JP4991278B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、手書き文字、繊維や毛髪、染色した細胞の遺伝子などのように複数の線要素が交差したり接触したりしている線状図形の画像を用い、画像処理技術を用いて線状図形を解析することにより線状図形から線要素を抽出する画像処理装置に関するものである。
一般に、線要素からなる線状図形には文字以外に種々の図形があるが、説明が容易であるから線状図形として文字を対象にする。線状図形としての文字を認識する技術としては、印刷文字のような定形の文字について、パターンマッチングにより一致度を評価する技術と、手書き文字のように不定形の文字について、線要素に分解し線要素の種類、組み合わせ、位置関係などを評価する技術とが主として用いられている。
パターンマッチングの技術により文字を認識する場合の典型的な構成を図13に示す。
図13に示す構成では、認識対象となる文字20が表記された対象物10を撮像するTVカメラ(以下、「カメラ」と略称する)11と、カメラ11から出力された映像信号をデジタル画像に変換するデジタル画像生成装置12と、デジタル画像生成装置12から出力される濃淡画像を格納する記憶装置13と、記憶装置13に格納された濃淡画像に対してパターンマッチングなどの画像処理を施すことにより文字20の種類を認識する画像処理装置14とを備える。
デジタル画像生成装置12は、カメラ11から出力された映像信号をサンプリングすることにより、サンプリング値を二次元正方格子状に配列した各画素に割り当て、各画素の画素値をサンプリング値の強度を量子化した値とすることにより、映像信号から濃淡画像を生成する。たとえば、明度のもっとも低い画素値を0とし、明度のもっとも高い画素値を255として、各画素に8ビットの画素値を割り当てると、いわゆる8ビットラスタ形式の濃淡画像になる。濃淡画像は記憶装置13に格納され、画像処理装置14は記憶装置13から濃淡画像を読み出して以下に説明する画像処理を施すことにより文字20を認識する。
画像処理装置14はマイクロコンピュータを主構成要素としており、画像処理を実行するためのプログラムに従って動作しており、プログラムの実行に必要な各種パラメータも設定されている。図示例ではデジタル画像生成装置12および記憶装置13を画像処理装置14とは別に設けているが、画像処理装置14に内蔵することも可能である。記憶装置13は、濃淡画像の蓄積のために大容量かつ安価であるハードディスク装置を用いるが、濃淡画像に対する画像処理を施す際には高速にアクセスすることのできる半導体メモリを用いる。図13に示した構成において、対象物10に表記された文字20を認識する目的であれば、カメラ11とデジタル画像生成装置12とを用いる代わりにイメージスキャナを用いることも多い。
ここでは、記憶装置13に格納された濃淡画像が図14に示す線状図形C1を含んでいる場合を例として説明する。図14に示す線状図形C1は、筆記具で「さ」と書いた紙を対象物10としてカメラ11で撮像することにより得られた濃淡画像である。
この線状図形C1を人が認識する場合には、この線状図形C1が、図15に示すように、始点sp1から終点ep1に至る線要素L1と、始点sp2から交差点jp1で線要素L1と交差して終点ep2に至る線要素L2と、始点sp3から終点ep3に至る線要素L3との3本の線要素L1〜L3により構成されていることをただちに知覚する。そして、各線要素L1〜L3の種類(形状)、組み合わせ、位置関係などの情報を用いて、この線状図形C1がひらがなの「さ」であることを認識する。
このような人による認識の手順を画像処理装置14においても利用すれば、文字20の認識が可能になると考えられる。そこで、対象物10の画像をカメラ11やイメージスキャナで取り込む代わりに、ペンタブレットなどにより手書き文字を入力させ、入力時の書き順の情報(「ストローク情報」という)も併せて用いることにより線要素L1〜L3の抽出を行うことが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。
ストロークの情報が得られると、線状図形C1から線要素L1〜L3同士の交差や分岐の情報(トポロジ)を正しく認識することができ、線要素L1〜L3の抽出精度が高くなる。ただし、ペンタブレットなどで書いている文字20の読取(「オンライン文字読取」という)ではストローク情報を容易に取得できるが、すでに書かれている文字20の読取(「オフライン文字読取」という)ではストローク情報を実時間で取得することはできない。
そこで、オフライン文字読取においては画像内の線状図形C1に画像処理を施すことによりストローク情報を推定し、得られたストローク情報を用いて線状図形C1から線要素L1〜L3を抽出することが考えられている(たとえば、特許文献2、特許文献3参照)。以下ではストローク情報を推定し、線状図形Cから線要素L1〜L3を抽出する技術について説明する。
図14に示すように対象物10を撮像することにより得られた線状図形C1は、各線要素L1〜L3が1画素よりも大きい幅を有している。線要素L1〜L3を抽出する際にはまず幅の情報を除去するために、各線要素L1〜L3の幅を1画素にする細線化を行う。図14に示す線状図形C1を細線化する際には図15に示すような図形が得られるように細線化するのが望ましい。
細線化の処理には種々の方法が考えられているが、一般にはスケルトン抽出と呼ばれる方法が広く採用されている。スケルトン抽出では、まず、濃淡画像に対して線状図形C1の範囲内の適宜の画素値を閾値とし、閾値よりも暗い画素値を持つ画素に0を割り当てるとともに、閾値以上の画素値を持つ画素に1を割り当てることによって、濃淡画像から二値画像を生成する。二値画像では、線状図形C1に含まれる画素の画素値が1になる。
次に、二値画像において、画素値が1である画素(以下、「明画素」という)のうち画素値が0である画素(以下、「暗画素」という)と接触する画素であって、明画素を暗画素に置き換えても明画素の連結性を破壊しない明画素を0にしていく処理を繰り返す。明画素を暗画素に置き換えることにより、残される明画素が徐々に減少し、線状図形C1が周部から順に削り取られることによって、最終的に1画素の幅を有したスケルトン(芯線)が抽出される。図14の線状図形C1についてスケルトン抽出を行うと、図16に示すようなスケルトン図形C2が抽出される。
上述したスケルトン抽出を行うと、図16に示しているように、図15において線要素L1と線要素L2とが交差している部位(図15における交差点jp1)の近傍で線要素L1が不連続になり、1本として抽出されるべき線要素L1が2本の線要素L1a,L1bに分断されることがある。この原因は、図14に示す線状図形C1において線要素L1と線要素L2との交差点に対応する部位が他の部位よりも太いために、芯線に偏りが生じるからである。つまり、2本の線要素L1a,L1bが線要素L2に対してそれぞれT字状をなす形で接触しており、1個の交差点jp1を有する芯線が2個の交差点を有する芯線と誤認され、線状図形C1のトポロジを正しく認識することができなくなる。
これは、上述したスケルトン抽出の技術は、線状図形C1の輪郭からもっとも遠い画素の集合を抽出しているだけであって、トポロジの抽出を考慮していないからである。
特許第3471942号公報 特許第2798402号公報 特開2002−334301号公報
上述したように、特許文献1に記載した技術はオンライン文字読取に対応した技術であり、オフライン文字読取には適用することができない。また、特許文献2、特許文献3に記載された技術では、オフライン文字読取の場合にもストローク情報を推定することが可能であるが、ストローク情報を推定するためにスケルトン処理による細線化を行うと、線幅の広い線状図形や、インクのにじみによって線幅が変化する線状図形や、輪郭が滑らかに連続していない線状図形において、トポロジを正しく抽出することができず、線要素を正しく抽出することができない場合が生じる。
上述の説明では文字認識の場合を取り上げたが、繊維や毛髪が重なり合った画像から各繊維や毛髪を個別に抽出する場合や、染色した細胞の遺伝子の画像から各遺伝子を個別に抽出する場合においても同様の問題が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、画像内の線状図形に対して細線化を行わずに線要素を検出し、交差や接触と線要素の連続性とを評価することによって、ひとつながりの線要素を誤りなく抽出することを可能にした画像処理装置を提供することにある。
請求項1の発明は、複数の線要素で構成される線状図形の画像から線要素を個々に分離する画像処理装置であって、コンピュータを、画像において線状図形が占める領域を塊領域として切り出す塊領域抽出手段と、塊領域の内側において互いに離間した複数の参照点を配置するとともに互いに他の参照点同士を連結した連結線分のうち塊領域の内側のみを通る連結線分で連結される参照点の一つの組合せをグループ候補としすべての参照点をいずれかのグループ候補に対応付ける参照点グルーピング手段と、参照点のうち複数のグループ候補に対応付けられる参照点を特異点として検出する特異点検出手段と、グループ候補と特異点との位置関係を用いて参照点の点列の連続性を評価し線要素に一対一に対応する参照点グループを抽出する線要素抽出手段として用いることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記線要素抽出手段は、抽出した参照点グループに含まれる参照点を用い、線要素の端点となる参照点を求めるとともに、屈曲点と分岐点と交差点とのいずれかに対応する参照点の有無を判定することを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記参照点グルーピング手段は、前記塊領域の芯線を求めた後、前記参照点を芯線の上に配置することを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記参照点グルーピング手段は、前記塊領域の輪郭線を求めた後、前記参照点を輪郭線の内側であって輪郭線から規定した距離に配置することを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1ないし請求項3の発明において、前記線要素抽出手段により求めた参照点グループごとの参照点を用いて前記塊領域を構成する線要素について、長さと最大幅と平均幅と面積と周囲長と重心座標と平均輝度との少なくとも一つの特徴量を計測する特徴量計測手段が付加されていることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項5の発明において、前記特徴量計測手段は、前記参照点グループごとに参照点を通り前記塊領域の輪郭線に達する最短の線分を求め、当該線分の各端を連結した多角形と当該線分を直径とする円の共通接線を連結した多角形との一方を前記線要素を近似した疑似線要素とし、疑似線要素について前記特徴量を求めることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項5または請求項6の発明において、前記特徴量計測手段は、前記参照点グループごとに参照点を通り前記塊領域の輪郭線に達する最短の線分を求め、当該線分を直径とする円の中心を求めるとともに、円の中心を結ぶ線を塊領域の芯線とすることを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、線状図形の画像から抽出した塊領域の内側に複数の参照点を設定し、一つの塊領域の内側に存在することが確認できる参照点についてほぼ直線上に配列されている参照点ごとにグループ候補としてグループ化し、複数のグループ候補で共用される参照点あるいは複数のグループ候補を結合する参照点を、線状図形における交差点、分岐点、屈曲点などに相当する特異点として検出し、グループ候補と特異点との位置関係を用いて、適宜にグループ候補の統合を行うことで、線要素に一対一に対応する参照点グループを求めている。つまり、ひとつながりになる線要素が抽出される。したがって、線幅の大きい線状図形であっても、トポロジを正確に検出してひとつながりの線要素を誤りなく検出することが可能になる。
請求項2の発明の構成によれば、線要素の端点となる参照点を求め、また屈曲点、分岐点、交差点となる参照点の有無を判定するから、線要素の関係からトポロジ情報を求めることができ、手書き文字の認識に用いる場合には認識精度を向上させるために必要なトポロジ情報を取得することができる。
請求項3の発明の構成によれば、線状図形のトポロジ情報を含んでいる芯線の上に参照点を配置することにより、少ない個数の参照点でも線要素に一対一に対応する参照点グループを抽出することができる。
請求項4の発明の構成によれば、芯線を求める処理に時間がかかるような線幅の大きい線状図形であっても参照点を容易に配置することができるから、線幅の大きい線状図形に対して参照点を配置する場合には、芯線を求める場合に比較して処理負荷を軽減することが可能になる。
請求項5の発明の構成によれば、画像を用いて線状図形の特徴量が可能になる。したがって、毛髪や繊維などの長さや幅を計測する用途に用いることができる。
請求項6の発明の構成によれば、線要素を近似した疑似線要素を設定して特徴量を求めるので、線要素が交差する部位のように線幅を規定するのが難しい部位であっても(図11の疑似線要素u1′,u2′の交差部位など)線要素の線幅を求めることができる。
請求項7の発明の構成によれば、輪郭線に沿って配置した円の中心を芯線としているから、線状図形のトポロジを損なうことなく線要素ごとの芯線を求めることができる。
本実施形態で用いる装置は、図13に示した従来構成と同様であって、従来構成との相違点は画像処理装置14の構成にあるので、以下では、画像処理装置14についてのみ説明する。また、紙のような対象物10に表記された手書き文字のような文字20を認識する場合を例として説明する。
本実施形態の画像処理装置14は、図1に示すように、記憶装置13に格納された濃淡画像から線状図形が占める領域を塊領域として切り出す塊領域抽出手段1を備える。塊領域抽出手段1で切り出された塊領域は、参照点グルーピング手段2に引き渡され、参照点グルーピング手段2では、塊領域の内側において互いに離間した複数の参照点を設定する。参照点グルーピング手段2は、設定した各参照点をそれぞれ互いに連結した連結線分を生成し、塊領域の内側だけを通る連結線分により連結された参照点の組合せのうち後述する条件を満たす参照点を同じ線要素に含まれる可能性のある参照点とみなす。線要素に対応する参照点のグループを参照点グループ(後述する)と呼び、参照点グループの候補となる参照点のグループをグループ候補と呼ぶ。なお、グループ候補は1個の参照点のみを含む場合もある。参照点グルーピング手段2では、すべての参照点をいずれかのグループ候補に分類する。
画像処理装置14には、参照点グルーピング手段2で分類されたグループ候補について、複数のグループ候補で互いに対応付けが可能な参照点を特異点として検出する特異点検出手段3が設けられ、さらに、各グループ候補と特異点との位置関係に基づいて、交差や接触(分岐)と参照点の点列の連続性(つまり、線要素の連続性)を評価する線要素抽出手段4が設けられる。線要素抽出手段4では、滑らかにつながる参照点の点列を線状図形として抽出する。
以下では、画像処理装置14の各手段について、さらに詳しく説明する。
(塊領域抽出手段)
塊領域抽出手段1は、図2に示すように、濃淡画像から線状図形C1を形成する塊領域rb1,rb2を抽出する。塊領域rb1,rb2を抽出するにあたっては、濃淡画像が十分に鮮明であって、塊領域rb1,rb2の内部の画素値(明度値)と塊領域rb1,rb2以外の明度値とに十分に大きい差があるときには、単純に二値化するだけで塊領域rb1,rb2を抽出することができる。
しかしながら、たとえば、対象物10に照度むらが生じている場合、文字20に濃度にむらがある場合、背景に模様がある場合などでは、単純に二値化しても塊領域rb1,rb2を抽出できないことがある。このような場合には、ソーベル(Sobel)フィルタなどを用いて濃淡画像からエッジを抽出し、連続したエッジを追跡することにより、図2に示す環状かつ十分に長いエッジcb1,cb2を探し、そのエッジcb1,cb2の内部を塊領域rb1,rb2とする。エッジを抽出して塊領域rb1,rb2の輪郭線を追跡する技術は周知であるから詳述しない。
塊領域抽出手段1では、塊領域rb1,rb2をどのような方法で抽出するかにかかわらず、塊領域rb1,rb2の内側の画素値と、外側の画素値とを異ならせることにより濃淡画像から二値画像を生成する。以下の説明では、塊領域rb1,rb2の内側の画素に1を割り当て、外側の画素に0を割り当てているものとする。
(参照点グルーピング手段)
参照点グルーピング手段2は、たとえば図3に示すように、塊領域rb1,rb2の内側の適宜位置に参照点p1〜p19を配置する。この参照点p1〜p19は、従来の技術として説明したスケルトン抽出により抽出した芯線bb1,bb2の上に適宜の間隔で配置したものである。参照点p1〜p19の距離が小さいほど線要素を誤りなく抽出することができるが、参照点p1〜p19の個数が多くなると、グループ候補を抽出する際の処理負荷が大きくなるから、実用上では検出しようとする最短の線要素の中に2個以上の参照点p1〜p19が設定される程度に参照点p1〜p19の距離を決定する。したがって、参照点p1〜p19の間隔は、対象物10に応じて人が最初に決めておく。
図3に示す例では、参照点p1〜p19を区別するために付与している数値は、画像内で上から下に向かって大きい値とし、上下位置が同じ場合には左から右に向かって大きい値に設定している。つまり、いわゆるラスタ順で数値を付与している。ここにおいて、画像内において参照点p1〜p19の座標は既知であるものとする。
上述の例では、スケルトン抽出を行って芯線bb1,bb2の上に参照点p1〜p19を設定しているが、スケルトン抽出の処理では、塊領域rb1,rb2の画素を周部から順に削り取る処理を繰り返して行うので、もっとも線幅の大きい部位の画素数の半分程度の回数だけ塊領域rb1,rb2の輪郭を探索する必要があり、文字20の線幅が大きい場合には処理負荷が極端に増大することがある。
そこで、上述のようにスケルトン処理により抽出した芯線bb1,bb2上に参照点p1〜p19を配置する代わりに、図4に示すように、塊領域rb1,rb2の輪郭線(エッジcb1,cb2)から、塊領域rb1,rb2の線幅の4分の1程度の内側の部位に参照点pn(nは正整数)を配置してもよい。つまり、エッジcb1,cb2から規定した距離に参照点pnを配置する。輪郭線cb1,cb2に沿った参照点pnの間隔は芯線bb1,bb2上に参照点p1〜p19を設定する場合と同様である。また、各参照点pnを区別するために付与する数値もラスタ順とする。
参照点グルーピング手段2では、参照点p1〜p19の設定後に、図5に示すように、各参照点p1〜p19を互いに連結する連結線分s(i,j)(i,jは連結線分で連結される参照点を表す数値)を設定する。たとえば、参照点p11から参照点p1に向かって引いた連結線分をs(11,1)と表記する。
図5に示す例では、各参照点p1〜p19について、他のすべての参照点p1〜p19に向かう連結線分s(i,j)を設定するから、19個の各参照点p1〜p19ごとに18本ずつの連結線分s(i,j)が設定される。したがって、連結線分s(i,j)の本数は向きを考慮すれば342本になるが、始点と終点とが一致する連結線分s(i,i)も含めるものとし、この連結線分s(i,i)では向きを無視するとすれば、合計で361本の連結線分s(i,j)が存在することになる。
ここで、上述したグループ候補を求めるための第1の条件として、塊領域rb1,rb2の内側のみを通る連結線分s(i,j)で連結された参照点p1〜p19の組を抽出する。連結線分s(i,j)が塊領域rb1,rb2の外側を通る場合には、連結線分s(i,j)の上に画素値が0である画素が存在するから、画素値の判断のみで各連結線分s(i,j)について条件判断を行うことができる。
たとえば、参照点p11を始点とする連結線分s(11,j)は、図5に示すように、s(11,1)、s(11,3)、s(11,12)、s(11,17)などと設定することができ、これらの3本のうちでは連結線分s(11,1),s(11,12)が塊領域rb1の内側のみを通っている。
図5に示す例について、塊領域rb1,rb2の内側のみを通る連結線分s(i,j)を○で表し、外側を通る連結線分s(i,j)を×で表わすと、表1のようになる。なお、始点と終点とが一致する連結線分s(i,i)は○になる。表1の左欄の縦列は連結線分s(i,j)が始点の参照点p1〜p19であり(つまり、参照点pi)、表1の上欄の横列が連結線分s(i,j)の終点の参照点p1〜p19である(つまり、参照点pj)。また、表1の右欄の縦列は左欄の各参照点p1〜p19を始点とするすべての連結線分s(i.j)のうち塊領域rb1,rb2の内側のみを通るものの本数を示している(つまり、横に並ぶ○の個数を表している)。以下、右欄の数値を「対応点数」と呼ぶ。
Figure 0004991278
グループ候補を求める目的は、同じ塊領域rb1,rb2の中に存在する参照点p1〜p19に分離(図9の例では、参照点p1〜p15の参照点グループ(後述する)と参照点p14〜p19の参照点グループとに分離)することであるから、表1において○に対応する連結線分s(i,j)を用いることにより、参照点グループを求める。
図5のように参照点p11を始点とする4本の連結線分s(11,1)、s(11,3)、s(11,12)、s(11,17)について評価すれば、連結線分s(11,1),s(11,12)が同じ塊領域rb1の内側のみを通っているから、参照点p1,p12は参照点p11と同じ塊領域rb1の内側に存在していると確定できる。一方、連結線分s(11,3),s(11,17)は塊領域rb1の外側を通るので、参照点p3,p17は参照点p11と同じ塊領域rb1の内側に存在しているか否かを確認できない。実際には参照点p3は参照点p11と同じ塊領域rb1の内側に存在しているが、参照点p11を始点とする連結線分s(11,j)によっては同じ塊領域rb1であることは確認できない。
上述した例から明らかなように、1つの参照点p1〜p19について当該参照点p1〜p19を始点とする連結線分s(i,j)を設定し、各連結線分s(i,j)が塊領域rb1,rb2の内側のみを通るか外側を通るかを評価すれば、各連結線分s(i,j)の始点である参照点p1〜p19と終点である参照点p1〜p19とが同じ塊領域rb1,rb2に存在するか否かを確認することができる。そこで、塊領域rb1,rb2の外側を通らない連結線分s(i,j)における両端の参照点p1〜p19を同じグループ候補とすると、塊領域rb1,rb2を分離することができる。
また、距離の離れた2個の参照点p1〜p19を連結する連結線分s(i,j)が塊領域rb1,rb2の外側を通らない場合には、当該参照点p1〜p19の間で塊領域rb1,rb2は直線状であると考えられ、両参照点p1〜p19の間に配置された参照点p1〜p19はおおむね一つの直線上に配列されていると言える。
以上の観点に基づいてグループ候補を求める方法を以下に説明する。まず、表1について対応点数の少ない参照点p1〜p12から順にグループ候補を求める。このとき、他のグループ候補に含まれる参照点p1〜p19を除いて次のグループ候補を求める。また、対応点数が同数である参照点p1〜p19が複数存在するときには、参照点p1〜p19のラスタ順でグループ候補を求める。ここで、後に求めるグループ候補では、先に求めたグループ候補に含まれる参照点p1〜p19を除去してグループ候補とする。対応点数が少ないほうから選択しているのは、後述する特異点検出手段3での処理において特異点の探索を容易にするためである。
一例として表1に基づいてグループ候補を求めると、まず参照点p15の対応点数が2で最少であるので、参照点p15について○が付与されている参照点p13,p15を第1のグループ候補とする。参照点p13,p15を除いて対応点数が次に少ないのは、参照点p14と参照点p19との4であるが、ラスタ順であるから参照点p14について○が付与されている参照点p14,p16,p17,p18を第2グループ候補とする。次に、参照点p19が選択されるが、参照点p19について○が付与されている参照点p16,p17,p18,p19のうち参照点p16,p17,p18は第2グループ候補に含まれているから、参照点p19のみを第3のグループ候補とする。
同様の処理を繰り返すと、次に選択されるのは参照点p1であって、参照点p1,p2,p5,p7,p9,p11が第4のグループ候補になり、その次に選択されるのは参照点p3であって、参照点p3,p4,p6,p8,p10が第5のグループ候補になる。最後に参照点p12が残り、参照点p12が第6のグループ候補になる。
参照点グルーピング手段2では以上の処理を行い、図5に示す例では、6個のグループ候補が求められる。第1のグループ候補は参照点p13,p15、第2のグループ候補は参照点p14,p16,p17,p18、第3のグループ候補は参照点p19、第4のグループ候補は参照点p1,p2,p5,p7,p9,p11、第5のグループ候補は参照点p3,p4,p6,p8,p10、第6のグループ候補は参照点p12をそれぞれ含むことになる。
(特異点検出手段)
上述のようにしてグループ候補が求められると、特異点検出手段3において、一つのグループ候補の参照点p1〜p19のうち他のグループ候補の参照点p1〜p19と同じ塊領域rb1,rb2に含まれている参照点p1〜p19を抽出する。つまり、2つのグループ候補を結合して一つの塊領域rb1,rb2にまとめることができる参照点p1〜p19を抽出する。以下、このような参照点p1〜p19を「特異点」と呼ぶ。特異点は交差、分岐、接触、屈曲などの生じている部位に対応していることが予想される点である。特異点検出手段3では、特異点を同じ塊領域rb1,rb2に含まれることが確認できた他のグループ候補の参照点とともに新たなグループ候補とする。
たとえば、第1のグループ候補に含まれる2個の参照点p13,p15について特異点を求めるとすると、参照点p15について同じ塊領域rb1であることが確認できるのは第1のグループ候補に含まれる参照点p13のみであるから特異点を持たないが、参照点p13は参照点p15以外に第6のグループ候補に含まれる参照点p12と同じ塊領域rb1の中に存在していることが確認できる。したがって、参照点p13は第1のグループ候補において特異点になる。そこで、特異点である参照点p13と同じ塊領域rb1に存在することが確認できた参照点p12を特異点である参照点p13とともに第7のグループ候補とする。第6のグループ候補では参照点p12が特異点になる。
第2のグループ候補については、参照点p14,p16,p17,p18のうち、参照点p16,p17,p18が第3のグループ候補の参照点p19と同じ塊領域rb2に存在しているが、3個の参照点p16,p17,p18が存在するから、参照点p19との距離がもっとも近い参照点p18を第2のグループ候補から求めた特異点とする。また、参照点p19を第3のグループ候補の特異点とする。つまり、参照点p18,p19を第8のグループ候補とする。
第4のグループ候補では参照点p1,p2,p5,p7,p9,p11のうちの参照点p7が、第5のグループ候補のすべての参照点p3,p4,p6,p8,p10と同じ塊領域rb1に存在していることが確認できるから、参照点p7を第4のグループ候補と第5のグループ候補とに共通する特異点とする。第5のグループ候補の参照点p3,p4,p6,p8,p10には参照点p7は含まれていないが、参照点p7には第5のグループ候補のすべての参照点p3,p4,p6,p8,p10と同じ塊領域rb1に存在しているから、参照点p7を第5のグループ候補の参照点として扱う。
したがって、第4のグループ候補の参照点p1,p2,p5,p7,p9,p11と第5のグループ候補の参照点p3,p4,p6,p8,p10とにおいて、同じ塊領域rb1であることが確認できる参照点p5,p6や参照点p8,p9は特異点として採用しない。また、参照点p7は1個だけ独立しているから、新たなグループ候補を設ける必要はない。
さらに、第6のグループ候補の参照点p12は第4のグループ候補の参照点p11と同じ塊領域rb1であるから、参照点p11と参照点p12とを特異点にする。つまり、参照点p11,p12を第9のグループ候補とする。
特異点をまとめると、第1のグループ候補では参照点p13、第2のグループ候補では参照点p18、第3のグループ候補では参照点p19、第4のグループ候補では参照点p7と参照点p11、第5のグループ候補では参照点p7、第6のグループ候補では参照点p12になる。また、特異点検出手段3において生成される第7のグループ候補は特異点である参照点p12,p13からなり、第8のグループ候補は特異点である参照点p18,p19からなり、第9のグループ候補は特異点である参照点p11,p12からなる。
上述のようにして求めたグループ候補ごとに参照点p1〜p19をまとめるように表1を並べ替えると表2のようになる。表2によれば対角成分を含んで正方形状に○が集合する部位がグループ候補g1〜g9になる。また、各グループ候補g1〜g9において重複している参照点p1〜p19が特異点になる。図3の形状に対応付けて表せば図6のようになる。図6において黒丸で示した参照点p7,p11,p12,p13,p18,p19が特異点になる。
Figure 0004991278
(線要素抽出手段)
特異点検出手段3により求めたグループ候補g1〜g9および特異点は、線要素抽出手段4に与えられ線要素L1〜L3が抽出される。まず、各グループ候補g1〜g9について、グループ候補g1〜g9に属する参照点p1〜p19の間の距離を求め、各グループ候補g1〜g9の中で距離が最大になる2個の参照点p1〜p19をグループ候補g1〜g9の端点として抽出する。
図6に示す例では、グループ候補g1の端点はp13,p15、グループ候補g2の端点はp14,p18、グループ候補g3の端点はp19、グループ候補g4の端点はp1,p11、グループ候補g5の端点はp3,p10、グループ候補g6の端点はp12、グループ候補g7の端点はp12,p13、グループ候補g8の端点はp18,p19、グループ候補g9の端点はp11,p12になる。
特異点検出手段3により求めた特異点が、上述のようにして抽出した端点を兼ねている場合には、当該特異点は2個のグループ候補g1〜g9を結合する部位の特異点であると言える。また、グループ候補g1〜g9に含まれる参照点p1〜p19は、それぞれほぼ直線上に並んでいるので、端点を兼ねた特異点は、トポロジの概念では屈曲点と特定することができる。屈曲点で結合されるグループ候補g1〜g9は同じ塊領域rb1,rb2を構成している。
図6に示す例ではグループ候補g1,g4,g7は参照点p12,p13を屈曲点とする一つのグループ候補を形成している。また、グループ候補g2,g3,g8は参照点p18,p19を屈曲点とする一つのグループ候補を形成し、グループ候補g4,g7,g9は参照点p11,p12を屈曲点とする一つのグループ候補を形成する。このような処理を繰り返すことにより、端点を兼用する特異点がなくなり、最終的には図7に示すように、3グループを形成することになる。このような各グループを参照点と呼ぶ。参照点グループは線要素u1〜u3に一対一に対応すると考えられる。
また、特異点がグループ候補g1〜g9の端点ではない場合には、当該特異点は分岐点または交差点と言える。すなわち、特異点が属しているグループ候補g1〜g9において端点でない場合に当該特異点は交差点であり、特異点が属するすべてのグループ候補g1〜g9において少なくとも1つのグループ候補g1〜g9で端点である場合には当該特異点は分岐点であると判断できる。
図6に示す例では、参照点p7は特異点であって、この特異点は2つのグループ候補g4,g5に属しており、しかもどちらのグループ候補g4,g5においても端点ではないので、参照点p7は交差点であると判断される。すなわち、これらのグループ候補g4,g5は互いに独立した線要素であると判断できる。また、グループ候補g4はグループ候補g1,g6,g7とは同じ塊領域rb1を構成しており、グループ候補g1,g4,g6,g7には交差点や分岐点が生じないので、図7に示すようにグループ候補g1,g4,g6,g7は線要素u1に対応した参照点グループとして抽出され、グループ候補g5は線要素u2に対応した参照点グループとして抽出される。また、グループ候補g2,g3,g8は交差点あるいは分岐点となる特異点を持たないので、他の参照点グループから独立した線要素u3に対応した参照点グループとして抽出される。
各参照点グループは、それぞれ線要素u1〜u3に対応しているから、線要素抽出手段4による上述した処理により線状図形C1を線要素u1〜u3に分解することができる。
(付加処理)
ところで、上述した例ではグループ候補について、2個のグループ候補が特異点を共有する場合について、共有される特異点が1個だけである場合を説明したが、2個のグループ候補が複数個の特異点を共有する場合もある。
たとえば、図8に示す形状の線状図形C2では、2個の参照点p5,p6がともにグループ候補g1,g2に共有される特異点になっている。図示例の特異点(参照点p5,p6)は、上述の判断方法では、参照点p5は交差点と判断され、参照点p6は屈曲点と判断される。つまり、同じグループ候補g1,g2であるにもかかわらず、異なる種類の特異点と判断されることになる。このような場合に備えて特異点の種類に優先順位を定めておき、特異点の種類を屈曲点、分岐点、交差点の順で決定する。すなわち、図8に示す例ではグループ候補g1,g2が共有する特異点(参照点p5,p6)のうち屈曲点となる参照点p6を採用し、グループ候補g1,g2を屈曲点で連結された参照点グループと判断する。つまり、図8のような線状図形C2では、ひとつながりの線要素として抽出される。
また、手書き文字のような線状図形C3では、図9(a)のように一つの塊領域となるべき部位がかすれなどにより複数個の塊領域rb1,rb2に分離されることがある。また、図9(b)のように分岐点となるべき部位が滲みなどによって特異点が交差点と判断されて交差する2個の参照点グループに分離されることもある。あるいはまた、図9(c)のように接続されるべき部位が分離されることにより一つの塊領域にならずに複数個の塊領域rb1,rb2に分離されることもある。このような場合には、線要素の正しいトポロジを抽出することができない。以下では、図9に示す各場合についてそれぞれトポロジを復元する方法について簡単に説明する。
図9(a)に示す例では、2個の参照点グループが検出され2個の線要素u1,u2が存在するかのように判断されるが、1個の線要素にまとめる必要がある。そこで、各線要素u1,u2においてそれぞれ端点となる2個の参照点p11,p12、p21,p22を通る直線k1,k2を求め、両直線k1,k2のなす角度δと、異なる線要素u1,u2において近いほうの端点となる参照点p12,p21の間の距離d0を求めて、角度δと距離d0とを評価する。角度δが規定した角度より大きく、距離d0が規定した長さより短いときに、線要素u1,u2をひとまとまりの線要素として統合する。
図9(b)に示す例では、2つの線要素u3,u4が交差していると判断されるが、両線要素u3,u4について交差点と判断された特異点cpから端点となる参照点p31,p32、p41,p42までの距離を求め、そのうち特異点cpからの距離が最短である端点となる参照点p41までの距離d1を求めて距離d1を評価する。距離d1が規定した長さより短いときには、特異点cpを分岐点ではなく分岐点と修正する。また、特異点cpを分岐点に修正するから、線要素u4において特異点cpから端点となる参照点p41まで参照点は不要であるから、特異点cpから端点となる参照点p41までの間に存在する参照点をすべて破棄し、特異点cpを線要素u4の一方の端点とする。
図9(c)に示す例では、線要素u5の端点となる2個の参照点p51,p52を結ぶ直線に対して、線要素u6の端点となる参照点p61,p62のうち線要素u5に近いほうの端点となる参照点p61から垂線を下ろしたときの垂線の長さd2を求めて長さd2を評価する。垂線の長さd2が規定した長さより短いときには、垂線の足を仮想的な分岐点bpとし、分岐点bpを各線要素u5,u6に加える。つまり、線要素u5,u6に共有される分岐点bpが付加されることにより、線要素u5,u6が、ひとまとまりの線要素として統合される。
以上説明した処理を行うことにより、線幅の比較的大きい線状図形の画像から、滑らかにつながる線要素を抽出し、かつ抽出された線要素のトポロジを解析することができる。文字認識のように線状図形のトポロジと当該線状図形を構成する線要素の長さ程度の情報が得られればよい場合は、上述した処理により対応できる。
(線状図形の計測)
上述の例では線状図形のトポロジを解析するために線要素を抽出する技術について説明したが、線要素抽出手段4により濃淡画像から検出した線要素について、特徴量を計測することが可能である。特徴量としては、長さ、最大幅、平均幅、面積、周囲長、重心座標のような幾何学的な特徴量のほか、線要素の領域に相当する部位の濃淡画像から求められる平均輝度や最大輝度も線要素の特徴量になる。特徴量を計測する場合は、特徴量計測手段(図示せず)を付加する。以下では、特徴量計測手段について説明する。
特徴量計測手段により線要素の特徴量を計測するには、まず図10に示すように、線要素を抽出するために用いた参照点p1〜p19(図7参照)のうち、複数の線要素で共有される参照点p7を除くすべての参照点p1〜6,p8〜p19について、各参照点p1〜6,p8〜p19を通り塊領域rb1,rb2の境界に達する最短の線分を求める。特異点であっても交差点でなければ除外することなく同様の線分を求める。たとえば、図7において、参照点p12,p13は特異点であるが、両参照点p12,p13は1つの線要素に含まれているので除外しない。要するに、屈曲点は除外せず、分岐点または交差点を除外する。
求めた線分は、各参照点p1〜6,p8〜p19に対応する部位での線状図形C1の線幅にほぼ一致するので、図11に示すように、各参照点p1〜p6,p8〜p19の周りに上記線分を直径とする円を規定する。このようにして設定した各円について、隣接している円同士を接線で結ぶと図11のように、線要素u1〜u3に近似した疑似線要素u1′〜u3′が得られる。
上述した処理により疑似線要素を生成すれば、線状図形を構成する線要素ごとに交差点付近における線幅の変化などに影響されずに参照点を基準点とする単純な幾何図形を用いて線状図形を近似することが可能になる。上述の例では円の接線で多角形化した疑似線要素を生成しているが、参照点ごとに設定した線分の端同士を連結した多角形を形成して疑似線要素に用いてもよい。
疑似線要素は線要素にほぼ一致しているから、各疑似線要素について特徴量を計測すれば、各線要素の特徴量を計測することができる。疑似線要素は、参照点の密度が高いほど各線要素の近似の精度が高くなり、結果的に特徴量の計測精度も高くなる。したがって、特徴量計測手段では、疑似線要素を生成する前に、線要素の抽出に用いた参照点だけではなく、特徴量を抽出するための補助的な参照点を付加するようにしてもよい。
また、疑似線要素による近似の精度を高めるには、疑似線要素を生成するために用いた円の半径を規定した一定幅だけ拡張することによって、塊領域rb1,rb2が完全に内包されるように疑似線要素を拡大し、疑似線要素の内側で塊領域rb1,rb2である領域の画素のみを対象として特徴量を求めるようにしてもよい。
図10および図11を用いて説明した例は、図3に示すように線状図形C1の芯線bb1,bb2に沿って参照点p1〜p19を配置した場合の例であるが、図4に示すように参照点p1〜p36を塊領域rb1,rb2の輪郭線cb1,cb2の近傍に配置した場合であも、同様の処理手順によって疑似線要素を生成することができる。
すなわち、図12に示すように、各参照点p1〜p36から最短距離に位置する輪郭線cb1,cb2上の画素を求めて円の直径の一端とし、当該画素と参照点とを結ぶ直線が反対側の輪郭線に到達した位置を円の直径の他端として円を設定する。以後の処理は図10および図11を用いて説明した処理と同様であり、各円の共通接線で多角形上の疑似線要素を形成する。
図12に示すように疑似線要素を生成すると、各円の中心点を結ぶ折線が線状図形の芯線を近似することになる。この芯線はスケルトン抽出の処理により求めた芯線とは異なり、線状図形のトポロジを保存した芯線になる。また、図4に示す例のように、先に芯線を求めていない場合であっても芯線を求めることができる。また、図11のように円を設定した場合には、元の線状図形に対して屈曲部位の近似を正確に行えない場合があるが(図11の右端の破線の部位が近似できない)、図12に示すように円を設定すれば、屈曲部位の近似の精度を高めることができる。
上述した技術は、手書き文字以外の線状図形にも利用できる。たとえば、毛髪や繊維の画像から個々の毛髪や繊維を分離して抽出し、毛髪や繊維の本数のほか、毛髪や繊維の個々の太さや長さのような特徴量を求めることが可能である。毛髪を例に挙げれば、毛髪の太さの平均値や単位面積あたり本数を求めることにより、脱毛の程度を診断するような用途に用いることができる。あるいはまた、染色した細胞の画像から遺伝子の形状を解析したり、人体の顔面部分の画像からシワの本数や形状を計測する場合にも利用することができる。
毛髪や繊維を対象とする分野に利用する場合には、抽出された各線要素について、線要素の形状だけではなく、線要素の太さの情報も必要である。たとえば、毛髪の画像を解析することにより脱毛の評価を行う場合には、毛髪の密度とともに毛髪の太さの平均値や、規定した太さ以上の毛髪が占める割合などを評価指標として計測する必要がある。これらの要求には、上述したように特徴量を抽出することで対応することができる。
ところで、毛髪では鋭角に屈曲した線要素が存在しないということを既知の知識として用いることができる。この種の先験的な知識を用いることができる場合には、線要素を抽出する際に、線要素を分離する条件として、線要素の交差角度などの特徴量なども併せて用いてもよい。たとえば図8に示す例では、グループ候補g1の端点となる参照点p1,p6とグループ候補g2の端点となる参照点p6,p11とに対応した連結線分s(1,6),s(11,6)がなす角度に対して規定の閾値を設定しておき、この角度が設定した閾値以下である場合には参照点p6は屈曲点ではなく「重なった端点」とみなしグループ候補g1,g2をそれぞれ独立した線要素として抽出する。つまり、線要素の抽出にあたっては抽出しようとする対象に応じて線要素を抽出する際の条件を適宜に変更する。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 同上における塊領域の概念を説明する図である。 同上における参照点の配置例を示す図である。 同上における参照点の他の配置例を示す図である。 同上における連結線分の例を示す図である。 同上におけるグループ候補の概念を示す図である。 同上における参照点グループの例を示す図である。 同上におけるグループ候補の抽出例を示す図である。 同上におけるトポロジの復元方法を説明する図である。 同上において特徴量を抽出する方法を説明する図である。 同上において特徴量を抽出する方法を説明する図である。 同上において図4に示した参照点を用いて特徴量を抽出する方法を説明する図である。 システムの構成例を示すブロック図である。 線状図形の一例を示す図である。 図14に示した線状図形の理想的な細線化の例を示す図である。 図14に示した線状図形を細線化したときの実例を示す図である。
符号の説明
1 塊領域抽出手段
2 参照点グルーピング手段
3 特異点検出手段
4 線要素抽出手段
C1 線状図形
cb1,cb2 輪郭線
g1〜g9 グループ候補
pn 参照点
rb1,rb2 塊領域
s(i,j) 連結線分
u1〜u3 線要素
u1〜u3′ 疑似線要素

Claims (7)

  1. 複数の線要素で構成される線状図形の画像から線要素を個々に分離する画像処理装置であって、コンピュータを、画像において線状図形が占める領域を塊領域として切り出す塊領域抽出手段と、塊領域の内側において互いに離間した複数の参照点を配置するとともに互いに他の参照点同士を連結した連結線分のうち塊領域の内側のみを通る連結線分で連結される参照点の一つの組合せをグループ候補としすべての参照点をいずれかのグループ候補に対応付ける参照点グルーピング手段と、参照点のうち複数のグループ候補に対応付けられる参照点を特異点として検出する特異点検出手段と、グループ候補と特異点との位置関係を用いて参照点の点列の連続性を評価し線要素に一対一に対応する参照点グループを抽出する線要素抽出手段として用いることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記線要素抽出手段は、抽出した参照点グループに含まれる参照点を用い、線要素の端点となる参照点を求めるとともに、屈曲点と分岐点と交差点とのいずれかに対応する参照点の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記参照点グルーピング手段は、前記塊領域の芯線を求めた後、前記参照点を芯線の上に配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記参照点グルーピング手段は、前記塊領域の輪郭線を求めた後、前記参照点を輪郭線の内側であって輪郭線から規定した距離に配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記線要素抽出手段により求めた参照点グループごとの参照点を用いて前記塊領域を構成する線要素について、長さと最大幅と平均幅と面積と周囲長と重心座標と平均輝度との少なくとも一つの特徴量を計測する特徴量計測手段が付加されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記特徴量計測手段は、前記参照点グループごとに参照点を通り前記塊領域の輪郭線に達する最短の線分を求め、当該線分の各端を連結した多角形と当該線分を直径とする円の共通接線を連結した多角形との一方を前記線要素を近似した疑似線要素とし、疑似線要素について前記特徴量を求めることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記特徴量計測手段は、前記参照点グループごとに参照点を通り前記塊領域の輪郭線に達する最短の線分を求め、当該線分を直径とする円の中心を求めるとともに、円の中心を結ぶ線を塊領域の芯線とすることを特徴とする請求項5または請求項6記載の画像処理装置。
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