JPH06248108A - 含油樹脂製品およびその製造方法 - Google Patents

含油樹脂製品およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06248108A
JPH06248108A JP5056320A JP5632093A JPH06248108A JP H06248108 A JPH06248108 A JP H06248108A JP 5056320 A JP5056320 A JP 5056320A JP 5632093 A JP5632093 A JP 5632093A JP H06248108 A JPH06248108 A JP H06248108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
resin
synthetic resin
thermosetting synthetic
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5056320A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Tanaka
耕司 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Chain Co filed Critical Tsubakimoto Chain Co
Priority to JP5056320A priority Critical patent/JPH06248108A/ja
Publication of JPH06248108A publication Critical patent/JPH06248108A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/36After-treatment
    • C08J9/40Impregnation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2361/00Characterised by the use of condensation polymers of aldehydes or ketones; Derivatives of such polymers
    • C08J2361/04Condensation polymers of aldehydes or ketones with phenols only
    • C08J2361/06Condensation polymers of aldehydes or ketones with phenols only of aldehydes with phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2363/00Characterised by the use of epoxy resins; Derivatives of epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2379/00Characterised by the use of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen with or without oxygen, or carbon only, not provided for in groups C08J2361/00 - C08J2377/00
    • C08J2379/04Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain; Polyhydrazides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • C08J2379/08Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性合成樹脂成形材料を圧縮成形機によ
り加熱、加圧成形する際、熱硬化性合成樹脂成形材料よ
り発生するガスの体積を成形圧力、加熱温度との関連に
おいて特定することにより、外部に開放された連続微細
気孔を有する硬化成形体を形成し、この連続微細気孔に
潤滑油または吸水剤を含浸させることにより、潤滑特性
に優れ、潤滑寿命が長く、摺動音の少ない含油樹脂製品
を得る。 【構成】 フエノール樹脂等の熱硬化性合成樹脂の粒状
材料を圧縮成形機により圧縮成形する際、熱硬化性合成
樹脂の粒状材料より発生するガスの体積が成形品体積の
0.1〜10倍になるように、理想気体の状態式を用い
て成形圧力、成形温度およびを熱硬化性合成樹脂の粒状
材料より発生するガスのモル数を決定する。この条件に
よって成形された硬化成形体1は外部に開放された連続
微細気孔2を有するので、この硬化成形体を潤滑油中に
浸漬して連続微細気孔2中に潤滑油を含浸させると、す
べり軸受け、ガイドレール、チェーン部材等として好適
な含油樹脂製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑性に優れた含油樹
脂製品、特に、軸受、ギア、スライダ、チェーン、ガイ
ドレール等の摺動部品に用いられる含油樹脂製品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質の樹脂に潤滑油を含浸した含油樹
脂製品は摺動用部品として古くから用いられている。こ
れらの樹脂製品は通常発泡剤を使用して多孔質の樹脂を
製造しているので、孔のサイズが比較的に大きく、含浸
された潤滑油の保持力が弱く、耐用年数が短く、また、
樹脂製品の耐久力が小さいという欠点がある。その欠点
を改善すべく、フエノール樹脂連続気泡発泡体の粉末を
繊維状物質、固体潤滑剤等と共にフエノール樹脂で結合
して得た成形品に液体潤滑剤を含浸させたものが提案さ
れている。(特公昭47−22361参照)しかし、こ
の方法によれば、フエノール樹脂連続気泡発泡体の粉末
を各種の添加剤の存在でフエノール樹脂によって結合
し、加圧加熱成形しているために、連続気泡発泡体の孔
がフエノール樹脂によって閉塞され不連続な気泡となっ
てしまう。また、気孔の分布は連続気泡発泡体の粉末の
分布状態に依存するので、混合操作を十分に行なわなけ
れば均一な気孔の分布は得られず、必然的に潤滑剤の存
在も不均一になるという欠点がある。
【0003】そこで、均質な潤滑剤の分布した含油樹脂
製品を得るために、熱可塑性合成樹脂に直接潤滑剤を練
り込んだ含油樹脂製品が提案され市販されている。この
含油樹脂製品は熱可塑性合成樹脂と潤滑油とを熱可塑状
態にして混練した後、ペッレト状に押出し成形したもの
で、このペッレトをユーザーが通常の成形機を用いて最
終製品に成形加工するものである。しかし、この含油樹
脂製品は図3に示すように熱可塑性合成樹脂のマトリッ
クス10の間に微粒子状の潤滑油11が分散しているた
めに、強度が弱く、耐荷重性が低く変形しやすい。熱可
塑性合成樹脂にこれと熱膨張係数の異なる潤滑油が封じ
こまれているので温度変化によって自己破壊を起こし、
摺動寿命が短い。熱可塑性合成樹脂の撥油性が高いの
で、摺動面での油膜形成がされにくく動摩擦係数が高
い。熱可塑性合成樹脂に潤滑油を練り込んでいるので含
油量をあまり多くすることができないので、摺動による
熱が樹脂分に多く蓄積され、含油樹脂製品の寸法変化を
大きくする。含油樹脂製品の摺動運動が停止した場合潤
滑油の戻る場所がないので潤滑油は自然に排徐され、潤
滑油の消費量が多くなって含油樹脂製品の寿命を短くす
る等の欠点がる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】含油樹脂製品におい
て、含油率が高いという特性と、機械的強度が高いとい
う特性を両立させることは極めて困難な問題である。本
発明はこの問題を解決することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部に開放さ
れた連続微細気孔を有する熱硬化性合成樹脂の硬化成形
体に、潤滑油または吸水して潤滑機能を発揮する吸水剤
を含浸させてなる含油樹脂製品によって、含油率を高め
ると共に機械的強度を高めるという目的を達成すること
ができた。本発明の含油樹脂製品は、熱硬化性合成樹脂
成形材料を圧縮成形機により加熱、加圧成形する際に、
熱硬化性合成樹脂成形材料より発生するガスの体積が成
形品体積の0.1〜10倍になるように、理想気体の状
態式を用いて成形圧力、成形温度および熱硬化性合成樹
脂成形材料より発生するガスのモル数を決定することに
より、外部に開放された連続微細気孔を有する熱硬化性
合成樹脂の硬化成形体を形成し、この得られた連続微細
気孔を有する熱硬化性合成樹脂の硬化成形体に潤滑油ま
たは吸水して潤滑機能を発揮する吸水剤を含浸させるこ
とににより製造することができる。
【0006】熱硬化性合成樹脂成形材料としてはフエノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を例示する
ことができるが、フエノール樹脂が比較的可塑化および
硬化温度が低いので最も好ましい。フエノール樹脂に
は、レゾールタイプとノボラックタイプの2種類ある
が、いずれも使用可能である。レゾールタイプのフエノ
ール樹脂の場合は、フエノールとホルマリンの付加重合
によって生成されたレゾール樹脂が熱と圧力によって縮
合と熱分解を繰り返し次第に3次元の網状高分子化合物
に成長してゆく。その過程で反応水が放出されるので、
図1に示すように中間製品の熱硬化性合成樹脂の硬化生
成物1中には無数の外部に開放された連続微細気孔2が
生成される。
【0007】また、ノボラックタイプのフエノール樹脂
の場合は、フエノールとホルマリンの付加重合物がさら
にフエノールと縮合してノボラック樹脂を形成する。ノ
ボラック樹脂をヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤の
存在で熱と圧力をかけると、3次元の網状構造体が生成
される。この際、アンモニアを主とする硬化剤の分解ガ
スが発生するので、最終製品の硬化生成物中には無数の
外部に開放された連続微細気孔が生成される。
【0008】エポキシ樹脂の場合は硬化剤として添加さ
れるメタキシリレンジアミンが空気中の炭酸ガスを吸収
しやすく、この吸収された炭酸ガスがエポキシ樹脂の硬
化反応の際に放出され、硬化生成物中には無数の外部に
開放された連続微細気孔が形成される。ポリイミド樹脂
の場合は、縮合反応によって生成される反応水によっ
て、硬化生成物中には無数の外部に開放された連続微細
気孔が形成される。
【0009】この連続微細気孔を生成させるには、圧縮
成形機を用い加熱加圧して熱硬化性合成樹脂成形材料を
重合または縮合硬化させる際に発生するガスの体積が成
形品体積の0.1〜10倍になるように、理想気体の状
態式を用いて成形圧力、成形温度および熱硬化性合成樹
脂成形材料より発生するガスのモル数を決定することが
必要である。理想気体の状態式はPV=nRTで表され
る。これを本発明における熱硬化性合成樹脂成形材料の
加熱圧縮成形に当てはめると、Pは成形圧力、Vは熱硬
化性合成樹脂成形材料の重合または縮合硬化の際に発生
する水蒸気、アンモニア、炭酸ガスなどのガスの体積、
nはそのガスのモル数、Rは定数で0.082、Tは加
熱温度(絶対温度)である。
【0010】例えば、レゾールタイプのフエノール樹脂
を用い、成形品体積50立方cmで連続気孔率50vo
l%の硬化成形体を得る際に、反応水2mol(36
g)を発生するフエノール樹脂を用い、発生ガス量を成
形体の約5倍の体積にし、成形温度を160℃にする
と、成形圧力はP=nRT/Vであるので、 P=2mol×0.082×(273+160)÷
(0.05リットル×5倍)=284kg/平方cm
となる。
【0011】この際、発生するガスの体積Vが0.1よ
り小さいと、実質的に細孔はほとんど形成されず、潤滑
油を含浸させるという目的を達成することはできない。
一方、ガスの体積Vが10倍よりも多きいと、成形品の
強度が弱くなると共に、細孔径が大きくなり過ぎて潤滑
油を毛細管現象によって成形品の内部深くまで吸収して
保持する力が弱くなるので、潤滑剤寿命が短くなり好ま
しくない。ちなみに、一般の発泡樹脂製品は20〜40
倍のガスを発生させて成形している。このような連続微
細気孔を生成させる際に、発泡剤を補助的に使用するこ
とができる。しかしあまり強力な発泡剤を使用すると、
気泡のサイズが大きく成りすぎるので、微弱な発泡剤を
使用することが好ましい。このような、微弱発泡剤とし
ては、りんご酸と炭酸ナトリウムを組み合わせたものを
例示することができる。また、その反対に発生ガスが多
すぎる場合には、発生ガス補足剤として、水酸化カルシ
ウムやシリカゲルを添加してガスを吸収することによ
り、ガス量を調整することができる。このようにして生
成される連続微細気孔のサイズは2〜50μmとなる。
【0012】連続微細気孔を有する硬化成形体に含浸さ
せる潤滑油としては、スピンドル油、マシン油、タービ
ン油等をあげることができる。また吸水して潤滑機能を
発揮する吸水剤としては、ポリアクリル酸塩系、ポリビ
ニルアルコール系、ポリオキシエチレン系の吸水剤をあ
げることができる。これらの吸水剤は常態では粉状また
は液状を呈しており、水を加えると膨潤し、潤滑性能を
発揮するものである。これらの潤滑油を上記の硬化成形
体に含浸させるには、潤滑油中に硬化成形体をドブ漬け
するだけでもよいが、完全に硬化成形体の連続気孔の内
部にまで潤滑油を浸透させるためには減圧または真空含
浸を行なうのが好ましい。
【0013】吸水剤の場合は、粉状をしているものは適
当な溶剤に溶解または分散して硬化成形体に含漬させ
る。液状をしているものはそのまま硬化成形体に含漬さ
せる。潤滑油または吸水剤を含浸した含油樹脂製品は、
図2に示すように熱硬化性合成樹脂の硬化成形体1中に
形成された連続微細気孔2の中に潤滑油または吸水剤3
が保有されている。
【0014】
【実施例】
(実施例1)レゾール樹脂ペレット60gをスライド式
圧縮成形機によって160℃、280kg/平方cmで
3分間保持してブロック状に圧縮成形した。なお、この
際の発生ガスは反応水の水蒸気であって、生成する水蒸
気の量は計算値で2mol、発生ガスの体積は圧縮状態
で成形品の5倍とした。得られたブロック状のフエノー
ル樹脂硬化成形体には無数の微細な気孔が形成されてい
た。この気孔は連続していてブロック体の中を縦横に走
っていた。またこの気孔の平均径は約5μm〜20μ
m、気孔率は50%であった。このブロック状の硬化成
形体にスピンドル油を真空含浸した結果、スピンドル油
を50重量%含む含油樹脂製品が得られた。この含油樹
脂製品の物性は次の通りである。 曲げ強さ:20kg/平方mm 圧縮強さ:20kg/平方mm シャルピー衝撃値:5kg・cm/平方cm ロックウエル硬さ:M110
【0015】また、この製品の摩耗試験を行なった結果
を図4に示す。この摩耗試験はジャーナル式摩耗試験機
を使用して、その固定軸に中空円筒状のサンプルをはめ
込み、このサンプルを面圧100kg/平方cm、すべ
り速度2m/minで強制的に回転させて、サンプルの
内径の摩耗量(mm)を測定した。サンプルには外径1
4.00mm、内径10.00mm、長さ10.00m
mの中空円筒状の本製品A(実施例1の製品)と、それ
と同じサイズの含油率15wt%の含油ポリアセタール
製品(従来品B)とを使用して両者の比較試験を行なっ
た。結果は、図4に示すごとく、従来品Bが500時間
で急激に摩耗量が増加するのに対して、本製品Aは20
00時間以上試験を継続してもその摩耗量の変化はほと
んど見られなかった。
【0016】この含油樹脂製品はガイドレール、すべり
軸受、チェーン部材等として好適である。すべり軸受と
しての耐用試験を行なった結果はは次の通りである。 使用条件 面圧: 50kg/平方c
m すべり速度: 2m/min 試験結果 摺動寿命: 15000hr 潤滑寿命: 15000hr 動摩擦係数: 0.10 熱膨張係数(寸法安定性): 0.00072
/℃ 摺動音: 35db
【0017】比較のために従来品[含油アセタール樹脂
製品(商品名ガンプラA−H、住友電気工業株式会社
製)、含油率15%]により製造したすべり軸受の耐用
試験の結果を次に示す。 摺動寿命: 2000hr 潤滑寿命: 2000hr 動摩擦係数: 0.25 熱膨張係数(寸法安定性): 0.00008
1/℃ 摺動音: 65db
【0018】(実施例2)ノボラック樹脂ペレット60
gと粒状のヘキサメチレンテトラミン20gを混合した
ものをスライド式圧縮成形機によって160℃、280
kg/平方cmで3分間保持してブロック状に圧縮成形
した。なお、この際の発生ガスは硬化剤から発生したア
ンモニアガスであって、生成するアンモニアの量は計算
値で2mol、発生ガスの体積は圧縮状態で成形品の5
倍とした。このブロック状の硬化成形体にスピンドル油
を真空含浸した結果、スピンドル油を50重量%含む含
油樹脂製品が得られた。この含油樹脂製品の物性は実施
例1の場合とほぼ同一である。
【0019】(実施例3)エポキシ樹脂のペレット60
gと液状のメタキシリレンジアミン25gを混合したも
のをスライド式圧縮成形機によって60℃、220kg
/平方cmで60分間保持してブロック状に圧縮成形し
た。得られたブロック状の硬化成形体には無数の微細な
気孔が形成されていた。なお、この際の発生ガスは硬化
剤から放出される炭酸ガスであって、放出される炭酸ガ
スの量は計算値で2mol、発生ガスの体積は圧縮状態
で成形品の5倍とした。
【0020】得られたブロック状のエポキシ樹脂硬化成
形体には無数の微細な気孔が形成されていた。この気孔
は連続していてブロック体の中を縦横に走っていた。ま
たこの気孔の平均径は約5μm〜20μm、気孔率は5
0%であった。このブロック状の硬化成形体にスピンド
ル油を真空含浸した結果、スピンドル油を50重量%含
む含油樹脂製品が得られた。この含油樹脂製品の物性は
次の通りである。 曲げ強さ:13kg/平方mm 圧縮強さ:11kg/平方mm アイゾット衝撃値:3kg・cm/平方cm ロックウエル硬さ:M108
【0021】(実施例4)ポリイミド樹脂のペレット6
0gをスライド式圧縮成形機によって400℃、440
kg/平方cmで10分間保持してブロック状に圧縮成
形した。得られたポリイミド樹脂の硬化成形体には無数
の微細な気孔が形成されていた。なお、この際の発生ガ
スは反応水の水蒸気であって、生成する水蒸気の量は計
算値で2mol、発生ガスの体積は圧縮状態で成形品の
5倍とした。得られたブロック状のフエノール樹脂硬化
成形体には無数の微細な気孔が形成されていた。この気
孔は連続していてブロック体の中を縦横に走っていた。
またこの気孔の平均径は約5μm〜20μm、気孔率は
50%であった。このポリイミド樹脂の硬化成形体にス
ピンドル油を真空含浸した結果、スピンドル油を50重
量%含む含油樹脂製品が得られた。含油樹脂製品の物性
は次の通りである。 曲げ強さ:15kg/平方mm 圧縮強さ:15kg/平方mm アイゾット衝撃値:8.0kg・cm/平方cm ロックウエル硬さ:M100
【0022】
【発明の効果】本発明は、圧縮成形機を用い加熱加圧し
て熱硬化性合成樹脂成形材料を重合または縮合硬化させ
る際に発生するガスの体積が成形品体積の0.1〜10
倍になるように、理想気体の状態式を用いて成形圧力、
成形温度および熱硬化性合成樹脂成形材料より発生する
ガスのモル数を決定することにより連続微細気孔を有す
る硬化成形体を形成することができた。そしてこの連続
微細気孔を有する硬化成形体に潤滑油または吸水により
潤滑機能を発揮する吸水剤を含浸させるこよにより、自
己破壊のない、高強度な、油なじみの良い含油樹脂製品
が得られた。さらに、この含油樹脂製品は摺動部材とし
て次の様な特性を有している。
【0023】(1)自己破壊現象がなくなり摺動寿命が
長くなる。潤滑油は外部に開放された連続微細気孔中に
含浸されているので、熱により油が膨張しても気孔の開
口部から外部に放出され、内部から合成樹脂硬化成形体
に圧力をかけて合成樹脂硬化成形体を破壊させることは
なくなり、含油樹脂製品の寿命が長くなる。 (2)動摩擦係数が低減する。潤滑油は外部に開放され
た連続微細気孔中に保有されているので、潤滑油はその
開口部から摺動面に絶えず供給され油膜が形成され、動
摩擦係数が低減する。また、熱硬化性樹脂は親油性であ
るので、摺動面における油膜の形成を助長し、動摩擦係
数を低減する。
【0024】(3)摺動熱による摺動部品の寸法変化が
少なくなる。連続微細気孔中に潤滑油を含浸させるので
含油率が向上し、潤滑面に油が十分に供給され、摺動熱
が軽減され、摺動部品の熱による寸法変化を低く押さえ
ることができる。 (4)潤滑剤の寿命が延びる。潤滑油は外部に開放され
た連続微細気孔中に保有されているので、摺動運動によ
る熱によって潤滑油は膨張して摺動面に供給され、摺動
運動が停止すると、潤滑油の温度が下がり収縮すると同
時に微細気孔の毛細管現象によって気孔内に戻される。
したがって、潤滑油の消耗量が極めて少なくなった。
【0025】(5)水潤滑が可能になる。潤滑剤として
吸水により潤滑機能を発揮する吸水剤を使用することに
より、摺動面への水の給水によって、潤滑作用を行なわ
せることが可能になった。 (6)摺動音が低減できる。この含油樹脂製品は無数の
連続微細気孔を有するので、この気孔が摺動運動に対す
る緩衝作用を発揮し、摺動音を減衰させることができ
た。ちなみに、熱可塑性樹脂に潤滑油を練り込んだ従来
の含油樹脂製品の摺動音は65dBに対して本発明の含
油樹脂製品の摺動音は35dBであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の含油樹脂製品の中間生成物の断面図で
ある。
【図2】本発明の含油樹脂製品の最終製品の断面図であ
る。
【図3】従来の含油樹脂製品の断面図である。
【図4】本発明の含油樹脂製品と従来の含油樹脂製品と
のジヤーナル摩耗試験成績を示すグラフである。
【符号の説明】
1 熱硬化性合成樹脂の硬化生成物 2 連続微細気孔 3 潤滑油 10 熱可塑性合成樹脂のマトリックス 11 微粒子状の潤滑油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 101:10 105:04 C08L 61:06 63:00 79:08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部に開放された連続微細気孔を有する
    熱硬化性合成樹脂の硬化成形体に、潤滑油または吸水し
    て潤滑機能を発揮する吸水剤を含浸させてなる含油樹脂
    製品。
  2. 【請求項2】 熱硬化性合成樹脂成形材料を圧縮成形機
    により加熱、加圧成形する際に、熱硬化性合成樹脂成形
    材料より発生するガスの体積が成形品体積の0.1〜1
    0倍になるように、理想気体の状態式を用いて成形圧
    力、成形温度および熱硬化性合成樹脂成形材料より発生
    するガスのモル数を決定することにより、外部に開放さ
    れた連続微細気孔を有する熱硬化性合成樹脂の硬化成形
    体を形成する成形工程および、該連続微細気孔を有する
    熱硬化性合成樹脂の硬化成形体に潤滑油または吸水して
    潤滑機能を発揮する吸水剤を含浸させる含浸工程を含む
    ことを特徴とする含油樹脂製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記成形工程において、熱硬化性合成樹
    脂成形材料に必要に応じて硬化剤、微弱な発泡剤および
    /またはガス捕捉剤を含有させることを特徴とする請求
    項2の含油樹脂製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記熱硬化性合成樹脂材料の主成分がフ
    エノール樹脂であることを特徴とする請求項2または3
    の含油樹脂製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記熱硬化性合成樹脂材料の主成分がエ
    ポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2または3の
    含油樹脂製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記熱硬化性合成樹脂材料の主成分がポ
    リイミド樹脂であることを特徴とする請求項2または3
    の含油樹脂製品の製造方法。
JP5056320A 1993-02-23 1993-02-23 含油樹脂製品およびその製造方法 Pending JPH06248108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5056320A JPH06248108A (ja) 1993-02-23 1993-02-23 含油樹脂製品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5056320A JPH06248108A (ja) 1993-02-23 1993-02-23 含油樹脂製品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06248108A true JPH06248108A (ja) 1994-09-06

Family

ID=13023881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5056320A Pending JPH06248108A (ja) 1993-02-23 1993-02-23 含油樹脂製品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06248108A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19519468A1 (de) * 1994-05-26 1995-11-30 Ebara Corp Gleitmaterial
JP2007186621A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Ntn Corp 樹脂多孔質体
WO2009061645A2 (en) 2007-11-06 2009-05-14 The Boeing Company Hydrophobic and/or oleophobic open cell polyimide acoustic and thermal insulation foams and methods of making
JP2011161352A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Toshiba Corp 油分吸着粒子、油分吸着粒子の製造方法、油分回収方法、及び油分吸着粒子の再生方法
JP2012007161A (ja) * 2010-05-28 2012-01-12 Kyoto Univ 多孔質ポリイミド膜の製造方法、多孔質ポリスチレン膜の製造方法、多孔質電極の製造方法及び多孔質電極

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19519468A1 (de) * 1994-05-26 1995-11-30 Ebara Corp Gleitmaterial
DE19519468B4 (de) * 1994-05-26 2007-06-14 Ebara Corp. Tauchlager zur Verwendung sowohl in Flüssigkeit als auch in gasförmiger Atmosphäre
JP2007186621A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Ntn Corp 樹脂多孔質体
WO2009061645A2 (en) 2007-11-06 2009-05-14 The Boeing Company Hydrophobic and/or oleophobic open cell polyimide acoustic and thermal insulation foams and methods of making
WO2009061645A3 (en) * 2007-11-06 2009-10-22 The Boeing Company Hydrophobic and/or oleophobic open cell polyimide acoustic and thermal insulation foams and methods of making
US8324285B2 (en) 2007-11-06 2012-12-04 The Boeing Company Hydrophobic and/or oleophobic open cell polyimide acoustic and thermal insulation foams and methods of making
JP2011161352A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Toshiba Corp 油分吸着粒子、油分吸着粒子の製造方法、油分回収方法、及び油分吸着粒子の再生方法
JP2012007161A (ja) * 2010-05-28 2012-01-12 Kyoto Univ 多孔質ポリイミド膜の製造方法、多孔質ポリスチレン膜の製造方法、多孔質電極の製造方法及び多孔質電極

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100557261C (zh) 含部分碳化的碳纤维的摩擦材料及其制备方法
US7659230B2 (en) Thermoplastic resin composition containing mesoporous powders absorbed with lubricating oils
CN1880791B (zh) 全纤维结构摩擦材料
CN100394061C (zh) 混合沉积摩擦材料及制备摩擦材料的方法
KR100350332B1 (ko) 분말실리콘수지와분말페놀수지를포함하는불포화마찰재료및이의제조방법
KR19990063125A (ko) 보다 적은 양의 가는 섬유를 갖는 아라미드 섬유 및 탄소 섬유를 포함하는 마찰 라이닝 재료를 위한 섬유 기초 재료
JPH0783258A (ja) 粉末フェノール樹脂を含む摩擦材料およびそれを製造する方法
WO2004111476A1 (ja) すべり軸受
JPS6317872B2 (ja)
US3574429A (en) Low friction bearing and method for making same
JPH06248108A (ja) 含油樹脂製品およびその製造方法
JPH0386529A (ja) 多孔性複合シート及びその製造法
JPS622029A (ja) 多孔性摩擦材料およびその製造方法
KR0182782B1 (ko) 습식 마찰 재료
CN108978346A (zh) 一种泡沫酚醛树脂胶液浸渍型纸基摩擦材料的制备方法
Li et al. Optimization of pore structure and wet tribological properties of paper-based friction materials using chemical foaming technology
JPH06172553A (ja) 含油樹脂製品の製造方法
PINCA-BRETOTEAN et al. Composites based on sustainable biomass fiber for automotive brake pads
JP2915444B2 (ja) 湿式摩擦材
JPH11269343A (ja) メラミン樹脂発泡体及びその製造方法
CN111421129A (zh) 推送装置
JPH11130876A (ja) 摺動部材
JP3322359B2 (ja) 乾湿両用摺動部材およびその製造方法
JPH09104764A (ja) 湿式摩擦材
RU16615U1 (ru) Подшипник скольжения