JPH06249997A - 中性子捕獲体及び建物 - Google Patents

中性子捕獲体及び建物

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JPH06249997A
JPH06249997A JP6292093A JP6292093A JPH06249997A JP H06249997 A JPH06249997 A JP H06249997A JP 6292093 A JP6292093 A JP 6292093A JP 6292093 A JP6292093 A JP 6292093A JP H06249997 A JPH06249997 A JP H06249997A
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neutron
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neutron capturing
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Kenzo Ishida
謙藏 石田
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KAMIYA KOUHACHI SEIZOSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 中性子捕獲体1は、ホウ酸の飽和溶液と粘
土,長石,陶石などを混合して泥漿を作り、この泥漿
を、脱水・乾燥→粉砕→タイル形状にプレス→焼成、の
順に加工して作られる。 【効果】 中性子捕獲体1中のホウ素原子が核化学反応
を起こして確実に中性子を捕獲するため、タイルや瓦の
ような薄い板状にしても高い中性子捕獲能力を発揮す
る。従って、中性子捕獲体で壁や屋根又は床などを覆え
ば、建物のコンクリートを薄くすることができ大幅なコ
ストの低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電や放射線治
療などで発生する中性子を捕獲する中性子捕獲体及びそ
の中性子捕獲体を使用した建物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力発電所や放射線治療室など
では、放射線の発生源を取り囲むコンクリートの壁を厚
くして、人体に有害な中性子を外部に透過させないよう
にしている。一方、宇宙線中の中性子を遮断して環境放
射能(低レベル放射能)を正確に測定しようとする場
合、コンクリート自体からも微量の放射線が出ているた
め、鉛など放射線を遮断する能力を持った金属で内面を
覆い尽くした計測室や計測ボックスが必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにコンクリ
ートの壁を厚くする技術的手段は、大量のコンクリート
を消費すると共に、重いコンクリートを支えるために建
物のフレームなど全ての面で頑強にする必要があり、非
常に不経済である。また、コンクリートの壁のみでは中
性子の遮蔽能力に限界があって確実性に欠ける、などの
問題点があった。また、環境放射能を測定する計測室や
計測ボックスの場合、鉛などの金属を使用しなければな
らないために非常にコストが高くつく問題点があった。
【0004】ところで、非金属性元素の一つであるホウ
素は、中性子を著しく吸収しやすい物質として知られて
いる。この性質を利用したものに、例えば、原子力発電
における制御棒がある。そこで、本出願人は、コンクリ
ートにホウ酸の飽和溶液を加え、コンクリート中に混在
させたホウ素で中性子を捕獲するようになし、以てコン
クリートの壁を薄くすることを試みたが、コンクリート
のアルカリがホウ酸によって中和されるため脆くなる事
態が発生し、実用に至らなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイル,瓦,
煉瓦など焼成物の原料土にホウ素を加えて焼き固める
か、又は、プレスして押し固めてなる中性子捕獲体を提
供する。また、前記中性子捕獲体で、壁又は屋根又は床
を覆ってなる建物を提供する。
【0006】
【作用】中性子捕獲体に含まれるホウ素原子は、核化学
反応を起こして中性子を捕獲する。従って、中性子捕獲
体をタイルや瓦のように薄い板状にしても、中性子の捕
獲能力が高い。また、焼成物の原料土は加工性が良く、
しかもプレスや焼成して固めることにより高い強度を発
揮する。この中性子捕獲体で建物の壁などを覆えば、コ
ンクリートの厚さを薄くしても中性子の透過が防止でき
る。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。周知のようにタイルの乾式製法は、水と粘土,
長石,陶石などを混合した泥漿をフィルタープレスで脱
水して乾燥固化させ、その固形物を粉砕してバリカキ粉
を作り、該バリカキ粉をプレス成形して焼成するもので
ある。そこで、このタイルの製造工程で、常温における
ホウ酸の飽和溶液と粘土,長石,陶石などを混合して泥
漿を作り、この泥漿を前記のように、脱水・乾燥→粉砕
→プレス→焼成、の順に加工し、図1のようなタイル形
状の中性子捕獲体1を作る。なお、焼成工程は、熱でホ
ウ素が飛ばないように900℃以下の低温で行うのがよ
い。また、焼成に際して通常のタイルと同じように表面
に釉薬2の釉面を形成してもよいが、この釉薬2にもホ
ウ酸を混ぜておけばより効果が高まる。また、泥漿をフ
ィルタープレスで脱水してバリカキ粉にする工程を、泥
漿をスプレードライヤーにかけて顆粒粉にする工程に置
き換えてもよい。
【0008】このようにして製造される中性子捕獲体1
を建物の壁に貼り付けて壁全体を覆うことにより中性子
の透過を防止することができる。従って、コンクリート
の壁は薄くてよい。中性子捕獲体1は、ホウ素が含まれ
ている点を除いて普通のタイルと全く同じであるため、
建物に貼り付けても全く違和感がなく、従来のコンクリ
ートの壁に比べて非常に綺麗である。従って、原子力発
電所や原子力研究所などのコンクリートの壁に使用した
場合、従来の物々しさが無くなって、危険な場所の雰囲
気が和らぐ。なお、中性子捕獲体1をタイルのように並
べて貼り付けると必然的に目地ができ、その目地の部分
から中性子が透過する虞がある。これを防止するために
は、第一に中性子捕獲体1の一枚の大きさをなるべく大
きくして目地の量を減らす、第二に壁の両面に中性子捕
獲体1を貼り、その際、壁の両面で互いの目地の位置を
ずらすようにすればよい。中性子は直進性を持っている
ため、目地の位置をずらすだけで中性子の透過が防げる
のである。また、目地自体を無くするために隣合う中性
子捕獲体1同士の端部を重ね合わせるようにしてもよ
い。
【0009】以上本発明の実施例について説明したが、
もちろん本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば、実施例の中性子捕獲体1は、タイルの原料
土にホウ酸を混ぜてタイル形状に形成したが、瓦の原料
土にホウ酸を混ぜて瓦形状に形成し、その瓦型中性子捕
獲体1で建物の屋根を覆うようにしてもよい。また、煉
瓦の原料土にホウ酸を混ぜて煉瓦形状にすることもでき
る。また、実施例では中性子捕獲体1を焼成して焼き固
めるようにしたが、プレス機で押し固めるだけでも充分
な強度がある。この場合の中性子捕獲体1は、タイルの
ような装飾機能がないためコンクリートの壁の中に埋め
込んで使用する。なお、本発明において「固める」と
は、焼成して焼き固める場合と、プレスして押し固める
場合の両者を含む概念である。また、ホウ酸の飽和溶液
に代えてホウ砂を使用するようにしてもよい。但し、ホ
ウ砂は加熱すると膨化するため、予め加熱・膨化させて
粉砕したものを使用する。なお、上記のように中性子捕
獲体1を焼成しない場合には、ホウ砂がそのまま使用で
きる。また、実施例では、乾式製法によってタイル形状
の中性子捕獲体1を製造したが、湿式製法であってもも
ちろん適用可能である。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明の中性子捕獲体は、
ホウ素原子が核化学反応を起こして確実に中性子を捕獲
するため、タイルや瓦のような薄い板状にしても高い中
性子捕獲能力を発揮する。従って、中性子捕獲体で壁や
屋根又は床などを覆えば、建物のコンクリートを薄くす
ることができ大幅なコストの低減を図ることができる。
その上、中性子捕獲体は、外観上、タイルや瓦と全く同
じにできるため高い装飾性があり、剥きだしのコンクリ
ートのような物々しさがなく、危険な場所の雰囲気をも
和らげることができる。このように、本発明の中性子捕
獲体は、中性子の高い捕獲能力がありながら、従来より
低コストであり、しかも分厚いコンクリートの壁のよう
に余分なスペースを占有することもないため、一般住宅
にも充分適用できる。従って、原子力発電所周辺の民家
や学校、役所などの壁や塀或いは屋根に本発明の中性子
捕獲体を使用すれば、周辺住民の安全をより一層確保す
ることができる。また、本発明の中性子捕獲体は、コン
クリート自体が放出する中性子をも完全に吸収するた
め、鉛などの金属に代えて内面を覆い尽くすだけで、外
部の中性子の影響を全く受けない環境放射能測定用の計
測室や計測ボックスができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中性子捕獲体の斜視図である。
【符号の説明】
1…中性子捕獲体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイル,瓦,煉瓦など焼成物の原料土に
    ホウ素を加えて焼き固めるか、又は、プレスして押し固
    めてなることを特徴とする中性子捕獲体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の中性子捕獲体で壁又は屋
    根又は床を覆ってなることを特徴とする建物。
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Cited By (2)

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KR100387660B1 (ko) * 2001-02-28 2003-06-18 정기환 건식성형 루핑타일의 제조방법
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