JPH06248854A - 日射・風・視界等の遮断と導入を可能にするパネル装置。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 居住性の向上と、新しい半戸外空間の供給を
めざし、建物外部からの日射・風・視線等を自由に遮断
・導入できる省エネルギーを重視した、自然と人間とが
共生を高める為のパネル装置である。 【構成】 建物の突出部（軒先、ベランダの腰壁、袖壁
等）の先端に取付けた、レール３・４に、複数の垂直な
パネル１を設置して、パネルの平行移動を可能にし、位
置固定具６で位置を固定する。更に、パネルの角度を固
定する場合は、パネル下端の小口とガイドレール４を結
ぶ、角度固定具２で調節する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物の外部からの日射
・通風・視線等を自由に遮断・導入する為に、移動と角
度可変のパネル装置であり、建築物の居住性の向上、並
びに新しい半戸外空間の供給と、太陽光・熱・風の活用
による、自然エネルギー負荷の低減に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の装置としては、住宅用建
築物の雨戸と称するもので、建物のガラス戸の外部に密
着して設置し、防犯・防雨・防風・防寒等の為に開放又
は、閉鎖の両極端の選択のみで、利用するものが知られ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた、
雨戸の開放又は閉鎖のみの利用では、日射・通風・視界
等を同時に、又は組合わせて選択し、これらを遮断・導
入することが不充分であるという問題点を有していた。

【０００４】建物に平行に流れる風や日射しを、建物内
に導入することは、不可能に等しく、雨戸を開放か閉鎖
のみの選択でしか、利用することができない。

【０００５】更に、共同住宅の普及と宅地の細分化によ
って、庭付住宅に於いての、塀・生垣・植樹・軒先のス
ダレ等による、道路と建物の間の住空間に、ゆとりの空
間が消失しつつあるのが現状である。

【０００６】また、雨戸は、ガラス戸の外部に密着して
設置されており、バルコニー等に干した洗濯物は外部か
らの視線にさらされることとなり、昨今の景観重視やプ
ライバシー確保の点に於いても、問題点を有していると
思われる。

【０００７】従来の技術では、太陽光・熱・風の流れ等
を有効に活用できない為に、省エネルギーを重視した、
自然と人間との共生に対応できていないという問題点を
有している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に、本発明は垂直なパネルを、目的に合せて、移動と角
度をつけることで、日射・通風・視界等を組合せて選択
し、遮断・導入することを容易にするものである。

【０００９】また、日射・通風・視界等を得る為、パネ
ルの回転軸を中心に角度をつけ角度固定具により、パネ
ルに一定間隔を保って、複数枚固定される。

【００１０】そして、パネルは縦長の長方形で、複数枚
を装着して、日射・通風・視界等に対応させる目的空間
の範囲に及んで、設置することが望ましい。

【００１１】また、レールから外側か内側の、いずれか
に偏心したパネルの回転軸を中心に、角度をつけて固定
し、建物に平行に流れる日射や風の遮断・導入をも可能
にする。

【作用】

【００１２】日射を遮断する場合は、（図４−Ｂ）の様
に、パネルの角度を合わせ、反対に導入する場合は、
（図４−Ａ）の様に、それぞれ角度を固定し、光がパネ
ルに反射して作用するものである。また、パネルは複数
枚を対応させる範囲に平行に装着する。

【００１３】風の導入・遮断の場合も、（図５）の様に
風向きに合せて装着し、風圧に対してパネル角度を守る
為に、角度固定具を作用させる。

【００１４】視線を遮断する場合も、（図６）の様に日
射・風と共に同じ装着方法による。

【００１５】建物に平行な日射・風の導入については、
パネルの位置が、建物の突出部（軒先・ベランダの腰壁
・袖壁等）の先端に取付けた上下のレールから、更に偏
心して外側に装着することで、導入を可能にする。

【００１６】パネル装着の間隔を決める為、ガイドレー
ル底面に凹部（ 図８−１１）を等間隔に設け、パネル
に装着した丸落とし（ 図８−ｂ）を挿入して、位置の
固定をする。

【００１７】丸落としは、吊戸車（図７−５）の回転軸
と同心に取付け、下部ガイド片（図８−ａ ）の回転軸
とも同心になる様に、ガイド片を貫通して作用させる構
造とする。

【００１８】それぞれの作用の必要が無い場合はレール
の端部に集結（図１−１）する。

【００１９】

【実施例】上下のハンガーレールとガイドレール、並び
に回転用の吊戸車、角度固定具は、一般市場品を作動特
性や強度に合せて選択し、使用する。ガイドレール（図
８−４ ）には、パネルを等間隔に固定するための、丸
落とし用の凹部（図８−１１ ）と角度固定具で、固定
できる仕口を設ける。ハンガーレールとガイドレール
は、それぞれ取付けアンカー（図１−８）（図７−８）
によって建築物の軒先又は、バルコニー手摺り等に取付
けられる。

【００２０】パネルの材質は、使用場所（屋外）に耐え
得るもので、軽くて変形・変質・変色の少ないもの、
（金属板、強化プラスチック板、化学繊維強化耐候布
等）を使用する。

【００２１】形状は板の四方周辺を折曲げ、又は一体形
成して力骨となる様に、加工する。片面型パネル（図１
０−イ）によって力骨を挟んだ両面パネル（図１０−
ロ）等も考えられる。表面は凹凸模様にプレス加工、又
はパンチング加工をして板面強度や美観、更には透光
性、放熱性、通気性等の性能に合せて選択できるもので
ある。

【００２２】パネルには、位置を固定する為の固定具を
装備し、その丸落とし部は、上部吊戸車回転軸（図７−
７）と一対の同心軸（図８−７）となって、パネルの角
度可変を容易にする。

【００２３】パネルを、目的に合わせた角度に固定する
場合は、パネル下端の小口とガイドレールを結ぶ、角度
固定具で調節し固定する。

【００２４】

【発明の効果】日射を遮断又は導入する時は、上下のレ
ールを使って、パネルを目的の位置に移動させる。ま
た、パネル面に角度をつけることによって、調節する事
ができるので、夏期の太陽から身を守り、冬期には建物
外の光を活用できるもの（図４）となる。

【００２５】建物の外壁面に平行して流れる風を、パネ
ルに角度をつけることで風の流れる角度を変えて、風量
を調節しながら建物内に導入する事ができるので、夏期
に冷房器具等に頼ることなく、すずしい自然の恩恵が得
られる。また冬期には厳しい寒風等を防ぐことが（図
５）できる。

【００２６】パネルを目的の位置に移動させ、角度をつ
けることによって、外部から建物内への視線を遮断しな
がら視界を確保することができるので心理的な居住性を
高めるという効果（図６）を奏する。

【００２７】また、上記（００２４・００２５・００２
６）を、組合せて選択できることが、この装置の複合的
効果であり、自然と人間との共生によって、住環境に潤
いを取戻せる効果がある。

【００２８】また、上記（００２４・００２５・００２
６）を、組合せて選択できることが、この装置の複合的
効果であり、住環境維持の為の省エネルギー、省資源を
考慮した、自然エネルギー活用の装置として住環境向上
に寄与する。

【００２９】本発明のパネル装置を、建物から一定の空
間を確保する位置（バルコニーの手摺りや軒先、テラス
の外周等）に設置することによって、上記（００２４・
００２５・００２６）で述べた様々な効果が、従来、庭
付住宅に於いての塀や生垣、植樹、軒先のスダレ等によ
って得られていた潤いのある半戸外空間を提供すること
ができる。

【００３０】共同住宅の普及や細分化された宅地の住宅
事情に於いては、洗濯物が人目にさらされて、街並みの
美観を損ねる現状にあるが、この装置をバルコニーの手
摺り位置や軒先に取付ける事によって、悪天候や強風等
から洗濯物を守り、しかも、物干場のプライバシーや美
観を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体姿図である。

【図２】▲Ａ▼ パネル中心軸がレールより外側に偏心
したものである。 ▲Ｂ▼ パネル中心軸がレールより内側に偏心したもの
である。

【図３】本発明全体の立面姿図である。

【図４】日射の遮断と導入を表わす一例である。 ▲Ａ▼ 日射の導入を示した図。 ▲Ｂ▼ 日射の遮断を示した図。

【図５】風の導入を表わす一例である。

【図６】視線の遮断と視界の確保を表わす一例である。 ▲Ａ▼ 視界の確保を示した図。 ▲Ｂ▼ 視線の遮断を示した図。

【図７】本発明パネル取付上部の詳細図である。

【図８】本発明パネル取付下部の詳細図である。

【図９】本発明パネル部分の形状姿図である。 ▲Ａ▼ 金属板、強化プラスチック板等のプレス加工片
面パネル。 ▲Ｂ▼ 金属板のパンチング加工片面パネル。 ▲Ｃ▼ 化学繊維強化耐候布と四方枠の組合せパネル。 ▲Ｄ▼ 金属板、強化プラスチック板等の鎧戸の四方枠
と組合せパネル。

【図１０】本発明パネル部分の平面姿図である。 ▲イ▼ 片面パネル ▲ロ▼ 両面パネル

【符号の説明】

１ パネル ２ 角度固定具 ３ ハンガーレール ４ ガイドレール ５ 吊戸車 ６ パネル位置固定具 ａ ガイド片 ｂ 丸落とし ７ フレ止め ８ 取付けアンカー ９ 取付けアンカー穴 １０ ビス穴 １１ 丸落とし穴

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部ハンガーレール（図１−３）と下
   部ガイドレール（図１−４）によって、複数パネル（図
   １−１）の水平移動を容易にし、パネルの回転軸（図１
   −７）を中心に角度調節が可能となり、日射・風・視線
   の遮断と導入の目的に合せて、パネル位置固定具（図１
   −６）とパネル角度固定具（図１−２）を有して、位置
   と角度の調節を可能にする居住環境の向上をはかるパネ
   ル装置。
2. 【請求項２】パネルを建物の突出部に取付けた上下のレ
   ール位置より外側（図２−Ａ）又は、内側（図２−Ｂ）
   に偏心して取付ける請求項１記載の装置の設置方法。
3. 【請求項３】 請求項１、２記載の装置を、建物から
   一定の空間を保てる場所、例えばバルコニー手摺り（図
   ３）や軒先の位置に設置することにより、その空間が屋
   外と屋内の中間的な半戸外空間を創造し、住環境の向上
   をはかる設置方法。