JPH06249698A - 水道メーター用翼車及び指示ユニット回転試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 指示ユニット及び翼車の回転性能を高精度に
検査できる試験装置を提供する。 【構成】 指示ユニット１３の回転トルクが極めて小さ
い値であれば、マグネット歯車１３２等は円滑に回転
し、そのため翼車１１０も円滑に回転して翼車センサ１
２の出力は指示ユニット１３を取り付けていないときと
同一となるが、指示ユニット１３内の歯車の回転性能に
異常があるとマグネット歯車１３２が翼車の駆動磁石１
１４に円滑に追従して回転せず、そうするとこのマグネ
ット歯車１３２の回転異常がこれと磁気結合された翼車
１１０の回転にも反映して、翼車１１０の回転に微小な
変動が生じ、翼車センサ１２の出力パルス周期にムラが
生じたりすることになる。従って、翼車センサ１２の出
力データを分析すれば、指示ユニット１３の回転性能の
良否を判定できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道メーター用翼車及
び指示ユニットの回転性能を非接触で高精度に試験する
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】乾式水道メーターは、一般に、翼車ユニ
ットと指示ユニットとから構成され、翼車ユニットに
は、配管中を通過する水道水によって回転する翼車が収
容され、指示ユニットには、上記翼車の回転軸の一端に
取り付けたマグネット（駆動磁石）と非接触状態で磁気
結合されたマグネット（従動磁石）を有するマグネット
歯車と、その回転を所定の減速比で指針及びカウンタに
順次伝達する歯車列が設けられている。

【０００３】而して、乾式水道メーターに使用される上
記指示ユニットは、指示機構内部への水の侵入及び結露
を防ぐために気密性の高い構造になっているため、指示
ユニット内部の検査は困難であり、ユニットを開くこと
なくその回転性能等を試験できる装置の開発が望まれて
いた。また、翼車についても、実際の通水条件下におけ
る回転性能の良否を検査する必要がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためなされたものであり、その目的とすると
ころは、指示ユニットを開くことなくユニット外部から
その回転性能を高精度に検出し、その検出データをコン
ピュータ処理することにより、指示ユニットの不良原因
まで究明し得ると共に、翼車の性能も検査し得る水道メ
ーター翼車及び指示ユニット回転試験装置を提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る水道メーター用翼車及び指示ユニット
回転試験装置は、給水ポンプ、給排水管路及び電磁バル
ブ等から成る給排水装置と、上記給水管路の途中に設け
られ、その内部に翼車が回転自在に収容されると共に、
翼車の回転軸の一端に取り付けた駆動磁石と水道メータ
ー指示ユニット内のマグネット歯車の一端に取り付けた
従動磁石とが互いに近接して対向するように水道メータ
ー指示ユニットを保持する翼車ユニットと、上記翼車ユ
ニットへの通水量を計測する装置と、上記翼車ユニット
に取り付けられ、上記翼車の回転状態を検知する翼車セ
ンサと、上記翼車ユニットに上記水道メーター指示ユニ
ットがセットされているか否かを検知する指示ユニット
有無センサと、上記翼車ユニットへの通水量を所定値と
するよう上記給水ポンプ及び電磁バルブの作動を制御す
るコントロールユニットと、上記翼車ユニットに指示ユ
ニットを取り付けないときと、取り付けたときの上記翼
車センサの出力を比較解析、記録する演算装置と、から
構成されたことを特徴とする。

【０００６】水道メーター指示ユニットを検査する場合
には、正確に作製された検査済みの標準翼車を用いて、
上記水道メーター指示ユニットの性能を検査するように
する。

【０００７】また、翼車を検査する場合には、上記翼車
ユニット内に試験すべき翼車を収容した上で、正確に作
製、検査済みの水道メーター指示ユニットをセットし
て、上記翼車センサの出力を解析する。

【０００８】

【作用】上記の如き構成であると、指示ユニット内のマ
グネット歯車と翼車ユニット内の翼車とが磁気結合によ
り非接触滑り結合せしめられているため、水道メーター
指示ユニットの回転性能に異常があると、そのマグネッ
ト歯車の回転異常が翼車ユニット内の翼車の回転状態に
敏感に反映し、従って、翼車の回転状態を検出する翼車
センサの出力を解析することにより、水道メーター指示
ユニットの回転性能を非接触で高精度に検査し得るもの
である。また、翼車自体の回転性能の良否も翼車センサ
の出力を解析することにより容易に検査できる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照しつゝ本発明を具体的に説
明する。図１は本発明に係る水道メーター用翼車及び指
示ユニット回転試験装置の一実施例の全体構成を示す外
観図、図２はその翼車ユニットに指示ユニットを取り付
けた状態を示す説明図である。

【００１０】而して、図１中、１は計量シリンダ、２は
その管壁に取り付けた下側の液面センサ、３は上側の液
面センサ、４は水槽、５はポンプ、６ａ及び６ｂは計量
シリンダ１への給水管路、７ａは排水管路、７ｂは溢水
管、８ａは電磁バルブ、８ｂはメートルコック、８ｃ，
８ｄ及び８ｅはバルブ、９は圧力計、１０は翼車ユニッ
ト、１１は指示ユニット有無センサ、１２は翼車セン
サ、１３は指示ユニット、１４はコントロールユニッ
ト、１５はＩ／Ｏモジュール、１６はパーソナルコンピ
ュータ、１７は磁気フロッピーディスク、１８はプリン
タである。

【００１１】計量シリンダ１には、下方から計量すべき
水を導入、排出し得るようになっており、その管壁に
は、計量シリンダ内に導入される水の液面を上下２箇所
で検知し得るよう一対の液面センサ２及び３が取り付け
られ、下側の液面センサ２と上側の液面センサ３との間
隔ｈは、水が計量シリンダ内に導入され、その液面が上
昇する際に、液面が下側のセンサで検知されてから上側
のセンサで検知されるまでの区間の水量が所定の基準値
となるように設定されている。例えば、計量シリンダ１
の内径を３５ｍｍとすれば、１００ｃｃの水を計量する
場合にはｈ＝１０４ｍｍに設定し、２００ｃｃの水を計
量する場合にはｈ＝２０８ｍｍに設定する。

【００１２】検査すべき指示ユニット１３を取り付ける
翼車ユニット１０は、給水管路６ａと６ｂの間に設けら
れる。翼車ユニット１０の内部には、図２に示すよう
に、翼車１１０が回転自在に収容されると共に、翼車の
回転軸１１１の上端に取り付けた駆動磁石１１４と水道
メーター指示ユニット１３内のマグネット歯車１３２の
下端に取り付けた従動磁石１３１とが互いに近接して対
向するように水道メーター指示ユニット１３が保持され
るようになっている。即ち、翼車ユニット１０のハウジ
ング１０１には、上記給水管路６ａに接続される流入口
１０２と、給水管路６ｂに接続される流入口１０３とが
設けられ、ハウジング内の中央に垂直に立設したピン１
０４を翼車１１０の回転軸１１１の中心穴１１２に挿通
して翼車１１０を回転自在に支持するようになってい
る。

【００１３】従って、流入口１０２から導入される水が
翼車１１０の羽根１１３，１１３に当たって翼車を回転
させると、その回転軸の上端に取り付けた駆動磁石１１
４により、これと磁気結合された指示ユニット１３内の
マグネット歯車１３２の従動磁石１３１が従動回転し、
これによりマグネット歯車１３２に噛み合わせられた初
段の減速歯車１３３が回転する。１３４は減速歯車１３
３の回転軸に取り付けられたパイロットキャップであ
る。

【００１４】翼車ユニット１０のハウジング１０１の底
面には、翼車１１０の羽根１１３，１１３の回転を検知
するフォトセンサ等から成る翼車センサ１２が取り付け
られ、また、指示ユニット１３をセットするためのアダ
プタ１０５には指示ユニット１３の有無を検知するため
のセンサ１１が取り付けられている。

【００１５】コントロールユニット１４は、電磁バルブ
８ａの作動を制御し、また、液面センサ２，３の出力か
ら翼車ユニット１０を通過する水の流量を算出する。パ
ーソナルコンピュータ等の演算装置１６は、上記翼車セ
ンサ１２の出力を解析、記録し、そのデータはディスプ
レイ画面上に表示されると共に、プリンタ１８によって
プリントアウトされ、また必要に応じて磁気フロッピー
ディスク１７に記録、保存できるようになっている。

【００１６】そこで、水道メーター指示ユニット１３の
回転性能を試験する場合には、先ずバルブ８ｄを調節し
て流量を所定値に合わせ、翼車センサ１２により指示ユ
ニット１３を取り付けない状態で翼車ユニット１０の回
転状態を記録する。次いで、図２に示すように指示ユニ
ット１３を翼車ユニット１０にセットし、翼車センサ１
２で翼車の回転状態を検知し、これを演算装置16で解
析、記録するようにする。

【００１７】而して、指示ユニット１３の回転トルクが
極めて小さい値であれば、マグネット歯車１３２等は円
滑に回転し、そのため翼車１１０も円滑に回転して翼車
センサ１２の出力は指示ユニット１３を取り付けていな
いときと同一となるが、指示ユニット１３内の歯車の回
転性能に異常があるとマグネット歯車１３２が翼車のの
駆動磁石１１４に円滑に追従して回転せず、そうすると
このマグネット歯車１３２の回転異常がこれと磁気結合
された翼車１１０の回転にも反映して、翼車１１０の回
転に微小な変動が生じ、翼車センサ１２の出力パルス周
期にムラが生じたりすることになる。従って、翼車セン
サ１２の出力データを分析すれば、指示ユニット１３の
回転性能の良否を判定できるものである。

【００１８】このように、水道メーター指示ユニット１
３の検査を行なう場合には、翼車として特に正確に作製
された検査済みの標準となる翼車１１０を用いることが
望ましい。

【００１９】他方、翼車１１０の形状、バランス等の検
査を行なう場合には、正確に作製された検査済みの水道
メーター指示ユニット１３を用いて、上記翼車センサ１
２の出力を解析することにより、翼車１１０の性能を検
査できるものである。

【００２０】

【発明の効果】本発明は叙上の如く構成されるから、本
発明によるときは、指示ユニットを開くことなくその回
転性能を高精度に検査し得ると共に、翼車の性能も検査
し得る水道メーター翼車及び指示ユニット回転試験装置
を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る水道メーター用翼車及び指示ユニ
ット回転試験装置の一実施例の全体構成を示す外観図で
ある。

【図２】その翼車ユニットに指示ユニットを取り付けた
状態を示す説明図である。

【符号の説明】

1 計量シリンダ 2 下側液面センサ 3 上側液面センサ 4 水槽 5 ポンプ 6a,6b 給水管路 7a 排水管路 7b 溢水管 8a 電磁バルブ 9 圧力計 10 翼車ユニット 102 流入口 103 流出口 104 ピン 105 アダプタ 110 翼車 111 回転軸 113 羽根 114 駆動磁石 11 指示ユニット有無センサ 12 翼車センサ 13 指示ユニット 131 従動磁石 132 マグネット歯車 133 減速歯車 134 パイロットキャップ 14 コントロールユニット 15 Ｉ／Ｏモジュール 16 パーソナルコンピュータ 17 磁気フロッピーディスク 18 プリンタ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給水ポンプ（５）、給排水管路（６ａ，６
   ｂ，７ａ）及び電磁バルブ（８ａ）等から成る給排水装
   置と、 上記給水管路（６ａ，６ｂ）の途中に設けられ、その内
   部に翼車（１１０）が回転自在に収容されると共に、翼
   車の回転軸の一端に取り付けた駆動磁石（１１４）と水
   道メーター指示ユニット（１３）内のマグネット歯車
   （１３２）の一端に取り付けた従動磁石（１３１）とが
   互いに近接して対向するように水道メーター指示ユニッ
   トを保持する翼車ユニット（１０）と、 上記翼車ユニット（１０）への通水量を計測する装置
   （１，２，３）と、 上記翼車ユニット（１０）に取り付けられ、上記翼車の
   回転状態を検知する翼車センサ（１２）と、 上記翼車ユニット（１０）に上記水道メーター指示ユニ
   ット（１３）がセットされているか否かを検知する指示
   ユニット有無センサ（１１）と、 上記翼車ユニット（１０）への通水量を所定値とするよ
   う上記給水ポンプ（５）及び電磁バルブ（８ａ）の作動
   を制御するコントロールユニット（１４）と、 上記翼車ユニット（１０）に指示ユニット（１３）を取
   り付けないときと、取り付けたときの上記翼車センサ
   （１２）の出力を比較解析、記録する演算装置（１６）
   と、 から構成されたことを特徴とする水道メーター用翼車及
   び指示ユニット回転試験装置。
2. 【請求項２】正確に作製された検査済みの標準翼車（１
   １０）を用いて、上記水道メーター指示ユニット（１
   ３）の性能を検査するよう構成した請求項１に記載の水
   道メーター用翼車及び指示ユニット回転試験装置。
3. 【請求項３】上記翼車ユニット（１０）内に試験すべき
   翼車（１１０）を収容した上で、正確に作製、検査済み
   の水道メーター指示ユニット（１３）をセットして、上
   記翼車センサ（１２）の出力を解析することにより、上
   記翼車（１１０）の性能を検査するよう構成した請求項
   １に記載の水道メーター用翼車及び指示ユニット回転試
   験装置。