JPH06254107A - 咀嚼効率検査剤 - Google Patents
咀嚼効率検査剤Info
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- JPH06254107A JPH06254107A JP5047929A JP4792993A JPH06254107A JP H06254107 A JPH06254107 A JP H06254107A JP 5047929 A JP5047929 A JP 5047929A JP 4792993 A JP4792993 A JP 4792993A JP H06254107 A JPH06254107 A JP H06254107A
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- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
- Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
〔構成〕乾燥α化デンプン及び蛍光剤を含む咀嚼効率検
査剤。澱粉および澱粉重量に対して40〜60重量%の
螢光剤水溶液の練合物を加熱して該澱粉をα化させた後
に乾燥することにより製造することができる。 〔効果〕咀嚼により溶出された蛍光剤を定量することに
より、義歯による咀嚼効率が適正か否かについて迅速か
つ正確に判断することができる。
査剤。澱粉および澱粉重量に対して40〜60重量%の
螢光剤水溶液の練合物を加熱して該澱粉をα化させた後
に乾燥することにより製造することができる。 〔効果〕咀嚼により溶出された蛍光剤を定量することに
より、義歯による咀嚼効率が適正か否かについて迅速か
つ正確に判断することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトの咀嚼効率を簡易に
判定するための検査剤に関するものである。さらに具体
的には、本発明の検査剤は、装着された義歯の咀嚼効率
を簡易かつ正確に測定するのに適した検査剤に関する。
判定するための検査剤に関するものである。さらに具体
的には、本発明の検査剤は、装着された義歯の咀嚼効率
を簡易かつ正確に測定するのに適した検査剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの永久歯は一般に加齢と共に欠除し
て数が減少するため、多くの老齢者は部分的あるいは全
体に装着された義歯により食物の咀嚼を行っている。し
かし、部分床義歯あるいは総義歯を装着した場合、それ
らの義歯による咀嚼効率は健全歯列の咀嚼効率に比較し
て著しく低下してしまうことがあり、そのような場合、
義歯装着者は低下した咀嚼効率を補うために咀嚼回数を
増加させる等の努力を強いられていた。したがって、歯
科医師が簡易かつ正確に患者に装着された義歯の咀嚼効
率を測定し得る方法の開発が望まれていた。
て数が減少するため、多くの老齢者は部分的あるいは全
体に装着された義歯により食物の咀嚼を行っている。し
かし、部分床義歯あるいは総義歯を装着した場合、それ
らの義歯による咀嚼効率は健全歯列の咀嚼効率に比較し
て著しく低下してしまうことがあり、そのような場合、
義歯装着者は低下した咀嚼効率を補うために咀嚼回数を
増加させる等の努力を強いられていた。したがって、歯
科医師が簡易かつ正確に患者に装着された義歯の咀嚼効
率を測定し得る方法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決しようと
するための手段】したがって本発明は、装着された義歯
の咀嚼効率を簡易かつ正確に測定するのに適した検査剤
を提供することを目的としている。本発明者らは上記の
課題を解決すべく鋭意努力した結果、螢光剤の水溶液を
澱粉あるいは澱粉と希釈剤を主成分とする粉末に加えて
練和し、その後に澱粉をα化して咀嚼効率の判定試験に
適する硬度に成形固化することにより得られる検査剤に
より咀嚼効率を検査すると、咀嚼の進行に応じて螢光剤
が唾液中に移行するので咀嚼効率の判定に好適であるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、乾
燥α化デンプン及び蛍光剤を含む咀嚼効率検査剤を提供
するものである。本発明により、該検査剤の製造方法も
提供される。
するための手段】したがって本発明は、装着された義歯
の咀嚼効率を簡易かつ正確に測定するのに適した検査剤
を提供することを目的としている。本発明者らは上記の
課題を解決すべく鋭意努力した結果、螢光剤の水溶液を
澱粉あるいは澱粉と希釈剤を主成分とする粉末に加えて
練和し、その後に澱粉をα化して咀嚼効率の判定試験に
適する硬度に成形固化することにより得られる検査剤に
より咀嚼効率を検査すると、咀嚼の進行に応じて螢光剤
が唾液中に移行するので咀嚼効率の判定に好適であるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、乾
燥α化デンプン及び蛍光剤を含む咀嚼効率検査剤を提供
するものである。本発明により、該検査剤の製造方法も
提供される。
【0004】本発明の検査剤の製造に用いられる澱粉と
しては、小麦、甘藷、米、玉蜀黍、馬鈴薯、カツサバ根
等から得られる澱粉を挙げることができる。本発明の検
査剤に含有される螢光剤は強い螢光強度を有し、使用濃
度で実質的に無害であるものならばいかなるものでも使
用できる。これらの螢光剤は澱粉のα化工程及び成形固
化工程での安定性を保証するために170℃以下の温度
では実質的に安定であることが好ましい。螢光剤として
好適にはフルオレセインナトリウムを用いることができ
る。これらの螢光剤は最終の検査剤重量に対して0.1〜
0.5重量%の割合で含有させればよい。螢光剤としてフ
ルオレセインナトリウムを用いる場合には検査剤重量に
対して0.1〜0.3重量%の割合で含有させることが望ま
しい。
しては、小麦、甘藷、米、玉蜀黍、馬鈴薯、カツサバ根
等から得られる澱粉を挙げることができる。本発明の検
査剤に含有される螢光剤は強い螢光強度を有し、使用濃
度で実質的に無害であるものならばいかなるものでも使
用できる。これらの螢光剤は澱粉のα化工程及び成形固
化工程での安定性を保証するために170℃以下の温度
では実質的に安定であることが好ましい。螢光剤として
好適にはフルオレセインナトリウムを用いることができ
る。これらの螢光剤は最終の検査剤重量に対して0.1〜
0.5重量%の割合で含有させればよい。螢光剤としてフ
ルオレセインナトリウムを用いる場合には検査剤重量に
対して0.1〜0.3重量%の割合で含有させることが望ま
しい。
【0005】本発明による検査剤は、咀嚼効率判定時に
義歯または被検者が耐え得る硬度、あるいは歯周症など
による歯の骨植状態に応じた適切な硬度を有するように
製造されることが好ましい。耐圧強度の低い義歯装着者
の咀嚼効率を測定する場合には、低硬度の検査剤とする
ことが特に好ましい。この様な場合には、澱粉重量に対
して30〜60重量%の不溶性無機物質を稀釈剤として
添加してもよい。希釈剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、リン酸第二カルシウム等の衛生上無害で且つ螢光剤
の溶出に実質的に影響を与えない物質を用いればよい。
義歯または被検者が耐え得る硬度、あるいは歯周症など
による歯の骨植状態に応じた適切な硬度を有するように
製造されることが好ましい。耐圧強度の低い義歯装着者
の咀嚼効率を測定する場合には、低硬度の検査剤とする
ことが特に好ましい。この様な場合には、澱粉重量に対
して30〜60重量%の不溶性無機物質を稀釈剤として
添加してもよい。希釈剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、リン酸第二カルシウム等の衛生上無害で且つ螢光剤
の溶出に実質的に影響を与えない物質を用いればよい。
【0006】本発明の検査剤を製造するには、例えば、
澱粉または澱粉及び希釈剤を含む混合物に螢光剤含有水
溶液を加えて均一に練和した後に必要に応じて成形し、
さらに加熱により澱粉をα化させて、その後に加熱乾燥
すればよい。蛍光剤水溶液は澱粉または澱粉及び希釈剤
を含む混合物の重量に対して40〜60重量%となるよ
うに練和すればよく、例えば、得られた練和物がウドン
生地程度の硬度を有するように均一に練和すればよい。
成形を容易にするために高周波誘電加熱等を行ってもよ
い。例えば、高周波誘電加熱装置(2,450 MHz) 中で30
秒程度加熱することにより成形が容易になる。澱粉のα
化は常法にしたがって、該練合物を加熱することにより
行われるが、例えば乾熱処理、蒸気加熱処理、又は高周
波誘電加熱処理等により80〜100℃で行えばよい。
蒸気加熱処理による場合には、例えば100度で20分
程度の加熱処理を行えばよい。澱粉のα化処理の後、得
られた加熱処理物を乾燥することにより本発明の検査剤
を製造することができる。乾燥処理は常法により行えば
よいが、例えば80℃、100℃、および120℃でそ
れぞれ30分づつ乾燥を行えばよい。本発明の検査剤に
含有される残留水分は乾燥物重量に対して15重量%未
満、好ましくは5〜10重量%とすることが好ましい。
残留する水分が多すぎると本発明の検査剤に含有される
α化澱粉の老化が促進される場合があるので保存性の観
点から望ましくない。このようにして製造される本発明
の検査剤は均質な堅さを有しており、色素の溶出は専ら
咀嚼による粉砕の進行に依存する。
澱粉または澱粉及び希釈剤を含む混合物に螢光剤含有水
溶液を加えて均一に練和した後に必要に応じて成形し、
さらに加熱により澱粉をα化させて、その後に加熱乾燥
すればよい。蛍光剤水溶液は澱粉または澱粉及び希釈剤
を含む混合物の重量に対して40〜60重量%となるよ
うに練和すればよく、例えば、得られた練和物がウドン
生地程度の硬度を有するように均一に練和すればよい。
成形を容易にするために高周波誘電加熱等を行ってもよ
い。例えば、高周波誘電加熱装置(2,450 MHz) 中で30
秒程度加熱することにより成形が容易になる。澱粉のα
化は常法にしたがって、該練合物を加熱することにより
行われるが、例えば乾熱処理、蒸気加熱処理、又は高周
波誘電加熱処理等により80〜100℃で行えばよい。
蒸気加熱処理による場合には、例えば100度で20分
程度の加熱処理を行えばよい。澱粉のα化処理の後、得
られた加熱処理物を乾燥することにより本発明の検査剤
を製造することができる。乾燥処理は常法により行えば
よいが、例えば80℃、100℃、および120℃でそ
れぞれ30分づつ乾燥を行えばよい。本発明の検査剤に
含有される残留水分は乾燥物重量に対して15重量%未
満、好ましくは5〜10重量%とすることが好ましい。
残留する水分が多すぎると本発明の検査剤に含有される
α化澱粉の老化が促進される場合があるので保存性の観
点から望ましくない。このようにして製造される本発明
の検査剤は均質な堅さを有しており、色素の溶出は専ら
咀嚼による粉砕の進行に依存する。
【0007】本発明の検査剤の保存上の安定性を保つた
め、本発明の検査剤にさら防湿コーテイングを施しても
よい。例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、セルロースアセテートフタレート等の
セルロース誘導体の有機溶媒溶液を製造し、常法により
コーテイング処理を行ってもよい。この様なコーテイン
グ処理を施された検査剤は、検査剤中に含まれている螢
光剤が咀嚼による破砕なしには溶出しないので好ましい
ものである。また、得られた検査剤を咀嚼によっても破
れない合成線維布、例えばナイロン布製の袋状物に封入
してもよい。例えば約150メッシュ程度のナイロン布
の間に挟み、周囲を酢酸ビニル糊で接着してもよい。あ
るいは本発明の検査剤を多孔性の弾性被膜で被覆しても
よい。このように封入された検査剤は、検査目的となる
歯の部位に保持され易いので、特に部分床義歯の咀嚼効
率を検査する場合に適している。
め、本発明の検査剤にさら防湿コーテイングを施しても
よい。例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、セルロースアセテートフタレート等の
セルロース誘導体の有機溶媒溶液を製造し、常法により
コーテイング処理を行ってもよい。この様なコーテイン
グ処理を施された検査剤は、検査剤中に含まれている螢
光剤が咀嚼による破砕なしには溶出しないので好ましい
ものである。また、得られた検査剤を咀嚼によっても破
れない合成線維布、例えばナイロン布製の袋状物に封入
してもよい。例えば約150メッシュ程度のナイロン布
の間に挟み、周囲を酢酸ビニル糊で接着してもよい。あ
るいは本発明の検査剤を多孔性の弾性被膜で被覆しても
よい。このように封入された検査剤は、検査目的となる
歯の部位に保持され易いので、特に部分床義歯の咀嚼効
率を検査する場合に適している。
【0008】本発明の検査剤を用いる方法の1例として
は、まず、一定量の検査剤を被験者の口腔内に含ませ、
部分床義歯の場合には検査対象となる義歯で検査剤を咀
嚼するように注意しつつ、通常の咀嚼習慣に従って検査
剤を適当回数咀嚼させればよい。その後、検査剤から溶
出してきた螢光剤を含む唾液と、口腔内を一定量の水で
洗滌して得た洗液とを合せて一定容量の試料とし、その
上澄の一定量を採取して濾紙片等にスポットする。この
スポットを紫外線照射機(例えばナショナルコードレス
螢光灯BF−442及び発光管ブラックブルーF14
BL−B4ワット)により照射すれば、そのスポットは
螢光剤の量に応じた螢光を発するが、螢光が強い場合は
咀嚼効率が大きく、逆に螢光が弱い場合は咀嚼効率が小
さいと判定される。また、蛍光剤としてフルオレセイン
等を用いる場合には、このスポットの螢光強度を濃度既
知のフルオレセインナトリウム等の溶液をスポットした
標準濾紙片上の螢光強度と比較すれば、咀嚼により溶出
された色素量を求めることができ、咀嚼効率を絶対スケ
ールによる定量性をもって判定することができる。濃度
既知のフルオレセインナトリウム等のスポットは化学的
に安定であり、これを乾燥状態で保存すれば長期にわた
り標準スポットとして使用できる。また、この試料中の
螢光強度を螢光光度計を用いて測定すれば、溶出された
色素量をより正確に定量的に求めることができる。例え
ば、健全歯列による健常者の咀嚼試験で得られた色素濃
度を100とし、これと被検者の咀嚼試験で得られた色
素濃度を比較すれば、その差は咀嚼効率の差として把握
することができる。
は、まず、一定量の検査剤を被験者の口腔内に含ませ、
部分床義歯の場合には検査対象となる義歯で検査剤を咀
嚼するように注意しつつ、通常の咀嚼習慣に従って検査
剤を適当回数咀嚼させればよい。その後、検査剤から溶
出してきた螢光剤を含む唾液と、口腔内を一定量の水で
洗滌して得た洗液とを合せて一定容量の試料とし、その
上澄の一定量を採取して濾紙片等にスポットする。この
スポットを紫外線照射機(例えばナショナルコードレス
螢光灯BF−442及び発光管ブラックブルーF14
BL−B4ワット)により照射すれば、そのスポットは
螢光剤の量に応じた螢光を発するが、螢光が強い場合は
咀嚼効率が大きく、逆に螢光が弱い場合は咀嚼効率が小
さいと判定される。また、蛍光剤としてフルオレセイン
等を用いる場合には、このスポットの螢光強度を濃度既
知のフルオレセインナトリウム等の溶液をスポットした
標準濾紙片上の螢光強度と比較すれば、咀嚼により溶出
された色素量を求めることができ、咀嚼効率を絶対スケ
ールによる定量性をもって判定することができる。濃度
既知のフルオレセインナトリウム等のスポットは化学的
に安定であり、これを乾燥状態で保存すれば長期にわた
り標準スポットとして使用できる。また、この試料中の
螢光強度を螢光光度計を用いて測定すれば、溶出された
色素量をより正確に定量的に求めることができる。例え
ば、健全歯列による健常者の咀嚼試験で得られた色素濃
度を100とし、これと被検者の咀嚼試験で得られた色
素濃度を比較すれば、その差は咀嚼効率の差として把握
することができる。
【0009】
【発明の効果】本発明の検査剤を用いれば、装着された
義歯によって適正かつ十分な咀嚼が可能か否かについ
て、歯科医師が迅速かつ正確に判断することができるの
で有用である。以下、本発明を実施例により更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
義歯によって適正かつ十分な咀嚼が可能か否かについ
て、歯科医師が迅速かつ正確に判断することができるの
で有用である。以下、本発明を実施例により更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
【0010】
実施例1 小麦澱粉200gに1.0重量%のフルオレセインナトリ
ウム溶液52ml及び水48mlを加えてよく練和した後、
厚さ3ミリの板状に圧延した。この板状物の両面に約6
0℃の熱風を吹きかけて表面の粘着性を除いたのち、1
辺が13ミリの正方形の小片に細断した。この小片を8
0℃及び100℃でそれぞれ30分間加熱して澱粉をα
化し、更に120℃で30分間加熱して乾燥した。得ら
れた乾燥物は黄色の方形固形物で、1ヶ当り平均0.9g
の重量を有していた。これを木屋式デジタル硬度計を用
いて破壊に至るまでの加圧力を測定した結果、平均7.3
3kgの硬度を有していた。
ウム溶液52ml及び水48mlを加えてよく練和した後、
厚さ3ミリの板状に圧延した。この板状物の両面に約6
0℃の熱風を吹きかけて表面の粘着性を除いたのち、1
辺が13ミリの正方形の小片に細断した。この小片を8
0℃及び100℃でそれぞれ30分間加熱して澱粉をα
化し、更に120℃で30分間加熱して乾燥した。得ら
れた乾燥物は黄色の方形固形物で、1ヶ当り平均0.9g
の重量を有していた。これを木屋式デジタル硬度計を用
いて破壊に至るまでの加圧力を測定した結果、平均7.3
3kgの硬度を有していた。
【0011】本実施例で得た検査剤1個を健全歯で別個
に20,40,70,100回それぞれ咀嚼したのち20ml容
シリンダー中に吐出し、さらに口内を少量の水で洗い、
洗液を合して全容20mlの試料液を得た。この試料液の
一滴を濾紙片にスポットしてナショナルコードレス螢光
灯BF−442及び発光管ブラックブルーF14 BL
−B4ワットにより紫外線照射し、発生する螢光を濃度
既知のフルオレセインナトリウム溶液のスポットと肉眼
的に比較した。その結果を表1に示す。
に20,40,70,100回それぞれ咀嚼したのち20ml容
シリンダー中に吐出し、さらに口内を少量の水で洗い、
洗液を合して全容20mlの試料液を得た。この試料液の
一滴を濾紙片にスポットしてナショナルコードレス螢光
灯BF−442及び発光管ブラックブルーF14 BL
−B4ワットにより紫外線照射し、発生する螢光を濃度
既知のフルオレセインナトリウム溶液のスポットと肉眼
的に比較した。その結果を表1に示す。
【0012】
【表1】 ──────────────────────────────────── 咀 嚼 回 数 20 40 70 100 ──────────────────────────────────── 咀嚼液(唾液+洗液)中の フルオレセインナトリウム 0.002 0.003 0.005 0.0075 の濃度(%) ──────────────────────────────────── 以上のように、本発明の検査剤を用いた咀嚼効率の試験
方法は、咀嚼液中のフルオレセインナトリウムの濃度と
咀嚼回数との相関がよく、肉眼的な咀嚼効果の判定も容
易であった。 実施例2 小麦粉100g及び炭酸カルシウム100gを均一に混
和した後、1.0重量%のフルオレセインナトリウム溶液
52ml及び水48mlを加えてよく練和し、厚さ3ミリの
板状に圧延した。これを高周波誘電加熱装置(2.450
MHZ)中で30秒間処理した後、内径12ミリのボー
ラーを用いて打抜き円形の小片とした。これを80℃、
100℃で30分づつ加熱して澱粉をα化した後、さら
に120℃で30分間加熱乾燥して1ヶ当り平均0.42
gの重さの円型小片を得た。次にこの円形小片150g
を試験用糖衣パン中で回転させながら5重量%のエチル
セルロースを含むエタノール溶液70mlを数回に分けて
噴霧状に吹きかけ、その間熱風を送って溶剤を除去し、
円形小片の表面に均一にエチルセルロースの防湿被膜を
形成させた。この様にして得られた本発明の検査剤は黄
色の錠剤様の形状であり、木屋式デジタル硬度計を用い
て破壊に至るまでの加圧力を測定した結果平均5.5kgの
硬度を示した。本実施例で得た検査剤は比較的耐圧強度
の弱い義歯または粘膜負担力の弱い装着者に対する咀嚼
試験に適すると認められた。 実施例3 実施例1に示した方法で得た検査剤を約150メッシュ
程度のナイロン製布の間に挟み、周囲を酢酸ビニル糊で
接着して封入した。この検査剤を健全歯で別個に20,4
0,70,100回咀嚼し、実施例1に記載した方法により
唾液中及び口腔内洗液を合した液中に含有されるフルオ
レセインナトリウムの量を測定した結果表1と同様な結
果を得た。ナイロン布中に封入された検査剤は咀嚼によ
り破砕されるが袋内から粗粒子が散逸せず、一方、色素
及び基剤の一部が唾液により溶出し、色素は破砕の程度
に応じて唾液及び口腔内洗液中に溶出することが確認さ
れた。この様に封入された検査剤は限定された部位にお
ける咀嚼効率等を測定する場合の検査剤として適してい
るものと認められた。
方法は、咀嚼液中のフルオレセインナトリウムの濃度と
咀嚼回数との相関がよく、肉眼的な咀嚼効果の判定も容
易であった。 実施例2 小麦粉100g及び炭酸カルシウム100gを均一に混
和した後、1.0重量%のフルオレセインナトリウム溶液
52ml及び水48mlを加えてよく練和し、厚さ3ミリの
板状に圧延した。これを高周波誘電加熱装置(2.450
MHZ)中で30秒間処理した後、内径12ミリのボー
ラーを用いて打抜き円形の小片とした。これを80℃、
100℃で30分づつ加熱して澱粉をα化した後、さら
に120℃で30分間加熱乾燥して1ヶ当り平均0.42
gの重さの円型小片を得た。次にこの円形小片150g
を試験用糖衣パン中で回転させながら5重量%のエチル
セルロースを含むエタノール溶液70mlを数回に分けて
噴霧状に吹きかけ、その間熱風を送って溶剤を除去し、
円形小片の表面に均一にエチルセルロースの防湿被膜を
形成させた。この様にして得られた本発明の検査剤は黄
色の錠剤様の形状であり、木屋式デジタル硬度計を用い
て破壊に至るまでの加圧力を測定した結果平均5.5kgの
硬度を示した。本実施例で得た検査剤は比較的耐圧強度
の弱い義歯または粘膜負担力の弱い装着者に対する咀嚼
試験に適すると認められた。 実施例3 実施例1に示した方法で得た検査剤を約150メッシュ
程度のナイロン製布の間に挟み、周囲を酢酸ビニル糊で
接着して封入した。この検査剤を健全歯で別個に20,4
0,70,100回咀嚼し、実施例1に記載した方法により
唾液中及び口腔内洗液を合した液中に含有されるフルオ
レセインナトリウムの量を測定した結果表1と同様な結
果を得た。ナイロン布中に封入された検査剤は咀嚼によ
り破砕されるが袋内から粗粒子が散逸せず、一方、色素
及び基剤の一部が唾液により溶出し、色素は破砕の程度
に応じて唾液及び口腔内洗液中に溶出することが確認さ
れた。この様に封入された検査剤は限定された部位にお
ける咀嚼効率等を測定する場合の検査剤として適してい
るものと認められた。
Claims (8)
- 【請求項1】 乾燥α化デンプン及び蛍光剤を含む咀嚼
効率検査剤。 - 【請求項2】 蛍光剤としてフルオレセインナトリウム
を検査剤重量に対して0.1〜0.5重量%の割合で含む請
求項1の検査剤。 - 【請求項3】 検査剤重量に対して15%未満の水分を
含む請求項1記載の検査剤。 - 【請求項4】 防湿コーティングが施された請求項1記
載の検査剤。 - 【請求項5】 合成線維布袋に封入された請求項1記載
の検査剤。 - 【請求項6】 澱粉および澱粉重量に対して40〜60
重量%の螢光剤水溶液の練合物を加熱して該澱粉をα化
させた後に乾燥することを特徴とする請求項1記載の咀
嚼効率検査剤の製造方法。 - 【請求項7】 澱粉及び希釈剤の混合物と該混合物重量
に対して40〜60重量%の螢光剤水溶液の練合物を加
熱して該澱粉をα化させた後に乾燥することを特徴とす
る請求項1記載の咀嚼効率検査剤の製造方法。 - 【請求項8】 該練合物を成形した後に澱粉のα化を行
う請求項6または7のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047929A JP2750988B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 咀嚼効率検査剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047929A JP2750988B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 咀嚼効率検査剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06254107A true JPH06254107A (ja) | 1994-09-13 |
JP2750988B2 JP2750988B2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=12789064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5047929A Expired - Lifetime JP2750988B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 咀嚼効率検査剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2750988B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110849651A (zh) * | 2019-12-04 | 2020-02-28 | 大连理工大学 | 一种用于义齿性能测试的仿生咀嚼机器人及使用方法 |
KR20200099723A (ko) * | 2019-02-15 | 2020-08-25 | 연세대학교 산학협력단 | 치아 저작 기능을 평가하는 방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06167452A (ja) * | 1992-12-01 | 1994-06-14 | Showa Shizai Kako Kk | 咀嚼効果判定用検査剤 |
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1993
- 1993-03-09 JP JP5047929A patent/JP2750988B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06167452A (ja) * | 1992-12-01 | 1994-06-14 | Showa Shizai Kako Kk | 咀嚼効果判定用検査剤 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200099723A (ko) * | 2019-02-15 | 2020-08-25 | 연세대학교 산학협력단 | 치아 저작 기능을 평가하는 방법 |
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CN110849651B (zh) * | 2019-12-04 | 2021-01-05 | 大连理工大学 | 一种用于义齿性能测试的仿生咀嚼机器人及使用方法 |
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Publication number | Publication date |
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JP2750988B2 (ja) | 1998-05-18 |
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