JPH0624986B2 - 球形を呈したマグネタイト粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

球形を呈したマグネタイト粒子粉末及びその製造法

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JPH0624986B2
JPH0624986B2 JP61158265A JP15826586A JPH0624986B2 JP H0624986 B2 JPH0624986 B2 JP H0624986B2 JP 61158265 A JP61158265 A JP 61158265A JP 15826586 A JP15826586 A JP 15826586A JP H0624986 B2 JPH0624986 B2 JP H0624986B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Si含有量がFeに対し 0.1〜5.0 原子%であっ
て、粒子表面が飽和脂肪酸で被覆されており、且つ、電
気抵抗が1013〜1015Ωcmであり、しかも、温度安定性に
優れている球形を呈したマグネタイト粒子からなる球形
を呈したマグネタイト粒子粉末及びその製造法に関する
ものである。
その主な用途は、静電複写用の絶縁性磁性トナー用材料
粒子粉末である。
〔従来技術〕
近年、静電複写機の普及はめざましく、それに伴い、現
像剤である磁気トナーの研究開発が盛んであり、その特
性向上が要求されている。
静電複写機用に用いられる現像剤は、インキ成分である
トナーとトナーを搬送するキャリアとからなり、従来か
ら一般に使用されているこの種の現像剤には、トナーと
キャリアとが混合している二成分系現像剤とキャリア機
能を具備している一成分系現像剤とがある。
二成分系現像剤は、キャリアに一定粒度の鉄粉、ガラス
ビーズ等を用いて潜像へトナーを供給するものである。
一方、一成分系現像剤は、磁性トナーと呼ばれ、トナー
自身が感磁性を持つことにより、キャリアを用いること
なく、トナー自身で搬送と現像を行うものであり、磁性
粒子粉末を合成樹脂中に分散させた一定粒度の粉末であ
る。
一成分系現像剤には、大別して導電性磁性トナーと絶縁
性磁性トナーがあり、普通紙への複写が可能なことから
後者が広く活用されている。
絶縁性磁性トナーは、例えば、静電気学会誌第7巻第4
号(1983年)の第238 頁の「‥‥(2)絶縁性磁性トナー
樹脂中に磁性粉末を含有せしめて1013Ωcm以上の比抵
抗に設定せしめる。‥‥」なる記載の通り、電気抵抗が
1013Ωcm以上であることが必要であるが、その為には、
樹脂中に分散させる磁性粒子粉末の電気抵抗が出来るだ
け高く、長期に亘り安定であることが強く要求されてい
る。
即ち、樹脂自体は1015Ωcm程度を示す高絶縁体である
が、樹脂中に多量(30〜60重量%)に含有される磁性粒
子粉末の電気抵抗は 107Ωcm程度と低い為、得られる磁
性トナーの電気抵抗は一般に樹脂のそれより低くなって
しまうからである。
また、磁性トナーは、製造時及び現像時に高温にされさ
れる為、磁性トナー用材料粉末である磁性粒子粉末は、
温度安定性に優れていることが強く要求されている。
即ち、磁性トナーは、マグネタイト粒子等の磁性粒子粉
末と樹脂とを加熱溶融混練し、冷却固化させた後、粉砕
し、更に、加熱された熱気流中に噴霧状にして通過させ
て球状化処理を行うことにより製造されている。また、
現像に際しては、磁性トナーを定着する為に熱定着や圧
力定着が行われる。
従来、磁性トナー用磁性粒子粉末として一般に黒色を呈
する球状又は立方状のマグネタイト粒子が広く使用され
ており、該マグネタイト粒子は、一般に第一鉄塩水溶液
とアルカリ水溶液との反応により得られた水酸化第一鉄
コロイドを含む懸濁液に空気等の酸素含有ガスを吹き込
むことにより製造されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
電気抵抗が高く長期に亘り安定であり、しかも、温度安
定性に優れたマグネタイト粒子粉末は、現在、最も要求
されているところであるが、前述した公知方法により得
られるマグネタイト粒子粉末の電気抵抗は前述した通り
107Ωcm程度と低いものであり、また、温度安定性も優
れたものとは言い難い。即ち、公知方法により得られた
黒色のマグネタイト粒子粉末は、 200〜300 ℃程度でマ
グヘマイトとなり茶褐色に変色し、更に 550℃程度の高
温になるとヘマタイトとなり赤褐色に変色すると同時に
磁性を失ってしまう。
上述した通り、電気抵抗が高く長期に亘り安定であり、
しかも温度安定性に優れたマグネタイト粒子粉末を製造
する方法の確立が強く要望されている。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、電気抵抗が高く長期に亘り安定であり、し
かも、温度安定性に優れたマグネタイト粒子粉末を製造
する方法について種々検討を重ねた結果、本発明に到達
したのである。
即ち、本発明は、Si含有量がFeに対し 0.1〜5.0 原子%
であって、粒子表面が飽和脂肪酸で被覆されており、且
つ、電気抵抗が1013〜1015Ωcmであり、しかも、温度安
定性に優れていることを特徴とする球形を呈したマグネ
タイト粒子からなる球形を呈したマグネタイト粒子粉末
及び第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に
対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを反応させて得
られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液
に加熱しながら酸素含有ガスを通気して上記水酸化第一
鉄コロイドを酸化するにあたり、前記水酸化アルカリ又
は前記水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液のい
ずれかにあらかじめ水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算
で 0.1〜5.0 原子%添加し、次いで70〜100 ℃の温度範
囲で加熱しながら酸素含有ガスを通気した後、該加熱酸
化条件と同一の条件下で水酸化第一鉄コロイドを酸化後
の反応母液中に残存する第一鉄塩に対し1.00当量以上の
水酸化アルカリを添加することにより球形を呈したSiを
含有するマグネタイト粒子を生成させ、次いで、該球形
を呈したSiを含有するマグネタイト粒子と飽和脂肪酸と
を撹拌混合することにより上記球形を呈したSiを含有す
るマグネタイト粒子の粒子表面を飽和脂肪酸で被覆する
ことよりなる球形を呈したマグネタイト粒子からなる球
形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造法である。
〔作 用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、飽和脂肪酸で処
理するにあたり、被処理マグネタイト粒子として第一鉄
塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し0.80〜
0.99当量の水酸化アルカリとを反応させて得られた水酸
化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に加熱しな
がら酸素含有ガスを通気して上記水酸化コロイドを酸化
するにあたり、前記水酸化アルカリ又は前記水酸化第一
鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液のいずれかにあらかじ
め水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で 0.1〜5.0 原子
%添加し、次いで70〜100 ℃の温度範囲で加熱しながら
酸素含有ガスを通気した後、該加熱酸化条件と同一の条
件下で水酸化第一鉄コロイドを酸化後の反応母液中に残
存する第一鉄塩に対し1.00当量以上の水酸化アルカリを
添加することにより得られた球形を呈したSiを含有する
マグネタイト粒子を用いた点である。
本発明において、電気抵抗が高く長期に亘り安定である
理由については未だ明らかではないが、本発明者は、被
処理粒子として用いた球形を呈したSiを含有するマグネ
タイト粒子の球形性が向上したことに起因してマグネタ
イト粒子の粒子表面に飽和脂肪酸が疎水基であるアルキ
ル基を粒子表面から外へ向けて均一且つ緻密な状態で強
固に配向吸着されている為であろうと考えている。
また、本発明において、温度安定性が優れたマグネタイ
ト粒子が得られる理由については未だ明らかではない
が、本発明者は、球形を呈したマグネタイト粒子の球形
性が向上したことに起因して粒子の表面活性が小さくな
ったこと及びマグネタイト粒子中に含有されるSiの作用
によるものと考えている。
従来マグネタイト粒子粉末を脂肪酸又はその塩等で被覆
することは種々試みられており、例えば、特開昭58-147
73号公報、特開昭61-53654号公報、特開昭54-139544 号
公報、特開昭56-64348号公報及び特開昭56-128957 号公
報に記載の方法があるが、いずれの場合にも、電気抵抗
が十分高く長期に亘り安定なマグネタイト粒子は未だ得
られていない。
従来、球形を呈したマグネタイト粒子を得る方法として
は、例えば、特開昭49-35900号公報及び特開昭60-71529
号公報に記載の方法があり、また、マグネタイト粒子の
生成にあたり、水可溶性ケイ酸塩を添加するものとして
は、例えば、特公昭55-28203号公報及び特開昭58-2226
号公報に記載の方法がある。しかしながら、これらマグ
ネタイト粒子について脂肪酸で処理することについては
何ら記載されておらず、事実、後述の比較例に示す通
り、電気抵抗が低いものであり、しかも、温度安定性に
優れたものとは言い難いものである。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明における第一鉄塩水溶液としては、硫酸第一鉄、
塩化第一鉄等が用いられる。
本発明における水酸化アルカリは、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物及び水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属
の水酸化物を使用することができる。
本発明における水酸化第一鉄コロイドを沈澱させる為に
使用する水酸化アルカリの量は、第一鉄塩水溶液中のFe
2+に対し0.80〜0.99当量である。
0.80当量未満又は0.99当量を越える場合には、球形を呈
したマグネタイト粒子を生成することが困難である。
本発明における水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反
応水溶液に酸素含有ガスを通気する際の反応温度は70〜
100 ℃である。
70未満である場合には、針状晶ゲータイト粒子が混在
し、100 ℃を越える場合でも球形を呈したマグネタイト
粒子は生成するが工業的ではない。
酸化手段は酸素含有ガス(例えば空気)を液中に通気す
ることにより行う。
本発明において使用される水可溶性ケイ酸塩としてはナ
トリウム、カリウムのケイ酸塩がある。
水可溶性ケイ酸塩の添加量は、Feに対してSi換算で 0.1
〜5.0 原子%である。
0.1原子%未満である場合には、本発明の目的とする球
形性の優れた球形を呈したマグネタイト粒子粉末を得る
ことが出来ない。
5.0 原子%を越える場合には。添加した水可溶性ケイ酸
塩が単独で析出し、球形を呈したマグネタイト粒子中に
混在する。
本発明における水可溶性ケイ酸塩は、生成する球形を呈
したマグネタイト粒子の形状に関与するものであり、従
って、水可溶性ケイ酸塩の添加時期は、水酸化第一鉄コ
ロイドを含む第一鉄塩反応水溶液中に酸素含有ガスを通
気してマグネタイト粒子を生成する前であることが必要
であり、水酸化アルカリ又は、水酸化第一鉄コロイドを
含む第一鉄塩反応水溶液のいずれかに添加することがで
きる。
第一鉄塩反応水溶液中に水可溶性ケイ酸塩を添加する場
合には、水可溶性ケイ酸塩を添加すると同時にSiO2とし
て析出する為、本発明の目的とする球形性の向上した球
形を呈したマグネタイト粒子を得ることができない。
添加した水可溶性ケイ酸塩は、ほぼ全量が生成マグネタ
イト粒子粉末中の含有され、後出実施例に示される通
り、得られたマグネタイト粒子粉末は、添加量とほぼ同
量を含有している。
本発明における水酸化第一鉄コロイドの酸化後の母液中
に残存するFe2+に対して添加する水酸化アルカリの量
は、1.00当量以上である。
1.00当量未満ではFe2+が全量沈澱しない。1.00当量以上
の工業性を勘案した量が好ましい量である。
本発明における反応母液中に残存するFe2+に対し水酸化
アルカリを添加する際の反応温度及び酸化手段は、前出
水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に酸素
含有ガスを通気する際の条件と同一でよい。
本発明における脂肪酸の種類としては、飽和脂肪酸を用
いることができ、殊に、直鎖型飽和脂肪酸が好ましく、
具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、
パルミチン酸等が使用できる。
飽和脂肪酸の量は、被処理粒子であるマグネタイト粒子
の粒子表面に飽和脂肪酸の単分子膜層を形成する為に必
要な量以上である。
即ち、単分子層膜を形成する為に必要な飽和脂肪酸の量
(W) は、次式により求めることができる。
但し、 M :飽和脂肪酸の分子量(g) S :被処理粒子であるマグネタイト粒子のN2吸着による
BET 比表面積(m2/g) A :飽和脂肪酸の吸着占有断面積(Å2) 飽和脂肪酸の量が、単分子層膜を形成する為に必要な量
未満である場合には、電気抵抗が高いマグネタイト粒子
を得ることができない。単分子層膜を形成する為に必要
な量以上であれば本発明の目的を達することができる
が、必要以上に添加する意味がなく、また、該マグネタ
イト粒子の粒子表面に吸着しない余分の飽和脂肪酸が多
量に存在することとなり、該マグネタイト粒子を用いて
得られた磁気トナーの帯電特性に影響を及ぼすこととな
る。得られる飽和脂肪酸で被覆されたマグネタイト粒子
の絶縁性及び安定性を考慮すればその上限は、単分子層
膜を形成する為に必要な量の2倍量で充分である。
本発明における球形を呈したSiを含有するマグネタイト
粒子と飽和脂肪酸との撹拌混合は、乾燥した球形を呈し
たSiを含有するマグネタイト粒子と飽和脂肪酸とを該飽
和脂肪酸の融点以上の温度に加熱しながら不活性ガス雰
囲気中で行うのが好ましい。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における平均粒子径は B
ET法により、吸油量及びカサ密度はJIS K 5101に記載の
方法により測定し、直色力は測色用試験片を東京電色製
測色色素計(TC-5D) を用いて測色して得られた L値(明
度)で示した。 L値が低い程、着色力が優れたものであ
り、分散性が良好であることを示す。測色用試験片は、
マグネタイト粒子粉末 0.5g及びチタン白 1.5gとヒマ
シ油 1.5 cc をフーバー式マーラーで練ってペースト状
とし、このペーストにクリヤラッカー 4.5gを加えて混
練し塗料化して、ミラコート紙上に6 milのアプリケー
ターを用いて塗布することによって得た。
粒子中のSi量は、「螢光X線分析装置3063M 型」(理学
電機工業製)を使用し、JIS K 0119の「けい光X線分析
通則」に従って、螢光X線分析を行うことにより測定し
た。
電気抵抗は、温度20℃、湿度65%の条件下で一晩放置し
たマグネタイト粒子を用い、該マグネタイト粒子を充填
率2〜2.5 g/cm2となるように径1.8 cmの一対の電極間
に0.2cm の一定距離をはさんだ後、電圧を25 Vあるいは
500 Vに印加して高抵抗計4329 A(横河ヒュレットパッ
カード社製)で測定した。電気抵抗の安定性は、温度20
℃、湿度65%の条件下で10日間放置した時の電気抵抗の
値で示した。
温度安定性は、マグネタイト粒子を空気中 150℃の温度
で30分間放置することにより得られたマグネタイト粒子
の L値を測定し、空気中加熱処理前のマグネタイト粒子
のL との差を変化率ΔL として示し、また、空気中 150
℃の温度で30分間処理することにより得られたマグネタ
イト粒子の保磁力と空気中加熱処理前の保磁力との差を
変化率ΔHcとして示した。
〈マグネタイト粒子粉末の製造〉 実施例1〜10、比較例1〜4; 実施例1 Fe2+ 1.5 mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20を、あら
かじめ、反応器中に準備されたFeに対しSi換算で 0.3原
子%を含むようにケイ酸ソーダ(3号)(SiO2 28.55wt%)
18.9gを添加して得られた2.64-NのNaOH水溶液20に加
え(Fe2+に対し0.95当量に該当する。)、pH 6.9、温度
90℃においてFe(OH)を含む第一鉄塩水溶液の生成を行
った。
上記Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において
毎分 100の空気を 240分間通気してマグネタイト粒子
を含む第一鉄塩水溶液を生成した。
次いで、上記マグネタイト粒子を含む第一鉄塩水溶液に
1.58-NのNaOH水溶液2を加え(Fe2+に対し1.05当量に
該当する。)、pH 11.8 、温度90℃において毎分20の
空気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、粉砕し
た。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図1に示す電子顕微
鏡写真(×20000)から明らかな通り、粒子相互間のか
らみ合い等がなく、平均粒子径が0.20μmの球形を呈し
た粒子であった。
また、この球形を呈したマグネタイト粒子粉末は、螢光
X線分析の結果、Feに対しSiを0.29原子%含有したもの
であって、カサ密度0.57g/cm3、吸油量17ml/100
g、 L値34.8であり、電気抵抗は 2.0×10Ωcmであっ
た。
実施例2〜10 水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液の生成
における第一鉄塩水溶液の種類、濃度並びに使用量、水
酸化アルカリの種類、濃度並びに使用量、水可溶性ケイ
酸塩の種類、添加量並びに添加時期、残存Fe2+の沈澱に
おける水酸化アルカリの種類並びに使用量及び各工程に
おける反応温度を種々変化させた以外は実施例1と同様
にしてマグネタイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び生成マグネタイト粒子粉末の
諸特性を表1に示す。
実施例2〜10で得られたマグネタイト粒子粉末は、電子
顕微鏡観察の結果、いずれも粒子相互間のからみ合い等
がなく球形を呈した粒子であった。
実施例3で得られたマグネタイト粒子粉末の電子顕微鏡
写真(×20000)を図2に示す。
比較例1 Fe2+ 1.5 mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20を、あら
かじめ、反応器中に準備された3.45-NのNaOH水溶液20
に加え(Fe2+に対し1.15当量に該当する。)、pH 12.8
、温度90℃においてFe(OH)を含む第一鉄塩水溶液の
生成を行った。
上記Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において
毎分 100の空気を 220分間通気してマグネタイト粒子
を生成した 得られたマグネタイト粒子粉末は、図3に示す電子顕微
鏡写真(×20000)から明らかな通り、六面体を呈した
粒子であった。
この六面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、平均粒子
径が0.17μmであり、カサ密度0.25g/cm3、吸油量 29
ml/100 g、 L値40.1であり、電気抵抗は 6.2×10
Ωcmであった。
比較例2 Fe2+ 1.5 mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20を、あら
かじめ、反応器中に準備された1.92-NのNaOH水溶液20
に加え(Fe2+に対し0.64当量に該当する。)、pH 4.8、
温度90℃においてFe(OH)を含む第一鉄塩水溶液の生成
を行った。
上記Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において
毎分 100の空気を 190分間通気してマグネタイト粒子
を生成した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図4に示す電子顕微
鏡写真(×20000)から明らかな通り、不定形粒子であ
った。
この不定形のマグネタイト粒子粉末は、平均粒子径が0.
19μmであり、カサ密度0.34g/cm3、吸油量27 ml/
100g、 L値39.0であり、電気抵抗は7.2 ×10Ωcmであ
った。
比較例3 Fe2+ 1.5 mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20を、あら
かじめ、反応器中に準備された2.85-NのNa2CO3水溶液20
に加え(Fe2+に対し0.95当量に該当する。)、pH 6.
6、温度90℃においてFeCOを含む第一鉄塩水溶液の生
成を行った。
上記FeCOを含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において毎
分 100の空気を 240分間通気してマグネタイト粒子を
含む第一鉄塩水溶液を生成した。
次いで、上記マグネタイト粒子を含む第一鉄塩水溶液に
1.58-NのNaOH水溶液2を加え(Fe2+に対し1.05当量に
該当する。)、pH 11.6 、温度90℃において毎分20の
空気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、粉砕し
た。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図5に示す電子顕微
鏡写真(×20000)に示す通り、不定形で球形とは言い
難い粒子であった。
このマグネタイト粒子粉末の粒子径は0.12μmであっ
て、カサ密度0.29g/cm3、吸油量23 ml/100 g、 L
値38.4であり、電気抵抗は 5.5×107Ωcmであった。
比較例4 水可溶性ケイ酸塩を添加しなかった以外は実施例1と同
様にしてマグネタイト粒子を生成した。
得られたマグネタイト粒子の粒子径は0.19μmであっ
て、カサ密度0.52g/cm3、吸油量19 ml/100 g、 L
値36.0であり、電気抵抗は 2.5×107Ωcmであった。
〈マグネタイト粒子の脂肪酸による被覆処理〉 実施例11〜20、比較例5〜10; 実施例11 実施例1の球形を呈したSiを含有するマグネタイト粒子
を用い、該マグネタイト粒子粉末2000gとステアリン酸
27.4g(単分子層膜被覆量の1.2 倍に該当する。)とを
N2ガス流下、温度120 ℃で30分間撹拌混合した。
得られたステアリン酸で被覆された球形を呈したSiを含
有するマグネタイト粒子の電気抵抗は6.2×1014Ωcmを
高いものであった。
また、10日間放置後の電気抵抗は7.8 ×1014Ωcmであっ
て、ΔL は+ 2.8、及びΔHcは±0 0eであり、非常
に安定なものであった。
実施例12〜20、比較例5〜10 マグネタイト粒子の種類、脂肪酸の種類、量並びに混合
撹拌時における加熱温度を種々変化させた以外は実施例
11と同様にして脂肪酸で被覆されたマグネタイト粒子を
得た。この時の主要製造条件並びに諸特性を表2に示
す。
〔効 果〕 本発明に係る球形を呈したSiを含有するマグネタイト粒
子粉末は、電気抵抗が高く長期に亘り安定であり、しか
も、温度安定性に優れたものであるから、現在、最も要
求されている静電複写用の磁性トナーの材料粒子粉末と
して好適である。
磁性トナーの製造に際して、本発明により得られた球形
を呈したSiを含有するマグネタイト粒子を用いた場合に
は、電気抵抗が高く長期に亘り安定な絶縁性磁性トナー
を得ることができ、また、温度安定性に優れている為、
磁性トナーの製造時、現像時に変色及び磁気特性の低下
等を惹起することがない。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図5は、いずれもマグネタイト粒子粉末の粒子
形態(構造)を示す電子顕微鏡写真(×20,000)であ
り、図1及び図2はそれぞれ実施例1及び実施例3で得
られた球形を呈したマグネタイト粒子粉末、図3は比較
例1で得られた六面体を呈したマグネタイト粒子粉末、
図4は比較例2で得られた不定形のマグネタイト粒子粉
末、図5は比較例3で得られた球形性の不充分なマグネ
タイト粒子粉末である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si含有量がFeに対し 0.1〜5.0 原子%であ
    って、粒子表面が飽和脂肪酸で被覆されており、且つ、
    電気抵抗が1013〜1015Ωcmであり、しかも、温度安定性
    に優れていることを特徴とする球形を呈したマグネタイ
    ト粒子からなる球形を呈したマグネタイト粒子粉末。
  2. 【請求項2】第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第
    一鉄塩に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを反応
    させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反
    応水溶液に加熱しながら酸素含有ガスを通気して上記水
    酸化第一鉄コロイドを酸化するにあたり、前記水酸化ア
    ルカリ又は前記水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水
    溶液のいずれかにあらかじめ水可溶性ケイ酸塩をFeに対
    しSi換算で 0.1〜5.0 原子%添加し、次いで70〜100 ℃
    の温度範囲で加熱しながら酸素含有ガスを通気した後、
    該加熱酸化条件と同一の条件下で水酸化第一鉄コロイド
    を酸化後の反応母液中に残存する第一鉄塩に対し1.00当
    量以上の水酸化アルカリを添加することにより球形を呈
    したSiを含有するマグネタイト粒子を生成させ、次い
    で、該球形を呈したSiを含有するマグネタイト粒子と飽
    和脂肪酸とを撹拌混合することにより上記球形を呈した
    Siを含有するマグネタイト粒子の粒子表面を飽和脂肪酸
    で被覆することを特徴とする球形を呈したマグネタイト
    粒子からなる球形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造
    法。
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