293 A JP8152293 A JP 8152293A JP H06261864 A JPH06261864 A JP H06261864A
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 本発明は、角膜内皮細胞を検査するための角
膜内皮細胞計測装置及び計測方法に係わり、特に、角膜
細胞を撮影した撮像データから尾根線を検出し、2つの
尾根方向のなす角から「線らしさ」を算出することによ
り、角膜内皮細胞の外形線を識別し、作業者のトレース
等を必要とせずに、角膜内皮細胞の面積等を高精度に演
算することのできる角膜内皮細胞計測装置及び計測方法
を提供することを目的とする。 [構成] 本発明は角膜内皮を撮像した画像信号を取り
込み、取り込まれた画像から凹部を検出して谷線を検出
し、検出された画像に対して、適宜の動径方向に画素の
濃度を計算し、この計算データを微分し、微係数の符号
が変化する部分を調べることにより、尾根を検出し、2
つの尾根方向のなす角から「線らしさ」を検出し、「線
らしさ」により線画像を識別して、角膜内皮細胞の外形
線を識別することができる。更に本発明は、角膜内皮細
胞の外形線から面積等を演算することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角膜内皮細胞を検査す
るための角膜内皮細胞計測装置及び計測方法に係わり、
特に、角膜細胞を撮影した撮像データから尾根線を検出
し、2つの尾根方向のなす角から「線らしさ」を算出す
ることにより、角膜内皮細胞の外形線を識別し、作業者
のトレース等を必要とせずに、角膜内皮細胞の面積等を
高精度に演算することのできる角膜内皮細胞計測装置及
び計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外眼部の角膜は、角膜上皮(重層偏平上
皮)と、ボーマン膜と、実質(固有層)と、デスメ膜
(内皮の基底膜)と、角膜内皮(単層偏平上皮)の5層
からなっている。角膜内皮は六角柱型の細胞であり、角
膜の裏面を一層で裏打ちしている。そして角膜内皮の細
胞は、径が20μm程度もあり比較的大きい細胞であ
る。この角膜内皮の状況を把握することにより、疾患の
病態や原因等を解析することができる。特に、白内障手
術や人工水晶体挿入手術を行う場合には、術前と術後の
角膜内皮の状況や細胞面積を比較することにより、角膜
内皮に対する手術侵襲度を定量的に評価する必要があ
る。更に角膜内皮細胞は、分裂能が極めて低く、その細
胞密度は加齢と共に減少していく。そして角膜内皮細胞
は、前房から実質への排水機能を司っており、角膜の混
濁を防止する機能を備えている。
【0003】従って、角膜内皮細胞の細胞密度、細胞面
積の大小のばらつきを示す変動係数、6角形細胞出現率
等を測定し、角膜の予備機能能力や、角膜に対するスト
レス等を診断することが行われている。
【0004】角膜内皮を高倍率で観察するために、スペ
キュラーマイクロスコープが使用されている。このスペ
キュラーマイクロスコープは、2層の屈折率の異なる境
界面において、特定の角度で入射された光は大部分が透
過するが、一部の光が境界面で等角度で反射されるとい
う性質を利用して、境界反射光により境界面の観察を行
うものである。このスペキュラーマイクロスコープを使
用して角膜細胞の平均細胞面積を計算する方法として
は、デジタイザー法やグリッド法が採用されていた。
【0005】デジタイザー法は、角膜細胞の撮影像から
各細胞の細胞壁の各辺の始点又は終点の座標をデジタイ
ザーを用いてコンピュータに入力し、各細胞の面積を計
算するものである。
【0006】グリッド法は、角膜細胞の撮影像に対し
て、所定の大きさの正方形の格子(グリッド)を重ね合
わせて、格子に含まれる細胞数を計測し、平均細胞数か
ら平均細胞面積を逆算するものである。
【0007】しかしながら上記デジタイザー法は、手作
業によるトレースを必要とし、多大な労力と時間を投入
しなければならない上、作業者による解析誤差を避ける
ことができないという問題点があった。またグリッド法
は例えば、格子の上辺と左辺に切断される細胞について
はカウントしないという問題点があり、更に、細胞面積
等の度数分布は計測することができなかった。
【0008】この様な理由から、角膜内皮細胞の自動計
測装置の出現が臨床現場から強く熱望され、各種の開発
が行われてきた。これらの自動計測手法は、専らコント
ラストに基づく画像処理技術が採用されている。
【0009】一般的に採用される画像処理技術は、前処
理工程として、ノイズ除去及び局所的濃度勾配補正が施
される。次に境界抽出処理として、2値化処理及び細線
化処理が行われ、ここで、オペレータによる境界線の修
正が行われた後、個々の角膜細胞の面積を求める様にな
っている。
【0010】更に座標入力を行った後、細胞の面積の近
似計算に工夫を凝らしたものや、手動入力を簡便化する
ためのアルゴリズムを開発したものも存在した。
【0011】またニューラルネットワークを採用し、細
胞壁を識別したものも存在している。これは、ニューラ
ルネットワークを利用して細胞膜の粗抽出を行い、後処
理として最小・最大平均フィルタ、尾根線抽出法を用い
て細胞壁を識別したものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の手作業によるトレースを必要とする手法は、多大な労
力と時間を投入しなければならない上、作業者による解
析誤差を避けることができないという問題点があり、細
胞の面積の近似計算に工夫を凝らしたり、手動入力の簡
便化を図っても、本来の角膜内皮細胞自動計測の要求を
満たすものではなかった。
【0013】またコントラストに基づく通常の画像処理
技術を用いたものは、画像の局所的な濃度分布によっ
て、細胞壁が正しく抽出されない部分があり、このデー
タで二値化すると局所的な誤認識を避けることができな
いという問題点があった。更に、コントラスト不足や細
胞中の細胞核等による誤認識を避けることができないと
いう問題点もあった。
【0014】そしてニューラルネットワークを採用した
ものは、ノイズの極端に少ない画像に対しては効果があ
るが、ノイズを含んだ画像を解析する場合には有効とは
言えないという問題点があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
案出されたもので、角膜内皮を撮像した画像信号を取り
込むための画像入力手段と、この画像入力手段に入力さ
れた画像から、前記角膜内皮細胞の外形線を識別するた
めの演算処理手段とからなっており、この演算処理手段
は、尾根線を検出するため尾根線検出手段と、この尾根
線検出手段により検出された2つの尾根方向のなす角か
ら「線らしさ」を算出するための「線らしさ」検出手段
とを備えており、「線らしさ」検出手段で検出された
「線らしさ」により、前記角膜内皮細胞の外形線を識別
することを特徴とする。
【0016】また本発明の演算処理手段は、この画像入
力手段に入力された画像から凹部を検出するための谷線
検出手段と、この谷線検出手段により検出された画像に
対して、適宜の動径方向に画素の濃度を計算するための
動経方向画素濃度検出手段と、この動経方向画素濃度検
出手段により得られたデータを微分し、微係数の符号が
変化する部分を調べることにより、尾根を検出するため
の尾根線検出手段と、この尾根線検出手段により検出さ
れた2つの尾根方向のなす角から「線らしさ」を検出す
るための「線らしさ」検出手段と、この「線らしさ」検
出手段で検出された「線らしさ」により、線画像を識別
し、前記角膜内皮細胞の外形線を識別するための線画取
り出し手段とから構成することもできる。
【0017】そして本発明の演算処理手段には、線画取
り出し手段により得られた角膜内皮細胞の外形線から面
積等を演算するための形状演算手段を備えることもでき
る。
【0018】また本発明の角膜内皮細胞計測方法は、角
膜内皮を撮像した画像信号を取り込む第1工程と、この
第1工程で入力された画像から尾根線を検出する第2工
程と、第2工程で検出された2つの尾根方向のなす角か
ら「線らしさ」を検出する第3工程と、第3工程で検出
された「線らしさ」により、前記角膜内皮細胞の外形線
を識別する第4工程とから構成されている。
【0019】更に本発明の角膜内皮細胞計測方法は、角
膜内皮を撮像した画像信号を取り込む第1工程と、この
第1工程で入力された画像から凹部を検出することによ
り谷線を検出する第2工程と、第2工程で検出された画
像に対して、適宜の動径方向に画素の濃度を計算する第
3工程と、第3工程で得られたデータを微分し、微係数
の符号が変化する部分を調べることにより、尾根を検出
する第4工程と、第4工程で検出された2つの尾根方向
のなす角から「線らしさ」を検出する第5工程と、第5
工程で検出された「線らしさ」により、線画像を識別
し、前記角膜内皮細胞の外形線を識別する第6工程とか
ら構成することもできる。
【0020】そして本発明の角膜内皮細胞計測方法は、
第6工程で得られた角膜内皮細胞の外形線から面積等を
演算する第7工程を備えることもできる。
【0021】
【作用】以上の様に構成された本発明は、画像入力手段
が、角膜内皮を撮像した画像信号を取り込み、演算処理
手段が、画像入力手段に入力された画像から、角膜内皮
細胞の外形線を識別し、面積等を演算する様になってい
る。この演算処理手段は、尾根線検出手段が尾根線を検
出し、「線らしさ」検出手段が、尾根線検出手段により
検出された2つの尾根方向のなす角から「線らしさ」を
算出する様になっており、「線らしさ」検出手段で検出
された「線らしさ」により、角膜内皮細胞の外形線を識
別することができる。
【0022】また本発明の演算処理手段は、谷線検出手
段が画像入力手段に入力された画像から凹部を検出し、
動経方向画素濃度検出手段が、谷線検出手段により検出
された画像に対して、適宜の動径方向に画素の濃度を計
算し、尾根線検出手段が、動経方向画素濃度検出手段に
より得られたデータを微分し、微係数の符号が変化する
部分を調べることにより、尾根を検出し、「線らしさ」
検出手段が、尾根線検出手段により検出された2つの尾
根方向のなす角から「線らしさ」を検出し、線画取り出
し手段が、「線らしさ」検出手段で検出された「線らし
さ」により、線画像を識別し、前記角膜内皮細胞の外形
線を識別することができる。
【0023】そして本発明の演算処理手段に備えられた
形状演算手段が、線画取り出し手段により得られた角膜
内皮細胞の外形線から面積等を演算することができる。
【0024】そして本発明の角膜内皮細胞計測方法は、
角膜内皮を撮像した画像信号を取り込み、取り込まれた
画像から尾根線を検出し、検出された2つの尾根方向の
なす角から「線らしさ」を検出し、「線らしさ」によ
り、角膜内皮細胞の外形線を識別することができる。
【0025】更に本発明の角膜内皮細胞計測方法は、角
膜内皮を撮像した画像信号を取り込み、取り込まれた画
像から凹部を検出して谷線を検出し、検出された画像に
対して、適宜の動径方向に画素の濃度を計算し、この計
算データを微分し、微係数の符号が変化する部分を調べ
ることにより、尾根を検出し、2つの尾根方向のなす角
から「線らしさ」を検出し、「線らしさ」により線画像
を識別して、角膜内皮細胞の外形線を識別することがで
きる。
【0026】そして本発明の角膜内皮細胞計測方法は、
角膜内皮細胞の外形線から面積等を演算することもでき
る。
【0027】
【実施例】
【0028】本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0029】図1は本実施例の角膜内皮細胞計測装置1
の構成を示すものである。角膜内皮細胞計測装置1は、
画像入力インターフェース11と、AD変換器12と、
フィールドメモリ13と、演算処理手段14とから構成
されている。
【0030】画像入力インターフェース11は、角膜内
皮を撮像した画像信号を取り込むための画像入力手段に
該当するもので、撮像手段20が接続されている。撮像
手段20は、本実施例ではCCDカメラが採用されてい
るが、角膜内皮を撮像することができる撮像手段であれ
ば、何れのものを採用することもできる。なお、角膜内
皮を写真撮影し、この写真画像を画像信号に変換するシ
ステムとすることもできる。画像入力インターフェース
11は、撮像手段20の出力信号がNTSCコンポジッ
ト信号である場合には、輝度信号を取り出しDCレベル
の変動を防止するクランプ回路や、同期信号を分離する
ための同期分離回路等が内蔵されている。
【0031】A/D変換器12は、輝度信号をディジタ
ル化するためのものであり、輝度信号の黒レベルから白
レベルまでをA/D変換する様になっている。
【0032】フィールドメモリ13は、A/D変換器1
2によりディジタル化された画像信号を記憶するための
ものである。
【0033】演算処理手段14は、画像信号から角膜内
皮細胞の外形線を識別し、面積等を演算するためのもの
である。本実施例の演算処理手段14は図2に示す様
に、谷線検出手段141と、動経方向画素濃度検出手段
142と、尾根線検出手段143と、線らしさ検出手段
144と、線画取り出し手段145と、形状演算手段1
46とから構成されている。
【0034】谷線検出手段141は、画像入力インター
フェース11に入力された画像から凹部を検出するため
のものである。動経方向画素濃度検出手段142は、適
宜の動径方向に画素の濃度を計算するためのものであ
る。尾根線検出手段143は、動経方向画素濃度検出手
段142により得られたデータを微分し、微係数の符号
が変化する部分を調べることにより、尾根を検出するた
めのものである。
【0035】「線らしさ」検出手段144は、尾根線検
出手段143により検出された2つの尾根方向のなす角
から「線らしさ」を検出するためのものである。線画取
り出し手段145は、「線らしさ」検出手段144で検
出された「線らしさ」により、線画像を識別し、線画を
取り出すためのものである。形状演算手段146は、線
画取り出し手段145により得られた角膜内皮細胞の外
形線から面積等を演算するためのものである。
【0036】演算処理手段14はCPUを含む電子計算
機等から構成されており、谷線検出手段141と、動経
方向画素濃度検出手段142と、尾根線検出手段143
と、線らしさ検出手段144と、線画取り出し手段14
5と、形状演算手段146とは、演算処理手段14に記
憶されたプログラムにより実行される。
【0037】出力手段30は、演算処理手段14の演算
結果を表示するためのものであり、形状演算手段146
で算出された角膜内皮細胞の面積等を表示することがで
きる。出力手段30には、ディスプレイ装置やプリンタ
ー等を適用することができる。
【0038】次に図3に基づいて、本実施例の作用を説
明する。
【0039】まず画像処理を行うに当り、前処理を行う
必要がある。ステップ1(以下、S1と略する。)で処
理を開始し、S2で平滑化処理を行う。本実施例の平滑
化処理は、5*5のメディアンフィルタが採用されてお
り、原画像に含まれるCCDカメラ等の電気的ノイズに
起因するスパイクノイズ等が除去される。なおメディア
ンフィルタに限らず、移動平均を使用することも可能で
ある。このS1とS2は演算処理手段14内の前処理プ
ログラムで実行される。
【0040】次にS3では、演算処理手段14内の谷線
検出手段141により、谷線検出を行う。ここで谷線検
出とは、原画像の凹部を検出するためのフィルタであ
る。この処理を図4と図5に基づいて詳細に説明する
と、まず5*5の微分操作がx方向、y方向にそれぞれ
別々に2回施される。第1回目の微分操作は、図4のx
とyの両方向について、シグマ(Cn−bn)によって計
算する(なおシグマは、総和記号である)。そしてx方
向とy方向の2回微分値を加えたものを画素の凹部の程
度とする。この方法は、角膜細胞画像の細胞壁部分を抽
出するのに適しており、最後に計算値を0から255の
範囲の値に修正する様になっている。この結果は図5に
示す通りである。
【0041】なおS3の谷線検出の後には、対象処理画
像となるのは原画像でなく、谷線検出フィルターを通過
した画像(I)である。この画像(I)は、谷線検出フ
ィルターの検出能力の限りで最も谷線らしいとされた画
素の値が255となり、最も谷線らしくないとされる画
素の値が0となる。従って谷線の部分だけが白く浮き上
がった画像となる。
【0042】そしてS3の谷線検出の後には、S4に進
み、2値化を行う。この2値化は、まず原画像の画素の
濃度の平均値を求め、その平均値に適宜の値を加えて閾
値とする様になっている。本実施例においては、前処理
であるから、細胞壁候補として多くのサンプルを残す必
要があり、平均値から20を引いて閾値としている。次
のS5は対象画素粗抽出であり、処理対象画素を閾値よ
りも大きな細胞壁候補群だけに絞る様になっている。
【0043】以上の様にS1からS5により、前処理が
完了する。
【0044】次に細胞壁の外形を抽出する処理に入る。
まずS6では動経方向画素濃度検出手段142が、各対
象画素につき方向別に濃度分布を計算する。即ち図6に
示す様に、注目画像を中心として24方向の動径上で、
半径rから半径Rまでの範囲に含まれる画素の濃度値の
平均値を算出する。このデータを得るべき点は、通常、
整数にならず小数になっている。そして周囲の4画素の
値からラグランジュ補間法を用いて各場所のデータを演
算し、24個の演算値を得る様になっている。このS6
で得られたデータを縦軸にとり、方向を横軸にとってグ
ラフ化すれば、例えば図7の様になる。なお、このデー
タには、細胞壁の濃度差の他にも多数の細かい上下動が
含まれている。
【0045】そこでS7では動経方向画素濃度検出手段
142が、S6で得られた全方向濃度平均に対して、該
当方向と、その前後の各2方向との合計5方向の平均を
演算し、微小な変動を減少させる。
【0046】更にS8では尾根線検出手段143が、S
7で得られた各データを方向に関して微分し、S9に進
んで、この微係数が正の値から負の値に変化する部分を
調べて尾根とし、その方向を尾根方向として記録する。
【0047】次にS10では尾根線検出手段143が、
記録された尾根方向の個数を調べ、S11で尾根の数が
2本であるか否かを判断する。S10で尾根の数が2本
であれば、その場所を線とみなしてS11に進む。S1
0で尾根の数が2本でない場合には、S6に戻る様にな
っている。
【0048】S11では線らしさ検出手段144が、S
9で線と見なした画素のみについて、第1次の線らしさ
を計算する。なお「線らしさ」の指標は、その画素の有
する2つの尾根方向のなす角度である。
【0049】即ちS6からS11は、S1からS5の前
処理で処理対象画像として残った画素に対して、24方
向の線検出フィルターをかけることにより、2つの尾根
方向のなす角を求めたものである。ここで「線の方向」
に関して、2つの方向が、ある角度aをなすとは、角度
360度−aをなることと同値である。そこで、180
度よりも大きい角度については、360度から引くこと
により180度以下の角度で表示すると、図8に示す様
に165度となる場合が最も多く、60度以下の角度を
なす画素は存在していない。更に180度以外の角度に
ついては、180度より大きいものと、180度よりも
小さいものと2つが存在しているため、2倍の個数とな
っている。即ち実際の画像の線部分では、線の中央に最
も「線らしい部分」があり、その両側に2本ずつ、同じ
「線らしさ」の場所が並んでいることになる。そこで1
65度以下のデータを2で除して、この値を図8に表示
すれば、点線の様になる。従って「線らしさ」を判断す
るには、図8の点線を用いて適当であるか否かを判断す
ればよい。
【0050】ここで、フィルターの角度検出能力を詳細
に説明する。このフィルターは、2つの方向の角度の差
を計算するために、所定の角度から開始し、検出すべき
2つの方向を順次演算し、この2つの角度の差を計算す
る様になっている。従って、例えば角度が165度の場
合には、195度と計算される場合が11通りあり、1
65度と計算される場合が13通り存在する。これを一
般式で表せば、
【0051】角度=180−15xN (度)
【0052】の時には、
【0053】180+15xN (度) となる場合
が、(12−N)個存在し、
【0054】180−15xN (度) となる場合
が、(12+N)個存在する。
【0055】従って、180度に対して非対称に検出さ
れるが、このフィルターにおいては、165度と195
度とを区別することに意味はない。このため、180度
以上の角度についても合わせて表示したものである。
【0056】本実施例においては図8の点線の部分を直
線で近似し、比例関係により、角度と「線らしさ」を対
応つける。従って、180度の場合が最も「線らしく」
なり、180度から離れるに従って「線らしさ」は低く
なり、90度において「線らしさ」は0となる。
【0057】以上の様にS11で、線らしさ検出手段1
44が第1次「線らしさ」を計算した後、S12に進
み、線らしさ検出手段144が、更に第2次「線らし
さ」を演算する様になっている。S12の第2次「線ら
しさ」は、S11の第1次「線らしさ」と画像(I)の
画素値とから、最終的な「線らしさ」を求めるものであ
る。S11で計算された第1次「線らしさ」は、真の細
胞壁で良好な結果をもたらすと同時に、細胞壁以外の場
所でも「線らしさ」が高くなる場合がある。細胞壁以外
の場所でも「線らしさ」が高くなることを防止するため
に、画像(I)の値を掛けた後、適当に規格化すると良
好な結果を得ることができる。
【0058】以上の様にS12までの工程で、画像の線
部分が識別されたので、S13からS20までの工程で
線画取り出し手段145が、線画として抽出する。
【0059】まずS13からS15では線画取り出し手
段145が、弛緩法により濃度の大きく異なる部分を修
正する。即ち、S13では、画像の平均値から各画素の
ずれpを計算し、このpを初期値と設定する。なお、ず
れpは、0から1の小数となる様に規格化しておく。次
にS14では、周囲の画素との整合性をチェックする。
本実施例では、近傍の合計8画素でpの平均値を取り、
この値をqとする。このqも0から1の小数である。そ
してS15に進んで、新しいp’を下記の式により算出
する。
【0060】p’=(p*q)/((p*q)+((1
−p)*(1−q)))
【0061】第1式
【0062】ここで、第1式の特性を説明すると、この
式のpとqとは完全に対称である。いまpが0の時、新
しいp’は、qの値と無関係に0となる。またpが1の
場合にもp’は、qの値と無関係に1となる。更にpが
0.5の場合には、p’はqの値となる。この結果、p
あるいはqが線であるか否かがはっきりしない場合に
は、自分以外のデータを参考に自分の画素の属性を決定
していくことができる。
【0063】以上の様にS13からS15までの操作を
適宜の回数Nだけ繰り返せば、周囲から孤立した濃度を
有する画素が取り除かれ、細胞壁の部分が滑らかに連結
される。本実施例では、N=3として3回繰り返す様に
設定されており、S17で3回繰り返したか否かを判断
し、3回未満の場合には、S14に戻り、3回繰り返し
た後には、S18に進む様になっている。
【0064】S18では2値化を施しS19で線画取り
出し手段145が、細線化を行って線画を取り出す様に
なっている。S18の2値化の閾値は、本実施例では画
像の平均値となっている。S19の細線化は、細胞の境
界線がさまざまな幅を有しているので、これを幅1画素
の線まで縮退させるものである。細線化は幾何学的特徴
(連結状態や交差状態)を保存したままで実施され、線
が短くなったり、点になることがない様になっている。
【0065】S19で細線化が行われた後、S20で形
状演算手段146が、細胞の面積等を演算する様になっ
ている。なお細胞壁は、連続した線から構成されている
ので、適宜の計算手段により面積等を演算することがで
きる。
【0066】以上の様に構成された本実施例は、角膜内
皮細胞等の面積を簡便かつ高精度に演算することができ
る。
【0067】図9は、従来のコントラストによる画像処
理により得られた角膜内皮細胞であり、その精度は8
7.5%程度に過ぎない。図10は本実施例の画像処理
により得られた角膜内皮細胞である。本実施例の角膜内
皮細胞計測結果は誤認識がわずか1ヵ所であり、精度が
99.1%にも達しており、誤認識が極めて少ないとい
う効果がある。
【0068】
【効果】以上の様に構成された本発明は、角膜内皮を撮
像した画像信号を取り込むための画像入力手段と、この
画像入力手段に入力された画像から、前記角膜内皮細胞
の外形線を識別するための演算処理手段とからなってお
り、この演算処理手段は、尾根線を検出するため尾根線
検出手段と、この尾根線検出手段により検出された2つ
の尾根方向のなす角から「線らしさ」を算出するための
「線らしさ」検出手段とを備えており、「線らしさ」検
出手段で検出された「線らしさ」により、前記角膜内皮
細胞の外形線を識別する様に構成されているので、画像
中の細胞壁に固有の線の形態を認識することができ、こ
れにより細胞壁を決定することができるので、角膜内皮
細胞の誤認識を極めて少なくすることができるという効
果がある。
【0069】特に本発明は、線の方向と「線らしさ」と
を定義計算しているので、希弱な細胞壁データ部分を、
細胞壁として正しく認識し、ノイズデータを確実に除去
することができるという卓越した効果がある。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す図である。
【図2】本実施例の演算処理手段14の構成を説明する
図である。
【図3】本実施例の作用を説明する図である。
【図4】本実施例の谷線検出の原理を説明する図であ
る。
【図5】本実施例の谷線検出を説明する図である。
【図6】本実施例の動経方向の画素濃度検出を説明する
図である。
【図7】本実施例の動経方向の平均画素濃度を説明する
図である。
【図8】本実施例の「線らしさ」を説明する図である。
【図9】従来のコントラストによる画像処理により得ら
れた角膜内皮細胞を示す図である。
【図10】本実施例により得られた角膜内皮細胞を示す
図である。
【符号の説明】
1 角膜内皮細胞計測装置 11 画像入力インターフェース 12 A/D変換器 13 フィールドメモリ 14 演算処理手段 141 谷線検出手段 142 動経方向画素濃度検出手段 143 尾根線検出手段 144 線らしさ検出手段 145 線画取り出し手段 146 形状演算手段 20 撮像手段 30 出力手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角膜内皮を撮像した画像信号を取り込む
    ための画像入力手段と、この画像入力手段に入力された
    画像から、前記角膜内皮細胞の外形線を識別するための
    演算処理手段とからなっており、この演算処理手段は、
    尾根線を検出するため尾根線検出手段と、この尾根線検
    出手段により検出された2つの尾根方向のなす角から
    「線らしさ」を算出するための「線らしさ」検出手段と
    を備えており、「線らしさ」検出手段で検出された「線
    らしさ」により、前記角膜内皮細胞の外形線を識別する
    角膜内皮細胞計測装置。
  2. 【請求項2】 角膜内皮を撮像した画像信号を取り込む
    ための画像入力手段と、この画像入力手段に入力された
    画像から、前記角膜内皮細胞の外形線を識別するための
    演算処理手段とからなっており、この演算処理手段は、
    この画像入力手段に入力された画像から凹部を検出する
    ための谷線検出手段と、この谷線検出手段により検出さ
    れた画像に対して、適宜の動径方向に画素の濃度を計算
    するための動経方向画素濃度検出手段と、この動経方向
    画素濃度検出手段により得られたデータを微分し、微係
    数の符号が変化する部分を調べることにより、尾根を検
    出するための尾根線検出手段と、この尾根線検出手段に
    より検出された2つの尾根方向のなす角から「線らし
    さ」を検出するための「線らしさ」検出手段と、この
    「線らしさ」検出手段で検出された「線らしさ」によ
    り、線画像を識別し、前記角膜内皮細胞の外形線を識別
    するための線画取り出し手段とから構成された角膜内皮
    細胞計測装置。
  3. 【請求項3】 演算処理手段には、線画取り出し手段に
    より得られた角膜内皮細胞の外形線から面積等を演算す
    るための形状演算手段が備えられている請求項2記載の
    角膜内皮細胞計測装置。
  4. 【請求項4】 角膜内皮を撮像した画像信号を取り込む
    第1工程と、この第1工程で入力された画像から尾根線
    を検出する第2工程と、第2工程で検出された2つの尾
    根方向のなす角から「線らしさ」を検出する第3工程
    と、第3工程で検出された「線らしさ」により、前記角
    膜内皮細胞の外形線を識別する第4工程とから構成され
    た角膜内皮細胞計測方法。
  5. 【請求項5】 角膜内皮を撮像した画像信号を取り込む
    第1工程と、この第1工程で入力された画像から凹部を
    検出することにより谷線を検出する第2工程と、第2工
    程で検出された画像に対して、適宜の動径方向に画素の
    濃度を計算する第3工程と、第3工程で得られたデータ
    を微分し、微係数の符号が変化する部分を調べることに
    より、尾根を検出する第4工程と、第4工程で検出され
    た2つの尾根方向のなす角から「線らしさ」を検出する
    第5工程と、第5工程で検出された「線らしさ」によ
    り、線画像を識別し、前記角膜内皮細胞の外形線を識別
    する第6工程とから構成された角膜内皮細胞計測方法。
  6. 【請求項6】 第6工程で得られた角膜内皮細胞の外形
    線から面積等を演算する第7工程を備えた請求項6記載
    の角膜内皮細胞計測方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003015623A3 (de) * 2001-08-09 2003-08-07 Rhine Tec Ges Fuer Virtuelle I Verfahren und vorrichtung zur kontaktlosen gewinnung von bildern der kornea
JP2006280456A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Topcon Corp 角膜内皮細胞画像処理装置
JP2007310231A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Hamamatsu Photonics Kk 画像取得装置、画像取得方法、及び画像取得プログラム
JP2008237238A (ja) * 2007-03-23 2008-10-09 Topcon Corp 光画像計測装置、画像処理装置及びプログラム
JP2017221555A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 学校法人同志社 角膜内皮細胞品質評価支援システム

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