JPH06261116A - 高周波不平衡特性評価試験器 - Google Patents

高周波不平衡特性評価試験器

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JPH06261116A
JPH06261116A JP4268493A JP4268493A JPH06261116A JP H06261116 A JPH06261116 A JP H06261116A JP 4268493 A JP4268493 A JP 4268493A JP 4268493 A JP4268493 A JP 4268493A JP H06261116 A JPH06261116 A JP H06261116A
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国主男 高木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響結合法による雑音音圧測定に代えて、受
話器端子間に生じる雑音信号を測定することにより高周
波不平衡・平衡変換による雑音可聴イミュニティ特性を
評価する高周波不平衡特性評価試験器を提供する。 【構成】 高周波印加信号発生器は、ATTを介して被
試験機器に一定振幅の正弦波による試験信号をコモンモ
ードで印加する。高周波信号検出手段は、被試験機器の
受話器端子間に生じる印加周波数と同一の非可聴高周波
信号を検出する。印加信号検出手段は、高周波信号検出
手段による高周波信号のレベルが、受話器からの雑音可
聴音圧に対応してあらかじめ定められた高周波信号の限
界レベルを越えたときの印加信号レベルを測定する。そ
して、計測制御部は、印加信号レベルと高周波信号のレ
ベルとの比を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話機などの被試験機
器に接続された通信線や電力線などのラインに高周波成
分を含むコモンモードの試験信号を印加し、受話器から
雑音として聞こえるか否かの耐力限界である高周波不平
衡・平衡変換による雑音可聴イミュニティ特性すなわ
ち、高周波不平衡特性を測定・評価する高周波不平衡特
性評価試験器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラジオ放送やCB無線等に用いられてい
る図8(a)に示すV0 のようなAM変調正弦波が通信
線や電力線に誘導されたときに、コモンモード(縦)電
流が、その通信線や電力線に接続されている電話機など
の機器内に侵入する。すると、機器回路の不平衡インピ
ーダンスや多数の半導体回路素子の使用による機器回路
全体の検波特性等によって、受話器から雑音が生ずる場
合が多い。この時の受話器端子間には、図8(b)に示
すVR のような波形が発生し、これが受話器振動板を駆
動して雑音音圧が発生されている。
【0003】V0 が図8(a)のようなAM変調正弦波
の場合のVR は、例えば1992年電子情報通信学会春
季大会論文集SBー3ー2に記載されているように、V
0 波形をそのまま小さくした搬送波成分からなるVH 波
形(以下、VH を搬送波ともいう。)と、AM変調波が
電話器回路全体で検波されたVL 波形のような音声変調
波波形(以下、VL を変調波ともいう。)とが重畳され
た波形となることが知られている。
【0004】図9は、このようなAM変調正弦波を被試
験機器に印加して受話器からの雑音可聴の有無を評価す
る雑音可聴イミュニティ試験系の従来から用いられてい
る構成を示す構成図である。図に示すように、電話器な
どの被試験機器(EUT)51は、絶縁支持台52によ
って擬似大地面上から一定高さhに支持される。EUT
51の送受話器53の受話器は、音響カプラ55を介し
てマイクロフォン54に嵌め込まれる。マイクロフォン
54が電気信号に変換した受話口からの雑音は、マイク
ロフォン54の電気信号出力を表示するレベルメータ5
6で表示される。つまり、受話器からの可聴雑音音圧P
の大きさがレベルメータ56でわかるようになってい
る。
【0005】送受話器53には、送受話器を人が手で持
った場合の対地インピーダンスと等価な擬似手回路57
が接続される。送受話器53およびマイクロフォン54
は、受話器からの可聴雑音以外の周辺騒音などがマイク
ロフォン54へ侵入するのを防止する遮音ボックスに収
納される。
【0006】EUT51と擬似交換機などの対向通信装
置61との間の通信線には、試験用のAM変調正弦波
(試験信号)をコモンモードでEUT51に印加する試
験信号印加器60が接続される。試験信号印加器60
は、試験信号を発生する試験信号発生器(SG)59
と、印加された試験信号が対向通信装置61側へは印加
されずEUT側のみに印加されるようにするためのコモ
ンモードチョークコイル60とを有している。なお、E
UT51と試験信号印加器60との間には、回線開放用
スイッチ63が設けられている。
【0007】このような試験系において、試験信号とし
て図8(a)に示すV0 のようなAM変調正弦波がコモ
ンモードで通信線に印加されると、通信線にコモンモー
ド電流ivが流れてEUT51に侵入する。すると、その
コモンモード電流は、EUT51の回路内の不平衡イン
ピーダンスや半導体回路等によって変換・検波され、受
話器に可聴雑音を発生させる。受話器からの可聴雑音
は、マイクロフォン54に入り、そこで電気信号に変換
される。その電気信号に応じてレベルメータ56が振れ
るので、測定者は、その振れから雑音音圧Pを知ること
ができる。このように、受話器からの雑音音圧が音響結
合により取り出される。
【0008】EUT51の可聴イミュニティは、雑音が
聞こえ始める限界における音圧P(=P0 )が生じると
きの印加電圧をかけ、回線開放用スイッチ63を開放し
た場合の開放端コモンモード電圧として求められる。従
って、SG59からの試験信号の搬送周波数fを変化さ
せつつ開放端コモンモード電圧を測定し、測定値をプロ
ットすれば、EUT51の雑音可聴イミュニティ特性が
得られる。
【0009】図10は複数のEUTを含むシステムに1
つの試験信号印加器60が接続された場合を示すもので
ある。ボタン電話装置やビジネスホンなどのシステムで
は、主装置(M)70にホームバス線などの内線を介し
て子電話機S1 ,S2 ,・・・,SM が接続され、主装
置70を介して対向する通信線側に対向電話機SN71
が接続される。そして、試験信号印加器60からの試験
信号を用いて、このようなシステムの可聴イミュニティ
の評価を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す特性評価試
験器を用いて種々の電話機の雑音可聴イミュニティ特性
の評価を行おうとすると、雑音音圧に適正に対応したレ
ベルメータ56の振れが必要になる。しかし、受話口の
形状は受話器によりまちまちである。形状の異なる受話
口を音響カプラ55に装着すると、受話器と音響カプラ
55との嵌合条件が変わり、音響カプラ55がマイクロ
フォン54に適正に結合できない場合がある。そのよう
な場合、特に可聴音圧限界付近ではレベルメータ56の
振れが不安定で適正な音圧レベルの検出が困難になると
いう問題があった。
【0011】また、図10に示す構成によってシステム
全体の可聴イミュニティを評価するには、主装置70の
受話器や各EUTである子電話機S1 ,S2 ,・・・,
Mおよび対向電話機SN に対応した受話器からの雑音
音圧(P1 ,P2 ,・・・,PN )それぞれを測定し、
最も小さい可聴イミュニティに対応するものはどれか等
を知る必要がある。しかし、このような複数のEUTに
対し、図9に示す試験系を用いると各EUTに対応した
音響カプラ55や遮音BOX58等が必要となる。よっ
て、設備が膨大になるとともに、結合等の試験系配置作
業に大幅な時間を要するという問題があった。
【0012】本発明は、このような音響結合法による雑
音音圧測定に代えて、受話器端子間に生じる雑音信号を
測定することにより高周波不平衡・平衡変換による雑音
可聴イミュニティ特性を評価する高周波不平衡特性評価
試験器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る高周波不平衡特性評価試験器は、EUTに試験信号を
コモンモードで印加するものであって、試験信号の出力
レベルの上昇、停止および零復帰を行う印加レベル設定
手段と、高周波コモンモードハイインピーダンス特性を
有し、EUTの受話器端子間に生じる印加周波数と同一
の非可聴高周波信号を検出する高周波検出手段と、この
高周波検出手段による高周波信号のレベルが、受話器か
らの雑音可聴音圧に対応してあらかじめ定められた高周
波信号の限界レベルを越えたときの印加信号レベルを測
定する印加信号検出手段とを備えたものである。
【0014】また、請求項2記載の発明に係る高周波不
平衡特性評価試験器は、EUTに試験信号をコモンモー
ドで印加するものであって、試験信号の出力レベルの上
昇、停止および零復帰を行う印加レベル設定手段と、高
周波コモンモードハイインピーダンス特性を有し、EU
Tの受話器端子間に生じる印加周波数と同一の非可聴高
周波信号を検出する高周波検出手段と、EUTの印加信
号レベルを測定する印加信号検出手段と、高周波検出手
段が検出した高周波信号のレベルとEUTの印加信号レ
ベルとの比を求める特性評価手段とを備えたものであ
る。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明における印加レベル設定手
段は、AM変調正弦波に代えて、一定振幅の連続正弦波
をコモンモードでEUTのラインに印加する。印加信号
検出手段は、受話器端子間において検出された高周波信
号のレベルが、雑音可聴音圧に対応してあらかじめ定め
られた高周波信号の限界レベルを越えたときの印加信号
レベルを測定し、音響結合を用いずに高周波不平衡特性
の試験を可能にする。
【0016】また、請求項2記載の発明における特性評
価手段は、受話器端子間において検出された高周波信号
のレベルとEUTの印加信号レベルとの比によって高周
波不平衡特性を得る。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例による高周波不平衡
特性評価試験器の構成を示すブロック図である。ここで
は、2つのEUT(EUTA、EUTB)1A,1Bの
高周波平衡・不平衡変換による雑音可聴イミュニティ特
性(以下、この特性を高周波不平衡特性という。)を測
定する場合について示している。図に示すように、EU
TAとEUTBとは、間に擬似交換機61を介して設置
される。
【0018】また、EUTAとEUTBとの間に試験信
号印加器60が挿入される。双方のEUTの受話器端子
R1 ,R2 間には、差動プローブなどの受話器端子間高
周波信号検出手段(以下、高周波信号検出手段とい
う。)4A,4Bが接触する。高周波信号検出手段4
A,4Bは、端子間に生じる一定振幅で非可聴の高周波
信号VRa、VRbを検出するものである。高周波信号
Ra、VRbは、図2(b)に示すようなVR 波形のよう
なものである。高周波信号検出手段4A,4Bは、受話
器端子R1 ,R2 に接触してもこれらの端子に生じてい
る高周波のコモンモード信号がフレームグラウンド側に
流れないように、各接触端子とフレームグラウンドとの
間がハイインピーダンスを呈するようになっている。
【0019】高周波信号検出手段4A,4Bが検出した
各信号は、チャネル選択スイッチ5で切替選択される。
なお、チャネル選択スイッチ5は、切替数nを有する。
よって、n個のEUTについて測定可能になっている。
入力2チャンネルの比較機能をもつ高周波レベルメータ
や伝送特性測定器などの高周波信号計測器6には、チャ
ンネル選択スイッチ5の出力と、印加信号検出手段7の
出力とが入力される。印加信号検出手段7は、ハイイン
ピーダンスプローブなどで構成され、回線開放用スイッ
チ63開放後の開放端コモンモード電圧レベルV0 を検
出する。
【0020】掃引機能をもつトラッキングジェネレータ
などの高周波印加信号発生器(SG)8は、試験信号を
発生する。その試験信号の出力レベルは、プログラマブ
ル減衰器(ATT)9で可変設定される。ATT9の出
力は、増幅器10で増幅され、試験信号印加器60に印
加される。
【0021】なお、チャネル選択スイッチ5と回線開放
用スイッチ63とは、スイッチ切替部11によって切換
えられる。すなわち、スイッチ切替部11において、マ
グネットM1 、M2 の駆動によりチャネル選択スイッチ
5と回線開放用スイッチ63とが動作するようになって
いる。高周波信号計測器6の計測データの転送や、SG
8、ATT9、スイッチ切替部11の制御は、計測制御
器12によって行われる。計測制御器12には、その指
令により高周波信号計測器6の計測データをそれぞれ記
憶する記憶部13、計測データを表示する表示部14、
および周波数や印加レベルのステップ数の初期設定信号
をインプットする設定部15が接続されている。高周波
信号計測器6、SG8、ATT9、スイッチ切替部11
は、GPIBバスで計測制御器12に接続されている。
【0022】よって、本実施例では、印加レベル設定手
段は、SG8、ATT9、および計測制御器12で構成
されている。高周波検出手段は、高周波信号検出手段4
A,4Bで構成されている。印加信号検出手段は、印加
信号検出手段7および高周波信号計測器6で構成されて
いる。そして、特性評価手段は、高周波信号計測器6ま
たは計測制御器12で構成されている。
【0023】図3は、図8(a)に示すV0 のようなA
M変調正弦波をEUTに印加したときに受話器端子R1
,R2 間に生じる変調波VL と搬送波VH との関係の
一例を示すものである。上記した文献に記載されている
ように、AM変調正弦波の試験信号V0 がEUT回路の
不平衡により変換されると、搬送波VH が生ずる。ま
た、搬送波VH が半導体回路で検波されて変調波VL が
生じ、この変調波VL が受話器の振動板を駆動して可聴
騒音となることがわかっている。このような可聴騒音を
生じさせる変調波VL の元になる搬送波VH は高周波印
加信号が回路の不平衡によって変換されて生ずるため、
0 からVH への変換は変調の有無には関係しない。従
って、図3に示すような関係をあらかじめ把握しておけ
ば、無変調で一定振幅の高周波信号を試験信号として印
加し、受話器端子間に生じる信号、すなわち、印加信号
と同一周波数の一定振幅高周波信号を測定して、そのレ
ベルを印加信号レベルと比較することにより高周波不平
衡特性が評価できる。
【0024】図1に示す構成においてSG8から図2
(a)に示すような非変調(一定振幅)の高周波正弦波
をEUTに印加した場合に、図3に示すような関係を用
いてEUTA、EUTBの高周波不平衡特性を得るため
の動作手順を以下に説明する。
【0025】まず、計測制御器12は、スイッチ切替部
11に、回線開放用スイッチ63を短絡状態とするよう
指示を与えるとともに、いずれかのEUTに接続された
高周波信号検出手段のチャネル(例えばCH1 )にチャ
ネル選択スイッチ5を接続するよう指示を与える。設定
部15から印加周波数や印加信号レベルのステップアッ
プ幅が設定されると、計測制御器12は、その設定に応
じた指示をSG8に与える。すると、SG8から一定振
幅の高周波信号が出力され、その高周波信号はATT9
を通して試験信号印加器60に与えられる。試験信号印
加器60は、その高周波信号を試験信号としてEUTA
に印加する。
【0026】この状態で、計測制御器12は、ATT9
の出力レベルをあらかじめ定めたステップ幅で、または
連続可変で上げていくよう指示する。一方、高周波信号
検出手段4Aは、EUTAの受話器端子間に生じる高周
波信号VRa(=VH )を検出する。そして、検出した高
周波信号をチャネル選択スイッチ5を介して高周波信号
計測器6の一方の入力チャネルに送る。高周波信号計測
器6は、入力された信号のレベルを計測する。
【0027】そして、高周波信号計測器6は、計測され
たレベルが所定のスレショルドレベルVH0より大きくな
ったときに、計測データ(計測されたレベル)を計測制
御器12に転送する。ここで、VH0は、可聴限界値に相
当するレベルである。つまり、限界可聴音圧P0 に対応
するVL (すなわちVL0)に対してあらかじめ定められ
ている高周波信号レベルVH であり、例えば図3に示す
関係が用いられる。計測制御器12は、記憶部13にそ
の計測データを記憶させる。
【0028】計測制御器12は、ATT9を制御してE
UTAへの印加信号レベルをその値に保持する。また、
スイッチ切替部11のマグネットM1を駆動して回線開
放用スイッチ63を開放する。
【0029】印加信号検出手段7は、このときのコモン
モード印加電圧、すなわち開放端コモンモードレベルV
0 を検出し、その検出レベルを高周波信号計測器6のも
う一つの入力チャンネルに入力する。高周波信号計測器
6は、その検出レベルを計測制御器12に送る。計測制
御器12は、表示部14に表示される周波数軸上にその
検出レベルをプロットする。ここで、計測制御器12
は、プロットするものとして、印加信号検出手段7によ
るV0 と高周波信号検出手段4AによるVRa(=VH
との比を採用してもよい。また、その比は、高周波信号
計測器6で算出される構成でもよい。
【0030】次に、計測制御器12は、ATT9を制御
してEUTAへの印加信号レベルを一度零にする。さら
に、スイッチ切替部11のマグネットM1を再駆動して
回線開放用スイッチ63を復旧させる。同時に、SG8
に対して、印加周波数をあらかじめ定めた次のステップ
に進めるよう指示する。そして、上記動作を繰り返す。
【0031】あらかじめ定めた全ての周波数について上
記動作が実行された後、計測制御器12は、スイッチ切
替部11のマグネットM2を駆動してチャンネル選択ス
イッチ5をCH2に切換える。そして、上記処理と同様
の処理によって、EUTBの受話器端子間の高周波信号
Rbが計測される。
【0032】以上のように、高周波信号計測器6でのス
レショルドレベルであるVRO(=VH0)、ATT9によ
る印加信号レベルのステップ幅または連続可変幅、およ
びSG8における周波数のステップ幅または連続可変幅
をそれぞれあらかじめ設定した後、上記の処理を行え
ば、複数のEUTの高周波不平衡特性が自動的に得られ
る。図4は、以上のようにして求められたEUTA、E
UTBの高周波不平衡特性の例を示したものである。縦
軸は高周波信号VRaまたはVRb(=VH )のレベルが可
聴限界値であるスレショルドレベルVR0(=VH0)を越
えたときの印加信号レベルV0 、または印加信号レベル
0 と高周波信号VH との比として表される変換減衰量
(αH =20log(V0 /VH ),αL =20log
(V0 /VH ' )であり、そのいずれでもよい。図にお
いて、Vh またはαH0は雑音可聴イミュニティの評価レ
ベル値(IEC等の標準化機関等による勧告値案)であ
る。
【0033】この例の場合、評価レベル値Vh (または
雑音可聴イミュニティ評価のための変換減衰量評価値α
H0,αH0 ' )を満足するEUTA、EUTBの周波数範
囲はそれぞれf1 以下およびf2 以下であることや、同
一の印加信号レベルV0 に対してはEUTBよりEUT
Aのイミュニティレベルが小さいことなどが容易に判定
できる。
【0034】すなわち、得られた高周波不平衡特性と評
価レベル値Vh 等とから、EUTの雑音可聴イミュニテ
ィ評価が容易かつ短時間に行える。また、このように本
発明によれば、従来の音響結合法によらず受話器端子間
の電気信号を取り出して評価を行う構成がとられている
ので、音響カプラや遮音ボックスなどが不要となる。よ
って、特に図10に示した構成のようにホームバス線に
多くのEUTが接続された場合でも、雑音可聴イミュニ
ティ評価等も容易に行える。また、EUTの接続台数を
順次増加していったときに生じる内線系回路のアンバラ
ンス増加による主装置や対向通信機側の雑音可聴イミュ
ニティ評価等も容易に行える。
【0035】なお、高周波信号計測器6にスぺクトラム
アナライザやメモリスコープ等の波形アナライザを用
い、V0 およびVR をそれぞれスペクトラムレベルまた
は波形レベルとしてとらえても、上記実施例の場合と同
様の高周波不平衡特性が測定できる。
【0036】図5は、送受器回路の等価インピーダンス
でEUTAを終端した試験系の構成を示す構成図であ
る。その等価インピーダンスは、図1におけるEUTA
の送受器負荷系に対応したものである。図5(a)にお
いて、ZT はEUTの送話器端子T1,T2 からみた送話
器等価インピーダンス、ZR は受話器端子R1,R2 から
みた受話器等価インピーダンス、Zhgは送受話器端子T
1,T2,R1,R2,と擬似大地間の等価インピーダンスであ
る。図5(b)は送受器負荷系の配置における送受器に
代えて、これらの等価インピーダンスでEUTを終端し
た構成を示している。これによって、EUTの配置を簡
易化することができる。
【0037】図6は、差動プローブによる高周波信号検
出手段4A,4Bの構成例を示す構成図である。図にお
いて、21は受話器端子R1,R2 に接触して受話器端子
間信号レベルを取り込む接触子、22は広帯域にわたり
コモンモード減衰量が大きく、かつ、ディファレンシャ
ルモード減衰量が小さいかあるいは一定であるコモンモ
ードチョークコイル、23は減衰素子、26はFETな
どの差動信号検出素子24や増幅器25などを内蔵した
金属製の差動プローブ箇体、27は差動プローブ箇体2
6が接続された同軸ケーブルの外部導体である。
【0038】接触子21は、コモンモードの高周波正弦
波などの高周波成分を持つ試験信号の印加されたEUT
の受話器端子R1,R2 をタッチすることにより、受話器
端子間信号を検出する。その場合、コモンモードチョー
ク22や減衰素子23がないとすると、受話器端子R1,
R2 に生じているコモンモード信号の高周波分が、差動
信号検出素子24と差動プローブ箇体26との間の浮遊
容量Cg を介して同軸ケーブルの外部導体27に流れ
る。そのために、差動プローブ接触の前後で受話器端子
間信号が大きく変動する。しかし、コモンモードチョー
ク22や減衰素子23が挿入されていれば、これらによ
ってコモンモード信号の高周波分が阻止される。従っ
て、図6に示す構成によれば、差動プローブを受話器端
子R1,R2 に接触させても受話器端子間信号が変動せ
ず、適正な計測が行える。
【0039】図7は、高周波信号検出手段4A,4Bの
他の構成例を示す構成図である。図に示すように、高周
波信号検出手段である光電変換プローブ34は、光変調
器31、レーザなどの光源32、光信号を電気信号に変
換するO−E変換器33を含む。
【0040】この光電変換プローブ34は、例えば特開
平2ー275370号公報などに開示されたダイポール
アンテナの2つのアンテナエレメントを接触子として用
いたものである。EUTからの端子間信号を検出する場
合に、光変調器31において、光源31からの光信号の
強度が端子間信号で変調される。そして、O−E変換器
33は、光信号を電気信号に戻す。このようなプローブ
は接触子部分のみが金属であって、検出された端子間信
号は光変調器31で光に変換されるため、受話器端子R
1,R2 にコモンモードの高周波信号が存在しても、やは
り、プローブ接触による端子間信号の変動はない。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高周波
不平衡特性評価試験器が、受話器端子に接触しても影響
の少ない高周波信号検出手段によって、雑音音圧を生じ
させている受話器端子間信号を電気的に測定するような
構成であるから、受話口の形状に起因する音響結合時の
受話器装着の困難性や、装着不備による検出レベルの不
安定さなどの問題を解消するとともに、多くのEUTの
可聴イミュニティを同時に測定する場合に、短時間で再
現性よく測定を行えるものを提供できる効果がある。
【0042】また、AM変調正弦波など実際の可聴信号
のかわりに無変調のコモンモードの高周波信号をEUT
に印加し、これが回路の不平衡成分によりディファレン
シャルモードに変換された信号である非可聴の受話器端
子間高周波信号を検出して、これと印加信号との比較等
により可聴イミュニティを評価するようにしているた
め、通常用いられているトラッキングジェネレータ等を
用いて、容易に可聴イミュニティ特性の評価が可能とな
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による高周波不平衡特性評価
試験器の構成を示すブロック図である。
【図2】試験信号と受話器端子間の高周波信号とを示す
波形図である。
【図3】受話器端子間に生ずる高周波成分と低周波成分
との一例を示す特性図である。
【図4】高周波不平衡特性の一例を示す特性図である。
【図5】送受器回路の等価インピーダンスでEUTを終
端した試験系の構成を示す構成図である。
【図6】高周波信号検出手段の構成例を示す構成図であ
る。
【図7】高周波信号検出手段の他の構成例を示す構成図
である。
【図8】AM変調正弦波とその無変調波とを示す波形図
である。
【図9】従来の雑音可聴イミュニティ試験系の構成を示
す構成図である。
【図10】複数のEUTを含むシステムに1つの試験信
号印加器が接続された構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1A,1B EUT 4A,4B 高周波信号検出手段 5 チャンネル選択スイッチ 6 高周波信号計測器 7 印加信号検出手段 8 高周波印加信号発生器(SG) 9 プログラマブル減衰器(ATT) 10 増幅器 11 スイッチ切替部 12 計測制御器 13 記憶部 14 表示部 15 設定部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被試験機器のラインから高周波成分を含
    む試験信号を印加して、高周波不平衡特性を評価する高
    周波不平衡特性評価試験器において、 前記被試験機器に前記試験信号をコモンモードで印加す
    るものであって、試験信号の出力レベルの上昇、停止お
    よび零復帰を行う印加レベル設定手段と、 高周波コモンモードハイインピーダンス特性を有し、前
    記被試験機器の受話器端子間に生じる印加周波数と同一
    の非可聴高周波信号を検出する高周波検出手段と、 この高周波検出手段による高周波信号のレベルが受話器
    からの雑音可聴音圧に対応してあらかじめ定められた限
    界レベルを越えたときの印加信号レベルを測定する印加
    信号検出手段とを備えたことを特徴とする高周波不平衡
    特性評価試験器。
  2. 【請求項2】 被試験機器のラインから高周波成分を含
    む試験信号を印加して、高周波不平衡特性を評価する高
    周波不平衡特性評価試験器において、 前記被試験機器に前記試験信号をコモンモードで印加す
    るものであって、試験信号の出力レベルの上昇、停止お
    よび零復帰を行う印加レベル設定手段と、 高周波コモンモードハイインピーダンス特性を有し、前
    記被試験機器の受話器端子間に生じる印加周波数と同一
    の非可聴高周波信号を検出する高周波検出手段と、 前記印加レベル設定手段による被試験機器の印加信号の
    レベルを測定する印加信号検出手段と、 前記高周波検出手段が検出した高周波信号のレベルと印
    加信号のレベルとの比を求める特性評価手段とを備えた
    ことを特徴とする高周波不平衡特性評価試験器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019211297A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 株式会社村田製作所 回路基板におけるノイズ耐性脆弱箇所特定システムおよびノイズ耐性脆弱箇所特定方法

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