JPH0625491A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0625491A
JPH0625491A JP17839692A JP17839692A JPH0625491A JP H0625491 A JPH0625491 A JP H0625491A JP 17839692 A JP17839692 A JP 17839692A JP 17839692 A JP17839692 A JP 17839692A JP H0625491 A JPH0625491 A JP H0625491A
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resin
ethylene
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copolymer
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JP17839692A
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English (en)
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Kazuyuki Watanabe
和幸 渡辺
Toshiyuki Iwashita
敏行 岩下
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹
脂やポリアミド樹脂と、不飽和ジカルボン酸若しくはそ
の酸無水物単位を含有する樹脂と、他の熱可塑性樹脂と
の相溶性が著しく改良された樹脂組成物を提供するこ
と。 【構成】 オレフィン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹
脂やポリアミド樹脂と、不飽和ジカルボン酸若しくはそ
の酸無水物単位を含有する樹脂と、その他の熱可塑性樹
脂とからなる組成物に、エチレン単位とアクリルアミド
誘導体やメタクリルアミド誘導体単位を含むエチレン系
共重合体樹脂を配合した樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な樹脂組成物に関
し、さらに詳しく言えば、オレフィン−酢酸ビニル共重
合体けん化物樹脂及び/又はポリアミド樹脂と不飽和ジ
カルボン酸若しくはその酸無水物単位を含有する樹脂と
他の熱可塑性樹脂との相溶性が著しく改良され、多重積
層体の一層成分として好適に用いられる樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年バリヤー容器としてポリオレフィン
樹脂とポリアミド樹脂(以下PAと略す)、塩化ビニリ
デン共重合体樹脂,オレフィン−ビニルアルコール共重
合体樹脂〔代表的にはエチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物樹脂がよく知られている。(以下EVOHと略
す)〕などのガスバリヤー樹脂を接着性樹脂で積層する
共押出成形法(フィードブロック,マルチマニホールド
法)、あるいはウレタン系、アクリル系などのドライラ
ミネート接着剤を用いる公知のドライラミネーション法
やサンドラミネーション法,共射出法,共押出パイプ
法,共押出ブロー法などによって積層した多層容器が開
発されている。これら多層積層体においてはスクラップ
の有効利用が問題となっている。例えば、共押出成形法
では、通常、ポリオレフィン樹脂及びガスバリヤー樹脂
及びこれらの接着性樹脂を押出し層状に合流させる(フ
ィードブロック方式)ことにより多層積層し、原反シー
ト,フィルム,ボトルなどを得、シート容器に関しては
次いで原反シートを任意の形状に真空成形、圧空成形法
などにより容器とするが、この際約40%ものバリが発
生する。この発生したバリを有効に利用すべく前述の多
層積層体においてリグラインドの層を使用する場合があ
る。
【0003】このようなスクラップの有効利用として、
多層積層体においては、一般的に新たにリグラインド層
を設けるとか、リグラインドを最外層のポリオレフィン
樹脂層に混合利用するなどの方法がとられている。しか
しながら、発生したこのようなスクラップ、すなわちポ
リオレフィン樹脂とガスバリヤー樹脂とのブレンド組成
物は、一般に相溶性が悪く、押出成形により、フィル
ム,シート,ボトル,チューブなどを成形すると、リグ
ラインド層とガスバリヤー層との間で容易に剥離した
り、ガスバリヤー樹脂の部分が極細の繊維状物として、
容易に剥離したり、又は不均一な層分離異物を生じやす
く、長時間の運転により、この異物が増加し、最終製品
にした際、多層積層体の最外層側から観察すると突起物
いわゆるブツとなって多層積層体の外観を著しく損ねた
り、著しい場合は、この突起物が外層側の樹脂層を突き
抜け破断が起こるとか、機械的強度の低下を起こすこと
があった。
【0004】このような問題点を改良する方法として、
EVOH系多層積層体においてはスクラップの回収利用
ではないが、EVOHにアイオノマーを加え均一に混合
してガスバリヤー性を高める方法(特開昭50−655
44号公報)や低密度ポリエチレンとEVOH及びアイ
オノマー及びポリアミドからなるカルボニル基含有熱可
塑性重合体をブレンドする方法(特公昭51−4165
7号公報)、ポリオレフィン樹脂とEVOHと主鎖又は
側鎖にカルボニル基を有する熱可塑性樹脂とをブレンド
し層状分布構造物を得る方法(特公昭51−30104
号公報)、スクラップを利用してポリオレフィン樹脂と
EVOHに対して0.00001〜10重量部のエチレン
ジアミン四酢酸及びハイドロタルサイト及び炭素数8〜
22の脂肪族金属塩を配合する方法(特開昭60−19
9040号公報,特開昭60−23845号公報,特開
昭62−15243号公報,特開昭62−15246号
公報)、ポリプロピレン樹脂とEVOHに脂肪酸金属塩
及びアルカリ土類金属化合物を加える方法(特開昭62
−68743号公報)などが知られていた。また共押出
成形の際、用いる公知の接着性樹脂をリグラインドの相
溶化剤として使用する方法が一般的に用いられている。
【0005】公知の接着性樹脂としては、例えばポリオ
レフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、酸無水物(代表的
には無水マレイン酸が用いられている)又はエステル単
量体を公知の方法(例えば米国特許第4,026,967 号明細
書,同第3,953,655 号明細書,特開昭51−98784
号公報,特公昭44−15423号公報,特公昭49−
4822号公報などに記載されている方法)を用いてグ
ラフト又は共重合した樹脂が知られている。該グラフト
方法としては、一般に押出機で溶融グラフト変性する方
法、あるいは熱キシレンにポリオレフィン樹脂を溶解
し、有機過酸化物で上記成分をグラフトさせる方法など
が用いられる。また、ポリアミド樹脂についても、一般
に無水マレイン酸に代表される酸無水物で変性したポリ
オレフィン樹脂が接着性樹脂又は相溶化剤として用いら
れている。
【0006】さらに、ポリアミド樹脂に対して、ポリオ
レフィン樹脂にα,β−不飽和カルボン酸又はそのエス
テルを共重合した樹脂や無水マレイン酸に代表される
α,β−不飽和カルボン酸をポリオレフィン樹脂にグラ
フト変性した樹脂やエチレン/メタアクリル酸(エステ
ル)共重合体をNa,Zn,Mgなどでイオン化したア
イオノマー樹脂やエチレン−プロピレン−ジエンゴムに
無水マレイン酸変性したゴムなどをブレンドし、耐衝撃
強度を高める方法が知られている(特開昭51−702
54号公報,特公昭42−12546号公報,特公昭4
4−29262号公報,特公昭54−44108号公
報,特公昭55−97711号公報,米国特許第3,845,
163 号明細書など)。しかしながら、これらの方法は、
いずれもまだ不充分であって、EVOHやポリアミド樹
脂との相溶性に劣る上、接着性樹脂中に未反応のモノマ
ーが存在するとEVOHやポリアミド樹脂との反応が進
み、ゲルが多量に発生し、しかも黄色に着色するなどの
問題がある。一方、アイオノマーなどは接着強度及び相
溶性に劣り、かつ高価格であるため、使用に際して制限
されるのを免れないなどの欠点を有している。また、従
来の接着性樹脂を用いると突起物、ゲルなどによる外観
不良や押出成形に際して長時間運転できないとか、バリ
を回収利用した際、接着強度の低下を起こし層間剥離を
伴うなどの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
ガスバリヤー樹脂と他の熱可塑性樹脂との相溶性不良を
解消するとともに、回収利用した際、接着強度の低下を
もたらさず、かつ外観の良好な成形物を与える樹脂組成
物を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、オレフィン−酢酸ビニル共重合体けん化物
樹脂及び/又はポリアミド樹脂、不飽和ジカルボン酸若
しくはその酸無水物に由来する単位を特定の割合で含有
する熱可塑性樹脂及びその他の熱可塑性樹脂を含有する
組成物に、エチレン単位とアクリルアミド誘導体及び/
又はメタクリルアミド誘導体単位とを含むエチレン系共
重合体樹脂を配合することにより、該組成物において各
成分の相溶性が著しく改良され、その目的を達成しうる
ことを見出した。本発明は、このような知見に基づいて
なされたものである。すなわち、本発明は、(A)オレ
フィン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂及び/又はポ
リアミド樹脂、(B)エチレン単位とアクリルアミド誘
導体及び/又はメタクリルアミド誘導体単位を含むエチ
レン系共重合体樹脂、(C)不飽和ジカルボン酸若しく
はその酸無水物に由来する単位0.001〜20重量%を
含有する熱可塑性樹脂、及び(D)その他の熱可塑性樹
脂を含有する樹脂組成物を提供するものである。
【0009】本発明の樹脂組成物においては、(A)成
分として、オレフィン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹
脂及び/又はポリアミド樹脂が用いられる。該オレフィ
ン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂としては、例えば
EVOHやエチレン−プロピレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物樹脂やプロピレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物樹脂などが挙げられるが、特に重合が容易な点からE
VOHが好ましく用いられる。このEVOHはエチレン
単位を15モル%以上、好ましくは15〜60モル%の
割合で含有し、かつ酢酸ビニル成分のけん化度が90モ
ル%以上のものが好適である。エチレン単位の含有量が
15モル%未満では溶融成形性が不充分であるし、60
モル%を超えるとガスバリヤー性が低下する。また、け
ん化度が90モル%未満でもガスバリヤー性が低下す
る。特にエチレン単位の含有量が25〜50モル%で、
けん化度が96モル%以上のEVOHが良い。なお、エ
チレン単位と酢酸ビニル単位とそれをけん化して形成さ
れたビニルアルコール単位以外に、アクリル酸,メタク
リル酸,クロトン酸,マレイン酸などの不飽和酸、その
アルキルエステル、あるいはプロピレン,ブテン,α−
デセン,α−オクタデセンなどのα−オレフィンなどの
モノマーの単位を含んでいても差し支えない。
【0010】一方、ポリアミド樹脂としては、例えばラ
クタム,ε−アミノ酸,二塩基酸とジアミンとの重縮合
物などが挙げられる。具体的には、ε−カプロラクタ
ム,アミノラクタム,エナントラクタム,11−アミノ
ウンデカン酸,7−アミノヘプタン酸,9−アミノノナ
ン酸,α−ピロリドン,α−ピペリドンなどの重合体及
びヘキサメチレンジアミン,ノナメチレンジアミン,ウ
ンデカメチレンジアミン,ドデカメチレンジアミン,メ
タキシリレンジアミンなどのジアミンとテレフタル酸,
イソフタル酸,アジピン酸,セバシン酸,ドデカン二塩
基酸,グルタール酸などのジカルボン酸との重縮合物又
はこれらの共重合体が挙げられる。さらに、具体的に
は、ナイロン4,ナイロン6,ナイロン7,ナイロン
8,ナイロン11,ナイロン12,ナイロン6・6,ナ
イロン6・9,ナイロン6・10,ナイロン6・11,
ナイロン6・12,ナイロンMXDなどが挙げられる。
【0011】本発明の樹脂組成物においては、(B)成
分として、エチレン単位とアクリルアミド誘導体及び/
又はメタクリルアミド誘導体単位を含むエチレン系共重
合体樹脂が用いられる。このような共重合体樹脂につい
ては、「高分子論文集」第35巻,第12号,第795
ページ(1978年)、米国特許3,629,209 号明細書,
特公昭43−21655号公報,特公昭44−1953
7号公報,特公昭43−23766号公報,特公昭43
−9063号公報、特開昭63−304010号公報な
どに記載されている通常の方法によって得ることができ
る。該(B)成分を構成するアクリルアミド誘導体やメ
タクリルアミド誘導体としては、N−アルキルアクリル
アミド;N,N−ジアルキルアクリルアミド;N−アル
キルメタクリルアミド;N,N−ジアルキルメタクリル
アミドがある。具体的には、N−メチルアクリルアミ
ド;N−エチルアクリルアミド;N−n−プロピルアク
リルアミド;N−イソプロピルアクリルアミド;N−n
−ブチルアクリルアミド;N−イソブチルアクリルアミ
ド;N−t−ブチルアクリルアミド;N,N−ジメチル
アクリルアミド;N,N−ジエチルアクリルアミド;N
−エチルメタクリルアミド;N−n−プロピルメタクリ
ルアミド;N−t−ブチルメタクリルアミド;N,N−
ジメチルメタクリルアミド;N,N−ジエチルメタクリ
ルアミドなどが挙げられ、これらを単独で又は混合物と
して使用することができる。これらのうち、N−エチル
アクリルアミド;N−イソプロピルアクリルアミド;N
−t−ブチルアクリルアミド;N,N−ジメチルアクリ
ルアミド;N,N−ジエチルアクリルアミド;N−n−
プロピルメタクリルアミド;N−t−ブチルメタクリル
アミドなどが好ましい。
【0012】該エチレン系共重合体樹脂におけるアクリ
ルアミド誘導体及び/又はメタクリルアミド誘導体単位
の含有量は通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜45
重量%の範囲にあるのがよい。この含有量が0.1重量%
未満では本発明の効果が充分に発揮されないし、50重
量%を超えると共重合体樹脂の柔軟性が失われ、得られ
る樹脂組成物は脆くなり機械的特性の劣るものとなる。
なお、本発明に用いるエチレン系共重合体樹脂は、エチ
レン単位とアクリルアミド誘導体及び/又はメタクリル
アミド誘導体単位と共に、その他の重合性モノマーに由
来する単位を含むことができる。ここで、その他の重合
性モノマーとしては、それぞれ不飽和結合を有するエス
テル系化合物,酸化合物,エーテル系化合物,炭化水素
系化合物などを挙げることができる。
【0013】不飽和結合を有するエステル系化合物とし
ては、例えば、酢酸ビニル,アクリル酸メチル,アクリ
ル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル,
アクリル酸ヘキシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸
ラウリル,アクリル酸ベンジル,アクリル酸N,N−ジ
メチルアミノエチル,メタクリル酸メチル,メタクリル
酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチ
ル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸オクチル,メ
タクリル酸ラウリル,メタクリル酸N,N−ジメチルア
ミノエチル,フマル酸メチル,フマル酸エチル,フマル
酸プロピル,フマル酸ブチル,フマル酸ジメチル,フマ
ル酸ジエチル,フマル酸ジプロピル,フマル酸ジブチ
ル,マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,マレイン酸
プロピル,マレイン酸ブチル,マレイン酸ジメチル,マ
レイン酸ジエチル,マレイン酸ジプロピル,マレイン酸
ジブチルなどが挙げられる。
【0014】不飽和結合を有する酸化合物としては、例
えば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル
酸などが挙げられる。また、不飽和結合を有するエーテ
ル系化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル,
エチルビニルエーテル,プロピルビニルエーテル,ブチ
ルビニルエーテル,オクタデシルビニルエーテル,フェ
ニルビニルエーテルなどが挙げられる。さらに、不飽和
結合を有する炭化水素系化合物としては、例えば、スチ
レン,ノルボルネン,ブタジエン,さらにはアクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクロレイン,クロトン
アルデヒド,トリメトキシビニルシラン,塩化ビニル,
塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらの第三成分の
モノマーは、目的とする用途に応じて一種用いてもよい
し、二種以上を組合わせて用いてもよい。これらの第三
成分のモノマーに由来する単位の共重合体樹脂中におけ
る含有量は多くとも40重量%が望ましい。該含有量が
40重量%を超えるとエチレン系共重合体樹脂が本来有
する特性が損なわれることがある。
【0015】上記のような第三成分のモノマーは、基本
的にはアクリルアミド誘導体及びメタクリルアミド誘導
体と反応しないのが好ましいが、使用量を化学量論を考
慮して選定すれば、これらの誘導体と反応しうるモノマ
ーを使用することもできる。特に、透明性を要求する用
途に対しては、エチレン系共重合体樹脂の結晶性を低下
させるために上記第三成分のモノマーを少なくとも3重
量%含有させるのが好ましい。さらに好ましくは少なく
とも5重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%用
いる。また、工業用材料用途などにおいて耐油性が要求
される分野に使用する場合は、極性の高い第三成分のモ
ノマーを選定し共重合させることが好ましい。特に、具
体的に好ましいモノマーを示せば,アクリロニトリル,
アクリル酸,アクリル酸エステルなどを挙げることがで
きる。さらに、用途が食品包装分野では、衛生性と共
に、低臭,低味が強く要求される。この第三成分のモノ
マーによる臭気は通常共重合体中に残存する量に依存し
一概には限定できないが、多くとも3重量%にするのが
望ましい。特に厳密な無臭・無味を要求される用途の積
層物には、臭気の強い第三成分のモノマーの使用が全く
ないか、若しくは非常に少なく、多くとも該モノマー量
が1重量%であることが望ましい。
【0016】本発明の樹脂組成物における上記(B)成
分のエチレン系共重合体樹脂の含有量は、1〜40重量
%、好ましくは2〜35重量%、より好ましくは4〜2
0重量%の範囲にあるのが望ましい。この含有量が1重
量%未満では樹脂組成物の均一性が得られないし、40
重量%を超えると樹脂組成物が柔軟となり、支障をきた
す場合がある。なお、次に説明する(C)成分が含まれ
ていない(A)成分と(D)成分とからなる組成物に、
上記(B)成分を用いても効果がある。本発明の樹脂組
成物においては、(C)成分として、不飽和ジカルボン
酸若しくはその酸無水物に由来する単位0.01〜20重
量%を含有する熱可塑性樹脂が用いられる。この熱可塑
性樹脂は、通常EVOHやPAの接着性樹脂として使用
さている。このような接着性樹脂としては、例えばポリ
オレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸,酸無水物(代表
的には無水マレイン酸が用いられる)又はエステル単量
体を、米国特許第4,026,967 号明細書,米国特許第3,95
3,655 号明細書,特開昭51−98784号公報,特公
昭44−15423号公報,特公昭49−4822号公
報などに詳細に記載されている方法でグラフト又は共重
合した樹脂がある。該グラフト方法としては、一般に押
出機で溶融グラフト変性する方法、あるいは熱キシレン
にポリオレフィン樹脂を溶解し、有機過酸化物で上記成
分をグラフトする方法などが挙げられる。また、エチレ
ンと有機過酸化物を用い、高圧下で共重合して得られた
エチレン系共重合体がよく知られている。
【0017】該(C)成分の熱可塑性樹脂における不飽
和ジカルボン酸若しくはその酸無水物に由来する単位の
含有量は0.01〜20重量%の範囲にあることが必要で
ある。この含有量が0.01重量%未満では樹脂組成物の
機械的強度が不充分である上、EVOHやPAと熱可塑
性樹脂との相溶性に乏しくなるし、20重量%を超える
とEVOHやPAとの反応が進みすぎて着色やゲル化が
起こり好ましくない。不飽和ジカルボン酸若しくはその
酸無水物に由来する単位の好ましい含有量は0.2〜10
重量%の範囲である。該不飽和ジカルボン酸無水物とし
ては、例えばマレイン酸無水物,イタコン酸無水物,エ
ンディック酸無水物,シトラコン酸無水物などを挙げる
ことができる。該(C)成分の熱可塑性樹脂には、前記
不飽和ジカルボン酸若しくはその酸無水物単位以外に、
さらに重合性の第三成分モノマー単位を含んでいてもよ
い。この第三成分のモノマーとしては、それぞれ不飽和
結合を有するエステル系化合物,酸化合物,エーテル系
化合物,炭化水素系化合物などを挙げることができる。
【0018】不飽和結合を有するエステル系化合物とし
ては、例えば、酢酸ビニル,アクリル酸メチル,アクリ
ル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル,
アクリル酸ヘキシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸
ラウリル,アクリル酸ベンジル,アクリル酸N,N−ジ
メチルアミノエチル,メタクリル酸メチル,メタクリル
酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチ
ル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸オクチル,メ
タクリル酸ラウリル,メタクリル酸N,N−ジメチルア
ミノエチル,フマル酸メチル,フマル酸エチル,フマル
酸プロピル,フマル酸ブチル,フマル酸ジメチル,フマ
ル酸ジエチル,フマル酸ジプロピル,フマル酸ジブチ
ル,マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,マレイン酸
プロピル,マレイン酸ブチル,マレイン酸ジメチル,マ
レイン酸ジエチル,マレイン酸ジプロピル,マレイン酸
ジブチルなどが挙げられる。
【0019】不飽和結合を有する酸化合物としては、例
えば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル
酸などが挙げられる。また、不飽和結合を有するエーテ
ル系化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル,
エチルビニルエーテル,プロピルビニルエーテル,ブチ
ルビニルエーテル,オクタデシルビニルエーテル,フェ
ニルビニルエーテルなどが挙げられる。さらに、不飽和
結合を有する炭化水素系化合物としては、例えば、スチ
レン,ノルボルネン,ブタジエン,さらにはアクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクロレイン,クロトン
アルデヒド,トリメトキシビニルシラン,塩化ビニル,
塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらの第三成分の
モノマー単位の含有量は、共重合体樹脂中多くとも40
重量%が望ましい。この含有量が40重量%を超えると
(C)成分の熱可塑性樹脂が本来有する特性が損なわれ
好ましくない。さらに好ましく2〜30重量%の範囲に
あるのがEVOHやPAと熱可塑性樹脂との相溶性の点
で好ましい。また、不飽和カルボン酸若しくはその酸無
水物単位と第三成分モノマー単位との合計含有量は共重
合体樹脂中50重量%以下、より好ましくは40重量%
以下が望ましい。
【0020】この(C)成分の熱可塑性樹脂として、例
えばエチレンと不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体
を製造する場合には塊状,溶液,懸濁又はエマルジョン
法などの方法が用いられるが、最も一般的には塊状共重
合法が用いられ、700〜3000気圧の圧力下、10
0〜300℃の範囲の温度においてラジカル重合によっ
て該共重合体が製造される。好ましい圧力,温度の範囲
としては1000〜2500気圧、反応器内の平均温度
で150〜270℃とすることができる。700気圧以
下では重合体の分子量が充分大きくならず、成形性,物
性が低下する。3000気圧を超える圧力は実質的に意
味が無く、製造コストを高めるだけである。温度が10
0℃未満では反応が安定しないし、重合体への転化率が
低下するので経済的に問題がある。また、300℃を超
えると重合体の分子量が大きくならない上に暴走反応の
危険が生じる。
【0021】製造に際しては基本的に通常の低密度ポリ
エチレンの製造設備及び技術を利用できる。反応器の形
式としては攪拌機付のオートクレーブ又はチューブラー
型のものを使用することができ、必要に応じて複数個の
反応器を直列又は並列に接続して多段重合をすることが
できる。さらにオートクレーブ型反応器の場合反応器内
部を複数ゾーンに仕切ることにより、温度分布をつけた
より厳密な温度コントロールをすることも可能である。
ラジカル開始剤としては、ラジカルを発生する化合物で
あれば、特に制限はなく、例えば、ジt−ブチルパーオ
キシド,ジクミルパーオキシド,t−ブチルクミルパー
オキシドなどのジアルキルパーオキシド;アセチルパー
オキシド,i−ブチルパーオキシド,オクタノイルパー
オキドなどのジアシルパーオキシド;ジi−プロピルパ
ーオキシジカーボネート,ジ2−エチルヘキシルパーオ
キシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;
t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチルパーオキ
シラウレートなどのパーオキシエステル;メチルエチル
ケトンパーオキシド,1,1−ビスt−ブチルパーオキ
シシクロヘキサン,2,2−ビスt−ブチルパーオキシ
オクタノンなどのパーオキシケタール;t−ブチルハイ
ドロパーオキシド,クメンハイドロパーオキシドどのハ
イドロパーオキシドなどの有機過酸化物、その他2,2
−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、酸素
などが挙げられる。
【0022】また、重合に当たって分子量調節剤とし
て、種々の連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移
動剤としては、例えば、プロピレン,ブテン,ヘキセン
などのオレフィン類、エタン,プロパン,ブタンなどの
パラフィン類、アセトン,メチルエチルケトン,酢酸メ
チルなどのカルボニル化合物、トルエン,キシレン,エ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素類などを挙げることが
できる。上記のようにして得られた共重合体は、未反応
モノマーと共に反応器より排出され、高圧分離器、場合
により中圧分離器,低圧分離器を経て重合体とモノマー
ないしは低分子量重合体とを分離した後、混練り機を通
しベール状又は押出機を通してペレット化すると共に、
未反応モノマーは、低分子量重合体をフィルターで除去
した後循環して再使用する。また該(C)成分には未変
性の熱可塑性樹脂や接着性を向上する目的で用いられる
ゴム成分を含んでいてよい。これらのゴム成分として
は、スチレン−ブタジエンゴム,アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム,ブチルゴム,クロロブレンゴム,シリコ
ーンゴム,アクリルゴム,ウレタンゴム,ポリブタジエ
ンゴム,エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピ
レン−ジエンターポリマー,ポリイソブレンゴム,ポリ
ブテン−1ゴム,エチレンとα−オレフィンとの共重合
ゴム(例えばブテン−1;4−メチルペンテン−1;オ
クテンなどの共重合体として直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)の製造技術の応用として通常の該低密度
ポリエチレンより低結晶性ポリエチレン(ULDPE又
はVLDPEと呼ばれることがある。)などが挙げられ
る。
【0023】本発明の樹脂組成物においては、(D)成
分として、前記(A)成分,(B)成分及び(C)成分
以外の熱可塑性樹脂が用いられる。この熱可塑性樹脂と
しては、例えばポリプロピレンやポリエチレンに代表さ
れるポリオレフィン系樹脂,エステル系樹脂,ポリカー
ボネート系樹脂,ポリスチレン系樹脂,ポリ塩化ビニル
などを挙げることができる。(D)成分としてポリオレ
フィン系樹脂を用い、(A)成分として(C)成分と
(D)成分とからなる組成物に、前記(B)成分を配合
すると効果が著しく好ましい。該ポリオレフィン系樹脂
とは、中・高密度ポリエチレン,ホモポリプロピレン,
エチレン−プロピレンブロック共重合体,エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体,アイオノマー,エチレンと
炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体などをいう。
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体と
しては、例えばエチレン−ブテン−1共重合体,エチレ
ン−4メチルペンテン−1共重合体,エチレン−ヘキセ
ン−1共重合体及びエチレン−プロピレンゴムなどをブ
レンドした変性ポリプロピレン,変性ポリブテン−1,
変性ポリ−4メチルペンテンなどが挙げられる。
【0024】本発明の樹脂組成物の溶融指数(MFR,
JIS−K6758により荷重2.16kg,温度230
℃にて測定)については特に制限はなく、成形法によっ
て適宜選ばれるが、押出成形法の場合には0.1〜300
(g/10分)の範囲が適当である。また、本発明の樹
脂組成物を得るためのブンレド方法については、特に制
限はなく、(A)成分,(C)成分及び(D)成分から
なる多層積層体を回収した際、(B)成分を所定量配合
したリボンブレンダー,高速ミキサー,ニーダー,ペレ
タイザー,ミキシングロールなどを用い、混合し多層積
層体のリサイクル層に再使用してもよいし、ペレット化
し、他の目的としてそのまま使用してもよい。また、各
成分を直接成形機に供給し、成形加工してもよい。さら
に、多層積層体を得る多層押出成形において(B)成分
を(A)成分,(C)成分及び(D)成分のいずれかに
予め配合しておいてもよいが、多層積層体の目的を阻害
する場合もあるので、多層積層体を回収した際に加えた
方が好ましい。
【0025】本発明の樹脂組成物には、所望に応じ、従
来熱可塑性樹脂組成物に慣用されている他の添加剤、例
えば酸化防止剤,紫外線吸収剤,可塑剤,帯電防止剤,
滑剤,着色剤,充填剤などを配合することができる。酸
化防止剤としては、例えば2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル;4,4−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル);2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール);オクタデシル3−(3’−5’−
ジ−t−ブチル−1’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート;4,4’−チオビス−(6−ブチルフェノー
ル)などがあり、紫外線吸収剤としては、例えばエチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;2−
(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール;2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノンなどが挙げられる。
【0026】また、可塑剤としては、例えばフタル酸ジ
メチル,グリセリン,ジプロピレングリコール,トリエ
チレングリコール,ジエチレングリコール,フタル酸ジ
エチル,ワックス,流動パラフィン,リン酸エステルな
どが、帯電防止剤としては、例えばソルビタンモノステ
アレート,ソルビタンモノパルミテート,硫酸化オレイ
ン酸,ポリエチレンオキシド,カーボワックスなどが、
滑剤としては、例えばエチレンビスステアロアミド,ブ
チルステアレートなどが挙げられる。着色剤としては、
例えばカーボンブラック,フタロシアニン,顔料,キナ
クリドン顔料,インドリン顔料,アゾ系顔料,酸化チタ
ン,ベンガラなどが挙げられ、充填剤としては、例えば
グラスファイバー,アスベスト,マイカ,バラストナイ
ト,ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム,炭酸カル
シウムなどが挙げられる。さらに、本発明の作用効果が
阻害されない程度に、所望に応じ他の種々の高分子化合
物や無機化合物をブレンドすることもできる。
【0027】
【作用】本発明の樹脂組成物は、高度な機械的特性を発
揮する。しかも本発明の樹脂組成物は、EVOHやPA
とその他の熱可塑性樹脂とともに回収利用した際、相溶
性に優れ、これら回収混合樹脂間の接着強度及び機械的
強度が高いものとなる。この原因については必ずしも明
確ではないが、本発明の樹脂組成物を用いた回収混合樹
脂(EVOHやPAとポリオレフィン樹脂と本発明の樹
脂組成物)は(株)日立製作所製,S−530型走査型
電子顕微鏡を用いたEVOHやPAの分散状態を観察す
るとEVOHやPAとポリオレフィン樹脂との界面が従
来の接着性樹脂を用いた場合よりも不鮮明となり、良く
相溶していた。本発明の樹脂組成物にすることよって一
種の相互作用が起こって効果が発揮されるものと思われ
る。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 製造例1(エチレン−N,N’−ジメチルアクリルアミ
ド共重合体の製造) 内容量4リットルで2ゾーンに分割されたオートクレー
ブ型反応器内で、重合を温度190〜210℃,圧力1
100〜1300気圧の条件下で、開始剤としてt−ブ
チルパーオキサイドを用いて実施した。アクリルアミド
成分としてN,N’−ジメチルアクリルアミド及びアク
リルアミドを用い、これらと他のモノマー及び/又は溶
剤を第二段圧縮器の上流に注入し、エチレンと共に反応
器の第一ゾーンに供給した。生成した共重合体は、高圧
分離器,低圧分離器にて未反応モノマーを分離し、押出
機を用いてペレット化し、下記の(a)〜(e)で示す
共重合体を製造した。なお、N,N’−ジメチルアクリ
ルアミド,アクリルアミド含有量は赤外分光計及び13
−NMRを用いて決定した。 (a)エチレン−N,N’−ジメチルアクリルアミド共
重合体(MFR3.5g/10分,N,N’−ジメチルア
クリルアミド=19.2重量%) (b)エチレン−N,N’−ジメチルアクリルアミド共
重合体(MFR3.7g/10分,N,N’−ジメチルア
クリルアミド=37重量%) (c)エチレン−アクリルアミド共重合体(MFR4.6
g/10分,アクリルアミド=11.4重量%) (d)エチレン−メチルメタクリレート−N,N’−ジ
メチルアクリルアミド共重合体(MFR5.1g/10
分,メチルメタクリレート含有量=6.2重量%,N,
N’−ジメチルアクリルアミド=9.1重量%) (e)エチレン−酢酸ビニル−N,N’−ジメチルアク
リルアミド共重合体(MFR4.4g/10分,酢酸ビニ
ル含有量=3.4重量%,N,N’−ジメチルアクリルア
ミド=24.1重量%)
【0029】製造例2(エチレン−不飽和ジカルボン酸
無水物共重合体の製造) 内容量4リットルで2ゾーンに分割されたオートクレー
ブ型反応器内で重合を温度190〜230℃,圧力18
00〜1950気圧の条件で開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシピバレートを用いて実施した。不飽和ジカルボ
ン酸無水物あるいは該無水物と他のモノマー及び/又は
溶剤を第二段圧縮器の上流に注入し、エチレンと共に反
応器の第一ゾーンに供給した。生成した共重合体は、高
圧分離器,低圧分離器で未反応モノマーと分離し、押出
機を用いてペレット化し、下記の(f)〜(i)で示す
共重合体を製造した。なお、共重合体の組成は赤外分光
計及び13C−NMRを用いて決定した。 (f)エチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン
酸共重合体(MFR8.3g/10分,エチレン含有量=
89.6重量%,メチルメタクリレート含有量=7.6重量
%,無水マレイン酸含有量=2.8重量%) (g)エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸
共重合体(MFR6.8g/10分,エチレン含有量=9
0.0重量%,エチルアクリレート含有量=6.5重量%,
無水マレイン酸含有量=3.5重量%) (h)エチレン−無水イコタン酸共重合体(MFR8.2
g/10分,エチレン含有量=95.1重量%,無水イタ
コン酸含有量=4.9重量%) (i)エチレン−無水マレイン酸共重合体(MFR8.4
g/10分,エチレン含有量=95.4重量%,無水マレ
イン酸含有量=4.6重量%)
【0030】製造例3(変性ポリオレフィンの製造) 下記のようにして変性ポリオレフィン(j)及び(k)
を製造した。 (j)変性ポリプロピレンとして、無水マレイン酸でエ
チレン含有量4.5重量%のエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体を溶融グラフト変性したものを使用した。グ
ラフト変性は二軸押出機を用い、変性後にアセトンで洗
浄することにより未反応物は完全に取り除いた。変性ポ
リプロピレンのMRFは(JIS K−7210,23
0℃,2.16kg)は55g/10分、変性ポリプロピ
レンの無水マレイン酸に由来する単位の含有量は0.9重
量%であった。この変性ポリプロピレン20重量%及び
エチレン含有量が70重量%であるエチレン−プロピレ
ンゴム20重量%とMFR8.1g/10分,エチレン含
有量4.5重量%の未変性ポリプロピレン60重量%タン
ブラーを用い混合したのち、単軸押出機にて230℃で
ペレット化した。 (k)変性ポリエチレンとして、無水マレイン酸で低密
度ポリエチレンを溶融グラフト変性したものを使用し
た。グラフト変性は二軸押出機を用い行った。変性ポリ
エチレンのMRF(JIS K−6760,190℃,
2.16kg)は5g/10分,密度0.915g/cc,変
性ポリエチレンの無水マレイン酸に由来する単位の含有
量は0.5重量%であった。この変性ポリエチレン20重
量%,エチレン含有量が70重量%であるエチレン−プ
ロピレンゴム20重量%、及びMFR4.0g/10分,
密度0.920g/ccの未変性ポリエチレン60重量%を
タンブラーを用い混合したのち、単軸押出機にて温度1
90℃でペレット化した。
【0031】実施例1 ホモポリプロピレン(230℃,MFRが0.5g/10
分)81重量%,変性ポリプロピレン(j)4.5重量
%,(株)クラレ製,EVOH樹脂エバールEP−F1
01(エチレン含有量32モル%)9.5重量%、(B)
成分の樹脂として(a)5重量%をタンブラーで混合、
単軸押出機でペレット化したのち、60℃で一昼夜真空
乾燥した。その後L/D=26,圧縮比3のフルフライ
ト型スクリューを有する押出機に仕込み、幅250mm
のフラットダイスを使用しシート成形を実施した。成形
温度は押出機を170〜230℃,ダイスを230℃と
し厚さが300μmのシートを引き取り機で巻き取り、
6時間の連続運転を実施した。得られたシートは均一か
つ良好な相溶性を示し、相溶性不良による相分離異物は
見られなかった。
【0032】比較例1 実施例1において、(B)成分を混合せず、樹脂の配合
比をホモポリプロピレン85重量%,EVOH10重量
%,変性ポリプロピレン(j)5重量%とした以外は、
実施例1と同様にして成膜を実施した。運転直後より実
施例1ではみられない不均一な相分離異物が多数観察さ
れるとともに、ダイリップ部に茶褐色の溶融樹脂が付
着、堆積し、時間経過とともに増大した。また、得られ
たシートの外観はEVOHの部分が相分離し、極めて不
良であった。相分離したものがEVOHであるかどうか
は水溶性染料であるメチルレッドの5%エタノール溶液
にシートを浸漬し確認した。
【0033】実施例2〜11及び比較例2〜5 実施例1において、ポリプロピレン,EVOH,変性ポ
リプロピレン(j)及び(B)成分樹脂の種類、配合量
を第1表に示すように変えた以外は、実施例1と同様に
して押出成形を実施した。成形中のダイリップへの付着
状況及び得られたシートの膜の状態観察を行い、この結
果を第1表に示した。なお、シートの膜の状態観察の評
価は次の基準により判定した。 A:均一かつ良好な相溶性を示し、相分離異物が見られ
ない。かつ、成形時においてもダイリップへの茶褐色の
溶融樹脂の付着堆積がほとんどない。 B:均一かつ良好な相溶性を示し、相分離異物が見られ
ないが、成形時においてダイリップへの茶褐色の溶融樹
脂の付着堆積が少しある。 C:相溶性は良好であるが、一部相分離物がみられ成形
時ダイリップへの茶褐色の溶融樹脂の付着堆積が、やや
多量にある。 D:相溶性に非常に劣り、相分離物が多量に見られ、成
形時ダイリップへの茶褐色の溶融樹脂の付着堆積が、多
量に発生する。
【0034】
【表1】
【0035】実施例12〜22及び比較例6〜12 実施例1において、ポリプロピレンを密度0.917g/
cc,MFR7.1g/10分の低密度ポリエチレンに変
え、かつ第2表に示す配合組成により、実施例1と同様
にして実施した。その結果を第2表に示す。なお、表中
において、LDPEは低密度ポリエチレン,GMAHは
変性ポリエチレン(k),EMAHはエチレン−不飽和
ジカルボン酸無水物共重合体を表わす。
【0036】
【表2】
【0037】実施例23 ホモポリプロピレン(230℃,MFRが0.5g/10
分)80重量%,変性ポリプロピレン(j)5重量%,
ナイロン1023B(宇部興産(株)製)10重量%,
(B)成分の樹脂として(b)5重量%をタンブラーで
混合したのち、L/D=26,圧縮比3のフルフライト
型スクリューを有する押出機に仕込み、幅250mmの
フラットダイスを使用しシート成形を実施した。成形温
度は押出機を170〜230℃,ダイスを230℃とし
厚さ300μmのシートを引き取り機で巻き取り、6時
間の連続運転を実施した。得られたシートは膜観察の評
価基準Aで、均一かつ良好な相溶性を示し、相溶性不良
による相分離物は見られなかった。
【0038】実施例24 実施例23におけるポリプロピレンを、密度0.917g
/cc,MFR7.1g/10分の低密度ポリエチレン80
重量%に、変性ポリプロピレン(j)を変性ポリエチレ
ン(k)5重量%に、及び(B)成分を(e)5重量%
に変更し、ナイロン1022B10重量%とし、以下実
施例23と同様に実施した。その結果、得られたシート
は膜観察の評価基準Aで、均一かつ良好な相溶性を示し
相溶性不良による相分離物は見られなかった。
【0039】比較例13 ホモポリプロピレン(230℃,MFRが0.5g/10
分)85重量%,変性ポリプロピレン(j)5重量%,
ナイロン1022B(宇部興産(株)製)10重量%を
タンブラーで混合したのち、L/D=26,圧縮比3の
フルフライト型スクリューを有する押出機に仕込み、幅
250mmのフラットダイスを使用しシート成形を実施
した。成形温度は押出機を170〜230℃,ダイスを
230℃とし厚さ300μmのシートを引き取り機で巻
き取り、6時間の連続運転を実施した。得られたシート
は膜観察の評価基準Dで、不均一で相分離物が多量に見
られ、ダイリップへの付着堆積が多量に発生した。
【0040】比較例14 実施例24において(B)成分を用いず、低密度ポリエ
チレン85重量%,変性ポリエチレン(k)5重量%,
ナイロン1022B10重量%を用いて実施したとこ
ろ、評価基準Dであった。
【0041】実施例25〜30及び比較例15〜19 実施例2,5,7,13,17,18及び比較例3,
4,6,7,10の樹脂組成物を用い、住友重工(株)
製ミニマット7/8オンス射出成形機を使用して、射出
温度230℃,金型温度45℃の条件でアイゾット衝撃
試験及び曲げ弾性率測定試験片を作成した。次に、これ
を温度23℃及び相対湿度50%の恒温室に7日間状態
調整し、同条件でASTM D256に従ってノッチ付
きアイゾット衝撃強度,ASTM D790に従って曲
げ弾性率の測定を行った。これらの結果を第3表に示
す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物はEVOHやPAと
不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物単位を含有する樹
脂と他の熱可塑性樹脂との相溶性が著しく改良され、多
層積層体の一層に用いる場合、層間接着強度が高いな
ど、特に顕著な効果が発揮される。熱可塑性樹脂をE、
EVOH又はPAをF、接着性樹脂をG、本発明の樹脂
組成物をHとし、H/F/H,H/H/H(中間層のH
はEVOHの含有量が多い)、H/G/F,H/G/F
/G/G/H,E/F/E/H,E/H/G/F/G/
H/E,E/H/G/F/G/E,E+H/D/F/D
/E,E+H/D/F/D/E+H,E/D/F+H/
D/E,E/D+H/F/D+H/Eなどの層構造をと
るとき、層間接着強度が高く、相溶性の良い美麗な成形
物を得ることができる。このような多層成形材において
は、本発明の樹脂組成物を多層成形物のバリやスクラッ
プで代用することもできる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オレフィン−酢酸ビニル共重合体
    けん化物樹脂及び/又はポリアミド樹脂、(B)エチレ
    ン単位とアクリルアミド誘導体及び/又はメタクリルア
    ミド誘導体単位を含むエチレン系共重合体樹脂、(C)
    不飽和ジカルボン酸若しくはその酸無水物に由来する単
    位0.001〜20重量%を含有する熱可塑性樹脂、及び
    (D)その他の熱可塑性樹脂を含有してなる樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (B)成分のエチレン系共重合体樹脂の
    含有量が、1〜40重量%である請求項1記載の樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分のエチレン系共重合体樹脂
    が、アクリルアミド誘導体及び/又はメタクリルアミド
    誘導体単位2〜50重量%を含有するものである請求項
    1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アクリルアミド誘導体単位が、N−アル
    キル置換アクリルアミド誘導体単位である請求項3記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アクリルアミド誘導体単位が、N,N−
    ジメチルアクリルアミド単位である請求項3記載の樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分のオレフィン−酢酸ビニル共
    重合体けん化物樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体
    けん化物樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    樹脂が、エチレン単位15モル%以上を含有し、かつけ
    ん化度が90モル%以上のものである請求項6記載の樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 (D)成分のその他の熱可塑製樹脂が、
    ポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の樹脂組成
    物。
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