JPH06248041A - 生分解性フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

生分解性フェノール樹脂の製造方法

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JPH06248041A
JPH06248041A JP3663993A JP3663993A JPH06248041A JP H06248041 A JPH06248041 A JP H06248041A JP 3663993 A JP3663993 A JP 3663993A JP 3663993 A JP3663993 A JP 3663993A JP H06248041 A JPH06248041 A JP H06248041A
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JP
Japan
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parts
sugars
celluloses
phenols
sugar
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JP3663993A
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English (en)
Inventor
Takuya Tochimoto
卓哉 栃本
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Sumitomo Durez Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Durez Co Ltd
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Publication date
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  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール類と砂糖類及びセルロース類の混
合物を酸性触媒の存在下、フェノール類100重量部に
対し、砂糖類及びセルロース類の混合物を20〜200
重量部の割合で反応させることを特徴とする生分解性を
有するフェノール樹脂の製造方法。 【効果】 生分解性を有し、しかも耐熱性に優れた、熱
硬化型生分解性樹脂を得ることが可能となった。本発明
で得られた生分解性フェノール樹脂は、これまでの熱可
塑性の生分解性プラスチックでは使用できない、耐熱性
を要する分野での使用が可能であり、生分解性樹脂の用
途を拡大できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有する熱硬
化性樹脂の製造方法に関するものである。更に詳しく
は、生分解性を付与することにより、使用後は速やかに
分解され、環境に悪影響を及ぼさない熱硬化性樹脂の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物による環境汚染が深刻
な問題となっている。従来のこの様な廃棄物は、合成樹
脂が主体であるが、これらは、微生物により分解される
ことはほとんどなく、土壌中や海水中、水中で半永久的
に残存している。このことが環境汚染を拡大し、問題を
より深刻にしている。これらの問題を解決するために、
今日、生分解性プラスチックが注目を集めている。しか
しながら、これまでに開発されている生分解性プラスチ
ックは熱可塑性であるために耐熱性が要求される分野で
はその使用が制限されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性の要
求される分野においても、生分解性を有する高分子材料
の利用を可能にすべく検討を行い完成されたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、フ
ェノール類と砂糖類及びセルロース類の混合物を、フェ
ノール類100重量部に対し、砂糖類及びセルロース類
の混合物を20〜200重量部の割合で、酸性触媒の存
在下、反応させることを特徴とする生分解性を有するフ
ェノール樹脂の製造方法に関するものである。
【0005】
【作用】本発明で使用するフェノール類としては、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾ
ルシン、アルキルフェノール類、ビスフェノール類及び
これらの混合物が挙げられる。さらに、ハイドロキノ
ン、アニリン、尿素、メラミン、カシューナットシェル
オイルなどを物性に影響を及ぼさない範囲で使用するこ
とができる。砂糖類は、一般に主成分は、ショ糖である
が、カンショ糖とテンサイ糖に分類できる。また、製法
工程により含ミツ糖と分ミツ糖、精製程度により粗糖、
精製糖、色相により白砂糖、赤砂糖、黒砂糖、あるいは
加工形態により粉糖、角砂糖、氷砂糖などに分類され
る。これらは、いずれも本発明に使用可能である。セル
ロースは、植物細胞壁の主成分をなす多糖であり自然界
に産出する有機物中で最も多量に存在する。セルロース
分子はD−グルコピラノースがβ1−4結合で連なった
構造で側鎖は存在しない。セルロースのX線回折によれ
ば、その結晶部分の構造は分子内及び分子間水素結合に
より鎖状分子が互いに平行に規則正しく配列したもので
ある。本発明で使用するセルロース類としては、上記セ
ルロースの一般特性を有するものであれば、特に限定さ
れるものではない。
【0006】砂糖類及びセルロース類の混合物と併用し
て、通常のノボラックを合成する際に使用するホルムア
ルデヒド等のアルデヒド類、ケトン類などを、物性に影
響を及ぼさない範囲で使用することも可能である。しか
しながら、ホルムアルデヒド等を使用した場合、機械的
特性、耐熱性は向上するが、生分解性が低下する傾向が
現われる。フェノール類と砂糖類及びセルロース類を酸
性触媒下で加熱すると反応し樹脂を生成する。しかし、
中性又はアルカリ性触媒下ではほとんど反応しない。こ
れは、酸により砂糖類及びセルロース類が加水分解され
るためである。砂糖類は加水分解により、ブドウ糖と果
糖を生成する。また、セルロース類は加水分解により最
終的にはその構造単位であるD−グルコースに分解され
る。これら砂糖類とセルロース類からの分解物が、分子
中にアルデヒド及びカルボニル基を有するためにフェノ
ール類と反応するものである。
【0007】フェノール類と砂糖類及びセルロース類の
反応に用いられる酸性触媒としては、硫酸、塩酸、硝
酸、燐酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、
琥珀酸などの有機酸が使用できる。フェノール類と砂糖
類及びセルロース類の混合物を酸性触媒下で反応させた
後、真空下で脱水すると、赤褐色ないし黒褐色のノボラ
ック型フェノール樹脂が得られる。この樹脂は、フェノ
ール類とアルデヒド類を酸性触媒下で反応して得られる
通常のノボラック型フェノール樹脂と同様にヘキサメチ
レンテトラミン、パラホルムアルデヒド等のホルムアル
デヒド供与体を添加し、加熱すると化学的3次元架橋構
造が生成し硬化する。フェノール類と砂糖類が酸性触媒
下で反応することは、特開昭58−55146号公報で
すでに報告され、また、フェノール類とセルロース類と
の反応も、特開平4−39001号公報等で報告されて
いる。しかしながら、これらの特許には生分解性に関す
る知見は報告されていない。
【0008】フェノール類と砂糖類及びセルロース類の
混合物の仕込み割合がフェノール類100重量部に対
し、砂糖類及びセルロース類の混合物が20〜200重
量部であれば、本発明を実施するための良好な樹脂が得
られる。この割合がフェノール類100重量部に対し
て、砂糖類及びセルロース類の混合物が20重量部未
満、あるいは反対に、200重量部以上では、生分解性
には影響はないが、機械的特性及び耐熱性の良好な樹脂
が得られにくくなる傾向がある。フェノール類と反応さ
せる砂糖類及びセルロース類の重量割合は10:90〜
90:10が好ましく、特に好ましくは40:60〜6
0:40である。セルロース類の重量割合が90%を越
えると得られる樹脂の生分解性がやや低下する傾向が現
われる。反対に、砂糖類の割合が90%を越えると得ら
れる樹脂の機械物性がやや低下する傾向が現われる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例において説明するが、
本発明は、これら実施例により限定されるものではな
い。また、以下の実施例中に記載されている「部」及び
「%」は、すべて「重量部」、「重量%」を示す。 《実施例1》冷却器と撹拌機付き反応釜を準備し、これ
にフェノール100部、砂糖30部、セルロース30
部、パラトルエンスルホン酸5部を仕込んだ後、徐々に
昇温した。内温130℃において、200分間生成する
水を留去しながら反応を行った。次いで、内温を180
℃まで昇温し反応を終了した。ここへ、メチルイソブチ
ルケトン200部を加え希釈した後、水洗を行い触媒を
除去した。これを常圧で130℃まで脱水反応を行い、
次いで180℃まで真空下で脱水反応を行い、生分解性
フェノール樹脂120部を得た。
【0010】《実施例2》冷却器と撹拌機付き反応釜を
準備し、これにフェノール100部、砂糖30部、セル
ロース20部、パラトルエンスルホン酸5部を仕込んだ
後、徐々に昇温した。内温130℃において、200分
間生成する水を留去しながら反応を行った。次いで、内
温を180℃まで昇温し反応を終了した。ここへ、メチ
ルイソブチルケトン200部を加え希釈した後、水洗を
行い触媒を除去した。これを常圧で130℃まで脱水反
応を行い、次いで180℃まで真空下で脱水反応を行
い、生分解性フェノール樹脂91部を得た。 《実施例3》冷却器と撹拌機付き反応釜を準備し、これ
にフェノール100部、砂糖50部、セルロース50
部、パラトルエンスルホン酸5部を仕込んだ後、徐々に
昇温した。内温130℃において、200分間生成する
水を留去しながら反応を行った。次いで、内温を180
℃まで昇温し反応を終了した。ここへ、メチルイソブチ
ルケトン200部を加え希釈した後、水洗を行い触媒を
除去した。これを常圧で130℃まで脱水反応を行い、
次いで180℃まで真空下で脱水反応を行い、生分解性
フェノール樹脂142部を得た。
【0011】《比較例1》冷却器と撹拌機付き反応釜を
準備し、これにフェノール100部、及び蓚酸10gを
仕込んだ後、徐々に昇温した。内温が96℃に達してか
ら37%ホルマリン69部を逐次添加し、120分間反
応し、ついで真空下で脱水反応を行いノボラック型フェ
ノール樹脂99部を得た。 《比較例2》冷却器と撹拌機付き反応釜を準備し、これ
にフェノール100部、セルロース80部、パラトルエ
ンスルホン酸5部を仕込んだ後、徐々に昇温した。内温
130℃において、200分間、生成する水を留去しな
がら反応を行った。次いで、内温を180℃まで昇温し
反応を終了した。ここへ、メチルイソブチルケトン20
0部を加え希釈した後、水洗を行い、触媒を除去した。
これを常圧で130℃まで脱水反応を行い、次いで18
0℃まで真空下で脱水反応を行い、フェノール樹脂13
6部を得た。
【0012】《比較例3》冷却器と撹拌機付き反応釜を
準備し、これにフェノール100部、砂糖5部、セルロ
ース5部、パラトルエンスルホン酸5部を仕込んだ後、
徐々に昇温した。内温130℃において、200分間生
成する水を留去しながら反応を行った。この時点での収
量は98部であり未反応のフェノールは74%であっ
た。これに37%ホルマリン37.4部を逐次添加し、
さらに96℃にて120分間反応を行った。ここへ、メ
チルイソブチルケトン200部を加え希釈した後、水洗
を行い、触媒を除去した。これを常圧で130℃まで脱
水反応を行い、次いで180℃まで真空下で脱水反応を
行い、フェノール樹脂93部を得た。 《比較例4》冷却器と撹拌機付き反応釜を準備し、これ
にフェノール100部、砂糖110部、セルロース11
0部、パラトルエンスルホン酸5部を仕込んだ後、徐々
に昇温した。内温130℃において、200分間生成す
る水を留去しながら反応を行った。次いで、内温を18
0℃まで昇温し反応を終了した。ここへ、メチルイソブ
チルケトン200部を加え希釈した後、水洗を行い、触
媒を除去した。これを常圧で130℃まで脱水反応を行
い、次いで180℃まで真空下で脱水反応を行い、フェ
ノール樹脂206部を得た。
【0013】以上、実施例1、2、3及び比較例1、
2、3、4で得られた樹脂を微粉末に粉砕し、これにヘ
キサメチレンテトラミンを樹脂100部に対して10部
加え、80℃/1時間+110℃/1時間+150℃/
1時間で硬化を行った。得られた硬化物を土中に埋設
し、6ヵ月後の状態を観察し、重量減少率を求めた。ま
た、得られた硬化物の熱分解開始温度を測定した。結果
を表1に示す。比較例1は砂糖類及び澱粉類を用いてい
ないため、生分解性が得られない。比較例2は、砂糖を
用いていないために生分解性が低下したものである。比
較例3は、フェノールに対する砂糖及びセルロースの混
合物の割合が低く、また未反応フェノールに対してホル
ムアルデヒドを加えているために、生分解性が得られな
い。また、比較例4は、フェノールに対する砂糖及びセ
ルロースの混合物の割合が高すぎるために、耐熱性が低
下する傾向が現われた。なお、実施例1、2、3の樹脂
とも空気中に6か月放置しても何の変化も見られなかっ
た。また、実施例1、2、3の樹脂とも300℃以上の
熱分解開始温度を持ち、充分な耐熱性を有している。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明により、生分解性を有し、しかも
耐熱性に優れた、熱硬化型生分解性樹脂を得ることが可
能となった。本発明で得られた生分解性フェノール樹脂
は、これまでの熱可塑性の生分解性プラスチックでは使
用できない、耐熱性を要する分野での使用が可能であ
り、生分解性樹脂の用途を拡大できるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類と砂糖類及びセルロース類
    の混合物を、フェノール類100重量部に対し、砂糖類
    及びセルロース類の混合物を20〜200重量部の割合
    で、酸性触媒の存在下、反応させることを特徴とする生
    分解性を有するフェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 砂糖類及びセルロース類の混合割合(重
    量)が10:90〜90:10である請求項1記載の生
    分解性を有するフェノール樹脂の製造方法。
JP3663993A 1993-02-25 1993-02-25 生分解性フェノール樹脂の製造方法 Pending JPH06248041A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017187907A1 (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 株式会社ブリヂストン ゴム配合用フェノール樹脂、ゴム組成物及びタイヤ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017187907A1 (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 株式会社ブリヂストン ゴム配合用フェノール樹脂、ゴム組成物及びタイヤ
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