JPH06252054A - p型立方晶窒化硼素半導体の製造方法 - Google Patents

p型立方晶窒化硼素半導体の製造方法

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JPH06252054A
JPH06252054A JP3292093A JP3292093A JPH06252054A JP H06252054 A JPH06252054 A JP H06252054A JP 3292093 A JP3292093 A JP 3292093A JP 3292093 A JP3292093 A JP 3292093A JP H06252054 A JPH06252054 A JP H06252054A
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beryllium
cubic boron
atom
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Naohiro Toda
直大 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気相合成によりドーピング量を制御しなが
ら、残留不純物が少なく、結晶性に優れた大型のp型立
方晶窒化硼素半導体薄膜を得ることができるp型立方晶
窒化硼素半導体の製造方法を提供することである。 【構成】 本発明に従うp型立方晶窒化硼素半導体の製
造方法によれば、プラズマCVD法において、真空チャ
ンバ1内に導入した原料気体中にベリリウム原子含有気
体を添加し、活性化により生成させたプラズマを加熱し
た基板2表面に供給することで、p型不純物元素(B
e)をドーピングしながらp型立方晶窒化硼素結晶薄膜
を析出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】耐熱デバイスや耐環境デバイスな
どに用いられるp型立方晶窒化硼素半導体薄膜の合成方
法に関し、特にプラズマCVD法を利用した合成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化硼素は硼素と窒素の化合物BNであ
り、六方格子の層状化合物(hBN)と、高圧層の立方
晶ボロンナイトライド(cBN)と、ウルツ鉱型六方晶
(wBN)と、菱面晶体(rBN)の4つの結晶相が報
告されている。
【0003】中でも立方晶窒化硼素は閃亜鉛鉱型の結晶
構造を有し、ダイヤモンドに次ぐ硬さを示し、またダイ
ヤモンドと同様に耐熱性、耐酸化性、耐環境性、熱伝導
特性に優れた特質を有する。また、バンドキャップも非
常に広い。
【0004】従来より立方晶窒化硼素はダイヤモンドと
同様に工業的には超高圧超高温発生装置を用いて、六方
晶窒化硼素の微粉末から50〜60Kbar、1200
℃の高圧高温条件下で合成されている。
【0005】また、高圧合成法では、少量のp型不純物
元素をBN原料粉末に添加して結晶を育成すれば導電性
のあるp型の立方晶窒化硼素半導体結晶が得られること
が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の高圧合成法によるp型立方晶窒化硼素半導体の
合成には、以下のような問題点があった。
【0007】まず、第1に数万気圧以上の高圧を発生す
る超高圧合成装置は非常に高価であり、また装置の反応
部の内容積には制限がある。このため大面積の立方晶窒
化硼素結晶を成長させることは極めて難しく、また立方
晶窒化硼素を安価に供給することができない大きな原因
となっている。
【0008】また、第2に高圧合成法では不純物導入元
素を予め結晶合成前に六方晶窒化硼素粉末中に添加して
おく方法をとるため、導入元素のドーピング量の制御性
が極めて悪く、かつ得られる結晶中において不純物分布
の不均一性が生じやすいという問題があった。
【0009】さらに、第3に高圧合成法では反応温度を
低下させるために六方晶窒化硼素粉末中にアルカリ金属
またはアルカリ土類金属元素を含むLi3 N、MgBN
3 等の化合物を触媒として添加していたため、LiやM
g等の金属元素が立方晶窒化硼素結晶中に不純物として
混入することを回避するのは非常に困難であった。
【0010】このように、実際のところ高圧合成法で半
導体材料に適用可能であるような、残留不純物が少な
く、大型で均質な単結晶からなるp型立方晶窒化硼素半
導体を合成することはほとんど不可能であった。
【0011】本発明は、上述のような従来の問題点を解
消し、気相合成によりドーピング量を制御しながら、残
量不純物が少なく、結晶性に優れた大型のp型立方晶窒
化硼素半導体薄膜を得ることができるp型立方晶窒化硼
素半導体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】近年、立方晶窒化硼素も
ダイヤモンドと同様に、気相から加熱した基板上に析出
させる気相合成法が盛んに研究され、開発されつつあ
る。
【0013】現在試みられている方法としては、金属硼
素を硼素源とするイオンプレーティング法やイオン化蒸
着法、IVD法ならびにスパッタリング法などを挙げる
ことができる。
【0014】また、硼素源および窒素源としてガスを利
用し、原料ガスに外部より高周波、マイクロ波などの電
力を付加してプラズマ状態を励起し、加熱保持された基
板上に立方晶窒化硼素を析出させるプラズマCVD法、
または電子サイクロトロン共鳴状態になる磁場値を印加
した後、マイクロ波を付加してECRプラズマを励起
し、加熱保持された基板上に立方晶窒化硼素を析出させ
るECRプラズマCVD法なども知られている。
【0015】そこで、本発明者は、これまでに試みられ
ている気相合成法のうちでも、比較的結晶性が良くかつ
高純度の立方晶窒化硼素結晶が得られることが知られて
いるプラズマCVD法、特にECR(electron
cyclotron resonance)プラズマ
CVD法を用いて、残留不純物が少なく結晶性に優れた
大型のp型立方晶窒化硼素半導体を合成するべく、p型
不純物元素の選定およびその導入方法について鋭意検討
を重ねた結果、硼素原子含有気体と窒素原子含有気体を
主成分とする原料気体中にベリリウム原子含有気体を添
加することで、p型不純物元素としてベリリウム(B
e)を成長中の立方晶窒化硼素結晶中に制御よくドーピ
ングしながら、基板表面にp型立方晶窒化硼素半導体薄
膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0016】すなわち、本発明に係るp型立方晶窒化硼
素半導体の製造方法は、硼素原子含有気体と窒素原子含
有気体を主成分とする原料気体を反応系内に導入し、原
料気体の活性化により生成されたプラズマを加熱した基
板表面に供給して立方晶窒化硼素を析出させるプラズマ
CVD法において、原料気体中にベリリウム原子含有気
体を添加することにより、p型不純物元素をドーピング
しながら、基板表面にp型立方晶窒化硼素半導体薄膜を
形成することを特徴とするものである。
【0017】本発明では、プラズマCVD法において、
ベリリウム原子含有固体を気化させて、原料気体中にベ
リリウム原子含有気体を添加してもよい。
【0018】本発明において、ベリリウム原子含有気体
の供給源すなわちベリリウム原子含有固体としては、一
般に常温常圧下で固相を呈するベリリウム化合物を用い
ることが考えられる。しかし、ベリリウム化合物の多く
は加熱すると気化する前に分解しやすいので、ベリリウ
ム化合物をベリリウム原子含有気体の供給源すなわちベ
リリウム原子含有固体として用いる際には、単にベリリ
ウム化合物を加熱し昇華させる方法をとるのではなく、
以下に挙げるような方法をとることが好ましいと考えら
れる。
【0019】まず、一つの手法としては、ベリリウム化
合物の中でも加熱しても分解せずかつ蒸気圧の比較的高
いベリリウム有機化合物、たとえば、ジメチルベリリウ
ムBe(CH3 2 等の低融点でかつ昇華性を有する有
機金属ベリリウムを選択的に用い、このようなベリリウ
ム有機化合物の粉末を融点付近まで加熱しながら、かつ
反応系全体も比較的蒸気圧の高い状態に維持しながら、
水素またはAr等の希ガスからなる不活性ガスを搬送用
ガスとしてベリリウム有機化合物粉末中に通すことで、
ベリリウム有機化合物を気化してベリリウム原子含有気
体を得る方法を挙げることができる。
【0020】また、他の手法としては、ベリリウム化合
物の中でも特にベリリウムの水素化物およびハロゲン化
物のいずれかを選択的に用い、このようなベリリウム化
合物に紫外線よりも非常に短い波長の電子線を照射し融
解して、水素またはハロゲン族の気体原子と分離した金
属ベリリウム原子を蒸発させてベリリウム原子含有気体
を得る方法を挙げることもできる。
【0021】本発明において、p型不純物元素(Be)
のドーピング量の調整は、原料気体中に添加するベリリ
ウム原子含有気体の流量比を変えることで制御性よく行
なうことができる。
【0022】ベリリウム原子含有気体の流量は、たとえ
ば、ベリリウム原子含有気体の供給源としてベリリウム
有機化合物を用いる場合には、ベリリウム有機化合物お
よび反応系全体の加熱温度を制御することにより、ベリ
リウム有機化合物の飽和蒸気圧を変化させることで容易
に調節することができる。
【0023】また、ベリリウム原子含有気体の供給源と
してベリリウムの水素化物およびハロゲン化物のいずれ
かを用いる場合には、ベリリウムの水素化物およびハロ
ゲン化物のいずれかに照射する電子線の照射強度を変え
ることで比較的容易に調節することができる。
【0024】本発明において、成膜時の原料気体中の硼
素原子に対するベリリウム原子の添加濃度は10ppm
以上5%以下とすることが好ましく、50ppm以上1
%以下とすることがより好ましい。
【0025】もともと立方晶窒化硼素は絶縁性が極めて
高い物質であるため、硼素原子に対するベリリウム原子
の添加濃度が10ppm未満なら添加しても、立方晶窒
化硼素の電気伝導率は低く抑えられたままであり、電気
抵抗の低い立方晶窒化硼素を生成することができない。
一方、硼素原子に対するベリリウム原子の添加濃度が1
%を越えると、ベリリウム原子同士が立方晶窒化硼素結
晶中で結合してしまい、立方晶窒化硼素中の硼素原子と
置換しないものが増えるために好ましくない。
【0026】本発明において、硼素原子含有気体の供給
源としてはジボランまたは三塩化硼素を用いることが好
ましく、窒素含有気体の供給源としては窒素ガス、アン
モニアまたは塩化窒素等を用いることが好ましい。ま
た、反応系内に導入される原料気体は、上述の気体以外
に、水素、またはHe、Ne、Ar、Kr、Xe等の希
ガスを単独であるいは混合して使用しても構わない。
【0027】さらに、プラズマCVD法において、基板
の表面温度を800〜1200℃の範囲に加熱保持する
ことが好ましい。
【0028】また、反応系内の圧力は1×10-6Tor
r〜4×102 Torrの極めて広い範囲内でプラズマ
の安定維持が可能であり、立方晶窒化硼素を析出するこ
とは可能であるが、反応系内の圧力が小さくなると析出
速度が極端に小さくなるため、本発明では、1×10-4
Torr〜1×102 Torrの範囲とすることがより
好ましい。
【0029】
【作用】本発明では、p型不純物元素にベリリウム(B
e)を選定してp型立方晶窒化硼素半導体を製造するも
のとする。
【0030】本発明に従うp型立方晶窒化硼素半導体の
製造方法では、プラズマCVD法において硼素原子含有
気体と窒素原子含有気体を主成分とする原料気体中にベ
リリウム原子含有気体を添加することで、ベリリウム原
子含有気体が原料気体とともにプラズマ放電により解離
励起されてラジカルまたは正に帯電したイオンに活性化
される。励起されたベリリウム原子は、励起された硼素
原子および窒素原子とともに加熱した基板表面に十分量
供給され、成長する立方晶窒化硼素結晶中に効率よく取
り込まれるものと考えられる。したがって、立方晶窒化
硼素結晶中にp型不純物元素(Be)が均一に導入さ
れ、導電性に優れた大型のp型立方晶窒化硼素半導体結
晶を得ることができる。
【0031】また、本発明では立方晶窒化硼素結晶中へ
のp型不純物元素のドーピングを、高圧合成法のように
結晶合成前に予めBN原料粉末中に所定量の不純物元素
粉末を添加しておくやり方ではなく、気相合成により立
方晶窒化硼素半導体薄膜形成に併せて反応系内に導入す
る原料気体に対するベリリウム原子含有気体の流量比を
適宜調整しながら行なうことができるので、p型不純物
元素のドーピング量を制御しながら、立方晶窒化硼素結
晶中にp型不純物元素が均一に導入されたp型立方晶窒
化硼素半導体を合成することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明に基づく実施例について説明す
る。ただし本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0033】実施例1 図1は、本実施例において用いるECRプラズマCVD
装置を構造を模式的に示す図である。
【0034】図1に基づいて、ECRプラズマCVD装
置について説明する。ECRプラズマ室7の側方に電磁
コイル8が配設され、隔離板を介してECRプラズマ室
7に連通するように真空チャンバ1が設けられている。
真空チャンバ1内において、ECRプラズマ室7の開口
部10から10cm離れた位置に基板を固定するための
基板ホルダ4が設けられている。
【0035】基板ホルダ4には、基板に高周波バイアス
電圧を印加するための高周波電圧源5および直流電流源
6が接続されている。また、基板ホルダ4の近傍には、
基板を加熱するためのヒータ3が設けられ、基板加熱と
バイアス印加を併用することができるようになってい
る。この基板ホルダ4上には、十分に洗浄された1cm
×1cm以下の大きさの基板を設置するものとする。
【0036】さらに、ベリリウム有機化合物であるジメ
チルベリリウム粉末が収納された収納容器12が設けら
れている。収納容器12には、収納容器12内に搬送ガ
スとしてのArガスを導入するための導入管13と、真
空チャンバ1内にBe原子含有ガスを供給するための導
入管14とが配設されている。
【0037】上述のような構造を有する装置を用いてp
型立方晶窒化硼素を合成させる場合の動作について説明
する。
【0038】まず、方位<100>ダイヤモンド単結晶
からなる基板2を基板ホルダ4上に設置する。真空チャ
ンバ1内の気圧を5×10-7Torr以下になるまで真
空ポンプ(図示せず)により排気した後、真空チャンバ
1内に水素ガスを10sccmで導入した。次に、電磁
コイル8に通電することで、ECRプラズマ室7内に約
875Gの磁場を発生させた。このように電子サイクロ
トロン共鳴状態になる磁場値を印加した後、真空チャン
バ1内の基板2を800℃に加熱し、300Wのマイク
ロ波11を真空チャンバ1内に導入することでECR高
密度プラズマを発生させた。このとき同時に基板2に自
己バイアス値が−75Vになるように高周波バイアス電
圧を印加した。
【0039】この状態で10分間基板2表面を水素プラ
ズマでエッチングした。一方、ジメチルベリリウム粉末
が収納された収納容器12、導入管14、および真空チ
ャンバ1全体を220℃に加熱するものとした。プラズ
マエッチング後、引続き反応ガスとしてB2 6 ガスを
2sccm、N2 ガスを2sccm、Arガスを20s
ccm、さらにBe含有Arガスを5sccmで真空チ
ャンバ1内に導入した。
【0040】なお、本実施例では、B2 6 ガスはAr
ガスで希釈されたものを使用するものとした。
【0041】本実施例では、Be含有Arガスの流量を
調節することでp型不純物元素(Be)のドーピング量
を制御するものとする。
【0042】マイクロ波11を真空チャンバ1内に導入
することでECR高密度プラズマを発生させて、反応ガ
スを分解し、反応ガスから生成した化学種を基板上に供
給することで、約60分間の成膜を行なった。
【0043】膜合成後、基板2上に得られた膜を赤外吸
収分光法およびX線回折法で調べたところ、立方晶窒化
硼素単相の薄膜であることが確認された。
【0044】また、薄膜中元素の組成比を二次イオン重
量分析法により分析したところ、硼素(B)原子に対す
るベリリウム(Be)原子の比率は300ppmである
ことが判明した。
【0045】得られた薄膜の比抵抗を調べたところ、2
×10-2Ωcmであり、p型半導体であることが確認さ
れた。
【0046】実施例2 実施例1と同様のECRプラズマCVD装置を用いるも
のとする。ただし、本実施例では、p型不純物元素(B
e)の供給手段として、ベリリウム有機化合物を加熱昇
温し気化させる代わりに、真空チャンバ1内においてベ
リリウムの水素化物あるいはハロゲン化物を電子線の照
射を行なうことにより融解しベリリウム原子を蒸発させ
る手段をとるものとした。
【0047】図2は、本実施例において用いるECRプ
ラズマCVD装置の構造を模式的に示す図である。
【0048】図2に基づいて、ECRプラズマCVD装
置において前述の実施例1と異なるp型不純物元素(B
e)の供給手段についてのみ説明する。
【0049】真空チャンバ1内において、基板ホルダ4
および基板2の下方の所定の位置にベリリウムの水素化
物としてBeH2 18が収納された収容容器19が設置
されている。収納容器19の近傍には電子線を照射する
ための電子銃16が設けられている。電子銃16から電
子線17が収納容器19内のBeH2 18に照射される
と、BeH2 18が融解し、分離した金属Be原子が蒸
発する。照射する電子線17の波長は電子銃16に印加
するビーム加速電圧によって決定される。
【0050】上述のような構造を有するCVD装置を用
いてp型立方晶窒化硼素を合成させる場合の動作につい
て説明する。
【0051】実施例1と同様に、まず方位<100>ダ
イヤモンド単結晶からなる基板2を基板ホルダ4上に設
置する。
【0052】真空チャンバ1内の気圧を5×10-7To
rr以下になるまで真空ポンプ(図示せず)により排気
した後、真空チャンバ1内に水素ガスを10sccmで
導入した。次に、電磁コイル8に通電することで、EC
Rプラズマ室7内に約875Gの磁場を発生させた。こ
のように電子サイクロトロン共鳴状態になる磁場値を印
加した後、真空チャンバ1内の基板2を1100℃に加
熱し、300Wのマイクロ波11を真空チャンバ1内に
導入することでECR高密度プラズマを発生させた。こ
のとき同時に基板2に自己バイアス値が−75Vになる
ように高周波バイアス電圧を印加した。
【0053】この状態で10分間基板2表面を水素プラ
ズマでエッチングした。エッチング後、反応ガスとして
2 6 ガスを2sccm、N2 ガスを2sccm、A
rガスを20sccmで真空チャンバ1内に導入し、E
CRプラズマを発生させて、反応ガスから生成した化学
種を基板2上に供給するとともに、電子銃16から電子
線17を収納容器19内のBeH2 18に照射すること
により蒸発するBe原子を基板2上に供給することで、
約30分間の成膜を行なった。
【0054】膜合成後、基板2上に得られた膜を赤外吸
収分光法およびX線回折法で調べたところ、立方晶窒化
硼素単相の薄膜であることが確認された。
【0055】また、薄膜中元素の組成比を二次イオン重
量分析法により分析したところ、硼素(B)原子に対す
るベリリウム(Be)原子の比率は500ppmである
ことが判明した。
【0056】得られた薄膜の比抵抗を調べたところ、1
×10-2Ωcmであり、p型半導体であることが確認さ
れた。
【0057】比較例 比較例では、公知の高圧合成法でp型立方晶窒化硼素を
合成させるものとする。
【0058】六方晶窒化硼素(hBN)を微粉末原料と
し、触媒としてMgBN3 を用いた。p型不純物元素と
して金属Be粉末を原料調整時に微粉末原料1gに対し
てBe10mgの割合で添加した。
【0059】これを50,000気圧、約1700℃の
高圧、高温条件下においてセル中で温度差をつくること
によりゆっくりと立方晶窒化硼素結晶を晶析させた。こ
れにより、約1cm角の立方晶窒化硼素結晶を得た。
【0060】このようにして得られた結晶を赤外吸収分
光法およびX線回折法で調べたところ、立方晶窒化硼素
単相の結晶であることが確認された。
【0061】また、結晶中元素の組成比を二次イオン重
量分析法により分析したところ、硼素(B)原子に対す
るベリリウム(Be)原子の比率は2000ppmであ
ることが判明した。
【0062】得られた結晶の比抵抗を調べたところ、5
0Ωcmであった。このように、高圧合成法で得られた
立方晶窒化硼素結晶は非常に大きな比抵抗を示した。
【0063】
【発明の効果】本発明では、上述した実施例において示
したように、ベリリウム原子含有固体は比較的容易に入
手することができ、このようなベリリウム原子含有固体
を気化させて得られるベリリウム原子含有気体を原料ガ
スに添加する際の添加量の調整機構も比較的簡単なもの
ですむため、気相合成によりドーピング量の制御性よ
く、良質で大型のp型立方晶窒化硼素半導体結晶を製造
することができる。したがって、本発明を各種工具、耐
熱デバイス、耐環境デバイス等の半導体材料、放熱基
板、光学材料、音響振動板等に適用が期待されるp型立
方晶窒化硼素半導体結晶の製造に用いれば非常に効果的
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う第1の実施例においてp型立方晶
窒化硼素を合成するために用いるECRプラズマCVD
装置を模式的に示す図である。
【図2】本発明に従う第2の実施例においてp型立方晶
窒化硼素を合成するために用いるECRプラズマCVD
装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 基板 3,15 ヒータ 4 基板ホルダ 5 高周波電圧源 6 直流電流源 7 ECRプラズマ室 8 電磁コイル 10 開口部 11 マイクロ波 12 収納容器 13 導入管 16 電子銃 17 電子線 18 BeH2 19 収納容器 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硼素原子含有気体と窒素原子含有気体を
    主成分とする原料気体を反応系内に導入し、前記原料気
    体の活性化により生成されたプラズマを加熱した基板表
    面に供給して立方晶窒化硼素を析出させるプラズマCV
    D法において、 前記原料気体中にベリリウム原子含有気体を添加するこ
    とにより、p型不純物元素をドーピングしながら、前記
    基板表面にp型立方晶窒化硼素半導体薄膜を形成するこ
    とを特徴とする、p型立方晶窒化硼素半導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記プラズマCVD法において、ベリリ
    ウム原子含有固体を気化させて、前記原料気体中にベリ
    リウム原子含有気体を添加することを特徴とする、請求
    項1に記載のp型立方晶窒化硼素半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ベリリウム原子含有固体が有機金属
    ベリリウムであることを特徴とする、請求項2に記載の
    p型立方晶窒化硼素半導体の製造方法。
JP3292093A 1993-02-23 1993-02-23 p型立方晶窒化硼素半導体の製造方法 Withdrawn JPH06252054A (ja)

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JP2015030898A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 住友電気工業株式会社 多結晶立方晶窒化ホウ素およびその製造方法

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