JPH0624981U - インキ吸収体 - Google Patents

インキ吸収体

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JPH0624981U
JPH0624981U JP6188392U JP6188392U JPH0624981U JP H0624981 U JPH0624981 U JP H0624981U JP 6188392 U JP6188392 U JP 6188392U JP 6188392 U JP6188392 U JP 6188392U JP H0624981 U JPH0624981 U JP H0624981U
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JP
Japan
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ink
film
fiber bundle
ink absorber
melting point
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JP6188392U
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俊彦 山田
進 鈴木
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 インキの供給が円滑に行なわれてインキの
ボタ落ちやインキ切れがない水性ボールペン等のインキ
吸収体を提供する。 【構 成】 2軸延伸したポリエステルフイルム2aに
低融点樹脂をコートしたコートフイムルで繊維束2bの
外周を柱状に囲繞したインキ吸収体2であって、前記コ
ートフイルム2aは2軸延伸したポリエステルフイルム
20に、このフイルムが変形する温度より低く、その温
度で繊維束2bに溶着できる低融点ポリエステル樹脂の
接着層21’を設け、これを熱溶着してなるインキ吸収
体。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は水性ボールペン、サインペン、マーカー等の重要な部品を構成してい る流動性のあるインキを吸収するための柱状のインキ吸収体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、水性ボールペン等に使用されているインキ吸収体は、引き揃えられた 繊維束の外側をポリエチレンフイルム,ポリプロピレンフイルム,ポリエステル フイルムあるいはセロフアンなどの被覆フイルムで巻回してその端部同志を接着 剤で接着して柱状に形成したものや加熱溶着したものが使用されている。また、 繊維束の周囲にポリエチレンを筒状に押出したものも使用されている。
【0003】 水性ボールペンの場合には図5に示すように、合成樹脂製の本体1の内部に円 柱状のインキ吸収体2を挿入し、ボール3付チップ4内に繊維の成形体からなる インキ誘導しん5の先端を挿入し、このチップ4を合成樹脂製のチップ保持体6 に嵌合した先端部組立体7のインキ誘導しん5の後部5aをインキ吸収体2に突 入させて組立て、更に本体1の後部を合成樹脂製の尾栓8で閉止している。
【0004】 このような構造の水性ボールペンにおいて、インキ吸収体2を構成している被 覆フイルムにセロフアンを使用したものは、膨潤によりインク吸収体2の外径が 膨張し、このインキ吸収体2と外周面と本体1の内面との間の空間、即ち空気の 通路gが減少してインキの供給が困難となる欠点がある。 また、ポリエチレンフイルム,ポリプロピレンフイルム,ポリエステルフイル ムで繊維束を包み、フイルムの縁部の重合部を接着剤で接着したものは膨潤の問 題がなく、比較的インキの量が多く収容できるが、接着剤を均一に一定量塗布す る作業が困難であり、場合によってはフイルムに剥離を生じ、また、インキ吸収 体2が曲がって空気の通路gが一定とならないという問題がある。
【0005】 更に押出成形によって繊維束の周囲にフイルム筒を形成したインキ吸収体2は フイルムの厚さが他の製造方法のものに比較して厚く、その分だけインキ吸収体 2の内容積が減少してインキ量も少なくなるという問題がある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、水性ボールペンの取扱上の最大の問題点は、水性ボーペンを落下さ せた際に発生するインキ切れやインキのボタ落ちである。インキ切れはボーペン の後部より落下した際に生ずるもので、図6に示す如くインキ吸収体2を構成す る円筒状の被覆フイルム2aの内部で繊維束2bが矢印の如く後方に移動するズ レが発生し、この繊維束2bの先端部に突入されているインキ誘導しん5と繊維 束2bとの間にズレ面5bが発生すると共にインキ誘導しん5の後端部に空間2 cが発生し、その結果、繊維束2bに含浸されているインキの供給が円滑に行な われなくなり、インキ切れとなるのである。
【0007】 また、水性ボールペンの先端部より落下させた場合には図7に示す如く被覆フ イルム2aの内部で繊維束2bが前方に移動するズレが発生し、その際にこの繊 維束2bに含浸されていたインキ10が染出してインキ誘導しん5に過剰に供給 されるか、あるいはこのインキ10が図5に示すボールペン本体1とチップ保持 体6との嵌合部1bから浸出するか、あるいは空気孔1aから吹出す、インキの ボタ落ちの欠点が発生する。
【0008】 そこで、本考案者等は前記従来の水性ボールペンの欠陥について多数の試験を 行なった結果、インキ吸収体2を構成する被覆フイルム2aと繊維束2bとの間 の接着が行なわれていないことに起因するところが大きいことが確認された。 本考案は、前記確認された問題点を解消するために得られたものであって、イ ンキ吸収体2を構成している被覆フイルム2aと繊維束2bとの間のズレを防止 し、もってインキ切れやボタ落ちがなく、長期間にわたって安定してインキをボ ール3の部分に供給できるインキ吸収体2を提供することを目的とするものであ る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本考案は、2軸延伸したポリエステルフイルムに低 融点樹脂をコートしたコートフイルムで繊維束の周囲を柱状に囲繞したインキ吸 収体であって、前記コートフイルムは2軸延伸したポリエステルフイルに、この フイルムが変形する温度より低く、その温度で繊維束に溶着できる低融点樹脂か らなる接着層を設け、この接着層を熱溶着してなるインキ吸収体を提供するもの である。
【0010】 2軸延伸したポリエステルフイルムの厚さは12〜75μm、好ましくは25 〜50μm程度のもので熱的に安定したもの(収縮や変形をなるべくしない)が 使用される。また、このフイルムの片面あるいは両面にコートする接着層は、2 軸延伸ポリエステルフイルムが大きく変形しない温度の融点を持つもので、融点 の温度差は約30℃以上あることが好ましく、具体的には、飽和ポリエステル樹 脂,不飽和ポリエステル樹脂,変性ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂が使 用される。この接着層の厚さはポリエステルフイルムの厚さとも関係するが、3 〜15μmの厚さでコートしてコートフイルムとするのが良い。
【0011】 接着層は熱接着型のものであり、その加熱方法は通常のヒートシール法、高周 波加熱法等が採用されるが、コートフイルの重合部のみでなく、繊維束と接触し ているなるべく多くの面の接着層が溶融され、好ましくは全面が溶融される条件 のものを選ぶのが良い。 本考案のインキ吸収体はコートフイルムの接着層、即ちコート層が繊維束と接 着されることが重要であるが、その接着の程度はサインペン等の筆記具を軸方向 に落下させた際にコートフイルムと繊維束との間にインキ切れなどの欠陥を生ず るズレを発生しないものであることが必要である。
【0012】 繊維束はインキ吸収体に使用されるものを使用することができるが、例えばレ ーヨン,アセテート,ナイロン,ポリエステル,ビニロン,ポリ塩化ビニル,ポ リエチレン,ビニリデン,ポリプロピレン等の単独または混合した繊維である。 この繊維は長繊維にクリンプ加工を施し、所定の長さの短繊維とし、これを所定 の太さのスライバーとしたものが適しているが、その他の形態であってもインキ 吸収性に優れたものであれば良い。
【0013】
【作 用】
低融点ポリエステル樹脂を片面あるいは両面にコートした2軸延伸ポリエステ ルフイルムを使用し、そのコート層は前記フイルムの両端を接着すると同時に繊 維束と接着して柱状のインキ吸収体を形成しているので、このインキ吸収体にな んらかの衝撃力が作用した場合でも、この繊維束の外周を囲繞しているフイルム 繊維束との間にずれがなく、インキ切れやぼた落ちを防止することができる。
【0014】
【実 施 例】
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。図1に示す如く厚さが約3 8μmの融点が263℃の2軸延伸ポリエステルフイルム20の両面に、このフ イルム20の融点より低い(約30℃以上)融点を持つ樹脂である低融点ポリエ ステル樹脂を両面コートして接着層21を形成し、全体の厚さが50μmの両面 コートしたポリエステルフイルム2aを製造した。
【0015】 前記両面コートポリエステルフイルム2aを所定の幅にスリットし、繊度が3 デニール, カット長が51mmのクリンプ加工した繊維束2bを、図4に示す巻 上装置18に供給して捲上げながら気孔率80%の繊維束2bの状態とし、ガイ ド部材25に支持させながらこのガイド部材25に対向して設けられている、接 着層21の融点より高温に加熱されている加熱装置26で重合部2dをヒートシ ールしてインキ吸収体2の材料を製造した。続いてこのインキ吸収体2は巻上装 置18において水性ボールペンの長さに合わせて切断して柱状のインキ吸収体2 として送り出された。
【0016】 図3は繊維束2bと表皮部を構成しているポリエステルフイルム2aとの接着 状態を模型的に示すもので、接着層21’は溶融して繊維束2bの表層部と接着 している。前記ガイド部材25は通常は非加熱でも良いが、これを加熱すること によって更にポリエステルフイルム2aと繊維束2bとの接着性を向上させるこ とができる。
【0017】 次に、本考案に係るインキ吸収体およびこれを使用して図5に示した構造の水 性ボールペンを組立てた後、下記の各種の試験を行なっので、その結果を記載す る。 〔試験方法〕 A:インキ量試験 前記工程で得られたインキ吸収体2を垂直に保持し、上端からインキを滴下し て下端からインキが1滴落ちるまで充填し、その際のインキ量を測定した。
【0018】 B:機械筆記試験 インキが所定量充填されたインキ吸収体2を水性ボールペンに組立て、これを 温度25℃、相対湿度60%の雰囲気において、筆記速度4m/分、荷重100 gf、角度60度で水平円運動を行なって筆記距離を調べた。 C:耐衝撃試験1 コンクリート床上に30mmの杉板を置き、水性ボールペンの軸線を床面に平 行に保ち、床上1mの高さから、1回落下させ、繊維束のずれ量およびキャップ 内へのインキの吹き出しを調べる。なお、試験本数は50本である。
【0019】 D:耐衝撃試験2 コンクリート床上に厚さ30mmの杉板を置き、水性ボールペンの軸線を床面 と垂直に保ち、床上1mの高さから、1回落下させ、繊維束のずれ量およびキャ ップ内へのインキの吹き出し量を調べる。なお、試験本数は50本である。 比較例1 繊度が3デニール、カット長が51mmのクリンプ加工されたポリエステル繊 維束の外側にポリエチレンを押し出して外径が5.5mmの円柱状のインキ吸収 体を製造した。これの各種の試験は表1に示す通りである。
【0020】 比較例2 厚さ40μmの2軸延伸ポリエステルフイルムを使用し、繊度が3デニール、 カット長が51mmのクリンプ加工されたのポリエステル繊維束を外径が5.5 mmになるように巻いて、フイルムの重なる部分を接着剤で貼り合わせて乾燥さ せて円柱状のインキ吸収体を製造した。これの各種の試験結果は表1に示す通り である。 表1 前記表1に示すように、本考案のインキ吸収体はインキ量が多く、機械筆記試 験も良好である。そして耐衝撃試験1および耐衝撃試験2の結果も良好であり、 インキ切れやボタ落ちの欠点が発生しないことが確認されている。
【0021】
【考案の効果】
本考案に係るインキ吸収体は、2軸延伸したポリエステルフイルムに低融点樹 脂をコートしたコートフイルムで繊維束の外周を柱状に囲繞したインキ吸収体で あって、前記コートフイルムは2軸延伸したポリエステルフイルに、このフイル ムが変形する温度より低く、その温度で繊維束に溶着できる低融点ポリエステル 樹脂の接着層を設け、これを熱溶着して構成されている。
【0022】 従って、インキ吸収体はポリエステルフイルムの片面または両面にコートした 低融点の樹脂層によって繊維束との間が溶着されているので、このインキ吸収体 を使用した水性ボールペン等の筆記具をその軸方向に落下させた場合でも繊維束 にズレがなく、筆記性能が低下することがない。 また、2軸延伸したポリエステルフイムルをコートフイルムのベースフイルム として使用しているので、強度が大きいために薄いフイルムが使用でき、同一外 径のインキ吸収体において繊維束を多く収容することができるので、多量のイン キを吸収するすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低融点樹脂をコートした2軸延伸フイルムの拡
大断面図である。
【図2】本考案のインキ吸収体の拡大断面図である。
【図3】インキ吸収体と繊維束の接着状態を示す断面図
である。
【図4】コートフイルムの接着工程を示す斜視図であ
る。
【図5】水性ボールペンの構造を示す断面図である。
【図6】水性ボールペンを後方より落下させた場合の繊
維束のズレを示す図である。
【図7】水性ボールペンを前方より落下させた場合の繊
維束のズレを示す図である。
【符号の説明】
1 本体 2 インキ吸収体 2a コートフイル
ム 2b 繊維束 2c 空間 2d 重合部 3 ボール 4 チップ 5 インキ誘導しん
7 先端部組立体 20 ポリエステルフイルム 21 接着層 2
5 ガイド部材 26 加熱装置

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸延伸したポリエステルフイルムに低
    融点樹脂をコートしたコートフイルムで繊維束の外周を
    柱状に囲繞したインキ吸収体であって、前記コートフイ
    ルムは2軸延伸したポリエステルフイルに、このフイル
    ムが変形する温度より低く、その温度で繊維束に溶着で
    きる低融点ポリエステル樹脂の接着層を設け、これを熱
    溶着してなるインキ吸収体。
JP6188392U 1992-09-02 1992-09-02 インキ吸収体 Withdrawn JPH0624981U (ja)

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JP6188392U JPH0624981U (ja) 1992-09-02 1992-09-02 インキ吸収体

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