JPH0625219A - トリオキサン誘導体、その製造方法及び化学発光方法 - Google Patents

トリオキサン誘導体、その製造方法及び化学発光方法

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JPH0625219A
JPH0625219A JP9190393A JP9190393A JPH0625219A JP H0625219 A JPH0625219 A JP H0625219A JP 9190393 A JP9190393 A JP 9190393A JP 9190393 A JP9190393 A JP 9190393A JP H0625219 A JPH0625219 A JP H0625219A
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JP
Japan
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methyl
trioxane
ethyl
formula
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Application number
JP9190393A
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English (en)
Inventor
Hideji Ichikawa
秀二 市川
Motohiro Mitani
元宏 三谷
Yuko Yokoyama
祐子 横山
Hideo Sawada
英夫 沢田
Takeo Matsumoto
竹男 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0625219A publication Critical patent/JPH0625219A/ja
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含水溶媒系においても有機溶媒系におけると
同程度の光量を化学発光することが出来る新規なトリオ
キサン誘導体、その製造方法及び化学発光方法を提供す
る。 【構成】 一般式 【化28】 (式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2価の有機残基
を示し、かつR1 とR2 とはそれぞれ独立してカルボキ
シル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基を示
す。更にX2 −R2 はメチル基、エチル基、プロピル基
であってもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、エチル基、プロピル基を示す。)で表わされるトリ
オキサン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体と塩基
とによる化学発光方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なトリオキサン誘導
体、その製造方法及び化学発光方法に関する。本発明の
誘導体は各種診断薬の検出剤、非常用光源等として利用
される。
【0002】
【従来の技術】化学発光とは、原子ないし分子が、化学
反応によって生ずるエネルギーによって励起されて光を
発する現象を云う。化学発光性化合物として現在までに
種々の骨格を有するものが開発されており、アクリジニ
ウムエステル、シュウ酸エステルなどが知られている
(「生物発光と化学発光」今井一洋編、広川書店出版、
75〜150 ページ、1989年)。これらの化合物は診断薬の
検出剤として、あるいは非常時用の光源として利用され
ている。
【0003】そして、例えば、血痕の鑑定で有名なルミ
ノール、ルシゲニン(ビス(N−メチルアクリジニウム
硝酸塩)、ロフィン(2,4,5 −トリフェニルイミダゾー
ル)或いは没食子酸による反応などがよく知られてい
る。
【0004】これらはアルカリ性の下で、過酸化水素と
Feなどの金属が存在すると発光する。ここで発生した
光を光電子増倍管により検知することにより反応に関与
する原子ないし分子を定量することが出来る。ビタミン
12、グルコースなど多くのものが測定されている。
【0005】更に、別の従来技術としてシュウ酸エステ
ルと過酸化水素とが反応して生ずる活性中間体が蛍光物
質を励起発光させる発光系が知られている。グルコース
オキシダーゼの作用によりグルコースから生ずる過酸化
水素を、この従来技術により定量し、もとのグルコース
量を測る方法が確立されている。
【0006】一方、トリオキサン骨格を有する5−(9
−アントリルアミノ)−3−イソプロピル−6,6 −ジメ
チル−1,2,4 −トリオキサンにも化学発光能があること
が知られている。その発光の特徴として、アクリジニウ
ムエステル、ルミノールなどの発光波長が500nm以下
であるのに対して、このアントリルアミノトリオキサン
の発光波長は500nm以上であることを挙げることがで
きる。(J. C. S. Cehm. Comm., 180, 1976) そのため
発光系に蛋白、核酸が共存してもその影響を受け難い。
【0007】然しながら、かかる従来のトリオキサン化
合物は、無水又は非プロトン性溶媒中においてのみしか
発光しないため、精度が要求される分析的な応用には不
利であるという欠点がある。このことは、例えば前記
「生物発光と化学発光」第92頁に明らかにされてい
る。したがって、含水溶媒において、化学発光が観察さ
れるトリオキサン誘導体の開発が強く望まれているのが
実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、蛋白、核酸等を結合することが可能な置換
基を有し、含水溶媒系での発光光量が有機溶媒中におけ
る発光光量と略々同程度である新規なトリオキサン誘導
体を提供することである。
【0009】本発明が解決しようとする別の課題は、蛋
白、核酸等を結合することが可能な置換基を有し、含水
溶媒系での発光光量が有機溶媒中における発光光量と略
々同程度である新規なトリオキサン誘導体の製造法を提
供することである。
【0010】本発明が解決しようとする更なる課題は、
本発明の新規なトリオキサン誘導体と塩基とを混合する
ことにより化学発光させることを特徴とする化学発光方
法を提供することである。
【0011】本発明が解決しようとする更なる課題は、
本発明の新規なトリオキサン誘導体と、塩基との組み合
わせより成るキット、すなわち、いわゆる「キット製
品」を提供することである。本発明のキット製品によれ
ば、新規トリオキサン誘導体と塩基とを、その場で(in
situ )混合することにより、化学発光させることがで
きる。
【0012】本発明が解決しようとする更に別の課題
は、本発明の新規なトリオキサン誘導体による化学発光
反応を利用して反応に関与する原子ないし分子を定量す
る方法を確立し、以ってトリオキサン誘導体の用途を拡
大することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための一
つの手段は、一般式(1)
【0014】
【化7】
【0015】(式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2
価の有機残基を示し、かつR1 とR2 とはそれぞれ独立
してカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基または
メルカプト基を示す。更にX2 −R2 はメチル基、エチ
ル基またはプロピル基であってもよい。Rは水素原子、
ハロゲン原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を
示す)
【0016】で表わされる新規なトリオキサン誘導体を
提供することである。
【0017】課題を解決するための別の手段は、一般式
(2)
【0018】
【化8】
【0019】(Rは水素原子、ハロゲン原子、メチル基、
エチル基またはプロピル基を示す)
【0020】で表わされるアントリルアミン誘導体(こ
こにアミノ基は、1位、2位又は9位に置換されてい
る)と、一般式(3)
【0021】
【化9】
【0022】(式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2
価の有機残基を示し、かつR3 とR4 とはそれぞれ独立
して保護化カルボキシル基、保護化アミノ基、保護化ヒ
ドロキシル基または保護化メルカプト基を示す。更にX
2 −R4 はメチル基、エチル基またはプロピル基であっ
てもよい)
【0023】で表わされるアルデヒド誘導体と、酸素と
を反応させた後、脱保護化することから成る、一般式
(1)
【0024】
【化10】
【0025】(式中X1 、X2 、R1 、R2 およびRは
先に定義したのと同一意義を有する)
【0026】で表わされるトリオキサン誘導体の製造法
を提供することである。
【0027】課題を解決するための更なる手段は、一般
式(1)
【0028】
【化11】
【0029】(式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2
価の有機残基を示し、かつR1 とR2 とはそれぞれ独立
してカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基または
メルカプト基を示す。更にX2 −R2 はメチル基、エチ
ル基またはプロピル基であってもよい。Rは水素原子、
ハロゲン原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を
示す)
【0030】で表わされるトリオキサン誘導体と、塩基
とを適当な比率で混合することにより化学発光させるこ
とを特徴とする化学発光方法を提供することである。
【0031】課題を解決するための別の手段は、一般式
(1)
【0032】
【化12】
【0033】(式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2
価の有機残基を示し、かつR1 とR2 とはそれぞれ独立
してカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基または
メルカプト基を示す。更にX2 −R2 はメチル基、エチ
ル基またはプロピル基であってもよい。Rは水素原子、
ハロゲン原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を
示す)
【0034】で表わされるトリオキサン誘導体と、塩基
との組み合わせより成るキットを提供することである。
【0035】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0036】本発明の一般式(1)に示される新規なト
リオキサン誘導体、例えば5-(9−アントリルアミノ)−
3−置換イソプロピル−6,6 −ジ置換メチル−1,2,4 −
トリオキサン誘導体、5−(1−アントリルアミノ)−
3−置換イソプロピル−6,6−ジ置換メチル−1,2,4 −
トリオキサン誘導体、5−(2−アントリルアミノ)−
3−置換イソプロピル−6,6 −ジ置換メチル−1,2,4 −
トリオキサン誘導体などにおいて、X1 、X2 は2価の
有機残基であって、次のものを例挙することができる。
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】これらの式でm及びnは1から10までの整
数を示し、そしてYは低級アルキル基、Zは低級アルキ
レン基を示す。
【0049】また、一般式(1)において、R1 とR2
とはそれぞれ独立してカルボキシル基、アミノ基、ヒド
ロキシル基またはメルカプト基を示し、蛋白、核酸等に
結合可能な置換基である。
【0050】したがって、−X1 −R1 、−X2 −R2
としてはたとえば5−カルボキシペンチル、4−(2−
アミノエトキシ)ブチル、4−[ N−(2−ヒドロキシ
エチル)カルバモイル] ブチル等である。
【0051】また、X2 −R2 はメチル基、エチル基、
またはプロピル基であってもよい。
【0052】また、一般式(1)において、Rは、水素
原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、フッ素原子、メ
チル基、エチル基またはプロピル基を挙げることができ
る。
【0053】一般式(2)で示される最も好ましいアン
トリルアミン誘導体は、Rが水素原子の9−アントリル
アミンである。
【0054】また一般式(3)においてR3 、R4 の保
護基は、一般式(2)で示されるアントリルアミンとの
反応において、副反応を抑制する目的で用いる。これら
の保護基としては、t−ブチルジメチルシリル基、t−
ブチルジフェニルシリル基、2−トリメチルシリルエト
キシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセ
チル基、トリフルオロアセチル基などを使用することが
できる。
【0055】R3 、R4 として具体的には、t−ブチル
ジメチルシロキシカルボニル基、t−ブチルジフェニル
シロキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエトキシ
カルボニルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ
基、t−ブチルジメチルシロキシ基、t−ブチルジフェ
ニルシロキシ基、s−アセチルメルカプト基、s−トリ
フルオロアセチルメルカプト基などを挙げることができ
る。
【0056】一般式(3)で示されるアルデヒドとして
は、次のものを例挙することができる。
【0057】2−メチル−7−(t−ブチルジメチルシ
ロキシカルボニル)ヘプタナール
【0058】2−メチル−5−(t−ブチルジメチルシ
ロキシカルボニル)ペンタナール
【0059】2−メチル−9−(2−トリメチルシリル
エトキシカルボニルアミノエトキシ)−7−オキサノナ
ナール
【0060】2−エチル−6−(2−トリメチルシリル
エトキシカルボニル)アミノヘキサナ−ル
【0061】ビス−[4−[ N−[ 2−(t−ブチルジメ
チルシロキシ)エチル] カルバモイル] ブチル] アセト
アルデヒド
【0062】ビス−[ 3−(t−ブチルジメチルシロキ
シ)プロピル] アセトアルデヒド
【0063】2−メチル−15−(t−ブチルジメチルシ
ロキシ)−7,10,13 −トリオキサペンタデカナール
【0064】2−メチル−6−(s−アセチルメチルカ
プト)ヘキサナール。
【0065】本発明に従って一般式(2)で表わされる
アントリルアミン誘導体と一般式(3)で表わされるア
ルデヒド誘導体と酸素とより本発明の新規なトリオキサ
ン誘導体を製造する反応の手段及び条件等は、広範に変
化させ得る。一般式(2)及び一般式(3)で表わされ
る本発明で使用する出発物質の量は、一般式(2)で表
わされるアントリルアミン誘導体対一般式(3)で表わ
されるアルデヒド誘導体のモル比で約1:2〜約1:1
000、好ましくは約1:3〜約1:100の範囲で変
化させ得る。
【0066】上記反応の反応温度は、通常、室温でよい
が、場合により、数時間加熱還流した後、室温で反応さ
せることにより短時間で目的物質を好収率で収得するこ
とができる。
【0067】上記反応は不活性溶媒中で実施される。反
応条件下で不活性で且つ生成されたトリオキサン誘導体
からの分離が容易であるならば種々の溶媒が使用され
る。特にエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ラン、ヘキサンまたはそれらの混合溶媒が適当である。
使用される溶媒の量は、特に限定されないが、出発物質
の総重量当り約0.5 倍〜約100 倍の範囲で変化させ得
る。
【0068】上記反応は、通常大気圧下で実施される
が、他の反応条件、使用される原料、希望する反応速度
等に依存して加圧又は減圧下でも実施される。
【0069】上記反応は、保護化トリオキサン誘導体の
粗生成物が製造されるのに十分な時間に亘って実施され
る。正確な反応時間は反応温度、反応圧力、出発物質の
量比等の要件によって決定されるが、通常約1時間〜約
14日間、好ましくは約10時間〜約7日間の範囲であ
る。
【0070】保護化トリオキサン誘導体の保護基の除去
には、テトラブチルアンモニウムフルオライド、セシウ
ムフルオライド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム処理が
適当である。
【0071】製造されたトリオキサン誘導体の粗生成物
はアセトン、ジクロロメタン等適当な溶媒またはそれら
の混合溶媒に溶解させた後、常法により結晶として析出
させる。
【0072】本発明の化学発光方法は、有機溶媒のみな
らず水を存在させた系でも化学発光現象が誘起されるの
が特徴であり、この場合使用する塩基は一般に水溶性の
ものが好ましく、例えば、t−ブトキシカリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、テトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシド等である。
【0073】本発明の化学発光方法は、一般式(1)で
表わされる本発明のトリオキサン誘導体、塩基の他に有
機溶媒を混合することによっても化学発光させることが
出来る。その場合の有機溶媒は例えば極性溶媒が好まし
く、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、H
MPA、ジオキサン、アセトニトリル、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、t−ブチルアルコールまたはニ
トロメタンなどが適切である。
【0074】本発明を実施例及び比較例によりさらに具
体的に説明する。尚、実施例1〜4では、目的とするト
リオキサン誘導体を同定するデータとして日本分光社製
IR−810による赤外吸収スペクトルデータ及び日本
電子社製DX−303による質量分析データをこの順序
で記載し、実施例5及び比較例1ではアロカ社製BLX
−201を用いた化学発光量測定カウント数を記載し
た。
【0075】実施例1 構造式(4)で表わされる3−(1−メチル−6−カル
ボキシヘキシル)−5−(9−アントリルアミノ)−6
−メチル−6−(5−カルボキシペンチル)−1,2,4−
トリオキサンの合成
【0076】
【化24】
【0077】酸素雰囲気下、9−アントリルアミン1.14
g(5.90 mmol )を2−メチル−7−(t−ブチルジメ
チルシロキシカルボニル)ヘプタナール5.09 g(17.8 m
mol)のヘキサン11ml溶液に加え、室温で暗室下1週間攪
拌した。その反応液を減圧濃縮し、得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付した。溶離液とし
てヘキサン−エーテル(50:1)で展開することによ
り、3−[1−メチル−6−(t−ブチルジメチルシロキ
シカルボニル)ヘキシル] −5−(9−アントリルアミ
ノ)−6−メチル−6−[5−(t−ブチルジメチルシロ
キシカルボニル)ペンチル] −1,2,4−トリオキサン3.
85 g (4.93 mmol)を得た。
【0078】該化合物3.85 g(4.93 mmol)のテトラヒド
ロフラン77ml溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオ
ライドの1.0 Mテトラヒドロフラン9.86ml(9.86 mmol)
溶液を加え、一晩攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮
して得られる残渣を酢酸エチル−水抽出操作に付し、有
機層を減圧濃縮した。得らる残渣をジクロロメタン−ヘ
キサンで再結晶して、3−(1−メチル−6−カルボキ
シヘキシル)−5−(9−アントリルアミノ)−6−メ
チル−6−(5−カルボキシペンチル)−1,2,4−トリ
オキサン2.56 g(4.64 mmol)を得た。
【0079】IR(KBr)cm-1 3380(H−
N)、3000(H−OOC)、1710(O=CO
H)、1610(C=C) MS m/z 551(M+ ) 元素分析 (C3241NO7 ) C H N ─────── ────── ────── 計算値: 69.67 7.49 2.54 測定値: 69.71 7.45 2.58
【0080】実施例2 構造式(5)で表わされる3−(1−メチル−8−アミ
ノ−6−オキサオクチル)−5−(10−メチル−9−
アントリルアミノ)−6−メチル−6−(7−アミノ−
5−オキサヘプチル)−1,2,4−トリオキサンの合
【0081】
【化25】
【0082】酸素雰囲気下10−メチル−9−アントリ
ルアミン1.02g(4.92 mmol )を2−メチル−9−(2
−トリメチルシリルエトキシカルボニルアミノエトキ
シ)−7−オキサノナナール4.87g(15.3 mmol)のジ
メトキシエタン−ヘキサン(1:4)15ml溶液に加
え、室温で暗室中で一週間攪拌した。その反応液を減圧
濃縮し、得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付した。溶離液としてヘキサン−エーテル(5
0:1)で展開することにより、3−[1−メチル−8−
(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)アミノ−
6−オキサオクチル] −5−(10−メチル−9−アン
トリルアミノ)−6−メチル−6−[ 7−(2−トリメ
チルシリルエトキシカルボニル)アミノ−5−オキサヘ
プチル] −1,2,4−トリオキサン2.87g(3.35 mmo
l )を得た。
【0083】該化合物2.87g(3.35 mmol)のテトラヒ
ドロフラン57 ml 溶液に、テトラブチルアンモニウム
フルオライドの1.0 Mテトラヒドロフラン8.00 ml(8.0
0 mmol )溶液を加え、一晩攪拌した。その後、反応液
を減圧濃縮して得られる残渣を酢酸エチル−水抽出操作
に付し、有機層を減圧濃縮した。得られる残渣をジクロ
ロメタン−ヘキサンで再結晶して、3−(1−メチル−
8−アミノ−6−オキサオクチル)−5−(10−メチ
ル−9−アントリルアミノ)−6−メチル−6−(7−
アミノ−5−オキサヘプチル)−1,2,4−トリオキ
サン1.5 4 g(2.71 mmol )を得た。
【0084】IR(KBr)cm-1 3370、330
0(H−N,H2 N)、1600(C=C) MS m/z 567(M+ ) 元素分析 (C33493 5 ) C H N ─────── ────── ────── 計算値: 69.81 8.70 7.40 測定値: 69.77 8.76 7.35
【0085】実施例3 構造式(6)で表わされる3−[ ビス−[4−[ N−(2
−ヒドロキシエチル)カルバモイル] ブチル] メチル]
−5−(9−アントリルアミノ)−6,6−ビス[4−[
N−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル] ブチル]
−1,2,4−トリオキサンの合成
【0086】
【化26】
【0087】酸素雰囲気下、9−アントリルアミン35
1mg(1.82 mmol )をビス−[4−[N−[2−(t−ブチ
ルジメチルシロキシ)エチル] カルバモイル] ブチル]
アセトアルデヒド3.16g(5.65 mmol )のエーテル−ヘ
キサン(1:4)15 ml 溶液に加え、室温で暗室下で
1週間攪拌した。その反応液を減圧濃縮し、得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。溶
離液としてヘキサン−エーテル(50:1)で展開する
ことにより、3−[ ビス[ 4−[ N−[ 2−(t−ブチ
ルジメチルシロキシ)エチル] カルバモイル] ブチル]
メチル] −5−(9−アントリルアミノ)−6,6−ビ
ス[ 4−[ N−[ 2−(t−ブチルジメチルシロキシ)
エチル] カルバモイル] ブチル] −1,2,4−トリオ
キサン1.39g(1.10 mmol)を得た。
【0088】該化合物1.39g(1.10 mmol )のテトラヒ
ドロフラン37ml溶液に、テトラブチルアンモニウムフル
オライドの1.0 Mテトラヒドロフラン5.28ml(5.28 mmo
l )溶液を加え、一晩攪拌した。その後、反応液を減圧
濃縮して得られる残渣を酢酸エチル−水抽出操作に付
し、有機層を減圧濃縮した。得られる残渣をジクロロメ
タン−ヘキサンで再結晶して、3−[ ビス[4−[ N−
(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル] ブチル] メチ
ル] −5−(9−アントリルアミノ)−6,6−ビス[
4−[ N−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル] ブ
チル] −1,2,4−トリオキサン914mg(1.05 mmo
l )を得た。
【0089】IR(KBr)cm-1 3380、330
0(H−N,H−O)、1660(O=C)、1605
(C=C) MS m/z 867(M+ ) 元素分析 (C46695 11) C H N ─────── ────── ────── 計算値: 63.65 8.01 8.07 測定値: 63.69 8.07 8.03
【0090】実施例4 構造式(7)で表わされる3−(1−メチル−5−メル
カプトペンチル)−5−(2−アントリルアミノ)−6
−メチル−6−(4−メルカプトブチル)−1,2,4
−トリオキサンの合成
【0091】
【化27】
【0092】酸素雰囲気下、2−アントリルアミン1.28
g(6.62 mmol )を2−メチル−6−(s−アセチルメ
ルカプト)ヘキサナール3.48g(18.5 mmol )のヘキサ
ン13ml溶液に加え、室温で暗室下1週間攪拌した。そ
の反応液を減圧濃縮し、得られる残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付した。溶離液としてヘキサン
−エーテル(50:1)で展開することにより、3−[1
−メチル−5−(s−アセチルメルカプト)ペンチル]
−5−(2−アントリルアミノ)−6−メチル−6−[
4−(s−アセチルメルカプトブチル)] −1,2,4
−トリオキサン2.05g(3.51 mmol )を得た。
【0093】該化合物2.05g(3.51 mmol )のメタノー
ル42ml溶液に炭酸カリウム、970mg(7.02 mmol )
を0℃にて加え30分間攪拌した。その反応液について
エーテル−水抽出を行ない、有機層を減圧濃縮した。得
られる残渣をジクロロメタン−ヘキサンで再結晶して、
3−(1−メチル−5−メルカプトペンチル)−5−
(2−アントリルアミノ)−6−メチル−6−(4−メ
ルカプトブチル)−1,2,4,−トリオキサン1.51g
(3.02 mmol )を得た。
【0094】IR(KBr)cm-1 3375(H−
N)、1610(C=C) MS m/z 499(M+ ) 元素分析 (C2837NO3 2) C H N ─────── ────── ────── 計算値: 69.87 7.49 2.54 測定値: 69.71 7.45 2.58
【0095】実施例5 測定化合物として実施例1において合成を行なった3−
(1−メチル−6−カルボキシヘキシル)−5−(9−
アントリルアミノ)−6−メチル−6−(5−カルボキ
シペンチル)−1,2,4−トリオキサンを、10-3
含むジメチルスルホキシド溶液について、その100μ
l溶液を、化学発光測定装置中の塩基を含む溶媒900
μ1の入ったセルにインジェクションし、直後10秒間
の発光量を測定した。その際の塩基を含む有機系溶媒と
してt−ブトキシカリウムの0.5Mジメチルスルホキシ
ド溶液と、水系溶媒として水酸化ナトリウムの1M水溶
液とを用いた。その測定結果を表1に示した。なお、表
1中の測定カウント数は、「単位なし」の相対値であ
る。
【0096】比較例1 実施例5の3−(1−メチル−6−カルボキシヘキシ
ル)−5−(9−アントリルアミノ)−6−(5−カル
ボキシペンチル)−1,2,4−トリオキサンの代わり
に、5−(9−アントリルアミノ)−3−イソプロピル
−6,6−ジメチル−1,2,4−トリオキサンを用い
て、実施例5と同様の測定実験を行なった。その結果を
表1に示した。なお、表1の測定カウント数は、「単位
なし」の相対値である。
【0097】 表 1 有機系溶媒 水系溶媒 実施例 5 2.51×105 2.39×105 比較例 1 2.14×105 5.31×103
【0098】
【発明の効果】
A.本発明の新規なトリオキサン誘導体は含水溶媒系に
おいても有機溶媒系と同程度の光量を発光するので化学
発光体としてのトリオキサン誘導体の用途が拡大される
という効果がある。
【0099】B.本発明の新規なトリオキサン誘導体は
蛋白、核酸等を結合することが可能な置換基を有してい
るので上記Aの効果と相俟って各種診断薬の検出、例え
ばウイルス、ホルモン、肝炎、癌マーカー等の検出或い
は細胞、血液等生物化学反応への用途が拡大されるとい
う効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 沢田 英夫 茨城県つくば市梅園2−24−5 (72)発明者 松本 竹男 茨城県つくば市東2−14−9

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2価の有機残基
    を示し、かつR1 とR2 とはそれぞれ独立してカルボキ
    シル基、アミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基
    を示す。更にX2 −R2 はメチル基、エチル基またはプ
    ロピル基であってもよい。Rは水素原子、ハロゲン原
    子、メチル基、エチル基またはプロピル基を示す)で表
    わされるトリオキサン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (Rは水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基また
    はプロピル基を示す)で表わされるアントリルアミン誘
    導体と、一般式(3) 【化3】 (式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2価の有機残基
    を示し、かつR3 とR4 とはそれぞれ独立して保護化カ
    ルボキシル基、保護化アミノ基、保護化ヒドロキシル基
    または保護化メルカプト基を示す。更にX2 −R4 はメ
    チル基、エチル基またはプロピル基であってもよい)で
    表わされるアルデヒド誘導体と、酸素とを反応させた
    後、脱保護化することから成る、一般式(1) 【化4】 (式中X1 、X2 、R1 、R2 及びRは先に定義したの
    と同一意義を有する)で表わされるトリオキサン誘導体
    の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化5】 (式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2価の有機残基
    を示し、かつ、R1 とR2 とはそれぞれ独立してカルボ
    キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト
    基を示す。更にX2 −R2 はメチル基、エチル基または
    プロピル基であってもよい。Rは水素原子、ハロゲン原
    子、メチル基、エチル基またはプロピル基を示す)で表
    わされるトリオキサン誘導体と、塩基とを混合すること
    により化学発光させることを特徴とする化学発光方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化6】 (式中X1 とX2 とはそれぞれ独立して2価の有機残基
    を示し、かつ、R1 とR2 とはそれぞれ独立してカルボ
    キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト
    基を示す。更にX2 −R2 はメチル基、エチル基または
    プロピル基であってもよい。Rは水素原子、ハロゲン原
    子、メチル基、エチル基またはプロピル基を示す)で表
    わされるトリオキサン誘導体と、塩基との組み合せより
    成る化学発光キット。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106749163A (zh) * 2016-12-30 2017-05-31 南京理工大学 四苯乙烯双冠醚和氟硼二吡咯衍生物的自组装超分子

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CN106749163A (zh) * 2016-12-30 2017-05-31 南京理工大学 四苯乙烯双冠醚和氟硼二吡咯衍生物的自组装超分子

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