JPH06257789A - 動物飼育システム - Google Patents

動物飼育システム

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JPH06257789A
JPH06257789A JP5042883A JP4288393A JPH06257789A JP H06257789 A JPH06257789 A JP H06257789A JP 5042883 A JP5042883 A JP 5042883A JP 4288393 A JP4288393 A JP 4288393A JP H06257789 A JPH06257789 A JP H06257789A
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Toshiki Furukawa
敏紀 古川
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Nippon Shokubai Co Ltd
Toda Corp
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 実験動物の居住するケージ7内について温
度,湿度及び清浄度を厳密に制御してなる動物飼育シス
テムである。 【効果】 従来の莫大なエネルギーを消費していた動物
飼育室の省エネルギーを、厳密に環境制御された状態で
達成すると共に、実験動物相互乃至作業員への病気感染
を防止し、且つ悪臭公害も低減した動物飼育システムを
実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環境制御し且つ省エネ
ルギーである動物飼育システムに関するものであり、特
に厳密な環境制御を必要とする実験動物の飼育に有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】実験動物の飼育には、空気の清浄度以外
に、温度、湿度など飼育環境の制御を厳密に行なうこと
が求められる。特に温度については、僅か1℃の差でも
薬効測定に影響が出る場合があるといわれている。従っ
て動物飼育室では、室内各部の温度幅を小さくするため
と臭気対策を兼ねて、一般的にオールフレシュ空気で1
5回/時以上の換気空調方式が採用されている。そのた
め動物飼育施設は、この大風量の排出による熱損失に加
えて年中24時間連続稼働のため、消費するエネルギー
費用は莫大な金額に上る。また大風量と空気清浄用HE
PAフィルターの設置のために一般ビル空調に比較して
設備投資も多大となる。更にまた、排気の脱臭には活性
炭やピュラフィル等の吸着剤が使用されるが、脱臭の実
効を上げるためには頻繁な(約3ケ月毎)交換を必要と
し維持費が莫大なため、一般にはそのまま放置されてい
る例が多い。温度管理についても既存の動物飼育室につ
いて室内の温度分布を測定してみたが、±1℃以内に厳
密に制御されている部屋は少なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な従
来技術の問題点に着目してなされたものであって、その
目的は、莫大なエネルギーを消費する動物飼育室の省エ
ネルギーを、厳密に環境制御された状態で達成すると共
に、近年問題となっている実験動物相互乃至作業員への
病気感染を防止し、且つ悪臭公害も低減した実験動物飼
育システムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、動物
飼育ケージを収容した部屋全体について、温度、湿度及
び清浄度を厳密に制御するのでは無く、実際に実験動物
の居住するケージ内について厳密に制御することによっ
て消費エネルギーを大幅に節減しようとするものであ
る。即ち、飼育ケージを収容する部屋は動物飼育用に特
別に作られた部屋である必要はなく、空調施設について
も一般空調で良く、もちろんHEPAフィルターによる
取入空気の清浄化も省略できる。また室内置きのパッケ
ージ型空調機を設置しただけの部屋でも室内空気循環用
サーキュレーターを完備すれば十分設置可能である。ケ
ージへの供給空気は、送風機の暖冷房能力を小さくする
ため通常室内からHEPAフィルターを通して取り入れ
られるが、外気を吸入することも可能である。ケージ内
へ送風される空気の量は、ケージ容積の3〜60倍、好
ましくは5〜20倍とする。ケージへの送風の温度は、
ケージ内又はその前後の空気配管内に取り付けた温度セ
ンサーの指示に応じてケージ内が一定の温度になる様に
制御される。即ち、室温が設定温度より低くなっている
時には送風温度は室温より高く、逆の時には低くして供
給することによってケージ内が設定温度に一定に保たれ
る。通常温度センサーは部屋毎に複数個設置してその平
均温度によって制御する。この方式によって各ケージの
温度分布を厳密に(必要に応じて±1℃以内)に制御で
き、また、ラック毎に動物の種類や実験条件を変えて異
なる温度に保つことも容易にできる。その場合、ラック
の数が少ないときには該当するラックの供給空気ライン
に小型の再熱器(図1の17)を付けて該当ラックの排
気ラインに設置した温度センサーによって必要な温度に
微調節される。
【0005】湿度についても、ケージからの排気集合管
内に取り付けた湿度センサーの指示に応じてケージ内の
平均湿度が設定値になる様に制御されるが、既に湿度制
御されている室内から空気を取り入れる場合や湿度管理
が概略で良い場合には、湿度制御を省略することができ
る。本システムのその他の利点は、飼育動物の環境と室
内雰囲気を完全に分離しているため実験動物間及び人と
の病気感染に対する安全度が高いことである。また、停
電時の対策として小電力であるケージへの空気供給機器
のみを非常電源につないで置くことで動物への影響を低
減できることも有利な点である。
【0006】
【作用及び実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するもので
はなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施す
ることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0007】<実施例1>図1に本発明の動物飼育シス
テムの代表的な例を挙げて説明する。先ず、総面積29
8m2 の動物飼育室にラット4500頭を飼育した。ラ
ットは、実質気密の空気供給及び排気ジョイント付きの
FRP製気密タイプ(0.4×0.6 ×0.4 mH ・肉厚3m
m)のケージに各3頭を入れ、1500個のケージを合
計75台のラックに組んで収容した。部屋の総容積は7
45m3 で、部屋の空調は、ビル用の一般空調で、新鮮
空気取入量は1500m3 /時行なった。温度は22±
2℃で4℃幅以内に、湿度は55±3%(相対湿度)に
保った。室内空気は、中性能フィルター1を通して温・
湿度調整機2に取り入れられる。室内が所定の湿度に調
整されているので、本実施例ではケージからの直近の排
気管内に取り付けられた温度センサー8の指示に応じて
温度のみ制御した。供給空気の温度は、18℃から24
℃の間でケージ出口温度が22℃に近くなるように制御
した。ラックは5部屋に分かれて設置されているので、
温・湿度調整機2は5台設置し、夫々300m3 /時の
空気を供給しており、ケージ内容積に対する換気回数は
約10回/時となっている。ケージが1500個あるの
で合計1500m3 /時の空気がケージに供給された後
に室外に排気されており、新鮮空気取入量(1500m
3 /時)とバランスしている。
【0008】ケージへの供給空気は、HEPAフィルタ
ー3で清浄化され、配管4を経てケージ入口の気密ジョ
イント5を通して各ケージ7に供給される。ケージから
の排出空気は気密ジョイント9から出て、ダンパー15
で流量を調節した上、排気管10を経てフィルター11
に入る。フィルター11は実験レベルに応じてHEPA
から低性能フィルターまで適宜選択される。次いでこの
実施例では触媒脱臭装置13を付加しないので、排出空
気は全熱交換器を使用せずに直接送風機器14によって
室外に放出した。この条件において、ケージ内の温度
は、全ケージについて設定22℃に対して±1℃、湿度
は55%±5%以内に制御されていた。この施設の年間
暖冷房費用を表1に示すモデル条件で算出すると、 暖房時必要熱量 QH =1500m3/Hr ×1.2 ×(10.9-3.0)
×1000=14,200千Kcal/年(灯油を80円/リットルとし
て114千円/年) 冷房時必要熱量 QC =1500m3/Hr ×1.2 ×(20.4-10.
9) ×1000=17,100千Kcal/年(電気料を30円/kWHとし
て171千円/年) 年間必要熱量 Q=QH +QC =31,300千kcal/年
(金額で 285千円/年)となる。
【0009】
【表1】
【0010】<参考例>従来の動物飼育室の標準とされ
ている空調方式を採用するなら、以下のようになる。換
気は、オールフレシュ空気で15回/時のパージとする
ので、排気風量は約11200m3 /時となり、実施例
の排気風量1500m3 /時に比べて約7倍量となる。
大風量なので臭気のリターンは我慢して排気・吸気の全
熱交換器を使用する。飼育室全域について、22℃、湿
度55%に制御するための暖冷房費用を算出すると(モ
デル条件としては、実施例1と同じ数値を使い、熱交換
効率を60%と仮定する) 暖房時必要熱量 QH =11200m3/Hr×1.2 ×(10.9-3.0)
×(1-0.6) ×1000=42,500千Kcal/年(灯油を80円/リ
ットルとして340千円/年) 冷房時必要熱量 QC =11200m3/Hr×1.2 ×(20.4-10.
9) ×(1-0.6) ×1000=51,100千Kcal/年(電気料を30
円/kWHとして511千円/年) 年間必要熱量 Q=QH +QC =93,600千kcal/年
(金額で 851千円/年) 即ち、参考例(従来標準とされていた方法)での年間消
費エネルギーは、実施例1の約3倍必要となる。言い換
えると本発明による実施例1では従来標準とされている
オープンシステムで全体空調している方式に比べて66
%の省エネルギーを達成している。
【0011】<実施例2>実施例1のシステムにおいて
若干の改良を加えることによって、更に省エネルギーを
徹底することができる。先ず、全熱交換器を付加して脱
臭後の排気と新鮮取入れ空気とを熱交換させる。但しこ
の場合、参考例と同じように全熱交換器によって臭気が
室内に若干戻ることは避けられないので、実施例2では
省略したオゾン発生器12とオゾン触媒脱臭装置13を
付加する。オゾン触媒脱臭装置入口のオゾン濃度は0.
1〜2.0ppmの間で臭気濃度に応じて適宜選択され
る。触媒としてはチタニアシリカ系のTSO触媒が好適
に使用され、SVとしてはオゾン濃度に応じて1万〜1
0万の間で適宜設定される。室内空調条件は表2のよう
にする。即ち室温は、暖房時においては設定温度より2
℃低く、冷房時においては設定温度より2℃高く制御し
て徹底した省ネルギー化を図っている。
【0012】
【表2】
【0013】暖房時必要熱量 QH =1500m3/Hr ×1.2
×(10.2-3.0)×(1-0.6) ×1000=5,180 千Kcal/年(灯
油を80円/リットルとして41 千円/年) 冷房時必要熱量 QC =1500m3/Hr ×1.2 ×(20.4-12.
0) ×(1-0.6) ×1000=6,050 千Kcal/年(電気料を30
円/kWHとして61 千円/年) 年間必要熱量 Q=QH +QC =11,230千kcal/年
(金額で 102千円/年) 即ち、実施例2の必要熱量は、参考例の93,600千kcal/
年に比較して約8分の1と画期的に節約されている。言
い換えると消費エネルギーの88%が節減されている。
【0014】<実施例3>パッケージ型のエアコンを設
置した54m2 の一般実験室に250個の実質気密の空
気供給及び排気ジョイント付きのFRP製気密タイプ
(0.4 ×0.6 ×0.4mH ・肉厚3mm)のケージにラッ
トを3頭づつ入れて収容した。部屋の4カ所にサーキュ
レーターを取り付けたところ室内各所の温度は、20℃
±3℃以内に保持できた。図1においてケージへの供給
空気は部屋外から取入れ、温・湿度調整機2は350m
3 /時の能力のものを設置し、温度は温度センサー8、
湿度は湿度センサー16によってケージ内が設定の温度
及び湿度になるように制御した。その他実施例1と同様
に設備して運転したところ、年間を通して全ケージの温
度は21±1.5℃、湿度は55±5%以内に管理され
ており、ラットの飼育成績も良好であった。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
従来の莫大なエネルギーを消費していた動物飼育室の省
エネルギーを、厳密に環境制御された状態で達成すると
共に、実験動物相互乃至作業員への病気感染を防止し、
且つ悪臭公害も低減した動物飼育システムを実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 フィルター 2 温・湿度調整機 3 フィルター 5 気密ジョイント 7 ケージ 8 温度センサー 9 気密ジョイント 10 排気管 11 フィルター 12 オゾン発生器 13 オゾン触媒脱臭装置 14 送風機器 16 湿度センサー 17 再熱器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F24F 3/16 6803−3L

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密の空気入口と出口を有する密閉系の
    飼育ケージを使って実験動物を飼育するシステムにおい
    て、清浄空気をケージ内に送風し、ケージ内又はその前
    後の空気配管内に設置した温度センサーによって、送風
    空気の温度を制御してケージ内空気の温度を厳密に制御
    することを特徴とする動物飼育システム。
  2. 【請求項2】 更に、ケージからの排気集合管の中に設
    置した湿度センサーによってケージへ送風される空気の
    湿度を制御してケージ内空気の湿度を厳密に制御するも
    のである請求項1に記載の動物飼育システム。
  3. 【請求項3】 更に、ケージの排出空気を集合してオゾ
    ン脱臭装置に通し、脱臭を行なうものである請求項1又
    は2に記載の動物飼育システム。
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