JPH06253507A - 回転機の電機子およびその製造方法 - Google Patents

回転機の電機子およびその製造方法

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JPH06253507A
JPH06253507A JP3787193A JP3787193A JPH06253507A JP H06253507 A JPH06253507 A JP H06253507A JP 3787193 A JP3787193 A JP 3787193A JP 3787193 A JP3787193 A JP 3787193A JP H06253507 A JPH06253507 A JP H06253507A
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armature
aluminum
segment
armature coil
copper
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JP3787193A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Yoshida
云一 吉田
Takaharu Ueda
隆治 植田
Takeshi Sugiyama
武史 杉山
Satoru Suzuki
悟 鈴木
Takero Goto
健朗 後藤
Kazuhiro Odawara
一浩 小田原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転機の電機子におけるアーマチュアコイル
の端をコミュテータのセグメントに良好に超音波接合す
ること。 【構成】 アルミニウムまたはアルミニウム合金からな
るアーマチュアコイル3の端が接合される銅または銅合
金製のセグメント6の接合面に、前記アーマチュアコイ
ルとセグメントとの中間の硬さの軟質導電性金属膜7
を、エネルギーイオン援用法により形成し、その後この
上にアーマチュアコイルの端を超音波接合した。 【効果】 軟質導電性金属膜はセグメントにしっかりと
接続されている。この金属膜の表面は、セグメントより
も軟質なので、超音波接合の際こすられて新鮮な金属面
を出し、他方、アーマチュアコイルの端もこすられて新
鮮な金属面を出して互いに良好に接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流電動機や発電機
などの回転機の電機子に係わるもので、特にアーマチュ
アコイルにアルミニウム系材料を用いた軽量かつ低慣性
の電機子およびその製造方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の直流電動機としては、例えば図7
に示すものがあった。この図において、10は電機子
軸、16はスプライン、9は電機子コア、1はコミュテ
ータ、6はセグメント、5は樹脂部、2は摺接面部、4
は接合部、3はアーマチュアコイルである。
【0003】従来の直流電動機は、周面にスプライン1
6を形成し、該スプライン部に電機子コア9を嵌合装着
した鉄製の電機子軸10を備えている。このスプライン
16に隣接する電機子軸10には、別体のコミュテータ
1が圧入嵌合装着されている。従来のコミュテータ1
は、周方向に等間隔に配列された銅製のセグメント6
と、その間に設けられた絶縁のための樹脂部5とから構
成されているが、より具体的にはコミュテータ1はブラ
シ(図示せず)が摺接する摺接面部2と該セグメント6
の一端に形成され該摺接面部2より径の大きい接合部4
とを備えている。そして、電機子コア9に巻き付けられ
たアーマチュアコイル3の端部が各セグメント6の端部
における接合部4に接続されている。
【0004】この従来の直流電動機においては、アーマ
チュアコイル3を軽量化するためにアルミニウム線を使
用する場合、該アーマチュアコイル3の各端部はコミュ
テータ1の各セグメント6の接合部4に直接超音波溶接
して接続されていた。しかし、このような硬さの極めて
異なる材料同士を超音波溶接しても十分な接合強度を得
ることはできなかった。
【0005】その改善策として、銅製の各セグメント6
のアーマチュアコイル3との接合部4にアルミ部片を固
着し、アーマチュアコイル3の端部を該アルミ部片に接
続する方法が提案されている。この方法を以下に説明す
る。図8は例えば特開昭63−198557号公報に記
載された直流電動機のコミュテータの構造を示す断面図
である。図において、8は樹脂パウダ、6は銅製のセグ
メント、20はアルミニウム部片である。複数の各セグ
メント6は、筒状の樹脂部5に下部を埋め込んだ状態で
周方向に等間隔に配列されている。これら各セグメント
6は摺接面部2と、接合部4においてセグメント6に固
着されたアルミニウム部片20とからなる。この接合部
4は摺接面部2より外径が大きく形成されている。コミ
ュテータ1の接合部4における各セグメント6のアルミ
ニウム部片20にはアルミニウム線からなるアーマチュ
アコイル3の端部が、その先端をアルミニウム部片20
より摺接面部2側に僅かに突出した状態で超音波接合さ
れている。そして、この接合部4にはアルミニウム部片
20に固着されたアーマチュアコイル3の端部を埋め込
んでしまうように樹脂パウダ8が被着されている。
【0006】上記の構造を持つコミュテータは次のよう
にして製造される。まず、図9に示すように、アルミニ
ウム管21の内側にこれと同じ長さの銅管22を嵌合
し、両者を爆着または熱間静水圧押出し法等により強固
に固着して、複合管23を作製する。次に、この複合管
23を冷間鍛造加工により、図10に示す断面形状に加
工する。すなわち銅管22にじょうご状の断面を持つ溝
24を形成する。その後、図11に示すようにこの冷間
鍛造された複合管23の内周面に、電機子軸10を圧入
するための開口25を残してモールド樹脂を充填し、セ
グメント6の支持体となる樹脂部5が融着形成される。
次いで、この部材の外周面を図11の(a)及び(b)
に示すように、切削線18に沿って切削される。この時
の切削半径は、図10で示したじょうご状の溝24の最
深部を横断するように選択される。かくして銅管22は
セグメント6に分けられる。しかしこれらセグメント6
はいまだ、図11の(b)において右端部で、互いにつ
ながっている。そこで、この右端部ではアルミニウム管
21の表面から樹脂部5に至る深さの溝を切り込みアル
ミニウム部片20としかつセグメント6を互いに完全に
切り離す。かくして図12に示す如き部材が完成する。
このような工程を経て形成された部材のアルミニウム部
片20にアルミニウムからなるアーマチュアコイル3の
端を超音波接合法により固着せしめた後、接合されたア
ーマチュアコイル3の端部全体を含めて接合部4の全周
に樹脂パウダ8が被着される。最後に、摺接面部2の周
面が再度切削除去されると共に、樹脂パウダ8が被着さ
れたアーマチュアコイル3の先端部が接合部4から僅か
な軸方向距離をあけて径方向に切削され、図8に示した
コミュテータが完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す様に、銅製
のセグメント6にアルミニウム製のアーマチュアコイル
の端を直接に超音波接合すると接合強度が十分でなく、
電機子の回転数を大きくできなかったため大出力を発生
する軽量の回転機を得ることは不可能であった。また、
その信頼性は極めて低いのもでしかなかった。また、当
該接合部の接合強度を確保するため図8に示す通り、銅
製のセグメント上にアルミニウム部材を固着した後にア
ルミニウム製のアーマチュアコイルを接合すれば、コミ
ュテータの構造が一層複雑となり、製造コストが極めて
高くなるばかりか、歩留りが低下するという問題もあっ
た。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電機子コアに巻かれたアルミニ
ウム製のアーマチュアコイルをコミュテータの接合部に
おいて各セグメントに超音波接合した際に十分な接合強
度を簡便に得ることのできる回転電機の電機子を提供す
ることにある。この発明の他の目的は、アルミニウム製
のアーマチュアコイルを有する軽量かつ低慣性の回転機
の電機子を容易かつ安価に製造する方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
関わる回転機に電機子は、銅または銅合金からなる複数
のセグメントを有するコミュテータとアルミニウムまた
はアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとを備
える回転機の電機子において、前記アーマチュアコイル
が接する前記セグメントの接合面に、前記アーマチュア
コイルより硬さの大きな軟質導電性金属膜を有するもの
である。
【0010】また、この発明の第2の発明に関わる回転
機の電機子は、銅または銅合金からなるセグメント上
の、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアー
マチュアコイルとの接合部分に形成された軟質導電性金
属膜と前記セグメントとの界面において、酸化物等の不
純物層を除去したものである。
【0011】さらに、この発明の第3の発明に関わる回
転機の電機子は、銅からなる複数のセグメントを有する
コミュテータとアルミニウムからなるアーマチュアコイ
ルとを備える回転機の電機子において、前記アーマチュ
アコイルが接する前記セグメントの接合面に、前記アー
マチュアコイルの2〜8倍の硬さを有するアルミニウム
膜を形成したものである。
【0012】また、この発明の第4の発明に関わる回転
機の電機子は、銅または銅合金からなるセグメント上
の、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアー
マチュアコイルとの接合部表層に、アルミニウム原子が
注入されているものである。
【0013】また、この発明の第5の発明に関わる回転
機の電機子は、銅または銅合金からなるセグメント上
の、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアー
マチュアコイルとの接合面上に形成されたアルミニウム
膜と前記セグメントとの界面において、少なくとも銅お
よびアルミニウムとが互いに逆の濃度勾配を有する組成
傾斜層を形成したものである。
【0014】また、この発明の第6の発明に関わる回転
機の電機子の製造方法は、銅または銅合金からなるセグ
メント上の、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なるアーマチュアコイルとの接合部表面に、真空中にお
いて1〜100keV のエネルギーを有する不活性原子イ
オンを照射した後或は照射しつつ軟質導電性金属を0.
05〜5μm堆積させ、その後前記アーマチュアコイル
を前記セグメントに超音波接合するものである。
【0015】また、この発明の第7の発明に関わる回転
機の電機子の製造方法は、銅または銅合金からなるセグ
メント上の、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なるアーマチュアコイルとの接合部表面に、真空中にお
いて1〜30keV のエネルギーを有する不活性元素イオ
ンを照射して前記セグメント表面を清浄化した後、連続
して軟質導電性金属を厚さ0.05〜5μm堆積させ、
その後前記アーマチュアコイルを前記セグメントに超音
波接合するものである。
【0016】また、この発明の第8の発明に関わる回転
機の電機子の製造方法は、銅からなる複数のセグメント
を有するコミュテータとアルミニウムからなるアーマチ
ュアコイルとを備える回転機の電機子の製造法におい
て、前記セグメントと前記アーマチュアコイルの接合面
に、前記アーマチュアコイルの5〜8倍の硬さを有する
アルミニウム膜を形成し、その後前記セグメント上に前
記アーマチュアコイルを2本重ねた状態で一括して同時
に超音波接合するものである。
【0017】また、この発明の第9の発明に関わる回転
機の電機子の製造方法は、銅または銅合金からなるセグ
メント上の、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なるアーマチュアコイルとの接合部表面に対し、真空中
において10〜100keV のエネルギーを有する不活性
元素イオンを20〜300μA/cm2 の電流密度で照射
しつつ、アルミニウムを0.1〜2nm/sec の速度で蒸
着し、アルミニウム原子を前記セグメント表層に注入し
た後、該セグメント表面に前記アーマチュアコイルを超
音波接合するものである。
【0018】また、この発明の第10の発明に関わる回
転機の電機子の製造方法は、銅または銅合金からなるセ
グメント上の、アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなるアーマチュアコイルとの接合部表面に、真空中に
おいて30〜100keV のエネルギーを有する不活性元
素イオンを100〜300μA/cm2 の電流密度で照射
しつつ、アルミニウムを0.1〜1.5nm/sec の速度
で蒸着し、少なくとも銅およびアルミニウムとが互いに
逆の濃度勾配を有する傾斜層を形成した後、該セグメン
ト表面に前記アーマチュアコイルを超音波接合するもの
である。
【0019】
【作用】この発明の第1の発明においては、銅または銅
合金からなる複数のセグメントを有するコミュテータと
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアーマチ
ュアコイルとを備える回転機の電機子において、前記セ
グメントと前記アーマチュアコイルとの接合面に、前記
アーマチュアコイルより硬さの大きな軟質導電性金属膜
を有するものとしているため、硬質側の銅または銅合金
セグメント表面に容易に超音波接合が可能な被接合面が
形成されて後、超音波接合が為されることとなり、銅系
金属とアルミニウム系金属(従来は硬さに著しい差異が
存在し超音波接合が困難とされている)とが強固に接合
され、信頼性の高い軽量の電機子を簡便に得ることがで
きる。
【0020】また、この発明の第2の発明においては、
銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルと
の接合部分に形成された軟質導電性金属膜と前記セグメ
ントとの界面において、酸化物等の不純物層を除去した
ものとしているので、超音波接合時における加振開始
後、銅の方がアルミニウムより硬質であるにも拘らず銅
の清浄面をたやすく露出させることができ、セグメント
とコイルとの接合強度を安定して高めることができる。
【0021】さらに、この発明の第3の発明において
は、銅からなる複数のセグメントを有するコミュテータ
とアルミニウムからなるアーマチュアコイルとを備える
回転機の電機子において、前記セグメントと前記アーマ
チュアコイルとの接合面に、前記アーマチュアコイルの
2〜8倍の硬さを有するアルミニウム膜を形成したもの
としているため、銅セグメントとアルミニウムコイルと
の接合特性を向上でき、接合部の信頼性に極めて優れた
電機子を製造することができる。
【0022】また、この発明の第4の発明においては、
銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルと
の接合部表層に、アルミニウム原子が注入されたものと
したので、超音波接合における銅とアルミニウムとの凝
着核を密に形成する事が可能となり、接合強度と耐食性
に優れた接合部を有する回転子を得ることが可能とな
る。
【0023】また、この発明の第5の発明においては、
銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルと
の接合面上に形成されたアルミニウム膜と前記セグメン
トとの界面において、少なくとも銅およびアルミニウム
とが互いに逆の濃度勾配を有する組成傾斜層を形成した
ものとしたので、接合部におけるアルミニウム膜の剥離
に起因する接合部の破壊を抑えて、極めて信頼性の高い
接合部を有する電機子を製造することができる。
【0024】また、この発明の第6の発明においては、
銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルと
の接合部表面に、真空中において1〜100keV のエネ
ルギーを有する不活性原子イオンを照射した後或は照射
しつつ軟質導電性金属を0.05〜5μm堆積させ、そ
の後前記アーマチュアコイルを前記セグメントに超音波
接合するようにしたので、アルミニウム膜の結晶配向性
や膜の残留応力を自由度高く制御して、当該接合に最適
なアルミニウム膜硬さを安定して得ることが可能であ
る。
【0025】また、この発明の第7の発明においては、
銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルと
の接合部表面に対し、真空中において1〜30keV のエ
ネルギーを有する不活性元素イオンを照射して前記セグ
メント表面を清浄化した後、連続して軟質導電性金属を
厚さ0.05〜5μm堆積させ、その後前記アーマチュ
アコイルを前記セグメントに超音波接合するようにした
ので、銅セグメント表面のクリーニング終了後、清浄表
面が不純物雰囲気にさらされることなく直ちにカバーさ
れ、接合工程までの間の完全な清浄面保護が為される。
また、一連のプロセスは極めて短時間の間に、簡便な作
業として実施することができる。
【0026】また、この発明の第8の発明においては、
銅からなる複数のセグメントを有するコミュテータとア
ルミニウムからなるアーマチュアコイルとを備える回転
機の電機子の製造法において、前記セグメントと前記ア
ーマチュアコイルの接合面に、前記アーマチュアコイル
の5〜8倍の硬さを有するアルミニウム膜を形成し、そ
の後前記セグメント上に前記アーマチュアコイルを2本
重ねた状態で一括して同時に超音波接合するようにした
ので、上側コイルと下側コイルとの接合部および下側コ
イルとセグメントとの接合部のそれぞれの接合しやすさ
のバランスを最適化でき、その結果2箇所の接合部の接
合強度を同時に高めることが可能となる。
【0027】また、この発明の第9の発明においては、
銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルと
の接合部表面に対し、真空中において10〜100keV
のエネルギーを有する不活性元素イオンを20〜300
μA/cm2 の電流密度で照射しつつ、アルミニウムを
0.1〜2nm/sec の速度で蒸着し、アルミニウム原子
を前記セグメント表層に注入した後、該セグメント表面
に前記アーマチュアコイルを超音波接合するようにした
ので、イオン注入用の金属イオン源を別途準備する必要
はなく、前工程のスパッタクリーニングで用いた比較的
安価で取扱いの簡単なイオン源を続けて使用し、効率よ
く低コストでアルミニウム注入層を形成することが可能
である。
【0028】また、この発明の第10の発明において
は、銅または銅合金からなるセグメント上の、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイ
ルとの接合部表面に対し、真空中において30〜100
keV のエネルギーを有する不活性元素イオンを100〜
300μA/cm2 の電流密度で照射しつつ、アルミニウ
ムを0.1〜1.5nm/sec の速度で蒸着し、少なくと
も銅およびアルミニウムとが互いに逆の濃度勾配を有す
る傾斜層を形成した後、該セグメント表面に前記アーマ
チュアコイルを超音波接合するようにしたので、コミュ
テータの樹脂部分の熱劣化を防止し得る低温条件のもと
で、他の成膜法に比較して極めて大きな付着強度を有す
るアルミニウム膜を形成でき、その結果、機械的特性及
び電気的特性における信頼性に優れた回転子を製造する
ことが可能である。
【0029】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1 図1及び図2において、1はコミュテータ、2はコミュ
テータ1のブラシ(図示せず)との摺接面部、3はアル
ミニウム線からなるアーマチュアコイル、4はコミュテ
ータ1のアーマチュアコイル3との接合部、5はコミュ
テータ1を支持する樹脂部、6は銅からなるセグメン
ト、7はセグメント6上に形成されたアルミニウム膜、
8は樹脂パウダ、9は電機子コア、10は電機子軸であ
る。
【0030】この実施例において、直流電動機を構成す
るコミュテータ1を除いては、電機子コアに巻かれたア
ーマチュアコイルがアルミニウムであること以外は図7
に示した従来のものと同一である。コミュテータ1は全
体として筒状を呈し、その周面の大部分がブラシと摺接
する摺接面部2とされ、この摺接面部2に隣接する一端
部がアーマチュアコイル3と接続するための接合部4と
されている。このようなコミュテータ1は支持体となる
筒状の樹脂部5と、樹脂部5の周面において軸方向に伸
長しかつ周方向に等間隔に配列された多数の銅セグメン
ト6を備え、各セグメント6は樹脂部5に下部を埋め込
んだ状態で設けられている(この埋め込み方法は図9乃
至図12においてアルミニウム管21を除いた製法と同
じ)。コミュテータ1の接合部4における各セグメント
6には、アルミニウム線からなるアーマチュアコイル3
の端部がアルミニウム膜7を介して超音波接合されてい
る。そして、この接合部4にはセグメント6に接合され
たアーマチュアコイル3の端部を埋め込んでしまうよう
に樹脂パウダ8が被着されている。この樹脂パウダ8
は、アーマチュアコイル3の先端における内側空間部に
も充填され、接合部4全体を外側から覆い隠す様に被覆
している。
【0031】さて、コミュテータ1の接合部4における
各セグメント6に、アルミニウム膜7を形成する方法に
ついて詳細に説明する。まず、フェノール樹脂等からな
る筒状の樹脂部5の周面において軸方向に伸長しかつ周
方向に等間隔に配列された多数の銅セグメント6が樹脂
部5に下部を埋め込んだ状態で設けられているコミュテ
ータ1を成膜用真空槽内に存置させる。このとき、コミ
ュテータ1を予めアセトン等を用いて超音波洗浄して機
械加工時に付着した油分等を除去しておくことが望まし
く、これにより形成膜の純度と付着力を改善することが
肝要である。洗浄の終了したコミュテータは、十分に乾
燥させて洗浄液を完全に蒸散させた後、電機子軸10が
挿入されるべき中心部の孔に成膜用の軸を通して、真空
槽内に保持される。この時、イオンビームおよび蒸着ビ
ームの両方が、少なくともセグメント6のアーマチュア
コイル3との接合部4に均一に照射される位置および角
度に保持されなければならない。また、形成されるアル
ミニウム膜が接合部4の全周に亘って均一な膜厚及び膜
質となるように、成膜用の軸は1〜3rpm の速度でゆっ
くりと回転させる(なおセグメント同士が導通しないよ
うに適当なマスクが設けられている)。このとき、1本
の成膜用の軸に通すコミュテータ1の数量及び真空槽内
に入れる成膜用の軸の本数が多いほど成膜の効率が高く
なることは言うまでもないが、イオンビームおよび蒸着
ビームの径から成膜処理面積には自ずと制約がある。
【0032】次に、前記真空槽内を10-5Paオーダに
排気した後、バケット型イオン源等を用いて、例えばア
ルゴン等の不活性ガスをイオン化した後、1〜30kV
の電界を用いて加速し、少なくともコミュテータ1の接
合部4における各セグメント6表面に照射する。これに
より、図3の(a)に示すように当該部分の銅セグメン
ト6の表面に存在する酸化物などの汚染層11は、図3
の(b)に示す加速された不活性イオン12の衝突によ
りスパッタされ、離脱粒子13となってセグメント6の
表面から飛散し、その結果一定時間後にはセグメント6
の表面から汚染層11は消失する。このとき、セグメン
ト6表面に照射するイオンの加速電圧を30kVを越え
る高い値に設定すると、セグメント6表面に入射したイ
オンの内でセグメント6の内部に注入されるイオンの割
合が大きくなり、その結果、所望のスパッタ効果が十分
に得られなくなるという問題を生じる。また、セグメン
ト6表面に照射するイオンの加速電圧が100V以下の
場合には、セグメント6表面に衝突するイオンのエネル
ギーが小さいために離脱粒子13を発生させて汚染層1
1をはじき飛ばすスパッタ効果の発現は期待できない。
また、後述する工程で、10〜100kVの比較的高い
加速電圧を有する大容量イオン源を用いる必要がある
が、この加速電圧を達成できるイオン源においては、そ
の構造原理上1kV以下の加速電圧でイオンビームを安
定して引き出すことは困難である。従って、酸化物など
の汚染層11をスパッタ除去するためにセグメント6の
表面に照射する不活性イオンの加速電圧を1〜30kV
とすることにより、唯一台のイオン源を搭載した低価格
の装置を用いて、セグメント6表面に対し所望の処理を
低コストで達成することが可能である。
【0033】この後ただちに、当該清浄表面に、図3の
(c)に示すように電子ビーム加熱等の手法を用いて蒸
発させたアルミニウムの原子14を堆積させ、0.05
〜5μmの厚さのアルミニウム膜7を形成する。これに
より、セグメント6の表面に形成された銅の清浄表面が
再汚染されることなくアルミニウム膜7でカバーされ、
後の工程の大気中における超音波接合時において、銅の
方がアルミニウムよりも硬質であるにも拘らずセグメン
ト6の清浄面をたやすく露出させることができ、セグメ
ント6とアーマチュアコイル3との接合強度を安定して
高めることができるようになる。
【0034】この時セグメント6の表面に蒸着されるア
ルミニウムの膜7は、その硬さがアルミニウム線からな
るアーマチュアコイル3の硬さの2〜8倍となるように
形成されていなければならない。すなわち、アルミニウ
ムの膜7の硬さがアルミニウム線からなるアーマチュア
コイル3の硬さの2倍より小さい場合には、後の工程の
大気中における超音波接合時のごく初期の段階におい
て、アーマチュアコイル3の接合部の変形がほとんど進
展しない内にセグメント6の清浄面上に形成された当該
アルミニウム膜7が排斥され、直ちにセグメント6の清
浄表面が酸素吸着などによる汚染層に覆われてしまい、
結果的にはセグメント6表面になんら処理を施していな
い状態と同一になり、超音波接合は達成できなくなって
しまう。また、アルミニウムの膜7の硬さがアルミニウ
ム線からなるアーマチュアコイル3の硬さの8倍より大
きい場合には、超音波接合時に当該アルミニウム膜7を
除去できないことから、銅のセグメント6とアーマチュ
アコイル3との超音波接合は不可能である。さらに、形
成するアルミニウム膜7の厚さが0.05μm以下の場
合には、超音波接合時のごく初期の段階において、セグ
メント6の清浄面上に形成された当該アルミニウム膜7
が排斥され、直ちにセグメント6の清浄表面が酸素吸着
などによる汚染層に覆われてしまい、結果的にはセグメ
ント6表面になんら処理を施していない状態と同一にな
り、超音波接合は達成できなくなってしまう。また、形
成するアルミニウムの膜7の厚さが5μm以上の場合に
は、超音波接合時に当該アルミニウム膜7を除去できな
いことから、この場合にもセグメント6とアーマチュア
コイル3との超音波接合は不可能である。
【0035】ここで、アルミニウムの膜7を、その硬さ
がアルミニウム線からなるアーマチュアコイル3の硬さ
の2〜8倍となるように形成する方法の一例について説
明する。前述の工程を経て酸化物などの汚染層11がス
パッタ除去されたセグメント6の表面にアルミニウムの
膜7を形成する時、例えば30keV のエネルギーを有す
るアルゴン等の不活性元素イオンを200μA/cm2
電流密度で照射しつつ、アルミニウムを15nm/sec の
速度で蒸着すると、照射された不活性原子の一部がアル
ミニウム膜7内部に侵入して膜結晶の残留応力を上昇さ
せる効果を発揮し、アーマチュアコイル3の約5倍の硬
さであるヴィッカース硬さ140程度を有するアルミニ
ウム膜7が得られる。
【0036】なお、上記では、銅セグメント6の表面に
存在する酸化物などの汚染層11を除去する手段として
不活性イオンを照射する方法を示したが、例えば5%硫
酸希釈液等を用いて銅セグメント6表面を洗浄するいわ
ゆる湿式エッチング法等を用いても、不活性イオンを照
射する方法に準ずる効果が得られる。
【0037】また、上記では、セグメント6表面に形成
する膜7の硬さがアルミニウム線からなるアーマチュア
コイル3の硬さの2〜8倍となるように形成する方法と
して、アルミニウム原子の蒸着と不活性イオンの照射を
同時に実施する方法について示したが、アーマチュアコ
イル3の2〜8倍の硬さを有する例えばアルミニウムと
珪素との合金やニッケル等の軟質導電性材料を蒸着材料
に用いて膜を形成してもよい。
【0038】前述の要領で、少なくともアーマチュアコ
イル3との接合部4にアルミニウム膜7が形成されたセ
グメント6には、電機子軸10が挿入されるとともに、
電機子軸10の他端には電機子コア9が固着される。さ
らに、電機子コア9には絶縁被覆がかぶせられたアルミ
ニウム線からなる複数のアーマチュアコイル3が巻回さ
れ、各アーマチュアコイル3の端部は絶縁被覆が除去さ
れた後、図5に示すがごとく、セグメント6表面に形成
されたアルミニウム膜7上に2本重ねの状態で存置され
る。
【0039】次に、セグメント6へ2本のアーマチュア
コイル3を一括超音波接合する態様について図5を用い
て説明する。前述の工程を経て一体に組み上げられたコ
ミュテータ1、アーマチュアコイル3、電機子コア9お
よび電機子軸10は、セグメント6表面に形成されたア
ルミニウム膜7上に2本重ねの状態で存置されているア
ーマチュアコイル3の端部(絶縁被覆が除去されてい
る)が、アーマチュアコイル3を超音波加振するための
ホーンチップ17の直下に位置するように固定される。
その後、ホーンチップ17は、電機子軸10の軸方向に
対して垂直で電機子軸10の軸中心に向かう方向に加圧
され、アーマチュアコイル3はセグメント6表面に形成
されたアルミニウム膜7に押しつけられる。次に、ホー
ンチップ17に機械的に連結された超音波発振機構を動
作させ、ホーンチップ17を電機子軸10の軸方向に振
動させる。この時、2本のアーマチュアコイル3同士の
接面およびセグメント6表面に形成されたアルミニウム
膜7と同膜に接するアーマチュアコイル3との接面にお
いて、互いに接する部材との間に相対振動が発生する。
これにより、互いに接する両部材の表面に存在する酸化
物などの不純物層が機械的に排除され、露出した清浄表
面の原子同士が凝着することにより、いわゆる超音波接
合が達成される。この時の超音波接合条件を、例えばア
ーマチュアコイル3の直径が1.5〜4mmの場合には、
ホーンチップ17による加圧力15〜40kgf 、ホーン
チップ17の振幅は40〜150μm、超音波周波数は
10〜25kHz とすることにより、セグメント6に、ア
ルミニウム線からなるアーマチュアコイル3を2本重ね
た状態で一括して同時に超音波接合する。電機子軸10
をその中心軸回りに少しずつ回転させて超音波接合を繰
り返すことにより、全てのセグメント6へのアーマチュ
アコイル3の2本ずつの接合を完了する。
【0040】これら一連の超音波接合プロセスにおい
て、異種材料の接合を達成するためには、本発明による
アルミニウム線からなるアーマチュアコイル3の2〜8
倍の硬さを有するアルミニウム膜7をセグメント6表面
に形成することが不可欠となることは既に説明した通り
である。しかし、本実施例1で説明した異種材料の接合
を含む2箇所の一括接合を達成するためには、アーマチ
ュアコイル3の5〜8倍の硬さを有するアルミニウム膜
7をセグメント6表面に形成することが必要となる。こ
の理由を以下に説明する。アルミニウム膜7の硬さがア
ーマチュアコイル3の5倍未満の場合には、超音波接合
の初期時点においてアルミニウム膜7が比較的容易に排
斥され、2本のアーマチュアコイル3同士の接合の進展
に先だって、銅からなるセグメント6とその真上側のア
ーマチュアコイル3との接合が超音波印加開始後の早い
時期から進展する。しかしながら、セグメント6とその
真上側のアーマチュアコイル3との接合が完全に達成で
きない内に、2本のアーマチュアコイル3同士の接合が
開始され、接合に寄与する超音波加振エネルギーの大部
分は2本のアーマチュアコイル3同士の接合に消費され
るようになることから、セグメント6との真上側のアー
マチュアコイル3との接合は中途半端なまま終了してし
まう。すなわち、セグメント6とその真上側のアーマチ
ュアコイル3との接合が2本のアーマチュアコイル3同
士の接合に先んじて、セグメント6とその真上側のアー
マチュアコイル3との接合が開始される状況では、2箇
所の接合部の接合強度を同時に十分なものとすることは
不可能である。そこで、アルミニウム膜7の硬さをアー
マチュアコイル3の5倍以上としておき、セグメント6
とその真上側のアーマチュアコイル3との接合のし易さ
を予め低めに制御しておき、先に2本のアーマチュアコ
イル3同士の強靱な接合を達成した後にセグメント6と
その真上側のアーマチュアコイル3との接合を完全に進
展させることにより、異種材料の接合を含む2箇所の一
括接合を達成することが可能となる。
【0041】なお、ホーンチップ17のアーマチュアコ
イル3と接する部分の形状としては、加圧時及び加振時
における2本のアーマチュアコイル3の位置ずれを抑制
するために、電機子軸10の軸方向に平行でアーマチュ
アコイル3の直径の1.1〜1.8倍の深さを有する溝
を持ち、溝の底面でアーマチュアコイル3を加圧及び加
振するものが望ましい。さらに、前記ホーンチップ17
の溝に、2〜10°の角度のテーパを設けることは、超
音波接合時に偏平な形状に変形したアーマチュアコイル
3のホーンチップ17の溝内への噛み込みを防止するた
めに好都合である。
【0042】また、上記の例ではホーンチップ17を電
機子軸10の軸方向に振動させて超音波接合する方法を
示したが、ホーンチップ17を電機子軸10の軸方向に
垂直なセグメント6の接平面上の任意の方向に振動させ
ても目的とする接合が達成できることは言うまでもな
い。また、上記の例ではセグメント6に、アルミニウム
線からなるアーマチュアコイル3を2本重ねた状態で一
括して同時に超音波接合する場合について説明したが、
セグメント6に接合すべきアーマチュアコイル3が1本
のみである場合に関しても、本発明によるセグメント6
表面へのアルミニウム膜7の形成が当該接合部の接合強
度の改善と安定化に効果を奏することは前述の説明から
自ずと明かである。
【0043】次いで、接合されたアーマチュアコイル3
の端部全体を含めて接合部4の全周に樹脂パウダ8が被
着される。その結果、この樹脂パウダ8は摺接面部2側
へ突出したアーマチュアコイル3の先端部と摺接面部2
との間隙にも充填されることになる。その後、図6に示
した切削線18に沿って摺接面部2の周面が切削除去さ
れると共に、樹脂パウダ8で被覆されたアーマチュアコ
イル3の先端部も接合部4から僅かな軸方向距離をあけ
て径方向に切削される。これにより、図1及び図2に示
した構成のコミュテータ1が完成する。
【0044】なお、本発明によるアーマチュアコイル3
の材料として比重の小さいアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金を使用した電機子においては、電機子の回転に
よりコイルに発生する遠心力は、従来の銅等のコイルを
用いたものに比べて遥かに小さい。従って、接合部4の
補強および電機子回転時のアーマチュアコイル3の電機
子コア9から浮き上がり防止等の意味を持つ樹脂パウダ
8による被覆を省略することができ、より低コストで軽
量の電機子を簡便に製造することが可能となる。
【0045】実施例2 実施例1では、銅からなるセグメント6とアルミニウム
線からなるアーマチュアコイル3との接合を達成するた
めに、セグメント6表面の清浄化及びセグメント6表面
にアーマチュアコイル3より硬さの大きな軟質導電性金
属膜形成を実施するものとしたが、実施例2では、アル
ミニウム膜7の堆積初期過程において、10〜100ke
V のエネルギーを有するアルゴン等の不活性元素イオン
を20〜300μA/cm2 の電流密度で照射しつつ、ア
ルミニウムを0.1〜2nm/secの速度で蒸着すること
により、アルミニウム原子に不活性元素イオンを衝突さ
せてセグメント6の表層にアルミニウム原子を叩き込ん
で注入した後、セグメント6表面にアーマチュアコイル
3を超音波接合するものとしている。
【0046】これにより、超音波接合における銅とアル
ミニウムとの凝着核を密に形成する事が可能となり、接
合強度と耐食性に優れた接合部を得ることが可能とな
る。なお、このとき、不活性元素イオンの加速電圧を1
0kV未満とするとアルミニウム原子を叩き込む効果が
得られない。また、不活性元素イオンの加速電圧を10
0kV以上とすると、アルミニウム原子がセグメント6
の表面から奥深くの位置に注入されてしまい、超音波接
合時における凝着核として機能し得なくなると共に、セ
グメント6や樹脂部5の昇温にともなう変質をもたらす
という不都合が生じる。さらに、不活性元素イオンの照
射電流密度が20μA/cm2 未満の場合には、アルミニ
ウム原子を叩き込む効果が得られず、300μA/cm2
を越える場合には、セグメント6や樹脂部5の昇温にと
もなう変質をもたらすという不都合が生じる。
【0047】実施例3 実施例3では、例えばセシウムスパッタ型イオン源を用
いて発生させたアルミニウムイオンを、タンデム型加速
器を用いて10keV 〜3MeV のエネルギーに加速してセ
グメント6のアーマチュアコイル3との接合部表層に注
入するものとしている。
【0048】これにより、超音波接合における銅とアル
ミニウムとの凝着核を密に形成する事が可能となり、実
施例2で示したと同様の効果を奏する。
【0049】実施例4 実施例4では、アルミニウム膜7の堆積初期過程におい
て、図4に示す如くセグメント6表面に30〜100ke
V のエネルギーを有するアルゴン等の不活性元素イオン
12を100〜300μA/cm2 の電流密度で照射しつ
つ、アルミニウム原子14を0.1〜1.5nm/sec の
速度で蒸着し、少なくとも銅およびアルミニウムとが互
いに逆の濃度勾配を有する傾斜層すなわちいわゆるミキ
シング層15を形成するものとしている。
【0050】これにより、アルミニウム膜7の付着強度
を著しく向上させることができる。従って、この高付着
力アルミニウム膜7を形成したセグメント6表面にアー
マチュアコイル3を超音波接合することにより、接合部
におけるアルミニウム膜7の剥離に起因する接合部の破
壊を抑えて、極めて信頼性の高い接合部を得ることが可
能となるわけである。
【0051】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されているような効果を奏する。
【0052】この発明の第1の発明によれば、銅または
銅合金からなる複数のセグメントを有するコミュテータ
とアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアーマ
チュアコイルとを備える回転機の電機子において、前記
セグメントと前記アーマチュアコイルとの接合面に、前
記アーマチュアコイルより硬さの大きな軟質導電性金属
膜を有するものとしているので、硬さに著しい差異が存
在して、従来は超音波接合が困難とされている銅系金属
とアルミニウム系金属とが強固に接合され、信頼性の高
い軽量の電機子を簡便に得ることができる。
【0053】また、この発明の第2の発明によれば、銅
または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウムま
たはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの
接合部分に形成された軟質導電性金属膜と前記セグメン
トとの界面において、酸化物等の不純物層を除去したも
のとしているので、セグメントとコイルとの接合強度を
安定して高めることができる。
【0054】さらに、この発明の第3の発明によれば、
銅からなる複数のセグメントを有するコミュテータとア
ルミニウムからなるアーマチュアコイルとを備える回転
機の電機子において、前記セグメントと前記アーマチュ
アコイルとの接合面に、前記アーマチュアコイルの2〜
8倍の硬さを有するアルミニウム膜を形成したものとし
ているため、接合部の信頼性に極めて優れた電機子を製
造することができる。
【0055】また、この発明の第4の発明によれば、銅
または銅合金からなるセグメントの、アルミニウムまた
はアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの接
合部表層に、アルミニウム原子が注入されたものとして
いるので、接合強度と耐食性に優れた接合部を有する回
転子を得ることが可能となる。
【0056】また、この発明の第5の発明によれば、銅
または銅合金からなるセグメントの、アルミニウムまた
はアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの接
合面上に形成されたアルミニウム膜と前記セグメントと
の界面において、少なくとも銅およびアルミニウムとが
互いに逆の濃度勾配を有する組成傾斜層を形成したもの
としているので、極めて信頼性の高い接合部を有する電
機子を製造することができる。
【0057】また、この発明の第6の発明によれば、銅
または銅合金からなるセグメントの、アルミニウムまた
はアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの接
合部表面に、真空中において1〜100keV のエネルギ
ーを有する不活性原子イオンを照射した後或は照射しつ
つ軟質導電性金属を0.05〜5μm堆積させ、その後
前記アーマチュアコイルを前記セグメントに超音波接合
するようにしているので、当該接合に最適なアルミニウ
ム膜硬さを安定して得ることが可能である。
【0058】また、この発明の第7の発明によれば、銅
または銅合金からなるセグメントの、アルミニウムまた
はアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの接
合部表面に対し、真空中において1〜30keV のエネル
ギーを有する不活性元素イオンを照射して前記セグメン
ト表面を清浄化した後、連続して軟質導電性金属を厚さ
0.05〜5μm堆積させ、その後前記アーマチュアコ
イルを前記セグメントに超音波接合するようにしている
ので、極めて短時間の内に、セグメント表面の完全な清
浄度の確保が簡便に達成できる。
【0059】また、この発明の第8の発明によれば、銅
からなる複数のセグメントを有するコミュテータとアル
ミニウムからなるアーマチュアコイルとを備える回転機
の電機子において、前記セグメントと前記アーマチュア
コイルの接合面に、前記アーマチュアコイルの5〜8倍
の硬さを有するアルミニウム膜を形成し、その後前記セ
グメント上に前記アーマチュアコイルを2本重ねた状態
で一括して同時に超音波接合するようにしているので、
2箇所の接合部の接合強度を同時に高めることが可能と
なる。
【0060】また、この発明の第9の発明によれば、銅
または銅合金からなるセグメント上の、アルミニウムま
たはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの
接合部表面に対し、真空中において10〜100keV の
エネルギーを有する不活性元素イオンを20〜300μ
A/cm2 の電流密度で照射しつつ、アルミニウムを0.
1〜2nm/sec の速度で蒸着し、アルミニウム原子を前
記セグメント表層に注入した後、該セグメント表面に前
記アーマチュアコイルを超音波接合するようにしている
ので、効率よく低コストでアルミニウム注入層を形成す
ることが可能である。
【0061】また、この発明の第10の発明によれば、
銅または銅合金からなるセグメントの、アルミニウムま
たはアルミニウム合金からなるアーマチュアコイルとの
接合部表面に対し、真空中において30〜100keV の
エネルギーを有する不活性元素イオンを100〜300
μA/cm2 の電流密度で照射しつつ、アルミニウムを
0.1〜1.5nm/sec の速度で蒸着し、少なくとも銅
およびアルミニウムとが互いに逆の濃度勾配を有する傾
斜層を形成した後、該セグメント表面に前記アーマチュ
アコイルを超音波接合するようにしているので、機械的
特性及び電気的特性における信頼性に優れた回転子を製
造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による回転機の電機子を示
す要部斜視図である。
【図2】図1の回転機の電機子の要部を示す断面図であ
る。
【図3】(a)〜(c)はこの発明の一実施例による回
転機の電機子の製造方法のうち軟質導電性金属膜の形成
を示す、工程断面図である。
【図4】この発明の一実施例による回転機の電機子の製
造方法のうち軟質導電性金属の組成傾斜層の形成を示す
断面図である。
【図5】この発明の一実施例による回転機の電機子の製
造方法のうちアーマチュアコイルの端を超音波接合する
態様を示す斜視図である。
【図6】この発明の一実施例による回転機の電機子の製
造方法のうち最終工程を示す断面図である。
【図7】従来の回転機を示す断面図である。
【図8】従来の他の回転機の電機子の要部を示す断面図
である。
【図9】図8の回転機の電機子の製造方法を示す工程断
面図である。
【図10】図9に続く製造方法を示す工程断面図であ
る。
【図11】(a)及び(b)は図10に続く製造方法を
示す工程断面図である。
【図12】図11に続く製造方法を示す工程斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 コミュテータ 3 アーマチュアコイル 5 樹脂部 6 セグメント 7 アルミニウム膜 8 樹脂パウダ 9 電機子コア 10 電機子軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 悟 姫路市千代田町840番地 三菱電機株式会 社姫路製作所内 (72)発明者 後藤 健朗 姫路市千代田町840番地 三菱電機株式会 社姫路製作所内 (72)発明者 小田原 一浩 姫路市定元町6番地 三菱電機エンジニア リング株式会社姫路事業所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金からなる複数のセグメン
    トを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転機
    の電機子において、前記アーマチュアコイルが接する前
    記セグメントの接合面に、前記アーマチュアコイルより
    硬さの大きな軟質導電性金属膜を有することを特徴とす
    る回転機の電機子。
  2. 【請求項2】 銅または銅合金からなるセグメント上
    の、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアー
    マチュアコイルとの接合部分に形成された軟質導電性金
    属膜と前記セグメントとの界面において、酸化物等の不
    純物層が除去されていることを特徴とする請求項1の回
    転機の電機子。
  3. 【請求項3】 銅からなる複数のセグメントを有するコ
    ミュテータとアルミニウムからなるアーマチュアコイル
    とを備える回転機の電機子において、前記アーマチュア
    コイルが接する前記セグメントの接合面に、前記アーマ
    チュアコイルの2〜8倍の硬さを有するアルミニウム膜
    が形成されたことを特徴とする回転機の電機子。
  4. 【請求項4】 銅または銅合金からなる複数のセグメン
    トを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転機
    の電機子において、前記セグメント上の、前記アーマチ
    ュアコイルとの接合部表層に、アルミニウム原子が注入
    されていることを特徴とする回転機の電機子。
  5. 【請求項5】 銅または銅合金からなる複数のセグメン
    トを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転機
    の電機子において、前記アーマチュアコイルが接する前
    記セグメントの接合面に、アルミニウム膜を有し、この
    アルミニウム膜と前記セグメントとの界面において、少
    なくとも銅およびアルミニウムとが互いに逆の濃度勾配
    を有する組成傾斜層が形成されていることを特徴とする
    回転機の電機子。
  6. 【請求項6】 銅または銅合金からなる複数のセグメン
    トを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転機
    の電機子の製造法において、前記セグメント上の、前記
    アーマチュアコイルとの接合部表面に、真空中において
    1〜100keV のエネルギーを有する不活性原子イオン
    を照射した後或は照射しつつ軟質導電性金属を0.05
    〜5μm堆積させ、その後前記アーマチュアコイルを前
    記セグメントに超音波接合することを特徴とする回転機
    の電機子の製造方法。
  7. 【請求項7】 銅または銅合金からなる複数のセグメン
    トを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転機
    の電機子の製造法において、前記セグメント上の、前記
    アーマチュアコイルとの接合部表面に対し、真空中にお
    いて1〜30keV のエネルギーを有する不活性元素イオ
    ンを照射して前記セグメント表面を清浄化した後、連続
    して軟質導電性金属を厚さ0.05〜5μm堆積させ、
    その後前記アーマチュアコイルを前記セグメントに超音
    波接合することを特徴とする回転機の電機子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 銅からなる複数のセグメントを有するコ
    ミュテータとアルミニウムからなるアーマチュアコイル
    とを備える回転機の電機子の製造法において、前記セグ
    メントと前記アーマチュアコイルが接する前記セグメン
    トの接合面に、前記アーマチュアコイルの5〜8倍の硬
    さを有するアルミニウム膜を形成し、その後前記セグメ
    ント上に前記アーマチュアコイルを2本積み重ねた状態
    で一括して同時に超音波接合することを特徴とする回転
    機の電機子の製造方法。
  9. 【請求項9】 銅または銅合金からなる複数のセグメン
    トを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転機
    の電機子の製造法において、前記セグメント上の、前記
    アーマチュアコイルとの接合部表面に対し、真空中にお
    いて10〜100keV のエネルギーを有する不活性元素
    イオンを20〜300μA/cm2 の電流密度で照射しつ
    つ、アルミニウムを0.1〜2nm/sec の速度で蒸着
    し、アルミニウム原子を前記セグメント表層に注入した
    後、該セグメント表面に前記アーマチュアコイルを超音
    波接合することを特徴とする回転機の電機子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 銅または銅合金からなる複数のセグメ
    ントを有するコミュテータとアルミニウムまたはアルミ
    ニウム合金からなるアーマチュアコイルとを備える回転
    機の電機子の製造法において、前記セグメント上の、前
    記アーマチュアコイルとの接合部表面に対し、真空中に
    おいて30〜100keV のエネルギーを有する不活性元
    素イオンを100〜300μA/cm2 の電流密度で照射
    しつつ、アルミニウムを0.1〜1.5nm/sec の速度
    で蒸着し、少なくとも銅およびアルミニウムとが互いに
    逆の濃度勾配を有する傾斜層を形成した後、該セグメン
    ト表面に前記アーマチュアコイルを超音波接合すること
    を特徴とする回転機の電機子の製造方法。
JP3787193A 1993-02-26 1993-02-26 回転機の電機子およびその製造方法 Pending JPH06253507A (ja)

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